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ヤンデレの小説を書こう!Part20-Page4 - (2009/03/14 (土) 08:00:47) の1つ前との変更点

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<p>750 名前:似せ者  ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/03(土) 05:04:41 ID:clWZ+s3E<br /> 藤堂優奈。隣のクラスの女子。<br /> 残念なことに、彼女に関する確かな情報はあまり持っていない。趣味も好みも不明。<br /> とりあえず、外見は良い。というか、めちゃくちゃ可愛い。人気のアイドルも彼女を前にしたら裸足で逃げ出すのではないであろうか?<br /> 思わず撫でたい衝動に駆られる茶味がかかった黒髪。<br /> 完璧以上に完璧な整った顔立ち。<br /> 繊細な指や足。<br /> 唯一、胸はあまりないが、全体的に細いそのスタイルは彼女のか弱いイメージとマッチしていて、それすらも計算されているのではと思わされる。<br /> 杉下曰く、「仁衣高校三大美女」と呼ばれるうちの一人であるらしい。<br /> 余談だが、その「仁衣高校三大美女」には姉さんも入っているらしい。本人は知っているのだろうか?今度聞いてみよう。<br /> そして彼女は独特の雰囲気を持っている。実際、俺は外見よりそちらに惹かれたのかもしれない。<br /> 上手く説明は出来ないが、何というか、彼女は自分の人生を客観的に生きていた。おそらく彼女は、人が喜びそうなことをしたら喜び、悲しみそうなことをしたら悲しむであろう。しかも演じているような不自然さとは無縁に。<br /> 彼女の主観は客観であるというのが言い得ているであろうか。人間らしい人間。それが藤堂優奈であった。<br /><br /><br /> 751 名前:似せ者  ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/03(土) 05:08:10 ID:clWZ+s3E<br /> 昼休み前の前の四時間目。俺は数学の授業を華麗に聞き流しながら、必死に告白のセリフを考えていた。<br /> 「もう俺は君無しでは生きていけない。俺と付き合ってくれ!」<br /> 「どうしようもなく君が欲しい。高校生活を俺と共に歩いてくれないか?」<br /> …。駄目だ。俺にはこういったセンスはないらしい。<br /> 俺は、二時間目終了後に、藤堂優奈の机に手紙を入れてきていた。<br /> 「話したい事があります。昼休みの空いている時間、屋上に来てください」<br /> と。<br /> しかし、呼び出して、どういう風に告白するか。それをまったく考えていなかった。<br /> 「まぁ適当に挨拶した後、ストレートに、好きです!付き合ってください!でいいだろう」<br /> どうせ撃退だろうし…。<br /> 彼女にまだ彼氏が居ないことは確かである。なので、可能性が0というわけではない。<br /> しかし彼女はかなり頻繁に男子の告白を受けているが、それを全て断っているらしい。<br /> 理由は不明。杉下によると、撃沈者の数は、まだ入学から一ヶ月しか経っていないというのに、十人を軽く越しているとか。<br /> そんな事を考えていると逆に緊張感は薄れてきた。<br /> 藤堂優奈のことは本気で好きである。おそらく杉下達の罰ゲームがなくても、いつかは告白していた。<br /> もし自分の彼女に出来たら、とてつもなく嬉しい。そして、振られたら、もちろん悲しいであろう。<br /> しかし例え振られても、俺には現在の充分に充実した生活があった。<br /> 「失う物は何もない」<br /> 自らに言い聞かすように小声で呟いた。<br /> 丁度、俺の覚悟をしたのを見計らったかのように授業終了のチャイムが鳴った。<br /> 「さて行くか!」<br /> 俺は授業終了の号令と同時に教室を出た。<br /><br /><br /> 仁衣高校は屋上が開放されている。ただ風が強いのと季節によっては寒いのとで、昼休みにここで弁当を食べる習慣の生徒は居ない。(もっとも、たまには居るのだが)<br /> なので、教室とは違った話場として使われていた。しっかりとベンチもあったりする。<br /> 告白にはよく使われているらしい。<br /> 普段は人がいないのに加え、例え自分のような人間が複数居ようと、仁衣高校の屋上はなかなか広いため、あまり気にならないためであった。<br /> 今日は俺しか居ないようだ。もっとも、まだ昼休み開始すぐなので、これから人が増える可能性はあるが。<br /><br /><br /> 752 名前:似せ者  ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/03(土) 05:11:18 ID:clWZ+s3E<br /> ガチャリ…<br /> 入り口のドアが開く音がした。まさかもう来たのであろうか?<br /> ドアが完全に開くとそこには可憐な少女が居た。藤堂優奈だ。<br /> 俺は一度小さく深呼吸をし、藤堂優奈に話しかけた。<br /> 「こんにちは。来てくれてありがとう。俺は1-Cの赤坂映太。よろしく」<br /> 「え…」<br /> いきなり、驚いたような顔をされた。少し馴れ馴れしかっただろうか?さっそくミスをしてしまったか?<br /> 俺はとても焦った。<br /> 「好きです、付き合ってください!」<br /> 気づくと俺は既に告白のセリフ言ってしまっていた。<br /> 藤堂優奈が屋上に来てから三十秒も経っていないうちの告白。挨拶だけして、前置きも無しに叫んでいた。<br /> 相手からすれば俺は今初めて知った人間なのに。<br /> しかも顔は下げたまま。まともに藤堂優奈の顔を一度も見ていない。<br /> やってしまった…。駄目な告白の典型例だろう、きっと。<br /> とりあえず、俺はおそらく真っ赤になっているであろう顔を上げ、返事を待った。<br /> 「兄さん…」<br /> 「は?」<br /> 様々な返事を想定はしていた。断りの返事はもちろん、希望を込めてのOKの返事も。<br /> が、こんな返事は予測していなかった。俺の口から間抜けに疑問符がこぼれる。<br /> 「兄さんーー!」<br /> 藤堂優奈はもう一度そういうと、勢いよく俺の胸に飛び込み、そして抱きついてきた。<br /> 兄さん?藤堂優奈に抱きつかれた?好きな女の子にいきなりの行動に俺の頭はパニックに陥っていた。<br /> 顔を見ると、目に涙が溜まっている。<br /> 「兄さん!兄さん!寂しかったよぅー」<br /> 何が何だか分からない。<br /> 俺はしばらく抱きつかれたまま、その場で立ちすくんでいた。<br /><br /><br /> 753 名前: ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/03(土) 05:14:02 ID:clWZ+s3E<br /> 投下終了です。不評でなければ続き投下していきます。<br /> では裸にネクタイの態勢に戻ります。<br /><br /> 754 名前: ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/03(土) 05:15:37 ID:clWZ+s3E<br /> 追記<br /> 昼休み前の前の四時間目→昼休みの前の四時間目<br /> 普通にミスです。すみません。<br /><br /> 755 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/03(土) 06:36:51 ID:qmFjoBpY<br /> GJ!<br /><br /> 756 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/03(土) 06:43:19 ID:jexV9bZ+<br /> 続きが楽しみだ。GJ!!<br /><br /> 757 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/03(土) 11:39:11 ID:snLHAzVP<br /> 続き~楽しみに決まってます!!!<br /><br /> 758 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/03(土) 18:19:14 ID:dLSzsSSq<br /> GJ!続きがきになる!!全裸で待機してます!<br /><br /> 759 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/03(土) 18:27:48 ID:KWXh7ImH<br /> GJ!この後のどうなっていくのか気になる(>< <br /><br /> 760 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/04(日) 00:58:05 ID:OknPVrM0<br /> 良作ホイホイだな<br /><br /> 761 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/04(日) 05:02:00 ID:ikCddwhD<br /> GJ!!<br /> これは、神の予感・・・<br /><br /> 762 名前:名無しさん@ピンキー[な] 投稿日:2009/01/04(日) 07:22:37 ID:SUfb/mYA<br /> GJ!!<br /> 続きキボン<br /><br /> 763 名前: ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 03:16:39 ID:/qiCKxV6<br /> こんなにGJと言って頂けるとは!嬉しいのでさっそく2話目投下しちゃいます!<br /> ってなる予定だったんですが…<br /> 2話以降、全部消えました。気分良くなって保存もせずにログオフとか…<br /><br /> 優奈「雨音ちゃんは俺の妹!とかはしゃいで、私の事を忘れる兄さんが悪いんですよ」<br /> はい…、その通りです。<br /><br /> スミマセン、それだけです。