54話

Eternal Bress 永遠に吹く風に内検索 / 「54話」で検索した結果

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  • 54話
    「決めるよ!シュート!!」 リームはカードを一枚放り上げ、人差し指と中指で俺の人形を指すと、そのカードが相手目掛けて飛んでいった。 「はああっ!」 俺もそれに合わせて両手の短剣で切りかかった。しかし、人形はあらかじめ攻撃の来る方向がわかっているかのように全ての攻撃をかわして見せる。 そして人形は大きく攻撃を空振りした俺の背中を蹴り飛ばした。 「でぇっ!?痛ってーなこの野郎!!」 「それで全部避けたつもり!?トリック!!」 リームがその隙をついてカードを引き戻すが、その攻撃も見事にかわされてしまった。 「なっ・・・・・・どうなってんだのよ、あれは」 「くそっ、あいつ『風の道』を見てやがる・・・・・・」 「風の道?なんだいそれ?」 「人や物が動くときの空気の流れを感じ取る、いわば避け専用の技だ。俺がウェンディと戦うときに使ったヤツさ」 「ああ、風の刃を避けたって言う・・...
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  • 53話
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  • 4話
    翌日、俺とルークは旅の準備を終え、サレッドの表門の前にいた。 「よし・・・・・・これで全部だな」 「アリウス・・・・・・何か忘れてないか?」 「ん?何か忘れてるっけ?」 「防具無しで行く気かよ、お前・・・・・・」 そうだった、外には魔物がいる。まだこの世界に来て1日しか経っていないため、そのことをすっかり忘れてしまっていた。 「あ・・・・・・ごめん」 「気にすんなって。買いに行こうぜ」  幸い昨日の魔物退治のときにもらったお金があるので、2人で防具を買いに行くことにした。 相変わらずにぎわいを見せる中央部。人々が活気に満ち溢れているようだ。俺達はその元気な声を聞きながら防具屋に入る。 物々しい数の防具がずらりと並ぶ。皮製の鎧から鋼鉄の鎧、ガントレットやレギンスと元の世界では到底ありえない物ばかり。 「ルークはその服・・・・・・というか鎧で行くのか?少し重そうだな・・・...
  • 14話
     「・・・・・・解けたかもしれない・・・・・・。暗号・・・・・・」 「何!?それじゃあ、わかったのか?」 「ああ・・・・・・だけどこの推理だと・・・・・・」 ルークが困ったような顔をしていると、いつものように空から声が聞こえてきた。 「三人とも、聞こえますか。私です」 「ミーティアさん!」 「お師匠様!!」 「ここは人が少ないのでここで話しても大丈夫でしょう。アリウス、おめでとうございます」 「・・・・・・?俺、何かしましたか?」 「あなたは見事暗号の条件を達成できたではありませんか。だから、おめでとうと言ったのですよ」 「へ?・・・・・・あ!じゃあ、ルークの推理が正しかったんだな!!」 「うーん・・・・・・やっぱりそうなのか・・・・・・」 「ん?どうしたんだ、ルーク」 「いや・・・・・・条件っていうのは、どうもついさっきあったあの事件のことらしいんだ」 「それ...
  • 74話
    「うーん、まさかこんなことになろうとは・・・・・・」 もうすぐあれから一時間が経とうとしている。だけど、僕は観客席には着いていない。その理由はついさっき―――― 「んで?アルルは大丈夫なのか?さっきまでリハやってたろ」 「問題ないわ。ただ、1箇所だけバランスが取れないところがあったから着替えてからあそこに衝撃緩和剤を置こうと思ってる」 「ああ、任せろ・・・・・・う~、背中がヒリヒリする。演技に支障が出たらお前のせいだからな?」 「薬の代わりにマスタードでも塗っとく?逆に気持ちが引き締まるかもよ」 「アイリィ、普通に怖いよ・・・・・・ホラ、レイリーも震えてる」 「う~ん・・・・・・あれ?ここは?」 「気がついた?今、皆のところに向かってるところよ」 「あ、うん。ごめんね、またレイリーに背負ってもらっちゃったんだ」 「バカレイリーなら隣で青い顔して震えてるわよ」 「あれ、...
