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    <title>hinamizawaghetto @ ウィキ</title>
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    <description>hinamizawaghetto @ ウィキ</description>

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    <title>けいおん各キャラ呼び方</title>
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      |呼ぶ人↓呼ばれる人→|秋山 澪（あきやま みお）|平沢 唯（ひらさわ ゆい）|田井中 律（たいなか りつ）|琴吹 紬（ことぶき つむぎ）|中野 梓（なかの あずさ）|平沢 憂（ひらさわ うい）|鈴木 純（すずき　じゅん）|後&amp;countdown(01/04,d)日|
|秋山 澪（あきやま みお）|唯|律|ムギ|中野 梓（なかの あずさ）|平沢 憂（ひらさわ うい）|鈴木 純（すずき　じゅん）|後&amp;countdown(01/04,d)日|不明|    </description>
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    <title>メニュー</title>
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    <title>けいおんＢＲ２</title>
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      :96. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 01:32:47.94 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){　澪が投げたガラスの破片は、紬の目に当たった――のではなく、口に入った。 &amp;br() &amp;br()　興奮し、口を大きく開けていた紬の口に、 &amp;br()こぶし大のガラスがすっぽりと嵌まったのだ。 &amp;br() &amp;br()紬「ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ！」 &amp;br() &amp;br()　破片を外そうとすればするほど、口内に食い込んでいく。 &amp;br() &amp;br()澪「律！　早く取り押さえろ！」 &amp;br() &amp;br()　澪は律と紬がいる方向へ駆け寄ろうとしている。 &amp;br()　だが、窓をぶち破った際に膝を怪我した澪は、 &amp;br()早い速度で走ることができない。 &amp;br()　律が取り押さえるしかない。 &amp;br() &amp;br()　律は澪に返事もせずに、紬の懐に入り、両手でマシンガンを掴んだ。 &amp;br() &amp;br()　紬は絶叫しながらマシンガンの引き金を引く。 &amp;br()　先ほどのどかを撃った際に、紬の腕はボロボロになっていた。 &amp;br()　だから、律に押さえ込まれた紬は、銃の向きを変えることができなかった。 &amp;br()　ただ、引き金を引くだけだった。 &amp;br()　紬にはそれだけの力しか残されていなかった。 &amp;br()　銃の向きを決定していたのは、律だった。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()　弾が発射された方向には、こちらへ駆け寄ってくる澪がいた。 &amp;br()}
:108. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 01:45:55.56 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){　熱いエネルギーの塊の一つが、澪の腹部を貫いた。 &amp;br()　同時に、右脚にも弾が当たり、衝撃が走った。 &amp;br() &amp;br()澪「あ――――」 &amp;br() &amp;br()　澪の位置からは、紬が引き金を引くところは、 &amp;br()律の身体の影になって見えなかった。 &amp;br()　律が紬のマシンガンの向きを変え、自分に向け、 &amp;br()撃ったように見えていた。 &amp;br() &amp;br()　田井中律が秋山澪を銃撃した。 &amp;br() &amp;br()　それが、このときの澪に見えていた光景だった。 &amp;br() &amp;br()澪「（信じられない……。助けようとしたのに。 &amp;br()　私は、律を助けようとしたのに）」 &amp;br() &amp;br()　澪にとって唯一幸運だったのは、 &amp;br()先ほど紬がのどかと撃った際にマシンガンの弾薬を殆ど消費しており、 &amp;br()また、弾薬を補充していなかったことから、 &amp;br()発射された弾の量が少ないことだった。 &amp;br()　しかし、あまりの痛みに、澪は一瞬、気を失った。 &amp;br() &amp;br()　一方、律は澪に背を向けていたため、 &amp;br()澪が負傷したことには気付かなかった。 &amp;br()}
:114. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 01:55:36.77 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){　またしても不自然な体勢で銃を発射したため、 &amp;br()その反動で紬の身体はバランスを崩した。 &amp;br() &amp;br()　当然、紬は後ろ向きに倒れた。 &amp;br()　マシンガンを掴んでいた律は引っ張られ、 &amp;br()紬に勢いよく覆いかぶさる。 &amp;br() &amp;br()　倒れた律の肩が、紬の口に挟まったガラスの破片を、 &amp;br()さらに深く押し込んだ。 &amp;br() &amp;br()　噴水のように、鮮血が迸った。 &amp;br() &amp;br()　ガラスの破片が、紬の舌と頚動脈と脳を突き破ったのだった。 &amp;br() &amp;br()　噴水の一部は律の口と鼻を襲い、一時的に息ができなくなった。 &amp;br()　律が激しく咳き込みながら立ち上がったときには、 &amp;br()もう紬は静かになっていた。 &amp;br() &amp;br()律「うわあああああああああああああああっ！」 &amp;br() &amp;br()　律の肩も紬の口に破片を押し込んだ際にガラスで負傷していたが、 &amp;br()そんなことに気付く余裕もなかった。 &amp;br() &amp;br()律「（殺した。殺した。殺した。殺した殺した殺した殺した殺した。 &amp;br()　私がムギを殺した。殺してしまった）」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()――――十三時二十八分、琴吹紬死亡。 &amp;br()}
:118. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 02:08:03.08 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){梓「あれって、映画とかで聞いたことあるけど、 &amp;br()　マシンガンの音だよね……？ &amp;br()　二回も聞こえた。 &amp;br()　憂に支給された武器はノコギリだったから、 &amp;br()　憂以外の誰かが……」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()梓「憂以外の誰かが、他の誰かを殺そうとしたんだ」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()梓「憂以外にも、この人殺しゲームに &amp;br()　乗せられた人がいるんだ。 &amp;br()　信じられない。まだゲームが始まってから、 &amp;br()　十数分しか経ってないのに。 &amp;br()　どうしよう。私、一人ぼっちだよ。 &amp;br()　憂は唯先輩とコンビを組んでるだろうし、 &amp;br()　澪先輩と律先輩もコンビ……。 &amp;br()　１対２じゃ勝ち目はないよ。 &amp;br()　きっと、殺されたのは、のどかさんやムギ先輩だ。 &amp;br()　もう誰も、私の味方にはなってくれない。 &amp;br()　こうなったら――」 &amp;br() &amp;br()梓「こうなったら、自分が殺されるときには、他の人を巻き添えにしよう」 &amp;br() &amp;br()　梓に支給された武器は、手榴弾だった。 &amp;br() &amp;br()　しかし、梓の利き腕は、憂のノコギリでズタズタにされていた。 &amp;br()　手榴弾を遠くへ投げることはできない。 &amp;br()　もはや、梓の手榴弾は、罠か心中くらいにしか役立ちそうになかった。 &amp;br()}
:129. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 02:22:01.31 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){律「澪……。私、ムギを殺しちゃ……って、澪！？」 &amp;br() &amp;br()　振り返った律は、そのとき初めて澪が負傷していることに気付いた。 &amp;br() &amp;br()　律は倒れている澪に駆け寄り、仰向けに寝かせた。 &amp;br() &amp;br()律「お腹と脚を怪我してるみたいだな……。 &amp;br()　でも、澪の奴、何で怪我なんかしたんだろう？ &amp;br()　やっぱり、窓ガラスを突き破るのって、映画みたいにはいかないんだな。 &amp;br()　私の肩の傷はたいしたことないと思うし、まずは澪を止血しないと……。 &amp;br()　鞄に救急箱とか入ってないかな？」 &amp;br() &amp;br()　律は、遠くにある自分の鞄ではなく、近くにあった澪の鞄を探り始めた。 &amp;br()　支給されたものの中には、傷薬や包帯はないらしい。 &amp;br() &amp;br()律「痛ッ……！」 &amp;br() &amp;br()　鞄を探っていると、律の指先に痛みが走った。 &amp;br()　何かに触れて、指を傷つけたらしい。 &amp;br()　慎重に鞄の中身を掻き分け、それを見つけた。 &amp;br() &amp;br()　手袋とピアノ線だった。 &amp;br() &amp;br()　どうやらこれが澪に支給された武器らしい。 &amp;br()　何に使えと言うのだろう。 &amp;br()　律は手袋越しにピアノ線を持ち上げた。 &amp;br() &amp;br()　そのとき、気を失っていた澪が目覚め、律の持っているものを間近で見ることになった。 &amp;br() &amp;br()澪「やめてええええ！　殺さないでええええ！」 &amp;br()}
:134. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 02:32:56.69 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){律「は？　何言ってんの？」 &amp;br() &amp;br()　律はピアノ線を手にしたまま澪の顔を覗き込む。 &amp;br()　律は、自分の顔が血まみれになっていることを忘れていた。 &amp;br() &amp;br()澪「殺さないで！　殺さないで！　何でもするから！」 &amp;br() &amp;br()律「え……？　ああ、これか。大丈夫だよ。 &amp;br()　ただのピアノ線じゃないか」 &amp;br() &amp;br()澪「それで私の首を絞めようとしてたんだろ！？」 &amp;br() &amp;br()律「え？　……違うってば。 &amp;br()　私はただ、澪を止血する道具を探していただけで……」 &amp;br() &amp;br()澪「それ、私の鞄に入ってた奴だろ！？」 &amp;br() &amp;br()律「そうだけど」 &amp;br() &amp;br()澪「どうして勝手に人の鞄を開けるんだよ！ &amp;br()　もう見ちゃったのか？」 &amp;br() &amp;br()律「見るって、何を……。 &amp;br()　（そうか、この中には澪の私物も入ってるんだ。 &amp;br()　私に見られたくないものを、隠しているんだ） &amp;br()　私は何も見ていないよ」 &amp;br() &amp;br()澪「……本当に？」 &amp;br() &amp;br()律「本当だってば。しつこいな」 &amp;br()}
:144. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 02:40:37.53 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){澪「うう……。叫んだら傷口が広がって、ますます痛くなった」 &amp;br() &amp;br()律「馬鹿だなあ。待ってろ。止血するから」 &amp;br() &amp;br()　律は、ペットボトルの水で澪の脚の傷口を洗うと、脚の付け根を縛った。 &amp;br()　腹部の傷も同じように洗い、澪の私物のシャツを押し当て、 &amp;br()その上から帯で縛った。 &amp;br() &amp;br()律「とりあえず応急処置。こんなもん、かな？」 &amp;br() &amp;br()　高校生の律には、これが限界だった。 &amp;br() &amp;br()澪「ありがとう。……って、もしかして、律も怪我してるのか？」 &amp;br() &amp;br()律「え？　ああ、肩を少しだけ」 &amp;br() &amp;br()澪「肩の傷なんて、自分じゃ手当てできないだろ。待ってろ。私が……痛っ！」 &amp;br() &amp;br()律「無理すんなよ」 &amp;br() &amp;br()澪「それより、今、どんな状況だ？　私が寝ている間に何があった？」 &amp;br() &amp;br()律「ムギと、それからのどかが死んでる。唯と憂と梓の姿はない」 &amp;br() &amp;br()澪「じゃあ、こんな見晴らしのいいところにいるのは危険だな……。 &amp;br()　早くどこかに隠れないと」 &amp;br() &amp;br()律「じゃあ、とりあえずそこら辺の茂みに隠れるか。 &amp;br()　あっ、荷物は私が運ぶからいいよ。 &amp;br()　（その隙に、澪の鞄を探らないと……）」 &amp;br()}
:149. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 02:55:46.97 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){　ペロペロ……。 &amp;br() &amp;br()憂「お、お姉ちゃん……」 &amp;br() &amp;br()唯「どうしたの憂？　痛い？」 &amp;br() &amp;br()憂「全然痛くないよ。だって、お姉ちゃんの舌なんだから」 &amp;br() &amp;br()唯「それならよかった。もっと舐めるね？」 &amp;br() &amp;br()憂「うん……お願い。……あっ、あっ」 &amp;br() &amp;br()唯「ペロペロ……あ、血が止まったみたい」 &amp;br() &amp;br()憂「ありがとう。お姉ちゃんが傷を舐めてくれたおかげだよ。 &amp;br()　（やっと血が止まってくれた。 &amp;br()　お姉ちゃんを説得するためとはいえ、 &amp;br()　自分の腕を傷つけたのはやっぱり失敗だったかな）」 &amp;br() &amp;br()唯「ところで憂、気になっていることがあるんだけど……」 &amp;br() &amp;br()憂「何？　お姉ちゃん」 &amp;br() &amp;br()唯「憂は、最初、建物を出たけどあずにゃんは待ってなかったって言ったのに、 &amp;br()　どうしてあずにゃんは憂に傷をつけることができたの？」 &amp;br() &amp;br()憂「それは……」 &amp;br() &amp;br()唯「それに、憂が持っていたノコギリ、たくさん血がついてるよね……？ &amp;br()　どういうことなのか、説明してくれるよね？」 &amp;br()}
:157. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 03:08:36.83 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){澪「いいよ。私の鞄は、自分で運べるから。 &amp;br()　ギターを杖代わりにすることだってできるし」 &amp;br() &amp;br()律「そ、そうか……。 &amp;br()　じゃあ、私はムギやのどかのバッグを運ぶよ。 &amp;br()　あっちの茂みに隠れようか？」 &amp;br() &amp;br()　律が指さしたのは、唯と憂が逃げていった方角だった。 &amp;br() &amp;br()　律は、紬がそちらへ行こうとしているのを目撃していたので、 &amp;br()無意識のうちにその方向を選んでいたのだった。 &amp;br() &amp;br()　数分後、二人は並んで、木にもたれかかっていた。 &amp;br() &amp;br()律「私やのどかの武器も確認しておいた方がいいかな。 &amp;br()　マシンガンはもう弾切れだから銃としては役立たずだし。 &amp;br()　殴ることぐらいはできるかもしれないけどね。 &amp;br()　澪のピアノ線も、接近戦じゃないと役に立たないし」 &amp;br() &amp;br()澪「武器を確認する前に、聞いておいたいことがあるんだ。 &amp;br()　大事な話だ」 &amp;br() &amp;br()律「何だよ？」 &amp;br() &amp;br()澪「ほら、私、最後までスタート地点に残っていただろ？ &amp;br()　そのとき、先生から聞いたんだ」 &amp;br() &amp;br()律「……何を」 &amp;br() &amp;br()澪「律。お前――」 &amp;br()}
:161. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 03:17:17.35 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){澪「律。お前――軽音部の部費を、横領していただろ」 &amp;br() &amp;br()律「――！」 &amp;br() &amp;br()　相対的に額が小さく見えるほど、律の目が大きく見開かれた。 &amp;br() &amp;br()律「お前は何を言ってるんだ」 &amp;br() &amp;br()澪「お前は部長としての立場を利用していた。 &amp;br()　生徒会ののどかとグルになっていたんだろ？ &amp;br()　軽音部には多額の部費が支給されていたのに、私達には―― &amp;br()　正確には、私と唯とムギと梓には、知らされていなかった」 &amp;br() &amp;br()律「馬鹿なこと言ってんじゃないよ」 &amp;br() &amp;br()　律の身体が震え始めた。 &amp;br() &amp;br()澪「もう分かっているんだよ。先生が白状したんだから。 &amp;br()　先生は明言していなかったけど、 &amp;br()　軽音部に多額の部費が支給されていたなら、 &amp;br()　顧問が知らないはずがないもんな」 &amp;br() &amp;br()律「やめろ！　お前はさわ子先生に騙されているんだ！」 &amp;br() &amp;br()澪「それだけじゃない。お前は、 &amp;br()　ムギのクレジットカードを盗んだこともあったんだろ？ &amp;br()　ムギは世間知らずだったし、お前を友達だと思っていたから、 &amp;br()　暗証番号まで教えていた。 &amp;br()　なあ、律。どうしてそんなことしたんだよ。 &amp;br()　お金に困っているなら、どうして私に相談してくれなかったんだよ」 &amp;br()}
:168. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 03:24:20.17 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){律「だから違うってば。私はお金に困ってなんかいないよ。 &amp;br()　なあ、澪。目を覚ましてくれ。 &amp;br()　お前は先生にあることないこと吹き込まれて、騙されているんだよ。 &amp;br()　私達を仲間割れさせるのが、先生の目的なんだ」 &amp;br() &amp;br()澪「ここから先は想像だけど――のどかは罪の意識に耐えかねて、 &amp;br()　クレジットカードを盗んだことをムギに謝ったんじゃないのかな」 &amp;br() &amp;br()律「私の話を聞け！」 &amp;br() &amp;br()澪「もしかすると、盗まれたクレジットカードそのものを、 &amp;br()　ムギに見せたのかもしれない。 &amp;br()　その結果、ムギは逆上し、のどかを殺した。 &amp;br()　ムギがお前を殺そうとしたのも、同じ理由だ」 &amp;br() &amp;br()律「お前の話は、それで終わりかよ」 &amp;br() &amp;br()澪「だいたい終わった」 &amp;br() &amp;br()律「そんな嘘話を言って、私に何を聞きたいんだよ！」 &amp;br() &amp;br()澪「この話が――先生が言った話と、 &amp;br()　私の推測が正しいのか、教えて欲しい。 &amp;br()　お金に困っていたのに、私に相談してくれなかった理由も」 &amp;br() &amp;br()律「話すことなんか何もない！　そんなのは嘘っぱちだ！ &amp;br()　どうして私を信じてくれないんだよ！ &amp;br()　信じて欲しいのに！ &amp;br()　澪にだけは、私を信じて欲しいのに！」 &amp;br()}
:170. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 03:32:37.05 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){唯「うー……」 &amp;br() &amp;br()憂「どうしたの、お姉ちゃん？」 &amp;br() &amp;br()唯「走ったら暑くなっちゃった……」 &amp;br() &amp;br()憂「それは大変だよ！　汗疹ができちゃうかも！ &amp;br()　お姉ちゃんのきれいな肌に汗疹ができたら、 &amp;br()　私泣いちゃう！」 &amp;br() &amp;br()唯「憂……」 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、早く着替えないと！ &amp;br()　確か、バッグに制服が入っていたはずだから」 &amp;br() &amp;br()唯「こ、ここで？」 &amp;br() &amp;br()憂「汗疹ができてからじゃ遅いもの！ &amp;br()　私が水で身体を拭いてあげるから、 &amp;br()　早く服を脱いでよ！」 &amp;br() &amp;br()唯「う、うん、分かった。 &amp;br()　でも、この衣装、一人じゃ帯を外せないんだけど……」 &amp;br() &amp;br()憂「そんなの、私が外してあげるよ！」 &amp;br() &amp;br()唯「あれー？ &amp;br()　何か別の大切な話をしていたような気がしたんだけど……。 &amp;br()　気のせいかな？」 &amp;br()}
:176. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 03:42:52.26 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){澪「（私だって、信じたくないよ。律がそんなことをしていたなんて。 &amp;br()　先生に言われたときだって、信じていなかった。 &amp;br()　でも、あのとき――私はムギに襲われている律を助けようとしたのに、 &amp;br()　律は私を撃った。 &amp;br()　律は、ムギのマシンガンで、私を殺そうとした。 &amp;br()　おまけに、寝ている私の首をピアノ線で絞めようとした。 &amp;br()　これでどうしろって言うんだよ……）」 &amp;br() &amp;br()澪「本当のことを言ってくれ」 &amp;br() &amp;br()律「うるさいうるさい！　それを言ったら、澪だってどうなんだよ！」 &amp;br() &amp;br()澪「え……？　私？」 &amp;br() &amp;br()律「そうだよ！　私、知ってるんだぞ！ &amp;br()　学校裏サイトには、秋山澪は朝鮮人だって &amp;br()　書き込みがたくさんあるじゃないか！ &amp;br()　私に隠していたんだろ！」 &amp;br() &amp;br()澪「お前、あんな便所の落書きを信じてるのか！？ &amp;br()　私は正真正銘、生まれたときから日本人だ！」 &amp;br() &amp;br()律「証拠を見せてみろよ！」 &amp;br() &amp;br()澪「そんなもの持ち歩いているわけないだろ！」 &amp;br() &amp;br()律「それを言ったら私だって同じだ！ &amp;br()　この場で自分の身の潔白を証明することなんかできないじゃないか！」 &amp;br() &amp;br()澪「いや――できるよ」 &amp;br()}    </description>
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    <title>けいおんＢＲ</title>
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      http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1252676625/
:1. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 22:43:45.64 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){さわ子「今から、皆さんに殺し合いをしてもらいまーす♪」 &amp;br() &amp;br()澪「え？」 &amp;br() &amp;br()紬「へ？」 &amp;br() &amp;br()律「おいおいさわちゃん、バトルロワイアルじゃあるまいし……」 &amp;br() &amp;br()唯「りっちゃん、さわちゃん先生。バトロルワイアル……って、何？」 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩、バトロルワイアルじゃなくて、バトルロワイアルですよ」 &amp;br() &amp;br()憂「殺し合いをするゲームのことだよ、お姉ちゃん」 &amp;br() &amp;br()和「先生、変な冗談はやめてください！」 &amp;br() &amp;br()さわ子「冗談なんかじゃないよ♪」 &amp;br() &amp;br()和「殺人は法律で禁じられています」 &amp;br() &amp;br()さわ子「みんな、何生ぬるいこと言ってるの？ &amp;br()　日本は変わってしまったのよ。 &amp;br()　ほら、政権交代してミンス党がサミン党と連立を組んだでしょ？ &amp;br()　それでぇ、サミン党のみずぽが金正日に命令されてぇ、 &amp;br()　新世紀教育改革法、通称BR法を成立させちゃったの♪」 &amp;br() &amp;br()唯「ＢＬ法？」 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、それは紬さんが好きなものだよ！ &amp;br()　　ＢＬ法じゃなくて、ＢＲ法！」 &amp;br()}
:2. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 22:46:04.84 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){さわ子「１８歳未満の犯罪者には、警察に捕まっても、 &amp;br()　死刑程の重い罪にはならず、おまけに顔も実名も公開されない、 &amp;br()　数年を少年院で我慢すれば、何気ない顔をして社会復帰が可能と言う法律、 &amp;br()　”少年法”がある。その法律の甘さを気によくした訳ではないが、 &amp;br()　罪を犯し、時には人を殺して何のお反省もなくケロリと社会復帰をする未成年が急増した。 &amp;br()　”少年法”がそうなっているのだから仕方ないのだ。 &amp;br()　本来、その”少年法”は、家庭の仕付けや学校における論理教育を当てにして &amp;br()　設置されたはずのものだった。だが、その教育法で、当時の子供達が親世代まで成長し、 &amp;br()　”その時”甘やかされて育った親達がその下の世代の子供達に厳しくしつけれるはずがないし、 &amp;br()　いつからか改正され骨抜きになった教育指導（生徒に暴力はダメ！など）で &amp;br()　筋の通った教育ができるはずもなかった。こうして、少年法に守られ、 &amp;br()　あげく生意気でいとも容易く人を殺して反省もしない未成年が増え続けた。 &amp;br()　『BR法』は、そんな状況に業を煮やした一部の政治家達が立法化させたもの。 &amp;br()　『奴らは罪の重さを知らない、人を殺しても平然としているガキ共は、 &amp;br()　人の命の重みを分かっちゃいない、だったらそれを自分達の体でわからせてやろうじゃないか。』 &amp;br()　このようにしてBR法は立法化された。 &amp;br()　 &amp;br()　――ってことになってるんだけど、ぶっちゃけ、本当は、 &amp;br()　みずぽや北朝鮮が少しでも日本を破壊しようとしてるだけなんだけどね♪」 &amp;br() &amp;br()律「ぶっちゃけすぎだろ！」 &amp;br() &amp;br()梓「で、でも、バトルロワイアルって、クラスメート同士で殺し合いをするゲームですよね？ &amp;br()　　私たちは確かに同じ学校に通ってるけど、クラスメートじゃありませんよ？」 &amp;br() &amp;br()さわ子「それはね、このゲームがプレゼンテーションのためのデモンストレーションだからよ♪」 &amp;br() &amp;br()唯「プレゼントでもストレス？」 &amp;br() &amp;br()憂「先生、お姉ちゃんが話についていけてないので、もう少しわかりやすく説明してください」 &amp;br()}
:7. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 22:48:38.52 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){さわ子「要するにぃ、今回はテストプレイってことよ♪ &amp;br()　第１回じゃなくて、第０回って感じ？ &amp;br()　プログラムを実行するのに、どれだけの人員、資金、面積、日数が必要なのか、 &amp;br()　テストプレイしてみないと分からないでしょ？ &amp;br()　あなたたちが、そのテストプレイヤーに選ばれたってわけ。 &amp;br()　これはとっても名誉なことなんだから、誇りに思っていいわよぉ♪」 &amp;br() &amp;br()澪「ふざけんな！　黙って聞いてれば、いい加減にしろよ！」ガタンッ！ &amp;br() &amp;br()　澪、椅子を蹴り立ち上がる。 &amp;br()　律が後ろから羽交い絞めにする。 &amp;br() &amp;br()律「お、おい、澪。落ち着けよ」 &amp;br() &amp;br()さわ子「ふぅーん？　まだ自分達の置かれた状況が分からないみたいね？」 &amp;br() &amp;br()　さわ子、手を叩く。 &amp;br()　北朝鮮と韓国の軍人たちが部屋中に入ってくる。 &amp;br()　彼らは無表情に、澪に銃口を向ける。 &amp;br() &amp;br()澪「ひぃッ！」 &amp;br() &amp;br()梓「な、何なんですかこの人たち！」 &amp;br() &amp;br()さわ子「安心して。抵抗さえしなければ、この人たちは何もしないから。 &amp;br()　だって、あくまでもあなた達を殺し合わせるのが目的なんだもんね♪ &amp;br()　この人たちが殺しちゃったらゲームにならないでしょ？ &amp;br()　でも、抵抗したら容赦なく撃ち殺すから覚悟しなさいよぉ♪」 &amp;br()}
:8. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 22:51:18.89 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){和「……先生、詳しいルールを説明してください」 &amp;br() &amp;br()唯「のどかちゃん、まさか、このゲームに参加する気なの？」 &amp;br() &amp;br()　のどか、唯の肩に手を置く。 &amp;br() &amp;br()和「違うわよ。詳しいルールを聞かないことには、考えようがないでしょ？」 &amp;br() &amp;br()さわ子「のどかちゃんはなかなか賢いわねぇ♪ &amp;br()　私、賢い子って好きよぉ。みんなも賢くなってね？」 &amp;br() &amp;br()一同「……」 &amp;br() &amp;br()紬「あのぉ……」 &amp;br() &amp;br()　紬、おずおずと手を挙げる。 &amp;br() &amp;br()さわ子「何？」 &amp;br() &amp;br()紬「私の母方の祖父は、政府の高官なんです。 &amp;br()　父だって、多額の税金を納めたり、政治家に献金したりしてるし、 &amp;br()　琴吹家である私がプログラムに選ばれるなんて考えられません」 &amp;br() &amp;br()澪「お前！　自分だけ助かろうとして！」 &amp;br() &amp;br()律「だから澪、落ち着けってば！」 &amp;br() &amp;br()さわ子「静かになさい！」 &amp;br() &amp;br()澪＆律「……」 &amp;br()}
:9. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 22:54:14.69 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){紬「それは……」 &amp;br() &amp;br()さわ子「前回の選挙で政権を失った党よねぇ？ &amp;br()　おまけに、あなたのお祖父さんは、 &amp;br()　中国や韓国へのＯＤＡを廃止しようと画策していたし、 &amp;br()　北朝鮮への経済制裁を率先して行なっていたわよね？ &amp;br()　全く、困った人種差別主義者たちだわ。 &amp;br()　でも、このゲームの結果次第では、あなたのお父さんやお祖父さんも、 &amp;br()　人種差別をやめるかもしれないわねぇ♪」 &amp;br() &amp;br()紬「うっ、うっ……」 &amp;br() &amp;br()　紬、膝を抱えて泣き始める。 &amp;br()　のどか、冷たい目つきで紬を見下ろした後、さわ子に向き直る。 &amp;br() &amp;br()和「……先生、そんなことより、ゲームのルールを」 &amp;br() &amp;br()唯「のどかちゃん……」 &amp;br() &amp;br()さわ子「基本ルールは簡単よ。 &amp;br()　生存者が一人になるまで、殺し合いをしてもらうだけ。 &amp;br()　食料と水は少しだけ支給するけど、量が足りなかったら自分で何とかしてね♪ &amp;br()　言ってる意味、分かる？」 &amp;br() &amp;br()梓「……食料や水が足りなくなったら、 &amp;br()　他の人を殺して奪え、って意味ですか？」 &amp;br()}
:12. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:01:29.83 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){さわ子「その通りよ。一応、ゲームは三日間かけて行なわれる予定だから。 &amp;br()　もちろん、その前に生存者一名になったら終了だけどね♪ &amp;br()　三日経っても優勝者が現れなかった場合は、全員抹殺しまぁす♪ &amp;br()　それから、島から逃げ出そうとしても無駄よ。 &amp;br()　あなた達の首に嵌められた首輪が爆発しちゃうからね♪」 &amp;br() &amp;br()澪「首輪？　……って、まさか、このステージ衣装の……！」 &amp;br() &amp;br()　澪、自分の猫耳浴衣水着のステージ衣装に着けられた首輪を見下ろす。 &amp;br() &amp;br()和「軽音部じゃない私や憂ちゃんにまで無理矢理衣装を着せるから、 &amp;br()　おかしいと思ってたのよね……。迂闊だったわ」 &amp;br() &amp;br()さわ子「もちろん、無理に首輪を外そうとしても爆発するわよ♪ &amp;br()　それと、殺し合いをしやすいように、武器も支給しまぁす。 &amp;br()　どんな武器がもらえるかはランダムだから、 &amp;br()　外れを引いても落ち込まないでね♪ &amp;br()　他に支給されるのは、島の地図とコンパス、一時的に預かっていたあなた達の私物、そして制服よ。 &amp;br()　ステージ衣装だと動きにくいと思ったら制服に着替えてね。 &amp;br()　殺し合いを円滑に進めるためにどんどん生存エリアを狭めていくから注意してね♪ &amp;br()　増え続ける死亡エリアにいたら首輪が爆発しちゃうわよぉ。 &amp;br()　じゃあ、支給しまぁす♪」 &amp;br() &amp;br()　さわ子、全員に大きな鞄を渡していく。 &amp;br() &amp;br()さわ子「じゃあ、名前を呼んだ順に、この建物から出て行ってね♪ &amp;br()　まずは、中野梓ちゃんから♪」 &amp;br() &amp;br()澪「先生、どうして梓が一番なんですか。 &amp;br()　ここは、先輩である私たちが先に出発するべきです」 &amp;br()}
:14. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:03:14.33 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){ごめんなさい。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;8 &amp;br()と &amp;br()&gt;&gt;9 &amp;br()の間の台詞を一つ飛ばしていました。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;8 &amp;br()と &amp;br()&gt;&gt;9 &amp;br()の間に、 &amp;br() &amp;br()さわ子「さて、ムギちゃん。 &amp;br()　あなたのお父さんが後援していた政治家って、 &amp;br()　どこの党の人だったかしら？」 &amp;br() &amp;br()が入ります。 &amp;br()}
:18. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:10:05.69 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){&gt;&gt;12 &amp;br()の続き。 &amp;br()梓「澪先輩、先に出た方が有利だから、そんなこと言ってるんですか？」 &amp;br() &amp;br()澪「そういうわけじゃ……」 &amp;br() &amp;br()梓「このゲームに参加する気がないなら、出る順番なんか関係ないじゃないですか。 &amp;br()　つまり、澪先輩は先に建物から出て、私を殺そうとしているんですよね」 &amp;br() &amp;br()律「梓！　澪はそんなつもりで言ったんじゃないぞ！」 &amp;br() &amp;br()さわ子「はいはい、喧嘩は外に出てからやってね。 &amp;br()　出る順番に、別に大した理由なんかないわよ。 &amp;br()　順番はくじ引きをして、こっちで勝手に決めさせてもらったから。 &amp;br()　梓ちゃん、早く出て行きなさい」 &amp;br() &amp;br()梓「……はい」 &amp;br() &amp;br()唯「……あずにゃん、本当に行っちゃった」 &amp;br() &amp;br()さわ子「次、平沢憂ちゃん」 &amp;br() &amp;br()　憂は唯を励ますように微笑むと、部屋から出て行く。 &amp;br() &amp;br()澪「先に出るのは下級生ばっかりじゃないですか。本当にくじ引きで決めたんですか？」 &amp;br() &amp;br()　さわ子が無言で顎をしゃくると、再び澪に銃口が向けられる。 &amp;br() &amp;br()さわ子「澪ちゃん、何か不満でも？」 &amp;br() &amp;br()澪「……いえ、ありません」 &amp;br()}
:20. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:18:32.05 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){さわ子「じゃあ、静かにちゃっちゃと出て行ってね。 &amp;br()　次は、平沢唯ちゃん」 &amp;br() &amp;br()律「唯、あたし達が出るまで、待っててくれよ」 &amp;br() &amp;br()唯「え……？　うん、もちろんだよー」 &amp;br() &amp;br()澪「約束だぞ」 &amp;br() &amp;br()唯「う、うん……」 &amp;br() &amp;br()　唯、引きつった笑顔を浮かべ、部屋から出て行く。 &amp;br() &amp;br()さわ子「次は、真鍋和ちゃん」 &amp;br() &amp;br()　のどか、紬を一瞥すると、無言で出て行く。 &amp;br() &amp;br()澪「（小声で）なあ、律、ムギ」 &amp;br() &amp;br()律「何だ？」 &amp;br() &amp;br()澪「のどかって、信用できるのかな？」 &amp;br() &amp;br()律「何言ってんだよ。お前、のどかと同じクラスなんだろ？」 &amp;br() &amp;br()澪「そうだけど……。 &amp;br()　のどかの奴、自分からルールを聞いたりして、 &amp;br()　妙に乗り気だったじゃないか」 &amp;br()}
:23. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:27:04.85 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){律「そんなこと言ったら、ムギだって……」 &amp;br() &amp;br()　律、意味ありげに紬を見る。 &amp;br() &amp;br()紬「わ、私が家族の話をしたのは、みんなを助けるためだったのよ。 &amp;br()　もしも、私のお父さんやお祖父さんのことを理由に私がゲームを抜けられれば、 &amp;br()　同じように頼んでみんなも助けてもらうつもりだったわ」 &amp;br() &amp;br()澪「……そう、だよな？」 &amp;br() &amp;br()律「……そう、だよ」 &amp;br() &amp;br()紬「本当なのよ……」 &amp;br() &amp;br()さわ子「次を呼んでいい？　琴吹紬ちゃん」 &amp;br() &amp;br()　紬は泣きながら部屋を飛び出していく。 &amp;br() &amp;br()澪「律があんなこと言うから、泣かせちゃったじゃないか」 &amp;br() &amp;br()律「お前がのどかを疑ったからだろ。 &amp;br()　あたしはみんなのことを信じてるぞ。 &amp;br()　このゲームに乗る馬鹿な奴なんか、一人もいないって」 &amp;br() &amp;br()澪「さっきと言ってることが……」 &amp;br() &amp;br()さわ子「次、田井中律ちゃん」 &amp;br() &amp;br()澪「律。分かってると思うけど……」 &amp;br()}
:25. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:32:23.82 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){律「心配すんなって。ちゃんと出口で澪を待ってるからさ」 &amp;br() &amp;br()澪「うん。すぐに行くから、待っててくれよな」 &amp;br() &amp;br()　律、澪に手を振りながら出て行く。 &amp;br() &amp;br()澪「（とうとう一人になっちゃった……。 &amp;br()　みんな、待っててくれるかな……）」 &amp;br() &amp;br()さわ子「さて、残るは澪ちゃんだけね」 &amp;br() &amp;br()澪「もう出て行ってもいいですか？」 &amp;br() &amp;br()さわ子「まだ駄目よ。澪ちゃんに話しておきたいことがあって、 &amp;br()　最後に残ってもらったの」 &amp;br() &amp;br()澪「やっぱり、くじ引きで決めたなんて嘘だったんですか。 &amp;br()　それで、話って何ですか？」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()―――――少し前に戻る。スタート地点の外。 &amp;br() &amp;br()梓「ついカッとなって、澪先輩にあんなこと言っちゃったけど、 &amp;br()　やっぱり一人は心細いなあ……。 &amp;br()　早く誰か出てこないかな……あっ、憂ちゃん」 &amp;br()}
:27. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:35:36.59 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){憂「あ、梓……」 &amp;br() &amp;br()梓「えーと、その……」 &amp;br() &amp;br()憂「もしかして、お姉ちゃんを待ってるの？」 &amp;br() &amp;br()梓「え？　う、うん、そうなんだけど……。 &amp;br()　（まあ、確かに、待ってた人の中には唯先輩も含まれるし）」 &amp;br() &amp;br()憂「信じられない……お姉ちゃんを待ち伏せするなんて」 &amp;br() &amp;br()梓「ちょ、ちょっと待って。何かおかしいよ。 &amp;br()　待ち伏せしてたんじゃなくて、待ってただけで……」 &amp;br() &amp;br()憂「……行っちゃえ」 &amp;br() &amp;br()梓「え？」 &amp;br() &amp;br()憂「どっかへ行っちゃえ！　行け！　消えろ！ &amp;br()　お姉ちゃんは殺させない！　お姉ちゃんは私が守るの！」 &amp;br() &amp;br()梓「やめて！　鞄を振り回したら危ないってば！」 &amp;br() &amp;br()憂「うるさいうるさい！　お姉ちゃんは私の大切なお姉ちゃんなの！」 &amp;br() &amp;br()　憂が振り回した鞄の口から、金属切断用のノコギリが飛び出す。 &amp;br()　憂はノコギリを掴むと、梓に向けた。 &amp;br()}