そういう報告は要らねーよって思うかもですが、あまりに悲しかったので…<br /><br /> 764 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/05(月) 04:39:50 ID:VvMor0kP<br /> &gt;&gt;763<br /> 楽しみにしてるので、諦めずまた投下されることを祈ってます。<br /><br /> 765 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/05(月) 06:47:29 ID:f2xhAhK4<br /> &gt;&gt;763<br /> 字が消えたら物語が消えるって訳でもなし<br /> 脳内に残ってるならまた書けばいいさ<br /> 気長に待ってるよ<br /><br /> 766 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/05(月) 11:24:55 ID:xPTBIbP8<br /> SSって書き始めたとしても、なかなか書ききれないよね<br /><br /> 767 名前:ワイヤード  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:28:20 ID:TDyDTYz3<br /> 久々に投下します。二話連続ですが、今回あまり面白い部分はないと思います。<br /> これからへのつなぎみたいな話です。<br /><br /> 768 名前:ワイヤード 幕間  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:28:50 ID:TDyDTYz3<br /> 幕間『少女の祈り』<br /><br /> 神様――。<br /><br /> 月夜。<br /> 光がステンドグラスを超えて差し込み、少女を照らしていた。天使のごとき輝き。<br /> 翼のないその姿が、むしろ神秘だった。<br /> 闇の中の教会で唯一輝ける少女は、独り神に祈りをささげていた。<br /> 「神様」<br /> 目を閉じる。<br /> 少女はその瞼の裏に、世界でたった一人、愛し、全てをささげるべき存在を想い浮かべる。<br /> そして、それは神ではない。ただの、一人の少年の姿だった。<br /> 「神様、どうか……」<br /> 少女は、神など信じてはいなかった。信じているのは、ひとつだけ。<br /> 未来。<br /> 少女と、少年の、二人の未来。たったひとつ、それだけがあれば、それは彼女の幸せだった。<br /> 「どうか、ちーちゃんと私の生きる、未来を……!」<br /> ただひたすらに、純粋で、しかし利己的な願い。<br /> 信じてなどいない神にまですがる。<br /> それは、彼女がプライドよりも大切なもののために生きているという証拠だった。<br /> それほどまでに、少女はあの少年を愛していた。<br /> 「神様……」<br /> 教会の奥にひっそりと佇む、神を模した像は、ただ、少女を見つめるだけだった。<br /> ――この世界に、神なんていない。<br /> 少女には、そんなことは既に分かっていた。<br /> 神なんていない。人は、狂おしいまでに平等だ。<br /> だから、強いものが勝ち、弱いものが負ける。平等だからこそ、違いがある。<br /> だから、少女は力を願った。<br /><br /><br /> 769 名前:ワイヤード 幕間  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:30:28 ID:TDyDTYz3<br /><br /> かたん。<br /> 突然後ろから聞こえたその音に、少女は振り向く。<br /> 教会の扉が開いていた。差し込む光に、浮かび上がる影。<br /> 人影。<br /> 「待ってたよ、アリエス」<br /> 少女は、確信をもって人影に声をかけた。<br /> アリエスと呼ばれた少女も、落ち着いた声で返答する。――まるで、こうなるのがはじめからわかっていたかのように。<br /> 「逃げないとは、たいした自信だな」<br /> 「けじめをつけるためだよ。一人でも逃がしたら、ちーちゃんに迷惑がかかっちゃうから」<br /> 「お前は……!」<br /> アリエスが激昂する。<br /> 「お前は、悪魔だ。神に祈る資格など、ない!」<br /> 「……そう」<br /> 少女は神にひざまずいていた姿勢から、立ち上がり、アリエスと向かい合う。<br /> 「自らの目的のために、何人を義性にした! 何人を殺してきた! お前の殺した者には、帰りを待つ家族がいて、恋人がいて、友がいて……ともに、笑い、泣き、怒り……。全て同じ、人間だ!<br /> それを、お前は簡単に……! そして、遂には、お前はおまえ自身の両親までも……!」<br /> 「なら、逆に聞かせてもらうよ」<br /> 「……何だ」<br /> 「あなたたち統合教団は、私にどういう仕打ちをした? 度重なる、過酷な能力テスト。人体実験。兵器開発。薬物投与。攻撃力の調査のために、大型動物と素手で戦わされたこともあったよ。<br /> そして、死刑囚を連れてこられて、人体への攻撃を試すとか言って、私にその人を殺させたのも、あなたたち統合教団」<br /> 「……っ」<br /> 「もともと人間扱いされなかった私に、私の両親は何をしてくれた? もともと統合教団に私を売ったのもお父さんとお母さんだよ。そして、そのためにちーちゃんと私を引き離したのもあの二人。あの二人だって……あいつらだって! 私を人間扱いしてくれなかった!」<br /> 「それでもっ」<br /> 「それでも、何だっていうの!? 私を助けてくれたのは、心の中にあったちーちゃんとの記憶だけなんたよ……? あの人と結ばれる未来だけが。その夢だけが、私を守ってくれたんだよ? そんな、小さいけど幸せな未来への願いさえ、統合教団は許さなかった」<br /> 「だから、全て破壊したというのか!」<br /> 「そうだよ! それのどこが間違ってるって言うの? アリエス、あなたに私が裁ける? ちーちゃんが好きだっていうだけで、それだけで良かった私を、ここまで変えてしまったのは、あなたたちなんだよ……?」<br /> 「違う……。お前は、お前のエゴを押し通しているだけだ! お前一人の願いのために、多くの――お前と同じ、小さな願いを持った人間を、何人も殺したんだ。それは、許されるものではない」<br /><br /><br /> 770 名前:ワイヤード 幕間  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:31:03 ID:TDyDTYz3<br /> 「……なら、その力は誰が私に与えたものなの?」<br /> 少女は、手にもった剣を握り締めた。<br /> 「それは、お前が元から持っていた力だろう。だから我々統合教団は、お前を保護し……」<br /> 「違う! 私は、ちーちゃんと一緒にいたいだけなの! 本当は、こんなちから、いらない!」<br /> 「血塗られたお前が言うことか……!」<br /> 暗闇で隠されていたが、徐々に光で浮き上がる少女の姿。<br /> アリエスには、しっかりと見えていた。少女の、血塗られた身体。<br /> 少女のものではない。返り血。少女が虐殺した、統合教団の構成員達のものだ。<br /> そして、それだけではない。少女は、奇怪な鎧を身に着けていた。<br /> やけに近未来的な――今は血塗られて赤いが――白い鎧である。手には、長剣が握られている。<br /> 「その剣は、確かに我々が与えたものだ。だが、お前の剣を振るうのはお前自身だ。お前の心だ」<br /> 「……そう、そうなんだ。アリエス、あなたは、分かってくれないんだね……」<br /> 「別の形で出会っていれば、お前とは友でいられただろう。だが、私は全てを奪われた。だから、もう戻れない。戦うことでしか、私たちは分かり合えない」<br /> アリエスは、マントに隠していた武器を取り出した。<br /> 「『ヴァイスクロイツ』。エクスターミネート」<br /> 十字架のような形をした武器。『ヴァイスクロイツ』。中心にある宝石がアリエスの闘気に反応するように光る。<br /> 「本当に、やるんだ。さっき、私の力は見たでしょう? この『ネクサス』がある限り、私は無敵だよ。そして……」<br /> 少女は、剣を構え、突進した。真っ直ぐ、アリエスに向かって。<br /> 「この剣を振るわせるのは、あなた!」<br /> 「だとしても!」<br /> 全くゆがみのない攻撃。ひたすら真っ直ぐに、迷いなく、最速で剣を振り下ろす少女。その一撃を、アリエスは『ヴァイスクロイツ』で正面から受け止める。<br /> 互いの強大なエネルギーの衝突に爆音が轟き、教会全体が強く揺れる。ステンドグラスが吹き飛ぶほどの衝撃。<br /> 「『ネクサス』! ブーストアップ!」<br /> "ブースト・アップ"。少女が身に付けている鎧のベルト部分から、機械音声が発せられる。<br /> 同時に、少女の持つ剣が強い光に包まれる。<br /> 「っ!?」<br /> アリエスはとっさに少女とのつばぜり合いを中断して、ヴァイスクロイツを引き、少女の左隣に飛び込み、床を転がって距離をとった。<br /> 次の瞬間、少女の剣から発せられた強い光が剣から一気に溢れ出し、少女の前方の物体全てを切り裂いていた。<br /> 教会にあった椅子、カーペットはもちろん、教会の壁、地面でさえも、少女の前方のものは、全て。<br /> 「……」<br /> アリエスは驚愕する。これほどの威力の攻撃は、かつて見たことがなかった。<br /> 少女が、本気だということだ。アリエスが見たことのない領域の力を行使するまでに。<br /><br /><br /> 771 名前:ワイヤード 幕間  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:31:33 ID:TDyDTYz3<br /> 「どう? これが、あなたたち統合教団が恐れ、制御しようとした『ワイヤード』の力。『WE粒子』のもたらす、世界を変える力」<br /> 「……この力は、人が手に入れていいものではない」<br /> 「あはっ! 同意見だよ、私もね。でも、末端のアリエスは知らなかったかもしれないけど、本当にこれを手に入れたがっていたのは、統合教団……つまり、人なんだよ」<br /> 「そんな、ばかな……」<br /> 「いいよ、今なら許すよ、アリエスのこと。だって、知らなかったんだもんね。