  • 24話
    「はあ・・・・・・。結局野宿かあ・・・・・・」 すっかり辺りは暗くなってしまい、俺達はなるべく視界がいいところに野営の準備をしていた。 「まさかあんなに魔物が出るなんてね・・・・・・」 「俺もここまで多いとは思ってなかったんだが・・・・・・。さて、寝る準備はできたな」 そう言うとルークは何か小さいカプセルのような物を取り出し、ポイっと軽く放り投げた。 するとカプセルが開き、中から出てきたのはフライパンや鍋といった調理器具だ。 「・・・・・・!?な、なんだそのカプセルは・・・・・・?」 「ああ、そうか二人は知らないんだったな。万能携帯カプセル。いろんな物を収縮させてこのカプセルに入れることができるんだよ。 重さも収縮の度合いに比例するから軽くて便利なんだ」 「さすがに文化が進んでるだけあるね・・・・・・。私達の頃はそんなもの全く無かったもん」 「いや、これが作られたのは数...
  • 44話
    「・・・・・・ん」 ふと俺は目を覚ます。あれ・・・・・・ここはどこだろう。ぼやけた頭で記憶を辿る。 ああ、そうか・・・・・・昨日あれからまたウォーティルへ戻って、それから食事とかを終えてすぐ寝ちまった んだっけか・・・・・・。今は宿屋のベッドの中だな・・・・・・。  そう納得し、俺はまどろみに身を任せ、再び目を瞑る。 そのまま横にごろりと寝返ると、少し甘いようないい香りがした。 「・・・・・・ん?」 俺は閉じていた目を開く。ぼんやりとした視界に飛び込んできたのは・・・・・・。 「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・・」 「っ!?」 心臓がドクンと跳ねた。ちょっと待て、いったん落ち着こう。なぜアルルが俺と同じベッドで寝てるんだ? 確か昨日の夜は・・・・・・そう、ちゃんと1人1個のベッドで眠りについたはずだ。  それなのになぜ今はアルルが隣にいるんだ。 寝相で転がった?いや...
  • 34話
                                         ~視点変更―――ルーク視点―――~ 「く・・・・・・そ・・・・・・」 アリウスは床に膝をついた。自分の氷を溶かし終えたアルルがアリウスに呼びかける。 「しっかりして、アリウス!ねえ!!」 「あー・・・・・・ちょっと無理っぽいかも。アルル・・・・・・あいつを倒すには炎の力で・・・・・・俺の使・・・・・・た」 「アリウス・・・・・・アリウス!?」 ここでやっと氷を溶かした俺は、アリウスの元へ駆け寄った。 「・・・・・・大丈夫、気絶してるだけだ。だけど出血が多い、早く街に行って直さないとやばいぞ!」 「うん、わかった!」  アルルはそう言うと、氷の魔物のほうを向いて立ち上がった。 「よくも・・・・・・よくもアリウスを!もう絶対に許さない!!」 すると氷の魔物は再び壁の中に姿を消した。 「でも、どうす...
  • 64話
    港にはその日のうちに無事到着し、俺達を乗せたウインドラヴィス行きの船は出港した。 「ふう、今回は野宿しなくて済んでよかったぜ」 「今回って・・・・・・前は間に合わなかったのかい?」 「ああ、グランスタの港は街から遠いからな。そのうえ魔物が大量に出たせいで足止めを喰らったんだ」 「思い返してみれば、あれから結構経つんだね。あの頃に比べたら私もアリウスもかなり力を取り戻したよね」 「だな。俺もアルルもあと2つ、早く取り戻さねえと」 「・・・・・・」 「ん?どうしたレオン?」 「僕・・・・・・なんだか気持ち悪いです・・・・・・」 「ああ、船に酔っちまったんだね。あたしが介抱するよ」 「頼む。俺はちょっと外の空気吸ってくるわ」 「俺も付き合うよアリウス。アルルはどうする?」 「私もリームを手伝うよ。二人で行ってきて」 「了解。行くぞ、アリウス」 「あ、ああ・・・・・・」...