:30. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:40:46.28 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){　梓は二、三歩退く。 &amp;br() &amp;br()梓「憂、どうしてこんなことするの……。 &amp;br()　友達だと思ってたのに……」 &amp;br() &amp;br()憂「そうだね。梓は私の大切な友達だよ。 &amp;br()　でも、大切な人っていうのには、順番があるの」 &amp;br() &amp;br()梓「順番？」 &amp;br() &amp;br()憂「そう、順番。優先順位。 &amp;br()　ゆ・う・せ・ん・じ・ゅ・ん・いいいいいいいいいい」 &amp;br() &amp;br()梓「『ゅ』だけ発音するのって、無理があるんじゃない？」 &amp;br() &amp;br()憂「とにかく、私の中の順位では、梓はお姉ちゃんよりも下なの。 &amp;br()　私は他の誰よりもお姉ちゃんを優先してる。 &amp;br()　お姉ちゃんのためなら、世界中の人を敵に回したって構わない」 &amp;br() &amp;br()梓「狂ってる……」 &amp;br() &amp;br()憂「そうよ。私は狂っているの。 &amp;br()　だから、一番大切なお姉ちゃんのためなら、 &amp;br()　大切な梓を殺すことだってできる！」 &amp;br() &amp;br()　憂、ノコギリを振り回す。梓は必死に避ける。 &amp;br() &amp;br()梓「やめてよ！　私は唯先輩を殺そうとなんてしてない！」 &amp;br() &amp;br()憂「黙れ黙れ！　お姉ちゃん以外はみんな敵だ！」 &amp;br()}
:39. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:48:36.86 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){ &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「ううー、迷子になっちゃったよぉ……。 &amp;br()　この建物広すぎだよ。出口はどっちなんだろう……」 &amp;br() &amp;br()憂「（遠くから）お姉ちゃん？」 &amp;br() &amp;br()唯「あ、憂！？」 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、こっちだよ！」 &amp;br() &amp;br()　唯、憂の声を頼りに進んでいく。 &amp;br() &amp;br()唯「憂！」 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん！」 &amp;br() &amp;br()　二人は満面の笑みを浮かべ、抱きしめ合う。 &amp;br()　そして、唯は我に返ったように周囲を見回す。 &amp;br() &amp;br()唯「……あれ？　あずにゃんは？」 &amp;br() &amp;br()憂「梓は、いなかったの」 &amp;br() &amp;br()唯「え！？　いなかった！？」 &amp;br() &amp;br()憂「そうなの。私が出口から出たときは、誰もいなかったの」 &amp;br()}
:42. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/11(金) 23:56:07.23 ID:kS0uPjPC0|&amp;aa2(c){唯「あずにゃん、トイレにでも行ってるのかな？ &amp;br()　それとも、私みたいに迷子になっちゃたのかな？」 &amp;br() &amp;br()　憂、真剣な表情で唯を見つめる。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、よく聞いて」 &amp;br() &amp;br()唯「うー？」 &amp;br() &amp;br()憂「梓は、きっと、逃げちゃったんだと思う」 &amp;br() &amp;br()唯「逃げたって、どうして？ &amp;br()　また、あの北朝鮮や韓国の怖い人達に会っちゃったの？」 &amp;br() &amp;br()憂「そうじゃないよ。 &amp;br()　梓は、私達から逃げ出したんだよ」 &amp;br() &amp;br()唯「……ねえ、憂。言ってる意味が、よく分かんないよ」 &amp;br() &amp;br()憂「だから、梓は、私達に殺されるかもしれないと思って逃げたんだよ」 &amp;br() &amp;br()唯「そんなわけ……。だってあずにゃんは……」 &amp;br() &amp;br()憂「だから、お姉ちゃん、私達も早く逃げなきゃ」 &amp;br() &amp;br()唯「でも、澪ちゃんやりっちゃん達と、ここで待ってるって約束を……」 &amp;br() &amp;br()憂「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ！ &amp;br()　美緒さんや律さんだって、お姉ちゃんを殺そうとしてるかもしれないんだよ！」 &amp;br()}
:46. &amp;aa2(#008000){◆Vgr1TMEW9pTH} 2009/09/12(土) 00:04:41.51 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){唯「ねえ、憂。何言ってるの？ &amp;br()　澪ちゃんやりっちゃんやムギちゃんやのどかちゃんが、 &amp;br()　あずにゃんを殺そうとするわけないじゃない。 &amp;br()　だって、みんな友達なんだから」 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、しっかりしてよ。 &amp;br()　……じゃあ、今から、私が証拠を見せてあげるね」 &amp;br() &amp;br()唯「証拠？」 &amp;br() &amp;br()憂「そうだよ。誰も信じられないっていう証拠」 &amp;br() &amp;br()　憂、ステージ衣装のそでを捲る。 &amp;br()　真新しい切り傷があり、少し血が流れている。 &amp;br() &amp;br()唯「どうしたの、これ！？　大丈夫？　痛くない？」 &amp;br() &amp;br()　唯は傷口を舐めようとする。 &amp;br() &amp;br()憂「いいよ、お姉ちゃん。 &amp;br()　別のときだったら嬉しいけど、今はそんな場合じゃないから。 &amp;br()　……この傷はね、梓がつけたの。私を殺そうとして」 &amp;br() &amp;br()唯「ひどいよ！　あずにゃん、ひどい！　　（でも、あれ？　さっきは、 &amp;br()　建物から出たときには誰もいなかったって言ってたような気が……）」 &amp;br() &amp;br()憂「じゃあ、お姉ちゃん。こうしようよ。 &amp;br()　遠くの茂みに二人で隠れて、これから出てくる人たちの様子を見ておくの。 &amp;br()　信用できそうだったら話しかけて、信用で着なさそうだったら無視する。 &amp;br()　これでいい？」 &amp;br()}
:47. &amp;aa2(#008000){◆Vgr1TMEW9pTH} 2009/09/12(土) 00:10:18.49 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){唯「……うん、分かった。 &amp;br()　憂がどうしてもって言うなら……」 &amp;br() &amp;br()憂「じゃあ、早く隠れようよ」 &amp;br() &amp;br()　憂、唯の手を引っ張って走り出す。 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()憂「（ふう、何とか上手くお姉ちゃんを説得できた。 &amp;br()　お姉ちゃんがなかなか私の言うことを聞いてくれないから、 &amp;br()　咄嗟にノコギリで自分の腕を傷つけた甲斐があったよ……。 &amp;br()　傷は痛いけど、これからお姉ちゃんが体験する心の痛みに比べれば、 &amp;br()　こんなの傷のうちに入らないよね。 &amp;br()　うん、お姉ちゃんのためなら、これくらい我慢できる）」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「はぁ、はぁ……。これでいいかな？」 &amp;br() &amp;br()憂「駄目だよ、お姉ちゃん。ステージ衣装がはみ出してるよ。 &amp;br()　もっとこっちに来て」 &amp;br() &amp;br()唯「こう？」 &amp;br() &amp;br()憂「違うよ。もっと私にくっ付いて……」 &amp;br() &amp;br()唯「あ、のどかちゃんが出てきた」 &amp;br() &amp;br()憂「（小声で）お姉ちゃん、声が大きいよ！」 &amp;br()}
:48. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 00:19:23.32 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){　のどかは、建物から出ると、誰もいないことに驚いた様子もなく、 &amp;br()　唯たちが隠れているのとは違う方向へ全速力で走り出した。 &amp;br()　のどかは近くの茂みに飛び込み、姿を消した。 &amp;br() &amp;br()唯「あれー？　のどかちゃん、行っちゃったよ……」 &amp;br() &amp;br()憂「様子を見る暇もなかったね……。 &amp;br()　（よし、とりあえず、これで二人はお姉ちゃんから引き離すことができた。 &amp;br()　残るは、澪さんと律さんと紬さん……）」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()紬「うっ、うっ、ひどいわ……。 &amp;br()　私、本当に、みんなのことを助けようと思って言ったのに……。 &amp;br()　できることならお家族のことなんて口にしたくなかったけど、 &amp;br()　それでも、みんなのために、って思ったのに……。 &amp;br()　でも、出口で唯ちゃんたちが待っててくれるわよね」 &amp;br() &amp;br()　紬、無理に笑顔を作って建物から出る。 &amp;br()　誰もいないことに気付き、無表情になる。 &amp;br() &amp;br()紬「ひどい……。ひどいひどいひどい。 &amp;br()　どうしてみんな私を仲間外れにするの。 &amp;br()　あんなにたくさんケーキや紅茶をあげたし、 &amp;br()　別荘にだって何度も招待したのに。 &amp;br()　やっぱりみんな本当は私のことを歩くクレジットカードくらいにしか思ってなかったんだ本当は友達なんかじゃなかったんだひどいひどいひどいひどいひどいひどい許せない」 &amp;br()}
:50. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 00:27:02.44 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){和「……琴吹さん」 &amp;br() &amp;br()　のどかが、茂みから顔を出す。 &amp;br()　紬は驚いたような表情を浮かべた後、笑顔になる。 &amp;br() &amp;br()紬「のどかちゃん！　待っててくれたのね！ &amp;br()　あなたは本当の親友だわ！ &amp;br()　……でも、どうして『琴吹さん』なんて他人行儀な言い方するの？」 &amp;br() &amp;br()和「私、あなたに謝らないといけないことがあるの」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「ねえねえ憂！　ほら見てよ！ &amp;br()　のどかちゃんは逃げてなんかいなかったんだよ！ &amp;br()　ムギちゃんだって！　あの二人は信用できるでしょ！？」 &amp;br() &amp;br()憂「そ、そうだね。 &amp;br()　（これは予想していなかった……。 &amp;br()　てっきり、のどかさんは紬さんのことが嫌いだと思ってたのに）」 &amp;br() &amp;br()紬「（遠くから）嫌あああああああっ！」 &amp;br() &amp;br()唯「ええっ！？　ムギちゃんが悲鳴を上げてる！ &amp;br()　助けに行かなきゃ！」 &amp;br() &amp;br()憂「違うよお姉ちゃん、よく見て！ &amp;br()　襲っているのはのどかさんじゃなくて紬さんの方だよ！」 &amp;br()}
:52. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 00:36:48.19 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){紬「嫌あああああああああああああっ！ &amp;br()　そんなの嘘よおおおおおおおおおおおおっ！」 &amp;br() &amp;br()　紬は鞄から出したマシンガンの引き金を引いた。 &amp;br()　のどかの身体に無数の穴が開く。 &amp;br() &amp;br()　きちんと銃を構えていなかった紬は、反動で後ろに吹っ飛ぶ。 &amp;br()　建物の柱に頭をぶつける。 &amp;br()　その直後、のどかの身体から噴き出した返り血が紬に降りかかった。 &amp;br() &amp;br()　血を浴びてますます半狂乱になった紬は、 &amp;br()不自然な体勢のまま銃を乱射する。 &amp;br() &amp;br()　のどかの身体が、岸に上がった魚のように跳ねる。 &amp;br()　銃声が消えると、のどかはぴくりとも動かなくなった。 &amp;br() &amp;br()紬「あっ……あっ……」 &amp;br() &amp;br()　紬、自分の血まみれの身体を見下ろす。 &amp;br()　目から大粒の涙が溢れた。 &amp;br() &amp;br()紬「違う……私が悪いんじゃない……。私は悪くない……。 &amp;br()　私はただ、友達が欲しかっただけだったのに……」 &amp;br() &amp;br()　紬はうつろな表情で呟きながら、 &amp;br()自分の荷物と、のどかの荷物を拾い上げる。 &amp;br()　夢遊病者のような足取りで、血をしたたらせながら歩き始めた。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()――――十三時二十四分、真鍋和死亡。 &amp;br()}
:56. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 00:44:34.94 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){ &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「ふがががががががっ！」 &amp;br() &amp;br()　憂が唯の口を手で押さえている。 &amp;br() &amp;br()憂「（小声で）お姉ちゃん、静かにして！」 &amp;br() &amp;br()唯「あっえあっえ、おおああんあおおあえあ！ &amp;br()　（だってだって、のどかちゃんが殺された！）」 &amp;br() &amp;br()憂「分かってるよ、お姉ちゃん。 &amp;br()　だから静かにしてって言ってるの。ほら、見て。 &amp;br()　紬さんがこっちにやってくるよ。早く逃げなきゃ！」 &amp;br() &amp;br()唯「いえう？（逃げる？）」 &amp;br() &amp;br()憂「そう。すぐに逃げるの。 &amp;br()　私達の持ってる武器じゃ、紬さんに太刀打ちできないから」 &amp;br() &amp;br()　唯が小さく泣き出したのを見て、唯は耳元で囁く。 &amp;br() &amp;br()憂「少し落ち着いた？　手を離すけど、叫ばないでね」 &amp;br() &amp;br()　唯が頷くと、憂は唯を自由にした。 &amp;br() &amp;br()唯「でも、澪ちゃんやりっちゃんと、待ち合わせの約束をしてたのに」 &amp;br()}
:60. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 00:56:10.22 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){憂「お姉ちゃん、しっかりしてよ！　もうそれどころじゃないでしょ！ &amp;br()　どうせ、澪さんや律さんにだって、銃声は聞こえてるよ。 &amp;br()　誰かが殺し合う音を聞いた二人が、今さら仲間になってくれるわけないじゃない」 &amp;br() &amp;br()唯「そんな……」 &amp;br() &amp;br()憂「でも、安心して。 &amp;br()　私だけは――世界中で私だけは、お姉ちゃんの味方だから」 &amp;br() &amp;br()唯「憂……」 &amp;br() &amp;br()　憂は唯を説得した後、振り返った。 &amp;br() &amp;br()　紬は、真っ直ぐにこちらへ向かってくる。 &amp;br()　銃を構えてはいないが、いつでも攻撃できるように持っている。 &amp;br()　唯一の救いは、血を浴びたせいで服が身体にまとわりつき、 &amp;br()歩くスピードが遅いことだけだった。 &amp;br() &amp;br()憂「（どうしよう……。 &amp;br()　やっぱり、お姉ちゃんが大声を出すから気付かれちゃったのかな……。 &amp;br()　逃げ切れないかもしれない。 &amp;br()　そのときは、私がお姉ちゃんの盾になろう。 &amp;br()　私は、どんなことをしてでもお姉ちゃんを守ってみせる）」 &amp;br() &amp;br()律「（遠くから）何だよこれ！　ムギ、何をしたんだよ！」　 &amp;br() &amp;br()　紬、振り返り、律の方を向く。 &amp;br() &amp;br()憂「（律先輩が馬鹿なせいで助かった……。 &amp;br()　さあ、今度こそ、早くお姉ちゃんと逃げよう）」 &amp;br()}
:66. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 01:07:57.80 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){紬「りっちゃん……」 &amp;br() &amp;br()律「お前、のどかを殺したのか！？」 &amp;br() &amp;br()紬「違う……。違うの」 &amp;br() &amp;br()律「何が違うんだよ！　そのマシンガンで撃ったんだろ！？」 &amp;br() &amp;br()紬「私はただ、友達が欲しかっただけなの」 &amp;br() &amp;br()律「はあ？　何言ってるんだ？」 &amp;br() &amp;br()紬「私はただ、友達が欲しかっただけなの。私はただ、友達が欲しかっただけなの。 &amp;br()　私はただ、友達が欲しかっただけなの。私はただ、友達が欲しかっただけなの。 &amp;br()　私はただ、友達が欲しかっただけなの。私はただ、友達が欲しかっただけなの」 &amp;br() &amp;br()律「お前、大丈夫か？」 &amp;br() &amp;br()　急に紬の表情が変わる。 &amp;br() &amp;br()紬「――あのぉ、見学したいんですけどぉ」 &amp;br() &amp;br()律「はぁ？」 &amp;br() &amp;br()紬「いえ、合唱部の。……あの、合唱部の。……うふっ、うふふふふ。うふふふふ。 &amp;br()　何だか楽しそうですね。キーボードくらいしかできませんけど、 &amp;br()　私でよければ、入部させてください」 &amp;br() &amp;br()律「（こいつ……私達が初めて出会ったときのことを思い出してるのか！ &amp;br()　今、この状況で！）」 &amp;br()}
:79. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/12(土) 01:23:00.08 ID:HjolGcz20|&amp;aa2(c){紬「私、本当は合唱部に入るつもりだった。 &amp;br()　軽音部じゃなくて合唱部に入っていれば、 &amp;br()　こんな殺し合いゲームに参加させられることもなかった。 &amp;br()　他の人たちだってそうでしょ？ &amp;br()　澪ちゃんだって唯ちゃんだって梓ちゃんだって、 &amp;br()　みーんなあなたが軽音部に引き摺りこんだのよ」 &amp;br() &amp;br()律「確かに……確かに、少しは強引な勧誘もしたかもしれないけど、 &amp;br()　みんなだって、軽音部に入って楽しかっただろ！？」 &amp;br() &amp;br()紬「ええ、楽しかったわよ。軽音部に入ってよかった。 &amp;br()　私、友達が欲しかったから。 &amp;br()　りっちゃんや澪ちゃんと、友達になりたかったから。 &amp;br()　友達だったから。 &amp;br()　友達になれたと思ったから。 &amp;br()　友達だと思ってたから。 &amp;br()　だからこそ！　だからこそ、許せないことだってあるの！」 &amp;br() &amp;br()律「何言ってるのか全然分からないよ……」 &amp;br() &amp;br()紬「もういいわ。言っても分からないと思うから」 &amp;br()　 &amp;br()　紬は律にマシンガンを向けた。 &amp;br()　そのときだった。 &amp;br()　建物の窓ガラスが割れた。 &amp;br()　澪が飛び出してきたのだ。 &amp;br()　澪は割れたガラスの破片を素手で掴み、紬に投げた。 &amp;br()　 &amp;br()　紬はガラスが割れた音に驚き、その方向を見る。 &amp;br()　それは、紬にとって最悪のタイミングだった。 &amp;br()}    </description>
    <dc:date>2009-09-12T18:28:23+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hinamizawaghetto/pages/56.html">
    <title>けいおん！アヴァロン３</title>
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      :114. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:43:15.12 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){”Welcome to Class Real” &amp;br() &amp;br()……”現実”クラスへようこそ。 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()モデムとＰＣ再起動しました &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;112 &amp;br()　ロマサガネタ入ってないですよ。アヴァロンとけいおんだけです &amp;br()}
:116. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:44:04.01 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){目を覚ますと、私は端末を頭にかぶりベッドに寝そべっていました。 &amp;br()私はすぐに端末を外して、起きあがる。 &amp;br()唯「あれ……？」 &amp;br() &amp;br()”Welcome to Class Real” &amp;br() &amp;br()どうして？　ここ……個室じゃないの？ &amp;br()唯「アヴァロン、接続が切れたのかな……」 &amp;br() &amp;br()そう言いながら視線を回しているうちに、私は全身の血の気が引いてきた。 &amp;br()下着姿の私は、今、自分の家の、私の部屋にいる。 &amp;br() &amp;br()もともと私の部屋にあったはずの家具がいっさい無くなって、端末とベッドだけが置かれている。 &amp;br()部屋の隅には、机と、モニター……それと黒い箱。 &amp;br() &amp;br()私は怪しげに思って、窓の方へと向かった。 &amp;br()窓のカーテンを開けてみよう。 &amp;br()そう思い、縦長の窓のカーテンを開けた。 &amp;br()唯「……！」 &amp;br() &amp;br()窓の向こうには、煉瓦の壁。 &amp;br()それ以外、何も見えない。 &amp;br() &amp;br()”Welcome to Class Real” &amp;br() &amp;br()私は慌てて机のところへ戻り、黒い箱を開けた。 &amp;br()中には……黒いワンピース、拳銃一丁とマガジンひとつ。 &amp;br() &amp;br()とりあえずワンピースを着て、拳銃を腰にしのばせた。 &amp;br() &amp;br()}
:119. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:46:28.33 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){紬「やはりゲートをくぐれたのは、唯ちゃんだけだったようね」 &amp;br()唯「！？」 &amp;br()モニターに、ムギちゃんが映っていた。 &amp;br()唯「……ムギちゃん！？」 &amp;br()唯「ねえムギちゃん……ここがSAなの？」 &amp;br()紬「クラス・リアル」 &amp;br()紬「膨大なデータを要求する、テストフィールド」 &amp;br()紬「開発者たちは様々な意味をこめて、そう呼んでいたわ」 &amp;br()唯「さまざまな……意味？」 &amp;br()紬「コンプリートの条件はただひとつ……」 &amp;br() &amp;br()紬「未帰還者を始末することよ」 &amp;br()あずにゃんを……始末する？ &amp;br() &amp;br()紬「装備と、スキルのパラメータは初期に戻っているわ」 &amp;br()紬「携行できるのは拳銃と、ワンマガジンの弾薬だけ」 &amp;br()紬「ニュートラルは自由な意志を持ち、殺傷すればただちにゲームオーバー」 &amp;br()紬「時間は無制限だけど、コンプリート以外にここを出る方法はないの」 &amp;br()紬「唯ちゃんが無事戻れたときには、スカウトの件を考えたいわ」 &amp;br()ムギちゃんが微笑む。 &amp;br()唯「どうして私を送り込んだの？」 &amp;br()紬「……その答えは、唯ちゃんの中にあるわ。そうでしょ？」 &amp;br()答えは……私の中。 &amp;br()私は……あずにゃんと憂を捜しにきた。 &amp;br() &amp;br()}
:120. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:47:32.41 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){紬「それじゃ、始めましょうか。後ろを見て」 &amp;br()言われたとおりに振り向くと、そこにはライブコンサートのチケットと、憂の写真が置いてあった。 &amp;br()唯「憂……」 &amp;br()私と憂が、仲睦まじく一緒に写った写真。 &amp;br()そして、あるバンドのライブのチケット。 &amp;br()紬「梓ちゃんはそこに現れる」 &amp;br()紬「健闘を祈るわ……唯ちゃん」 &amp;br() &amp;br()私はムギちゃんの言葉を聞き終えると、部屋を出た。 &amp;br()何も変わらない家の中。 &amp;br() &amp;br()二階の廊下のドアは、みんな開け放されている。 &amp;br()念入りにクリアリングしながら、一階へとたどり着く。 &amp;br()家の中には、誰もいない。 &amp;br() &amp;br()そして玄関を開け放つと、まばゆいまでの光が漏れてきた。 &amp;br() &amp;br()外の光景は……言うならばそう……。 &amp;br() &amp;br()唯「あの頃みたい……」 &amp;br() &amp;br()}
:121. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:48:53.14 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){よく声をかけられるおばちゃんも、いつもの光景のように道を掃いている。 &amp;br()何がなんだかわからなくなりながら、私は壁づたいに歩く。 &amp;br()はたから見たら不審だけど、ここは”アヴァロン”。ニュートラルでない私にとっては、戦場。 &amp;br() &amp;br()でも、道を歩き続けていると、ここは安全だということがわかるようになってきた。 &amp;br() &amp;br()”ねえ唯ちゃん……クリアできそうでできないゲームと、クリア不可能に見えて可能なゲーム” &amp;br()”どちらがい良いゲームかなんて、言うまでもないでしょ？” &amp;br() &amp;br()私は拳銃を絶対に落とさないようにしよう、と心に決めて、堂々と道を歩き出した。 &amp;br() &amp;br()いつもの通学路。 &amp;br()踏切がしまり、電車が通る。 &amp;br()私はぴょんぴょんと跳ねながら、通り過ぎるのを待つ。 &amp;br() &amp;br()入学式の日、遅刻と勘違いした私はこの道を走り抜けた。 &amp;br()そんな楽しくて仕方がなかった過去を思い出す。 &amp;br() &amp;br()街をゆく人はにわかにニュートラルとは信じられない。 &amp;br()まるで、現実世界。 &amp;br()現実がもう一つあるような気がしはじめて……。 &amp;br()クラスAの時には感じないほどの強烈な現実感。 &amp;br() &amp;br()……本当の現実はここなんじゃないのかな？ &amp;br() &amp;br()}
:122. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:49:43.97 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){唯「そんなわけない！」 &amp;br()ここはクラス・リアル。 &amp;br()アヴァロンのテストフィールド。 &amp;br()にこやかに井戸端会議をするおじいちゃんおばあちゃんを見て、さらにわからなくなる。 &amp;br() &amp;br()唯「……信じられない」 &amp;br()この世界と、アヴァロンをプレイしている現実の世界のギャップが。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()……この世界の方が、ずっと綺麗で、現実的だ……。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()そして私は桜高の前にたどり着いた。 &amp;br()派手な屋台、正門、桜高の生徒たちが楽しそうに歩き回る。 &amp;br() &amp;br()唯「学校祭の日だ……」 &amp;br()私の手にしたチケットは、学校祭のライブのチケット。 &amp;br() &amp;br()唯「軽音部……なの？」 &amp;br()私は、体育館へと慣れた足取りで向かっていく。 &amp;br()私が演奏しないなんて、なんだか変な感じだな。 &amp;br() &amp;br()体育館の中はまだ空いていたけど、あずにゃんの姿は見つからなかった。 &amp;br()私は、校舎の方へと歩いていった。 &amp;br() &amp;br()亀と兎の像がある階段を上っていく。 &amp;br()校舎内には、不思議と誰もいない。みんなライブ会場へ行ったのかな？ &amp;br()静まりかえった4階。 &amp;br()音楽準備室……軽音部部室の前で、私は深呼吸した。 &amp;br() &amp;br()}
:123. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:52:09.07 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){ドアを開けて、私は部屋の中に入っていく。 &amp;br()ティーセットの置かれた茶箪笥、六つ寄せ集めた机。 &amp;br()ドラムセット、そしてアンプ。 &amp;br() &amp;br()全てがあの日のまま、残っている。 &amp;br()私たちの部室。 &amp;br()軽音部、”放課後ティータイム”の部室。 &amp;br() &amp;br()唯「……ねえ、あずにゃん……」 &amp;br()溢れそうになる涙を必死で堪えながら、私は後ろをふりむいた。 &amp;br() &amp;br()唯「そこにいるんでしょ？」 &amp;br() &amp;br()}
:124. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:52:59.39 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){部室の開け放されたドアの前に、小柄な女の子が立っている。 &amp;br()長い、ツーテール。凛とした目元。 &amp;br()桜高の制服を着た、あずにゃんがそこにいた。 &amp;br() &amp;br()梓「……お久しぶりです。唯先輩」 &amp;br() &amp;br()体育館では、ライブが始まる。 &amp;br()体育館全体を沸き立たせるリズムが、音楽室にも届いてくる。 &amp;br() &amp;br()あずにゃんは椅子に腰掛けると、私を見つめた。 &amp;br() &amp;br()私も、あずにゃんを見つめる。 &amp;br() &amp;br()梓「ワンピース、似合ってますよ。先輩」 &amp;br()唯「あずにゃんこそ、制服可愛いよ」 &amp;br()もうひとつの世界で廃人になった愛しい後輩と、やっと会えた。今すぐにでも抱きつきたい。 &amp;br()そう思いながらも、それができないことを憎んだ。 &amp;br()そんなことしたら、私はもうこの世界から抜け出すことはできなくなる。 &amp;br() &amp;br()これから私は、あずにゃんを殺さなければいけない。 &amp;br() &amp;br()}
:125. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:53:46.85 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){ &amp;br()――キミを見てるといつもハートどきどき &amp;br() &amp;br() &amp;br()きっと、私たちに本当にそっくりな、女の子たちが一生懸命にライブをしています。 &amp;br()それが楽しくってしょうがなくって。 &amp;br()それが自分の今一番したいことで。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()――揺れる思いはマシュマロみたいにふわふわ &amp;br() &amp;br() &amp;br()いっつも仲間とお茶会をして、真面目に練習もして、バイトもしたりします。 &amp;br()真面目にやらなきゃ、って怒られたりもするけど、みんな大好きです。 &amp;br()}
:126. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:54:30.64 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){ &amp;br()――いつもがんばる君の横顔、ずっと見てても気づかないよね &amp;br() &amp;br() &amp;br()梓「どうして、ここに来たんです」 &amp;br()梓「私が……私がいるから……ですか？」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()――夢の中なら二人の距離縮められるのにな &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「それが理由じゅないかな、あずにゃん」 &amp;br()唯「いけなかった？」 &amp;br() &amp;br()}
:127. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:00:36.21 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){ &amp;br()――あゝカミサマお願い、二人だけの夢の時間をください &amp;br() &amp;br() &amp;br()梓「先輩だけは判っていたはずです」 &amp;br()あずにゃんは寂しそうな笑みを浮かべて言いました。 &amp;br()唯「そのつもりだったよ。だからこそ……私もソロの道を選んだ……」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()――お気に入りのうさちゃん抱いて、今夜もオヤスミ &amp;br() &amp;br() &amp;br()梓「それだったらどうして！？」 &amp;br()唯「あずにゃんは”ロスト”した、悲惨な未帰還者に過ぎないんだよ」 &amp;br()現実の区別を必死につけながら、私は続ける。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()――ふとした仕草に今日もハートずきずき &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「アヴァロンを究めたい……」 &amp;br()唯「そのためには今で満足しちゃってる仲間はすでに負担だったんだよね」 &amp;br()あずにゃんの表情が……ぴくりと変わった。 &amp;br()唯「”放課後ティータイム”は、プレイヤーの憧れで、羨みの的だった……」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()※訂正　ゅ→ゃ &amp;br()}
:128. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:01:16.29 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){ &amp;br()――さりげな笑顔を深読みしすぎてオーバーヒート &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「だからこそあずにゃんは、解散するきっかけが欲しかったんだよね」 &amp;br()唯「そこまでしてあずにゃんがしたかったことは……病院のベッドで廃人になることだったの？」 &amp;br() &amp;br()あずにゃんは私を睨みつけた。 &amp;br()梓「……私の、どこが廃人なんですか？」 &amp;br()梓「”クラス・リアル”……先輩にももう判るはずですよ」 &amp;br()そうは思いたくない。 &amp;br()ここは本当の世界よりももっともっと綺麗で、楽しかったとしても……。 &amp;br()私はここは現実ではないと知っている。 &amp;br() &amp;br()}
:129. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:01:56.72 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){ &amp;br()――いつか目にしたキミのマジ顔、瞳閉じても浮かんでくるよ &amp;br() &amp;br() &amp;br()梓「世界とは、思いこみにすぎないんです」 &amp;br()梓「違うですか！？」 &amp;br()梓「ここが現実だとして、どんな不都合があるですか？」 &amp;br()あずにゃんはそれが当然だと言わんばかりに続けた。 &amp;br()気持ちは私にだってわかる。私だってそう思えたらならどれほどいいか。 &amp;br()あずにゃんともっと一緒にいたかった。 &amp;br()唯「あずにゃんは自分にそう言い聞かせて、ただ逃げてるだけだよ！」 &amp;br()梓「先輩と議論するつもりはないです！！」 &amp;br()あずにゃんが声を荒げる。 &amp;br()梓「気づかないですか」 &amp;br()梓「そもそも唯先輩のパートは何だったですか？」 &amp;br()唯「え……」 &amp;br()私はいきなりすぎる問いに戸惑った。 &amp;br()梓「ベクトルを間違えて大事にして、ビンテージと間違われた……」 &amp;br()梓「唯先輩のギターはどうしたんです？」 &amp;br()ギター……私の……ギター。毎晩いじっていた？ &amp;br()服を着せ替えたりした？ &amp;br()添い寝もしちゃう……？ &amp;br()唯「……え、どうして……私……」 &amp;br()唯「忘れ……てたの」 &amp;br()部屋にギターは置いていなかった。 &amp;br()どこかにしまったから？　いや、そんなことした憶えはない。 &amp;br()私は、ギー太を忘れている。どうして……そんなことがありえるのか。 &amp;br()唯「違う、現実はここじゃない……あずにゃん……」 &amp;br() &amp;br()}
:130. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:02:45.55 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){あずにゃんが私を見つめる。 &amp;br()睨んではいない。私の心の奥底まで見透かそうとするような目。 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩、撃たれたことはあるですか？」 &amp;br()梓「その身体で、本物の苦痛を教えてあげましょうか」 &amp;br() &amp;br()あずにゃんが拳銃を引き抜いた。 &amp;br()唯「……どうしても？」 &amp;br()私もゆっくりと拳銃を引き抜く。 &amp;br() &amp;br()梓「どちらかが死んで、その死体が消滅しなければ……」 &amp;br()梓「それを確かめるんです」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()――夢でいいから二人だけのスイートタイム欲しいの &amp;br() &amp;br() &amp;br()同時に拳銃を構え、引き金を引いた。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「あず……にゃん……？」 &amp;br()梓「せんぱい……」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()}
:131. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:03:28.56 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){ &amp;br()――あゝカミサマどうして、好きになるほど夢の時間はせつないの &amp;br() &amp;br() &amp;br()聞こえた銃声は、ひとつだけ。 &amp;br()あずにゃんは苦痛に顔を歪ませながら、床に倒れ込みました。 &amp;br()あずにゃんは……撃たなかった。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()――とっておきのくまちゃん出したし今夜は大丈夫かな &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃん……あずにゃん……！！」 &amp;br()私は銃を投げ捨ててあずにゃんにかけより、抱きしめた。 &amp;br()梓「……ゆいせんぱい……私……胸がすごく、痛いです」 &amp;br()固く握った小さな手を広げると、7発の銃弾が床に転がった。 &amp;br()唯「あずにゃん……」 &amp;br()梓「……ゆい……せんぱい……」 &amp;br()弱々しく、笑ってみせる。 &amp;br()ブレザーの間からのぞくシャツは、鮮血で真っ赤に染まっている。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()――あゝカミサマお願い &amp;br() &amp;br() &amp;br()梓「事象に……まどわされ……ちゃ……ダメなんです」 &amp;br()梓「ここが、ゆいせんぱい、の……”現実”なんで……す」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()}
:132. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:04:08.96 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){――いちどだけの &amp;br() &amp;br() &amp;br()私の腕の中で、あずにゃんは消えていった。 &amp;br()唯「バイバイ、あずにゃん……」 &amp;br()唯「あずにゃんの帰る場所は、あずにゃん自身が知ってるから。大丈夫だよ」 &amp;br()私は立ち上がると部室を出て、階段を下っていった。 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()――奇跡の時間ください &amp;br() &amp;br() &amp;br()私はあずにゃんの拳銃に弾薬を装填して、体育館入り口へと向かう。 &amp;br()学校祭だというのに、人混みはいつの間にか消えていた。 &amp;br() &amp;br()}
:133. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:04:49.62 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){誰もいない体育館のドアを開けると、体育館の中に日の光が差し込む。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()――ふわふわ時間 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()}
:134. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:05:30.29 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){私は座席の間を進んでいく。 &amp;br()ステージの上には、置き去りのドラムセット、アンプ、キーボード……そして二つのギター。 &amp;br() &amp;br()そしてステージの真ん中には、憂がいた。 &amp;br()憂が、私に向かって優しい笑みを浮かべる。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「……憂」 &amp;br()}
:136. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:06:14.41 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){ &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()憂「アヴァロンへようこそ……お姉ちゃん」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()いま英雄が旅立ちを迎える &amp;br()いま九人の女神とともに、霧の水面に舟は旅立つ &amp;br()影の楽園、アヴァロンへ―― &amp;br() &amp;br()}
:137. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:07:01.96 ID:qpTevU3C0|&amp;aa2(c){ &amp;br() &amp;br()W　e　l　c　o　m　e　 　t　o　　 A　v　a　l　o　n　 + &amp;br() &amp;br() &amp;br()L　O　G　 　I　N &amp;br() &amp;br() &amp;br()}
:140. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:13:11.60 ID:qiJwGMAy0|&amp;aa2(c){http://www.youtube.com/watch?v=se7ZAO-UNXc &amp;br()}