アリエスは、ワイヤードに家族を殺された恨みを晴らすために、統合教団に協力してたんでしょう?」<br /> 「……」<br /> 確かに、その言葉は正しい。<br /> アリエスは、ワイヤードという存在に教われ、全てを失った。自身も、一生消えない傷を負った。<br /> そして、ワイヤードたちと闘っている組織、統合教団に拾われ、その中でずっと戦ってきた。<br /> 知らなかった。<br /> アリエスは、統合教団の行動は、全てワイヤードの殲滅のために行われていると、信じていた。<br /> 「統合教団は、人類のためにワイヤードを滅ぼすなんていう、正義の組織じゃなかったんだよ。教団の目的は、『WE粒子』の軍事転用。それをもって世界を統一する。つまり、本当のエゴの塊は、統合教団のほうなんだよ。私じゃない。あんなやつら、殺されてとうぜんでしょ?」<br /> 「そんな……そんなことが……」<br /> 「アリエス、今なら、私の仲間になれるよ。一緒に行こう、アリエス」<br /> 「……それでも」<br /> 「?」<br /> 「それでも、私は、神を信じている」<br /> 「……あきれた。どうしてそんなに頑固なの?」<br /> 「統合教団の神ではない。お前の神でもない。私の神は、ここにいる」<br /> アリエスは、勢いよく立ち上がり、自らの胸を強く叩く。<br /> まるで、心臓の――命の存在を確かめるように。魂を確かめるように。<br /> 「この魂が、叫んでいる。お前は歪んでいると! 私は、私の信じる全てを――神への祈りを、全て……!」<br /> ヴァイスクロイツを強く握り締めるアリエス。<br /> その腕には、瞳には、もはや何の迷いもない。<br /> 「……分かった。私がちーちゃんを想うのと同じ。アリエスも、本当に大切なものがあるんだね」<br /> 「その通りだ。もはや、どちらが善、どちらが悪なのか。そんな問題は超越した。私とお前の、運命は。……全て、神の導くままに。そして、私自身の意思で、ここで断ち切る。この祈りを、全て、この一撃に懸ける……!」<br /> 「いいね。一撃、たった一撃の勝負……」<br /> 少女も、剣を握り締める。ベルトが"エクステンション・ドライブ"とコールしたと同時に、少女の剣が強い光に包まれる。<br /> 「もう、言葉はいらない! いくよ、アリエス!!」<br /> 「西又イロリ……いや、ワイヤード! 私が、お前の運命を断つ!!!」<br /> 二人が同時に駆け出す。<br /> 「いっけええええええええええええええ!!!」<br /> 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」<br /><br /><br /> 772 名前:ワイヤード 幕間  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:32:04 ID:TDyDTYz3<br /> ある朝、京都近郊の、町外れの教会が、全焼、倒壊状態で見つかった。<br /> 近隣住民に寄れば、その前の晩、なにか大きなゆれと、音と、そして、天まで届く光が教会から発声していたらしい。<br /> 調査隊の活動虚しく、焼け跡からは死骸もなにも見つかっておらず、おそらく被害者はゼロと思われる。<br /> 警察は原因究明に乗り出したが、結局全てが不明であり、調査はすぐに打ち切られた。<br /><br /> 西又イロリが東京に現れる、数週間前の出来事である。<br /><br /> 773 名前:ワイヤード 第十四話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:32:38 ID:TDyDTYz3<br /> 第十四話『存在に心奪われる時』<br /><br /> 「(どこだ……どこから撃ってきている……)」<br /> 第二射。<br /> 千歳は即座に反応して手のひらで矢を受ける。<br /> 千歳の手のひらを貫くかと思われた矢は、逆にひしゃげて地面に落ちた。<br /> そして、千歳は分析を終了した。<br /> 今の一撃で。矢の方向や速度、角度によって、狙撃者のいる位置を特定したのだ。<br /> 「(ありえないことだが、3000メートルほど離れた地点から撃っている。そして、恐らく高くて、俺が見える場所……)」<br /> ――学校、だ。<br /> 「っ!?」<br /> 思考している間に、三発目が迫っていた。<br /> 「蒼天院清水拳、流転投槍!」<br /> 両手を円状に回転させて、その中心で作った空気の壁により、触れずに受け止める。<br /> 矢にこもったエネルギーを保ちながら腕をさらに回転し、矢を方向転換する。<br /> 「受け取りな、こいつは警告だ!」<br /> 両腕を押し出すと、空中で静止し、方向転換した矢が、まさに飛んできた方向をめがけて校則で飛んでいった。<br /> 清水拳による反射。<br /> 「……とどくか?」<br /><br /><br /> 774 名前:ワイヤード 第十四話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:33:08 ID:TDyDTYz3<br /> 「くっ……ボクが二発も外した……!?」<br /> メアは動揺する。彼女の腕を持ってすれば、暗殺など一撃で十分なのだ。本来なら、もうとっくに終わっている。<br /> 焦りながら、第三射を放つ。<br /> 「あいつ、受け止めて……!」<br /> そして、こちらに向かってくる。<br /> 「ちっ!」<br /> 高速で迫ってきた矢を寸前で掴み取り、メアは防御した。<br /> 「まさか倍化して反射するなんて……。鷹野千歳、思ったよりやるな」<br /> こうなれば、暗殺は無理だろう。メアはさっさと見切りをつけ、ずらかろうとする。<br /> 「まさか、本当にこのまま逃げられるとでも思っているんですか?」<br /> 「!?」<br /> 突如背中に投げかけられた声に、メアは飛びのいて距離をとった。<br /> 「何者だ!」<br /> 「何者って、あなたのほうこそ何者なんですか? そうでしょう、だってあなた、高校生には見えませんよ」<br /> 「……」<br /> メアの背後に立っていたのは、この高校の女子生徒のようだった。<br /> 黒のショートヘアに眼鏡の、一見地味な風貌だ。<br /> だが、メアには一瞬でわかった。<br /> こいつは――野獣だ。<br /> 「まあ、相手に素性を聞く時は自分からっていいますしね。私は井上深紅。この高校の風紀委員です。以後、お見知りおきを」<br /> 「……なぜ、ここにいる」<br /> 「なぜって、確かに今日は休日ですが、生徒会活動やらなんやらも大変なんですよ。委員長っていうのは。それに、その質問はあなたに対して為されるべきでは? あなた、他人の学校の屋上で、人を狙撃してましたよね?」<br /> 「くっ……」<br /> メアは動揺する。<br /> 目の前にいるこのミクという女は、一体何者なのか。<br /> 表面上はなんて事のない、丁寧語を喋る優等生然とした少女だ。だが、どう見ても、それ以上の何かが秘められている。<br /> 「いえ、そんな目で見ないで下さい。別に怒ってるわけじゃないんです。狙撃はかまいませんよ。たまにはしたくなりますよね、狙撃」<br /> こいつは何を言っているんだ。ミクの異常性に、メアはついていくことができない。<br /> 「ただ、狙撃している対象に問題があるんですよ」<br /> ミクは笑い始める。無気味に、ひたすら不気味に。<br /> くすくす。<br /> くすくす。<br /> くすくす。<br /><br /><br /> 775 名前:ワイヤード 第十四話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:33:55 ID:TDyDTYz3<br /> 「(こ、こいつは……!)」<br /> メアは、ここでやっと確信を得る。<br /> 「(こいつも、ワイヤードだ!)」<br /> そうと分かれば行動は早かった。<br /> メアはアルバレストをミクに向ける。<br /> 「お前、ワイヤードだな……」<br /> 「さあ、何を言っているのやら、わかりませんね」<br /> 「随分余裕だな。ボクがここで引き金を引けば、お前は死ぬ」<br /> 「くすくす。本当に、やんちゃなんですね。『ボク』ですか。可愛い女の子が……」<br /> 「何がおかしい」<br /> 「いえ、失礼。だってあなた『タチ』ですもんね。そして、可愛い子猫ちゃんを欲しがってます。『百歌』ちゃんという、可愛い子猫ちゃんをね。だから、男の子を演じている」<br /> 「……!! お前、一体……!」<br /> 「知ってますか? 情報というのは、時に銃よりも強い武器になるんですよ? メア・N・アーデルハイドさん」<br /> 「お前……」<br /> 「そして、私は今、怒っているんです。あなたの愛がどこへ向かおうと勝手ですが、その怒りの矛先を千歳君に向けた事実に」<br /> 「……!」<br /> 井上ミクは、どう見ても弱い。ひょろりと細いし、身長もあまり高くない。メアより若干上な程度だ。<br /> どう見ても、勝てる相手。<br /> なのに……。<br /> 「(なぜ、ボクの脚が動かない……!?)」<br /> ミクはくすくすと笑いながら、少しずつ近づいてくる。<br /> ――そんな姿に、メアはどうしようもない恐怖を抱いていた。<br /> 「千歳君を……。私の千歳君を……。あなたに、彼の何がわかるって言うんですか? あなたに、彼を裁く権利はあるんですか?」<br /> 「(動け……動け……!)」<br /> 已然、メアは硬直している。<br /> ミクの指がメアの首に触れる。<br /> 「あなたも、戦闘では強いみたいですが、もうすこし身の程を知ったほうが良いんじゃないですか? 世の中には、触れてはいけない尊いものがあるんですよ?<br /> 千歳君を殺そうだなんて、イスラム圏でマホメットを馬鹿にするようなものです。この世界全てから、あなたが殺されることになるんですよ?」<br /> すべすべの、優しい指がメアを撫でる。<br /> 「(殺される……)」<br /> 「私の『幸せ家族計画』にも支障をきたしちゃうじゃないですか。千歳君無しには、何もかも台無しなんですよ。……だから」<br /> 「ぐっ……!」<br /> ミクがメアの首を締め上げ、その身体を軽々と持ち上げた。