  • BBS-掲示板/12
    44話より -- 緒々乃レオナ 2008-10-20 20 08 04 ご無沙汰、レオナです。 1話からずっと読んでるのですが、なにせ長編だというので物語が進む までカキコせずにいました。が、かれこれ40話も突破ということで、 カキコさせて頂きます。(カキコって死語かなぁ……) さて、44話の本文から。 「そのまま横にごろりと寝返ると、少し甘いようないい香りがした」 読み進めればアルルの体臭と分かるわけですが、人間って寝てる間に ものすごく汗を掻くので、いい香りというのは少々人間離れしすぎで す;が、ここで汗臭いと書いてしまうとアルルがかわいそうです。 なのでここはアリウスがよく知っているであろうアルルの体臭をその まま表現することです。彼女の纏っているものの臭いなどですね。 自分も「美少女」を小説で書くのですが、美化するよりむしろ人間臭く したほうが、...
  • 23話
    「・・・・・・きろ・・・・・・起きろ!アリウス!!」 「う・・・・・・ん?」 昨日はあの後アルルが宿を取ってきて、そのまま俺達三人は宿屋へ向かった。そして、今は寝坊している俺を二人が起こしてくれているようだ。 「やっと起きたか。そろそろ行かなきゃ間に合わなくなるぜ」 「アリウス、眠いかもしれないけど起きて。もう行かなきゃならないの」 「ああ・・・・・・ごめん。行こう」 身支度をして、俺達はサレッドを出た。 「長旅になりそうだな。これじゃあしばらく元の世界には帰れそうもないぜ・・・・・・」 「そうかもな・・・・・・。二人とも、両親と離れ離れにされてるんだろ?」 その言葉をルークが言うと、俺達は少し苦い顔をした。 「ん?どうした?」 「・・・・・・俺達にはもう、両親がいないんだ」 「・・・・・・・」 「そんな!二人とも!?両方の親がいないだって?」 「ああ・・・・・...
  • 25話
    「そろそろ明るくなってきたな・・・・・・。アルル、起きろ~」 「う~ん・・・・・・。おはよう、二人とも。二人ともずいぶん早いんだね・・・・・・」 「あ、ああ。まあな・・・・・・」 俺達二人は寝ていないのだが、アルルに心配をかけたくなかったので俺は黙っておくことにした。 「さて、そろそろ行こうぜ。今からなら昼前には船着場には着けるだろうし」 カプセルに荷物を収めたルークが言った。 結局その後も何度か魔物に遭遇し戦うはめになったが、なんとか船着場に辿り着くことができた。俺達は船に乗り込み、空いていた席に座った。 「やっと乗れたな~。これで一息つけるぜ」 「ここからアクアリアまではだいたい4,5時間くらいで着くから、それまではゆっくりできるな。少しくらい観光気分になってもいいんじゃないか?」 「へえ・・・・・・結構時間かかるんだな。俺はここでゆっくりしてるよ」 「私は甲板のほ...