:141. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:16:25.13 ID:eplEfzsK0|&amp;aa2(c){ &amp;br() &amp;br()〜ＥＮＤ〜 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()お読みいただいてくれた方々、本当にありがとうございました &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()まさかの最後で連投規制食らったのでモデム再起動してます &amp;br() &amp;br()ちなみに何でアヴァロンなんか書いたのかというと、先日立てたスレでこの名作を教えていただき、観る機会に恵まれたからです。 &amp;br()VIPって所は俺にとってアヴァロンです。 &amp;br()決定的に違うことは、人を殺したくらいではコンプリートにならないことでしょうが……。 &amp;br()ではまた、お会いすることもあるでしょうということで……。 &amp;br() &amp;br()ノシ &amp;br()}
:153. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:39:15.22 ID:gUPFu+G8O|&amp;aa2(c){【アヴァロン】 &amp;br() &amp;br()アッシュっていうゲームキャラを操作してるゲーマーの物語。 &amp;br() &amp;br()アッシュ→ゲームのキャラクター &amp;br() &amp;br()アッシュを操作してるゲーマー→ゲームがあまりにリアル過ぎるために、「自分って実はアッシュなんじゃね？」 &amp;br()ていうくらい、現実とゲームの区別がつかなくなってしまっている。 &amp;br() &amp;br()アヴァロン→とてもリアルなゲーム。登場キャラになりきれる。 &amp;br()最初のステージには、自分の家や、町や、待機室があったりするので、セカンドライフ的な感覚を味わえる。 &amp;br()たまにバグでペットが消えたり移動したりする。 &amp;br()本などのアイテムも買えるが、勿論文章までは書いていない。 &amp;br()最初のステージの待機室から出来る戦争ゲームをクリアーすると、次のステージ(クラス・リアル)に行ける。 &amp;br()クラス・リアルの後も、複数のステージがある。 &amp;br() &amp;br()女神と呼ばれるオッサン達が開発した。 &amp;br()最初にアッシュがいた世界を含め、8つぐらいのステージがある。 &amp;br()若者たちに人気だが、廃人も多く排出している危険なオンラインゲーム。 &amp;br()}
:165. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 14:58:33.28 ID:gUPFu+G8O|&amp;aa2(c){【よくある勘違い(ミスリード？)】 &amp;br() &amp;br()アヴァロン→アヴァロンていうゲームにハマっているアッシュという人間の物語 &amp;br() &amp;br()【実態】 &amp;br() &amp;br()アヴァロン→アヴァロンていうゲームにハマっているアッシュというキャラになりきっているゲーマーの物語 &amp;br() &amp;br()自分は実態に気づくまで数年かかってしまったｗ &amp;br()だからペットが移動した理由も、本が全部白紙な理由も、同じ場所で空き缶を蹴る理由も、雲が静止してる理由も全くわからなかったｗ &amp;br() &amp;br()アッシュが最初にいる世界が既にゲームの中なんだなと気付けば全て解決するんだが &amp;br()}    </description>
    <dc:date>2009-09-02T03:36:18+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hinamizawaghetto/pages/55.html">
    <title>けいおん！アヴァロン２</title>
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      :61. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:10:52.68 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){廃墟のそこら中から、他のプレイヤーたちがログインしてきた。 &amp;br()そして、私に銃を向ける。 &amp;br()聡「あんたの装備データをほしがる馬鹿が結構いてね」 &amp;br() &amp;br()ジルと名乗った女の子が、私の銃を奪い取る。 &amp;br()私は何もできず、両手を挙げる。 &amp;br()唯「”プレイヤーキラー”だね……」 &amp;br()聡「これもアヴァロンで稼ぐ方法さ」 &amp;br() &amp;br()そう言って私に近づいてくる。 &amp;br()聡「うひょおいい貧乳だね、唯さん」 &amp;br()そう言って私の胸に手を…… &amp;br()唯「当てさせると思った？」 &amp;br() &amp;br()私は聡くんの腹に蹴りを入れて、首を抱え込んで拳銃をつきつける。 &amp;br()周りのプレイヤーたちが呆気にとられて、立ちつくす。 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;60 &amp;br()　惜しいは草薙モデルで配役選んだそうですよ &amp;br()}
:62. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:12:36.01 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){唯「聡くん、痛いの嫌？」 &amp;br()聡「当たり前だろ……」 &amp;br()唯「”スペシャルA”の情報を」 &amp;br()聡「本気なのか？」 &amp;br()それに答えるかわりに、私は拳銃の撃鉄を起こした。 &amp;br()首筋に銃口が当たり、私は引き金に指をかける。 &amp;br()聡「ま、待って……詳しくは知らないけど……」 &amp;br()聡「この世界を……プログラムした連中」 &amp;br()聡「本物の”九姉妹”なら……」 &amp;br()唯「何、それ？　教えてほしいな、聡くん」 &amp;br()首にもっと強く拳銃押しつけて脅迫する。 &amp;br()私をただのか弱い女の子だと思われちゃ困る。私はこの世界で食べていく、最強のソロプレイヤーの一人。 &amp;br()聡「……単なる噂だ……でも連中なら……」 &amp;br() &amp;br()ジル「聡！！」 &amp;br() &amp;br()女が叫んだ。皆が一斉にその方向を向く。 &amp;br()唯「！？」 &amp;br()そこには、空中に出現したハインド。 &amp;br() &amp;br()機体はジグザグにねじれて、残像が残る。 &amp;br()聡「ひでえ……ラグってやがる！」 &amp;br() &amp;br()}
:63. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:15:01.39 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){機影がはっきりとし始めたハインドから牛の鳴き声のような連続音。 &amp;br()機首のガトリング砲が雄叫びをあげた。 &amp;br()さっきの女の子は、ハインドの機銃掃射を食らって即死した。 &amp;br()次々と他のプレイヤー達も薙ぎ倒されて死亡していく。 &amp;br() &amp;br()唯「こっち！」 &amp;br()私は聡くんを掴むと柱の裏に吹っ飛ばした。 &amp;br()自分も柱を遮蔽物に、取り返したSVDを構える。 &amp;br()唯「……！」 &amp;br()せめてパイロットだけでも殺してやる。 &amp;br()そしてスコープの倍率を上げた。 &amp;br()そのレンズ越しに見えたのは、火の玉―― &amp;br() &amp;br()}
:64. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:16:27.63 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){私は端末を外してベッドから転げ落ちると、思いっきり胃の中のものを吐き出した。 &amp;br() &amp;br()唯「うっ……はあ……はあ…げぼっ……」 &amp;br()胃液のにおいが鼻を刺して、私はさらに胃液を吐き出した。 &amp;br()唯「……はぁ……はぁ」 &amp;br()喉とお腹が熱くて、息苦しい。 &amp;br() &amp;br()さわ「唯ちゃん……」 &amp;br()ディスプレイに表示された”RESET”の文字が消えて、さわちゃん先生が姿を現した。 &amp;br()唯「ごめんなさいさわちゃん……部屋、汚しちゃって……」 &amp;br()さわ「気にしないで」 &amp;br()さわ「そんな日もあるわ」 &amp;br() &amp;br()}
:65. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:19:37.39 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){ゆっくりと服を着て、何も言わず私は個室を出て、帰路についた。 &amp;br()どうしたの？　と聞く和ちゃんに今日のキャッシュはないから、とだけ告げて。 &amp;br()電車を降りて駅のホームを見れば、”アヴァロンをやめよう”と書かれたポスター。 &amp;br() &amp;br()まんざら間違いでもないと、私は思う。 &amp;br()アヴァロン――フリークスと廃人の島。 &amp;br()アヴァロン――私の墓場。 &amp;br() &amp;br()}
:66. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:23:24.68 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){ベンチに座っていると、憂からメールがきた。 &amp;br()『お姉ちゃんは今日の晩ご飯何がいい？』 &amp;br()唯「……そうだなぁ」 &amp;br()少しだけ、元気が出た。 &amp;br()吐いちゃったけど、元気だけが私のとりえだから、もう大丈夫。 &amp;br()お腹はぺこぺこ。 &amp;br()唯「カレー……」 &amp;br()中辛はダメ……甘口で。 &amp;br()『帰りにお肉とじゃがいも買ってきてほしいな』 &amp;br()唯「わかったよ。今から買って帰るから……っと」 &amp;br() &amp;br()}
:70. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:28:05.73 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){スーパーの中を、かごを持って歩き回る。 &amp;br()ここ数年でさびれちゃった感じがするけど、これが現実だから仕方ない。 &amp;br()何が悪いのかはわからない。 &amp;br()アヴァロンができたからか、政権が交代したからか、景気の低迷か。 &amp;br()なんにせよ、我が家はアヴァロンのおかげで生活には不自由しない。 &amp;br()わたしが戦い続けるからには、大丈夫。 &amp;br() &amp;br()いちご牛乳とマシュマロ、晩ご飯のあとで憂と食べようかな。 &amp;br()りんごも買っていこう。 &amp;br() &amp;br()もちろん忘れずに、お肉とじゃがいもも買わなきゃ。 &amp;br() &amp;br()スーパーを出たころには、私はすっかり上機嫌。 &amp;br() &amp;br()}
:73. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:30:39.99 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){憂「おかえり！　お姉ちゃん」 &amp;br()玄関を開ければ、憂が待っていてくれた。 &amp;br()唯「ただいま、憂」 &amp;br() &amp;br()コートを脱いで、手を洗って、うがいをして……。 &amp;br()それから私は、キッチンへと向かった。 &amp;br()カレー粉のいい匂いがする。 &amp;br() &amp;br()唯「うい〜」 &amp;br()憂はいつものようにエプロンをして、うでまくりをしていた。 &amp;br()憂「どうしたの？　お姉ちゃん」 &amp;br()唯「私も一緒につくるよっ」 &amp;br()憂「ええっ！？」 &amp;br()唯「だいじょうぶだよー、私もうそんなにやわじゃないもんっ」 &amp;br()憂「うーん、じゃあ、鍋でお肉とか炒めておいて」 &amp;br()唯「了解！」 &amp;br()憂といっしょにご飯をつくるなんて、どれほどぶりだろう。 &amp;br()高校時代のクリスマス会でケーキにいちごを乗せたとき以来かもしれない。 &amp;br() &amp;br()}
:74. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:31:25.38 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){――お肉お野菜ひみつのかくし味……育ちざかりの欲張り恋心 &amp;br()――大好き、コトコト煮込んだカレー &amp;br()――キミがいなくちゃ寂しいテーブルなの &amp;br()――女の子は甘いのが好き。あこがれだけど中辛はおあずけ &amp;br()――だけど限界、辛すぎてもうダメ……カレーちょっぴり、ライスたっぷり &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;71 &amp;br()　了解しました！　肝に銘じておきます！ &amp;br()}
:75. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:32:36.15 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){憂「お姉ちゃん、もしかしてそれって新歓ライブの時の……」 &amp;br()唯「カレーのちライスっ」 &amp;br()憂「やっぱり！　いい曲だよね」 &amp;br() &amp;br()二人笑いあって、お皿にカレーを盛りつける。 &amp;br() &amp;br()唯「カレー、おいしいね〜」 &amp;br()憂「今日はいつもよりもっともっとおいしいよ」 &amp;br()唯「？」 &amp;br()憂「だって、お姉ちゃんと一緒に作ったから……えへへ」 &amp;br() &amp;br()憂の笑顔が、いつもに増して輝いて見える。 &amp;br()私のたった一人の妹。大事な、とっても大事な妹。 &amp;br()今の私の生きがいであって、私を待っていてくれる大切な人。 &amp;br() &amp;br()}
:77. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:34:37.93 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){憂「お姉ちゃん、ほっぺにご飯つぶついてるよ」 &amp;br()そう言ってご飯つぶをとると、ぱくりと食べた。 &amp;br()唯「ありがとね〜うい〜」 &amp;br()憂「お姉ちゃんも変わらないね〜」 &amp;br()唯「そんなことないよー！」 &amp;br() &amp;br()それから、私はテレビを見て、憂は食器を片付けてくれていました。 &amp;br() &amp;br()憂「皿洗ってるから、テレビ見てていいよ」 &amp;br()唯「ありがとう〜うい〜」 &amp;br()ホッとするひととき。 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;ごめん。二回同じの入った &amp;br() &amp;br() &amp;br()}
:78. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:35:32.50 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){テレビでは障害者の人の特集をやっている。 &amp;br()ちょっとネタにしすぎて、不謹慎じゃないかなぁと思う。 &amp;br()『衝撃の事実はCMのあと！』 &amp;br()数分経って、CMに入った。 &amp;br()唯「ういー」 &amp;br()台所が、とっても静かだった。 &amp;br()水の流れる音も、聞こえない。 &amp;br() &amp;br()唯「憂？」 &amp;br()私はテレビの電源を切った。 &amp;br()しん、と静まりかえったリビング。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「憂？　どこ行ったの？」 &amp;br() &amp;br()}
:79. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:36:16.95 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){キッチンをのぞくと、誰もいない。 &amp;br()洗っていない皿が流し台にそのままになっている。 &amp;br()唯「ねえ、う〜い〜、いないの？」 &amp;br()１階のクローゼットを開けてもトイレにもいない。 &amp;br()二階の電気をつけて、誰もいないはずの二階へ上がる。 &amp;br()唯「ねえ憂」 &amp;br() &amp;br()私の部屋にも、憂の部屋にもいない。 &amp;br() &amp;br()唯「……うい……なんでいないの……？」 &amp;br() &amp;br()私はコートを羽織って、玄関を飛び出した。 &amp;br()外は真っ暗……そこには人の姿はない。 &amp;br() &amp;br()唯「うい……憂……！」 &amp;br()唯「ねえ憂、憂、どこにいるの……」 &amp;br()唯「憂……お願い出てきてよ憂……！」 &amp;br() &amp;br()}
:80. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:38:00.98 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){夜の街を、一人走り回る。 &amp;br()最近はすっかり街はさびれ、治安も悪くなった。 &amp;br()夜に憂を一人で歩かせちゃダメ。 &amp;br()お姉ちゃんが迎えに行くから……憂。 &amp;br() &amp;br()唯「憂！」 &amp;br() &amp;br()ただただ走り回り、へとへとに疲れ、私はついに転んでしまった。 &amp;br() &amp;br()唯「う……うい……うい…どこなの……憂」 &amp;br()唯「……ひぐっ……うっ……憂……っ」 &amp;br()道に倒れ込んだまま、動けない。 &amp;br()悲しくって、わからなくって涙が止まらない。 &amp;br() &amp;br()何がおかしいの……現実がもう一つあるような気がしはじめてから？ &amp;br()あずにゃんが廃人になってから？ &amp;br()それともムギちゃんがいなくなってから？ &amp;br()……アヴァロンを始めてから？ &amp;br() &amp;br()軽音部ができた時……から？ &amp;br() &amp;br()}
:81. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:39:59.00 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){？「ゆ、唯！……大丈夫か！？」 &amp;br()誰かの声がする。 &amp;br()泣きじゃくる私を抱き起こして、呼びかけている。 &amp;br()澪「唯！」 &amp;br()唯「みお……ちゃん？」 &amp;br()澪「こんなところで何してるんだ？」 &amp;br()私の服についた泥を払って、澪ちゃんは私を引っ張ってくれました。 &amp;br()澪「立てるか？　唯」 &amp;br()唯「……うん」 &amp;br() &amp;br()澪「何があったんだ？」 &amp;br()唯「……う……」 &amp;br()現実がもう一つあるような気がしはじめてから？ &amp;br()唯「……な、なんでもない……よ」 &amp;br()憂がいないのは現実じゃないから？ &amp;br()今ここで憂のことを言葉に出してしまったら、憂ともう二度と会えないような気がする。 &amp;br()唯「リセットが……身体にこたえただけ」 &amp;br()まんざら嘘でもない嘘をつく。……ごめん、澪ちゃん。 &amp;br()澪「そっか……」 &amp;br() &amp;br()二人、暗い路地を歩く。 &amp;br()唯「澪ちゃんはどうしてこんなところに？」 &amp;br()澪「唯に会いにきたんだ……話があって」 &amp;br()唯「私に話……？」 &amp;br()澪「クラスSAへ通じるゲートの話とか、いろいろ。調べてきたんだ」 &amp;br() &amp;br()}
:85. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:02:00.29 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){唯「はい、お茶」 &amp;br()澪「ありがと」 &amp;br()澪「唯もお茶を淹れれるなんて、昔とは違うんだな」 &amp;br()唯「ひどっ！」 &amp;br()澪「ふふっ、冗談だよ」 &amp;br()澪「そうだ、これ……」 &amp;br()澪ちゃんが紙箱を手提げ袋から取り出した。 &amp;br()澪「よくムギが持ってきてたマドレーヌと同じやつ」 &amp;br()唯「おおっ、ほんとだ！」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;82 &amp;br()　あれはスタンナに嫌悪感を抱かせるシーンでもあるんで朝食のもぐもぐむしゃむしゃ描写はカットしました &amp;br()　　　　澪はそこまで嫌われものキャラじゃないってことで &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;83 &amp;br()　ごめん、お猿規制を食らっちゃって1時まで待機してました &amp;br()}
:86. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:02:45.22 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){お茶を飲み、マドレーヌを食べながら、私たちは最近のことを話しました。 &amp;br()澪ちゃんも変わらず。パーティの偵察としてうまくやっているみたい。 &amp;br() &amp;br()澪「じゃあ、本題に移るか……」 &amp;br()唯「……うん」 &amp;br()澪「”ゴースト”との遭遇条件。知りたかっただろ？」 &amp;br()澪「梓と同じように”未帰還者”が出たんだ……」 &amp;br()澪「パーティからなんとか聞き出したんだ」 &amp;br()澪「結論から言うと……”ビショップ”」 &amp;br()唯「”ビショップ”？」 &amp;br()澪「そう。共通しているのは、ただそれだけなんだ」 &amp;br()澪「遭遇したパーティは必ず”ビショップ”がいた」 &amp;br()唯「職業が条件なの？」 &amp;br()澪「いや……手っ取り早く”ビショップ”を仕立て上げてもダメなんだ」 &amp;br()唯「……もしかして、レベル？」 &amp;br()澪「いいせんいってるよ」 &amp;br()澪「クラスAコンプリートそして、レベル12以上の”ハイ・ビショップ”」 &amp;br()澪「これが条件だ。間違いない」 &amp;br()澪「ロストした梓はソロで……」 &amp;br() &amp;br()レベル12の……。 &amp;br() &amp;br()唯「”ビショップ”だった……」 &amp;br()澪「唯のレベルは12か13くらいでしょ？」 &amp;br()唯「そうだよ」 &amp;br()澪「その軽く二倍以上の経験値がいる……梓を見ればわかる」 &amp;br()澪「”ビショップ”のレベル上げには膨大な時間とお金がいる……」 &amp;br()澪「それこそ、パーティのバックアップなしには無理だ」 &amp;br() &amp;br()}
:88. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:06:01.71 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){唯「職業を変える気はないよ」 &amp;br()澪「……あんまり言いたくはないけど……そうなると……」 &amp;br()澪「パーティを組むしかない」 &amp;br()唯「……澪ちゃん」 &amp;br()澪「でもな、唯」 &amp;br()澪「”ハイ・ビショップ”自体そうそういるものじゃない」 &amp;br()澪「こんな話には無理があるんだ」 &amp;br()唯「澪ちゃん……」 &amp;br()澪「あと、これ。アヴァロン……アーサー王伝説の方のね」 &amp;br()澪「それについての本とか」 &amp;br()そう言って袋から本を何冊か取り出す。 &amp;br()『アーサー王伝説の起源　C リトルトン&amp;L マルカー』 &amp;br()『アーサー王伝説　R キャヴェンディッシュ』 &amp;br()『アーサー王物語　A ホプキンス』 &amp;br()『アーサー王伝説万華鏡　高宮利行』 &amp;br()高そうなハードカバーばかりだ。 &amp;br()唯「こんなにもらっちゃ……悪いよ」 &amp;br()澪「気にしないでいいよ唯。せっかく買ってきたのに、もらってくれなきゃ私が困る」 &amp;br()唯「ありがとう、澪ちゃん……ぐすっ……」 &amp;br()澪「な、何で泣くの……！？」 &amp;br()唯「ごめんね……澪ちゃん。ありがとう……本当にありがとう」 &amp;br() &amp;br()それから少し、澪ちゃんとお話しました。 &amp;br()唯「外まで送るね」 &amp;br()澪「ごめんな。今日は押しかけちゃって」 &amp;br()唯「いいよいいよ〜。また来てね」 &amp;br()澪「ああ、また」 &amp;br()目が真っ赤なままで、澪ちゃんを見送る。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;87 &amp;br()　ちょうど先日けいおん原作買ったので。まなびストレートでも見てたら、みか「アヴァロン！」になってたと思う &amp;br()}
:89. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:06:48.34 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){澪ちゃんの姿が見えなくなってから、私は虚空を見上げた。 &amp;br()唯「憂のこと……話してなかった」 &amp;br()ただの偶然だよね。 &amp;br()明日になったら、また帰ってくるよ。 &amp;br()唯「帰ってきたらちょっとだけしからなくっちゃ！」 &amp;br()唯「お姉ちゃんをこんなに心配させてっ、って……」 &amp;br() &amp;br()また涙がこぼれてきた。 &amp;br()涙を袖でぐしぐしと拭って、玄関に入ろうとしたそのとき……。 &amp;br() &amp;br()誰かの気配を感じて、私はとっさに後ろを振り返った。 &amp;br()右手がパッとホルスターの位置に飛ぶ。 &amp;br()でも、腰には何も引っかかってはいない。 &amp;br() &amp;br()真っ白な帽子、ふわふわのコート。 &amp;br()ウェーブした髪。 &amp;br()？「……唯ちゃん」 &amp;br()たくあんのような眉毛。 &amp;br()唯「ムギ……ちゃん……！？」 &amp;br() &amp;br()}
:90. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:08:30.78 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){紬「……求めよ、さらば与えられん……」 &amp;br()ムギちゃんは優雅な、深みのある笑顔で、私に迫る。 &amp;br()重攻撃ヘリを破壊したときと、同じ顔。 &amp;br()唯「どうして来たの……？」 &amp;br()紬「私を必要としているのは、唯ちゃんの方だと思うわ」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()家のドアを開けて、ムギちゃんを家に入れる。 &amp;br()このムギちゃんは何かが決定的に違う。 &amp;br()ムギちゃんはこんな裏のありそうな表情をしない。 &amp;br() &amp;br()紬「本物の肉に……本物の野菜……米……」 &amp;br()ムギちゃんはキッチンに置いてあるカレーの材料をちらりと見る。 &amp;br()紬「幸せな姉妹ね」 &amp;br()唯「……！！」 &amp;br()ムギちゃんはわかっている。憂のこと。 &amp;br()でも私はその事を声に出すつもりはないし、表情に表すつもりもない。 &amp;br()紬「私たち人間のためには……本物の酒……タバコ、インターネット」 &amp;br()紬「……閲覧できなくなった知識」 &amp;br()『アーサー王伝説万華鏡』を手に取り、ぱらぱらとページをめくってみせる。 &amp;br()紬「全てアヴァロンの賜物……ソロプレイヤーの特権ね」 &amp;br()紬「ゲームは手段でなく、目的だけどね……」 &amp;br()紬「いろいろと調べさせてもらったわ」 &amp;br()唯「ムギちゃん……」 &amp;br()紬「情報分析能力の高さは”ビショップ”の重要なスキルのひとつだから」 &amp;br()}
:92. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:10:52.71 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){紬「当時、様々な憶測を呼んだ”放課後ティータイム”の解散……」 &amp;br()唯「やめてよ……ムギちゃん」 &amp;br()紬「その詳細は未だ不明」 &amp;br()紬「指揮を無視した”ファイター”が単独でリセットをかけたことが直接の原因……」 &amp;br()紬「そういう人もいる」 &amp;br()ムギちゃんは優雅な笑顔で続ける。 &amp;br()紬「前衛が逃亡したパーティが壊滅する……よくある話よ」 &amp;br()紬「問題があるとしたら……無敵を謳われた”放課後ティータイム”だったことだけ」 &amp;br()私は閉ざしていた重い口をやっとの思いで開いた。 &amp;br()言うべき事はひとつ。 &amp;br()ムギちゃんは”ビショップ”だ。 &amp;br()私はムギちゃんを利用する。 &amp;br()唯「パーティを招集したいの……私含めて6人」 &amp;br()唯「3人の”ファイター”と優秀な”シーフ”、”メイジも”」 &amp;br()そこで私は黙る。 &amp;br()紬「私のことは聞かないのね」 &amp;br()唯「ムギちゃん……教えてくれるの？」 &amp;br()紬「アヴァロンのフィールドでなら、ね」 &amp;br()そう言うとムギちゃんは立ち上がり、玄関に向かった。 &amp;br()紬「お邪魔しました、唯ちゃん」 &amp;br()紬「明日24時に……”高射砲塔22”で会いましょ」 &amp;br() &amp;br()}
:93. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:11:45.99 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){次の日の夜、私は誰もいないロビーのベンチで座っていました。 &amp;br()カウンターでは和ちゃんが各部屋の電気を落としています。 &amp;br() &amp;br()和ちゃんが懐中電灯を持って、シャッターを降ろしに行こうとしたけど、私を見て立ち止まった。 &amp;br()和「唯、そろそろしめるわよ」 &amp;br()唯「ごめん、和ちゃん」 &amp;br()唯「クラスAのフィールドで、0時にムギちゃんと待ち合わせしてるの」 &amp;br()和「そう……」 &amp;br()和ちゃんは私の前に来ると、ベンチに腰を下ろした。 &amp;br()和「ねえ唯……アヴァロンにクラスSAなんて存在しないわ」 &amp;br()唯「え……」 &amp;br()私は和ちゃんを見る。ロビーは真っ暗で、顔は見えない。 &amp;br()和「どれほどリアルでも、ゲームはゲームにすぎない……」 &amp;br()和「クリアを拒むプログラムは、既にゲームとはいえないものよ」 &amp;br()和「だから隠されている……禁断のフィールドとしてね」 &amp;br()唯「和ちゃん……どうしてそれを……？」 &amp;br()和「私も、紬にスカウトされた一人よ」 &amp;br()和「もっとも、プレイヤーとしてではなく、管理者としてだけどね」 &amp;br()唯「紬ちゃんは……何者なの？」 &amp;br()和「彼女はどこからもアクセスしていないわ……つまり、自前の端末で侵入しているのよ」 &amp;br()唯「そんなことが……！？」 &amp;br()和「何の問題もないわ……膨大な設備と資金、それが可能なのは……」 &amp;br() &amp;br()このゲームの、支配者……。 &amp;br() &amp;br()和「悪いこといわないから、紬とはもう関わらないほうがいいわ。唯」 &amp;br()唯「ダメ」 &amp;br()和「どうして？」 &amp;br()唯「”スペシャルA”には……あずにゃんがいる」 &amp;br() &amp;br()}
:94. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:13:45.84 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){和ちゃんは黙ったまま、カウンターに歩いていた。 &amp;br()静まりかえったロビー内に、キーボードを打つ音だけが響く。 &amp;br()和「スタンバイしておいたわよ。9号室で、ゲームマスターが待ってる」 &amp;br()唯「ありがとう、和ちゃん」 &amp;br()和「いいのよ、唯」 &amp;br()個室への通路の電気がつき、私は歩き出す。 &amp;br()和「気をつけてね」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()端末を被ると、さわちゃん先生が現れた。 &amp;br()さわ「座標は入力してあるわ、唯ちゃん」 &amp;br()唯「ありがと、さわちゃん」 &amp;br()さわ「私としては、行かせたくはないんだけど……」 &amp;br()唯「ごめんなさい」 &amp;br()さわ「よきゲームマスターは、ゲームに介入しないものよ」 &amp;br()唯「ひとつだけ聞いていい？」 &amp;br()唯「さわちゃんも、どこかの端末からアクセスしてるの？」 &amp;br()唯「……それとも、システムの一部なの？」 &amp;br()さわ「いずれにせよ、あなたにそれを確かめる術はないわ」 &amp;br()唯「そっか……わかった。始めて、さわちゃん先生」 &amp;br() &amp;br()}
:97. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:16:22.30 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){塔のてっぺんに、ムギちゃんはいました。 &amp;br()唯「招集してくれてありがとう、ムギちゃん」 &amp;br()彼女の横には、”メイジ”と”ファイター”がいる。 &amp;br() &amp;br()紬「いずれ、この招集は必要だったわ」 &amp;br()紬「私のことは？」 &amp;br() &amp;br()唯「ムギちゃんは……”九姉妹”……アヴァロンの支配者」 &amp;br()唯「このプログラムの供給者」 &amp;br()ムギちゃんはゆっくりと首を振った。 &amp;br()紬「私は”ビショップ”……使徒の継承者に過ぎないわ、唯ちゃん」 &amp;br()紬「創造主は別に存在するの」 &amp;br()唯「だとしても、向こう側の人間には違いないでしょ？」 &amp;br()紬「スカウトしてあげてもいいのよ？」 &amp;br()唯「その人達と組む自信は、ないよ」 &amp;br()紬「パーティに入る必要はないわ。ここにいる彼らはNPC、人格のないデータ」 &amp;br()”メイジ”と”ファイター”を指さす。 &amp;br()それから、私に微笑んだ。 &amp;br()紬「ねえ唯ちゃん……クリアできそうでできないゲームと、クリア不可能に見えて可能なゲーム」 &amp;br()紬「どちらがい良いゲームかなんて、言うまでもないでしょ？」 &amp;br()紬「その微妙な均衡点を探り、レベルアップしつつ、それを維持する」 &amp;br()紬「それが私たちの仕事よ」 &amp;br() &amp;br()それからちらりと、奥の階段を見て言った。 &amp;br()紬「さて、全員揃ったようね」 &amp;br() &amp;br()唯「……えっ！？」 &amp;br()階段を上ってきた人を見て、私は思わず声を上げてしまった。 &amp;br()}
:98. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:18:18.37 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){？「よう、また組むことになるとはな」 &amp;br()？「ほんと、思ってもいなかったよ」 &amp;br() &amp;br()唯「澪ちゃん……りっちゃん……！！」 &amp;br()澪ちゃんはこの間会ったけど、りっちゃんとは長らく会っていない。 &amp;br()律「おいおい、びっくりするほどたくましくなったな、唯！」 &amp;br()澪「だろ？　律」 &amp;br() &amp;br()ムギちゃんは怖くてちょっと変で、私は前科持ちのソロで、あずにゃんはロストしたけど……。 &amp;br()ここに再び、”放課後ティータイム”が集結したのでした。 &amp;br() &amp;br()}
:100. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:21:38.09 ID:Rfy2lzJ50|&amp;aa2(c){澪「前方の視界に反応なし！」 &amp;br()偵察の澪ちゃんから連絡が入る。 &amp;br() &amp;br()工場の跡地のような廃墟の中を、私たちは前進する。 &amp;br()律「怖がりの澪が偵察とは、すっげえ話だな！」 &amp;br()澪「うるさいなっ、馬鹿律〜っ！」 &amp;br()りっちゃんは相変わらず脳天気で、とっても明るいです。 &amp;br() &amp;br()紬「りっちゃん、唯ちゃん、上へ」 &amp;br()自動拳銃を構えたムギちゃんが、私たちに指示を送ります。 &amp;br()紬「マカニト、ジルワン、バディ、前へ！」 &amp;br()NPCと呼んでいた人たちは名前がちょっぴり不思議。 &amp;br() &amp;br()律「唯、ずっとどうしてたんだ？」 &amp;br()足場を渡りながら、りっちゃんが言った。 &amp;br()唯「ここでずっと、一人で戦ってたよ」 &amp;br()律「……そっか。大変、だったんだな」 &amp;br()唯「うん……」 &amp;br()これ以上何も言わなくても、りっちゃんはわかってくれていた。 &amp;br()やっぱり、みんな私の大切な仲間だ。 &amp;br() &amp;br()}
:101. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:22:37.10 ID:Rfy2lzJ50|&amp;aa2(c){軋む足場を走り、床に空いた穴を飛び越え、澪ちゃんが前に偵察したポイントまでたどり着いた時、無線連絡が入った。 &amp;br()澪「……大変だ……！」 &amp;br()律「え？　何だって？」 &amp;br()唯「どうしたの、りっちゃん……？」 &amp;br()澪「出たあっ！！」 &amp;br()律「おわっ！！？」 &amp;br()澪ちゃんが大声を上げたのか、りっちゃんのホンから音が漏れてくる。 &amp;br()澪「大変だ……こいつ……！」 &amp;br()澪「”ツィタデル”だああっ！！！」 &amp;br()律「うわーーっ！！　耳いてええ！」 &amp;br()唯「大丈夫！？　りっちゃん！？……この音……キャタピラ？」 &amp;br()りっちゃんの悲鳴に混じって、何かものすごい重い車両が走るような音が聞こえてくる。 &amp;br()そしてお腹にまで響くエンジンの音。 &amp;br()律「澪のやつ……”ツィタデル”って言ってたな」 &amp;br()紬「ツィタデル……！？　落ち着いて、澪ちゃん……！」 &amp;br()ツィタデル、クラスA最強のフラグ。 &amp;br()巨大な塔のような戦車で、車体のあちこちが展開して、機銃タレットが現れる。 &amp;br()主砲の榴弾砲は建造物を粉々に吹き飛ばす。恐ろしい敵キャラクター。 &amp;br()紬「クラスA最強の敵でも……弱点はあるわ」 &amp;br()紬「接近戦に持ち込めば、主砲は無力化できるから……」 &amp;br() &amp;br()}
:102. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:24:16.72 ID:Rfy2lzJ50|&amp;aa2(c){紬「唯ちゃん、前衛がツィタデルの足を止めるから、あなたは後ろのグリルを狙って」 &amp;br()ムギちゃんから連絡がはいる。 &amp;br()唯「わかった！」 &amp;br()紬「りっちゃんは唯ちゃんを護ってあげて」 &amp;br()律「了解！　ムギ」 &amp;br() &amp;br()律ちゃんが機関銃のコッキングレバーを引いて、にこりと笑う。 &amp;br()私もウィンクして、SVDを手に持った。 &amp;br()唯「行きますぞ、りっちゃん隊員！！」 &amp;br()律「了解、唯隊員！！」 &amp;br()二人でいっせいに走り出す。目指すはツィタデルの背後。 &amp;br()不気味な音を立てて走るツィタデルの上を走り抜ける。 &amp;br()敵キャラが召還されて銃撃を浴びせてくるけど、当たるわけもない。 &amp;br()すると数発銃声が聞こえて、敵は撃ってこなくなった。 &amp;br()紬「唯ちゃん、りっちゃん、早く！」 &amp;br()唯「ありがと！　ムギちゃん！」 &amp;br() &amp;br()下を見れば、マカニト、ジルワン、バディの3人がツィタデルに銃撃を加えて足止めしている。 &amp;br()私たちも急がなきゃ！ &amp;br()工場の端までたどり着いて、二人で足場から飛び降りる。 &amp;br()そして見事着地。 &amp;br()律「決まってたな！」 &amp;br()唯「もっちろん！」 &amp;br() &amp;br()}
:103. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:26:12.86 ID:Rfy2lzJ50|&amp;aa2(c){バシュ、バシュと噴き出すような音が聞こえて、続いて爆発音。 &amp;br()澪「前衛がツィタデルのキャタピラを壊した！」 &amp;br()紬「急いで、唯ちゃん！　持ちこたえられないわ！」 &amp;br()律「行くぞ唯！」 &amp;br()りっちゃんが機銃を撃ちまくって、敵が私を狙えないように弾幕を張ってくれる。 &amp;br()車体のそこら中から機銃が生えて、ツィタデルは私たちを狙い撃ちにしようとする。 &amp;br()紬「マカニト、左上部のタレットを！！」 &amp;br()私の頭上に機銃が弾丸を注ぎこもうとしたところで、RPGが着弾した。 &amp;br()唯「ムギちゃんナイス！」 &amp;br()律「唯！　弾薬が少ない！　急ぐぞ！！」 &amp;br() &amp;br()そして巨大な側面を走り抜け、二人で背後に滑り込む。 &amp;br()唯「やった！！」 &amp;br()敵兵が落としたRPGを取って、ツィタデルの後部エンジングリルを狙う。 &amp;br()トリガーを引き、発射。 &amp;br() &amp;br()初弾は命中。グリルの網の目が吹き飛んだ。 &amp;br()律「こいつを使え！」 &amp;br()りっちゃんが弾頭を投げ渡してくれた。 &amp;br()唯「ありがと！」 &amp;br()次の弾を装填して、再び照準機を覗き込む。 &amp;br()発射、着弾。 &amp;br()律「そらっ！」 &amp;br()次の弾を受け取って、装填、発射。 &amp;br()4枚の展開式安定翼を広げて、ロケットモーターに点火した弾頭は一直線に飛んでいく。 &amp;br() &amp;br()そして着弾と同時にひときわ大きな爆発。ツィタデルの装甲板がバラバラに弾け飛ぶ。 &amp;br() &amp;br()そしてさらに大きな爆発があたり一帯を巻き込み、ツィタデルは消滅した。 &amp;br() &amp;br()}
:104. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:27:16.41 ID:Rfy2lzJ50|&amp;aa2(c){Mission Complete &amp;br() &amp;br() &amp;br()有り余るほどのポイントが表示されて、あたりは沈黙に包まれる。 &amp;br() &amp;br()紬「やったわね……」 &amp;br()澪「……”ゴースト”は？」 &amp;br() &amp;br()りっちゃんが不意に振り返る。 &amp;br()律「あそこだ！！」 &amp;br()澪「っ！！」 &amp;br()唯「……！！？」 &amp;br() &amp;br()みんなが一斉に振り返る中、私は驚愕した。 &amp;br()唯「うそ……なんで……」 &amp;br()私の手から離れたRPGが地面に落ちる。 &amp;br()”ゴースト”は、確かにそこにいた。 &amp;br()哀しい目をした少女が、たたずんでいる。 &amp;br()でも……これっておかしいよ……。 &amp;br() &amp;br()}
:105. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:29:49.00 ID:Rfy2lzJ50|&amp;aa2(c){唯「憂……なの？」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()そこには、憂がいた。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()澪「きゃああっ！！？」 &amp;br()銃声と、澪ちゃんの悲鳴が同時に響いた。 &amp;br()律「澪！！？……この！！」 &amp;br()機関銃を一連射加えられ、澪ちゃんを撃った敵は消滅した。 &amp;br()私は、上の空。 &amp;br() &amp;br()ただ、憂を見つめていた。 &amp;br() &amp;br()紬「澪ちゃん……！」 &amp;br()澪「うっ……はぁ……また……やっちゃったな……っ…！」 &amp;br()澪「こんなチャンス……二度とないのに……ツイてない……」 &amp;br()律「澪……！」 &amp;br()視界の隅で、りっちゃんが澪ちゃんにすがりついている。 &amp;br() &amp;br()}
