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*時渡り
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[[???>アリマ♪]]([[セレビィ]]) 「泣いているの?」
[[IKOMA]] 「泣いてはおらぬ。」
[[アリマ♪]] 「悲しんでいるの?」
[[IKOMA]] 「この感情は悲しみというものなのであろうか?」
[[アリマ♪]] 「久しぶりね。[[イコマ>イコマ山]]の。」
[[IKOMA]] 「[[ロッコー>ロッコー山]]の。しばらく見なかったな。」
[[アリマ♪]] 「そなたの頂の木々は凍り、焼け落ち、坊主でござる。ぬしはまるで河童でござる。」
[[IKOMA]] 「河童とはいかにも。」
[[アリマ♪]] 「Vamos! Vamos! ALCINDO Sartori! ole!」
[[IKOMA]] 「汝の言葉。私にはわからぬ。」
[[アリマ♪]] 「ボクもよくわからないよ。」、「あたいもよくわかんない。」
[[IKOMA]] 「汝は山。私と同じく様々なものの集まり。」
[[アリマ♪]] 「余とそちは同じじゃ。」、「うちと同じや。」、「ボクと同じだね。」
[[IKOMA]] 「だから言葉を選んでもらえぬか?汝らが一度にしゃべると混乱する。」 
[[アリマ♪]] 「わかったよ。みんなの代わりにボクが一人でしゃべるよ。」
[[IKOMA]] 「この地の民は私を山神として信仰し、敬い、[[IKOMA]]神と呼ぶ。」
[[アリマ♪]] 「[[ロッコー山]]でボクが神さまって呼ばれたことはなかったね。いやボクたちが正解かな?」
[[IKOMA]] 「信仰のない地なのであろう。」
[[アリマ♪]] 「よくわからないよ。でも[[ロッコー山]]の民は、ボクを大事にしてくれる。」
[[IKOMA]] 「本来、山と民は共存するものなのだ。」
[[アリマ♪]] 「だけど、ここ燃えちゃったね。山頂は凍ってる。」
[[IKOMA]] 「ふむ。」
[[アリマ♪]] 「どうするの?」
[[IKOMA]] 「何もせぬ。」
[[アリマ♪]] 「何もしないの?」
[[IKOMA]] 「これから冬を迎える。そして春が訪れる。さすればまた木々は芽吹き、新たな生命が生まれる。」
[[アリマ♪]] 「また繰り返すの?」
[[IKOMA]] 「命は繰り返す。山がある限り、また命を産み。山もまた新たな命を育む。」
[[アリマ♪]] 「愚かなあの連中を止めないの?」
[[IKOMA]] 「そのようなことはできぬ。」
[[アリマ♪]] 「[[イコマ>IKOMA]]の。あなたには火を操る力があるのに。」
[[IKOMA]] 「私の力?」
[[アリマ♪]] 「この山の眼下に広がる地。民らがジョウトと呼ぶこの地を7日と7晩の間、焼き尽くすだけの力があるのに。」
[[IKOMA]] 「私をあがめる民をたたるなど私が望むことではない。」
[[アリマ♪]] 「ボクには人をたたる力はないけどね。」
[[IKOMA]] 「[[ロッコー>アリマ♪]]の。汝の力とは?」
[[アリマ♪]] 「ボクにあるのは時を渡る力。」
[[IKOMA]] 「ふむ。」
[[アリマ♪]] 「やつらを止めないの?」
[[IKOMA]] 「終わってしまったことだ。」
[[アリマ♪]] 「でも、また繰り返すかもしれないよ。」
[[IKOMA]] 「汝は止められるのか?」
[[アリマ♪]] 「ボクにはそんな力はない。ボクは時を渡る力を持つだけ。」
[[IKOMA]] 「あの者たちを過去に戻し、過ちを起こさぬよう諫めることはできぬのか?」
[[アリマ♪]] 「ボクにはそんな力はない。今を生きる者を過去に戻すなんて力はない。」
[[IKOMA]] 「人を過去に戻すことはできぬのか?」
[[アリマ♪]] 「生命の力が強すぎる。生きとし生けるものを操ることはできないよ。」
[[IKOMA]] 「&ruby(死人){しびと}であれば?」
[[アリマ♪]] 「瞑府の民?」
[[IKOMA]] 「死人であれば、時を遡らせることができるのか?」
[[アリマ♪]] 「できるかもしれないよ。」
[[IKOMA]] 「ところで[[ロッコー>アリマ♪]]の。」
[[アリマ♪]] 「何?」
[[IKOMA]] 「汝、何故[[アリマ♪]]と名乗る?」
[[アリマ♪]] 「それは、また今度教えてあげるよ。機会があればね。くすくす。」

<<時渡り・完>>

(2009.12.3)

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