  • 33話
    「ぐっ・・・・・・だめだ、硬くて攻撃が効いてない!」 俺とルークは剣で攻撃してみたが、ほぼ全くと言っていいほどダメージは与えられていなかった。 「2人とも下がって、私がやってみる!ファイヤーボール!!」 アルルは炎の力を使い氷のモンスターに攻撃した。すると見事に命中し、氷のモンスターは苦しんでいた。 「やっぱり炎の力は効くみたい。もう一度・・・・・・!」 アルルが再び炎の力を使おうとした時、氷のモンスターは体を水にして姿を消してしまった。 「まずい!みんな、気をつけろ!どこから攻撃がくるかわからないぞ!!」 「アリウス、上だっ!!」 「なっ・・・・・・!?」 見上げてみると、氷柱が俺の真上から降ってきた。 「まずい、避けきれな・・・・・・!」 「力を貸して炎の力よ、アリウスを守って!!」 アルルは炎の力を使い、氷柱を溶かした。 「アリウス、大丈夫!?」 「ああ、...
  • 45話
    「うーん・・・・・・」 「アリウス~、そろそろ起きろ~」 「ん?」 俺が目を覚ましたとき、ルークはベッドの脇に立って俺を見下ろしていた。 「ああ、そんなに寝てたか?俺・・・・・・」 「そりゃもう。まあ、その状態なら無理ないかもな」 そう言ってルークは視線を俺より向こう側にずらす。そして困ったような顔で再び俺を見る。 「何だ?俺の隣に何か・・・・・・ハッ!?」 ゆっくりと隣を見る。当然そこにいるのは 「ん~・・・・・・ムニャムニャ」 のんきに眠っているアルルだった。というかそろそろアルルも起きてくれ。 「仲がいいことで。お熱いねぇ」 完全に誤解を招いてしまっていた。こうならないよう早く起きようとしたはずなのに、見事に爆睡してしまったらしい。 「ご、誤解だ!これはだな、ルーク」 「分かってるって。おおかたお前が寝てる間にアルルがそっちの布団に入ったんだろう。昨日の今...
  • 73話
    アイリィに準備が済んだのを報告しにステージに戻ってきたのだが、肝心の彼女の姿が見えない。 「おっかしいなあ・・・・・・まだ打ち合わせは終わってないのかな?」 「打ち合わせならもう済んだわよ」 ふと、どこからか声が聞こえてきた。辺りを見渡すがそこにアイリィの姿はない。 「アリウス、そこから3歩下がりなさい」 「・・・・・・?」 声の通りに3歩後ろに下がると                                          タタンッ 「うわぁぁっ!?」 「とと・・・・・・あれ?きゃああっ!!」                                          ズダーン!! 突如目の前に現れた何かにぶつかり、俺とそれは床に倒れこむ。それと同時に、後頭部には鈍い痛み。強く打ったようだ。 「着地点はバッチリね。あとはこの地点に衝撃緩和材を・・・...
  • 65話
    「ちょ、ちょっと待ちな!アタシは今は戦うつもりは・・・・・・!!」 「誰がそんな嘘に引っかかるかよ!」 俺は両手の剣で切りかかるが、ギリギリのところで鞘から取り出された短剣に受け止められてしまった。 「チッ!そっちがやる気ならアタシも本気でやらせてもらうよ!!」 「短剣が2本・・・・・・持ち方以外はアリウスと同じ戦闘スタイルか」 「へっ、どっちが上か教えてやるぜ!」 「ふん、威勢がいいのはアタシも好きだけどねぇ。ただ振ったり受けたりするだけが武器の使い方じゃないんだよ!」 再び振るった剣は女団長の剣に受け止められたかと思うと、そのまま真っ直ぐにスルリと流されてしまった。 「ほらほら、背中が空いてるよ?そらっ!」 隙ができた俺の背中に声をかけられると同時に鈍い痛みが走る。どうやら蹴られたようだ。 (何だって?なんで今あいつは剣でアリウスを斬らなかったんだ・・・・・・敵にモ...