:106. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:31:48.47 ID:Rfy2lzJ50|&amp;aa2(c){澪「唯……聞こえてるか……？」 &amp;br()澪「”ゴースト”が……壁を、抜けた時がチャンスだ……」 &amp;br()唯「憂を倒せば……」 &amp;br()澪「クラスSAへの扉が……開く……うっ……！」 &amp;br()澪「梓にも……よろしくな、唯」 &amp;br()律「澪……お前……」 &amp;br()私は、拳銃を構える。 &amp;br()私は正気なの？ &amp;br()憂に銃を向けるなんて、考えられない。 &amp;br()アヴァロンの中じゃなくて、もしも今が現実だったらどうするの？ &amp;br()憂はここにいる。 &amp;br()だったらここは現実じゃないの？ &amp;br()私は何をしようと……してるの。 &amp;br() &amp;br()澪「”放課後ティータイム”の壊滅は……唯のせいじゃないんだ……」 &amp;br()澪「あの時、真っ先に……怯えていたのは……私だったんだ……」 &amp;br()澪「梓に……それを伝えたかった……っ」 &amp;br() &amp;br()澪ちゃんがバーチャル空間の中で息絶え、死亡した。 &amp;br()そして、憂が壁の中に消えた。 &amp;br() &amp;br()}
:108. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:33:07.30 ID:Rfy2lzJ50|&amp;aa2(c){唯「……みんな……」 &amp;br()紬「唯ちゃん」 &amp;br()振り返ると、ムギちゃんが、私に自動拳銃を投げ渡した。 &amp;br()唯「ムギちゃん……」 &amp;br()紬「使って。役に立つわ」 &amp;br()律「唯！」 &amp;br()唯「りっちゃん」 &amp;br() &amp;br()りっちゃんは、私に向かって、ぐっと拳を突き出した。 &amp;br()律「”ゴースト”は待ってくれないよん」 &amp;br()律「しくじるなよ、唯！」 &amp;br()唯「ありがとう、りっちゃん！」 &amp;br() &amp;br()}
:109. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 13:33:47.76 ID:Rfy2lzJ50|&amp;aa2(c){私は、憂の消えていった方へと走っていった。 &amp;br() &amp;br()向こうの壁が光っている。 &amp;br()よく見ると、憂がいる。 &amp;br()私は十字の通路で立ち止まると、憂を捜した。 &amp;br() &amp;br()拳銃を構え、トリガーに指を添える。 &amp;br()そのまま、わたしはぐるぐると回り始める。 &amp;br() &amp;br()”ゴースト”は、どこだ。 &amp;br() &amp;br()唯「……っ！！」 &amp;br() &amp;br()3回目に振り返ったとき、私はトリガーを引いた。 &amp;br()二発、三発、四発、五発。 &amp;br() &amp;br()”ゴースト”に銃弾を浴びせ、私はその姿を睨む。 &amp;br()たとえ憂だったのだとしても、ここはアヴァロン。架空の、仮想空間。 &amp;br() &amp;br()数秒後、”ゴースト”は赤く色を変え、死亡、消滅した。 &amp;br() &amp;br()唯「……」 &amp;br()私は、”ゴースト”の消えた跡に向かって歩いていく。 &amp;br()すると視界が消え、私の意識もフェードアウトしていく。 &amp;br()私の意識の中に、文字が現れた。 &amp;br() &amp;br()}    </description>
    <dc:date>2009-09-02T03:36:08+09:00</dc:date>
    <utime>1251830168</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hinamizawaghetto/pages/54.html">
    <title>けいおん！アヴァロン</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/hinamizawaghetto/pages/54.html</link>
    <description>
      http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1251769244/
:1. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:40:44.41 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){喪われた近未来―― &amp;br() &amp;br()現実への失望を埋め合わせるべく、若者たちは仮想戦闘ゲームに熱中していた。 &amp;br()架空の世界で繰り返される死。 &amp;br()その見返りとしての興奮と報酬は多くの若者を熱狂させ、 &amp;br()パーティと称する非合法集団の群れと無数のゲームフリークス(ゲーム中毒)を出現させた。 &amp;br() &amp;br()時には脳を破壊され、未帰還(ロスト)者と呼ばれる廃人を生み出す危険なゲーム。 &amp;br()この呪われたゲームは、英雄の魂の眠る場所―― &amp;br() &amp;br()それを人々は”アヴァロン”と呼んだ。 &amp;br()}
:3. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:41:40.23 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){Display Map ... &amp;br()Search ... &amp;br()Reference ... &amp;br()Detalls &amp;br()A-0253361 Wasteland &amp;br()154023 009513 052586 &amp;br()-0035 0351 0195 &amp;br() &amp;br()Main Battle Tank-1 T-72M2 37-412-9174 &amp;br()048500,0106,004680 &amp;br()-Lock on- &amp;br()Main Battle Tank-1 T-72M2 37-412-9155 &amp;br()177232,01693,01693 &amp;br()-Lock on- &amp;br()Main Battle Tank-1 T-72M2 37-232-9105 &amp;br()201925,01935,00897 &amp;br()-Lock on- &amp;br()Anti Aircraft Tank-1 ZSU-23-4M1 SHILKA 37-805-7179 &amp;br()080325,-00128,-00788 &amp;br()-Lock on- &amp;br() &amp;br()}
:5. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:42:29.90 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){ヘリの爆音、そして戦車の隊列が草原を駆ける轟音が私のお腹にまで響いてきます。 &amp;br() &amp;br()ZSU-23-4M1　”シルカ”対空戦車が、砲塔を旋回させている。 &amp;br()小さなレーダーを乗せたお椀のお化けのような砲塔から４つの23mm機関砲が生えた姿はちょっと不格好。 &amp;br()４つの発射炎を噴き出しながら、薬莢がバラバラと散らばります。触ったら熱そうだなあ。 &amp;br() &amp;br()その内ヒューンと甲高い音を立てて、対戦車ミサイルが空から降ってくる。 &amp;br()あっという間に４台の戦車たちは炎につつまれ、火柱が上がります。 &amp;br() &amp;br()キャタピラが外れ、散らばり、パーティクルで構成された爆発の”エフェクト”が交互に重なり合う。 &amp;br() &amp;br()でもこの”クラスA　0253361番　ウェストランド”は、もうお別れ。 &amp;br() &amp;br()私の周りは煉瓦を崩していくように切り替わり、ヨーロッパ風の町並みが姿を現していきます。 &amp;br() &amp;br()どんよりとよどんだ空気が、私のやる気をちょっぴり奪うけど、逃げまどうニュートラルたちが私の気を引き締めます。 &amp;br() &amp;br()街道の向こうからは、数台の戦車。 &amp;br()逃げまどう民衆。 &amp;br()爆音と轟音、悲鳴、雄叫び。 &amp;br()殺人と破壊、戦闘のお遊戯。 &amp;br()空の色はくすんだままで、私の色も褪せて落ちてしまったよう。 &amp;br() &amp;br()そんな中に、私、平沢唯は降り立ったのでした。 &amp;br() &amp;br()}
:8. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:43:36.90 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){T-72M2戦車のドライシングルピンキャタピラがきしみ、キュラキュラと嫌な音を立てます。 &amp;br()私は持っていたライフルを肩に背負うと、一目散に走り出しました。 &amp;br() &amp;br()唯「……っ！！」 &amp;br()他のプレイヤー……ファイターやシーフ、メイジたちが、銃を撃ち鳴らします。 &amp;br()T-72の前面装甲にはじかれ、AKの軽い銃声と虚しい金属音が響き渡る。 &amp;br() &amp;br()クーン、とサイレンと手押し車を合わせたような音が聞こえてきて、視界の隅にいるT-72の砲塔が回るのがわかる。 &amp;br()唯「はっ……！」 &amp;br()私はすぐさま戦車に肉薄して、よじ登らんばかりになります。 &amp;br() &amp;br()戦車は同軸機銃を撃ちまくり、プレイヤーたちが撃たれ、死亡していく。 &amp;br()この”アヴァロン”のルールは単純。 &amp;br()敵を倒して、経験値を手に入れる。死亡すれば、苦痛とともに現実へと還る。 &amp;br()ふと前を見れば、他のプレイヤーが私を見つけて銃を向けている。 &amp;br()私が敵を倒して、経験値をもらっていっては困るみたい。 &amp;br()唯「やってやる……っ！」 &amp;br()いきなり始まった相手の銃撃を戦車の車体でかわし、その上に飛び乗る。 &amp;br()待ってました、といわんばかりに私は砲塔の上へよじのぼり、ぺたりとキューポラの上に腰を下ろした。 &amp;br()すぐに車載機銃のグリップに掴みかかり、敵に照準を合わせて、トリガーを叩く。 &amp;br() &amp;br()唯「うああああっ！！！」 &amp;br()大口径の機銃弾が敵に浴びせられ、一瞬のうちに死亡、消滅。 &amp;br()路上の車が蜂の巣になり、タイヤがガタガタと沈み込みます。 &amp;br() &amp;br()ベルトリンクで給弾される弾薬が無くなるまで、私は撃ち続けました。 &amp;br()気づけば、もう敵はいない。 &amp;br() &amp;br()}
:9. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:44:45.23 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){唯「はぁ……」 &amp;br() &amp;br()私はおもむろに立ち上がり、灰色の空を見上げました。 &amp;br()顔を覆っていたマスクとヘルメットを投げ捨てて、深呼吸。 &amp;br()唯「……ふぅ……」 &amp;br()そして、ホルスターからPPK拳銃を取り出して、撃ち漏らしたプレイヤーを一人、殺しました。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「クラスAは、まだ早いよ」 &amp;br()唯「レベルを上げて、出直てきなさいっ」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()ちょうどそのとき、私の上を重攻撃ヘリが爆撃していきました。 &amp;br() &amp;br()}
:11. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:48:07.88 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){たくさんのプレイヤーたちが、草原を駆け抜けていく……。 &amp;br()鯨に虫の頭を生やしたような重攻撃ヘリが空中に出現して、プレイヤーたちは熱気に包まれました。 &amp;br()フラグ……マップの最終目標です。 &amp;br() &amp;br()二つの巨大なローターが爆音を上げて、草を吹き飛ばす。 &amp;br() &amp;br()唯「ほっ……！　ほっ……！」 &amp;br()私はみんなが塹壕を飛び越えフラグへと向かっていく中、塹壕の中を駆け抜ける！ &amp;br() &amp;br()肩には大事なSVD狙撃銃を担いで、できるだけ早く走っていく。 &amp;br()他のみんなが、機関銃を浴びせ、RPGを撃ち込んでいる。 &amp;br() &amp;br()でも正面からじゃ、パーティでも勝てるはずがない。 &amp;br()プレイヤーたちはロケット砲を空から撃ち込まれ、機銃掃射を受け、どんどん死亡していきます。 &amp;br() &amp;br()私は一番近い廃墟の中へと飛び込み、天井のない二階へと駆け上がる。 &amp;br()ちょうどい壁の穴を見つけて、すべりこみながらSVDの安全装置を解除する。 &amp;br()足を広げて、スコープを覗き込んで……。 &amp;br()唯「いくよ……！」 &amp;br()}
:16. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:50:31.04 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){敵はミサイルとロケットを撃ち尽くし、空中で優雅にホバリングを決めている。 &amp;br()私はゆっくりとスコープの倍率を上げて、息を整える。 &amp;br() &amp;br()唯「しょだん！」 &amp;br()はずれ。 &amp;br()コックピットに風穴を開けるだけ。 &amp;br() &amp;br()唯「じだん！」 &amp;br()はずれ。 &amp;br()コックピットに風穴を開けるだけじゃ涼しくなっちゃう。 &amp;br() &amp;br()唯「……とどめっ！！」 &amp;br() &amp;br()引き金を引いた瞬間、私は床の大穴から一回へと飛び込む！ &amp;br()廃墟の横で放棄された戦車の上に飛び乗り、車載機銃を上に向け、敵を睨んだ。 &amp;br()兵装を操作する人間を失った敵機は、もはや的と同じ。 &amp;br()無心で機銃を撃ちまくり、遠目に見ても敵の機体は穴だらけ。 &amp;br()そして、爆発。 &amp;br() &amp;br()私はちょっとだけ青い空に向かって、投げキッス。 &amp;br()誰かが上から見ていたような気がしたけれど……そんなこと気にならないくらい、嬉しいからいいや。 &amp;br() &amp;br()Mission Complete &amp;br() &amp;br()}
:18. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:52:30.44 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){Destoyed Emeny &amp;br()------------------------------ &amp;br()Dog Soldier x13 4120e+06 &amp;br()Heavy Armed Soldier x3 5800e+06 &amp;br()Player x9 1620e+06 &amp;br()Heavy Armed Chopper x1 320000e+06 &amp;br()------------------------------ &amp;br()Point 308968e+06 &amp;br()Time 10:00:00 &amp;br()------------------------------ &amp;br()Gotten Item &amp;br()SVD 7.62x56R x1Mag 30000e+06 &amp;br()PPK 380ACP x2Mag 12000e+06 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;17 &amp;br()　ちょうどキャラの数と性格が合ってたもんで &amp;br()}
:20. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:53:11.58 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){AWETGKAOEWFEGPLPLPSLEGPHERJHOERSGHKS+LFWEPGF &amp;br()FJODWADKZ+&lt;FDSA&gt;FSPFJQWDKL+AFSDZJFAKPFDKAFKW &amp;br()EKSAFJKLASDJ　　　　　　　　　　AWLFKDJSZKVG &amp;br()FOKAEJFOKSAM　　　　　　　　　　KALSDJJFGAHW &amp;br()ODKGOSJKOTSO　　ＡＶＡＬＯＮ　　IOEJFIHSJFNE &amp;br()FEISJFKLASNC　　　　　　　　　　;VJSLA;KFPOE &amp;br()OWIEOQWKDOAC　　　　　　　　　　DGIJSOPFKA@W &amp;br()FSOJKFKLDZMVKLSDJFOPAKFL;WAFDL;AJFOAOFJAWOPA &amp;br()GESKGSLEFEAWFOWIEWLGSIGZGIRESLKGPSKGRSGKSEKG &amp;br() &amp;br()LOG OFF ... &amp;br() &amp;br()}
:21. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:53:54.45 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){ぼんやりと、真っ暗な視界が戻ってきて、私は意識を現実に戻しました。 &amp;br() &amp;br()唯「ん……うぅっ……」 &amp;br() &amp;br()薄暗い、壁に配線の走った個室……下着姿でベッドに寝ころんだ私。 &amp;br()ゆっくりと頭に被った端末を脱いで、一息つく。 &amp;br() &amp;br()ベッドから降りて、壁にかけた服を着る。 &amp;br()汗かいたから、帰ったらシャワー浴びなくちゃ。 &amp;br() &amp;br()さわ「相変わらず見事な腕前ね、”うんたん”……いえ、唯ちゃん」 &amp;br()天井からぶら下がったモニターの中に、さわちゃん先生が姿を現した。 &amp;br()唯「さわちゃん先生〜」 &amp;br()この人は”アヴァロン”のゲームマスターと言われている人。 &amp;br()なんだけど、私はなんとなく、さわちゃん先生と呼んでいる。 &amp;br()……どことなく、昔通っていた学校のある先生に似ているから。 &amp;br() &amp;br()唯「さわちゃん、7.62mmを1マガジンと、PPK、2マガジン補充したいな」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()さわ「もう二、三度コンプリートすると、レベルアップよ」 &amp;br()さわ「タイムリミットのハンディがつくわ。判っている？」 &amp;br() &amp;br()唯「……残ポイントはキャッシュでお願い、さわちゃん先生」 &amp;br() &amp;br()さわ「ソロプレイは今まで以上に危険になるわ……」 &amp;br()さわ「また、パーティを組む気は……ないの？」 &amp;br() &amp;br()}
:23. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:55:47.04 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){私は黙ったまま、コートを着込むと、通路に出て行きました。 &amp;br()もう、パーティは組みたくない。 &amp;br()さわちゃん先生だって、知ってるはずなのに。 &amp;br() &amp;br()ロビーに戻ると、さっきの私のプレイが巨大なモニターに映し出されていた。 &amp;br()他のプレイヤーたちが、食い入るように見つめている。 &amp;br()私は気にせずカウンターの前に立ち、IDカードを差し出す。 &amp;br()唯「お願いします」 &amp;br() &amp;br()ポイントは、お金に換えることができる。 &amp;br()かくいう私も、そのお金で生活しています。 &amp;br() &amp;br()和「いい稼ぎね」 &amp;br()カウンターの向こうから、聞き慣れた声が届く。 &amp;br()唯「うん、まあまあね」 &amp;br()私の幼なじみの、和ちゃん。 &amp;br()今はこうして、プロバイダのカウンターのお仕事をしています。 &amp;br()引き出しを開けて、お札を数えてている間、私はカウンターの周りを見回した。 &amp;br()二人の子供の像。 &amp;br()左の子の首はなくなってしまっている。 &amp;br()和「はい、今日の分」 &amp;br()和ちゃんが慣れた手つきでお札を束ねて、IDカードと一緒にカウンターに滑らせた。 &amp;br()唯「ありがとう」 &amp;br()唯「じゃあ、帰るね和ちゃん」 &amp;br()和「ええ、憂ちゃんにもよろしく」 &amp;br()唯「うん」 &amp;br()和ちゃんは、アヴァロンから還ってきた私を見る度、なにかもの悲しい表情をします。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;22 &amp;br()　押井守の「アヴァロン」です &amp;br() &amp;br()}
:25. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:57:26.04 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){建物から出ると、夜の冷えた風が私に身体に突き刺さります。 &amp;br()唯「うう〜っ、寒い！」 &amp;br()早足で、家へと急ぐ私。家に帰れば、憂が待っているから。 &amp;br() &amp;br()電車に揺られながら、私は今日の戦いを思い出しています。 &amp;br()ちょっとぼーっとしてしまうと、エンジンの爆音と、キャタピラの軋む音が聞こえてくるよう。 &amp;br()とっても静かな電車の中でも、心がなかなか落ち着かない。 &amp;br()唯「……はぁ……」 &amp;br()戦争中毒？　アヴァロンは仮想空間だよ……？ &amp;br() &amp;br()電車の中で振り返った時、自分の目つきが違うことに気がついた。 &amp;br()こんなの私じゃない……平沢唯じゃないよ。 &amp;br()唯「……っ！」 &amp;br()私は頭をぶんぶんと振って、早く憂の待つ家に帰ろう、それだけを考えました。 &amp;br() &amp;br()隣の線路を、反対方向の電車が走り去っていく。 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;24 &amp;br()　「カウンター」と表記してしまってます、ごめんなさい。管理のおばちゃんは和です &amp;br()}
:26. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:58:11.76 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){唯「ただいま」 &amp;br()憂「お帰りお姉ちゃん！　ご飯、できてるよ」 &amp;br()憂「一緒に食べよ」 &amp;br()唯「うい〜っ！」 &amp;br()思わず、憂に飛びついてしまう。 &amp;br()憂「もう、お姉ちゃんったら……」 &amp;br()やっと、やっと現実の世界に還って来れような充実感。 &amp;br()殺伐とした殺しの世界では決して感じられない温かさがそこにあります。 &amp;br()それを憂もわかってくれるから、ゆっくりと私を抱きしめてくれる。 &amp;br() &amp;br()唯「メールは……なし、か」 &amp;br()ご飯を食べ終わって部屋に戻った私は、何気なくパソコンの電源を入れていた。 &amp;br()相変わらず、メールは誰からも来ない。 &amp;br()あの日から、誰からも連絡など来ていない……当然だよね。 &amp;br() &amp;br()私はパソコンをほったらかしにして、ベッドに身を投げた。 &amp;br()冷えた布団が、廃墟の空気のようにまとわりつくのを感じて、身震いしてしまう。 &amp;br() &amp;br()そのまま私はやりきれない気持ちでいっぱいになって、泣いてしまった。 &amp;br() &amp;br()明日になれば、またアヴァロンで戦って生活する。 &amp;br()だから、泣いちゃダメだよ、私。 &amp;br()私のするべきことは、憂にこれ以上迷惑をかけないで、一緒に幸せに暮らすことなんだから。 &amp;br() &amp;br()}
:28. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 10:59:38.86 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){つぎのひ！ &amp;br() &amp;br()私はロビーに集まる人だかりがいつもより増えているのに気がつきました。 &amp;br()昨日私が墜とした重攻撃ヘリを他の人が破壊した映像らしい。 &amp;br()唯「……！」 &amp;br()「おい……この戦法ってよ」 &amp;br()「まるで”うんたん”の……」 &amp;br() &amp;br()ヘリが爆発を残して跡形も無く消え去り、小さく歓声が沸いた。 &amp;br()「奴よりも早いぜ……」 &amp;br()「しかも、確実ときた」 &amp;br()マントを被った人が、私と同じ戦法で、私よりも早く確実にヘリを破壊していた。 &amp;br()私に対する挑戦……？ &amp;br()あの人は何がしたいんだろう。 &amp;br()内心はらはらしながらモニターを見ていると、その人がこちらを振り返った。 &amp;br() &amp;br()唯「うそ……」 &amp;br()ウェーブした綺麗な髪、たくあんみたいに太い眉毛。 &amp;br()人差し指と中指をクロスさせて、にこやかに笑っているのは…… &amp;br()唯「ムギ……ちゃん……？」 &amp;br()そしてにこやかな笑みが、ふっと挑戦的な笑みへと変わった。 &amp;br()嫌らしいほどに優雅な笑顔。 &amp;br()私はすぐにロビーの隅にあるパソコンへと走った。 &amp;br() &amp;br()唯「ごめんなさい、どいてっ！！」 &amp;br()パソコンの前にいた人を突き飛ばして、私はキーボードを叩き始めた。 &amp;br()唯「クラスA完遂者……最新データを要求……！」 &amp;br()ムギちゃんがアヴァロンにいたなんて……誰からも聞いてないよ。 &amp;br() &amp;br()}
:29. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:00:43.26 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){モニターに検索結果が表示されて、私は食い入るように見ました。 &amp;br()唯「クラス……”ビショップ”」 &amp;br()唯「登録名不詳！？」 &amp;br()意味がわかんないよ。 &amp;br()登録者名が表示されないなんて、ありえないはず。 &amp;br()唯「そうだ、アクセスポイントを……」 &amp;br()検索にムギちゃんのアクセスポイントを要求する…… &amp;br()唯「データなし……？」 &amp;br()ありえないよ。どこからもアクセスしていないなんて。 &amp;br() &amp;br()唯「そうだ……さわちゃん先生に……っ！！」 &amp;br()滑って転びそうになりながら、私は端末のある個室へと走った。 &amp;br()勢いよくドアを開けて、モニタに向かって叫ぶ。 &amp;br()唯「さわちゃん！！」 &amp;br()さわ「どうしたの？　唯ちゃん」 &amp;br()さわ「まだ回線は空いてないわよ」 &amp;br()部屋の電気が点き、モニタにさわちゃん先生が現れる。 &amp;br()さわ「いくら”うんたん”の唯ちゃんでも順番は……」 &amp;br()唯「それはキャンセルでいいから！」 &amp;br()唯「さわちゃん先生。頼みがあるの……！」 &amp;br()さわ「それは駄目よ。唯ちゃん」 &amp;br()唯「どうして！？」 &amp;br()さわ「個人的な依頼は受けられないの。公正を欠くことになるから」 &amp;br()さわ「唯ちゃんも、わかっているはずよ」 &amp;br()唯「お願いさわちゃん！　クラスAをクリアした”ビショップ”の情報が欲しいの！」 &amp;br()唯「パソコン以上の検索ができるはずでしょ！？」 &amp;br()さわ「……どうして彼女のことを？」 &amp;br()唯「どうしても会わなきゃいけない人なの……！」 &amp;br()さわちゃんは先生は少しばかり沈黙した。 &amp;br() &amp;br()}
:30. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:02:31.87 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){私の必死の願いは、伝わっただろうか。 &amp;br() &amp;br()さわ「……”うんたん”」 &amp;br()さわ「他のプレイヤーとの接触は持たない」 &amp;br()さわ「それがあなたの主義じゃあなかったの？」 &amp;br()さわちゃん先生の声は、冷たく私の耳に届いた。 &amp;br() &amp;br()唯「……うん」 &amp;br()私は、あの日から”ソロプレイヤー”として生きることを選んだ。 &amp;br()唯「それが、私の主義だよ……」 &amp;br()私はそれ以上何も言うことなく、個室を後にした。 &amp;br() &amp;br()}
:31. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:03:57.90 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){アヴァロン――林檎の樹と霧の彼方の伝説の島 &amp;br()アヴァロン――いつの日か &amp;br()アヴァロン――英雄の訪れる妖精の島 &amp;br()アヴァロン――いま英雄が旅立ちを迎える伝説の島 &amp;br()アヴァロン――九人の女神と &amp;br()アヴァロン――ともにある聖霊の島 &amp;br()あゝ、アーサーよ &amp;br()霧の水面にいま船は旅立つ――アヴァロンへ &amp;br() &amp;br()}
:32. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:07:39.14 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){？「ねえ、ちょっと！」 &amp;br()夜も更けたある日の帰り道、私は聞き覚えのある声に呼び止められました。 &amp;br()唯「誰？」 &amp;br()電灯の下に照らされたその人は、すらりと伸びた綺麗な黒髪、豊かな体つき……そう、澪ちゃんでした。 &amp;br()澪「やっぱり唯、か……」 &amp;br()唯「澪……ちゃん……」 &amp;br()澪「元気そうだな」 &amp;br()唯「……う、うん」 &amp;br()過去の栄光を今一度照らすように懐かしみ、微笑み、澪ちゃんは言った。 &amp;br()澪「唯、今時間ある？　少し、話したいこともあるんだ」 &amp;br()唯「あ……うん、いいよ」 &amp;br()”放課後ティータイム”の仲間。 &amp;br()輝かしく、忌まわしい過去を一緒に背負った一人。 &amp;br() &amp;br()私たちはアヴァロンのプレイヤーたちが利用できる食堂に入っていく。 &amp;br()お金を払ってもIDカードを持っていなければ、ここで食事することはできない。 &amp;br()あんまり美味しいわけじゃないけど、たまに私もお昼ご飯をここで食べることがある。 &amp;br() &amp;br()澪「いろんな噂が耳に入ってくるよ。”放課後ティータイム”のメンバーだったせいもあるけど……」 &amp;br()澪「ほんと、未練なのかな」 &amp;br()”おじや”の盛られた皿をトレイに取りながら、澪ちゃんが言う。 &amp;br()澪「顔を突っ込むつもりなんかないのに、聞きたくもない話を聞かされるよ」 &amp;br()唯「そうなんだ……」 &amp;br()私はココアをひとつもらって、トレイの上にちょこんと乗せる。 &amp;br()澪ちゃんはミネラルウォーターのペットボトルを一本とっていた。 &amp;br() &amp;br()澪「凄腕のソロプレイヤーがいて、それが女の子だ、ってさ」 &amp;br()澪「もしかして、って思ってたら……ほんとに唯だった」 &amp;br()秋刀魚の煮付けと漬け物をトレイに乗せながら、澪ちゃんが続ける。 &amp;br() &amp;br()}
:34. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:12:40.56 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){唯「澪ちゃん……調べたの？」 &amp;br()澪「何を？」 &amp;br()唯「私のデータ」 &amp;br()澪「……偶然だよ。嘘じゃない」 &amp;br()澪「また唯たちと組むことができるんだったら……運命の再会かもしれない」 &amp;br()私は、何も答えない。 &amp;br()澪「……じゃあ、あそこで食べよっか」 &amp;br()食堂の机の端をとって、二人向かい合って座る。 &amp;br()私のトレイを見て、澪ちゃんが不思議そうな表情を浮かべた。 &amp;br()澪「……あれ？　唯は晩ご飯、食べないのか？」 &amp;br()唯「憂がご飯作って待ってるから、いいの」 &amp;br()澪「……そっか」 &amp;br()澪「ごめんな、唯。つきあわせちゃって……」 &amp;br()唯「ううん、全然いいよ」 &amp;br()私はココアを一口飲んで、澪ちゃんはおじやを一口食べる。 &amp;br()澪「唯は”ファイター”だったよな」 &amp;br()澪「”ファイター”なら、ソロでもプレイできる」 &amp;br()澪「私は”シーフ”だから、ソロじゃとてもじゃないけど戦えないな」 &amp;br()唯「そっか……澪ちゃんは今、どうしてるの？」 &amp;br()澪「適当なパーティと、斥候と罠の解除とか、ナビゲーターやってる」 &amp;br()ミネラルウォーターをぐいっと飲んで、澪ちゃんは一息ついた。 &amp;br()唯「でも澪ちゃんの腕なら、どこでもやっていけそうだね」 &amp;br()澪「ふふっ、そうでもないよ」 &amp;br()澪「……放課後ティータイムのわだかまりが……今も残ってる」 &amp;br()あまり聞きたくない言葉が、私の耳に届く。 &amp;br()澪「他の人だって、そうさ」 &amp;br()澪「最強といわれた”放課後ティータイム”のメンバーだった過去は……ハンディにすらなるから」 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;33 &amp;br()　ごめん、出ないです &amp;br()}
:35. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:14:05.47 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){澪「”放課後ティータイム”は……」 &amp;br()もう聞きたくない。……頭が痛くなってきた。 &amp;br()澪ちゃんの口から発せられる言葉の一つ一つが耳に届く度、胃がきりきりと痛み、吐き気がする。 &amp;br()澪ちゃんはどうしてそんなことを次々と言えるのかわからない。 &amp;br()唯「……っ！」 &amp;br()気がつけば私は、思い切り机を叩いて立ち上がっていた。 &amp;br()澪「唯……」 &amp;br()澪「ご、ごめん唯……私……っ！」 &amp;br()澪ちゃんが顔色を変えて、私に謝る。 &amp;br()唯「聞きたくない」 &amp;br()私は澪ちゃんを一瞥すると、椅子から離れた。 &amp;br()澪「ひっ……！」 &amp;br()澪ちゃんがすくんだように私を見上げる。 &amp;br()唯「……想い出に浸ってるほど、私も暇じゃないから」 &amp;br()私は財布からお札を適当に数枚とると、澪ちゃんのトレイに投げた。 &amp;br()澪「唯……！」 &amp;br()唯「お礼はいらないよ」 &amp;br()アヴァロンのおかげですっかり険悪になった私の目を見て、澪ちゃんがおそるおそる言った。 &amp;br()澪「違う……」 &amp;br()唯「？」 &amp;br()澪「そうじゃない！」 &amp;br()澪ちゃんが声を荒げて、私を制止した。 &amp;br()澪「待って唯……梓のことは？」 &amp;br()唯「あずにゃん……？」 &amp;br()何であずにゃんの話になるの。 &amp;br()あずにゃんがどうしたっていうの？　もうみんな離ればなれなのに。 &amp;br()私が途方にくれたように立ちつくすと、澪ちゃんがホッとしたように続けた。 &amp;br()澪「その様子だと……聞いてないみたいだな」 &amp;br()澪「梓もソロでやってたんだけど……”ロスト”した」 &amp;br() &amp;br()}
:36. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:21:14.39 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){真っ白な病院の壁が、窓から入る陽光を反射する……。 &amp;br()看護士が車いすを押し、担架に横たわった患者の世話をしている。 &amp;br() &amp;br()――唯も、聞いたことがあるだろう。クラスAの、隠れキャラの話……。 &amp;br() &amp;br()車いすに座った男の人は、ぐったりと虚空を見つめている。 &amp;br()その目には、もう二度と光は差さない。廃人。 &amp;br()私は思わず目を逸らして、早足で歩いた。 &amp;br() &amp;br()――出るんだって、妙なニュートラルキャラクターが。 &amp;br() &amp;br()病棟のそこら中、死んだように眠る廃人だらけ。 &amp;br()医者や看護士たちは働きアリのように歩き回る。 &amp;br() &amp;br()――哀しそうな目をした、少女なんだ。 &amp;br()プログラムのバグだっていう人もいるらしいけど……”ゴースト”って呼ばれてる。 &amp;br()その少女を追いかけた人は……”未帰還”……つまりロストしてしまうんだ。 &amp;br()それが判っていながら、なぜ追うのか……？ &amp;br() &amp;br()唯だって知ってるだろ。 &amp;br()リセット不能の幻のフィールド、”スペシャルA”が存在するって噂を。 &amp;br()危険だけど、獲得できる経験値も法外なフィールド……。 &amp;br()”ゴースト”はそこに通じる唯一のゲートなんだそうだ。 &amp;br()だから、追う。アヴァロンを究めようとするプレイヤーは……。 &amp;br()スペシャルAを目指して。 &amp;br() &amp;br()梓も―― &amp;br() &amp;br()}
:37. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:23:49.86 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){ベッドに横たわったまま、物言わぬあずにゃん。 &amp;br()その目は、一体何を見ているのかわからない。 &amp;br()でも、何か……遠いようで近い、もうひとつの世界のようなものを見ているような気がして、私はあずにゃんを見つめた。 &amp;br()唯「あずにゃん……」 &amp;br() &amp;br()目を瞑れば……あの日を思い出す。 &amp;br()軽音部のみんなと共に送った日々を。 &amp;br() &amp;br()}
:38. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:26:09.66 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){律「澪！　アヴァロンって知ってるか？」 &amp;br()澪「なんだそれ、馬か？」 &amp;br()律「違うっ！　今話題のネットゲームだよ！」 &amp;br() &amp;br()IDカードを申請して登録すれば、誰でもできる。 &amp;br()当時、現行のMMORPGとかを遙かに凌駕した究極のネットゲームといわれていた。 &amp;br()個室を借りて、頭に端末をかぶってプレイすれば、現実のような感覚でネットゲームができる。 &amp;br()究極だけど、リアルすぎて”おたく”向け。 &amp;br()ルールは簡単。現実的すぎる仮想空間で、銃を持って戦う。 &amp;br()プレイヤーキャラクターの職業を選んで、経験値でレベルを上げ強くなる。 &amp;br()ポイントは武器を買うため、そして現実のお金に換算することもできる。 &amp;br()いわゆる”プロゲーマー”になれば、それで生活することもできることが証明されたのはまだ先の話だけど……。 &amp;br()でも”おたくゲーム”なんて言われていたのもつかの間。 &amp;br()女子高生でも、会社員でも、誰でもその魅力に取り憑かれていった。 &amp;br()バランスのとれた6人ほどのパーティをくみ、他のパーティたちと競い争う。 &amp;br() &amp;br()}
:39. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:29:07.60 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){澪「みんな、新聞の記事を見たのか！？」 &amp;br()澪「脳を壊されて廃人になるって……！」 &amp;br()律「でもよお、それって年に数人だろ。澪」 &amp;br()澪「それにしたって危険じゃないか！」 &amp;br()澪ちゃんはこのゲームの危険さ…… &amp;br()きっと、脳を破壊されて廃人になる前に、ある種の廃人になってしまうことが想像できていたんだと思います。 &amp;br()唯「でも、お小遣いも入るし……何より面白いし」 &amp;br()紬「まあ、私も悪くないと思うわ」 &amp;br()律「梓はどう思う？」 &amp;br()梓「澪先輩が正しいと思いますっ！」 &amp;br()梓「練習だって回数減っちゃってるじゃないですか！」 &amp;br() &amp;br()どうしてあの時、私は気づくことができなかったんだろう。 &amp;br() &amp;br()律「ようし、じゃ練習して、帰りにみんなでアヴァロンやろうぜ！」 &amp;br()唯「さんせーいっ！」 &amp;br()梓「それなら……まあいいですけど」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()大学を中退した私は、アヴァロン最強とうたわれたパーティ”放課後ティータイム”の一員となっていた。 &amp;br()りっちゃんと澪ちゃん、あずにゃんそして……私。 &amp;br()ムギちゃんは遠くへ嫁いでいってしまい、それ以来会うことができなくなってしまっていた。 &amp;br() &amp;br()みんなと会うのは、アヴァロンの中だけ……。 &amp;br()みんなで集まってバンドをすることは、なくなっていた。 &amp;br()その時の私は、アヴァロンの面白さに取り憑かれ、アヴァロンでお金を稼ごうと戦いに戦いました。 &amp;br()そんな私の姿が、澪ちゃんの言っていた”ある種の廃人”であることも気づけないまま。 &amp;br()莫大な報酬が手に入るクラスAに行けるだけの実力をつけた私は、さらにアヴァロンにはまっていった。 &amp;br() &amp;br()}
:41. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:32:07.75 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){澪ちゃんは、大学に行きながらも、私たちに会うためにパーティに来てくれていました。 &amp;br()りっちゃんはフリーターとしてバイトをしながら、パーティにつきあってくれました。 &amp;br()あずにゃんはなんと、レベルが上がりづらいといわれる”ビショップ”で私よりも強くなっていました。 &amp;br()あずにゃんは高校を卒業してから、自分の身の上のことはまったく話さなくなりました。 &amp;br()最近は何をしているの？　と聞くと、何かと話しをはぐらかされてしまう。 &amp;br() &amp;br()律「すっげえなぁ、報酬！」 &amp;br()澪「ほんと、唯と梓のおかげだな」 &amp;br()唯「そんなことないよ、みんなで戦って手に入れたお金だもん！」 &amp;br()梓「そうですね」 &amp;br()こんな時ばかりは、あずにゃんも可愛らしい笑みを見せてくれる。 &amp;br()律「んじゃゲームマスター、PG-7を5本補充ね！」 &amp;br()澪「多いだろ！　3本にして、後は7.62mmを3マガジンにしときなさいっ」 &amp;br()私たちはありあまる報酬を山分けして、アヴァロンでの名声を勝ち取った。 &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;40 &amp;br()　支援感謝です &amp;br()}
:42. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:35:31.91 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){――機銃掃射だ！！ &amp;br() &amp;br()私は廃墟の中を駆け抜け、必死に遮蔽物を捜す。 &amp;br()窓の外の空には、2機のMi-24ハインドが迫っている。 &amp;br() &amp;br()その日私たちは、Aランクの中でも最も難しいといわれるマップを攻略していました。 &amp;br()強豪たちが”空の悪魔”ハインド攻撃ヘリのコンビネーションの前に敗れ去る恐ろしいマップ。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()梓「澪先輩！！　右へ迂回して牽制をぉっ！！」 &amp;br()あずにゃんが一階にある壁の穴から、超低空に降りてきたハインドに向かって威嚇射撃する。 &amp;br()ガトリング砲の掃射がはじまり、あずにゃんは瓦礫の中にもがくように丸まる。 &amp;br()梓「……っ！！」 &amp;br()唯「あずにゃん！！」 &amp;br()梓「唯先輩！！　構わず火力を集中させてください！！」 &amp;br()あずにゃんが通路で立ち止まる私に怒鳴る。 &amp;br()律「唯！　こっちだ早く！！」 &amp;br() &amp;br()澪「もう弾薬が少ない…っ！！　いったん退却しよう！　梓！！」 &amp;br()律「くっそドジ踏んじまった！！」 &amp;br() &amp;br()}
