(おい、あさひ。俺ちゃんたち、尾行されているぜ?) 街を歩くと、アヴェンジャーのサーヴァント・[[デッドプール]]の念話が響いた。 (び、尾行!?) (ああ。連中もなかなかのプロだ……人混みに紛れて、俺ちゃんたちの隙を伺ってやがる。俺ちゃんじゃなけりゃ、気付けないだろうな) (そんなことまで、わかるのか!?) (ずっと、同じ顔ぶれなんだよ。俺ちゃんたちが戦いに負けてから、つけられてるみたいだ。どうやら、漁夫の利で俺ちゃんたちを仕留めるつもりだろうな) 冷静に、そして明らかな怒りが[[デッドプール]]の声色に滲み出ていた。 いつものおふざけは鳴りを潜めて、相応のプレッシャーも感じられる。マスターである俺・[[神戸あさひ]]を守りながら、片腕だけで戦わなければいけないハンデを背負っているからだ。 [[光月おでん]]さんたちとの戦いに負けてから、俺たちはあてもなく街を歩いていた。 日雇いの仕事を終えて、その日の収入を得たはいいけれど……そこから先の予定は何もない。 元々、俺には何もなかった。実の父親から暴行を受け続けて、母さんも苦しんで、たった一人の妹のしおすらも俺たちから去ってしまった。 だから、俺はしおを取り戻すために、聖杯を求めるしかない。おでんさんも、おでんさんのサーヴァントもかなりの実力者で、俺たちは完膚なきまで負けたけど、命までは奪われなかった。 俺は今まで、汚い大人しか出会わなかった。でも、おでんさんはそんな大人たちとは違い、俺のことを本気で心配していそうだった。 今は、休みな……そう言い残して、俺の元から去っていった。 (しかも、連中の顔をよーく見てるとな、ありゃ覆面だ。リアルの顔と区別がつかないくらい、精巧なデザインだな。 それも1人や2人じゃない、軽く10人は超えるぜ?) (なっ……そんなに多いのかよ!?) (きっと、証拠を残したくないんだろうな。ゾロゾロと歩いてたら、そりゃ警戒される。だから、覆面を被って一般人のフリをしているはずだ。 加えて、体格的にはガキンチョだ。みんなで楽しく遠足をしましょうってか?) そして、今度は子どもたちから狙われてしまう。 [[デッドプール]]の言葉で、反射的に振り向くと……学生グループが確かに歩いていた。 ブレザーや学ランなど、多種多様の制服を着た男女。しかし、目が合った瞬間……おぞましい笑顔を浮かべているように見えた。 「うっ…………!」 反射的に恐怖を感じ、俺はその場から走り去った。 一見すると普通の背格好だが、血走ったような目つきは明らかに異常者だ。そう、俺や母さんに暴力を振るい続けたあの男と同じ目つきだ。 聖杯戦争のマスターかサーヴァントのどちらかはわからないが、あいつらが俺たちを殺そうとしていることは一目でわかる。 おでんさんたちとの戦いでダメージを負ったから、俺たちは人気のない場所へ移動を決めたけど、まさかこんなヤバい連中に遭遇するなんて思わなかった。 (待て、あさひ! 落ち着けーーーー!) [[デッドプール]]の静止を構わず、俺は走る。 すると、横一列に並ぶ別の学生グループが、俺の逃げ道を塞ぐように現れた。 そいつらは、俺を見つけるや否や、ニィと不気味な笑みを浮かべる。 「ひッ!」 俺は悲鳴を漏らしながら、また別の道を走る。 通り過ぎていく人が、まるであいつらの仲間のように思えて、俺はあてもなく逃げるしかない。 走れば走るほど、学生服を着た子どもはどんどん増えてくる。みんな、同じペースで歩を進めていて、異様さが際立っていく。 ただ、怖かった。 まるで、俺の全てを奪い取られそうな気がして。 しおを取り戻すという最後の望みすらも踏み躙られそうで、それがイヤだから逃げるしかない。 もちろん、戦うこともできたけど、こんな人前で騒ぎを起こせなかった。 相手も俺が不利と知っているから、街中に現れたはずだ。 (仕方ねえ。あさひ、俺ちゃんがビックリを起こしてやるから、その隙に逃げろ!) [[デッドプール]]が念話で叫んだ瞬間、どこからともなく数発の銃声が響く。 その音によって、周囲から悲鳴が湧きあがった。 (で、[[デッドプール]]!? お前、何をしたんだよ!?) (一瞬だけ霊体化を解いて、影から拳銃を撃ってやったのさ! 裏方に回ったから、俺ちゃんの姿は絶対に見られてねぇ!) 突然の発砲で騒ぎになる中、俺はひたすら走る。 確かに、この騒動に便乗すれば俺は逃げ切れるかもしれない。人混みの中に紛れれば、あいつらだって追跡できないはず。 でも、俺のペースは次第に落ちていた。おでんさんとの戦いで消耗した中で、走り続けることは難しく、地の利でも分が悪い。 (この先には静かな緑地があるから、そこに隠れてあいつらをやり過ごす!) このまま走り続けても、いつかは捕まってしまう。 隠れ場所が多い緑地……等々力渓谷公園なら、あいつらから逃げ切れるはず。周りには人の気配がなく、穏やかな緑が広がっていた。 「た、助かった……! ここにしばらく隠れれば、あいつらもーーーー!」 「あれー? まさか、標的(ターゲット)の方から来てくれるなんて、ウルトラハッピーじゃん!」 だけど、聞こえてきたのは、俺を絶望に突き落とす声。 振り返ると、木々の後ろから学生グループが俺を取り囲むように出てきた。 しかも、その顔にはガムテープが貼られていて、一目見ただけで異常であることがわかる。 「な、なんで……!?」 「俺たちは最初からここに誘き寄せるつもりだったんだよ」 「途中、街中で銃声がしたってスマホで聞いた時は、プランが台無しになるかと思ったけどよ……お前の方からこっちに来たのさ!」 「なら、アタシたちが殺すしかないでしょ? あんたみたいなマスターを殺せば、めでたくポイントゲットってわけ!」 異様な雰囲気を持つ彼らは、その手に武器を持っていた。 刃物や金属バット、更には拳銃までもを装備して、その全てに殺意が込められていた。 助けを求めるように周囲を見渡しても、ここは人通りが少ないから、俺たち以外に誰もいない。いや、俺の方から馬鹿正直に突っ込んでしまった。 「……俺ちゃんとしたことが、判断を誤っちまったようだな」 ため息と共に、霊体化を解いた[[デッドプール]]が俺の隣に現れた。 「なぁ、ガキンチョども。俺ちゃん、ガキにも優しいヒーローだからさ……今だけは許してやるぜ? これは、俺ちゃんからのラストチャンスと思え」 [[デッドプール]]は確かな怒りを込めた目つきで睨みつけるも、相手は怯まない。 「は? 見逃すわけないじゃん!」 「ははっ、ボロボロで……しかも片腕だけだし!」 「じゃあ、サーヴァントも殺したら、その分だけMPも手に入るかな!?」 ガムテープの子どもたちは[[デッドプール]]を前にしても、歓喜の笑みを浮かべていた。 一方で、[[デッドプール]]は舌打ちをする。俺たちが圧倒的に不利だと知っているからだ。 [[デッドプール]]は左肩から先は完全に回復しておらず、また傷も完治していない状態だから、俺を抱えて逃げることは難しい。 もちろん、ただ子どもたちを殺すだけなら、今の[[デッドプール]]でも可能だ。けれど、その間に俺が殺されたら意味はない。 