  • 35話
    「う・・・・・・ここは・・・・・・?」 俺が目を覚ました時、俺は見慣れない部屋でベッドに横たわっていた。 「あ、アリウス。目を覚ましたんだね。もう大丈夫?」 起き上がってみると、アルルが俺に話しかけているのが目に入る。 「アルルか・・・・・・。ああ、もう大丈夫っぽいけど」 「丸2日も寝てたから心配したんだよ、もう・・・・・・」 「ふ、二日も寝てたのか俺!?」 「うん、あのときアリウスが倒れた後、急いでウォーティルに向かったの。そして2日たってアリウスが目を覚ましたってわけ」 「なるほどな・・・・・・。あれ?そういえばルークは?」 「ちょっと買出しに行ってくるって。もうすぐ戻ってくると思うけど・・・・・・ふぁぁぁ・・・・・・」 「ん?どうしたアルル、眠いのか?」 「う、うん。ちょっとね。もう時間が遅いってのもあるけど」 「もしかして、俺の看病するために?」 「だ、大...
  • 5話
     街の人から風の力の洞窟の方角を聞き、俺達はサレッドを出た。 しかし、その洞窟の場所を教えてくれた人が言っていたことが頭から離れなかった。 「あの洞窟には行かないほうがいいですよ・・・・・・。実はあの洞窟、少し前にいつの間にかあそこに出てきたんです。 それに、あの洞窟を調査しに行った人たちが大怪我をして帰ってきたことがあったんですよ。 もう意識は回復していますが、その怪我の原因を皆覚えてなくて・・・・・・。医者からの話だと、ほとんどは切り傷と思われる怪我だったそうです」 それが何による怪我だったのか知っているのはおそらく俺とルークの2人だけだろう。俺達は歩いて風の力の洞窟へ向かっていた。近いとはいえ、 歩きだと10分ほどかかる距離だった。ふいに俺はルークに尋ねる。 「ここらへんは魔物はいないのか?」 「いや、いないとは言い切れないな。隠れてて、いきなり襲い掛かってくる魔物も...
  • 3話
    「き・・・消えた・・・?」 「死んだんだよ」 男も魔物を倒した後で、俺に説明をしてくれた。 「死んだら普通死体が残るんじゃないのか?」 「魔物は別さ。人間なら死体が残るがな」 「嫌なこと言うなよ・・・・・・」 「ははっ、悪い悪い。別に脅かすつもりはなかったんだがな」 そういって男は笑った。俺もその笑いにつられて少し笑っていた。  金髪の短めの髪、水色の瞳、その高い身長に少し古びた鎧を身に着けた男は俺に再び言葉をかけてきた。 「俺はルーク。あんたの名は?」 「アリウス。だけど、魔物なんて初めて見たよ」 「魔物を初めて見た?魔物は世界中にいるのにか?」 「ああ、俺は・・・・・・」 「ん?どうした?」 言っても信じてもらえるだろうか。その不安があったため、俺は言うのを一瞬ためらった。 「言いにくいことなら別に俺は聞かないぜ?」 「・・・・・・いや、聞いてくれるか?...
  • 15話
     俺達は宿屋で休んだ後、サレッドを出た。そしてクリア砂漠を目指して歩いている途中だ。 「うーん・・・・・・」 「どうしたんだアリウス?疲れたか?」 「いや、ちょっとな・・・・・・」 そういって俺はアルルの方をちらっと見た。するとその俺の視線に気づかれ、アルルが話しかけてきた。 「私が・・・・・・どうかしたの?アリウス」 「・・・・・・なんでついて来てるんだ?アルル・・・・・・」 「だって、炎の力は私の力じゃない。・・・・・・アリウスは私が一緒に行くの反対・・・・・・?」 「そりゃそうだろ。危険すぎるじゃないか、死ぬかもしれないんだぜ?この世界は。」 「私もそれは分かってる。だけど、自分の力はやっぱり自分で取り戻さなきゃダメだよ。それに・・・・・・もう待つのは嫌なの・・・・・・」  そう言うとアルルはうつむいてしまった。少し前まで急に消えた俺を待っていてくれたのだ、 再...