:43. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:36:34.62 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){りっちゃんが急に立ち止まり、瓦礫の裏に飛び込む。 &amp;br()私は思いっきり転んでしまって、銃が床の大穴から一階に落ちてしまう。 &amp;br()唯「……きゃあっ！！」 &amp;br()その直後、ハインドの機銃掃射。 &amp;br()巨大な弾丸が空気をかすめ、私の周りの床に大穴を開けていく。 &amp;br()澪「もうダメだ……逃げよう梓……！！」 &amp;br()梓「弱音を吐いちゃダメ！！」 &amp;br()梓「”放課後ティータイム”の戦闘に、リセットはないんです！！」 &amp;br()こんなのあずにゃんの声じゃない……。 &amp;br()恐ろしいまでに殺伐としたあずにゃんの叫び声。 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩……唯センパイ、ユイセンパイ！！」 &amp;br()私は仮想空間の中で、全身の血の気が引いていくのを感じる。 &amp;br()空の悪魔のうなり声、あずにゃんの叫び声、絶望の奈落に落ちたような状況―― &amp;br() &amp;br()}
:46. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:42:38.36 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){――検索：アヴァロン &amp;br() &amp;br()思い出してもしかたのない過去。 &amp;br()今でも嫌な気分になるハインドのエンジン音を頭の中でめぐらせながら、私はキーボードを叩く。 &amp;br() &amp;br()――検索：ゲート &amp;br() &amp;br()多すぎてアテにならない。 &amp;br() &amp;br()――検索：アヴァロン　ゲート　ゴースト &amp;br() &amp;br()まだ、ダメ。 &amp;br()憂「おねえちゃーん」 &amp;br()憂が呼んでいる。 &amp;br()唯「ちょっと待ってー」 &amp;br() &amp;br()――検索：アヴァロン　ゲート　ゴースト　リセット不能 &amp;br() &amp;br()まだダメ。 &amp;br() &amp;br()――検索：アヴァロン　ゲート　ゴースト　リセット不能　コンプリート　クラスA &amp;br() &amp;br()エンターキーを押して、さらに検索をかけてみる。 &amp;br()ここまでやればいけそうなんだけど……。 &amp;br()}
:47. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:46:03.12 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){でもモニターに現れた予想外の結果に、私は身震いした。 &amp;br()唯「何これ……」 &amp;br() &amp;br()”アクセス禁止” &amp;br()”アカウント停止の警告” &amp;br() &amp;br()唯「うわああっ……どうしよう……どうしよう！！」 &amp;br()憂「お姉ちゃん、どうしたの？」 &amp;br() &amp;br()憂がドアを開けて、私を呼びにきた。 &amp;br()唯「ういーっ！！　大変だよ！？」 &amp;br()憂「ど、どうしたのお姉ちゃん？」 &amp;br()唯「ぱ、パソコンが……」 &amp;br() &amp;br()憂が頷いて、パソコンに向かった。 &amp;br()憂「まかせて、お姉ちゃん」 &amp;br()憂がキーボードをパシッと押すと、警告は消えて検索画面は元に戻った。 &amp;br()憂「お姉ちゃん何見たの？　こんなの初めて見た」 &amp;br()唯「ごめんね、憂。アヴァロンの事調べてたらこんなになっちゃって……」 &amp;br()憂「あれ、お姉ちゃん、検索にひとつだけ残ってるよ」 &amp;br()唯「え？」 &amp;br()憂が画面を指さした。 &amp;br()憂「ほら、ここ……”Nine Sisters”って」 &amp;br()唯「きゅうしまい……？」 &amp;br()取り消しにされた検索画面の中に一つだけ残ったキーワード。 &amp;br()何となく、私はマウスを掴みそれにカーソルをあわせた。 &amp;br()憂「待ってお姉ちゃん！　ウイルスかもしれないよ！？」 &amp;br()唯「うぅーん……押してみる」 &amp;br()憂「ええっ！？」 &amp;br() &amp;br()}
:48. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 11:54:21.45 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){http://www.youtube.com/watch?v=aTQfB8W0-EM &amp;br()ＢＧＭ &amp;br() &amp;br()もうちょっと待ってください &amp;br() &amp;br()}
:52. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:00:45.46 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){そして、画面が切り替わり、くすんだ9人の女の子の写真が現れた。 &amp;br()”アーサーここに眠る　いつの日か再び蘇らん” &amp;br()憂「お、お姉ちゃん……絶対怪しいよ」 &amp;br()唯「きっと大丈夫っ」 &amp;br() &amp;br()”アヴァロンの非合法性を確認の上　あなたのIDデータを入力してください” &amp;br() &amp;br()唯「……」 &amp;br()憂「これ……きっと詐欺だよ。やめておいた方が……」 &amp;br()唯「ううん……どうしても知りたいことがあるから」 &amp;br() &amp;br()私は憂の制止にかまわず、IDカードをリーダーに通して、情報を入力した。 &amp;br() &amp;br()”クラスA　廃墟C66にて待つ” &amp;br() &amp;br()唯「これって、来てってことだよね……」 &amp;br()憂「うん、そうだと思う……」 &amp;br()私は椅子から立ち上がると、クローゼットからコートを手にとった。 &amp;br()唯「ごめん、ちょっとアヴァロンしてくる」 &amp;br()憂「ええっ！！　行くの！？　危ないよ！」 &amp;br()唯「大丈夫。だって私はアヴァロン最強の”うんたん”だもん」 &amp;br() &amp;br()}
:54. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:04:05.03 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){憂が泣きそうな目で私を見つめている。 &amp;br()このゲームが時に植物人間を生み出す危険なものということは憂も知っている。 &amp;br()憂「何かあったら、お姉ちゃんだけの問題じゃないんだよ！」 &amp;br()憂「こんな危ないゲーム……今まで何も言わなかったけど……もう……」 &amp;br()唯「だいじょぶだよ、憂」 &amp;br()私は憂をぎゅっと抱きしめる。憂はすすり泣いている。 &amp;br()唯「憂が泣きやむまで、ここにいるから、安心して……」 &amp;br()憂「うん……」 &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯「行ってきます」 &amp;br()まだ目もとが赤い憂を残して、玄関を出る。 &amp;br()休日のお昼下がり。 &amp;br()なんてこと、ない。今日も同じようにアヴァロンで一暴れしてくるだけ。 &amp;br()憂が目を潤ませて、手を振ってくれる。 &amp;br()憂「気をつけて……ね、お姉ちゃん」 &amp;br()唯「すぐ帰るよ！」 &amp;br() &amp;br()}
:56. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:05:15.40 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){服を脱いで端末を手に取った私に、さわちゃんが声をかける &amp;br()さわ「今日はクラスAの回線が結構重いから、ラグに注意してね」 &amp;br() &amp;br()下手にラグを起こして接続をしくじると、とても危険。 &amp;br()でも私はいちいち待っている暇はない。 &amp;br()唯「さわちゃん先生！　”九姉妹”って、聞いたことある？」 &amp;br()さわ「モルガン・ル・フェのこと？」 &amp;br() &amp;br()唯「もーがん・る・ふぇ……？」 &amp;br()さわ「そうよ……伝説の島アヴァロンを支配する、女神たちのこと」 &amp;br()さわ「傷ついたアーサー王を黒い舟で、水の果てアヴァロンへ運んだ九人の女神たち」 &amp;br()さわ「妖姫モルガンは、ノルスガリスの王女、荒れ地の女王そして……」 &amp;br()さわ「守護者である湖の姫」 &amp;br()唯「なんだか、神話みたい……」 &amp;br() &amp;br()唯「小学校の頃読んだ神話の本に、そんな話があったよ」 &amp;br()唯「旅の途中で舟が壊れて、とおい島に流れついたオジールの話」 &amp;br()唯「オジールを助けたモルガンは、金の指輪を渡して、不死と永遠の若さを授けたの」 &amp;br() &amp;br()さわ「でもオジールは、モルガンが自分の頭に載せた王冠に気づかなかった」 &amp;br()唯「”忘却の王冠”……自分の国のことも、何もかもみんなを忘れちゃったんだよね……」 &amp;br() &amp;br()私は端末をかぶって、目を閉じる。 &amp;br()唯「アヴァロン、始めて。さわちゃん先生」 &amp;br() &amp;br()}
:58. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:06:58.75 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){クラスA　廃墟C66。 &amp;br()荒野の真ん中に建つ廃墟の中を、ゆっくりと歩く。 &amp;br() &amp;br()唯「……！」 &amp;br()不意に誰かの気配がして、拳銃を構える。 &amp;br()？「待って！　撃たないで」 &amp;br() &amp;br()高校生くらいの女の子が飛び出してきた。 &amp;br()？「……ほら」 &amp;br()訝しげに見る私に、銃のマガジンを外して見せる。 &amp;br()そしてコッキングレバーを引いて、チャンバーの中の弾薬まで落とした。 &amp;br()ジル「”九姉妹”の……ジルって呼ばれてるんだ」 &amp;br()ジル「高名な”うんたん”に会えるなんてね」 &amp;br() &amp;br()九姉妹？　こんな私よりも年下に見える女の子が？ &amp;br()でも相手もこうやって敵意がないことを示しているし……とりあえず行ってみよう。 &amp;br()唯「……お出迎え、ありがとう」 &amp;br()拳銃をしまい、SVDのマガジンを抜いて、チャンバーも解放してみせる。 &amp;br() &amp;br()}
:59. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/09/01(火) 12:08:39.59 ID:xhDGRan60|&amp;aa2(c){ジル「こっちよ」 &amp;br() &amp;br()そう言われて、廃墟の裏側……湖の前に来る。 &amp;br()もう一人、男の人がいる。 &amp;br()？「ようこそ、”うんたん”」 &amp;br()抜いたマガジンを掲げて、彼も敵意がないことを示している。 &amp;br()正直なところ……とっても怪しい。 &amp;br()？「……って……唯さんじゃないですか！」 &amp;br()唯「え……？」 &amp;br()聡「俺ですよ！　えっとデコの……田井中律の弟の、聡です！」 &amp;br()唯「あっ、聡くん」 &amp;br() &amp;br()見覚えのある、りっちゃんに似た顔立ちの男の子。 &amp;br()そうだ、聡くんだ。 &amp;br()何度かしか会ったことはないけど、よく憶えている。 &amp;br() &amp;br()でも私は、そんなに甘くはない。 &amp;br()昔のただ、ぽわぽわとしていた頃の私なら気づかないかもしれないけど、今は違う。 &amp;br()唯「聡くん……何が望みなの？」 &amp;br()唯「無償で情報は……得られないものだから」 &amp;br()私のアヴァロンでの険悪な視線が、聡くんに突き刺さる。 &amp;br() &amp;br()聡「さすがは唯さん……」 &amp;br()聡「じゃあ……装備一切を渡してもらおうか」 &amp;br()唯「！」 &amp;br() &amp;br()}    </description>
    <dc:date>2009-09-02T03:34:06+09:00</dc:date>
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    <title>唯バタフライ３</title>
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      :155. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:38:03.70 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){思い出すのも辛い過去だったはずだが &amp;br()今ではすっかり懐かしい思い出となって梓はみんなの心の中に居る。 &amp;br()暗い顔をするどころか、皆笑顔で梓のことを口にしていた。 &amp;br() &amp;br()律「確かあの時──そうだ、唯が私達に何か言ったんじゃなかったか？」 &amp;br() &amp;br()律は唯の顔を見る。 &amp;br()唯は、あの記憶の途切れた日のことを思い出した。 &amp;br()律が軽音部に皆を集めて今後のことを話し合おうと言ったのだ。 &amp;br()そこで──そうだ、私の記憶の無い間に･･･。 &amp;br() &amp;br()唯「私なんて言ったんだっけ？」 &amp;br() &amp;br()律「私に聞くなよ。唯が言ったんだろ？」 &amp;br() &amp;br()律が言うからにはそうなのだろう &amp;br()しかし、唯には記憶が無い。 &amp;br()そのことをここで口にするのは駄目な気がして適当に誤魔化した。 &amp;br() &amp;br()唯「わすれちゃったなぁ」 &amp;br() &amp;br()律「唯らしいよホント」 &amp;br() &amp;br()和「そうね。そう、あれ以来かしら。みんな吹っ切れたみたいだった」 &amp;br() &amp;br()律「かもな、私もあれから梓の事に正面から向き合えるようになった気がする」 &amp;br() &amp;br()和「いいことね。あの子もきっとそんな貴女達に惹かれたんだと思うわ」 &amp;br()}
:157. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:41:49.83 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){和「今日の演奏も聴いてくれてたわよ」 &amp;br() &amp;br()和「だって･･･天国に届くぐらい･･･いい演奏だったもの･･･」 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃん？」 &amp;br() &amp;br()和はテーブルに顔を伏せて寝息を立てていた。 &amp;br()顔色をまったく変えずにいたためわからなかったが &amp;br()相当酔っていたらしい。 &amp;br() &amp;br()律「そろそろ帰るか」 &amp;br() &amp;br()最初に酔いつぶれて寝てしまった澪を律が &amp;br()和を唯と憂で送ることにした。 &amp;br() &amp;br()唯「りっちゃん、これ鍵」 &amp;br() &amp;br()唯は律にアパートの鍵を渡そうとしたが &amp;br()律は首を振った。 &amp;br() &amp;br()律「私のアパートに連れてくよ、近いしな」 &amp;br() &amp;br()唯は親指を立てて、がんばってねと合図する。 &amp;br() &amp;br()律「ばかっ酔いつぶれてる奴になにもしねぇ･･･って私は別にそんなんじゃ」 &amp;br() &amp;br()どぎまぎする律に唯は、冗談だよ──と笑って言った。 &amp;br() &amp;br()}
:159. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:46:30.11 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){律の住むアパートは歩いても時間は掛からない距離だったが &amp;br()澪を抱えて行くわけにもいかず、結局タクシーを呼んだ。 &amp;br() &amp;br()律はタクシーの後部座席に澪を押し込むと &amp;br()またな、と手を振ってドアを閉めた。 &amp;br() &amp;br()律と澪の乗るタクシーを見送ってから &amp;br()唯達もタクシーを呼んで和を自宅まで送り届けると &amp;br()憂とはその場で別れ、 &amp;br()唯は同じタクシーで帰路に着いた。 &amp;br() &amp;br()}
:161. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:50:53.77 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){翌朝、唯はベッドから体を起こすと &amp;br()今日は休日だと云うことを思い出しもう一度眠りに着いた。 &amp;br() &amp;br()夢なのか昨日の記憶を思い返しているだけなのか &amp;br()律の言葉が唯の頭の中を巡っていた。 &amp;br() &amp;br()──唯が私達に何か言ったんじゃなかったか？ &amp;br() &amp;br()──そうだ、 &amp;br() &amp;br()──確かあの時 &amp;br() &amp;br()あの時？ &amp;br()そう、記憶の途切れたあの時だ。 &amp;br()唯の頭の中で何かが形作ろうとしていた。 &amp;br()──日記。 &amp;br()──記憶の途切れる症状。 &amp;br()そうだ、卒業式の日。 &amp;br()過去に戻れたあの時も記憶が途切れた時だった。 &amp;br() &amp;br()}
:164. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:53:06.40 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){唯は勢いよくベッドから跳ね起きると &amp;br()ダンボール箱から日記を取り出した。 &amp;br() &amp;br()項を捲って日付を追う。 &amp;br() &amp;br()唯「あった」 &amp;br() &amp;br()──軽音部復活！ &amp;br() &amp;br()大きな文字で書き記してあった。 &amp;br()その題名の下には軽音部復活の喜びと &amp;br()記憶の途切れた症状が書いてある。 &amp;br() &amp;br()唯は大きく息を吸ってから日記を凝視する。 &amp;br() &amp;br()文字が蠢き風景が歪む &amp;br()日記に吸い込まれる感覚の後 &amp;br()眩い光に呑み込まれる。 &amp;br() &amp;br()}
:166. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:55:12.14 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){&gt;&gt;69 &amp;br() &amp;br()軽音部の部室、律、澪、紬の３人が唯に注目していた。 &amp;br()唯の言葉を待っているのだろう。 &amp;br() &amp;br()唯は紬に顔を向ける。 &amp;br() &amp;br()唯「むぎちゃん、理由を聞かせて欲しいの」 &amp;br() &amp;br()紬は顔を伏せて言った。 &amp;br() &amp;br()紬「だって･･･辛いの･･･ここに来ると･･･」 &amp;br() &amp;br()紬「さっきね、紅茶を淹れようとして･･･そしたら･･･」 &amp;br() &amp;br()紬「気づいたら、５人分淹れてたの」 &amp;br() &amp;br()梓の分なのだろう。 &amp;br() &amp;br()紬「居ないってわかってる。でも、もし梓ちゃんが居たらとも考えるの」 &amp;br() &amp;br()紬「でも、やっぱり居ないのよっ。居ないの･･･居て欲しいのに･･･居ないの･･･」 &amp;br() &amp;br()唯はこの時初めて紬の苦しみに気がついた。 &amp;br()多分、同年代の中では紬が一番幼いのだ。 &amp;br()お嬢様育ちで、無垢な心のまま生きてきたのだろう。 &amp;br()それは、周りの大人たちが紬に悪い影響を与えるものを &amp;br()徹底的に排除してきた結果でもあったのだ。 &amp;br()紬の怖がるもの、不安にさせるもの、苦しみを与えるもの &amp;br()時として人の成長に欠かせないものさえ奪ってきたに違いない。 &amp;br()}
:170. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:00:08.34 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){紬もそれを理解していたのだろう。 &amp;br()高校に入ってからは積極的に新しいことに挑戦していた。 &amp;br()辛いことがあるかも知れないと思いながらも、寧ろそれを望んでいたのだ。 &amp;br()今まで触れる事の無かった、傷つき挫折する経験を心のどこかで欲していた。 &amp;br()アルバイトを始めたのも同じ理由だったのかもしれない。 &amp;br()成長を望んでいてのことだったのだ。 &amp;br() &amp;br()しかし、梓の死は紬の心を抉りとるほどの衝撃だった。 &amp;br()幼い頃に経験する身近な者の死とはまったく異なったものだ。 &amp;br()死とは何かを理解する以前なら、 &amp;br()悲しみよりも何故居なくなったのかと疑問を抱くことだろう。 &amp;br()紬は違った。 &amp;br()死の概念を持ちつつ心が未熟なまま人の死に触れ &amp;br()凄惨な事故現場を目撃したのだ。 &amp;br() &amp;br()梓の死を理解しながらも心がそれを拒絶する。 &amp;br()唯も、律も、澪も同じ気持ちではあった。 &amp;br()けれど、紬には背負いきれない現実だった。 &amp;br()気を抜けば壊れてしまうほどの脆い心だったのだ。 &amp;br() &amp;br()澪「唯･･･もう、いいだろ･･･」 &amp;br() &amp;br()澪は紬の様子を見て自身も胸を痛めているのだろう &amp;br()悲しみを湛えた瞳を唯に向ける。 &amp;br()しかし、唯は首を横に振った。 &amp;br() &amp;br()律「唯っ！」 &amp;br() &amp;br()唯「聞いてッ！」 &amp;br()}
:171. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:02:28.39 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯「私ね。今まで自分の為にバンド演奏したいと思ってた」 &amp;br() &amp;br()唯「今はその気持ちが無いなんて言わないよ。だから──」 &amp;br() &amp;br()唯「みんな自身の為に演奏して欲しいの」 &amp;br() &amp;br()律「どういうことだよ」 &amp;br() &amp;br()唯「みんなはこのまま軽音部が無くなっていいと思ってるの？」 &amp;br() &amp;br()唯「何か遣り残したことがあると思ってここに集まったんじゃないの？」 &amp;br() &amp;br()唯は涙を浮かべる紬に向けて静かに語った。 &amp;br() &amp;br()唯「むぎちゃん。むぎちゃんはこのままでいいの？」 &amp;br() &amp;br()唯「このまま軽音部が無くなって、それであずにゃんの事忘れちゃっていいの？」 &amp;br() &amp;br()唯「乗り越えなきゃいけないことじゃないのかな。 &amp;br()　　受け入れて、大切な思い出としてしまっておくために &amp;br()　　何かしなきゃいけないんじゃないのかな」 &amp;br() &amp;br()紬「梓ちゃんの為に･･･？でも、何をすればいいの？」 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃんが、軽音部に入部を決めた理由覚えてる？ &amp;br()　　先輩達の演奏に惹かれて──そう言ったんだよ」 &amp;br() &amp;br()紬「私達の･･･演奏･･･」 &amp;br()}
:173. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:05:05.80 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯「そうだよ、聞かせてあげようよ。私達の演奏を」 &amp;br() &amp;br()紬「それで、梓ちゃんのこと･･･忘れるの･･･？」 &amp;br() &amp;br()唯は首を横に振って答えた。 &amp;br() &amp;br()唯「違うよ。思い出にするの。あずにゃんが確かに、ここに──軽音部に居たことを。 &amp;br()　　そのために、あずにゃんの為に最後に最高の演奏をするの」 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃんの事を思って。あずにゃんの笑顔を願って」 &amp;br() &amp;br()そう、唯は最後の学際ライブまで梓の顔を思い浮かべることが出来なかった。 &amp;br()思い浮かべようとすると、あの事故の、血に塗れた梓の顔がちらついた。 &amp;br()唯は梓の笑顔を取り戻すために、梓の為にギターを弾き鳴らしたのだ。 &amp;br() &amp;br()唯「約束するよ。最後の学園祭でのライブが終わったら──」 &amp;br() &amp;br()唯「きっと、私達の中に居るあずにゃんは笑ってくれるから。 &amp;br()　　最高の笑顔を見せてくれるよ。絶対！」 &amp;br() &amp;br()紬は涙を浮かべながらも、笑顔で──確かに頷いた。 &amp;br() &amp;br()紬「はい」 &amp;br() &amp;br()律が嬉しそうな表情で机に手を付いて身を乗り出した。 &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;71 &amp;br() &amp;br()}
:176. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:07:35.86 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯は光に包まれ現在へと引き戻された。 &amp;br() &amp;br()結局、何も変わらなかった。 &amp;br()ただ紬が自分達と連絡を絶った理由がなんとなく判った気がした。 &amp;br()軽音部のことも梓のことも楽しい思い出として仕舞ったのだ。 &amp;br()紬には元よりバンドへの執着はそれほど無かったはずだ。 &amp;br()寧ろ、唯の方が軽音部への執着が強かったため &amp;br()何時までも紬のことを思っていたのだった。 &amp;br() &amp;br()紬は、最後の学際ライブから新しい大きな一歩を踏み出し &amp;br()自立と成長を遂げた。 &amp;br()自らが進むべき道を見つけ歩んでいるのだろう &amp;br()もしかしたら、何時までも過去に固執する唯を思って &amp;br()連絡を絶ったのかもしれない。 &amp;br()そう思うと納得ができた。 &amp;br() &amp;br()それでも唯には未だに軽音部の皆で演奏したいと願う思いがあった。 &amp;br()こんなわがままは紬も聞いてはくれないだろうと諦めもしていたが &amp;br()日記を捲りながら、もしかしたらと云う気持ちが膨らんでいった。 &amp;br() &amp;br()──最高の演奏！？ &amp;br() &amp;br()そうだ、あの時も記憶が途切れていた。 &amp;br()記憶の無い間の唯の演奏を、皆は凄いと言っていた。 &amp;br() &amp;br()もう一度だけ、これで最後にしようと &amp;br()唯は日記を見つめた。 &amp;br()}
:179. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:10:16.52 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){&gt;&gt;48 &amp;br() &amp;br()唯の左手はギターの弦を押さえ &amp;br()右手にはピックを持ち &amp;br()今まさに振り下ろさんとしている瞬間だった。 &amp;br() &amp;br()「ふわふわ時間」 &amp;br() &amp;br()忘れもしないあの曲だ。 &amp;br()体に染み付いて一生落ちることはないだろう。 &amp;br() &amp;br()唯の指が、手が、腕が、体が躍る。 &amp;br() &amp;br()自由に──今までより、もっと自由に &amp;br()唯はギターを弾き鳴らす。 &amp;br() &amp;br()聞こえる。 &amp;br()澪のベースの音 &amp;br()律のドラムの音 &amp;br()紬のキーボードの音 &amp;br() &amp;br()懐かしい、梓のギターの音が。 &amp;br() &amp;br()}
:185. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:13:11.23 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯は横目で梓を見る。 &amp;br()梓も唯に視線を送ったような気がした。 &amp;br() &amp;br()楽しそうだった。 &amp;br()嬉しそうにギターを弾く梓の笑顔が眩しかった。 &amp;br() &amp;br()守りたい──取り戻したい。 &amp;br() &amp;br()唯は決意した。 &amp;br()梓の笑顔を守る決意を &amp;br()梓に、本当に本当の、本物の笑顔を取り戻してあげたいと。 &amp;br() &amp;br()──助けてあげるからね。あずにゃん。 &amp;br() &amp;br()唯は梓を救う決意を胸に最後まで演奏を続けた。 &amp;br()最初で最後、最高の演奏を──。 &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;49 &amp;br() &amp;br()}
:186. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:15:44.59 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){現在に引き戻された唯はすぐにその項を開く。 &amp;br() &amp;br()──あずにゃん &amp;br() &amp;br()そう題した日記の項は涙に濡れて縮れていた。 &amp;br()酷く読みにくい文字で所々擦れている。 &amp;br()梓が事故にあった時の日記だ。 &amp;br() &amp;br()唯はあの時の記憶を思い起こす。 &amp;br()自分はどこに居たのか、梓はどこに居たのか &amp;br()クラクションが鳴ったとき、視界に車は無かった。 &amp;br()間に合うだろうか──間に合わせてみせる。 &amp;br() &amp;br()唯は全身に力を込めて日記を見つめた。 &amp;br() &amp;br()眩い光に包まれた瞬間、既に唯は足を上げていた。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;51 &amp;br() &amp;br()鳴り響くクラクションの中 &amp;br()梓は未だに笑みを浮かべて手を振っていた。 &amp;br() &amp;br()唯は走った。 &amp;br()梓に向かって。 &amp;br() &amp;br()唯は視界の隅に迫り来るトラックを捉えた。 &amp;br() &amp;br()──間に合えっ！ &amp;br()}
:189. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:18:18.57 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){梓との間にまだ距離がある。 &amp;br()唯は必死に脚を動かし梓の許へと駆けていく。 &amp;br() &amp;br()梓はきょとんとした表情で唯を見た後 &amp;br()目前に迫るトラックに目を移し恐怖に顔を引き攣らせた。 &amp;br() &amp;br()──今、助けるよっ！ &amp;br() &amp;br()唯は梓に飛び掛る様に跳躍し &amp;br()手を伸ばして、梓を歩道へと突き飛ばした。 &amp;br() &amp;br()──やった。 &amp;br() &amp;br()次の瞬間に衝撃を感じ、唯の体は宙を舞った。 &amp;br()一瞬の事だったが随分長い時間に思えた。 &amp;br()唯は地面に叩き付けられると &amp;br()自らの左腕が黒い塊に轢き潰される瞬間を目撃した。 &amp;br() &amp;br()肉が潰れ皮膚が裂ける。 &amp;br()裂け目からは血と赤い小さな肉片が飛び散り &amp;br()骨の砕ける音が体を伝わって聞こえた。 &amp;br() &amp;br()黒い塊が過ぎ去り束の間、 &amp;br()同じ黒い塊が、 &amp;br()唯の、潰され轢き千切られた左腕を巻き込んで行った。 &amp;br() &amp;br()甲高いブレーキ音と &amp;br()ガラスの割れる音、 &amp;br()鉄板が叩き付けられた様な鈍い音を聞いた。 &amp;br()}
:191. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:20:13.27 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯は眼球だけを動かして音の聞こえた方向へ視線を移す。 &amp;br()アスファルトには黒いブレーキ痕と赤い血の跡 &amp;br()それを辿ると黒い大きなタイヤが &amp;br()そのタイヤとトラックと思しき車体の隙間に &amp;br()赤く染まった細い人間の腕がぶら下がっていた。 &amp;br() &amp;br()唯は光に包まれた。 &amp;br() &amp;br()柔らかな感触を背中に感じる。 &amp;br()唯はベッドの上で寝ているらしいことが判った。 &amp;br() &amp;br()鈍い頭痛が唯を襲う。 &amp;br()一瞬にして新しい記憶が唯の脳に詰め込まれて行く。 &amp;br() &amp;br()変わったのだ。あの時からの未来が、現在が。 &amp;br()いや、捻じ曲げてしまったのかもしれない &amp;br()より残酷な未来へと。 &amp;br() &amp;br()和「唯、起きたの？って鼻血っ･･･」 &amp;br() &amp;br()和はティッシュを手に取り唯の鼻から滴る血を拭った。 &amp;br() &amp;br()唯「ここは･･･」 &amp;br() &amp;br()唯は記憶を探る。 &amp;br()唯は事故により左腕切断、下半身不随の重症を負った。 &amp;br()唯の左腕は二の腕の辺りから下が無かった。 &amp;br()}
:193. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:22:30.27 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){事故後、長い間入院生活を送っていたが、 &amp;br()期末試験などは病室で受けることができ &amp;br()進級には問題が無かった。 &amp;br()大学への進学も多少の不安はあったものの &amp;br()和の助けを借りて、和と同じ大学に入学、 &amp;br()同じアパートの一室で共同生活を送っていた。 &amp;br() &amp;br()唯は残された右腕を見つめる。 &amp;br()自分の体重を支えるために &amp;br()トレーニングに励んだ結果の隆起した筋肉。 &amp;br()視線を足先に向ける。 &amp;br()薄い掛け布団に浮かぶ細い脚 &amp;br()何ともアンバランスな体だ。 &amp;br() &amp;br()唯は梓の記憶を探った。 &amp;br()記憶の中の梓は生きている。 &amp;br()昨年卒業した梓は唯や和と同じ大学に進学して &amp;br()同じアパートの隣へと越してきたのだった。 &amp;br() &amp;br()理由は判っていた。 &amp;br()唯の介助をするためだ。 &amp;br()毎日隣からこの部屋へ通って &amp;br()唯の為に色々と世話をしてくれていた。 &amp;br()唯は一人でも起き上がることが出来るし &amp;br()トイレも、シャワーを浴びることも出来る。 &amp;br()電動車椅子を使って大学へ行き、買い物だって出来るのだ。 &amp;br()唯は梓に心配は要らないと言っていたが &amp;br()梓は事故の原因が自分にあるのだと思い込み、 &amp;br()唯の体が不自由になってしまったことに &amp;br()罪悪感を覚え自責の念を感じていた。 &amp;br()}
:197. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:24:43.43 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯「そっか･･･」 &amp;br() &amp;br()和「唯、どうかしたの？」 &amp;br() &amp;br()唯「なんでもない、なんでも」 &amp;br() &amp;br()和「そう？ならいいけど。 &amp;br()　　実は今日、憂ちゃんが来てくれてるのよ」 &amp;br() &amp;br()唯「本当？今何してるの？」 &amp;br() &amp;br()和「唯の為に夕食作ってくれてる」 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃんも？」 &amp;br() &amp;br()和「ええ、梓ちゃんも一緒よ」 &amp;br() &amp;br()唯は上体を起こすと掛け布団を取り払い &amp;br()右手を使って右脚と左脚をそれぞれベッドから下ろすと &amp;br()ベッドの脇に置いてある車椅子に手を掛け体を持ち上げる。 &amp;br()右腕で体を支えると、器用に車椅子に腰を移した。 &amp;br() &amp;br()唯「いこっか」 &amp;br() &amp;br()和は頷くと唯の乗った車椅子を押して部屋を出た。 &amp;br() &amp;br()}
:201. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:26:15.56 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){リビングの扉を開けると、丁度夕食の支度が調ったところだった &amp;br()テーブルの上には白い蒸気を漂わせた料理が並んでいる。 &amp;br()憂と梓は椅子に腰掛け、唯が来るのを待っていたらしかった。 &amp;br() &amp;br()二人は唯の顔を見ると笑顔を向けてきた。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、見て。梓ちゃんと一緒に作ったんだよ」 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩の為にがんばっちゃいました」 &amp;br() &amp;br()唯も笑顔で返す。 &amp;br() &amp;br()唯「おいしそう。ありがとう憂、あずにゃん」 &amp;br() &amp;br()唯は梓の隣に車椅子のままテーブルに着くと &amp;br()和も唯の向かい側の椅子に腰を下ろした。 &amp;br() &amp;br()いただきます──揃って言うと &amp;br()食卓の料理に箸を運んだ。 &amp;br() &amp;br()梓は唯の為に小皿に料理を盛り付け &amp;br()スプーンで掬うと、それを唯へ向けた。 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩、あ〜んしてください」 &amp;br() &amp;br()唯「自分で食べれるってばぁ」 &amp;br() &amp;br()梓「わがまま言わないで下さい。はい、あ〜ん」 &amp;br() &amp;br()唯「わがままって･･･」 &amp;br()}
:204. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:28:03.35 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯は渋々、あ〜んと言って口を開けて &amp;br()梓に食べさせてもらった。 &amp;br() &amp;br()梓「美味しいですか？唯先輩」 &amp;br() &amp;br()唯「うん、凄く美味しいよ」 &amp;br() &amp;br()梓は嬉しそうな笑顔を浮かべた。 &amp;br() &amp;br()憂「それ、梓ちゃんが一人で作ったんだよ」 &amp;br() &amp;br()唯「ホント？凄いねあずにゃん」 &amp;br() &amp;br()梓「私だってやれば出来るんですよ」 &amp;br() &amp;br()和「どれ？私も頂こうかしら」 &amp;br() &amp;br()その日の食卓は何時にも益して賑やかだった。 &amp;br() &amp;br()唯は食後の紅茶をすすりながら梓に聞いた。 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃん、今でもギター弾いてるの？」 &amp;br() &amp;br()梓は少し間を置いてから答えた。 &amp;br() &amp;br()梓「いえ、もうやってませんけど」 &amp;br() &amp;br()唯「え？どうしてやめちゃったの？」 &amp;br() &amp;br()梓「それは、その･･･元から親の影響で始めただけですし･･･」 &amp;br()}
:207. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:30:24.79 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){梓「それに、私には才能ないかなって思って」 &amp;br() &amp;br()唯「そんなこと無いよ。あずにゃんのギター、私好きだよ」 &amp;br() &amp;br()梓「でも良いんです。特に思い入れがあるわけでも無いですから」 &amp;br() &amp;br()唯にはそうは見えなかった。 &amp;br()──もしかして、私の所為？ &amp;br()口を吐いて出そうになった言葉を飲み込んだ。 &amp;br() &amp;br()唯「私に、聞かせて欲しいな」 &amp;br() &amp;br()そう言って梓の目を見つめると &amp;br()梓は視線を逸らした。 &amp;br() &amp;br()梓「その内、機会があれば･･･ね」 &amp;br() &amp;br()多分、もう二度と梓はギターを弾くことは無いのだろうと唯は確信した &amp;br()──私がいる限り。 &amp;br()ならばと、唯はもう一度やり直そうと考えた。 &amp;br()あの事故の日に戻って、今度は梓と自分自身を助けようと──。 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃん、私の日記どこに仕舞ったっけ？」 &amp;br() &amp;br()和「あんた、日記なんて付けてたの？」 &amp;br() &amp;br()憂「多分、お姉ちゃんが引越しするときにダンボール箱に入れて持って行った気もするけど」 &amp;br() &amp;br()唯「憂、悪いけど探してきてくれないかな？」 &amp;br()}
:209. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:32:11.02 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){和「私が探してくるわ。確か開けてないダンボール箱が一つあったの見たと思う」 &amp;br() &amp;br()唯「ごめんね、和ちゃん」 &amp;br() &amp;br()和「いいわよ、唯はゆっくりしてて」 &amp;br() &amp;br()数分後、和が一冊のノートを手にして戻ってきた。 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃん、それだけ･･･？」 &amp;br() &amp;br()和「うん、日記らしいのはこれ一冊しか無かったわ。もちろん、中は見てないから安心して」 &amp;br() &amp;br()唯は愕然とした。 &amp;br()そうだった、事故の後から一度も日記を付けた記憶が無い。 &amp;br()あの事故の記憶を記したものが無ければ過去に戻ることが出来ない。 &amp;br()唯は和に手渡されたノートを捲る。 &amp;br()日記は事故の当日に軽音部の部室で書いた記述を最後に &amp;br()それ以降は白紙だった。 &amp;br() &amp;br()唯は自分の頭の中にある記憶を必死で探った。 &amp;br()記憶が途切れた時の事を &amp;br()その状況で事故を回避できるか否かを &amp;br()日記に記された状況を頼りにして。 &amp;br() &amp;br()──無かった。あの事故を回避できる状況はこの日記には記されていない。 &amp;br() &amp;br()唯は絶望に胸を穿たれた。 &amp;br() &amp;br()──もう、･･･しか無いじゃない。 &amp;br()}