「……ヤベェ! マスター、伏せろッ!」 「うわっ!」 [[デッドプール]]が叫んだ瞬間、俺はしゃがまされてしまう。 すると、何かが俺の頬を掠めた。指先で触れてみると、僅かな痛みと共に血が流れている。 敵が撃ってきたのだと、俺はすぐに察した。もしも、[[デッドプール]]が俺の体を掴んでくれなければ、殺されていたかもしれない。 「あれ〜? 鬼ごっこはもう終わりなの?」 恐怖に震える暇もなく、後ろから子どもが現れた。しかも、ご丁寧にボウガンを構えている。 奴らの周りには、俺を追跡していたであろう連中がいた。きっと、ここで俺を確実に殺すつもりだ。 そして、奴らは覆面に手をかけて、その下に隠れていた素顔を晒す。案の定、全員の顔にはガムテープが貼られていた。 (……こりゃ、完全に囲まれちまったなぁ。前後左右、俺ちゃんたちを逃がすつもりはねぇみたいだ。 いやはや、モテる男は辛いね) [[デッドプール]]の念話が俺の頭に響いた。 道化を演じているが、声色には覇気を感じない。万全ならまだしも、負傷して間もない[[デッドプール]]ではこの状況を切り抜けることはできなかった。 (……にしても、このガキンチョは一体なんなんだ? この季節、ただのガキンチョどもが通学路じゃない場所をうろつくなんて、何かがあるな。 どうやら、謎解きタイムの時間みたいだな……) [[デッドプール]]は思案しているが、敵の集団は俺たちに少しずつ迫っている。 [[デッドプール]]を警戒しているのか、単純に俺たちをいたぶろうとしているのか。どちらにしても、ムカつくことに変わらない。 こいつらは、俺たちをゲーム感覚で殺そうとしている。言動から察するに、聖杯に託したい願いがある訳ではなく、そもそもマスターやサーヴァントであるかも怪しかった。 でも、俺にこいつらを殺す力はない。俺がたった一人で戦っても返り討ちに遭うだけ。 (嫌だ……俺はまだ、しおを助けていないんだ! しおを、しおを助けるまで……死ぬ訳にはいかないんだ!) そうだ。 俺には大切な妹がいる。 しおの中から悪魔を追い出して、しおだけの人生を歩ませるまで俺は死んじゃいけない。 俺にはもうそれしかない。それを邪魔するなら、どんな奴が相手でも蹴散らしてやるだけ。 俺は金属バットを握り締めながら、立ち上がった。 「おっ? 殺る気を見せてくれた?」 「でも、俺らを前に戦えるの?」 「よーしっ! じゃあ、早い者勝ちでマスターを殺そうぜ!」 あいつらは俺を見て笑うが、関係ない。 油断しているから、そこを狙えばチャンスはある。 覚悟を決めて、金属バットを振おうとした。 「ーーーープリキュアッ! スター・パアアアァァァァァンチッ!」 その時だった。 空の彼方から、流れ星のように輝く声が響いたのは。 緑地の全てを照らす程の眩しさに、俺は思わず目を閉じた。 ドガン! と、花火のような爆音が響き、衝撃波が吹き荒れる。吹き飛ばされないよう、俺は必死に耐えた。 「……マスター、どうやら俺ちゃんたちを助けてくれるプリンセスが現れたみたいだぜ?」 安堵を含んだ[[デッドプール]]の声に、俺は恐る恐る瞼を開ける。 そこには、煌びやかな衣装をまとった一人の少女が、ガムテープの集団を前に立っている姿が見えた。 その背中は小さいけれど、俺たちを守るという確かな意志が感じられ、おでんさんのように凛々しい。 そして、彼女は俺たちに振り向く。俺よりも幼い顔つきだけど、その瞳は星のように綺麗だった。 「ここはわたしに任せて、二人は逃げてください!」 そう言いながら、彼女はガムテープの集団に立ち向かっていった。 「待て!」って呼び止めようとした直後、あのガムテープの集団が蹴散らされていく。 弾丸やボウガンの矢を素手ではじき返し、鋭利な刃物は手刀で砕き、金属バットも軽々と避ける。そこからキックやパンチを命中させて、敵を思いっきり吹き飛ばした。 この間、わずか数秒だ。華奢な体躯からは想像できない程の動きに、俺は目を見開いてしまう。 「……あいつら、やっぱり”割れた子供達(グラスチルドレン)”か?」 すると、足音と共に男の声が聞こえてくる。 顔を上げると、神妙な面持ちの男が現れた。逆立った髪とスーツは黒に染まり、容姿も異様なまでに整っている。人気アイドルとしてTVや雑誌で取り上げられてもおかしくないほどの美男だった。 「おや、兄ちゃんも俺ちゃんたちを助けに来てくれたの?」 「んん? オレは助けに来た……とはまた違うが、少なくとも無駄に戦うつもりはねぇよ。どうやら、あんたらはずいぶん痛めつけられたみてえだな」 「コイツは名誉の傷跡さ! 誇り高きサムライジャックに刻まれた、俺ちゃんの勲章だぜ?」 「そうかい」 スーツの男を前に、[[デッドプール]]はいつもの調子を取り戻している。 だけど、俺は胸をなで下ろす。スーツの男はすぐに俺たちを殺すつもりはなさそうで、奇妙な子ども達だって少女に任せることができた。 ただ、気になるのは男の様子だ。俺や[[デッドプール]]、それに少女とは違う表情で、ガムテープの集団を見つめているからだ。 「う、うぅ……」 ガムテープの少年が起き上がろうとする。 しかし、スーツの男は少年の胸ぐらを掴みながら、懐から取り出した拳銃を突きつけた。 「ひぃっ!?」 「おい、テメーら”割れた子供達(グラスチルドレン)”がいるってことは……ガムテもこの聖杯戦争に関わっているのか?」 「な、なんでガムテや俺たちのことを……!? って、その面(ツラ)、どこかで……」 「今すぐに答えろ。さもなければ、テメーの頭は水風船みたいに吹き飛ぶぜ?」 ガムテープの少年を恫喝する男は、まるで鬼のようにおぞましい表情だった。 ◆ 買い物で目的地に着いた途端、わたしの耳に銃声が響いた。 そして、誰かの悲鳴も聞こえてきて、街がすぐにパニックになった。逃げ惑う人が溢れて、ただごとじゃない。 「……銃声は近いな。こりゃ、すぐそばに戦っているマスターとサーヴァントがいそうだな」 [[星野アイ]]さんのサーヴァントのライダーさんも、顔をしかめていた。 アイさんも目を見開いていて、わたしのマスターの[[櫻木真乃]]さんは……不安な表情を浮かべているよ。 そして、ライダーさんはわたし・[[星奈ひかる]]に振り向く。 「で、嬢チャンはどうしたいんだい? 戦いを止めるか?」 「もちろんです! でも、その前に……ちょっと移動しますね!」 「……ん? お、おう……」 わたしは首を縦に振って、人通りのない路地裏に移動するよ。 ライダーさんは、わたしの言葉が本当かどうかを試している。ここで行かないと、わたしは嘘つきになっちゃう。 例え、どんな理由があっても、命を奪っていいわけがない。拳を握りしめた瞬間、また銃声が聞こえた。 わたしはすぐにスターカラーペンを取り出して、ペンダントに差し込む。 「スターカラー、ペンダントッ! カラーチャージッ!」 かけ声と共にわたしの体は光に包まれて、一瞬でキュアスターに変身するよ。 「宇宙に輝く、キラキラ星! キュアスター!」 わたしは名乗りをあげると、みんなはビックリする。 