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SS本編 - (2008/07/09 (水) 01:02:55) の1つ前との変更点
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1番手。めりーさん◆c67jyZa4xw
──みんな死んでしまった。
俺の目の前には、かつてはヒトの形であった肉片が散乱していた。
吐き気を催すほどの臭気が辺りを包んでいる。
「これは……」
ふと目に付いた。無造作に転がる小さなそれは、座敷童子の千切れた足に間違いはなかった。
2番手。座敷童女◆AxN64oY9xA
信じられなかった。妖怪である彼女たちが、こうもあっさりと死に絶えるなんて。信じられるわけがなかった。
「どうしてだ……。どうして……」
いつの間にか俺の日常にまでなった風景。その全てが一瞬で奪われていく様が脳内を埋め尽くしていた。人は悲しすぎると涙すら流せないというが、今まさにそれを実感している。色々な感情を内包し、俺はそいつを我武者羅に睨み付けた。
「答えろよ! 須々木小柚!」
3番手。むー◆nlfNPGXYe2
「ふふ……」
視線の先には見慣れたポニーテール。前髪が暗い影を落とし表情は読めない。
「どうして、どうしてですって? あなたが問うの?」
歌うように優雅な仕草で小柚は足元に手を伸ばした。
「これ、なにかわかる?」
4番手。文 ◆YqZoxH8Vog
彼女の指の先に視線をやった。そこには──
「……へ?」
沸騰するかと思えた程に熱かった頭の中が、今急速に冷えていく。困惑と違和感が綯交ぜになってぐちゃぐちゃに。加速していた時間は止まる。
それは人間の頭部で、しかし問題はソコじゃない。それは良く見知った人間の顔をしていて。そうじゃない。一番の問題は。
「俺の──生首」
そいつが大泉純一、一番見慣れた、自分の顔をしていたってことだ。
5番手。1◆9dl5dBekac (ゲスト)
「どうして――」
俺は確かにここに居る。しかし、目の前の首も間違いなく俺のものだ。
鏡像としてではなく、有形的な存在で確認できる自身の肉体。
――客観的に目にする己の亡骸。
自分の存在を押しつぶすような二律背反に目眩を覚える。
思考も体も、世界そのものが冷えきっていくような恐ろしさ。
俺の反応のどこが楽しいのか、須々木は上機嫌に俺の首を踏みつけた。
「気に入らないの。ただそれだけ」
禍々しい微笑み。
「あなたも、ね」
俺のさらに後ろを見据えて言葉を投げかけている。
もはや俺は眼中にないらしい。目の前の事実から目を逸らすように、俺は須々木の視線を追った。
6番手。共有者R ◆Q4QqNnVgv2 (通りすがり)
彼女の気配を背後に感じることに慣れたのは、いつごろからだろう。
神出鬼没なこの気配は、もはや俺の日常の一部だった。
「……メリーさん」
いつもの見慣れた表情とは違い、悲しそうな顔をしている。
いや、怒っているのかもしれないし、泣いているのかもしれない。
眉根を寄せ、彼女は何かを耐えるようにきつく目を閉じていた。
須々木さんは、メリーさんから視線をはずさない。
沈黙を破ったのはメリーさんだった。
「あなた、誰?」
7番手。文 ◆YqZoxH8Vog、再び
それを聞いて須々木小柚は、いや──誰だ、あれは、ダレなんだ?