:211. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:34:37.90 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯はお風呂に入ってくると言って浴室へ向かう。 &amp;br()梓は手伝いますと言って付いて来ようとしたが &amp;br()あずにゃんのエッチ──などと言うと &amp;br()顔を赤らめて、勝手にしてください──と怒ったように言い &amp;br()リビングへ引き返して行った。 &amp;br() &amp;br()──これでいい。 &amp;br() &amp;br()唯は浴室まで車椅子で入り浴槽に溜まったお湯を見つめる。 &amp;br()車椅子から浴槽の淵に体を移すと &amp;br()右手で右足を持ち上げ湯船に浸け &amp;br()次に左足を浸すと &amp;br()手摺りに掴まって体をゆっくりと沈めていく。 &amp;br()水面から顔だけを出して暫く思いを巡らせた。 &amp;br() &amp;br()──きっとこの方が良いに決まっている。 &amp;br() &amp;br()唯は自身の体を醜いと感じることは無かったが &amp;br()梓がギターを弾かなくなった原因が自分にあることを酷く悔やんだ。 &amp;br()梓はきっと、ギターを弾けなくなった体の唯を傷つけまいと &amp;br()自身もギターを辞めたのだろう。 &amp;br() &amp;br()──私の所為で &amp;br() &amp;br()憂も和も唯の助けとなってくれてはいたが &amp;br()負担になっているのではないかと唯は思っていた。 &amp;br() &amp;br()──みんなに迷惑を･･･。 &amp;br()}
:212. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:36:13.40 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){最後の希望も絶たれた。 &amp;br()もう、変える事は出来ない。 &amp;br()自分の我侭が、あるべき未来を捻じ曲げ &amp;br()行き着いた先には不幸が待ち受けていた。 &amp;br() &amp;br()──ごめんね。みんな･･･。 &amp;br() &amp;br()唯は体を支えていた右手を手摺りから離した。 &amp;br() &amp;br()──さようなら。 &amp;br() &amp;br()顔が湯船に沈み頭が浴槽の底に付いた。 &amp;br()水面を見つめる。 &amp;br()浴室の照明が水面の波に反射してきらきらと輝いていた。 &amp;br() &amp;br()何か黒い影が光を遮った。 &amp;br() &amp;br()水面から腕が差し込まれ唯の方へ伸びてくる。 &amp;br()小さな手が唯の体を確りと掴み &amp;br()細い腕で唯を湯船から引き上げた。 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩っ！大丈夫ですかっ！？」 &amp;br() &amp;br()梓は涙を流して叫んでいた。 &amp;br()多分、唯が何をしようとしていたのか判ったのだろう。 &amp;br() &amp;br()梓の声を聞きつけて憂と和も浴室へと駆けつけた。 &amp;br()二人とも一目見て状況を飲み込んだ。 &amp;br()}
:215. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:38:15.77 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){３人は唯を抱きしめ声を上げて泣いた。 &amp;br() &amp;br()ごめんなさい──と誰かが言う。 &amp;br()馬鹿ね──と誰かが呟く。 &amp;br()死んじゃだめ──と誰かが叱ってくれた。 &amp;br() &amp;br()唯は３人に抱きしめられて漸く理解した。 &amp;br()唯のしようとしていた行為が何を齎すのか。 &amp;br()誰も喜ばない &amp;br()誰も救えない、救わない、救われない &amp;br()誰かを、みんなを傷つけるだけなのだと。 &amp;br() &amp;br()唯は大粒の涙を流し &amp;br()ごめんね、ごめんね、と泣きながら謝った。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()唯は自室に戻ると暫く一人で考えていた。 &amp;br()死ぬことではなく、元に戻すことを &amp;br()今の状況から皆を救い出す方法を &amp;br() &amp;br()ふと唯の中にある考えが浮かんだ。 &amp;br() &amp;br()──もし、私が軽音部に居なかったら &amp;br() &amp;br()──もし、軽音部そのものが無かったとしたら &amp;br() &amp;br()梓は入部せずに事故に遭う事も無いだろう。 &amp;br()では、他の皆はどうなるのだろうか？ &amp;br()}
:218. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:40:09.46 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){澪は音楽への道を諦め切れないと思う。 &amp;br()軽音部のバンド活動が与えた影響は大きい &amp;br()それは、律にも紬にも言えることだった。 &amp;br()しかし、長い時間を掛ければ決して取り戻せないものではない。 &amp;br() &amp;br()律は、どんな状況でも上手く立ち回る事ができるだろう。 &amp;br()別の世界でクスリに手を出したのも &amp;br()もとより、唯が澪との時間を奪ったのが要因だった。 &amp;br() &amp;br()紬は、高校入学時から本人に自立と成長を望む意思があった。 &amp;br()軽音部とは別の環境でも一歩ずつ前進していくはずだ。 &amp;br()平凡な、詰まらない毎日からでも紬にとっては新しい発見があるだろう。 &amp;br() &amp;br()唯は自分自身に目を向ける。 &amp;br()軽音部が無かったら、自分はどうなってしまうのだろうか &amp;br()ただ流されるような毎日を送るのだろうか &amp;br()別のことに心を惹かれてそれに打ち込む日々を送るのだろうか &amp;br() &amp;br()唯は、自分を信じることしかできなかった。 &amp;br()──どんな結果になろうとも私は、私だ。 &amp;br()それを恥じたり悔やむことはしないと心に誓った。 &amp;br() &amp;br()唯は日記を開いた。 &amp;br() &amp;br()}
:220. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:41:44.56 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){あれは、唯が高校一年の冬 &amp;br() &amp;br()見慣れた、懐かしい場所だった。 &amp;br()唯は炬燵に当っている。 &amp;br()咄嗟に立ち上がるとキッチンへと足を向けた。 &amp;br()──何をすればいいのだろうか？ &amp;br()──そうだ、軽音部を辞めるんだ。 &amp;br()──でも、どうやって？ &amp;br()唯の手はシンクに置かれた包丁を掴んでいた。 &amp;br()──壊すんだ──何を？ &amp;br()──ギターだ。 &amp;br() &amp;br()──ギー太を･･･壊すんだ。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;13 &amp;br() &amp;br()}
:222. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:44:00.46 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){決意は固まった。 &amp;br()唯は扉の向こう側にいるであろう和に声を掛けた。 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃん、いるんでしょ？」 &amp;br() &amp;br()唯のことが心配だったのだろう &amp;br()和は扉のすぐ前で聞き耳を立てていた。 &amp;br() &amp;br()和「ばれてた？」 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃんは優しいから」 &amp;br() &amp;br()和「ありがとう。それで、私に何か頼みごと？」 &amp;br() &amp;br()唯「うん。１年の時の学園祭ライブの映像を見せて欲しいの」 &amp;br() &amp;br()和「ごめん、唯。唯が辛い思いをするだけだからって、 &amp;br()　　憂ちゃんと梓ちゃんに止められてるの」 &amp;br() &amp;br()唯「どうしても？」 &amp;br() &amp;br()和「二人との約束よ。そう簡単に破るわけにはいかないわ」 &amp;br() &amp;br()和「ただ、何で急にそんなこと言い出すのか &amp;br()　　納得できる理由を聞かせてくれたら見せてあげてもいいわよ」 &amp;br() &amp;br()唯「わかった。全部話すよ」 &amp;br()}
:224. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:46:21.77 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯は語った。 &amp;br()高校の時から表れだした記憶の途切れる症状を &amp;br()その時から付け始めた日記のことを &amp;br()その日記の記述を見ると記憶の途切れていた間の過去へ戻れることを &amp;br()その過去から未来を変えられることを &amp;br() &amp;br()事故で死ぬはずだった梓を救うために自分が犠牲になったことも話した。 &amp;br() &amp;br()和は信じられないと云った表情をしていた。 &amp;br()当たり前だろうと唯も思う。 &amp;br() &amp;br()唯は日記の一番最初のページを捲ると和に言った。 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃん、私の掌見てて」 &amp;br() &amp;br()唯はそう言って和に掌を向ける。 &amp;br()和が頷いたのを確認すると &amp;br()唯は日記の記述を見つめる。 &amp;br() &amp;br()一番最初、日記に書いた美術の授業での出来事。 &amp;br() &amp;br()唯がきょろきょろと周りを見回していると &amp;br()教師が絵を描くようにと唯を注意した。 &amp;br()唯は、素早く適当に絵を描き上げて &amp;br()それを提出するために立ち上がる。 &amp;br()唯は教卓に置いてある彫刻刀に目を留めた。 &amp;br()}
:225. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:48:05.29 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯は教卓の上に絵を伏せて置くと &amp;br()教師の目を盗んで彫刻刀を掴み上げ &amp;br()右手の掌に深く突き刺した。 &amp;br() &amp;br()光に包まれると和の声が聞こえた。 &amp;br() &amp;br()和「唯･･･手･･･」 &amp;br() &amp;br()驚いた表情で唯の手を見つめていた。 &amp;br()唯の手にはくっきりと彫刻刀で刺した傷跡が残っていた。 &amp;br()和にとっては突然傷跡が浮かび上がったようにしか見えなかっただろう。 &amp;br()それを見て唯の言葉を信じたのか &amp;br()学園祭ライブのＤＶＤを持ってくると言って部屋を出て行った。 &amp;br() &amp;br()一人静かな部屋。 &amp;br()唯は遣り残したことは全て済ませようと思い &amp;br()日記の項を捲る。 &amp;br() &amp;br()──あずにゃんとデート &amp;br() &amp;br()}
:228. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:49:12.18 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){&gt;&gt;39 &amp;br() &amp;br()唯は梓と手を繋ぎ静かな通りを歩いていた。 &amp;br()唯が足を止めると梓も立ち止まって唯に顔を向けてきた。 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃん、今までありがとう」 &amp;br() &amp;br()梓「なんですか？お別れみたいなこと言って」 &amp;br() &amp;br()唯「うん。お別れを言いに来たの」 &amp;br() &amp;br()梓は冗談だとでも思ったのだろう &amp;br()驚きと困惑の表情を浮かべた。 &amp;br() &amp;br()梓「なに、言ってるんですか？」 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃんは、憂から私の病気の事聞いてる？」 &amp;br() &amp;br()梓「少しですけど。憂は唯先輩の記憶が時々無くなるって･･･」 &amp;br() &amp;br()唯「そう、その間はね未来から来た私が体を乗っ取るの」 &amp;br() &amp;br()唯はわざと冗談めかせて言った。 &amp;br()梓も信じる事は無く笑いながら言った。 &amp;br() &amp;br()梓「そんな話信じませんよ」 &amp;br() &amp;br()唯「うん、信じてくれなくていいの」 &amp;br() &amp;br()唯「今日は、今のあずにゃんにお別れを言いに来ただけだから」 &amp;br()}
:231. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:53:33.64 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯「多分、もう少ししたら今の私の記憶は無くなって &amp;br()　　あずにゃんに不思議そうな顔を向けると思うけど &amp;br()　　心配しないで良いよって言ってあげて」 &amp;br() &amp;br()梓が唯の言葉を信じたかどうかは判らなかった。 &amp;br()ただ、唯を真剣な顔で見つめて唯の言葉に耳を傾けていた。 &amp;br() &amp;br()唯「それでね、あずにゃん。 &amp;br()　　どうしても今のあずにゃんに伝えたいことがあるの」 &amp;br() &amp;br()唯「私の時代──未来のあずにゃんにこんなこと言うと悲しむと思うから &amp;br()　　今のあずにゃんに言うんだけど」 &amp;br() &amp;br()唯「私ね、あずにゃんの弾くギターが大好きだよ。 &amp;br()　　だから、ギター弾き続けてね」 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃんは可愛くて、優しくて、偶に厳しいけど &amp;br()　　何時も私を助けてくれた」 &amp;br() &amp;br()唯「すっごく感謝してる。ありがとう。ごめんね。それから──」 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃんのこと大好きだよっ」 &amp;br()}
:233. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:55:14.95 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){梓の瞳には涙が溜まっていた。 &amp;br() &amp;br()梓「嘘･･･ですよね。そんなこと言ってお別れだなんて･･･卑怯ですよ･･･」 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃん。さようなら──」 &amp;br() &amp;br()梓「嫌ですっ！嫌ですよ。私はまだ何も言ってませんっ！」 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩ばっかりずるいですっ。自分の思いだけ伝えて･･･。私も、私だって──」 &amp;br() &amp;br()梓の頬に一筋の涙が伝う。 &amp;br()梓は唯の肩に腕を回すと背伸びをして &amp;br()唯の唇にキスをした。 &amp;br() &amp;br()──唯先輩が大好きです &amp;br() &amp;br()梓の思いは確かに唯へと伝わった。 &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;40 &amp;br() &amp;br()}
:235. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:57:17.07 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){唯は右手でそっと唇に触れた。 &amp;br()梓の柔らかな唇の感触が残っている。 &amp;br() &amp;br()──初めてのキスは涙の味がした &amp;br() &amp;br()唯は自分が涙を流していることに気づいた。 &amp;br()幸せな感情が液体となって頬を濡らす。 &amp;br() &amp;br()最後にみんなの顔を見よう。 &amp;br()唯は日記の最後の項を開いた。 &amp;br() &amp;br()}
:237. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 00:59:03.47 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){&gt;&gt;41 &amp;br() &amp;br()軽音部の部室にはみんなが居た。 &amp;br()今まで取り戻したいと願っていた、あの頃のみんなが &amp;br() &amp;br()──でも、ごめんね。私は戻れない。 &amp;br() &amp;br()唯はこれから壊そうとしているのだ。 &amp;br()今ここにある風景を &amp;br()今まで築き上げた関係を &amp;br()唯の愛した軽音部を &amp;br()好きで仕方ないものを、ずっと好きで居たいから &amp;br()一番守りたいものを、守るために、壊すのだ。 &amp;br() &amp;br()──澪ちゃん、覚えてる？二人での路上演奏、楽しかったよ。 &amp;br() &amp;br()──りっちゃん、澪ちゃんを支えてあげてね。澪ちゃん寂しがり屋さんだからね。 &amp;br() &amp;br()──むぎちゃん、私がどんな道を選んでも生き方を変えなかったね。一番真っ直ぐに生きてたよ。 &amp;br() &amp;br()──あずにゃん、大好きだよ。 &amp;br() &amp;br()──みんな、本当にありがとう。 &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;43 &amp;br() &amp;br()}
:238. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:00:13.13 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){目の前に和が居た。 &amp;br() &amp;br()和「唯、泣いてるの？」 &amp;br() &amp;br()唯「うん」 &amp;br() &amp;br()和「私に出来ることある？」 &amp;br() &amp;br()唯「だっこ。して欲しいな」 &amp;br() &amp;br()和「ホント甘えん坊さんなんだから」 &amp;br() &amp;br()和は唯をそっと抱きしめた。 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃん」 &amp;br() &amp;br()和「なに？」 &amp;br() &amp;br()唯「私達、ずっと友達だよね」 &amp;br() &amp;br()和「当たり前でしょ。死ぬまでずっと友達よ」 &amp;br() &amp;br()もう、何も怖くなかった。 &amp;br() &amp;br()}
:241. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:03:18.96 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){和は持ってきたＤＶＤをプレイヤーにセットしてリモコンを唯に渡した。 &amp;br()唯は暫く一人にして欲しいといって和には部屋から出て行ってもらった。 &amp;br() &amp;br()唯は再生ボタンを押す。 &amp;br() &amp;br()初めての学園祭ライブ。 &amp;br()そして、初めてあの症状が表れた時でもあった。 &amp;br()確信はあった。 &amp;br()記憶の無くなった記憶と、記録さえあれば過去へと遡ることが出来るのだと。 &amp;br() &amp;br()演奏が終盤に差し掛かるとテレビの画面が歪み始めた。 &amp;br()映像は演奏の終了と同時に止まり、唯は画面へと吸い込まれる。 &amp;br()※ &amp;br()歓声が唯の鼓膜を震わせた。 &amp;br()講堂の舞台の上、あの懐かしく、達成感を伴った感情が唯の胸の裡を揺さぶった。 &amp;br()この清々しい気分を何時までも味わって居たくなる。 &amp;br() &amp;br()──今しかないんだ。これが最後のチャンスなんだ。 &amp;br() &amp;br()とっくに決意は固まっていた。 &amp;br()躊躇う必要は無い。 &amp;br()不安も恐怖も今は感じない。 &amp;br() &amp;br()唯はストラップを肩から外すと &amp;br()ネックを両手で握り締め &amp;br()ギターを大きく振り上げる。 &amp;br() &amp;br()──ごめんね、ギー太。ありがとう、そして──さようなら。 &amp;br() &amp;br()勢い良く壇上に叩き付けた。 &amp;br()}
:243. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:05:59.82 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){エピローグ &amp;br() &amp;br()澪は、矢張り音楽への道を選んだ。 &amp;br()音大へ進学し律と共に、新しいメンバーを加えバンド活動をしているらしい。 &amp;br() &amp;br()律は、以外にも澪と同じ大学へ進学して &amp;br()一緒にアパートを借りて共同生活、いや同棲しているのだった。 &amp;br() &amp;br()紬は、生き方を変えなかった。 &amp;br()本当に芯の強い女の子なのだと唯は改めて感心した。 &amp;br() &amp;br()唯は──唯は和と同じ大学へ進学した。 &amp;br()あれ以来、ギターには触れていない。 &amp;br()にもかかわらず、「ふわふわ時間」だけは体に染み付いたままで &amp;br()きっと、今ギターを渡されても完璧に弾きこなせるだろう。 &amp;br() &amp;br()和「唯、本当にこれも燃やしちゃっていいの？」 &amp;br() &amp;br()和はギターケースの中、襤褸襤褸になったギターを見ながら言った。 &amp;br() &amp;br()唯「うん、アルバムも全部」 &amp;br() &amp;br()和「そう。唯、なんか吹っ切れたみたいな顔してるわね」 &amp;br() &amp;br()和は優しく暖かな眼差しを向けてきた。 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃん、前にも同じようなこと言ってなかった？」 &amp;br()}
:245. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:08:22.66 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){和「そう？気のせいじゃないかしら」 &amp;br() &amp;br()梓の近況は憂から伝え聞いた。 &amp;br()梓は卒業後、大学へ進学した。 &amp;br()毎週末には一人、路上で弾き語りをしているらしい。 &amp;br()その演奏は路行く人々の心を打ちＴＶ等でも紹介されたと聞く。 &amp;br()梓は精力的に路上ライブを続け自作のＣＤを手売りして &amp;br()自らの思いを込めた音楽を大勢の人に届けていた。 &amp;br() &amp;br()唯「ねぇ、思うんだけどさ」 &amp;br() &amp;br()和「なによ？」 &amp;br() &amp;br()唯「空き地でこんなもの燃やしちゃっていいのかな？」 &amp;br() &amp;br()和「細かいことは･･･って私の台詞じゃないわね」 &amp;br() &amp;br()和「兎に角さ、唯が元気になるなら私は地球が壊れたって気にしないのよ」 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃん、それはちょっと言い過ぎだよ」 &amp;br() &amp;br()唯が笑うと、和も唯の笑顔に釣られて笑う。 &amp;br()二人は声を上げて笑いあった。 &amp;br() &amp;br()}
:246. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:09:47.95 ID:PXHZmhRD0|&amp;aa2(c){灰色の煙が緩やかに空に向かって立ち昇る。 &amp;br()小さな空気の流れが、煙の形を大きく変える。 &amp;br() &amp;br()人もまた小さな要因で大きく人生を変えてしまう。 &amp;br()律のように、唯のたった一言でまったく違う人生を歩む運命もある。 &amp;br()紬のように、確固たる意思を持って自らの道を歩み続ける人間もいる。 &amp;br() &amp;br()唯は、様々な人生に──運命に翻弄されていただけなのかもしれない。 &amp;br() &amp;br()唯はその夜夢を見た。 &amp;br()行った事の無い異国の地 &amp;br()巨大観覧車の大きなゴンドラの中で &amp;br()律と、澪と、紬と、梓と一緒にバンド演奏をしている。 &amp;br() &amp;br()観客は憂と和の二人だけ。 &amp;br() &amp;br()そんなささやかな、あの日、あの時、あの場所で、梓と語った夢を見た。 &amp;br()──幸せな夢を。 &amp;br() &amp;br()おしまい。 &amp;br() &amp;br()}
:247. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:09:53.12 ID:3nwzaq7gO|&amp;aa2(c){やっぱり最終的に唯和が一番だな &amp;br()}
:248. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:10:14.71 ID:G66JOUMGO|&amp;aa2(c){けいおん見たことないけど元ネタに釣られてきました &amp;br() &amp;br()支援 &amp;br()}
:249. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:10:28.80 ID:NI2/T31E0|&amp;aa2(c){うあああああぁぁぁ……乙 &amp;br()}
:250. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:12:08.87 ID:4SPd24p70|&amp;aa2(c){梓は気合で唯の元にきやがれカス &amp;br()}
:251. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/24(月) 01:12:37.84 ID:3nwzaq7gO|&amp;aa2(c){&gt;&gt;246 &amp;br() &amp;br()乙! &amp;br()なんでそんなに上手いの? &amp;br() &amp;br()元ネタあるとかそういうのじゃなくて、上手く説明出来ないけと何が違うっていうか…… &amp;br() &amp;br()とにかくすげぇよ!!アンタすげぇよ!! &amp;br()}

あとがき 

思っていたよりも早めに終わりました。 
支援してくださった方、読んでくださった方、叱ってくださった方、不快に思われた方 
ありがとうございます。そして、ごめんなさい。 

思えば、ただけいおんキャラにお酒を飲ませたかっただけだったのかもしれません。 

映画をもう一度見ようかなと書きながら思いました。 
映画を貶してしまったようでしたら、改めて謝罪いたします。申し訳ありませんでした。 
ただ、昔観た「バタフライ･エフェクト」が今でも鮮明に心に留まっていること 
好きで仕方ないということをご理解いただければと思います。 

こんな文章で、お暇を潰すことが出来たでしょうか。 
改めて、感謝の言葉を捧げたいと思います。 
ありがとうございました。     </description>
    <dc:date>2009-08-24T01:22:19+09:00</dc:date>
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    <title>唯バタフライ２</title>
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      :79. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:48:04.54 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){紬「ルームシェアですね。憧れちゃいます」 &amp;br() &amp;br()律「憂ちゃんは寂しくないの？」 &amp;br() &amp;br()憂「大丈夫です。毎日でもお姉ちゃんの所に通いますから」 &amp;br() &amp;br()澪「いやいや、毎週くらいにしておきなって」 &amp;br() &amp;br()澪「そうそう、唯ってば弦楽専攻を選んだんだけどさ」 &amp;br() &amp;br()和「ああ、ギターが出来ると思ってたのね」 &amp;br() &amp;br()唯「そうなんだよぉ。そしたらバイオリンとかチェロとかでさぁ」 &amp;br() &amp;br()和「説明会で聞かなかったの？まぁ唯のことだから想像できるけどね」 &amp;br() &amp;br()澪「いいんじゃないかな。同じ弦楽器だし、唯も一から勉強しなおす方がためになるだろ」 &amp;br() &amp;br()}
:81. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:48:57.32 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){律「澪は作曲専攻だっけ？作詞教えてもらった方がいいんじゃないのか？」 &amp;br() &amp;br()澪「うるさいな。詞は本人の思うように書けばいいんだよっ」 &amp;br() &amp;br()軽音部の部室に笑い声が響く。 &amp;br() &amp;br()さわ子「さぁ、皆。乾杯するわよっ」 &amp;br() &amp;br()律「さわちゃんが飲みたいだけだろっ」 &amp;br() &amp;br()紬「まぁまぁ、乾杯しましょう」 &amp;br() &amp;br()律「おっしゃっ。じゃぁみんなの合格を祝ってっ！」 &amp;br() &amp;br()──乾杯！ &amp;br() &amp;br()}
:86. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:50:37.91 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){※ &amp;br()唯はその時の事を今でも覚えている。 &amp;br()思い返すと、唯の記憶が途切れる症状が最後に表れたのもその時だった。 &amp;br() &amp;br()卒業式が終わり校庭で卒業生は互いに別れを惜しんでいた。 &amp;br() &amp;br()唯は校舎を見上げながら歩いていた。 &amp;br()軽音部の部室が見えるところまでくると足を止め &amp;br()耳を澄ました。 &amp;br() &amp;br()──聞こえるよ。あずにゃん。 &amp;br() &amp;br()──あの時の演奏が。 &amp;br() &amp;br()──私の記憶には無いけれど、あずにゃんと最後に演奏したあの曲が。 &amp;br() &amp;br()暖かい涙が頬を伝う。 &amp;br() &amp;br()──なんて声を掛けたらいいんだろうね？ &amp;br() &amp;br()──さようなら？ &amp;br() &amp;br()──ううん、行って来ます。かな？ &amp;br() &amp;br()その時、部室の窓際に唯は人影を見た。 &amp;br()背の低い、長い黒髪の女の子。 &amp;br()}
:87. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:51:59.18 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){唯が手を振ると、女の子もこちらに手を振り返してきた。 &amp;br() &amp;br()女の子が笑ったような気がした。 &amp;br()唯も笑い返すと、女の子は消えてしまった。 &amp;br() &amp;br()律「お〜い。唯〜っ」 &amp;br() &amp;br()律の声を聞いて振り返ると &amp;br()軽音部の皆が、憂が、和が &amp;br()そこに居た。 &amp;br() &amp;br()律「みんなで写真撮ろうぜ」 &amp;br() &amp;br()唯「うん」 &amp;br() &amp;br()唯が頷いた瞬間に意識が途切れた。 &amp;br() &amp;br()────･･････ &amp;br()}
:89. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:53:37.38 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){･･････──── &amp;br() &amp;br()律「どうした？唯？」 &amp;br() &amp;br()唯を心配して律が顔を覗き込んでいた。 &amp;br() &amp;br()唯「なんでもない。撮ろうよ写真」 &amp;br() &amp;br()律「ああ、そうだな」 &amp;br() &amp;br()律は憂にカメラを渡して &amp;br()軽音部の部室が見える校舎を後ろに &amp;br()軽音部のみんなと和を交えて並んで立つ。 &amp;br() &amp;br()憂「みなさ〜ん。笑ってくださ〜い」 &amp;br() &amp;br()憂の掛け声に皆は最高の笑顔を見せた。 &amp;br() &amp;br()それが高校生最後の写真だった。 &amp;br() &amp;br()第一部　完 &amp;br()}
:94. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:58:28.88 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){※第二部 &amp;br()卒業式の日を境に唯の記憶の途切れる症状は無くなった。 &amp;br()あれから一年以上経った今では、 &amp;br()そのことも忘れてしまっていた。 &amp;br()日記も、大学生活の楽しさからか、 &amp;br()症状の出ないことを安心してか &amp;br()何時しか書くことも無くなり &amp;br()卒業式までの日記だけを思い出として &amp;br()ダンボール箱の中に仕舞っていた。 &amp;br() &amp;br()唯は入学祝いに両親から贈られたバイオリンを弾いていた。 &amp;br()ギターをやめてしまった訳では無かったし &amp;br()弾き方を忘れることも無かった。 &amp;br() &amp;br()今までのように一つのことに熱中する性格は変わらないが &amp;br()ギターだけではなく、弦楽器全般、ひいては音楽全般と幅を広げて &amp;br()その情熱を注いでいた。 &amp;br() &amp;br()}
:95. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:00:52.00 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){同じアパートの一室に同居する澪と共に &amp;br()週末には路上で演奏したりもする。 &amp;br() &amp;br()ただ、エレクトリックギターやベースでは電源の問題やアンプを運ぶのも困難だったため &amp;br()澪はアコースティックギターに切り替え &amp;br()唯はバイオリンと、今までとは毛色の違う演奏をしていた。 &amp;br() &amp;br()初めのうちは、澪は恥ずかしがって音を奏でるだけだったが &amp;br()次第に慣れはじめたのか、歌詞を書いて &amp;br()澪がボーカルとして歌を歌った。 &amp;br() &amp;br()足を止めて聞き入る人も居た。 &amp;br()日によっては閑散とした有様ではあったが &amp;br()演奏する楽しさで気にならなかった。 &amp;br() &amp;br()また、軽音部の皆と演奏がしてみたい。 &amp;br()そんな思いも唯の中にはあったが &amp;br()最近は昔の仲間に連絡を取ることも無かった。 &amp;br() &amp;br()和とはメールのやり取りがあったが &amp;br()律と紬は今、何をしているのか近況すら知らずに居た。 &amp;br() &amp;br()澪に律の様子を聞いたこともあったが &amp;br()顔を曇らせているのに気づいて以降は律の話をすることをやめた。 &amp;br()}
:97. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:03:02.62 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){夏休みに入り大学が休講になると &amp;br()唯は実家へと帰省した。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃんお帰り」 &amp;br() &amp;br()唯「ただいま、憂」 &amp;br() &amp;br()久しぶり、といっても毎週唯のアパートに通う憂の顔だ &amp;br()懐かしいとは思わなかった。 &amp;br()唯は故郷に帰ってきた懐かしさを湛えた感慨に浸りたいと思っていたが &amp;br()諦めざるを得なかった。 &amp;br() &amp;br()憂は今年地元の大学に進学した。 &amp;br()少し大人びて見える憂に少しだけ寂しさを感じたこともある。 &amp;br()彼氏でもできたのかと本人に聞いた事もあったが &amp;br()そんな暇は無いと、ばっさりと言い切った。 &amp;br()足しげく２時間掛けて唯のアパートに毎週通っているのだ &amp;br()確かにそんな暇も無いだろうと思う。 &amp;br() &amp;br()唯「お父さんとお母さんは？」 &amp;br() &amp;br()憂「何時ものことだよ」 &amp;br() &amp;br()この時期両親はお盆休みを取ると &amp;br()何時も二人で旅行しているのだった。 &amp;br()ふと憂が寂しいのではないかと思ったが &amp;br()そのために自分が帰省したことを思い出した。 &amp;br()}
:99. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:05:21.45 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){その日は、姉妹水入らずの時を過ごした。 &amp;br()久しぶりに地元の商店街に行くと大分様変わりしていることに &amp;br()驚きを隠せなかった。 &amp;br()諸行無常などという本人にもよくわからない言葉が頭に浮かぶ。 &amp;br()変わっていくんだなとしみじみと感じた。 &amp;br() &amp;br()唯にとって嬉しいこともあった。 &amp;br()唯の行きつけだったアイス屋は今も変わらず残っている。 &amp;br()一瞬、あの時のことを思い出して &amp;br()取り乱してしまうのではないかと不安にもなったが、 &amp;br()心が揺れ動くことは無かった。 &amp;br()梓のことはあの学園祭ライブで区切りをつけたのだと &amp;br()今更ながらに実感した。 &amp;br() &amp;br()憂と肩を並べてベンチに腰を下ろしてアイスを舐める。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん大学はどう？」 &amp;br() &amp;br()唯「うん、楽しいよ」 &amp;br() &amp;br()憂「路上で演奏してるんだって、澪さんから聞いたよ」 &amp;br() &amp;br()唯「憂も聞きにきてよ」 &amp;br() &amp;br()憂「うん。必ず行くね」 &amp;br() &amp;br()こうしていると高校の時を思い出す。 &amp;br()帰りに食べた変わらぬアイスの味がそうさせるのだろうか。 &amp;br()他の皆は今何をしているのだろう。 &amp;br()}
:100. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:07:26.99 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){唯「憂、りっちゃんが今何してるか知ってる？」 &amp;br() &amp;br()憂は顔に暗い影を落とす。 &amp;br() &amp;br()憂「少し前まではね。たまに遊びに連れてってもらったりしてたよ」 &amp;br() &amp;br()唯「今は？」 &amp;br() &amp;br()憂「連絡取ってない。直接聞いたわけじゃないけど学校も辞めちゃったみたい」 &amp;br() &amp;br()唯「そう･･･」 &amp;br() &amp;br()律の性格からして、今まで唯は特に心配などはしていなかった。 &amp;br()それでも、あの時の澪の顔や今の憂の表情を見ると &amp;br()唯も不安になってきた。 &amp;br()何があったのか、一度本人と会って話をしなくてはいけないのではないか &amp;br()もし、自分に出来ることがあるのなら律に手を貸してあげよう。 &amp;br() &amp;br()}
:101. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:09:19.09 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){唯「りっちゃん、今どこにいるかわかる？」 &amp;br() &amp;br()憂は小さく頷くと携帯電話を開いて唯に渡した。 &amp;br()携帯のメモ帳には律の住所が入力されている。 &amp;br()どうやら、自宅ではなくアパート住まいのようで &amp;br()それほど遠くに住んでいるわけでもなかった。 &amp;br()行ってみよう、唯はそのデータを自分の携帯へ転送すると立ち上がった。 &amp;br() &amp;br()唯「憂、私行ってくるね」 &amp;br() &amp;br()憂は不安そうな目を向けてきたが何も言わなかった。 &amp;br() &amp;br()唯「夕食までには帰ってくるから」 &amp;br() &amp;br()そういい残して唯はバス停へと歩を進めた。 &amp;br() &amp;br()}
:102. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:11:24.29 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){唯は律の住んでいるであろうアパートの前に来ていた。 &amp;br()どこにでもある、マンスリーアパートだ。 &amp;br()部屋は２０１、唯は外階段を上り &amp;br()部屋の前までくると少し考える。 &amp;br() &amp;br()何を言えばいいのだろう。 &amp;br()律の現在の様子は何も知らされていない。 &amp;br()突然押しかけたことで気分を害してしまうかもしれない。 &amp;br()もしかしたら、誰かと同棲している可能性もある。 &amp;br()しかし、幸せならそれでいいのかもしれない &amp;br()唯には邪魔をすることなど出来ないし &amp;br()本人が望むならそのままでも･･･。 &amp;br() &amp;br()唯は備え付けられたインターホンを押す。 &amp;br() &amp;br()声は聞こえなかったが、中から物音が聞こえてきた。 &amp;br()鍵が外れ、ドアが開いた。 &amp;br() &amp;br()扉から覗かせた顔を見て唯は驚いた。 &amp;br() &amp;br()亜麻色の髪には白いものが雑ざり &amp;br()顔の皮膚は弛んで皺が目立つ &amp;br()瞼は赤く、目の下には隈が出来ていた。 &amp;br()しかし、それでも面影はあった。 &amp;br()紛れも無い、律の姿がそこにはある。 &amp;br() &amp;br()唯「り、りっちゃん･･･」 &amp;br()}
:104. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:13:32.11 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){律は、唯の顔を一瞥しただけで &amp;br()何の表情も見せなかった。 &amp;br()ただ一言、入れよ──とぶっきらぼうに言った。 &amp;br() &amp;br()唯は玄関に足を踏み入れる。 &amp;br()饐えた臭いが鼻を衝いたが &amp;br()努めて顔には出すまいとした。 &amp;br() &amp;br()ワンルームの室内は荒れ果てていた。 &amp;br()フローリングにはゴミが散らかり放題で &amp;br()キッチンシンクには食器や残飯が溜まっていた。 &amp;br() &amp;br()律は万年床になっているらしい布団に腰を下ろすと &amp;br()適当に座れと言って唯を促した。 &amp;br() &amp;br()唯は足の踏み場も無い床の上から &amp;br()雑誌やペットボトルなどのゴミを退けて &amp;br()一人分のスペースを確保すると小さく座った。 &amp;br() &amp;br()律「で、なんか用？」 &amp;br() &amp;br()唯は何を口にすべきか迷ったが &amp;br()率直に聞いてみた。 &amp;br() &amp;br()唯「りっちゃん、何があったの？」 &amp;br() &amp;br()律「はっ、そんなことを聞きにわざわざ来たのかよ」 &amp;br()}
:106. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:15:15.88 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){唯「だ、だって･･･」 &amp;br() &amp;br()律「別になんもねーよ。学校辞めて引きこもってんだよ」 &amp;br() &amp;br()唯はさっきまで律の変わり果てた姿から &amp;br()目をそらしていて気づかなかったが &amp;br()よくよく見ると、律の手首には何本もの赤黒い線がある。 &amp;br()リストカットの痕だ、自殺でもする気だったのだろうか &amp;br() &amp;br()律は唯の視線に気づくと、 &amp;br()手首の傷を唯に見せて言った。 &amp;br() &amp;br()律「そんなに珍しいか？」 &amp;br() &amp;br()律「普通に生きてる奴にはわかんねぇだろうな」 &amp;br() &amp;br()投げやりだった。 &amp;br()律は自棄になっているのだ。 &amp;br()唯が黙っていると律は自分から語りだした。 &amp;br() &amp;br()律「バンド組んでたんだよ。学校の友達が紹介してくれてさ」 &amp;br() &amp;br()律「その友達の知り合いがライブハウス経営してて &amp;br()　　そこで、何度か演奏もさせてもらったよ」 &amp;br() &amp;br()律「私が組んでたバンドなんだけどな」 &amp;br() &amp;br()律「最高だったよ。最高にクレイジーだ」 &amp;br() &amp;br()律「馬鹿みたいにギターじゃんじゃん鳴らして、馬鹿みたいに絶叫して」 &amp;br()}