アイさんやライダーさんだって、この姿に目を見開いているよ。 この道は路地裏だから防犯カメラが設置されていない。あと、銃声のせいで街の人も逃げたから、わたしの変身は他の人には見られなかったよ。 さすがに、ここにいる三人には隠せなかったけど…… 「お、おい……嬢チャン!?」 「ライダーさん、真乃さんとアイさんをよろしくお願いします!」 当然、ライダーさんは驚くけど、詳しいことを説明している時間はない。 わたしはライダーさんに真乃さんたちを任せて、思いっきりジャンプをした。空高くから街を見下ろしてみると、すぐに見つけたよ。フードをかぶった男の人と、赤いスーツを着た男の人が、武器を持ったグループに襲われている。 わたしは右手に力を込めて、星の輝きをまとわせたよ! 「ーーーープリキュアッ! スター・パアアアァァァァァンチッ!」 叫びながら急降下して、星のエネルギーを思いっきり開放する。 その勢いに敵が吹き飛ぶ中、地面に着地した。襲われていた二人に「逃げてください!」と言った後、わたしは思いっきり突進するよ。 上下左右から攻撃してくるけど、わたしは一つ一つに対処する。弾丸と矢は叩き落して、ナイフや刀はチョップで砕き、バットを避けながらパンチを叩き込む。 たった一人で戦うことになるけど、わたしなら大丈夫。ノットレイダーの軍勢と何度も戦った経験があるから、この状況を切り抜けることもできる。 「ゲッ、こいつもしかしてサーヴァントか!?」 「せっかく追い詰めたのに、助っ人が来るなんて聞いてなーい!」 「ぶっちゃけ、ありえなーい!」 「よく見たら、なんかプリンセスに似てない? コスプレをしてるの?」 「えぇー? ダッサー!」 だけど、相手はわたしを前にしても、笑っている。 本気でおこっているのに、不気味な笑顔を浮かべていることが信じられない。 「あなたたち、どうしてこんなに酷いことをしたの!? あの人たちは、あなたたちに何か悪いことをしたの!?」 ただ、わたしは疑問をぶつけた。 彼らが人を傷付けたことには理由があるはず。もちろん、許される訳じゃないけど、せめてわたしは知るべきだと思った。 だけど、次の瞬間に返ってきたのは、信じられない言葉だったよ。 「ええー? そんなの決まってるじゃーん!」 「あのマスターとサーヴァントが、ダメージを負っていたから、確実に仕留められるようにするためだよ!」 「面白いくらいに鬼ごっこができて、マジでウケる!」 「なのに、お前が俺たちのゲームを邪魔して……この落とし前、どうするつもりなんだよ!?」 みんないったい何を言っているの? わたしは理解することができなかったし、相手の身勝手さにいかりを覚える。 楽しみたいから、あの二人を追いつめたの? 「鬼ごっこ」や「ゲーム」と呼んで、一方的に傷付けたの? 息が荒くなって、思考がグチャグチャになる。 確かに、今は聖杯戦争だから戦わないといけない。アイさんみたいに、譲れない願いを持っている人はたくさんいるし、わたしたちサーヴァントはマスターのために戦う責任があるよ。 願いのために誰かを傷付けることはダメだけど、気持ちはわかる。ユニだって惑星レインボーを蘇らせるために、バケニャーンやブルーキャットに変身して危険なことをいっぱいしたから。 でも、彼らがあの二人を追い詰めたのは……ただ自分たちが楽しみたいだけ。 ギリ、と音を鳴らしながら、わたしは拳を握り締める。 「そんなの、二人を傷付けていい理由にはならないよっ!」 確かないかりと共に叫び、わたしは地面を蹴った。 一瞬で距離を詰めて、敵の懐にもぐり込んでパンチを叩き込む。相手の巨体を吹き飛ばして、わたしは猛スピードで駆け抜けるよ。 もちろん、敵の数は多すぎるし、今だって無数の武器でわたしを攻撃してくる。 彼らをにらみながら、力任せに振るわれる腕を一つずつ避けて、銃弾も手のひらで弾き返した。 スライディングで敵の両足の間を滑り抜けて、素早く背後に回り込み、勢いよくキックを放つ。 「ウオオオオオォォォォッ!」 視界の外から、気合いの雄叫びと共に攻撃が迫り来る。 素早く振り返りながら、わたしは両腕をクロスさせて巨大な鉄塊を防いだ。相手の背丈と鉄塊の長さを合わせて、優に2メートルは超えそうだけど、ダメージはない。 「あの二人の痛みは……こんなものじゃなかったっ!」 きっと、あの人たちは怖かったはずだった。 彼らから理不尽に傷つけられて、苦しみのまま命を落としそうになった。 少しでも、痛みと悲しみを伝えようと全身に力を込めて、鉄塊ごとはじき飛ばす。 「ウゲッ、真実(マジ)で忍者並の化け物(チート)じゃん!」 「退却だ! 退却!」 「こいつが逃がしたあのマスターとサーヴァントはどうするの!?」 「バッカ! もう無理だろ!? これ以上は警察(サツ)が来るから、諦めろって!」 彼らはそう言いながら、わたしを恐れて逃げ出していく。 「待ちなさい!」 『戻ってきて、ひかるちゃん!』 追いかけようとするけど、真乃さんからの念話が聞こえた。 『ま、真乃さん!? どうしたのですか!?』 『パトカーが来てるから、ここから早く離れよう! 警察の人に見つかったら、私たちが疑われちゃうって、アイさんが言ってた!』 真乃さんの言うとおり、サイレン音がどんどん大きくなってくる。 騒ぎを聞いて、おまわりさんが駆けつけたはずだよ。 確かに、このまま残っていたらわたしたちが疑われる。無実が証明されたとしても、わたしたちのことがニュースで報道されたら、敵のマスターやサーヴァントに狙われる。 だから、すぐに離れる必要があるし、敵もみんな逃げたはずだよ。 ただ、キュアスターに変身してから、わたしが空を飛んでいる場面を誰かに見られている可能性はあるけど……今は気にしてはいられない。 『……わかりました。ダッシュで戻りますので!』 敵をこのまま見逃すのはイヤだけど、深追いも危険だった。 真乃さんたちに疑いの目を向けさせてはダメ。そう思いながら、走ろうとした瞬間……わたしが倒した敵を見つけてしまった。 他のみんなは離れたのに、彼だけがもう動く気配はない。その理由はすぐに気づいたよ。 わたしがキュアスターに変身して戦った結果……彼の命を奪ったから。 「……………………」 ズキン、とわたしの心は痛む。 彼らは決して許されてはいけないことをしたし、ここでわたしが立ち向かわなければ今度は真乃さんたちが狙われた。 それでも、生きたかったのは彼らだって同じ。ゲーム感覚で人の命を奪ったことは事実だけど、その生き方しかできなかった理由があるはずだから。 命を奪うつもりはなかった、なんて言い訳をするつもりはない。 仕方がない、って切り捨てるつもりはないよ。 「……あなたたちのしたことを、わたしは絶対に許さないよ。でも、あなたたちの痛みだって、わたしは忘れないから。これが、わたしの責任だよ」 せめて、わたしは彼のまぶたを下ろしてあげる。 この事実から目をそらすつもりはないし、ずっと覚え続けることが、わたしができるたった一つの償いだと思うから。 もしも、ララたちがわたしのしたことを知ったら、どう思うのかな。わたしに本気で怒って、ガッカリして、絶交するのかな。 