「そろそろ明るくなってきたな・・・・・・。アルル、起きろ~」 「う~ん・・・・・・。おはよう、二人とも。二人ともずいぶん早いんだね・・・・・・」 「あ、ああ。まあな・・・・・・」 俺達二人は寝ていないのだが、アルルに心配をかけたくなかったので俺は黙っておくことにした。 「さて、そろそろ行こうぜ。今からなら昼前には船着場には着けるだろうし」 カプセルに荷物を収めたルークが言った。 結局その後も何度か魔物に遭遇し戦うはめになったが、なんとか船着場に辿り着くことができた。俺達は船に乗り込み、空いていた席に座った。 「やっと乗れたな~。これで一息つけるぜ」 「ここからアクアリアまではだいたい4,5時間くらいで着くから、それまではゆっくりできるな。少しくらい観光気分になってもいいんじゃないか?」 「へえ・・・・・・結構時間かかるんだな。俺はここでゆっくりしてるよ」 「私は甲板のほうに行ってみるね。ちょっと色々見てみたいの」 「んじゃアリウス、俺もちょっと移動してくるよ。外の空気が吸いたいんだ」 ということで、俺達はそれぞれ別行動をとることにした。 「ふう・・・・・・何事もなく着けばいいけどな・・・・・・」 船の手すりにもたれかかり、軽くため息をつく。コツコツと足音が響き、横目で見るとアルルがそこにいた。 「あの、ルーク・・・・・・ちょっと話が・・・・・・」 「ん?どうしたアルル、いきなり」 「・・・・・・昨日、起きてたでしょ。アリウス」 「!・・・・・・気づいてたのか?」 「うん・・・・・・。偶然目が覚めちゃったときにね、二人が話してるの聞いちゃったから。心配かけるわけにもいかないから、そのまま私はもう一度寝たんだけどね」 「そっか・・・・・・。あ、でもアリウスはアルルのことを心配してわざとこっそり起きてたんだ。あいつを責めないでやってくれないか?」 「うん・・・・・・知ってる。アリウスの性格はよく分かってるもん」 「アリウスのことは何でもお見通しってか?お熱いねえ」 「そこまで言わないけど・・・・・・。でも、少し不安なんだ。彼、とっても優しいでしょ?元の世界でも私のこと、ずっと守ってくれたんだ。 でも、それは私が危なっかしいだけだから傍にいてくれるだけなんじゃないかって。本当に私のことを好きでいてくれているのかって・・・・・・」 「・・・・・・・それで、アルルはアリウスにどうされたいって思ってるんだ?」 「ずっと・・・・・・一緒にいたい。私はアリウスのこと大好きだもん」 「その気持ちは多分アリウスにも届いていると思うぜ。昨日起きてたのだって、アルルを守るために起きてるって言ってたしな」 「そうだと・・・・・・いいんだけど・・・・・・」 アルルが落ち込んでしまった。それっきりアルルも俺も言葉を失ってしまう。 「・・・・・・」 (会話が・・・・・・。こういうときにはなんて言ってやればいいんだろうか・・・・・・) と考えていたその時だった。 ダァン!! 激しい銃声が船内から聞こえてきた。