あんな凶々しい笑みを、俺は知らない。その口元がにいぃっ、と更に釣り上げられた。
「誰? 私が誰かって? こんな異常な状態でそれを聞くの、ねぇ」
異常、そう異常だ。そうして俺は気付かされる、自分自身もおかしいことに。
覗き込んだ自分の掌、確かめるように触れた躯、どれをとっても女性のものだ。
さっきまで自分があげていた声も。そして、視界に感じていた違和感。顔に触れようとしたときに先に手に触れたもの──
「あなた、メリーの姿をした誰なのかしら?」
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以下広告のためsage
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1番手。めりーさん◆c67jyZa4xw
──みんな死んでしまった。
俺の目の前には、かつてはヒトの形であった肉片が散乱していた。
吐き気を催すほどの臭気が辺りを包んでいる。
「これは……」
ふと目に付いた。無造作に転がる小さなそれは、座敷童子の千切れた足に間違いはなかった。
2番手。座敷童女◆AxN64oY9xA
信じられなかった。妖怪である彼女たちが、こうもあっさりと死に絶えるなんて。信じられるわけがなかった。
「どうしてだ……。どうして……」
いつの間にか俺の日常にまでなった風景。その全てが一瞬で奪われていく様が脳内を埋め尽くしていた。人は悲しすぎると涙すら流せないというが、今まさにそれを実感している。色々な感情を内包し、俺はそいつを我武者羅に睨み付けた。
「答えろよ! 須々木小柚!」
3番手。むー◆nlfNPGXYe2
「ふふ……」
視線の先には見慣れたポニーテール。前髪が暗い影を落とし表情は読めない。
「どうして、どうしてですって? あなたが問うの?」
歌うように優雅な仕草で小柚は足元に手を伸ばした。
「これ、なにかわかる?」
4番手。文 ◆YqZoxH8Vog
彼女の指の先に視線をやった。そこには──
「……へ?」
沸騰するかと思えた程に熱かった頭の中が、今急速に冷えていく。困惑と違和感が綯交ぜになってぐちゃぐちゃに。加速していた時間は止まる。
それは人間の頭部で、しかし問題はソコじゃない。それは良く見知った人間の顔をしていて。そうじゃない。一番の問題は。
「俺の──生首」
そいつが大泉純一、一番見慣れた、自分の顔をしていたってことだ。
5番手。1◆9dl5dBekac (ゲスト)
「どうして――」
俺は確かにここに居る。しかし、目の前の首も間違いなく俺のものだ。
鏡像としてではなく、有形的な存在で確認できる自身の肉体。
――客観的に目にする己の亡骸。
自分の存在を押しつぶすような二律背反に目眩を覚える。
思考も体も、世界そのものが冷えきっていくような恐ろしさ。
俺の反応のどこが楽しいのか、須々木は上機嫌に俺の首を踏みつけた。
「気に入らないの。ただそれだけ」
禍々しい微笑み。
「あなたも、ね」
俺のさらに後ろを見据えて言葉を投げかけている。
もはや俺は眼中にないらしい。目の前の事実から目を逸らすように、俺は須々木の視線を追った。
6番手。共有者R ◆Q4QqNnVgv2 (通りすがり)
彼女の気配を背後に感じることに慣れたのは、いつごろからだろう。
神出鬼没なこの気配は、もはや俺の日常の一部だった。
「……メリーさん」
いつもの見慣れた表情とは違い、悲しそうな顔をしている。
いや、怒っているのかもしれないし、泣いているのかもしれない。
眉根を寄せ、彼女は何かを耐えるようにきつく目を閉じていた。
須々木さんは、メリーさんから視線をはずさない。
沈黙を破ったのはメリーさんだった。
「あなた、誰?」
7番手。文 ◆YqZoxH8Vog、再び
それを聞いて須々木小柚は、いや──誰だ。あれは、ダレなんだ?
あんな凶々しい笑みを、俺は知らない。その口元がにいぃっ、と更に釣り上げられた。
「あはは、私が誰かって? こんな異常な状態でそれを聞くの、ねぇ」
異変、そうこれは異常だ。そうして俺は気付かされる、自分自身さえもおかしいことに。
覗き込んだ自分の掌、確かめるように触れた躯、どれをとっても女性のものだ。
さっきまで自分があげていた声も。そして、視界に感じていた違和感。顔に触れようとしたときに先に手に触れたもの──
「あなた、メリーの姿をした誰なのかしら?」
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以下広告のためsage
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