ひょっとしたら、一緒に罪を背負ってくれるのかもしれない。でも、優しいララたちを巻き込むことも、わたしはイヤだよ。 責任。 宇宙に生きるみんなを守る責任があると、宇宙星空連合のトッパーさんは言っていた。 へびつかい座のプリンセスに故郷の星を滅ぼされたガルオウガだって、守る責任を果たせなかったことを悔やんでいたよ。 昔、みんなは重い責任を背負っていたことを知ったから、わたしも守る責任を果たすと決めた。ララたちと決意を固めたからこそ、宇宙全てを守ることができた。 ここにララたちはいないけど、わたしは折れるわけにはいかないよ。真乃さんを守って、約束を果たす責任がわたしにはあるから。 ◆ 厄介ごとはゴメンだったが、これは逆にチャンスでもあった。 仮の同盟を組んだあの嬢チャンの実力を試すいい機会で、運が良ければ敵対主従とのつぶし合いも可能だ。 事実、あの嬢チャンの実力はかなり高い。綺麗事に見合った身体能力を誇り、数の不利をあっという間にひっくり返した。 ここで潰れるようなら、マスターの[[櫻木真乃]]ごと切り捨てる予定だったが、やっぱりオレの目に狂いはなかったようだ。 良かったな、嬢チャン。その頑張りに免じて、まだマスターは生かしておいてやるぜ。 (しかし、あの嬢チャン……やっぱりプリンセスみてーだな。まさか、オリジナルでネーミングやポーズを考えるレベルのガチ勢なのか?) それと、嬢チャンは変身して戦ったけどよ、やっぱりプリンセスに似ていた。もしかしたら、ボスに匹敵するレベルのプリオタかもしれない。 変身の際にわざわざ移動したのも、正体がバレると都合が悪いからだろう。まぁ、プリンセスシリーズのお約束って奴だし、オレも今だけは正体を黙ってやるか。 ただ、プリオタの嬢チャンには悪いが、もうプリストに行く余裕はない。 オレは苦い表情を浮かべている。 この聖杯戦争に、最悪の敵が潜んでいるという事実に辿り着いたからだ。 「……よりにもよって、あのガムテがマスターになっているのかよ」 オレの脳裏に浮かび上がるのは、底無しの悪意を持つ極道の笑顔。 破壊の八極道の一人にして、オレが敬愛するボス・輝村極道の実子である男……その名を輝村照。またの名をガムテ。 このオレやボスが認めるほど、果てしない悪意と狂気を持つ極道であり、”割れた子供達(グラスチルドレン)”を束ねるほどのカリスマも誇る。 嬢チャンの戦いを見極めようとオレも後を追いかけたら、”割れた子供達(グラスチルドレン)”を見つけた。 果たして、こんな形で最悪の敵に気付くなんて、運が良いのか悪いのか…… 「……お、俺が話せることはこれで全部だ。あとは、何も知らない。な、なあもういいだろ? 帰らせてくれよぉ〜」 尋問された”割れた子供達(グラスチルドレン)”は、すっかり戦意喪失している。 どうやら、ガムテと同じ破壊の八極道と崇められたオレのカリスマにビビったようだ。案の定、命惜しさにペラペラと情報を漏らしている。 集団でマスターとサーヴァントを襲ったのは、戦いの消耗で仕留められると考えたからだ。元々は、通行人に変装して二人の住居を探る程度に留める予定だったが、途中で尾行に気付かれてしまう。 そこでプランを変更し、いくつかのチームに別れて二人を人気のない場所に誘い込んだ。だが、サーヴァントが騒ぎを起こしたせいで頓挫すると思われたが……マスターの方から”割れた子供達(グラスチルドレン)”が待ち伏せている場所に逃げてきたのだ。 そして、マスターの坊チャンを仕留めようとした矢先、邪魔をされてしまった。 良くやった、と心の中で一応は褒めてやるが……運を使い果たしちまったみたいだな。 「……ああ、帰りたきゃ帰りな。オレは手を出さないって約束したからな」 「ひ、ひいっ!」 このガキは既に用済みだ。 ”割れた子供達(グラスチルドレン)”のガキはオレの横を通り過ぎるように、走り去る。 次の瞬間、銃声と共にガキの頭が弾け飛んだ。 「こいつは、俺ちゃんからのお仕置きだぜ? 俺ちゃんは手を出さないなんて、約束してないからな」 フッ、と銃口に息を吹きかけるのは、”割れた子供達(グラスチルドレン)”に襲われていたサーヴァントだ。 お調子者に見えて油断ならない。できることなら、敵に回したくないねぇ。 あと、よく見ると左肩から先が再生しているような…… 「アンタ、いつの間にか傷が治ってるけどよ……そういうスキルなのか?」 「おや、バレちゃった? なら、お礼としてそっちのスキルも俺ちゃんに教えてくれよ!」 「お断りだ」 ……やっぱり、こいつらは敵に回したくねぇ。 ひとまず、敵対の意志はなさそうだが、油断は禁物だ。あの嬢チャンみたいに容易く利用できないし、かといって真に同盟を組む予定のサーヴァントのようなタイプでもない。 色んな意味で厄介な奴と出会ったことに、ため息を吐く。自力で腕を再生させるサーヴァントなど、他の主従に任せたいぜ。 「……お待たせしました! みんな、大丈夫ですか!?」 すると、プリンセスに変身した嬢チャンが戻ってきた。 ”割れた子供達(グラスチルドレン)”の連中と戦ったにも関わらず、かすり傷一つのダメージすらない。オレやアイを疑う気配も見せないので、利用する分には充分に合格だ。 「あぁ、こっちは大丈夫だぜ。オレたちのマスターも、安全な所に隠れている」 「よ、良かった……って、そうだ! パトカーが来るみたいです!」 「そうと分かれば長居は無用だ。 おい、そこの坊チャンたちはどうする? なんだったら、一緒に連れて行ってやるが……」 ”割れた子供達(グラスチルドレン)”に襲われていた主従に、オレは問いかける。 明らかに浮浪者と思われる見た目のガキがマスターで、赤と黒のスーツを身にまとった狂人がサーヴァントだろう。 まともな育ちをしていないことは一目でわかった。狂犬と呼ぶにふさわしい主従で、このまま連れて行くのはリスクを伴う。 しかし、オレが尋問をしている間は横から口を出さなかった。命の恩人である嬢チャンと同盟を組んだオレを一応は信用しているはずだ。 「なぁ、マスター。ここはお言葉に甘えちゃおうぜ? このままじゃ俺ちゃんたち、逮捕されるかもしれないぞ?」 「……わかったよ。ここは、あんたたちについていく」 「決まりだな。じゃあ、さっさとトンズラするか」 そうして、オレたちは急いでこの場を去る。 ”割れた子供達(グラスチルドレン)”が人気のない場所を選び、更にはご丁寧にも緑地付近の防犯カメラは破壊され尽くされている。仮に警察が街を調べても、オレたちが気付かれることはないだろう。 まともに相手をしたのも、嬢チャンと坊チャン組だけであり、オレの顔を見たガキも仕留められた。ただ、変身した嬢チャンが派手に飛ぶ姿をスマホなどで撮影されてもおかしくないが、元の姿が誰にも見られていないのは幸いか? 変身した場所は、運良くカメラが届かない場所だったからな。 まぁ、そこは嬢チャンの自己責任ってことにするか。オレは黙ってやるが、他の誰かにバレた時はどうにもならねえしな。 逃げ出した奴らにオレの顔は見られていないが……ここで気付かれてもおかしくない。 