13話

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 ルークは風を宿した剣を握り、再びゴーレムに向かって剣を振った。その瞬間、俺は風の力を使った。すると洞窟内に風が乱れ飛び、ルークの剣を覆った。 「風に触れるは全て砕けし物となれ、風化の風!!」 「ここに今ありし風の力を斬撃と変えよ、斬翔連撃(ザンショウレンゲキ)!!」 ルークはゴーレムに切りかかった。すると、あれだけ硬かったゴーレムの体がいとも簡単に切れ、切った部分が砂となってゴーレムは崩れていった。 『なるほど・・・・・・風化とはよく考えたものだな』 「風で起こせる自然現象を意図的に引き起こしただけさ。結構簡単だったぜ?」 ルークはゴーレムの体を横切り、台座の上の箱を開けた。そして、なにやらルーペのようなものを取り出し、しっかりと握り締めた。 「あれは・・・・・・まさしく例の魔具じゃ。よくあのゴーレムを倒したものじゃな」 「だから言ったろ?俺達の仲間をなめるな、ってさ」 「ルークはとっても強いんだね、アリウス。私、ルークが死んじゃうんじゃないかと思ったよ・・・・・・」 「俺もそう思ってたかもしれないけどな。今はそんな不安は全然ないよ」  俺とアルルはルークが帰ってくるのを待った。そして数分後、ルークが城の中に戻って来た。 「この道具でしょう?洞窟の最奥部でこれを見つけました」 「うむ。確かに。では・・・・・・誰か、その娘を解放せよ」 俺達は驚いた。まだ国王はあの魔具を使ってはいなかったからだ。 「国王様、まだその魔具を使っておられないのに、よいのですか?」 ルークが国王に疑問を話した。すると国王はにっこりと笑ってこう話した。 「お主たちの絆は十分見せてもらった。もう、これを使わずともその娘の心の美しさはわかっておる。・・・・・・ほれ、とても澄んだ心を持っておるではないか」 そう国王がルーペでアルルを覗きながら言うと同時に、アルルは檻から開放された。 「アルル、よかったな。ルークもありがとう」 「うん、ありがとう。ルークのおかげだよ」 「俺だけじゃないさ。あの時はアリウスに手伝ってもらったしな」 お互い礼を言い合い、癒しの風でルークの傷を回復し、俺達は城を出た。 「さて、アルルも無事開放されたことだし、これでやっと謎解きに集中できるな」  城から出た俺達は、未だにわからないミーティアさんの残した言葉の意味を三人で考えていた。 「そうだな。あの暗号の意味・・・・・・まだわかんねえや。え~っと・・・・・・なんだったっけ?あの言葉」 「『生物が目覚める朝。この地の中心にて約束を破り、家を出て行った者を待ち続ける儚き少女』だろ、ルーク」 「ああ、それだそれだ。すまないな」 「私はもうお手上げだよ・・・・・・。アリウスとルークは何かわかった?」 「俺も解読不可・・・・・・ルークは?」 「生物が目覚める朝・・・・・・朝・・・・・・?なあ、二人とも、朝で連想できる言葉って何かないか?」 「朝ぁ?うーんと、太陽、夜明け、眠い・・・・・・」 「目覚め、仕事・・・・・・あ、あと一日の始まりって意味もあるよね」 「一日の始まり・・・・・・?始まりってまさか、ここのことなんじゃないのか?」 そうルークに言われ、俺はこの街に着いたころ世話になった商人のおじさんの話を思い出した。 「ここは通称『始まりの場所』と呼ばれている国、サレッド王国だ」 「そうか・・・・・・生物が目覚める朝、それがこの場所だ!!つまり、この場所に何か暗号に関係あるんだ!」 「待ってよアリウス、まだ続きが解けてないからうかつには動けないよ。ちゃんと全部解かなきゃ」 「続きは・・・・・・家出した者を待ち続ける儚き少女ってやつか。この国の彼氏が家出したカップルの家でも探せってか?」 「それじゃあ俺達にとって重要なことってのと繋がりがないじゃないか。言ってたろ?ミーティアさんとやらが」 「家出・・・・・・いつもいた場所からいなくなるってことだよなあ・・・・・・」 そう俺がつぶやいた時、ルークがハッとした表情をしてこっちを向いた。なぜか俺をじっと見つめてくる。 「ル・・・・・・ルーク?どうした?」 #comment [[12話]]へ戻る [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る