<br /><br /><br /> 776 名前:ワイヤード 第十四話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:34:26 ID:TDyDTYz3<br /> 「(こいつ……なんという力だ……!)」<br /> 「暴力沙汰は苦手なんですけどね。それでも、私にはものの価値判断というものができますから。ねぇ、メアさん。この世界のなかの、大切なものって、分かりますか?」<br /> 「(な……なにを……言っている……)」<br /> 「人間も、何もかも。この世界に平等なんてないんですよ。どんなものにも優先順位があります。それはまず第一に、『自己』が尊重されるべきであり。しかし、その前提に成り立つ、最も上位の存在があります……。それが、千歳君なんですよ」<br /> 「(こいつ……)」<br /> 「あなたと、あなたの大切にしている世界は、あなた自身が思うほど特別じゃないんですよ。本当に特別なものが世界にあるとしたら、私の観測した、私と千歳君の生きる世界です。これは本当に簡単な理屈なんですけど、なぜ誰もそれに気付こうとしないんでしょうね?」<br /> くすくす。<br /> 「(狂人だ……!)」<br /> 「さて、そろそろ良いでしょう」<br /> ミクはメアを掴んだまま、屋上の端に移動する。<br /> 「お別れです」<br /> そして、足場のない場所にメアを持っていき、その手を放した。<br /> 「……ちぃ!」<br /> メアは空中でくるりと身軽に回転し、見事に着地。<br /> 五階建てのこの学校校舎の屋上からの落下を、全く苦にしなかったのだ。<br /> 「あいつ……なんなんだ……」<br /> 焦燥。<br /> ここはとにかく一旦退くしかなかった。<br /><br /><br /> 777 名前:ワイヤード 第十四話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:35:36 ID:TDyDTYz3<br /> 「やはり、この程度では傷ひとつつきませんか」<br /> ミクは、退散していくメアの姿を、屋上から悠々と見下ろしていた。<br /> 「あんな化け物とまともに戦ったら、私なんか肉片も残らないでしょうね」<br /> そう言いつつも、ポケットから小さなビンを取り出し、ぷらぷらと目の前で振った。<br /> 「この『硬直香』の効果範囲の狭さも、改善の余地ありですね」<br /> ビンの中には鮮やかな赤色の粉末が入っており、小さく火がついている。ビンの口からは、甘い匂いが漏れ出している。<br /> これは硬直香とミクが呼んでいる特殊ガスであり、その効果はその名のとおり、かいだものの筋肉を硬直させる。<br /> 匂いは強くなく、効果も即効性があるため、非常に高性能だが、欠点は、その効果範囲の狭さだった。最低でも5メートル以内に近づかなければ、全く意味がない。<br /> 「自慰行為をするというのは、主義に反するのですが、まあいいでしょう」<br /> 実の所、これは自身の体臭がもつ幻惑作用を取り出して物質化したものである。それに必要だった愛液は、もちろん自家発電した。<br /> ミクはそれまで自慰行為をしたことがなかったが、千歳に対して行った数々の性的暴行を思い出すと、非常に簡単に濡れることができた。<br /> 「ふふっ、千歳君に試す時は、もう少しちゃんとしたものを作らないといけませんからね。副作用なんてあったら大変です」<br /> そこまで言うと、ミクは満足げにビンをしまった。<br /> 「さて、メアさん。この警告を真摯に受け取ってくれれば幸いなんですけどね」<br /><br /> 「さて、狙撃手があの警告を真摯に受け取ってくれると幸いなんだがな」<br /> 狙撃がやみ、千歳は家についていた。<br /> 「ん、どうしたのお兄ちゃん?」<br /> 「いや、なんでもない」<br /> 百歌は相変わらず何も知らず、無邪気だ。だが、それがいい。一番いい。<br /> 千歳は、百歌をわけのわからない命の取りあいなどに関わらせる気は全くなかった。<br /> 目的もなにもわからない狙撃手だが、野放しにしておくと百歌まで危険に晒すことになるかもしれない。<br /> 「(次はない。次に俺や百歌を狙ってきたら、容赦なく消す……。そのための、俺の清水拳だ)」<br /><br /><br /> 778 名前:ワイヤード 第十四話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:36:37 ID:TDyDTYz3<br /> 数日後。<br /> 狙撃手も現れず、その日も平和に千歳とナギ(と、家の方向が違うのにいつの間にか合流しているイロリ)は、元気に登校していた。<br /> 「いや、北斗はやはりトキだろう。家族を想うあの生き様は見習わなければな」<br /> ナギが熱くトキの人生を語る。<br /> 「まてまて。サウザ―を忘れるな。やはり拳法家としては、ケンシロウももちろんだが、ああいうサウザ―のストイックな所にも憧れるだよ」<br /> 千歳も負けじと熱く語る。<br /> そして。<br /> 「二人とも、あまーい!!!」<br /> 「な、なんだよ、いきなり大声出して」<br /> イロリは、千歳に槍訊き返されたとたん、まるでダムが決壊したかの如く言葉を垂れ流し始めた。<br /> 「確かにトキの家族愛やケンシロウの隣人愛はすごいとは思うけど、最高はシンだよ! 北斗はもともとシンとケンシロウの闘いの物語だったんだし、それにやっぱり愛に生き、愛に死ぬあのシンの生き様には現代人が見習わなければならない部分がいっぱいあるよ!<br /> 言うなれば、『さふいふものに、わたしはなりたい』だよ!」<br /> 「そ……そうか……?」<br /> 「そうだよ! それに、ちーちゃん。サウザ―なんて駄目駄目! あんな『愛などいらぬ!』なんていう人、全然わかってない!」<br /> 「いや、それは違うぞ、イロリ」<br /> ナギが口をはさむ。<br /> 「サウザ―が愛を失ったのは、やつ自身の持つ愛が、誰より深かったからだ。愛を持つ苦しみを知ったが故に、悪によってそれを塗りつぶしてしまおうと思ったんだ。<br /> 愛と憎しみの重さとは、常に均一なんだよ。愛を守るためにせよ、壊すためにせよ、それに対応した憎しみが存在する」<br /> 「……た、確かに」<br /> 「サウザ―の場合は、生まれた憎しみが愛そのものに向き、シンはユリアへの執念ゆえにケンシロウを傷つけたという、そういう方向の違いが二者にはあったが。<br /> ともかく、他の北斗の拳の登場人物も、どんな形であれ、愛と憎しみを持っている。ユダですらそうだし、ケンだって悪を憎む心は愛から生まれている。奴らは皆、同じ人間だからな」<br /> 「な……なるほど。勉強になるよ」<br /> 千歳にはそこまでわからなかったが、イロリはなんとか納得できたみたいだった。<br /> 「やっぱり、ナギちゃんは凄いね!」<br /> 「まあ、それほどでもないがな。それに、お前がシンを尊敬する気持ちも、分からんでもない。結局、歪んだ愛をもった人間が多いのにたいし、シンの愛は方向性はどうあれ真っ直ぐだった。正しい形をとっていなかったとしても、あそこまで一途なやつも、そうそういないな」<br /> そうこうして無駄話をしているうちに、校門までたどり着く。<br /> 見ると、なにやらいつも通りの風景ではない。<br /> 生徒たちはざわざわと野次馬のように外に出てきていて、その中心には大きくスペースが開いている。<br /> 黒服の男達が何人か断っていて、野次馬達を押しのけているのだ。<br /> さらに、開いたそのスペースの中心に、誰かが立っていた。<br /> 「なんだ、こりゃあ」<br /> 千歳が小さく呟く。とにかく学校に入らなければ。と、踏み込む。ナギとイロリも追従する。<br /> 真っ直ぐ歩いていくと、見るからに怪しい誰かさんにぶち当たることになる。迂回していくか、と、千歳は方向転換――<br /> ――しようとした矢先、怪しい人物が走り出した。<br /> その手には、槍が握られている。<br /><br /><br /> 779 名前:ワイヤード 第十四話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:37:08 ID:TDyDTYz3<br /> 「なんだ……!」<br /> 超スピードで接近し、不審者は槍による打突を繰り出す。<br /> 反射的にそれを清水拳で受け止めようとする。<br /> 「――っ!?」<br /> が、清水拳の生み出す闘気の障壁を、その槍は貫いた。とっさに身体をひねり、ギリギリで回避。<br /> 「(こいつ、まさか『狙撃手』……!)」<br /> 体勢をくずしたのを逆に利用して、地面に手をつき、脚を突き出して脚払いを仕掛ける。<br /> 不審者はそれを身軽に跳んで避け、距離をとって着地した。<br /> その間に千歳は立ち上がり、不審者と対峙する。<br /> 不審者の風貌は本当に不審だった。鬼のような面に陣羽織。そして手には槍。どこかのアニメキャラと、気のせいか似ていた。<br /> 「てめー。何者だ」<br /> 答えてくれるとは思わないが、一応そう訊いてみる。<br /> 「……わたくしは」<br /> 「!?」<br /> 意外なことに、その不審者は返答した。しかも、その声は女。<br /> 女が、清水拳をたやすく貫くほどの貫通性を生み出したというのか?<br /> そして、その不審な女が続けた言葉は、さらなる驚愕に値するものだった。<br /><br /> 「わたくしはミス・キシドー! あなた様の存在に心奪われたものです!!」<br /><br /> 780 名前:ワイヤード 第十四話  ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:38:22 ID:TDyDTYz3<br /> 終了です。<br /> &gt;&gt;753 確かに、良作のヨカン……! 頑張ってください。<br /><br /> 781 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/05(月) 13:46:13 ID:yoqBzRV6<br /> リアルタイムGJ!<br /> 抱きしめたいな<br /> とか言ってきそう<br /><br /> 782 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/05(月) 14:01:55 ID:on/kLpK9<br /> &gt;&gt;780<br /> GJ!!