一応、連中はスマホやインカムなどで連絡を取り合っていたが、オレが尋問していたガキの分は破壊した。 だが、”割れた子供達(グラスチルドレン)”の組織力を考えると、いずれはバレる。 交渉の手札になる情報を手に入れただけでも良しとするか。 ガムテが率いる”割れた子供達(グラスチルドレン)”は中央区のとある高級住宅塔を拠点にし、23区の各地で他のマスターやサーヴァントを襲撃しているようだ。 ガムテが召喚したライダーのサーヴァントは、ビッグ・マムと名乗ったらしい。四皇と呼ばれるほどの海賊であり、圧倒的な巨体と破壊力で多くの海を荒らした。 ガムテたちの犠牲になった主従は数多く、その中にはあの白瀬咲耶も含まれている。既に死体は海の底にドボンだ。 だが、話を聞けば聞くほど、オレの胃は痛みそうだ。 [[櫻木真乃]]と白瀬咲耶、そしてオレとガムテが聖杯戦争に巻き込まれたことを考えれば、ビッグ・マムと並ぶレベルの怪物がどこかにいる可能性は充分にある。 だが、オレたちはビッグ・マムの姿と、能力のほとんどを知らない。仮に真名を見抜いたとしても、その圧倒的な破壊力を前にしては勝てる見込みはゼロだ。 (どうやら、本気で交渉をする必要があるみたいだな。ビッグ・マムみたいな化け物を仕留めるには、今のオレたちじゃ全然足りねぇ) 既に最悪の状況に傾きかけている。 いくら優位な情報を手に入れても、それを構いもしない程の戦力を持つ相手だ。加えて、資金力も半端ではない。 唯一の弱点は、ビッグ・マムはカナヅチであることだろう。海に沈めれば何もできないデクの棒となり、溺死を待つだけ。 海に誘い込めれば勝機はあるが、都合の良いことはそうそう起こらない。 また、ガムテと同盟を組むことも不可能だ。 ヤツは同じ破壊の八極道の夢澤恒星が散った時も、その死を愚弄していた。 当然、仲間の死を引きずるようでは破壊の八極道などやっていられないが、それでもガムテは別格だ。 ガムテにアイの存在が気付かれたら、間違いなく人質にされてしまう。そしてオレはガムテの操り人形にされた挙げ句、アイごと殺されるのがオチだ。 この聖杯戦争でも、”割れた子供達(グラスチルドレン)”はMP目当てに他マスターを襲撃している。つまり、アイも奴らのターゲットになってしまった。 ただ、事態は一刻を争うことは事実。 アイを守り、勝たせるための時間が1秒でも多く必要だ。 オレが手に入れた情報を使えば、他の主従にガムテたちとぶつけることもできる。狂犬のような坊チャンたちも、鉄砲玉としては上出来かもしれない。 上手く立ち回れば、オレが漁夫の利を得る可能性もあるだろう。 ◆ ライダーたちのおかげで、私たちはその場から離れることに成功した。 街では騒ぎが起こったから、私も長居したくなかったよ。 それに、警察の人に見つかることもない。もしも出会ったりしたら、事情聴取は避けられないね。 マスコミからは面白おかしく騒がれちゃうかも。 疑いの目をかけられたら、私がどれだけ無実を叫んでも意味はない。 例え、身の潔白を証明できても、SNSや掲示板でわたしに対する誹謗中傷が止まらない。 住所を特定されて、また刃物で刺される危険もある。そんな痛みは二度と味わいたくないし、絶対に逃げないとね。 だから、みんなで逃げることにしたよ。見慣れない顔が増えて、後部座席はおしくらまんじゅうになったけど。 「マスター……人気アイドルの車に乗るなんて、なかなかツイてるじゃん!」 「ちっともよくない! そんなこと言ってる場合じゃないだろ!?」 「ぐぇっ!? よ、四人は流石に……」 「ほわっ!? 大丈夫……?」 私は助手席に乗ることにしたから、潰される心配はないよ。[[櫻木真乃]]ちゃんと、マスターの男の子……[[神戸あさひ]]くんはご愁傷様です。 でも、みんなは和気藹々としてて楽しそうだね。私は見守るだけでいいけど。 そして、30分ほど経過した頃、私達は人気のない公園に移動したよ。 あさひくんたちを襲った”割れた子供達(グラスチルドレン)”はもちろん、パトカーが追跡してくる気配はない。 どうにかして振り切ったから、ここで情報共有をすることにしたの。 ライダーは口の固いサーヴァントだけど、そんな悠長なことを言えないほどに危険な相手みたいだから。 「……さ、咲耶……さん……!?」 震えながら涙を流すのは真乃ちゃんだよ。 行方不明になった283プロのアイドル・白瀬咲耶は”割れた子供達(グラスチルドレン)”の幹部に命を奪われた。それを聞いて、真乃ちゃんは大きなショックを受けちゃった。 真乃ちゃんは足下が崩れるけど、アーチャーのサーヴァントの子が支えてくれる。 「だ、大丈夫ですか!?」 「…………ご、ごめん………ね…………私、どう受け止めたらいいのかわからなくて……咲耶さんが…………咲耶さんが…………!」 咲耶さんの死に心から悲しんでいるはずだよ。 もちろん、人間としては当たり前の感情だし、私だってお腹を痛めて産んだ子どもたちが亡くなったら心の底から悲しむ。 もしも、私の家に押し入ったファンに、アクアとルビーの二人が殺されたら……私は復讐を選ぶよ。 例え、私自身が犯罪者になって、世間から鬼や悪魔と罵られようとも構わない。私の大切な宝物を奪った奴なんて、地獄の底で苦しんでも許すつもりはない。 犯人だけじゃない。犯人の家族や友人、身の回りにいる全ての人間を道連れにしてやるはずだ。 でも、今の真乃ちゃんみたいに、友達と呼べる存在を私は得られなかった。 お母さんからは見捨てられ、施設で育った私は誰かから愛されたことはない。仕事で同業者と出会ったけど、心の底から信頼できる友達は一人もいない。 だから、咲耶さんの死に悲しむ真乃ちゃんが、どこか遠い世界の出来事のように見えちゃった。 もちろん、二人には悪いと思っているし、こんなことを口にするつもりはない。ただ、友達の死を悲しむ経験がないことに、どこかもどかしさを感じていたの。 「悪ィな、嬢チャンたち。けど、いつかは知ることになる……あとまわしにしたって、いいことはねえだろ?」 悲しむ真乃ちゃんに、ライダーはそう言い放つ。 確かに、行方不明事件はSNSで話題になっているから、真相を先延ばしにしても辛くなるだけ。 ただ、ライダーもタイミングを選んでくれている。”割れた子供達(グラスチルドレン)”という過酷な境遇を生き抜いた子どもたちと、彼らを束ねるガムテやサーヴァントのビッグマムという凶悪な敵。 それに、ガムテの戦い方についても包み隠さず教えてから、咲耶さんのことを話してくれたよ。情報をスムーズに伝えるためにも、最後にしてくれたんだね。 もちろん、私たち以外に誰もいない公園には、重い空気が漂うけど。 「……なぁ、あんたはなんであいつらのことにそんな詳しいんだ?」 その空気を壊すのは、刺々しい雰囲気を漂わせるあさひくんの疑問。 でも、それは当然だよね。ライダーはガムテたちのことを教えてくれたけど、普通ならそこまで言えるはずがない。 だって、話に聞く限りだと”割れた子供達(グラスチルドレン)”は危険きわまりない集団みたいだし。 「あいつらも、あんたのことを知っていたみたいだけどよ……まさか、仲間なのか!?」 