 ルークは風を宿した剣を握り、再びゴーレムに向かって剣を振った。その瞬間、俺は風の力を使った。すると洞窟内に風が乱れ飛び、ルークの剣を覆った。 「風に触れるは全て砕けし物となれ、風化の風!!」 「ここに今ありし風の力を斬撃と変えよ、斬翔連撃(ザンショウレンゲキ)!!」 ルークはゴーレムに切りかかった。すると、あれだけ硬かったゴーレムの体がいとも簡単に切れ、切った部分が砂となってゴーレムは崩れていった。 『なるほど・・・・・・風化とはよく考えたものだな』 「風で起こせる自然現象を意図的に引き起こしただけさ。結構簡単だったぜ?」 ルークはゴーレムの体を横切り、台座の上の箱を開けた。そして、なにやらルーペのようなものを取り出し、しっかりと握り締めた。 「あれは・・・・・・まさしく例の魔具じゃ。よくあのゴーレムを倒したものじゃな」 「だから言ったろ?俺達の仲間をなめるな、ってさ」 「ルークはとっても強いんだね、アリウス。私、ルークが死んじゃうんじゃないかと思ったよ・・・・・・」 「俺もそう思ってたかもしれないけどな。今はそんな不安は全然ないよ」  俺とアルルはルークが帰ってくるのを待った。そして数分後、ルークが城の中に戻って来た。 「この道具でしょう?洞窟の最奥部でこれを見つけました」 「うむ。確かに。では・・・・・・誰か、その娘を解放せよ」 俺達は驚いた。まだ国王はあの魔具を使ってはいなかったからだ。 「国王様、まだその魔具を使っておられないのに、よいのですか?」 ルークが国王に疑問を話した。すると国王はにっこりと笑ってこう話した。 「お主たちの絆は十分見せてもらった。もう、これを使わずともその娘の心の美しさはわかっておる。・・・・・・ほれ、とても澄んだ心を持っておるではないか」 そう国王がルーペでアルルを覗きながら言うと同時に、アルルは檻から開放された。 「アルル、よかったな。ルークもありがとう」 「うん、ありがとう。ルークのおかげだよ」 「俺だけじゃないさ。あの時はアリウスに手伝ってもらったしな」 お互い礼を言い合い、癒しの風でルークの傷を回復し、俺達は城を出た。 「さて、アルルも無事開放されたことだし、これでやっと謎解きに集中できるな」  城から出た俺達は、未だにわからないミーティアさんの残した言葉の意味を三人で考えていた。 「そうだな。あの暗号の意味・・・・・・まだわかんねえや。え~っと・・・・・・なんだったっけ?あの言葉」 「『生物が目覚める朝。この地の中心にて約束を破り、家を出て行った者を待ち続ける儚き少女』だろ、ルーク」 「ああ、それだそれだ。すまないな」 「私はもうお手上げだよ・・・・・・。アリウスとルークは何かわかった?」 「俺も解読不可・・・・・・ルークは?」 「生物が目覚める朝・・・・・・朝・・・・・・?なあ、二人とも、朝で連想できる言葉って何かないか?」 「朝ぁ?うーんと、太陽、夜明け、眠い・・・・・・」 「目覚め、仕事・・・・・・あ、あと一日の始まりって意味もあるよね」 「一日の始まり・・・・・・?始まりってまさか、ここのことなんじゃないのか?」 そうルークに言われ、俺はこの街に着いたころ世話になった商人のおじさんの話を思い出した。 「ここは通称『始まりの場所』と呼ばれている国、サレッド王国だ」 「そうか・・・・・・生物が目覚める朝、それがこの場所だ!!つまり、この場所に何か暗号に関係あるんだ!」 「待ってよアリウス、まだ続きが解けてないからうかつには動けないよ。ちゃんと全部解かなきゃ」 「続きは・・・・・・家出した者を待ち続ける儚き少女ってやつか。この国の彼氏が家出したカップルの家でも探せってか?」 「それじゃあ俺達にとって重要なことってのと繋がりがないじゃないか。言ってたろ?ミーティアさんとやらが」 「家出・・・・・・いつもいた場所からいなくなるってことだよなあ・・・・・・」 そう俺がつぶやいた時、ルークがハッとした表情をしてこっちを向いた。なぜか俺をじっと見つめてくる。 「ル・・・・・・ルーク?どうした?」 #comment [[12話]]へ戻る  [[14話]]へ進む [[小説]]ページへ戻る [[トップページ]]へ戻る

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