<br /><br /> とりあえず◆.DrVLAlxBIは絶対00見ててグラハムファンってわかった。<br /> 俺もです。<br /><br /> 783 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/05(月) 14:48:12 ID:+7dvXH7S<br /> gj!<br /> &gt;&gt;780もまた乙女座なんだろう。<br /><br /> 784 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/05(月) 16:46:09 ID:fDvfUoLI<br /> GJ<br /> でもキシドー名乗るなら陣羽織じゃダメだろww<br /><br /> 785 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/05(月) 17:01:02 ID:F9xeZuRa<br /> つまんね。死ねよ<br /><br /> 786 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/05(月) 18:34:47 ID:ngfiz04p<br /> ワイヤードキターーーーGJ!!続き楽しみです<br /><br /> 787 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/05(月) 23:19:17 ID:VvMor0kP<br /> GJ!! <br /> やっときましたか!<br /><br /> 788 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 00:00:37 ID:rie1UnEh<br /> 『闘うことでしか、わかりあえない』<br /> で(0w0)と(&lt;::V::&gt;)を思い出したのは俺だけで良い…後Mr.ブシドー思い出したww<br /><br /> 789 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 00:23:14 ID:IzXHMM7Y<br /> &gt;&gt;788<br /> うぜえ<br /><br /> 790 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/06(火) 00:50:00 ID:+nH+kb12<br /> いい感じの厨二病タイトル<br /><br /> 791 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 17:40:15 ID:tHlj3s68<br /> 新ジャンル考えた! ヤンデレスイーツ(笑)<br /><br /> あたし病んでる、みたいな?<br /> いま流行のヤンデレってやつ?<br /> 彼氏はいる、ていうか<br /> いない訳ないじゃん<br /> あたしは彼氏がいないと生きていけない、みたいな?<br /><br /><br /><br /> 自分で書いててムカついてきた<br /><br /> 792 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 17:42:45 ID:5KbOcXkF<br /> そもそもヤンデレとスイーツは結構相反するものじゃね?<br /><br /> 793 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 18:18:08 ID:C4MQ0r68<br /> その人間が本質的にスイーツ(笑)じゃなければいけそうだが、本当にスイーツ(笑)なら「これが真実の恋(笑)」になっちゃうから無理だろ。どこまで行っても利己的じゃあ<br /><br /> 794 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 18:35:25 ID:/AGIfe5V<br /> スイーツは我儘で悲劇主義者?だからな<br /> ヤンデレとの決定的な違いは尻軽で無い点と彼氏に忠実である点だろ<br /> スイーツはカッコイイオトコを発見すると乗り換えするけどヤンデレにはそれがない<br /><br /> 795 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 18:50:21 ID:5KbOcXkF<br /> まぁある出来事をきっかけにスイーツが更正?したと同時に<br /> 更正させてくれた男への愛情が溢れてヤンデレになるのはありだとおもう<br /> まぁ独占厨もいるからそういうやつには微妙かも知れないが<br /> そういうSSもあるとこにはあるしな<br /><br /> 796 名前:トライデント ◆J7GMgIOEyA [sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:28:04 ID:nM93YJCi<br /> では投下致します<br /><br /> 797 名前:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA [sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:30:40 ID:nM93YJCi<br /> 第3話『絶対監視領域』<br /><br /> そんなわけでいつもの朝がやってきた。季節は暑苦しい夏が終わり、<br /> ゆっくりと秋に移行しているせいか、朝方は少し冷える。こんな季節に布団を被らずに寝ると<br /> 風邪の一つや二つぐらいひいてもおかしくはない。<br /> 隣で寝ているであろう彩さんは起床しているのか、すでにいなかった。<br /><br /> 台所の方から美味しそうな匂いがしてきた。独り暮らしの俺以外に誰も住んでいないこの家に料理を作れる人間は<br /> 彼女しかいないだろう。自慢ではないが、独り暮らしをしているくせに俺は料理の方はさほど上手ではない。<br /> 自炊すると言っても、コンビニから買ってきた弁当の中身を開けたり、インスタント食品にポットのお湯を注ぐことしかできない。<br /> だって、男の子だもん。<br /><br /> 「あっ。起きたんですね。周防さん」<br /> フリルの付いたピンク色のエプロンを身に纏った彩さんが天使の微笑みを浮かべて、こっちにやってきた。<br /> 片手には長年使っていなかったフライパンを持っており、テーブルの上に置かれた皿に目玉焼きなどと言ったおかずを盛り付けていた。<br /> 「これは桜井さんが作ったの」<br /> 「泊めてもらったお礼ですよ。これぐらいのことをさせてください」<br /> 「俺はロクに料理ができないから、人が作った朝食を食べるなんて久しぶりだな」<br /> 「周防さんは普段料理とか作らないんですか?」<br /> 「うんうん。全然、ダメなんだよ。せっかく、調理器具を買い揃えてもあんまり使う機会もないし、<br /> 料理のレシピを見てもさっぱりとわからん。みじん斬りなんてどうやって斬るのってレベルだし」<br /><br /> 「神話級の不器用ですよ。料理に絶望したと言って、大根を持ちながら銀行強盗に走り出してもおかしくないレベルです」」<br /> 「うん?」<br /> 「な、な、な、なんでもないですからね。さあ、冷めない内に食べましょう」<br /><br /> 久しぶりに一人ではない朝食を彩さんと過ごす時間は快適であった。<br /> 作ってくれた料理も旨いを通り越して、美味の領域に達していた。<br /> 心から涙を流せるような美味しい料理を作れるのは日本でも彼女しかいない。と大袈裟に言えるぐらいに素晴らしかった。<br /><br /> 「えへへ。私の料理をたくさん食べてくれて嬉しいですよ」<br /> 「本当に美味しかったよ。ごちそうさまでした」<br /> 食べ終えた食器を台所に運んで、軽く汚れを水で落とす。<br /> 朝はのんびりしている時間が作れないため、そんなもんは適当でいい。<br /> 彩さんは小さな口でゆっくりと朝食を食べているのだが、今日はちょっと起床時間が遅かったせいか、<br /> すぐにバイトへ行く時間を迎えていた。<br /><br /> 「あの桜井さん。俺はバイトに行かなきゃいかないんで。<br /> これ俺のアパートの鍵を渡しておくからさ、部屋を閉めたらポストの方に入れておいてください」<br /> 「は、はい、わかりました」<br /> 「それじゃあ、バイトがあるんで先に失礼させて頂きます」<br /> 「周防さん。お仕事頑張ってくださいね!!」<br /> 「ガッテンだ」<br /> 意味不明の掛け声を発すると俺はさっさと自分の家を後にした。<br /><br /> 798 名前:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA [sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:32:55 ID:nM93YJCi<br /> 一人残された私は未だに自分の作った朝食と対決していた。<br /> 忍さんのために作った朝食は一人で食べる時よりも何倍も何倍も美味しかった。<br /> 昨日、私の我侭で泊めてくれた恩返しのために朝食を作ったけど。<br /> これからも何かと理由を作って、忍さんに私が作った料理をたくさんたくさん食べて欲しいな。<br /><br /> ふと、私は忍さんの部屋に一人でいることに気付いた。<br /> そう、一人なのだ。<br /><br /> えへへ。<br /> 忍さんは将来のお嫁さんのことを信用しすぎているようですね。<br /> 恋する女の子にこんな危険な自宅の鍵を渡すなんて。私に犯してくれと言っているようなもんですよ。<br /> うにゃ。<br /> 自宅の鍵さえあれば、鍵屋で簡単に合鍵の10個や20個も作れるし。<br /> いつでも、忍さんの家に不法侵入しまくりですよ。忍さんの趣味とか好みとか<br /> たくさん情報をたっぷりと仕入れて、忍さん好みの女の子になれます。<br /> ううん。<br /><br /> 私がこういう行動を取ると予想して渡してくれたのかな? <br /> だったら、私だって全身全霊で忍さんを口説き落とします。