:107. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:17:06.21 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){律「何でそんな演奏が出来るんだよって聞いた」 &amp;br() &amp;br()律「お前もやるか？って言われて──」 &amp;br() &amp;br()唯「りっちゃんまさかっ！」 &amp;br() &amp;br()律は袖を肩まで捲り上げると唯に見せた。 &amp;br()赤い斑点、ところどころ鬱血して青くなっている。 &amp;br()小さな瘡蓋。 &amp;br()さらには、爪で引っかいた痕もあった。 &amp;br()傷だらけになった腕。 &amp;br()きっと心も傷だらけなのだろう。 &amp;br() &amp;br()唯「ねぇ･･･病院、行こう？」 &amp;br() &amp;br()律「はぁ？何いってんだよっ馬鹿かお前はっ！ &amp;br()　　んなとこ行ったら警察に連絡されるに決まってんだろうがっ！」 &amp;br() &amp;br()律「それとも何か？お前は私が警察に捕まってもいいと思ってんの？」 &amp;br() &amp;br()唯「違うよっそんなことない･･･でも･･･クスリなんて･･･駄目だよ」 &amp;br() &amp;br()律「いい子ちゃんぶりやがって、お前はいいよな」 &amp;br() &amp;br()律「知ってるぜ、澪と一緒に路上演奏やってんだってな」 &amp;br() &amp;br()律「そんなんで満足してるんだから幸せだよなっ」 &amp;br() &amp;br()唯「私と澪ちゃんはそれで満足してるって訳じゃ──」 &amp;br()}
:109. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:19:00.93 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){律「じゃあなんだよっ！プロでも目指してるって？笑わせんな」 &amp;br() &amp;br()律「バンドも組まずにデュオでプロデビューかお目出度いねぇ」 &amp;br() &amp;br()唯「私だってずっとバンド組みたいって思ってたよっ &amp;br()　　今だって、あの頃のメンバーで･･･」 &amp;br() &amp;br()律「だったらっ！だったら何で私を誘わなかったんだよっ！！」 &amp;br() &amp;br()律は怒りを顕にした。 &amp;br() &amp;br()唯には返す言葉も無かった。 &amp;br()路上で演奏するのにドラムセットを運ぶことは出来ない。 &amp;br()同じような理由で、澪はアコースティックギターに &amp;br()唯はバイオリンを選んだのだ。 &amp;br() &amp;br()ライブハウスでの演奏も頭にはあった。 &amp;br()ただ、最近ではチケットの売り上げが &amp;br()ライブハウスの使用料を下回ることの方がざらだと聞いて &amp;br()澪は路上での演奏でファンを増やしてから &amp;br()本格的なバンド活動を始めようと言っていた。 &amp;br() &amp;br()クラシックな演奏からバンド演奏に切り替えたとき &amp;br()ファンが付いてくるだろうかとの不安もあった。 &amp;br()それでも、澪は自信を持って答えたのだ。 &amp;br() &amp;br()──私達の音楽を好きで聞いてくれるんだ。大丈夫だよ。 &amp;br() &amp;br()そして、その時には──律と紬に声を掛けようと。 &amp;br()}
:118. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:32:18.92 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){しかし、遅すぎたのだ。 &amp;br() &amp;br()唯「ごめん。ごめんね、りっちゃん」 &amp;br() &amp;br()唯はただ謝ることしか出来なかった。 &amp;br() &amp;br()律「いいよ」 &amp;br() &amp;br()唯は、律の言葉の意味を求めて顔を見る。 &amp;br()律は、頬を引き攣らせながら歪な笑顔を作っていた。 &amp;br() &amp;br()律「いいからさ。唯、金貸してくんね？」 &amp;br() &amp;br()唯は落胆した。 &amp;br()その金を何に使うのかは明らかだった。 &amp;br()今までどうやってお金を工面していたのかはわからない &amp;br()それがとうとう昔の友人に金をせびるまでになってしまったのだ。 &amp;br() &amp;br()唯「りっちゃん、だめだよ」 &amp;br() &amp;br()律「何でだよ。ちゃんと返すからさ」 &amp;br() &amp;br()唯「お願いだから･･･」 &amp;br() &amp;br()律「なぁ助けてくれよ。クスリ切らして気分悪いんだよ」 &amp;br() &amp;br()唯は首を振る。 &amp;br() &amp;br()律「そ、そうだ。唯にもやらしてやっからさ」 &amp;br()}
:119. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:34:08.12 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){律「いいだろ？最高にハイな気分になれるんだぜ？」 &amp;br() &amp;br()辛かった、昔のような明るく元気な律の姿はそこには無い。 &amp;br()律は目を見開き焦点の合わない瞳を漂わせる。 &amp;br()唯には、こんな狂人じみた目を向ける律が酷く醜く思えた。 &amp;br() &amp;br()唯は立ち上がる。 &amp;br()もう、ここに居る理由が無い。 &amp;br()唯が玄関へ足を向けると、律は怒鳴り声を上げた。 &amp;br()何を叫んでいるのか内容は聞き取れない。 &amp;br()物が壊れる音もした。 &amp;br()唯は振り向くことはなく、玄関の扉を開くと外へ出た。 &amp;br() &amp;br()──私達友達だろっ！ &amp;br() &amp;br()最後にそれだけは聞き取ることが出来た。 &amp;br()唯はその空虚な残響を部屋に閉じ込めるように扉を閉めた。 &amp;br()}
:120. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:37:06.04 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){夏が終わりを迎えても &amp;br()律の事が頭から離れることはなかった。 &amp;br() &amp;br()結局唯は警察には連絡しなかった。 &amp;br()酷く罪悪感に悩まされることになったが &amp;br()友達を警察に突き出すことなど出来ないのだと、 &amp;br()してはいけないのだと &amp;br()都合のいい理由を取り繕った。 &amp;br() &amp;br()紬はどうしているのだろう &amp;br()律のことを考えると &amp;br()紬のことも心配になってくる。 &amp;br() &amp;br()皆変わってしまったのだろうか &amp;br()急に切ない思いが込み上げてきた。 &amp;br() &amp;br()唯は自室のクローゼットからダンボール箱を引き出し &amp;br()中にある、卒業アルバムを取り出した。 &amp;br()昔の思い出に浸りたくなったのだ。 &amp;br() &amp;br()唯は一度アルバムをダンボール箱に戻して &amp;br()それを抱えてリビングへ運んだ。 &amp;br()澪と一緒に思い出を語りたいと考えたからだった。 &amp;br() &amp;br()澪「唯、なにそれ？」 &amp;br() &amp;br()リビングでテレビを見ていた澪が &amp;br()唯の持つダンボール箱に目を止めて言った。 &amp;br()}
:122. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:39:23.67 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){唯「うん、思い出」 &amp;br() &amp;br()ダンボール箱の中には &amp;br()卒業アルバムの他 &amp;br()合宿の写真 &amp;br()バンドスコア &amp;br()歌詞のコピー &amp;br()デモテープ &amp;br()学際ライブのＤＶＤ &amp;br()そして、唯が付けていた日記が入っている。 &amp;br() &amp;br()澪「懐かしいなぁ、ちゃんと持ってたんだ」 &amp;br() &amp;br()澪は目を輝かせて言った。 &amp;br() &amp;br()唯「ねぇ見て見て。これ」 &amp;br() &amp;br()唯は合宿の写真の中から &amp;br()澪の寝ている姿を写した写真を取り出した。 &amp;br() &amp;br()澪「な、何で唯が持ってるんだよ」 &amp;br() &amp;br()唯「え？皆持ってるはずだよ」 &amp;br() &amp;br()澪「ほ、本当かっ！律のやつ、誰にも渡すなって言っておいたのに」 &amp;br() &amp;br()唯「澪ちゃん、これ」 &amp;br() &amp;br()唯はまた別の写真を澪に見せる。 &amp;br()}
:124. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:43:18.01 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){澪「あぁ、梓か･･･」 &amp;br() &amp;br()悲しげな表情ではなかった &amp;br()懐かしそうな、暖かい表情だった。 &amp;br() &amp;br()唯「かわいいね」 &amp;br() &amp;br()澪「本当だな」 &amp;br() &amp;br()それからは澪と二人で思い出話に花を咲かせた。 &amp;br()ライブ映像も繰り返し見た。 &amp;br()懐かしい、あの頃を思い返しながら。 &amp;br() &amp;br()ずいぶんお喋りに夢中になっていたのか &amp;br()時刻は夜の１１時を過ぎていた。 &amp;br() &amp;br()澪「私、お風呂入ってくるよ」 &amp;br() &amp;br()澪はそう言って立ち上がり &amp;br()リビングを出て行った。 &amp;br() &amp;br()唯はダンボール箱の中を覗く。 &amp;br()日記が目に留まり、取り出してみた。 &amp;br()日記は全部で４冊あった。 &amp;br()普通の大学ノート、３０枚６０ページ &amp;br()そのノートに１ページにつき４，５日分の日記を書いていた。 &amp;br()毎日書いてはいても内容はそれほど多くは無いのだろう &amp;br()３年弱の記録がたったの４冊に収まってしまうのだ。 &amp;br()}
:126. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:46:01.48 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){唯は一番新しいノートを手にする。 &amp;br()何となく、最後のページを開いた。 &amp;br() &amp;br()──今日は卒業式。 &amp;br() &amp;br()初めにそう書いてあった。 &amp;br()そう言えば、この日記を書き始めた理由。 &amp;br()唯は自分が記憶の途切れる症状を持っていたことを思い出した。 &amp;br()この日記の最後に書かれている、卒業式の日を境に症状は無くなったのだ。 &amp;br() &amp;br()日記にもその日の症状が書かれていた。 &amp;br() &amp;br()＜部室を眺めていたら、りっちゃんが声をかけてきた。 &amp;br()みんなで写真を撮ろうと言ってくれて、とてもうれしかった。 &amp;br()私が、「うん」と言って頷くと、またあの症状がでた。＞ &amp;br() &amp;br()そう、そこで記憶は一度途切れたのだ。 &amp;br() &amp;br()日記を見つめているとあの時の光景がありありと浮かんでくる。 &amp;br()声が聞こえた。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;87 &amp;br() &amp;br() &amp;br()──唯、唯っ。どうかしたのか？ &amp;br() &amp;br()目の前に律の顔があった。 &amp;br() &amp;br() &amp;br()&gt;&gt;89 &amp;br() &amp;br()}
:130. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:51:06.14 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){&gt;&gt;87 &amp;br() &amp;br()唯の目の前に広がる光景は &amp;br()忘れもしない、あの卒業式の日。 &amp;br()カメラを携えた律が──あの時の律が目の前に居た。 &amp;br() &amp;br()律「唯？どうしたんだ？」 &amp;br() &amp;br()律の笑顔を、律の声を聞いて &amp;br()唯の心の中には様々な思いが去来した。 &amp;br() &amp;br()──何か言わなきゃ。 &amp;br() &amp;br()──何か伝えたいことがあったはずだ。 &amp;br() &amp;br()──そうだっ！ &amp;br() &amp;br()唯「りっちゃん」 &amp;br() &amp;br()律「ん？なんだよ、唯」 &amp;br() &amp;br()唯「卒業しても、一緒にやろうよっ。バンドっ！」 &amp;br() &amp;br()律は笑って大きく頷く。 &amp;br() &amp;br()律「ああっ。やってやるさっ！」 &amp;br() &amp;br()──ありがとう。 &amp;br() &amp;br()声に出したつもりだったが、届かなかったようだ。 &amp;br()唯は再度光に呑まれた。 &amp;br()}
:132. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 22:53:25.74 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){唯は日記から顔を上げる。 &amp;br()一時の幸せな夢だったのだろうか。 &amp;br()日記を仕舞い、先ほどの律の笑顔を頭に思い描く。 &amp;br()自然に笑みが零れた。 &amp;br() &amp;br()暫くして玄関の扉が開く音が聞こえた。 &amp;br()唯は不思議に思って玄関へ向かう。 &amp;br()澪は先ほど浴室へ行ったはずだ。 &amp;br()ここへ訪ねてくるのは、あとは憂ぐらいしかいない。 &amp;br() &amp;br()唯が廊下の角から玄関を覗くと &amp;br()澪が居た。 &amp;br() &amp;br()唯「あれ？澪ちゃんさっきお風呂って･･･」 &amp;br() &amp;br()澪「ん？なんのことだ？私は今帰ってきたところだけど」 &amp;br() &amp;br()澪「それよりさ。ライブのチケット完売したってさ」 &amp;br() &amp;br()突如、唯の頭の中を鈍い痛みが奔った。 &amp;br()それは一瞬の事だったが &amp;br()次の瞬間には唯の知らない光景が頭を駆け巡る。 &amp;br()──これは･･･記憶？ &amp;br()唯は理解した。 &amp;br()一瞬のうちに頭の中に詰め込まれた記憶。 &amp;br()その記憶は唯があの日律に掛けた言葉によって生まれた記憶だ。 &amp;br()変わったのだ。あの日からの未来が、そして現在が、世界が。 &amp;br() &amp;br()}
:134. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:00:56.68 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){夢ではなかった。 &amp;br()事実、唯は過去に遡っていたのだった。 &amp;br()卒業式の日に律に掛けた言葉。 &amp;br()一緒にバンドをしよう、その言葉が未来への道筋を変えた。 &amp;br() &amp;br()卒業してからは頻繁に律と連絡を取り合った。 &amp;br()澪は音楽スタジオを借りてのバンド練習を提案した。 &amp;br()律は友達の知り合いが経営するライブハウスでバイトをしてスタジオ代を稼ぎ &amp;br()唯と澪もそれぞれ空いた時間をバイトに費やした。 &amp;br() &amp;br()ある日、律は店長に無理を言って &amp;br()一度だけ只でライブハウスの舞台を貸してくれるように頼んだ。 &amp;br()しつこく懇願する律に折れた店長は、 &amp;br()特別、定休日に演奏することを許可した。 &amp;br() &amp;br()本来定休日ということもあり人は疎らだったが &amp;br()３人は最高の演奏を披露した。 &amp;br()これが切っ掛けとなり何人かのファンが付き &amp;br()その後のライブのチケットの売り上げも好調で &amp;br()思わぬ収益にも繋がった。 &amp;br() &amp;br()３人はそのお金を貯めて &amp;br()いつか自作のＣＤを作ろうなどと夢を抱いていた。 &amp;br() &amp;br()澪「唯、鼻血･･･」 &amp;br() &amp;br()澪は青ざめた表情で唯を見ていた。 &amp;br()唯は自分の鼻の下に手をやり指先で触れる。 &amp;br()触れた指を見ると赤い血が付着していた。 &amp;br()}
:135. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:03:47.79 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){唯「ご、ごめんごめん。大丈夫だから」 &amp;br() &amp;br()唯は急いでリビングへと向かうとティッシュで鼻を拭いた。 &amp;br()洗面所へ行って鏡で顔を確認してリビングへ戻ると &amp;br()澪は座ってテレビを見ていた。 &amp;br() &amp;br()唯「何とも無いから。安心して」 &amp;br() &amp;br()澪「そうか、なんかあったのかと思ってびっくりしたぞ」 &amp;br() &amp;br()唯「それで、さっきの話」 &amp;br() &amp;br()澪「ああ、ライブのチケットな。 &amp;br()　　律が友達やバイト先の客に頼んでさ、完売したってさっき連絡があったんだ」 &amp;br() &amp;br()唯「りっちゃん、やるねぇ」 &amp;br() &amp;br()澪「ホント、律のお陰だよな」 &amp;br() &amp;br()唯は記憶の中にある律の顔を思い浮かべる。 &amp;br()ライブハウスでバイトしていた律。 &amp;br()そこの舞台で勢いよくドラムを叩く律の顔を。 &amp;br() &amp;br()澪「唯は和と憂ちゃんにチケット渡したのか？」 &amp;br() &amp;br()唯「うん。二人とも来れるってさ」 &amp;br() &amp;br()紬は、何をしているのだろうか。 &amp;br()唯は記憶の中を探るが &amp;br()紬に関する記憶は浮かんでこなかった。 &amp;br()}
:137. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:08:21.03 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){唯「ねぇ澪ちゃん。むぎちゃん、今何してるのかな？」 &amp;br() &amp;br()澪「さあな、連絡も取れないしな」 &amp;br() &amp;br()唯「やっぱり駄目なのかな」 &amp;br() &amp;br()高校の頃の軽音部のメンバーが揃うことはもう叶わないのだろうか &amp;br()唯はダンボール箱を抱えて自室へ入って行った。 &amp;br() &amp;br()唯は、ベッドの上に腰掛けて日記の項を捲る。 &amp;br()変えられたんだ。 &amp;br()そう、未来を、現在を変えられるんだ。 &amp;br()唯はもう一度あの頃に戻って &amp;br()今度は紬を今のバンドへ誘おうと考えていた。 &amp;br() &amp;br()──今日はむぎちゃんと一緒に &amp;br() &amp;br()その文が目に飛び込んできた。 &amp;br()この時ならと、唯は日記を見つめる。 &amp;br() &amp;br()暫く見つめていたが、先ほどのような感覚は得られなかった。 &amp;br()さっきのは夢ではなかったはずだ。 &amp;br()唯はもう一度意識を集中させて文字を見る。 &amp;br()しかし、幾ら見つめていても何も起こらなかった。 &amp;br() &amp;br()唯は諦めた様に日記を閉じると &amp;br()ダンボール箱の中に仕舞った。 &amp;br()}
:140. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:12:40.46 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){翌週末、律のバイトするライブハウスに３人は集まった。 &amp;br() &amp;br()律「いよっ」 &amp;br() &amp;br()紛れも無い律の顔。 &amp;br()変わらない元気で明るい笑顔。 &amp;br() &amp;br()唯「りっちゃ〜ん」 &amp;br() &amp;br()唯は思わず律に抱きついた。 &amp;br() &amp;br()律「おいおい、どうしたんだよ」 &amp;br() &amp;br()記憶の中にはあっても、いざ本人を前にすると &amp;br()感動は抑え切れなかった。 &amp;br()唯は懐かしさと律の暖かさに触れ今にも泣き出しそうになっていた。 &amp;br() &amp;br()律「なんだよ。澪が相手してくれなくて寂しかったのか？」 &amp;br() &amp;br()澪「ばかっ。私はちゃんと唯の面倒をみてるんだぞ」 &amp;br() &amp;br()律「ほほう、面倒なのか･･･可哀想になぁ唯〜」 &amp;br() &amp;br()澪「ち、違うっ。ああもうっ馬鹿律っ！」 &amp;br() &amp;br()澪は怒って外方を向いた。 &amp;br() &amp;br()}
:142. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:15:03.94 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){律「そう言えば、和と憂ちゃんはまだ来てないのか？」 &amp;br() &amp;br()唯「さっき連絡があって、もうすぐ来るって」 &amp;br() &amp;br()律「そうか。二人は私達の演奏聞くの初めてだっけ？」 &amp;br() &amp;br()唯「うん。二人とも楽しみにしてるって」 &amp;br() &amp;br()律「憂ちゃんは唯しか見ないだろうけどな」 &amp;br() &amp;br()唯「そうかな？」 &amp;br() &amp;br()律「そうだよ。見せてやれよ、唯のギターをさ」 &amp;br() &amp;br()唯「うん」 &amp;br() &amp;br()唯は目を輝かせて頷いた。 &amp;br() &amp;br()３人は一通り、リハーサルを終えると &amp;br()到着した和と憂を出迎えた。 &amp;br() &amp;br()和「お待たせ」 &amp;br() &amp;br()憂「みなさん、こんばんは」 &amp;br() &amp;br()唯「和ちゃん、久しぶりっ」 &amp;br() &amp;br()和「何言ってんのよ。この前あったばかりじゃない」 &amp;br() &amp;br()唯「そうだっけ？」 &amp;br()}
:144. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:18:12.03 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){唯の記憶の中では先週の初めに和と会って &amp;br()ライブのチケットを手渡したのだった。 &amp;br() &amp;br()和「そうよ。それにしても、随分立派になったものね。 &amp;br()　　まさか本格的にバンド活動するなんて思っても見なかったもの」 &amp;br() &amp;br()澪「まあ、それも律のお陰ではあるんだけどな」 &amp;br() &amp;br()澪は照れくさそうに言った。 &amp;br() &amp;br()律「なんか煮え切らない言い方だな。 &amp;br()　　ホントのところ私は唯のお陰だと思ってるぞ」 &amp;br() &amp;br()澪「唯が何か言ったのか？」 &amp;br() &amp;br()律「唯、覚えてるだろ？卒業式の日。 &amp;br()　　私に言ってくれたよな。一緒にバンドしようって」 &amp;br() &amp;br()唯は頷く。 &amp;br() &amp;br()和「へぇ、唯がねぇ」 &amp;br() &amp;br()律「それでさ、私も決意できたんだよ。やってやろうってさ」 &amp;br() &amp;br()唯「じゃあ夢は武道館っ？」 &amp;br() &amp;br()律「夢は大きく、だな」 &amp;br() &amp;br()澪「それも悪くないな」 &amp;br()}
:145. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:20:28.07 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){澪は時計を見る。 &amp;br() &amp;br()澪「そろそろ本番だな」 &amp;br() &amp;br()律「緊張してんのか？」 &amp;br() &amp;br()澪「もう、慣れた」 &amp;br() &amp;br()律「なんだよ、詰まらないな。 &amp;br()　　さっきの唯みたいに私に抱きついてきてもいいんだぞぉ」 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、そんなことを･･･？」 &amp;br() &amp;br()和「相変わらず甘えてるのね」 &amp;br() &amp;br()唯「だってぇ〜」 &amp;br() &amp;br()唯が照れ笑いを浮かべると &amp;br()皆の表情も和やかになる。 &amp;br() &amp;br()律「いくか」 &amp;br() &amp;br()唯と澪が頷く。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、がんばって」 &amp;br() &amp;br()和「みんな、がんばってね」 &amp;br() &amp;br()３人は振り返って和と憂に &amp;br()力強い眼差しを向けて大きく頷いた。 &amp;br()}
:148. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:24:38.16 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){その日のライブは大いに盛り上がった。 &amp;br()チケットが完売したこともあり客の入りは申し分なく &amp;br()ライブハウスの店長も満足気な表情だった。 &amp;br() &amp;br()ライブ終了後は５人で祝杯を挙げようと云う事になった。 &amp;br()ライブの成功と、武道館への夢を願って。 &amp;br() &amp;br()唯は居酒屋と云う場所に初めて足を踏み入れて戸惑っていたが &amp;br()和は慣れた様子で酒と肴を注文していた。 &amp;br()話しによれば大学の付き合いでよく立ち寄るそうなのだ。 &amp;br() &amp;br()唯「女の子同士で？」 &amp;br() &amp;br()和「大学の教授がね、学生達と飲みたがるのよ」 &amp;br() &amp;br()和も大変なのだと唯は思った。 &amp;br() &amp;br()澪はビールを一杯飲んだだけだったが &amp;br()酔いが回って律に猫なで声で甘えていた。 &amp;br() &amp;br()澪「りぃつぅ〜だっこぉ〜」 &amp;br() &amp;br()律「誰だよ澪にこんなに酒飲ましたのは」 &amp;br() &amp;br()憂「ビール一杯しか飲んでませんでしたよ」 &amp;br() &amp;br()律「うはぁ。こいつこんなに酒癖悪かったのか？」 &amp;br() &amp;br()唯「澪ちゃん、今までお酒なんて飲まなかったよ」 &amp;br()}
:149. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:28:10.55 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){律「マジかよ。誰かお冷もらってきて」 &amp;br() &amp;br()憂「私がもらってきます」 &amp;br() &amp;br()憂はそう言って立ち上がると座敷を出て行った。 &amp;br() &amp;br()澪「りぃ〜つぅ〜」 &amp;br() &amp;br()律「ああっもう、気色悪いぞ澪っ」 &amp;br() &amp;br()途端に澪は泣き出してしまった。 &amp;br() &amp;br()律「あぁ悪かった悪かったよ。だっこな」 &amp;br() &amp;br()律は仕方なさそうに澪を抱くと &amp;br()澪は安心したのかそのまま眠ってしまった。 &amp;br() &amp;br()律「ちょ･･･重い･･･」 &amp;br() &amp;br()和は座布団を二枚重ねると &amp;br()律から澪を引き離してそこに頭を乗せて寝かした。 &amp;br() &amp;br()律「和、慣れてるんだな」 &amp;br() &amp;br()和「まぁね」 &amp;br() &amp;br()和はそう言って溜息を吐いた。 &amp;br()}
:152. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:31:21.44 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){そこに憂がお冷をもらって帰ってきたが &amp;br()澪の様子を見て必要ないのだと思ったのだろう、 &amp;br()コップをテーブルの上に置くと &amp;br()唯の隣に座った。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃんはお酒大丈夫なの？」 &amp;br() &amp;br()唯「私もそんなに飲んだこと無いけど、今日くらいはね」 &amp;br() &amp;br()唯はそう言って日本酒をあおった。 &amp;br() &amp;br()律「唯、お前は酒強いんだな」 &amp;br() &amp;br()唯「りっちゃんも飲みなよぉ」 &amp;br() &amp;br()唯は律のコップに日本酒を注いでいく。 &amp;br() &amp;br()律「まぁ、今日くらいはな」 &amp;br() &amp;br()律も日本酒の注がれたコップを傾ける。 &amp;br() &amp;br()律「和は何飲んでるんだ？」 &amp;br() &amp;br()和は茶色い液体の注がれたグラスを手にして言った。 &amp;br() &amp;br()和「ウィスキー」 &amp;br() &amp;br()律は氷の入ったそのグラスの中身をみて水割りか何かだろうと思っていたが &amp;br()和は、ロックよ──と言った。 &amp;br()}
:154. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 23:34:35.91 ID:VEUNcMSn0|&amp;aa2(c){唯「和ちゃん、大人だねっ」 &amp;br() &amp;br()和「唯はまだまだ子供よね」 &amp;br() &amp;br()唯「そんなこと無いよ。私だって」 &amp;br() &amp;br()唯は店員を呼ぶと和と同じものを注文した。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、無理しないで」 &amp;br() &amp;br()唯はこの時ばかりは憂の言葉に耳を傾けることはなかった。 &amp;br()憂も口では言っているものの &amp;br()先ほどの澪の姿を唯に重ねて &amp;br()もう少し酔って欲しいと密かに願っていた。 &amp;br() &amp;br()唯は運ばれてきたウィスキーをちびちびと飲みながら &amp;br()昔の思い出話に耳を傾けていた。 &amp;br() &amp;br()和「そう云えば、学際ライブ。あの時は凄かったわよね」 &amp;br() &amp;br()律「あぁ、みんな大泣きしてたな」 &amp;br() &amp;br()憂「私も感動しました」 &amp;br() &amp;br()和「でも、よく軽音部再開する気になったわよね。 &amp;br()　　あの頃はすっかり元通りだと思ってたけど、 &amp;br()　　多分、もう演奏は聴けないんじゃないかなって」 &amp;br() &amp;br()律「まぁ、梓のこともあったしな」 &amp;br()}    </description>
    <dc:date>2009-08-24T00:38:59+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/hinamizawaghetto/pages/50.html">
    <title>唯バタフライ</title>
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      //掲示板URL: http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1251024615/101-200
:1. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 19:50:15.64 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){──それは、通常なら無視出来るほどの小さな差が &amp;br()時と共に、やがては無視出来ないほどの大きな差となる現象。 &amp;br() &amp;br()まえがき &amp;br() &amp;br()この度は、私の拙い文章ではありますが &amp;br()お暇を潰せればなどと思い、ささやかな物語をお贈りします。 &amp;br()最後までお付き合いくだされば幸いです。 &amp;br() &amp;br()おことわり &amp;br() &amp;br()・完結済みです。 &amp;br()・粛々と投下いたします。 &amp;br()書き込みが遅いと思ったら、さるさん、トイレ、エサの何れかです。 &amp;br()１時間以上放置することはありませんのでご安心ください。 &amp;br()・予定時間４時間〜１０時間 &amp;br()　午前２時には終われると思います。 &amp;br()・７０ｋＢ、１２０スレ程の分量です。 &amp;br()・エロ無し、微グロ、ほんわか日常系。 &amp;br() &amp;br()※また、映画「バタフライ・エフェクト」のネタバレを含みますので &amp;br()　ご注意願えますようお願いいたします。 &amp;br() &amp;br()}
:2. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 19:51:09.86 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){プロローグ &amp;br() &amp;br()その症状が表れ出したのは何時の頃だったろうか &amp;br()高校に入学してからのことだった気がする。 &amp;br() &amp;br()そう、初めに体験したのは学園祭ライブでのことだ。 &amp;br()初めてのライブでの緊張からか &amp;br()演奏の最後から退場するまでの記憶が無かった。 &amp;br() &amp;br()ライブが終わってから澪ちゃんが舞台で転んで &amp;br()客席にパンツを披露したことをりっちゃんから聞いた。 &amp;br() &amp;br()後に見る機会があったライブ映像で &amp;br()私は最後まで演奏をこなしていたのを確認した。 &amp;br() &amp;br()何の問題も無い。 &amp;br()熱中してそのときの記憶が無くなるなんて良くあることだ。 &amp;br()ずっとそう思っていた。 &amp;br() &amp;br()ある日、両親と共に学校に呼び出された。 &amp;br()私が美術の授業中に書いた絵が問題になったのだ。 &amp;br() &amp;br()}
:4. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 19:52:59.04 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){それは、白いワンピースを着た女の子が &amp;br()刃物でズタズタに切り裂かれた何ともおぞましい絵だった。 &amp;br()先生は私を問い詰めたが、私にはそんな絵を描いた覚えが無い。 &amp;br() &amp;br()私は何度も首を振って書いていないことを訴えたが &amp;br()今度は、私を心配そうな目で見つめてくるだけだった。 &amp;br() &amp;br()両親も不安を覚え暫く教師と相談した後 &amp;br()私を心療内科で診てもらうことに決めた。 &amp;br() &amp;br()そこで私は最近記憶が無くなる旨を医者に話し &amp;br()医者は薬の処方はせず、経過を診るため私に日記を書かせることにした。 &amp;br() &amp;br()私もそれに従い常に日記を認めることにした。 &amp;br() &amp;br()私は、美術の授業での曖昧な記憶を初めに書き &amp;br()その後は今日あった出来事を記述していった。 &amp;br() &amp;br()── &amp;br() &amp;br()}
:8. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 19:54:56.02 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){※ &amp;br()唯がまだ高校一年の頃。 &amp;br() &amp;br()冬の訪れを感じる寒い季節に &amp;br()唯は炬燵に当って蜜柑を食べていた。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、そろそろご飯できるから炬燵の上片付けてね」 &amp;br() &amp;br()唯「ほ〜い」 &amp;br() &amp;br()返事はするものの唯は片づけをする気配が無い。 &amp;br() &amp;br()憂「も〜片付けてって言ったのに」 &amp;br() &amp;br()憂は言いながらも自分で片づけをして &amp;br()テーブルに夕飯を運ぶ。 &amp;br() &amp;br()唯「ごめんね、憂」 &amp;br() &amp;br()憂「いいよ。わかってるから」 &amp;br() &amp;br()憂「そう云えば、最近調子どう？」 &amp;br() &amp;br()唯「うん、楽しいよ」 &amp;br() &amp;br()憂は唯の記憶の途切れる症状について聞いたつもりだったが &amp;br()唯は軽音部の事しか頭に無いのだろう &amp;br()笑顔でそう答えた。 &amp;br() &amp;br()}
:11. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 19:56:40.23 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){憂「そうじゃなくって、日記はちゃんとつけてるの？」 &amp;br() &amp;br()唯「え？うん。毎日ちゃんと書いてるよ」 &amp;br() &amp;br()憂「そう。最近は症状出たりしてる？」 &amp;br() &amp;br()唯「特にはないかな」 &amp;br() &amp;br()憂「よかった」 &amp;br() &amp;br()憂はほっとした表情を見せると &amp;br()唯と二人だけの夕食を摂った。 &amp;br() &amp;br()食後に唯はアイスを食べながらのんびりと過ごしている。 &amp;br()憂は夕食の後片付けを済ませると &amp;br()お風呂に入ってくると言って浴室へと向かって行った。 &amp;br() &amp;br()憂は湯船につかり、姉のことを考えていた。 &amp;br()不安でたまらないのだ。 &amp;br()記憶障害。 &amp;br()それを脳の障害へと関連付けるのは簡単だった。 &amp;br()姉の症状を聞かされたとき &amp;br()一時期は心配で眠れぬ夜を過ごしたこともあった。 &amp;br()何か、大変な病気なんじゃないかと &amp;br()学校の図書室や、市の図書館、書店を回って &amp;br()関連しそうな病気の書籍を掻き集めたこともあった。 &amp;br()そこに記された文章は憂を不安にさせるだけだった。 &amp;br()}
:12. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 19:58:12.52 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){両親を問い詰めて本当のことを聞き出そうとしたこともあった。 &amp;br() &amp;br()──本当のことを話して &amp;br()──お姉ちゃん治らない病気なの？ &amp;br() &amp;br()両親は医者からは重い病では無いと言われていることを憂に話したが &amp;br()憂はその全てを信用することが未だに出来ずにいる。 &amp;br() &amp;br()最近では落ち着いて、姉の症状がそれほど酷くないと思い始めても来たが &amp;br()心配なのは変わらなかった。 &amp;br() &amp;br()考えても仕方が無い。 &amp;br() &amp;br()憂は風呂から上がると、姉の居るリビングへと向かった。 &amp;br()──お姉ちゃんの顔を見れば安心できる。 &amp;br()しかし、さっきまで炬燵に当っていた姉の姿が無い。 &amp;br() &amp;br()}
:13. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 19:59:13.37 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){はっとしてキッチンを見ると唯が包丁を手にして佇んでいた。 &amp;br() &amp;br()憂「お、お姉ちゃん･･･」 &amp;br() &amp;br()唯は虚ろな目で憂を見る。 &amp;br() &amp;br()唯「うい･･･」 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、落ち着いて･･･ゆっくり包丁を置くの･･･ね？」 &amp;br() &amp;br()唯は驚いた様子で自らの手元を見つめると &amp;br()目に涙を浮かべその場に膝から崩れ落ちた。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃんっ！」 &amp;br() &amp;br()唯「憂っ･･･私･･･どうして･･･」 &amp;br() &amp;br()憂「落ち着いて、大丈夫だから･･･大丈夫」 &amp;br() &amp;br()憂は喉に絡む声で唯を慰める。 &amp;br()落ち着いて、落ち着いて、と自分に言い聞かせるように。 &amp;br() &amp;br()}
:14. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:00:14.22 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){唯「憂、私おかしいのかな？」 &amp;br() &amp;br()憂「そんなこと無いよ」 &amp;br() &amp;br()唯「だって、さっきまで自分が何してたのかわからないんだもん」 &amp;br() &amp;br()唯は怯えた目を憂に向けた。 &amp;br() &amp;br()唯「怖いよ･･･憂･･･」 &amp;br() &amp;br()憂「大丈夫だから大丈夫･･･」 &amp;br() &amp;br()憂は唯の頭をそっと撫でる。 &amp;br()大丈夫──その言葉を繰り返しながら &amp;br()暫く二人で抱き合っていた。 &amp;br() &amp;br()}
:16. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:01:48.02 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){年が明けて春 &amp;br()唯は、学校の正面玄関へ続く桜並木の下を妹の憂と歩きながら &amp;br()新しい生活の幕開けに胸を高鳴らせていた。 &amp;br()憂が同じ学校に合格して、これからはこうして毎日一緒に通えるのだ。 &amp;br()新しい後輩を向かえ、先輩として過ごす学校生活。 &amp;br()そして、新入生歓迎会のライブ。 &amp;br()軽音部に新入部員が入ってくれるだろうか &amp;br()期待と不安の入り混じった感情がとても新鮮に思える。 &amp;br()清々しさに心が洗われるようだった。 &amp;br() &amp;br()憂「お姉ちゃん、なんだか嬉しそう」 &amp;br() &amp;br()並んで歩く憂が言った。憂もなんだか嬉しそうだった。 &amp;br() &amp;br()唯「うん。だって先輩って呼ばれるんだよ」 &amp;br() &amp;br()憂「私はお姉ちゃんって呼ぶけどね」 &amp;br() &amp;br()唯「え〜憂も唯先輩って呼んでよぉ」 &amp;br() &amp;br()憂「だって私達姉妹でしょ。おかしいよ」 &amp;br() &amp;br()唯「それもそうだね」 &amp;br() &amp;br()憂「軽音部。新入生入ってくれるといいね」 &amp;br() &amp;br()唯「うん」 &amp;br() &amp;br()二人は笑いあい、桜色に染まる景色に溶け込むように校舎へと消えて行った。 &amp;br()}