  • 13話
     ルークは風を宿した剣を握り、再びゴーレムに向かって剣を振った。その瞬間、俺は風の力を使った。すると洞窟内に風が乱れ飛び、ルークの剣を覆った。 「風に触れるは全て砕けし物となれ、風化の風!!」 「ここに今ありし風の力を斬撃と変えよ、斬翔連撃(ザンショウレンゲキ)!!」 ルークはゴーレムに切りかかった。すると、あれだけ硬かったゴーレムの体がいとも簡単に切れ、切った部分が砂となってゴーレムは崩れていった。 『なるほど・・・・・・風化とはよく考えたものだな』 「風で起こせる自然現象を意図的に引き起こしただけさ。結構簡単だったぜ?」 ルークはゴーレムの体を横切り、台座の上の箱を開けた。そして、なにやらルーペのようなものを取り出し、しっかりと握り締めた。 「あれは・・・・・・まさしく例の魔具じゃ。よくあのゴーレムを倒したものじゃな」 「だから言ったろ?俺達の仲間をなめるな、ってさ...
  • 63話
                                         ~視点変更――アリウス視点――~ 「ふわあぁぁぁ・・・・・・」 我ながら大きなあくびをしたもんだ。大きく伸びをしながら周りを見てみると、まだ誰も起きてはいない。 「少し早かったか・・・・・・昨日寝すぎたせいか?」 昨日の膝枕を思い出しながらアルルのベッドの方を見る。アルルの呼吸のリズムで布団が上下している。 「また今度してもらおうか・・・・・・い、いかんいかん。そろそろ皆を起こすかな」 そう思い、ベッドから降りた時だった。                                             ドクン!! 「っ!?」 突然視界が全て赤く染められた。綺麗な赤色とは違う・・・・・・まるで血の色のような赤黒い色で。 「ぐ・・・が・・・!!」 続いて肺が焼け付くような苦しみと、鈍器で殴ら...
  • 43話
    一言の台詞の後に聞こえた金属音。俺の体は・・・・・・貫かれていなかった。 「え・・・・・・?」 俺は顔を上げた。大きな剣、大きな体、金髪の短い髪・・・・・・。 「ルーク・・・・・・?ハハ、幻かな・・・・・・ルークがここにいるわけ・・・・・・」 「おいおい、つれないこと言ってくれんじゃないの。俺が防がなかったら死んでたんだぞ、アリウス?」 「ルーク、避けて!!」 「おっと、危ない危ない・・・・・・ってな」 次に聞こえたのは女の子の声。ルークと一緒に来たってことは・・・・・・。俺は扉のほうに顔を向けた。 「アルル・・・・・・」 「アリウス、もう大丈夫だから!私達に任せて!!」 そう言うとルークは蠍を部屋の奥へと誘導し、アルルは俺のところへ駆け寄った。 「猛(たけ)る炎よ・・・・・・不死鳥となりて彼のものを癒さんことを・・・・・・・」 そう唱えると、アルルの右手から火の玉...
  • 75話
     いよいよサーカスが始まり、舞台上に衣装を着替えたみんなが出てきた。 「わあ・・・・・・」 その舞台の上にはさっきの3人の姿も見える。みんなさっきのラフな格好とは違い、派手な舞台衣装に着替えていた。 「うわあ、身長高いからレイリーはすごく目立つなあ。アイリィやアルルも美人だから、ああいう格好してると一層目立つし」 3人の他にも、残りの団員やアルルの両親の姿も舞台に見える。 「あれ?」 『どうした、アリウス?』 「いや、なんでもないよ。ちょっと気になっただけだから」 『ふむ。ならば構わないが・・・・・・』 あとで誰かに聞いてみればいいか。僕の気のせいかもしれないし。舞台に再び目をやると、3人が僕の方を見ている。 (頑張ってね、みんな) 小さく手を振ると、3人とも笑顔で返してくれる。それを合図にしたかのようにみんな散り散りになり、演目がスタートした。 「えっと、プログラ...
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