夢を見ていた。 夢の中でも俺は変わらず怪物で、まるで嵐の様に暴れ狂っていた。 傷だらけの仲間を更に傷つけ、たった一人遺った妹すら食い殺そうとして。 仲間が俺を殺そうとする。人食いの化け物になった俺を止めるべく刃を振り下ろそうとする。 けれど、できなかった。イノシシの被り物の下からでもボロボロと涙を溢れさせて。 仲間を殺そうとする俺を、彼は殺そうとはしなかった。 けれど俺の方は止まることなどできない。 そのまま仲間の命を奪うべく手を振り下ろそうとして――妹に止められた。 ――――どうしていつも、お兄ちゃんばかり苦しい目に合うのかなぁ? どうして、一生懸命生きてる優しい人たちがいつもいつも踏みつけにされるのかなぁ? ―――――お兄ちゃん。帰ろう。私たちの家に。皆、一緒に…… 滂沱の涙を流しながら俺を抱きしめる妹の体温は暖かかった。 それは俺の知らない暖かさだった。 皆が、俺のために泣いてくれて。 皆が、俺に一緒に帰ろうと言ってくれる。 向けられる瞳は化け物を見る目ではなく。 とても大切な誰かを見る目だった。 ………あぁ、羨ましいな。 心の底から、そう思った。 ▼ ▼ ▼ 皆が俺が生まれてきたことは過ちで、災いだと言った。 皆が、俺が死ねば全て丸く収まると言った。 たっと一人だけ、そんな必要はないと言ってくれた友達もいたけれど。 その友達も自分を救ってはくれなかった。 溶源性細胞。 人を人食いの怪物に変える呪われた因子。 千翼と言う少年に、生まれし時より刻まれた決して拭えない罪科。 例え聖杯戦争のマスターとしてこの地に招かれても、その罪が消える事は決してない。 彼が、人間から存在を許される時など未来永劫やってこない。 それこそ、全てを覆す奇跡でもなければ。 「そうだ。だから俺は……」 身に着けた赤いスカーフを揺らしながら、黒髪の少年は地の底の様な路地裏で空を仰ぐ。 そして、誓うのだ。 「俺は戦う。生きるために。イユと一緒に生きるために…戦わなきゃいけない」 不安もある。迷いもある。 だけれど何時だって運命は戦いを強いてくる。 それを辞めた時が死ぬときなどだと、彼は深く理解していた。 その代わり、願う事だけは躊躇わない。 それがどれほどの罪なのかは理解していても。 自分の魂に強く強く願いを刻みつけて、決してこの思いだけは消えないように。 求めるのは唯人として生きていける人生。 もう戦わなくていい、誰も傷つけなくてもいい日々を。イユと共に穏やかに流れていく時間を。 それだけを彼は望む。 「…勝つぞ、バーサーカー」 振り返った千翼の背後。そこには彼のサーヴァントが控えていた。 獰猛な獣の様な殺気を迸らせながら、けれど決して千翼を傷つけない。この街で唯一の味方。 黒い黒衣に、顔を覆う痣が特徴的な狂戦士の少年。 その獣の様な雄叫びが、路地裏に響く。 ―――帰ろうよ。お兄ちゃん。 獣の咆哮の残響か、耳朶に夢の中で聞いた女の子の言葉が響く。 だが、後戻りするつもりはない。立ち止まることなど、許されない。 命ある限り、千翼は走り続けるしかないのだ。 帰る家も、そこで待つ人も、彼には居ないのだから。 それを手にするために…全ては、此処から始まるのだから。 【クラス】 バーサーカー 【真名】 鬼の王@鬼滅の刃 筋力A+ 耐久A+ 敏捷A+ 魔力B 幸運D 宝具C 【クラス別スキル】 狂化:A 理性の代償として能力を強化する。 全ての理性を引き換えに全能力値が上昇し、更に筋力と耐久が1ランク上昇する。 【固有スキル】 戦闘続行:A 往生際が悪い。 瀕死の傷でも戦闘を可能とし、首を落されない限り、或いは首を落とされても生き延びる。 鬼種の魔:A 鬼の異能および魔性を表すスキル。 鬼やその混血以外は取得できない。 天性の魔、怪力、カリスマ、魔力放出、等との混合スキルで、ランサーの場合魔力放出は"衝撃波"となる。 自己改造:A 自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。 このランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていく。 【宝具】 『鬼滅の刃』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1 鬼の始祖によって齎された呪われた福音。鬼を滅ぼす刃ではなく鬼を狩るものを滅ぼすための刃。 平安の世から大正に至るまで千年以上世に暗躍した鬼種の到達点である鬼の王の肉体。 あらゆる鬼を上回る肉体性能に瞬時に肉体を再生する再生能力、そして本来弱点であるはずの日光や赫刀すら完全に無効化する。 更に鬼を撃ち滅ぼす者を滅ぼすために生まれたという成り立ちから魔性に対して有利な特性効果を持つ英雄に特攻効果を発揮する。 【weapon】 鬼になり果てた肉体。 【人物背景】 主人公、竈門炭治郎が最終決戦にて鬼の首魁である[[鬼舞辻無惨]]に想いを託された姿。 無惨が最強の鬼である自分を追い詰めた炭治郎こそが、鬼の力を託す「継承者」に相応しいと信じ、 自分には出来なかったことも成し遂げられると祈りという呪いを込めて血を与えたことにより死亡していた炭治郎は蘇った。 全ての鬼狩りを抹殺し、全ての鬼を超え統べる鬼の王として。 【サーヴァントとしての願い】 家に帰りたい。 【マスター】 千翼@仮面ライダーアマゾンズ 【マスターとしての願い】 生きたい 【weapon】 ネオアマゾンズドライバー: アマゾンネオの変身ベルト。後述するアマゾンズインジェクターを投与することで自らのアマゾン細胞に多様な変化をもたらす。 アマゾンズインジェクター: 変身に必要な特殊な薬液とそれが封入された注射器状のアイテム。 これをベルトに注入することで変身や武器の生成が行える。 数に限りがあり、現状複数回の戦闘に耐える程度の数はあるが考えなしに多用はできない。 【能力・技能】 オリジナルアマゾン: 食人本能を持つ人工生命体。外見上は人間そのものだが、それはあくまで人間態に変身しているからである。 超人的な身体能力と再生能力を持つ反面、強烈な食人衝動に襲われる。彼の場合その衝動は通常以上に強く、また彼の細胞を摂取した人間をアマゾンに変異させる力もある。 アマゾンネオ: 上記ドライバーと薬液を使用することで変身する、千翼の仮面ライダーとしての姿。アマゾンとしての力を制御・抑圧した姿であり、彼の通常戦闘スタイルと言っていい。 変身中に更に薬液を追加することでブレード、クロー、ニードルガンなどを生成する。 オリジナル態: 千翼のオリジナルアマゾンとしての姿。ネオの口が裂け、六本の腕と無数の触手を併せ持つ。いわば暴走形態。 戦闘能力は非常に高く、人間態やアマゾンネオの状態とは比較にならないほど。ただしこの形態においては理性を失っている場合がほとんどであることに留意したい。 【人物背景】 生まれ、生きたことにより溶源性細胞という災厄を人間社会にばら撒いた罪を科された少年。 本編11話より参戦。 本聖杯戦争においてロールは無く、浮浪者である。 【マスターとしての願い】 生きたい。