「おぉ? 鋭いねぇ! その通り……と言いたいところだが、昔の話さ。オレはもう奴らとは縁を切った」 「そんなの、信じられるか!? あんたがあいつらと手を組んで、俺たちを騙すつもりなんだ! 口ではなんと言おうが、どうせ汚い大人なんだろ!?」 ライダーの飄々とした態度に、あさひくんは激高した。 あらら? もしかして、あさひくんの地雷を踏んじゃったの? 「ご名答、オレは確かに汚い大人だったさ。でも、そんなオレでもあいつらはヤバいと思ってる……だから、こうして協力を申し出ているのさ?」 「ふざけるな! 俺は汚い大人をたくさん見てきた! 俺がいくら助けを求めても、誰も手を伸ばしてくれなかった! あんただって、俺を騙すつもりなんだろ!?」 「じゃあ、ここでオレたちを潰すか? オレは別に構わねえが……その後、どうするつもりだい? 坊チャンたちだけで、ガムテやビッグ・マムどもを潰すのは骨が折れるぞぉ? サーヴァントもまだ完治してないしな!」 「そ、それは…………ッ!」 あさひくんの叫びを前にしても、ライダーは余裕を崩さない。 あーあ。あさひくん、手玉にとられちゃってるね。情報面や駆け引きではライダーが圧倒的に有利だから、いくらでも煽ることができた。 一方で、あさひくんは言葉を詰まらせる。本当は協力なんてイヤだけど、自分たちだけで聖杯戦争を生き残れないって理解しているね。 あさひくんのサーヴァント・アヴェンジャーも、今は静観している。おどけ者に見えて、実はかなりの切れ者なのかな。 でも、このままじゃ交渉決裂して、酷いことになりそう。何か、言ってあげるべきかな? 「……汚い大人じゃ、ないと思います」 私の代わりに口を開いてくれたのは、真乃ちゃんのサーヴァントのアーチャーちゃんだった。 彼女は真乃ちゃんを支えたまま、真摯な目つきであさひくんを見つめていたよ。 「あさひさんが、ライダーさんを信用できないのはわかります。でも、今のライダーさんが汚い大人ってのは、違うと思います」 「……何を言ってるんだよ? こいつは、”割れた子供達(グラスチルドレン)”の仲間だったんだぞ!? そんな奴と同盟を組むなんて、どうかしてるだろ! あんたらだって、絶対に利用されて殺されるだけだ!」 「その時は、わたしが全力でライダーさんと戦います!」 あさひくんに負けないくらい、アーチャーちゃんは熱く叫んだ。 「わたしは昔のライダーさんのことを何も知りませんし、あさひさんが同盟を組みたくないっていう気持ちも……理解できます。 でも、この人はアイさんを守りたいって言う気持ちは本当のことだと思ってます! だから、わたしも協力しているんです」 「おぉ? 嬉しいことを言ってくれるねぇ! でも、オレは汚い大人だから、アイを利用しているかもしれないぜ? もしかしたら、誰もいないところでは暴力を振るっている可能性だって……」 「それも、ありえないと思います。だってアイさんは、ライダーさんを本当に頼りにしていますから。 アイさん、ライダーさんがいるから……キラやば〜! な笑顔を見せてくれてくれますし!」 ライダーの煽りにも、アーチャーちゃんは負けない。 やっぱり、この子は本当に純粋だね。自分たちが騙されているという可能性を知っても、最後まで信じ抜こうとするタイプだ。 例え、騙されて酷い目に遭わされても、絶対後悔せずに自分の考えを貫き通そうとする。 この場では危険だけど、それを実現してきた強さを持っているはずだよ。 実際、街中では戦いに勝ったみたいだし。 「アーチャーちゃんの言うとおり、私はライダーを心から頼りにしているよ。彼が私を守りたいって気持ちも、嘘じゃないね。だって、強くてカッコいいもの。 それこそ、私にとってはキラやば〜! なサーヴァントだよ」 「……は、ハハッ……」 だから、アーチャーちゃんの頑張りに応えるため、私も助言する。 ライダーは苦笑いするけど、あさひくんは未だに私たちを睨んでいる。でも、落ち着いてくれたかな? 「……俺ちゃんとしては、マスターと同意見だけどよ。あのガキどもはヤバい。 しかも、背後にはビッグ・マムって怪物も潜んでいるときたもんだ! 無敵の俺ちゃんでもよ、マスターを守り切れないかもしれねえ。確か、疒(やまいだれ)や”地獄への回数券”(ヘルズ・クーポン)……だったか? 俺ちゃんだけじゃ、それを防ぎ切れるとも思えねぇ」 アヴェンジャーも、車の中での態度が嘘のように真剣だ。 見た目こそは派手だけど、本質的にはアーチャーちゃんみたいなタイプなのかな。お調子者と思いきや、実は真っ直ぐ……でも騙されにくい。 かなり厄介なタイプかも。 「もちろん、マスターがここにいる奴らは鏖(みなごろし)でございます! って言うなら、俺ちゃんは頑張るよ?」 さらっと物騒なことを口にするけど、絶対にやめて。 「……俺は、ライダーを信用するつもりはない」 それが、あさひくんの答えだった。 彼は今もライダーを鋭い目で睨んでいるよ。 「誰が何と言おうと、俺はあんたみたいな汚い大人が大嫌いだ」 「そーかい。じゃあ、オレたちを鏖(みなごろし)にするか?」 「いいや……俺はアーチャーとライダーに命を助けられた。その借りを返すために、今だけは同盟を組んでやる」 その瞬間、アーチャーちゃんは笑顔になって、アヴェンジャーもニッと笑った気がした。 「でも、忘れるなよ! あんたが俺たちを裏切ろうとするなら、すぐにでもマスターごと潰してやるからな!」 「オッケーオッケー! じゃあ、期待に応えられるように頑張ってやるさ」 あさひくんは叫ぶけど、ライダーは相変わらず軽々と流す。 やんちゃな子どもとクールな大人で、正反対の二人だよ。でも、正反対だからこそ、お互いに本気でぶつかり合って気持ちを確かめ合える。 アクアとルビーも、大きくなったらこんな風にケンカするのかな。ケンカをしても、また仲直りをしてくれるよね。 そんな二人の姿を見れないことはやっぱり悲しい。だから、二人が待つ家に帰りたいな。 それから、私たちは一旦別行動を取ることになったよ。 真乃ちゃんはちょっと動けなさそうだから、あさひくんたちに任せている。 そう……私たちにとって、真の同盟相手と出会うために。 「それにしても、良かったの? あんなに気前よく話しちゃって」 車の中で私はライダーに尋ねる。 何故なら、ライダーの口から真乃ちゃんとあさひくんたちに、アサシンのサーヴァントに会いに行くって話したから。 『これから、オレたちは別行動を取る。オレたちと同盟を組みたいってサーヴァントがいたから、交渉に行くのさ』 『俺ちゃんたちも一緒に行っちゃダメ?』 その時も、アヴェンジャーは訪ねてきた。 やっぱり、私たちを警戒しているみたいだね。自分たちのあずかり知らぬ所で罠を仕掛けられることを、防ぐつもりかな。 『いいや、無理だ。あいつは警戒心が強そうで、オレたちでゾロゾロと行ったらその時点で交渉決裂だ。いい結果が得られたら、連絡してやるからよ』 『しょーがねえなぁ……あ、お土産よろしくな』 『……オレは遊びに行くわけじゃねえんだぞ』 アヴェンジャーのマイペースぶりに、ライダーは呆れていた。 