夜這い、誘惑、悩殺、なんでもやりますからね。<br /><br /> さてと、忍さんがアルバイトに行っている間になんでもやれます!!<br /> 合鍵を作って貰っている間に盗聴器と盗撮カメラを買って来て設置しましょう。<br /> リアルタイムで忍さんを監視するんです。私以外の女の子と接点があるのか調べなくちゃならないし、<br /> それに24時間ずっと忍さんを見続けたいですから。<br /> この際だから、将来のために貯蓄していたお金を銀行から引き出して買おう。<br /> 生活はちょっと苦しくなるかもしれないけど、愛する人を手に入れるためなら。<br /><br /> 私はなんでもやる。<br /> なんだってやります。<br /> だって、私が初めて好きになった人だもん。<br /> 昨日の出来事だけで私は人生で初めて人として、一人の女の子として優しく接してもらえた。<br /> その思い出だけで永遠に生き抜くことができる。<br /> 忍さん。<br /><br /> あなたのほんの些細な優しさだけで私は救われました。<br /> それと、人を初めて好きになりました。<br /> 一緒に泊めてもらったことで、それを何よりも確信しましたよ。<br /> あなたの体温はとても温かくて、私はとても安心できました。それにちょっとだけ興奮して鼻血とか出したけど。<br /><br /> 忍さんは私が鼻血を流しても、嫌な顔を一つもせずにティッシュで拭いてくれましたよね。<br /> 他の人なら私を汚いと罵り、面白そうに暴力を振るんですよ。私が気を失うまで。<br /> 孤児院、学園、私が辿って来た人生がそうだった。<br /><br /> だから、周防さんの優しさが本当に有難かった。彼の気持ちに偽りや下心がなかった。<br /> 彼自身も気付いてない優しさに心を惹かれていく。<br /><br /> 私が乙女座だった事をこれほど嬉しく思った事はないです!!<br /><br /> 桜井彩はここに宣言致します!!<br /> 忍さんを絶対に自分の彼氏にすると。<br /> これは私の最優先事項であり、修羅を凌駕する苦難の道。<br /> この手が真っ赤に汚れようが、ちょっとした犯罪行為すらもためらいません。<br /> 乙女の意地です。<br /> 懲役刑なんてクソ喰らえです。<br /><br /> 私は拳を硬く握り締めてそう決意すると自分の計画のために走り出した。<br /> 忍さんの部屋に盗聴器と盗撮カメラを仕掛けるために。<br /><br /> 799 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:34:36 ID:0cXLMqL6<br /> (・∀・)支援<br /><br /> 800 名前:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA [sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:36:07 ID:nM93YJCi<br /> 今日もそれなりに働いたと自負しているが、バイト先の店長に5回も叱られた。理由は簡単だ。<br /> バイト先の女の子(店長のお気に入りの子)と仲良く話しているところを見られたからである。<br /> バイトごとき奴隷が俺の女になる(予定)に気安く話しかけるなと軽く脅されたが、俺的にはどうでもいいことだった。<br /> その女の子と仲良くなるつもりもないし、給料さえ払ってもらえば、それなりに労働力を提供する。人間関係なんて知ったことか。<br /> ともあれ、仕事の疲れを癒すために家路を目指していた。<br /><br /> バイト先から家までは徒歩で通勤しているので、およその時間で15分ぐらい。すでに陽が沈むのに早い季節だ。<br /> 女性の変質者に襲われやすい季節になってきた。ヤンデレ症候群の影響で女性が病んでいる割合が大きくなった。<br /> 病んでいる女性に狙われると、非力な男性は何も抵抗できずにひたすら襲われるだけである。<br /> 彼女たちの戦闘能力は軽く警察官や特殊部隊をも凌ぐ。<br /><br /> 俺の友人もヤンデレに襲われて、そのまま監禁されてそれ以降は音信不通になっている。<br /> 全く、恐ろしいことだ。<br /> 病んでしまった女の子と生涯を共にするなんて。<br /> 破滅的な結末しか思い浮かべない。<br /> ともあれ、俺も用心しておこう。いつ、俺のことが密かに好きでたまらない女の子の心が病んで、<br /><br /> 知らない内に監禁されるってことが起きるかもしれないからな。<br /> 監禁されるなんてとんでもないな。<br /> と、何か考えながら歩いているとアパートの外壁が見えてきた。<br /><br /> あの刑務所に匹敵する程の外壁の高さは一体なんのためにあるのかと首を傾げたくなる。<br /> アパートの敷地の入り口から見知った人物が出てきた。<br /><br /> 801 名前:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA [sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:37:05 ID:nM93YJCi<br /> 「おや、周防のクソガキじゃないか」<br /> 「ババア」<br /> このアパートの所有者である老女。通称、ババアと俺が呼んでいる。<br /> 「バイトの帰りか?」<br /> 「そうだよ」<br /> 「若いもんが定職に就いてねぇのは情けないとしか言いようがない。もう、樹海で練炭自殺してきたらどうじゃ」<br /> 「いやぁ、さすがにそこまで人生に絶望してませんので」<br /> 「フン。くだらないね。お酒の肴すらもなりゃしない」<br /> 人様の人生をなんだと思っているんだ。<br /> 「そういえば、昨日お前の隣に引っ越してきた奴がいたな。もう、会ったのか?」<br /> 「ええ。会いましたよ。引越ししている最中だったから、少しだけ手伝ったんだけど」<br /> 「ほう、好感度を上げるために必死すぎるわぃ。隣に若い女の子が住んでいるからと言って、狼に変貌して襲うなよ。<br /> ワシに全ての管理責任がかかってくるから」<br /><br /> 「そんなどこぞの変態と一緒にしないでくれ」<br /> 「周防のクソガキならやりかねん」<br /> すでに会った初日で一緒に一夜を過ごしてましたと言えば、目の前の妖怪ババアに斧で惨殺されそうだ。<br /> 性に飢えた狼だって相手を選ぶ。昨日、出会ったばかりの女の子を襲う卑劣な真似なんて<br /> 一般的な倫理観さえあれば、絶対にやるはずがない。<br /><br /> 「で、ババアさ。なんで、あのアパートは無意味に外壁が高いんだ? あれじゃあ、外からも内からも侵入することができないじゃん」<br /> 「あれはな」 <br /> ババアが過去を懐かしそうに思い出すような遠い目をして言った。<br /> 「ワシのひいひいお婆ちゃんが建てた家だ。当時は愛しい人を閉じ込めて監禁するために設計された家らしくて、<br /> その名残が今にも残っているんだろうな。敷地も家もワシは特にいじってないから当時とそう変わらない」<br /><br /> 「監禁されるって……おいおい」<br /> 「過去にあのアパートを貸した住人で男と女が住み着いた時に限って、監禁事件が起きたことがある。<br /> というか、アパートを借りた住人全てに監禁事件が起きたな」<br /> 「えっ?」<br /> 「このアパートで監禁するには快適な環境じゃ。外部の接触を遮断する高く覆われた外壁に、<br /> 周囲に悲鳴を漏らすことができない完璧な防音施設。出入り口は一つしかないので、監禁された男はそう簡単に逃げられぬ。<br /> これこそが我が家代々に伝わる監禁システムなのじゃ」<br /> 「そんな監禁システムなんて作るな。燃やせ」<br /> 「ほう、びびっているな。だが、安心せい。周防のクソガキを監禁するような女性がこの世にいないからのぅ。ほぉほぉほぉほぉ」<br /><br /> と、ババアは変な笑い声と共にスキップしてさっさと過ぎ去った。<br /><br /> もう、家に帰って。寝よう。<br /><br /> 802 名前:お隣の彩さん ◆J7GMgIOEyA [sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:37:52 ID:nM93YJCi<br /> ■監視領域<br /> 『現在の時間は20時頃です。忍さんが帰宅してきました!!』<br /> と、私は電気代の節約のために電気を消して、部屋を暗くしていた。唯一の光は忍さんを監視用モニターだけであった。<br /> 『忍さん。帰ってきたばかりなのに、着替えるなんて。私のことを誘っているんですか? きゃは』<br /> 当然、この映像は全て録画している。後でこの場面を何度も見直して見直してやろうと思います。<br /> 昼頃に設置した盗聴器と監視カメラは全部で64個。<br /> これを付けた奴は見つかるの覚悟で付けたに違いない程に付けまくった。<br /> おかげで忍さんをあらゆる角度から見れるし、死角なんてあの部屋には存在しません。<br /> でも、お風呂とかトイレとかは最低限のプライベートに関しては何にもしてません。<br /> だって、覗く楽しみがなくなるじゃないですか。<br /> 『今晩の夕食は……コンビニ弁当ですか』<br /> 近くにあるコンビニからお弁当を買ったんですね。そういえば、ロクに料理が出来ないって言ってましたね。<br /> うふふふ。<br /> 難攻不落の要塞の弱点を見つけちゃいました。<br /><br /> 803 名前:トライデント ◆J7GMgIOEyA [sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:39:28 ID:nM93YJCi<br /> 以上で投下終了です<br /><br /> 今年もよろしくお願いします。<br /> それでは。<br /><br /> 804 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:57:25 ID:iscNud29<br /> &gt;&gt;803<br /> GJ!