:20. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:05:13.51 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){その後行われた新観ライブは多くの新入生の心を打った &amp;br()にも関わらず、軽音部へ入部したのはたった一人だけだった。 &amp;br()それを不満に思うことはなく &amp;br()唯達は快く新入部員を迎え軽音部は新たな一歩を踏み出した。 &amp;br() &amp;br()軽音部の和やかな雰囲気を &amp;br()最初は受け入れ難いと感じていた新入部員の中野梓だったが &amp;br()甘い誘惑に──いや、軽音部の演奏に惹かれ &amp;br()その源であるティータイムにも次第に慣れ親しんでいった。 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩、一人でケーキ食べすぎじゃないですか？」 &amp;br() &amp;br()唯「え？そうかなぁ。だって皆食べないんだもん」 &amp;br() &amp;br()梓「そ、それは･･･その･･･」 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃん、もしかして──」 &amp;br() &amp;br()梓「そっそれ以上言わないで下さいっ！」 &amp;br() &amp;br()太ったんだ。 &amp;br()唯は口には出さなかったが、 &amp;br()少し意地悪に笑う。 &amp;br() &amp;br()唯「じゃあ、あずにゃんのも食べてあげるねっ」 &amp;br() &amp;br()唯は梓の皿に乗ったケーキにフォークを伸ばす。 &amp;br() &amp;br()梓「食べますっ食べますからっ」 &amp;br()}
:23. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:08:27.73 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){梓は小さな口で大きく切り取ったケーキを口に含むと &amp;br()喉に詰まったのかむせ返って &amp;br()あわてて紅茶を飲んでケーキを流し込む。 &amp;br() &amp;br()律「唯、あんまり苛めるなよ」 &amp;br() &amp;br()律が呆れた表情で唯を窘める。 &amp;br() &amp;br()唯「別に苛めてないもん。りっちゃんも食べないなら私が食べてあげるよ」 &amp;br() &amp;br()律「私は食べるっての」 &amp;br() &amp;br()澪「そう云えば最近あんまり練習してないからな、律も肉が付いてきたんじゃないか？」 &amp;br() &amp;br()澪の言葉に乗せられて律は立ち上がる。 &amp;br() &amp;br()律「よしっ！練習するぞっ！」 &amp;br() &amp;br()その日の練習は実に充実したものだった。 &amp;br()と言っても、律はドラムを叩き壊す勢いで &amp;br()他の音を掻き消してしまうほどだったのだが。 &amp;br() &amp;br()それでも、何時もより長い時間練習することができ &amp;br()唯のギターも大分上達した。 &amp;br()梓は逐一駄目出しして、唯に丁寧に教えたが &amp;br()また、忘れてしまうのではと不安にもなった。 &amp;br()しかし、こうして練習している間が &amp;br()唯にギターを教えている間が &amp;br()何よりも楽しい一時なのだと梓は感じていた。 &amp;br()}
:27. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:18:50.50 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){※ &amp;br()楽しい時間は何時までも続いて欲しいと願うが &amp;br()思うほど早く過ぎ去ってしまうものだ。 &amp;br() &amp;br()その年は、海に合宿へ行った。 &amp;br()思っていた通り、なのだろうか &amp;br()先輩達は遊んでばかりだった。 &amp;br() &amp;br()ただ唯先輩と二人で夜中に練習した時間は &amp;br()幸せな思い出として残っている。 &amp;br() &amp;br()初めての学園祭ライブ。 &amp;br()色々な事があった。 &amp;br()ギターを忘れて家に取りに戻る唯先輩。 &amp;br()その唯先輩の居ない舞台での演奏はどこか物足りなさを感じた。 &amp;br() &amp;br()最後の曲の直前に講堂に現れた唯先輩。 &amp;br()髪も服も乱れて息を切らしていたっけ。 &amp;br() &amp;br()すぐ近くで見る唯先輩が懸命に歌い演奏する姿。 &amp;br()あの楽しそうな横顔は一生目に焼きついて離れないだろう。 &amp;br() &amp;br()その時からなのかもしれない &amp;br()私が唯先輩に思いを寄せる様になったのは。 &amp;br()}
:29. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:22:42.26 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){※ &amp;br()ある日の休日。 &amp;br()唯は梓に誘われて遊園地へ遊びに行く約束をしていた。 &amp;br() &amp;br()唯の寝坊癖を知ってか &amp;br()梓は憂に頼んで唯を時間通りに起こすよう言っていたらしい。 &amp;br() &amp;br()唯はしぶしぶベッドから起き上がると &amp;br()支度を整え、憂に渡された弁当を持ち &amp;br()約束の時間に間に合うように家を出た。 &amp;br() &amp;br()唯「おまたせぇ〜」 &amp;br() &amp;br()唯の姿を見て梓はほっと胸を撫で下ろした。 &amp;br() &amp;br()梓「遅刻したらどうしようかと思ってましたよ」 &amp;br() &amp;br()唯「憂に起こすように言ってたくせに」 &amp;br() &amp;br()梓「だって、唯先輩絶対寝坊するじゃないですか」 &amp;br() &amp;br()唯「絶対とは心外だよ」 &amp;br() &amp;br()梓「じゃあ昨日何時に寝たんですか？」 &amp;br() &amp;br()唯「え〜っと･･･１２時･･･」 &amp;br() &amp;br()梓「やっぱり寝坊する気だったんじゃないですか」 &amp;br() &amp;br()唯「ごめんなさいっ」 &amp;br()}
:32. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:25:25.38 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){二人はバスに乗って遊園地へ向かった。 &amp;br()休日と云う事もあってか遊園地は大分混雑していた。 &amp;br() &amp;br()唯「凄い人込みだねぇ」 &amp;br() &amp;br()梓「そうですね。唯先輩、迷子にならないで下さいよ」 &amp;br() &amp;br()唯「子供じゃないんだから」 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩のことですからわかりませんよ」 &amp;br() &amp;br()唯は膨れっ面をして文句を言っていたが &amp;br()その顔も可愛いな、などと梓は思っていた。 &amp;br() &amp;br()梓「さぁ、行きましょうか」 &amp;br() &amp;br()唯「うん」 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩は何に乗りたいですか？」 &amp;br() &amp;br()唯「やっぱり遊園地といったらジェットコースターだよ」 &amp;br() &amp;br()二人はジェットコースター乗り場へ向かう。 &amp;br()それなりに搭乗を待つ列もあったが &amp;br()２０分ほどで順番が回ってくるようだった。 &amp;br() &amp;br()その間は、軽音部のこと学校のこと &amp;br()色々なことを話した。 &amp;br()梓は唯の家での生活を聞いたが時間があれば &amp;br()ギターの練習ばかりしているらしく以外にも感心してしまった。 &amp;br()}
:34. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:27:43.70 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){逆に唯が梓の家での生活を聞くと &amp;br()少し寂しそうな表情を見せた。 &amp;br() &amp;br()唯「寂しかったら家に遊びにきていいんだよぉ」 &amp;br() &amp;br()唯は梓に抱きついて頬擦りをする。 &amp;br() &amp;br()梓「べ、別に寂しくなんてありません」 &amp;br() &amp;br()唯「ツンデレってやつだね、あずにゃん」 &amp;br() &amp;br()梓「違いますよ。離れてください、恥ずかしいですから」 &amp;br() &amp;br()唯「ごめんごめん」 &amp;br() &amp;br()ふと唯は身長制限の立て看板に目を移す。 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃん、乗れるのかな？」 &amp;br() &amp;br()梓「馬鹿にしないで下さい」 &amp;br() &amp;br()唯「冗談だよ。あずにゃ〜ん」 &amp;br() &amp;br()梓「もうっ、くっつかないでくださいよ」 &amp;br() &amp;br()順番が来て二人はジェットコースターに乗り込む。 &amp;br()最初は余裕の表情を見せていた梓だったが &amp;br()次第に顔を青くさせ &amp;br()一周する頃には涙目になっていた。 &amp;br()}
:35. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:29:38.42 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){唯「あずにゃん、大丈夫？」 &amp;br() &amp;br()梓「ぜんぜん･･･平気です･･･」 &amp;br() &amp;br()無理をしているのは明らかだったが &amp;br()そんな梓に悪戯心が芽生えた唯は &amp;br()次から次へと絶叫マシンに梓を誘っていった。 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩･･･もう、限界です･･･」 &amp;br() &amp;br()流石に参ったといった表情の梓に &amp;br()唯は休憩しようと言ってベンチで休むことにした。 &amp;br() &amp;br()唯「ほい、あずにゃん」 &amp;br() &amp;br()唯は梓に売店で買ってきた飲み物を渡すと &amp;br()隣に腰掛けた。 &amp;br() &amp;br()梓「ありがとうございます」 &amp;br() &amp;br()唯「ごめんね」 &amp;br() &amp;br()梓「いえ、その･･･楽しかったですよ」 &amp;br() &amp;br()唯「ホントに？」 &amp;br() &amp;br()梓「はい、先輩と一緒なら」 &amp;br() &amp;br()}
:36. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:32:27.68 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){梓は今言った言葉が急に恥ずかしくなって &amp;br()顔を赤らめて外方を向いた。 &amp;br()唯はそんな梓の顔を覗き込んで、どうしたの？ &amp;br()と悪戯っぽい笑顔で言った。 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩は意地悪です」 &amp;br() &amp;br()梓は呟くように言った。 &amp;br() &amp;br()それからは、木陰で二人肩を並べて憂に作ってもらったお弁当を食べた。 &amp;br()食後にはアイスを舐め、 &amp;br()流石に胃に食べ物を詰めた状態では絶叫マシンは乗れないだろうと &amp;br()お化け屋敷やコーヒーカップなど緩めのアトラクションを満喫した。 &amp;br() &amp;br()陽が西に沈み始め、空を茜色に染め上げた頃 &amp;br()最後にと、梓は観覧車に唯を誘った。 &amp;br() &amp;br()梓と唯は観覧車のゴンドラに向かい合って座る。 &amp;br()ゆっくりとゴンドラが上昇する。 &amp;br()唯は首を捻って静かに窓の外を眺めていた。 &amp;br()梓はその横顔を、唯が今何を思っているのか考えながら見つめていた。 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩、シンガポール・フライヤーって知ってますか？」 &amp;br() &amp;br()唯は窓の外を見つめたまま首を横に振る。 &amp;br() &amp;br()梓「世界最大の観覧車なんですって。高さ１６５ｍで一周するのに３０分掛かるらしいです」 &amp;br() &amp;br()梓「定員も２８人で、貸切で結婚式とかパーティーなんかも出来るらしいですよ」 &amp;br()}
:37. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:35:38.94 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){梓「ライブなんかも出来ちゃったりするんですかね」 &amp;br() &amp;br()唯は梓に顔を向けると微笑んで言った。 &amp;br() &amp;br()唯「観覧車でライブかぁ〜。楽しそうだね」 &amp;br() &amp;br()梓は唯に本気とも冗談とも知れない言葉を返した。 &amp;br() &amp;br()梓「いつか、やってみたいと思いませんか？」 &amp;br() &amp;br()唯「うんっ！やろうよっ観覧車でライブっ！」 &amp;br() &amp;br()唯は満面に笑みを湛えて言った。 &amp;br()ゴンドラが頂上に達し、窓からは赤く染まった夕陽が差し込んで &amp;br()唯の笑顔を眩しく輝かせていた。 &amp;br() &amp;br()その幻想的な光景に梓は思わず涙を流した。 &amp;br() &amp;br()──唯先輩なら、唯先輩となら、どこまでも行けそうな気がする。 &amp;br()確信に近い思いが梓の中にはあった。 &amp;br() &amp;br()二人はゴンドラが降りるまで &amp;br()窓に顔をくっつけるように外の景色を眺めながら &amp;br()他愛も無い会話を交わした。 &amp;br() &amp;br()観覧車を降りると、 &amp;br()唯は、楽しかったね──と言って梓の手を握った。 &amp;br()初めは照れくさそうにしていた梓も唯の手を握り返し &amp;br()二人は遊園地を後にした。 &amp;br()}
:39. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:39:18.61 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){バスを降りてから &amp;br()唯と梓は二人手を繋ぎながら暫く歩いた。 &amp;br()二人の家は近所というほどでもなかったが向かう方角は同じだった。 &amp;br() &amp;br()唯は梓の手の温もりを感じながら &amp;br()今日の事を思い返していた。 &amp;br()楽しかった──本当に楽しかった。 &amp;br()──そうだ、今日の事もちゃんと日記に書かないと &amp;br()そんなことを考えていると妙な耳鳴りを感じ &amp;br()次の瞬間には意識が途切れた。 &amp;br() &amp;br()────･･････ &amp;br() &amp;br()}
:40. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:43:08.81 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){･･････──── &amp;br() &amp;br()唯の目の前には涙を流した梓の顔があった。 &amp;br()何かあったのか？ &amp;br()唯は例の症状がまた表れたのだとわかった。 &amp;br()唯に顔を近づけて泣いている梓。 &amp;br()自分が何かしてしまったのだろうか &amp;br()傷つけるようなことでも言ったのか &amp;br()唯は不安になる。 &amp;br() &amp;br()唯「あ、あずにゃん･･･」 &amp;br() &amp;br()梓は涙を拭うと微笑んで言った。 &amp;br() &amp;br()梓「何でも無いです。何でも」 &amp;br() &amp;br()唯「で、でも･･･」 &amp;br() &amp;br()梓「心配ないですよ。唯先輩は私を傷つけるようなことはしてませんから」 &amp;br() &amp;br()その言葉に唯は安堵したが &amp;br()意識のない間自分が何をしたのか気になって仕方が無かった。 &amp;br()唯は梓に直接聞いてみようとも考えたが &amp;br()結局言い出せずにその日はそこで別れた。 &amp;br()}
:41. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:47:15.13 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){唯は梓と遊園地へ行った帰りの出来事から &amp;br()梓との関係が壊れてしまうのでないかと心配していたが &amp;br()普段どおり接してくれる梓を見て &amp;br()それが思い過ごしであるとわかった。 &amp;br() &amp;br()それからは、唯はその時のことを忘れて &amp;br()何時も通り梓と接することにした。 &amp;br()抱きついたりと過度なスキンシップを取る唯に &amp;br()梓も照れながら嬉しそうな表情を向けてきた。 &amp;br() &amp;br()秋が終わり肌寒さを感じる季節。 &amp;br()授業が終わり、放課後 &amp;br()唯は軽音部の部室へと足を踏み入れた。 &amp;br() &amp;br()途端に意識が途切れた。 &amp;br() &amp;br()────･･････ &amp;br()}
:43. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:50:51.14 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){･･････──── &amp;br() &amp;br()入り口で暫く立ち止まったままの唯を &amp;br()皆は不思議そうな目で見ていた。 &amp;br() &amp;br()唯「ご、ごめん･･･私なにか言ったかな？」 &amp;br() &amp;br()律「いや、ただぼーっと突っ立ってこっち見てただけだけど」 &amp;br() &amp;br()澪「唯、何かあったのか？」 &amp;br() &amp;br()唯は頭を振って答えた。 &amp;br() &amp;br()唯「ううん。なんでもない」 &amp;br() &amp;br()紬「いま、お茶淹れますから。唯ちゃんも座って」 &amp;br() &amp;br()紬に促されて唯は椅子に座る。 &amp;br()──まただ。 &amp;br()唯は医者の言い付け通り、毎日日記を付けていたが &amp;br()症状が改善される様子は無い。 &amp;br()特に酷くなっている訳でもないが &amp;br()突然、意識が途絶えるのは不安でしかない。 &amp;br() &amp;br()その不安に促されるように唯はその場で今日の日記を付け始めた。 &amp;br() &amp;br()律「唯、何書いてるんだ？」 &amp;br() &amp;br()唯「日記だよ」 &amp;br()}
:44. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:53:45.16 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){律「なんだ、珍しいな」 &amp;br() &amp;br()唯「そうかな？」 &amp;br() &amp;br()梓「でも、何で今書いてるんですか？」 &amp;br() &amp;br()唯「う〜ん。何となく今書かなきゃいけないような気がして」 &amp;br() &amp;br()梓「変なの」 &amp;br() &amp;br()唯は先ほど部室の扉を開けたところで &amp;br()記憶が途切れた事を書き記すと筆を置いて &amp;br()紅茶を一口すすった。 &amp;br() &amp;br()律「それにしても今日は冷えるな」 &amp;br() &amp;br()梓「律先輩、そんなこと言って練習サボりたいだけじゃないんですか？」 &amp;br() &amp;br()律「そ、そんなこと無いぞ」 &amp;br() &amp;br()梓「本当ですかぁ？」 &amp;br() &amp;br()唯「やろうよっ練習」 &amp;br() &amp;br()唯の言葉に誰もが驚いた表情を見せた。 &amp;br() &amp;br()律「唯、お前本当に今日は何かあったのか？」 &amp;br() &amp;br()澪「そうだな。唯にしては珍しい」 &amp;br()}
:45. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:56:06.30 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){梓「唯先輩、変なものでも食べたんですか？」 &amp;br() &amp;br()紬「まぁまぁ、練習したいなんて良いことじゃないですか」 &amp;br() &amp;br()律「そうだな。よし、やるかっ」 &amp;br() &amp;br()全員が立ち上がり練習を始めようとしたところで &amp;br()顧問の山中さわ子が扉を開けて入ってきた。 &amp;br() &amp;br()さわ子「ちょりーっす」 &amp;br() &amp;br()間の悪さに溜息を吐いて律は言った。 &amp;br() &amp;br()律「さわちゃん。私達これから練習するんで」 &amp;br() &amp;br()さわ子「え〜っ！お茶は？ケーキは？」 &amp;br() &amp;br()紬「後で淹れてあげますから」 &amp;br()}
:48. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 20:59:05.70 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){紬は困惑顔でさわ子を宥めようとするも &amp;br()子供のように駄々をこね始めたさわ子を &amp;br()律はしょうがないと云った表情で見つめる。 &amp;br() &amp;br()律「むぎ、とりあえずさわちゃんにお茶淹れてあげて」 &amp;br() &amp;br()さわ子「あ、ありがとぉ〜」 &amp;br() &amp;br()さわ子は目に涙を浮かべて感謝の言葉を口にした。 &amp;br() &amp;br()律「何も泣くことはないだろ」 &amp;br() &amp;br()紬「そうだわ、ついでに私達の演奏も聞いてもらえませんか？」 &amp;br() &amp;br()さわ子「うん、聞く聞く」 &amp;br() &amp;br()律「変わり身はえぇな〜」 &amp;br() &amp;br()紬はさわ子に紅茶を淹れると &amp;br()キーボードの前に立ち、律に目配せする。 &amp;br()律はそれに頷いてスティックを打ち鳴らす。 &amp;br() &amp;br()律「ワン！ツー！スリー！」 &amp;br() &amp;br()────･･････ &amp;br()}
:49. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:03:23.88 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){･･････──── &amp;br() &amp;br()演奏を終えた後、唯は自分が息を切らしていることに気づいた。 &amp;br()先ほどの演奏の記憶が抜け落ちていることは理解できていた。 &amp;br()しかし、記憶が途切れたことによる不安よりも &amp;br()自分の中にある達成感に喜びを感じていた。 &amp;br() &amp;br()素晴らしく気分がいい。 &amp;br()ライブを終えた後のような感動が胸の裡を震わせていた。 &amp;br() &amp;br()みんなの顔を見る。 &amp;br()一様に驚いた表情を唯に向けていた。 &amp;br() &amp;br()澪「唯･･･すごく･･･良い」 &amp;br() &amp;br()梓「唯先輩！凄いですっ！どうしたんですか！？」 &amp;br() &amp;br()紬「本当、なんだか感動しちゃいました」 &amp;br() &amp;br()律「最高だったぞ、唯っ！」 &amp;br() &amp;br()唯はさわ子に視線を移す。 &amp;br()さわ子はケーキにフォークを刺したまま固まっている。 &amp;br()何かを言いたそうに口をぱくぱくとしているが &amp;br()上手く声にならない様子だった。 &amp;br() &amp;br()さわ子は声を出せない歯がゆさから &amp;br()目に涙を浮かべると &amp;br()何も言わずに、大きく頷いた。 &amp;br()何度も何度も。 &amp;br()}
:50. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:06:59.82 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){律「泣くほど良い演奏だったってことだな」 &amp;br() &amp;br()律がからかうように言うと &amp;br()さわ子も悔しかったのか &amp;br()ケーキが涙が出るほど美味しかったのよ──と判りやすい嘘を吐いた。 &amp;br() &amp;br()その後は結局練習にならなかった。 &amp;br()誰もが、演奏の余韻に浸って居たかったのだろう &amp;br()椅子に座って物思いに耽るように &amp;br()繰り返し繰り返し先ほどの演奏を頭の中で再生していた。 &amp;br() &amp;br()唯はただ、高鳴る胸の鼓動に耳を傾けて &amp;br()言いようの無い胸の裡から溢れる感動を &amp;br()噛み締めていた。 &amp;br() &amp;br()唯が壁掛け時計に目をやると &amp;br()あれから大分時間が経っていたことがわかった。 &amp;br()律も唯の視線の先を追って時計を見やる。 &amp;br() &amp;br()律「そろそろ、帰るか」 &amp;br() &amp;br()皆は熱に浮かされたようにぼうっとしていたが &amp;br()そろそろと立ち上がり帰り支度を始めた。 &amp;br() &amp;br()唯「ねぇ、帰りにアイス食べていこうよ」 &amp;br() &amp;br()律「ああ、いいぞ」 &amp;br() &amp;br()澪「そうだな」 &amp;br()}
:51. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:10:23.18 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){紬「偶にはいいかもしれませんね」 &amp;br() &amp;br()唯「あずにゃんも一緒に行こう？」 &amp;br() &amp;br()梓「はい、いいですよ」 &amp;br() &amp;br()５人はそろって、唯の行きつけの店でアイスを食べた。 &amp;br()決して特別なことでは無かった。 &amp;br()月に何度かは５人そろって、同じようにアイスを食べに来る事があった。 &amp;br()普通のことだった。日常の風景だった。 &amp;br()変わらぬ日常の──。 &amp;br() &amp;br()そこからの帰り道。 &amp;br() &amp;br()梓は買い物があるといって商店街の方へ向かうために &amp;br()横断歩道を渡る。 &amp;br() &amp;br()梓が皆に向かって手を振っている。 &amp;br() &amp;br()唯も手を振り返す。 &amp;br() &amp;br()梓が笑う。 &amp;br() &amp;br()唯も笑い返した。 &amp;br() &amp;br()歩行者用の青信号が点滅を始めた。 &amp;br() &amp;br()突然、けたたましいクラクションの音が鳴り響いた。 &amp;br() &amp;br()────･･････ &amp;br()}
:52. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:14:32.70 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){･･････──── &amp;br() &amp;br()鮮血がアスファルトを赤く染め上げていた。 &amp;br()その上に横たわっているものが何なのか &amp;br()誰の目にも明らかだったろう。 &amp;br() &amp;br()──死体。 &amp;br() &amp;br()腕は拉げ（ひしゃ・げ） &amp;br()筋肉と白い骨が剥き出し &amp;br() &amp;br()脚は皮膚が捲れ上がって &amp;br()襤褸切れのように垂れ下がり &amp;br() &amp;br()腹部は裂け &amp;br()大小の臓器がはみ出し &amp;br() &amp;br()首は在らぬ方へ向き &amp;br()頚骨が皮膚を突き破っていた。 &amp;br() &amp;br()辺りには黄色い脂肪と &amp;br()ピンク色の肉片が吐瀉物のように &amp;br()撒き散らかっている。 &amp;br() &amp;br()あれは何だ？ &amp;br()あれは人間なのか？ &amp;br()死体だ。 &amp;br()死体だ。 &amp;br()死んでいる。人間だ。 &amp;br()}
:53. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:19:44.43 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){そう言えば先ほどから梓の姿が見えないと &amp;br()唯は辺りを見回す。 &amp;br() &amp;br()さっきまで一緒に居たはずだった。 &amp;br() &amp;br()──あずにゃん、どこ行ったのかな？ &amp;br() &amp;br()──あぁ･･･帰ったんだっけ？ &amp;br() &amp;br()唯は澪を見る。 &amp;br() &amp;br()澪は寝ていた。 &amp;br()──澪ちゃん、道端で寝てると危ないよ。 &amp;br()唯は声を掛けたつもりだったが &amp;br()奥歯を強く噛み締めていて口を開くことすらできなかった。 &amp;br() &amp;br()紬を見る。 &amp;br() &amp;br()紬は携帯電話に向かって何かを必死に伝えようとしている。 &amp;br()──むぎちゃん、何かあったの？ &amp;br()矢張り声にはならなかった。 &amp;br() &amp;br()律を見る。 &amp;br() &amp;br()泣いていた。 &amp;br()泣きながら何かを叫んでいる。 &amp;br() &amp;br()･････さ･･！ &amp;br() &amp;br()──聞こえない。 &amp;br()}
:56. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:24:04.96 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){あ･･･さっ！ &amp;br() &amp;br()──いやだっ聞きたくない！ &amp;br() &amp;br()あずさっ！ &amp;br() &amp;br()──違うっ！違う違う違うっ！ &amp;br() &amp;br()律「あずさっ！梓あぁっ！」 &amp;br() &amp;br()唯は道路に転がる死体に目を移す。 &amp;br() &amp;br()唯「違うよ･･･違うよ。何言ってるの？あれは･･･」 &amp;br() &amp;br()死体に焦点を合わせようとするが &amp;br()一向に視界はぼやけたままだった。 &amp;br() &amp;br()それが涙だとは気づけずにいる唯だったが袖で目を擦ると、 &amp;br()一瞬ではあったがはっきりと見て取ることが出来た。 &amp;br() &amp;br()梓の顔──赤く染まった顔を &amp;br()艶やかな髪──どす黒い粘液に塗れた髪を &amp;br()黒く澄んだ瞳──白く濁った瞳を &amp;br()柔らかかった頬──擦り切れて奥歯がむき出しになった頬を &amp;br() &amp;br()唯は一歩、また一歩と、震える脚を引き摺るようにして &amp;br()死体に──梓に近づいていく。 &amp;br()}
:57. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:26:44.79 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){唯は血溜りに膝を付き &amp;br()梓を抱いた。 &amp;br()生暖かな液体が &amp;br()唯の脚を、腕を、体を、顔を濡らしていた。 &amp;br() &amp;br()涙が止め処無く零れ落ちる。 &amp;br() &amp;br()声を上げようとするが &amp;br()嗚咽が漏れるだけだった。 &amp;br() &amp;br()叫びたかった。 &amp;br()胸の裡に湧き上がる絶望を吐き出したい。 &amp;br()ここで呑み込んでしまったら &amp;br()きっと心が壊れてしまう。 &amp;br() &amp;br()だから──今。 &amp;br() &amp;br()唯は大きく息を吸った。 &amp;br() &amp;br()唯「いやぁぁああああああああああああああああっ！！」 &amp;br() &amp;br()叫んだ、何度も何度も何度も。 &amp;br()梓の名前を呼んだ。 &amp;br()助けて！──と無駄な言葉も吐いた。 &amp;br()何でもよかった。 &amp;br()兎に角叫んだ。 &amp;br()喉が枯れるまで。 &amp;br()声が出なくなるまで。 &amp;br() &amp;br()意識が、途絶えるまで。 &amp;br()}
:60. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:30:32.04 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){※ &amp;br()目を覚ましたとき、唯は病院のベッドの上に居た。 &amp;br()何も考えることが出来なかった。 &amp;br()両親と憂が見舞いに来たときも、 &amp;br()幼馴染の真鍋和が見舞いに来たときも &amp;br()一様に悲しそうな表情を向けてくるが &amp;br()何も感じなかったし、相手の言葉も聞こえなかった。 &amp;br() &amp;br()ただ、日記だけは自然と付けていた。 &amp;br()あの日のことも書いた。 &amp;br()涙を流しながら。 &amp;br()それでも悲しいという感情は抱かなかった。 &amp;br()何も考えていなくても涙は自然と溢れた。 &amp;br() &amp;br()それからの唯は塞ぎこむような毎日を送っていた。 &amp;br()空虚な日々を、霞掛かった日常を、ただ漠然と流されるように。 &amp;br() &amp;br()退院後は学校へ毎日通っているものの &amp;br()授業中に突然泣き出したり、叫び声を上げたりと &amp;br()酷く取り乱すことが頻繁にあった。 &amp;br() &amp;br()}
:61. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:32:28.61 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){心配した学校側はスクールカウンセラーを招致して &amp;br()事故現場に居合わせた軽音部一同の心のケアに尽力した。 &amp;br() &amp;br()和も唯を心配して、心の支えになればと、 &amp;br()多くの時間を唯と共に過ごした。 &amp;br() &amp;br()他の軽音部のメンバーがどうなっているのか &amp;br()唯は気に留めることは無かった。 &amp;br()同じクラスの紬は長い間欠席していたような気がする。 &amp;br()律は毎日登校していたようだったが、 &amp;br()唯と同じように塞ぎこんでいた。 &amp;br()澪とは廊下ですれ違ったことはあったが &amp;br()互いに声を掛けることはしなかった。 &amp;br() &amp;br()それぞれ、何を思い、どれほど苦しんでいるのか &amp;br()今の唯には関係のないことだった。 &amp;br()}
:63. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:35:20.31 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){年が明け春になっても部室に &amp;br()軽音部のメンバーが揃う事は無かった。 &amp;br() &amp;br()それでも、唯は次第に心を取り戻し &amp;br()少しずつではあるが、 &amp;br()梓の死に向き合えるようになってきた。 &amp;br() &amp;br()紬は、冬の間保健室登校を続けて &amp;br()そこで一人授業で出された課題などをこなしていた。 &amp;br()テストも別室で受けて &amp;br()学力的には問題が無いため進級することができた。 &amp;br() &amp;br()律も唯と同じように順調に心の傷は癒えていった。 &amp;br()寧ろ、律の方が快復は早かったかもしれない。 &amp;br()春には今まで通り元気に学校へ通っているし、 &amp;br()唯とも自然に会話を交わすようになってきた。 &amp;br() &amp;br()澪は事故の直後に気絶して &amp;br()精神的なダメージは一番少なかったが &amp;br()梓の死を受け入れられず、 &amp;br()未だに他者と会話を交わすことが出来ないで居た。 &amp;br() &amp;br()さわ子や和、憂も不安を隠しきれずに居たが &amp;br()時間が解決してくれると信じて皆の様子を暖かく見守っていた。 &amp;br()}
:67. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:38:06.64 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){夏を迎える頃には &amp;br()軽音部のメンバーに笑顔が戻ってきていた。 &amp;br() &amp;br()皆は互いに言葉を交わし &amp;br()笑いあい、時に喧嘩をすることもあった。 &amp;br()心の傷は深刻だったが &amp;br()誰もがこのままではいけないと思い始めたのだろう。 &amp;br() &amp;br()進路も決まり、それぞれがそれぞれの道へ進む決意をしていた。 &amp;br() &amp;br()澪は推薦で音大への進学を希望していた。 &amp;br()推薦状を書いてもらうにあたり出席日数を心配していたが &amp;br()事故後の欠席は公欠扱いとなり &amp;br()晴れて推薦状を書いてもらえる運びとなった。 &amp;br() &amp;br()唯も澪と同じ音大へと進むために &amp;br()日々受験勉強に勤しんでいる。 &amp;br() &amp;br()紬は、希望の女子大へ進むため &amp;br()唯と同じく受験勉強中である。 &amp;br() &amp;br()律は早々に就職して社会人になりたがっていたが &amp;br()目ぼしい就職先は見つからず &amp;br()専門学校へ二年間通った後に &amp;br()改めて就職口を探すと意気込んでいた。 &amp;br()}
:69. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:40:20.21 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){誰もが大人になろうとしていた。 &amp;br()しかし、誰もが何かを置き去りにしようとしていることに &amp;br()薄々勘付いてはいたのだった。 &amp;br() &amp;br()これでいいのか？ &amp;br()このままでいいのか？ &amp;br()その葛藤が常に彼女達の頭の中で渦巻いていた。 &amp;br() &amp;br()夏休みを迎えようとしていたある日のこと。 &amp;br()律は、けじめをつけよう──と言って軽音部のメンバーを部室へ集めた。 &amp;br()拒否する者は居なかった。 &amp;br()皆、同じ気持ちだった。 &amp;br()同じ思いで今まで時を過ごしてきた。 &amp;br() &amp;br()律「率直に言うぞ。軽音部、どうする？」 &amp;br() &amp;br()暫しの沈黙の後、澪が口を開いた。 &amp;br() &amp;br()澪「私は、諦め切れない。もちろん、皆の気持ちを優先するよ」 &amp;br() &amp;br()律「むぎはどうだ？」 &amp;br() &amp;br()紬「私は･･･申し訳ないけど･･･」 &amp;br() &amp;br()律「わかった。唯は？」 &amp;br() &amp;br()唯「私は、私はね──」 &amp;br() &amp;br()────･･････ &amp;br()}
:71. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:41:48.87 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){･･････──── &amp;br() &amp;br()唯は息を呑んだ。 &amp;br()以前にもまして長い間意識が途絶えていたらしい。 &amp;br() &amp;br()恐る恐るみんなの顔を見る。 &amp;br()紬は涙を浮かべていた。 &amp;br()澪は目を伏せて、ほんの少し笑みを零していた。 &amp;br()律は嬉しそうな顔で机に身を乗り出していた。 &amp;br() &amp;br()律「唯っ！澪っ！むぎっ！」 &amp;br() &amp;br()三人は律に目を向ける。 &amp;br() &amp;br()律「軽音部──復活だなっ！」 &amp;br() &amp;br()唯は自分が何かを言ったらしいことは理解できた。 &amp;br()そしてそれはきっと自分の望む言葉だったに違いない。 &amp;br()結局何を言ったか聞き出すことはしなかったけれど &amp;br()軽音部の復活に胸を躍らせていた。 &amp;br() &amp;br()夏休みに入ると、受験勉強と &amp;br()最後の学園祭ライブへ向けての練習のため &amp;br()軽音部のメンバーは毎日部室に集まっていた。 &amp;br() &amp;br()あの幸せだった毎日を取り戻したように思えた。 &amp;br()}
:73. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:43:52.70 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){そんな中で時々梓のことを口にすることもあった。 &amp;br()悲しみの表情を見せる者もいたが &amp;br()学園祭ライブを成功させることが &amp;br()梓への弔いとなるのだと &amp;br()皆は必死に練習した。 &amp;br() &amp;br()紬は新しい曲を作り &amp;br()澪は梓への軽音部全員の気持ちを歌詞に認めた。 &amp;br()澪にしては珍しく、 &amp;br()とても儚げで、それでいて希望に満ち溢れた歌詞だった。 &amp;br() &amp;br()学園祭当日。 &amp;br()午後から行われた軽音部のライブは観客の涙を誘った。 &amp;br() &amp;br()最後の曲。 &amp;br()梓に向けたその曲の前に &amp;br()軽音部一人一人が梓への思いを壇上で語った。 &amp;br() &amp;br()ありきたりな言葉を繋ぎ合わせただけの &amp;br()拙いものだったが、 &amp;br()有り余る思いが込められた言葉だった。 &amp;br()}
:75. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:46:06.62 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){演奏が始まると &amp;br()皆は思い思いに楽器を奏でた。 &amp;br()とても自由な演奏だったけれども &amp;br()決してバラバラではなかった。 &amp;br()軽音部の強い絆がその演奏には込められていた。 &amp;br() &amp;br()澪も唯も堪え切れない感情に声を震わせながら歌った。 &amp;br() &amp;br()皆が涙を流していた。 &amp;br()涙を流しながらも楽しそうに、嬉しそうに &amp;br()梓と過ごした時の思い出を &amp;br()音に変え、響きに変え、声に変え、 &amp;br()講堂にいる全員にその思いを伝えた。 &amp;br() &amp;br()最高のライブだった。 &amp;br()}
:78. &amp;aa2(#008000){以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします} 2009/08/23(日) 21:47:10.97 ID:bkI1IzjZ0|&amp;aa2(c){ライブを終えた後の皆は &amp;br()清々しい表情をしていた。 &amp;br() &amp;br()もう、何も思い残すことは無いと &amp;br()漸く、区切りをつけることができた。 &amp;br() &amp;br()皆はそれぞれの道へ向かう。 &amp;br() &amp;br()推薦入試を受けた澪は一足早く合格の報せを受けた。 &amp;br()唯、紬、律の三人も合格発表まで不安な毎日を送っていたが &amp;br()無事合格することができ安堵していた。 &amp;br() &amp;br()その後は合格祝いにと &amp;br()軽音部の四人と和、憂、さわ子が集まり &amp;br()ささやかなパーティーを軽音部の部室で行った。 &amp;br() &amp;br()和「それにしても、唯が大学生かぁ。なんか思ってもなかったわ」 &amp;br() &amp;br()唯「むっ。酷いよ和ちゃん。私だってやるときはやるんだから」 &amp;br() &amp;br()和「そうね。ごめんごめん。澪と一緒の大学だっけ？」 &amp;br() &amp;br()澪「ああ、自宅からじゃ通うのは難しいだろうから、 &amp;br()　　唯とアパート一緒に借りて住もうかって話なんだ」 &amp;br() &amp;br()律「お二人さん、同棲ですかぁ？」 &amp;br() &amp;br()澪「馬鹿っ。んなわけあるかっ」 &amp;br()}    </description>
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