うん、確かに彼がついてきたら話がこじれちゃうね。厄介な人は、真乃ちゃんたちに任せた方がいいかも。 真乃ちゃんと連絡先を交換できたから、経過報告ならできそうだし。 天然なのか、それとも故意で私たちのペースを乱そうとしているのか……どちらにせよ、アヴェンジャーは一筋縄ではいかなそうだね。 「もう、なりふり構っていられる状況じゃないからな。それに、嬢チャンだけならまだしも、あのアヴェンジャーがいたら……下手に誤魔化さない方が良さそうだ」 車を運転するライダーの顔からは、明らかな焦りの色が滲み出ていた。 いつものライダーからは想像できない姿で、それだけ危険な相手であることが伝わるよ。 あさひくんとも同盟は組めたけど、彼も彼で危険だね。いわゆる、無敵の人に近いオーラがある。 ただ、戦わせる分には問題ないのかな? やるべきことはまだまだ多そう。 危険な敵はいっぱいいるし、いつどこで私たちが襲われるのかわからない。 でも、私は絶対に諦めないよ。だって私には、愛する子どもたちの所に帰りたいって願いがあるから。 【世田谷区のどこか/一日目・午後】 【[[星野アイ]]@【推しの子】】 [状態]:健康 [令呪]:残り三画 [装備]:なし [道具]:なし [所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入) [思考・状況] 基本方針:子どもたちが待っている家に帰る。 1:アサシン([[伏黒甚爾]])達との同盟を主にしつつ、真乃ちゃんやあさひくん達を利用する。 2:思ってたよりうまく行ったなー。 3:アサシンのマスターと会いたい。 4:あさひくん達は真乃ちゃん達に任せたいかも。 [備考] ※[[櫻木真乃]]と連絡先を交換しました。 【ライダー([[殺島飛露鬼]])@忍者と極道】 [状態]:健康 [装備]:大型の回転式拳銃(二丁)&予備拳銃@忍者と極道 [道具]:なし [所持金]:なし [思考・状況] 基本方針:アイを帰るべき家に送り届けるため、聖杯戦争に勝ち残る。 0:まずは一刻も早くアサシン([[伏黒甚爾]])の元に向かい、交渉する。 1:[[櫻木真乃]]とアーチャー([[星奈ひかる]])にアイを守らせつつ利用する。 2:アサシン([[伏黒甚爾]])のマスターとアイを会わせ、正式に同盟を結ばせたい。 3:ガムテたちとは絶対に同盟を組めない。 4:アヴェンジャー([[デッドプール]])は利用するけど、できるなら戦いたくない。 [備考] ※アサシン([[伏黒甚爾]])から、彼がマスターの可能性があると踏んだ芸能関係者達の顔写真を受け取っています。 現在判明しているのは[[櫻木真乃]]のみですが、他にマスターが居るかどうかについては後続の書き手さんにお任せいたします。 ◆ 白瀬咲耶さんが死んだ。 ライダーさんからそう聞かされた時、私は何も考えられなくなりました。 ライダーさんとあさひくんの間で一悶着が起きても、私だけが何も言えないまま、ひかるちゃんに全てを押し付けています。 ひかるちゃんだって、本当は悲しいはずなのに。 戦いが起きてから、私だけは何もしていません。 アイさんはひかるちゃんと一緒にあさひくんを説得して、同盟を組んで貰えました。 ライダーさんもたくさんの情報を教えてくれて、アヴェンジャーさんもあさひくんを守るために戦っています。 でも、私は何もできなかった。それどころか、今だってひかるちゃんを心配させるだけです。 私は何をやっているのでしょう。 本当なら、ひかるちゃんのことを支えてあげなきゃいけないのに。 ひかるちゃんはプリキュアに変身して、あさひくんたちを守ってくれました。でも、”割れた子供達(グラスチルドレン)”の子の命を……ひかるちゃんは奪いました。 もちろん、ひかるちゃんは絶対に殺人なんて望んでいません。あそこで戦わなければ、私たちを守れないと知ったからこそ、罪を背負ったのでしょう。 気丈に振る舞っていますが、本当はプレッシャーに苦しんでいるはず。なのに、何もしてあげられないことが悲しいです。 咲耶さんは、どんな気持ちでこの世を去ったのでしょう。 アンティーカのアイドルとして、たくさんの笑顔と幸せを届け続けました。 きっと、この聖杯戦争でも巻き込まれた人たちを守ろうと頑張ったはずです。 でも、私は今まで何をしていたのでしょうか? ただ、ひかるちゃんに守られながらアイドルの仕事をしていただけで、私自身が誰かを助けることができたのでしょうか? 咲耶さんを殺したガムテという子のことは許せません。 だけど、復讐に走る勇気もない。何故なら、[[プロデューサー]]さんの理想を裏切ることがイヤだからです。 ひかるちゃんに戦わせておきながら、虫のいいことを考えているのはわかっています。それに、アンティーカのみんなが咲耶さんのことを知ったら、絶対に戦うでしょう。 それでも、復讐が怖い……こんな私自身がとても情けないです。 私はアイドルとして頑張ってきました。 だけど、それは私だけの力だけではありません。[[プロデューサー]]さんや、灯織ちゃんとめぐるちゃんが一緒にいてくれたから、私は飛ぶことができました。 私ひとりだけでは、絶対に変わることができませんでした。いいえ、今だって……私に力を貸してくれる人がたくさんいるのに、私は無力です。 ただ、咲耶さんのためにしてあげられることが、283プロのみんなに真相を教える以外に思いつきません。 [[プロデューサー]]さんやアンティーカだけではなく、みんなが悲しみに包まれるでしょう。私だって、咲耶さんの死に心の底から悲しんでいますから。 灯織ちゃんだったら、悲しみを乗り越えて立ち上がってくれるでしょうか。 めぐるちゃんだったら、悲しくてもみんなを優しく励ましてくれるでしょうか。 そして……[[プロデューサー]]さんだったら、悲しみに負けないで283プロのみんなを引っ張ってくれるでしょうか。 答えを出せるまで、時間がかかりそうで。 アイドルとしてたくさんの人を喜ばせた私……[[櫻木真乃]]は、今はとてもちっぽけな存在になっていました。 ◆ 俺ちゃんは[[デッドプール]]だ。 この話のトリを飾るアヴェンジャーのサーヴァントで、地平聖杯人気No.1のヒーローだぜ! まぁ、今はおふざけをしている場合じゃないな。 セイバーのサーヴァントとの戦いに負けた俺ちゃんは、今度は”割れた子供達(グラスチルドレン)”ってガキンチョどもに襲われた。 あいつらは手慣れた様子で武器を構え、その辺のギャングが比較にならない殺意をまとっていた。静かだが、かなりどう猛で……今の俺ちゃんじゃ、あさひを守り切れないかもしれねえ。 片腕の再生はいつも以上に遅れて、100%の力も出せねえ。もちろん、俺ちゃんがガキンチョどもを仕留めるだけなら簡単だが、あさひが殺される可能性の方が高かった。 でも、俺ちゃんたちが絶体絶命の危機に陥った矢先……プリンセスのサーヴァントちゃんが駆けつけた。 おっと、プリンセスじゃなくてアーチャーだったかな? ……ただ、あの”割れた子供達(グラスチルドレン)”は、被害者でもあるのさ。 