なんかババアのキャラが濃くて笑えた<br /><br /> 805 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/06(火) 23:59:02 ID:Y6Xax9h4<br /> &gt;&gt;803<br /> 乙 今年もよろしくおねがいします。<br /><br /><br /><br /> そしてまた某乙女座ww<br /><br /> 806 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 00:20:32 ID:Jr+YRxOy<br /> 何でこんなに人気なんだwww俺も好きだけどさww<br /><br /> 807 名前: ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 00:32:34 ID:J+afXyNs<br /> &gt;&gt;780 &gt;&gt;803<br /> GJです!<br /> そして二話目投下します。<br /><br /> 808 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 00:33:57 ID:rSonQmCB<br /> &gt;&gt;807<br /> 待て、ちょっと待て。<br /> せめて少し間を開けてやれ。<br /> それがマナーだ。<br /><br /> 809 名前:似せ者  ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 00:36:09 ID:J+afXyNs<br /> 第二話 ~偽りの兄~<br /><br /> 嘘も方便である。<br /> 嘘が御方便になることもある。<br /> 嘘が方便になるような状況。<br /> これはけっして御方便でない。<br /><br /><br /><br /> 「た、頼むから落ち着いてくれ!」<br /> 俺は落ち着かない口調でなんとか言った。<br /> 「兄さん?」<br /> 藤堂優奈の抱きつく手は緩まない。<br /> とりあえず体を離して話をしないと。<br /> そう思い、名残惜しい気持ちを抑え、彼女の体を遠ざけた。<br /> 「えーと、俺は君の兄さんじゃないんだけど…」<br /> 「え?」<br /> 「俺の名前は赤坂映太。クラスは1-C。陸上部所属。君の兄さんじゃないだろ?」<br /> 彼女がきょとんと俺の話を聞いていく。<br /> 徐々に彼女の顔から、涙も笑顔も引いていった。<br /> どうやら勘違いを悟ってくれたようだ。<br /> 最初の自己紹介から聞いていなかったとなると、告白も最初からやり直しかな?<br /> 「あ…、あ…」<br /> 一瞬、彼女の嗚咽が漏れた。<br /> しかしすぐにいつも通りの藤堂優奈に戻る。<br /> 「ごめんなさい、あまりに、本当に驚くほどに、私の兄に似ていたもので…、つい取り乱してしまいました。本当にすみません」<br /> 「いやそれはいいんだけど…」<br /> 「本当にすみません」<br /> 本当に申し訳なさそうな顔だった。<br /> いつも通りの人間らしい表情。その表情には謝罪の意がしっかりとこもっている。<br /> さっきの表情とはまるで逆。今の彼女の顔にあるのは、単色の純粋な意思だけだ。<br /> 「藤堂さんには兄さんがいるの?」<br /> 「はい、いました。一年前に死にましたが…」<br /> 「だから…、ごめん…」<br /> 藤堂優奈には兄がいて、仲が良くて、でも死んでしまって…。<br /> そして、その兄に俺が似ていた。彼女はいきなり現れた俺に兄の面影を重ね、兄に対しての藤堂優奈になった。<br /> だいたいこんな感じであろう。<br /> 「いえ、謝らなければいけないのはこちらの方です。赤坂くん、ですよね?すみませんでした」<br /> 「あ、うん…」<br /> ここまで謝られると引かざるをえない。<br /> 「えーと、それで、私に用があったんですよね?なんでしょうか?」<br /> 「うん、俺、藤堂さんが…」<br /> 俺は口を止めた。<br /> 兄を失う悲しみ、か…。<br /><br /> 俺が妹を失った時、どれだけ悲しかったっけ?<br /> ずっとずっと泣いて。<br /> 妹が生き返るように祈って。毎日、神社にお賽銭を捧げて。<br /> しばらく学校もズル休みして。<br /> 姉さんがずっと側にいてくれて、慰めてくれて。<br /> でもすぐには立ち直れなくて。<br /> たまに妹が生き返る夢を見て。でも朝起きると、どこにも居なくて。<br /><br /><br /> 810 名前:似せ者  ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 00:39:30 ID:J+afXyNs<br /> 死んだ人間は生き返らない。<br /> 死んだ人間のコピーは居ない。<br /> では偽者は?<br /> 彼女が今、一番必要としている存在は?<br /><br /> 今の彼女の顔には、用件が何なのか?告白かもしれない、そうしたらどうしよう、そんな事を気にする表情しか浮かんでいない。<br /> この状況なら誰もが浮かべるであろう表情。そして誰もが思うであろう気持ち。<br /> とても人間らしい姿。<br /> 人間らしすぎる姿。<br /> 俺が知る藤堂優奈らしい姿。<br /> でもさっきの俺を「兄さん」と言い、抱きついてきた時の彼女の表情は違った。<br /> 全く人間らしくない、俺の知っている藤堂優奈らしくない。<br /> これ以上の表情があるのであろうか?というほどの感情が溢れ出ている表情。<br /> 普通の人間が表現できる感情のキャパシティを越えた表情。<br /> 彼女を、藤堂さんをそんな顔に出来るのは誰?<br /><br /> それになにより…<br /> 俺自身が藤堂さんの最高の笑顔が見たかった。<br /> 人間らしくない、この世で最高の。<br /> ここで告白して、振られて、他人になってしまうくらいなら、いっそ…<br /><br /> 「俺、藤堂さんの兄になっちゃ駄目かな?」<br /> 「え?」<br /> 「嫌ならいいんだ。おこがましいことを言っているのは分かっている」<br /> 「…」<br /> 「藤堂さんの兄さんの偽者になれないかな。君のこと支えるから、出来るだけだけど…」<br /> 少しの空白の時間が流れる。<br /> 「出来るだけ…、ですか?」<br /> 「え、あーいや、出来る以上に頑張るよ」<br /> 「そんな言い回しまで兄さんにそっくりです」<br /> 「あ、そうだった?」<br /> 彼女は笑っていた。今まで俺が知っていた藤堂優奈らしくない笑顔で。<br /> 「本当にいいんですか?」<br /> 「もちろん!俺は藤堂さんのこと好きだから!」<br /> 今日、二度目の告白だった。また顔が赤くなる。<br /> 「嫌です」<br /> 「え?」<br /> 「兄さんは私の事を、藤堂さん、なんて呼びませんよね」<br /> くすっ。そう本当に聞こえてきそうなほどの無邪気な顔だ。<br /> 「もう一度聞きますね?本当に私の兄になっていただけるんですか?」<br /> そう言う、彼女は本当に可愛くて…<br /> 「もちろんだよ。俺は優奈のことが好きだから」<br /> 俺は藤堂さん、いや、優奈の頭を優しく撫でながら言った。<br /> 「私も兄さんのことが好きです」<br /> 俺は優奈と生きていく。兄として。<br /> この笑顔をずっと見ていたい、そう思った。<br /> 「じゃよろしくな!優奈!」<br /> 「うん、今日はありがとう兄さん」<br /> 校舎の時計をみると、もう五時間目開始の三分前になっていた。<br /> 「悪い、俺、次の授業の教室遠いんだ。先行くな。授業頑張ろう」<br /> 「はい、頑張りましょう」<br /> 俺は幸せな気分で屋上を後にした。教室へと走る途中、笑みが浮かぶのを止められなかった。<br /><br /> 「また、よろしくお願いします、兄さん。もう二度と兄さんを失いません…」<br /> そう一人呟き、優奈も屋上を後にした。<br /><br /> 811 名前: ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 00:41:32 ID:J+afXyNs<br /> &gt;&gt;808<br /> すみません、投下時間見ていませんでした。<br /> &gt;&gt;803<br /> 本当に申し訳ないです。以後気をつけます。<br /><br /> 812 名前: ◆Tfj.6osZJM [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 00:47:38 ID:J+afXyNs<br /> 申し訳ないことをしてしまいましたが、一応、二話は終了です。<br /> シーン構成の都合上、二話はかなり短めになりました。そちらもすみません。<br /> トライデントさん、本当にごめんなさいです。<br /><br /> 813 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 01:02:05 ID:l5ULb2lV<br /> GJ!<br /> 投下間隔は俺はあまり気にしない派だけど気にする人もいるから気をつけた方がいいかもね。<br /> でもGJだ!<br /><br /> 814 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 01:53:26 ID:rcZoaXcW<br /> GJ!なんかブレス4のED曲思い出したぜ…。<br /><br /> 815 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 05:06:46 ID:DnRtzEIC<br /> 中国人の女性は世界一独占欲が強いんだって聞いたんたが<br /><br /> 816 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 07:17:49 ID:qjinwb5I<br /> ブータン人を見習うべきだな<br /><br /> 817 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 15:13:09 ID:G9mJ0OxM<br /> &gt;&gt;796 &gt;&gt;807<br /><br /> GJ!!