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SS本編 - (2008/07/05 (土) 01:51:19) の編集履歴(バックアップ)
1番手。めりーさん◆c67jyZa4xw
──みんな死んでしまった。
俺の目の前には、かつてはヒトの形であった肉片が散乱していた。
吐き気を催すほどの臭気が辺りを包んでいる。
「これは……」
ふと目に付いた。無造作に転がる小さなそれは、座敷童子の千切れた足に間違いはなかった。
2番手。座敷童女◆AxN64oY9xA
信じられなかった。妖怪である彼女たちが、こうもあっさりと死に絶えるなんて。信じられるわけがなかった。
「どうしてだ……。どうして……」
いつの間にか俺の日常にまでなった風景。その全てが一瞬で奪われていく様が脳内を埋め尽くしていた。人は悲しすぎると涙すら流せないというが、今まさにそれを実感している。色々な感情を内包し、俺はそいつを我武者羅に睨み付けた。
「答えろよ! 須々木小柚!」
3番手。むー◆nlfNPGXYe2
「ふふ……」
視線の先には見慣れたポニーテール。前髪が暗い影を落とし表情は読めない。
「どうして、どうしてですって? あなたが問うの?」
歌うように優雅な仕草で小柚は足元に手を伸ばした。
「これ、なにかわかる?」
4番手。文 ◆YqZoxH8Vog
彼女の指の先に視線をやった。そこには──
「……へ?」
沸騰するかと思えた程に熱かった頭の中が、今急速に冷えていく。困惑と違和感が綯交ぜになってぐちゃぐちゃに。加速していた時間は止まる。
それは人間の頭部で、しかし問題はソコじゃない。それは良く見知った人間の顔をしていて。そうじゃない。一番の問題は。
「俺の──生首」
そいつが大泉純一、一番見慣れた、自分の顔をしていたってことだ。
5番手。1◆9dl5dBekac (ゲスト)
「どうして――」
俺は確かにここに居る。しかし、目の前の首も間違いなく俺のものだ。
鏡像としてではなく、有形的な存在で確認できる自身の肉体。
――客観的に目にする己の亡骸。
自分の存在を押しつぶすような二律背反に目眩を覚える。
思考も体も、世界そのものが冷えきっていくような恐ろしさ。
俺の反応のどこが楽しいのか、須々木は上機嫌に俺の首を踏みつけた。
「気に入らないの。ただそれだけ」
禍々しい微笑み。
「あなたも、ね」
俺のさらに後ろを見据えて言葉を投げかけている。
もはや俺は眼中にないらしい。目の前の事実から目を逸らすように、俺は須々木の視線を追った。
- 6番手。共有者R ◆Q4QqNnVgv2 (通りすがり)
- 彼女の気配を背後に感じることに慣れたのは、いつごろからだろう。
- 神出鬼没なこの気配は、もはや俺の日常の一部だった。
- 「……メリーさん」
- いつもの見慣れた表情とは違い、悲しそうな顔をしている。
- いや、怒っているのかもしれないし、泣いているのかもしれない。
- 眉根を寄せ、彼女は何かを耐えるようにきつく目を閉じていた。
- 須々木さんは、メリーさんから視線をはずさない。
- 沈黙を破ったのはメリーさんだった。
- 「あなた、誰?」
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