ライダーの兄ちゃん曰く、どうしようもない大人たちに未来を奪われた哀れな子どもらしい。 言ってしまえば、あさひみたいなガキンチョたちなのさ。あさひはクソみたいな父親に未来を奪われて、生きる術を失った。一歩間違えたら、あさひも”割れた子供達(グラスチルドレン)”になったはずだ。 不憫なガキンチョどもを殺すことに、思うことはあるけどよ……もう、俺ちゃんにも救うことができない。下手に情けをかけたら、今度はあさひが殺されちまう。 だから、俺ちゃんはあいつらを殺すしかなかったのさ。せめて、生まれ変わったらまともな親御さんに会えることを祈りながらな。 きっと、あのアーチャーちゃんも同じなはずだぜ。マスターを守る責任があるからこそ、引導を渡してやったのさ。 もちろん、あのライダーの兄ちゃんは完全に信用していいヤツじゃない。 アーチャーちゃんは覚悟を決めているみたいだが、兄ちゃんから漂うワルのオーラもなかなかだ。 一応、ガムテたちについて教えてもらった恩義はあるけどよ……俺ちゃんの本能が、あいつを警戒しろと叫んでいる。 あとは、白瀬咲耶かな。 彼女が死んだと知って、真乃はショックを受けちまった。アーチャーちゃんだって、悲しそうな顔になっている。 あさひが言うように、咲耶を殺したガムテたちの仲間だった兄ちゃんと手を組むなんて、俺ちゃんだって御免だった。 でも、今だけはアーチャーちゃんに免じて、力を貸してやる。悔しいが、俺ちゃんだけの力じゃあさひを勝たせるなんてできない。 くだらないプライドはいくらでも捨ててやる。ライダーの兄ちゃんが俺ちゃんたちを利用するなら、俺ちゃんたちも利用してやるだけさ。 それに、セイバーに負わされた傷だって、完治するには時間がかかるしな。しばらく、戦いはアーチャーちゃんに任せた方がいいか? 片腕はようやく再生したが、他の傷はまだ癒えていない。たく、あのサムライ……どんなふざけたステータスなんだよ。 今は真乃が落ち着くまで、公園で休むことになっている。 ただ、俺ちゃんは考えたのさ。真乃のお友達が巻き込まれたってことは、あさひにとって親しい人間も東京のどこかにいるかもしれないって。 そう……あさひが助けたいと願っている[[神戸しお]]がな。 もちろん、しおがいると決まった訳じゃない。 でも、本当にしおと出会うことになったら、あさひは悩むはずだ。 自分の願いのため、しおと戦うのか。それとも、しおを守るために自ら命を絶つのか。 この聖杯戦争に乗るのであれば、いつかはどちらかが命を落とすことになる。そうなりゃ、待っているのは地獄だろうな。 だから、優勝する以外の選択肢も探す必要も出てくるかもしれねえが……あさひはどう思うだろうな。 だが、俺ちゃんは絶対にあさひを守る。 アーチャーちゃんが真乃を、ライダーがアイを守りたいと願っているように……俺ちゃんだって、あさひを守ることを譲るつもりはねえ。 それにしおが本当にいるなら、二人揃ってお家に送ってやりてえ。今日の俺ちゃんはガキのために戦う男だから、兄妹の居場所を守る責任がある。 俺ちゃんも褒められた男じゃないが、この気持ちだけは本当だぜ? 【世田谷区・どこかの公園/一日目・午後】 【[[櫻木真乃]]@アイドルマスターシャイニーカラーズ】 [状態]:健康、咲耶の死を知った悲しみとショック(大) [令呪]:残り三画 [装備]:なし [道具]:なし [所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入) [思考・状況] 基本方針:ひかるちゃんと一緒に、アイドルとして頑張りたい。 0:咲耶さん……! 1:アイさんやあさひくん達と協力する。 [備考] ※[[星野アイ]]と連絡先を交換しました。 【アーチャー([[星奈ひかる]])@スター☆トゥインクルプリキュア】 [状態]:健康 [装備]:スターカラーペン(おうし座、おひつじ座、うお座)&スターカラーペンダント@スター☆トゥインクルプリキュア [道具]:なし [所持金]:約3千円(真乃からのおこづかい) [思考・状況] 基本方針:真乃さんを守りながら、この聖杯戦争を止める方法を見つけたい。 1:今は真乃さんを守るために休む。 2:アイさんやあさひさんのことも守りたい。 3:ライダーさんと戦うときが来たら、全力を出す。 【アヴェンジャー([[デッドプール]])@DEADPOOL(実写版)】 [状態]:『赫刀』による負傷(胴体および右脇腹裂傷(中)、いずれも鈍速で再生中)、疲労(中) [装備]:二本の刀、拳銃、ナイフ [道具]:なし [所持金]:なし [思考・状況] 基本方針:俺ちゃん、ガキの味方になるぜ。 0:今は公園で休む。 1:骨が折れるな、聖杯戦争ってのはよ。 2:落ち着いたら、しおがいる可能性をあさひに話す。 [備考] ※『赫刀』で受けた傷は治癒までに長時間を有します。また、再生して以降も斬傷が内部ダメージとして残る可能性があります。 【[[神戸あさひ]]@ハッピーシュガーライフ】 [状態]:疲労(中)、全身に打撲(中) [令呪]:残り3画 [装備]:なし [道具]:金属製バット、リュックサック [所持金]:数千円程度(日雇いによる臨時収入) [思考・状況] 基本方針:絶対に勝ち残って、しおを取り戻す。 0:今は公園で休む。 1:折れないこと、曲がらないこと。それだけは絶対に貫きたい。 2:ライダーのことは信用しないけど、今だけは同盟を組む。 【全体の備考】 アイ組、真乃組、あさひ組で以下の情報を共有しました。 ※ガムテ率いる”割れた子供達(グラスチルドレン)”が中央区某高級住宅塔を拠点にし、23区の各地で暗躍している。 ※ガムテの戦闘スタイルと極道技巧、そして“地獄への回数券”(ヘルズ・クーポン)について。 ※ガムテはライダーのサーヴァント……ビッグ・マム(真名がシャーロット・リンリンであることは知りません)を召喚し、白瀬咲耶を初めとした多数のマスターを殺害した。 ※ビッグ・マムと並ぶ強さを持つサーヴァントもどこかに潜んでいる可能性がある(現状では確定ではない)。 ※”割れた子供達(グラスチルドレン)”によって等々力渓谷公園周辺の監視カメラが破壊されました。 **時系列順 Back:[[この檻の外へ]] Next:[[283プロダクションの醜聞]] **投下順 Back:[[月だけが聞いている]] Next:[[寂寞に花]] |CENTER:←Back|CENTER:Character name|CENTER:Next→| |015:[[かごめかごめ]]|CENTER:星野アイ|033:[[天秤は傾いた、――へ]]| |~|CENTER:ライダー([[殺島飛露鬼]])|~| |~|CENTER:[[櫻木真乃]]|029:[[ピースサイン]]| |~|CENTER:アーチャー([[星奈ひかる]])|~| |003:[[サムライハート(Some Like It HURT)]]|CENTER:[[神戸あさひ]]|~| |~|CENTER:アヴェンジャー([[デッドプール]])|~|