「くそっ・・・・・・力が全部戻ってればこんなことくらいで息が切れることなんてないのに・・・・・・!!」 やはり無理をしたせいか、俺は再び床に膝をついてしまった。息も荒くなってしまう。そんな俺にルークが近づく。 「アリウス、大丈夫か・・・・・・?」 「やっぱり無理しないほうがよかったんじゃ・・・・・・」 「ん・・・・・・そういうわけにはいかないだろ?あのままじゃどうせ終わりだったし、早くアルルの力も取り戻さなきゃならない。だったら、これくらい耐えるしかないんだ。」 「アリウス・・・・・・ありがとう・・・・・・」 「行こうぜ二人とも。多分だけど、この先に炎の力がある。この道の先に強い魔力を感じるんだ」 「無茶するんじゃねえぞ、アリウス」 「ああ、ありがとう。もう大丈夫だよ」 そして、俺達は通路を進んでいった。すると、風の洞窟のように大きな扉があった。 「これって・・・・・・」 「ああ、あのときのと同じ扉だな。んじゃ、ここの奥に炎の力があるってのは間違いなさそうだ」 「・・・・・・?二人はこの扉を前にも見たことあるの?」 「風の力を手に入れるときにもあったんだよ、この扉。その後、風の龍と戦った。俺は気絶しちまってたけどな」 「とにかく行こう。早くここから抜け出さないとな」 俺達は扉を開けた。すると、かなり大きな部屋な部屋に出た。さっきの部屋のように、足元は金網が張っている。ただし、さっきの大部屋のようにどこにも大穴は開いていない。 「・・・・・・どういうことだ?何もいないぞ・・・・・・」 俺達は辺りを見回してみたが、そこには何もいなかった。 「まさか・・・・・・行き止まりか?」 「もうトラブルには慣れたさ・・・・・・。戻って別の道を探そうぜ」 ・・・・・・・ギャアアーーーッッ・・・・・・ 「・・・・・・?ちょっと待って、何か聞こえるよ!」 「なんだ?これ・・・・・・鳴き声・・・・・・か?」 その途端、部屋を出ようとした俺達の背後から何かの物音がしたかと思うと、さっきの鳴き声が部屋中に響いた。 「・・・・・・・後ろか!!アリウス、敵だ!!」 「・・・・・・まさか、これが炎の力なのか・・・・・・?」 「多分・・・・・・。私の力は形がないからわからないけど・・・・・・!!」 炎の力と思われるそれは、大きな鳥の形をしていた。また大きく一鳴きしたかと思えば、炎の鳥はこちらへ向かって飛んできた。 「来たぞ!二人とも避けるんだ!!」 #comment [[17話]]へ戻る [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る