どちらとも続きが楽しみです。<br /><br /> 818 名前:【楔】[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 17:56:16 ID:rx8mu9nu<br /> 初めて覗いてみたがなんとGJなスレw<br /><br /> ヤンデレスキーな自分にはクリティカルなスレっすw<br /><br /> なので自分も初めて小説を書きましたが投下します<br /><br /> 819 名前:【楔】 ◆seRwt2jbbc [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 18:00:39 ID:rx8mu9nu<br /> 私…<br /><br /><br /> もう我慢できない…<br /><br /><br /> あの醜い淫売に…<br /><br /><br /> 好きな人を汚されるのが…!!!<br /><br /><br /> 【楔】<br /><br /><br /> 俺は山芳高等学校に通う2年の七瀬由岐(ななせ ゆき)だ。<br /><br /> 今日もいつも通り学校に向かう為にいつも通りの道を歩いている。…ん?あの後ろ姿は?<br /><br /> 「よぉ!茉莉華!」<br /><br /> 「…あ!由岐くん!おはよ♪」<br /><br /> こいつは俺と同じクラスの綾橋茉莉華(あやはし まりか)で、まぁ幼馴染みの間柄だな。<br /><br /><br /> 「ねえ♪由岐くんは昨日のあの番組は観た?」<br /><br /> 「観た観たw俺的にはぐっ〇ん〇ーンが面白かったなw」<br /><br /> 「あれは笑っちゃダメだけど笑っちゃうよね~♪」<br /><br /><br /> そんな感じで昨日観た番組だとかの話しをしながら、いつも通りの時間が流れていく。<br /><br /> まさか…あんな事が起こるとも知らずに…。<br /><br /><br /> 学校に着き上履きに履き替えて教室に着き机に向かう途中である女子生徒に話しかけられた。<br /><br /><br /> 「あら…今日も冴えない顔してるわねぇ」<br /><br /> 「おいおいw朝の挨拶がそれかよw」<br /><br /><br /> こいつは櫛山早苗(くしやま さなえ)で、このクラスの学級委員長をしている毒舌家だ。(何故か俺にだけ毒舌…orz)<br /><br /><br /> 「あ!早苗おっはよー♪」<br /><br /> 「おはよう、茉莉華さん今日も元気ね」<br /><br /> 820 名前:【楔】 ◆seRwt2jbbc [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 18:02:31 ID:rx8mu9nu<br /> 「うん!今日も元気にがんばってこぉー♪」<br /><br /> 「…なんで俺には普通に挨拶してくれないんだよ」<br /><br /><br /> 坊やだからさ…。<br /><br /> …は!?なんだ!今の電波は!…まぁ、いっか。<br /><br /><br /> 「由岐ったら独り言?気持ち悪いわねぇ…。あ、そうそう話したい事が有るから由岐1人でお昼休みに屋上に来てくれる?」<br /><br /> 「ん?今、話せない事なのか?」<br /><br /> 「なになに?茉莉華も知りたいな~♪」<br /><br /> 「今は話せないわねぇ。あと由岐とだけ話したいから茉莉華ごめんね」<br /><br /> 「わかったよ。昼休みだな」<br /><br /> 「…ざんね~ん」<br /><br /><br /> そこで担任が来てHRが始まり授業も寝ながら過ごして、あっとゆう間に昼休み。<br /> 弁当を食べてから屋上に行こうと思ったら早苗は弁当も食べずに屋上へ。<br /> 仕方ないので俺も弁当を食べずに廊下を小走りで歩き屋上に続く階段を登り屋上のドアを開けて早苗を探すと奥のフェンスに寄り掛ったまま空を見上げてた。<br /><br /><br /> 「よう、なんだ話しって」<br /><br /> 「あら…早かったわね」<br /><br /> 「あぁ早苗が昼休みが始まってすぐに教室を出ていったから俺もな」<br /><br /> 「…そう」<br /><br /><br /> なんだ…?いつもだったら毒舌の1つでも飛んでくる筈なのに調子が狂うなぁ。<br /><br /> 821 名前:【楔】 ◆seRwt2jbbc [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 18:04:04 ID:rx8mu9nu<br /> 「…私達って出逢ってから約2年よねぇ」<br /><br /> 「ん?そうだな~確か入学式の日に早苗から話しかけて来たと思ったらいきなり「貴方、冴えない顔ねぇ」だもんな~あれはマジで驚いたぜw」<br /><br /> 「その後の約2年間は早苗と茉莉華と俺でいろんな事して遊んだよな~」<br /><br /> 「…そうだったわねぇ。あれが由岐との出逢いで、そして私が由岐に一目惚れした瞬間」<br /><br /> 「………え?今なんて?」<br /><br /> 早苗は何度か深呼吸をして…<br /><br /> 「私は由岐が大好きです。付き合って下さい」<br /><br /> 驚天動地とは正にこの事…まさかあの早苗から告白されるとは…オラ、ビックリしてドキドキが止まらねえぞ~<br /><br /> …は!?また電波が!!<br /><br /> そんな事より早く告白の返事をしなければ…でも今まで早苗はそんな仕草やら態度やらをしてなかったし俺も早苗の事は密かに好きだったし…ああ!もう!いっちまえ!!<br /><br /><br /> 「俺も早苗の事が大好きだ!付き合ってくれ!」<br /><br /> 「…本当に?…由岐は茉莉華の事が…好きだと思っ…てたからダメだと…ありがとう…」<br /><br /><br /> 俺は何も言わずに泣いてる早苗を抱きしめて泣き止むまで頭を撫でてあげた…<br /><br /> その時の俺は気がついてなかった…茉莉華がこの告白を見ていた事を…その顔が歪んでいた事も…<br /><br /> 822 名前:たくあん議長 ◆seRwt2jbbc [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 18:13:07 ID:rx8mu9nu<br /> 取りあえずここまでの投下です<br /><br /> 続きは書く気でいますが、こんな稚拙な文で良いのだろうか?<br /><br /> この後からヤンデレが出まくりな感じでwww<br /><br /> 823 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 18:19:49 ID:+0pIIwe+<br /> ヤンデレってなんだ?<br /><br /> 824 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 18:23:32 ID:Tlw4vitc<br /> &gt;&gt;823<br /> お前は何だ?消防か?<br /><br /> 825 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 19:05:00 ID:4f+iCH5U<br /> 投下が多くて嬉しいな<br /> &gt;&gt;815<br /> しかし家事を全くしないと聞いたが?<br /><br /> 826 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 19:21:14 ID:6A69CEIT<br /> &gt;&gt;822<br /> 女の子二人とも可愛いので病みまくるまでガンガってくれ<br /><br /> 827 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 19:24:01 ID:k0OX2cf+<br /> &gt;&gt;822<br /> ガンガンいこうぜ!<br /><br /> 828 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 20:36:54 ID:46lVGE24<br /> wktk<br /><br /> 強いて言えば、台詞に草はないほうがいいと思われ<br /><br /> 829 名前:たくあん議長 ◆seRwt2jbbc [sage] 投稿日:2009/01/07(水) 23:28:47 ID:rx8mu9nu<br /> 今、ヤンデレ漬けにしてる最中です。裸に靴下でお待ち下さいw<br /><br /> &gt;&gt;826<br /> ありがとう。俺的に好きなタイプのキャラを出しました。<br /> &gt;&gt;827<br /> ヤンデレをたいせつにw<br /> &gt;&gt;828<br /> 貴重な意見ありがとう~草は無しですね。<br /><br /> 830 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/07(水) 23:42:05 ID:ii+yxXUT<br /> &gt;&gt;829<br /> GJだ<br /><br /> ただ作者は感想等にレス返すのは控えた方がいい<br /><br /><br /> 831 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 00:46:36 ID:vfxmVwcm<br /> &gt;&gt;829<br /> VIPに帰れ<br /><br /> 832 名前:たくあん議長 ◆seRwt2jbbc [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 01:23:30 ID:NYsbUkXr<br /> 【楔】の続きを投下します。ここからは…<br /><br /> ちょい甘、シリアス、ちょい過激な表現を使いますのでヤンデレスキー、全裸で紳士じゃない人はご注意を。<br /><br /> 833 名前:【楔】 ◆seRwt2jbbc [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 01:25:21 ID:NYsbUkXr<br /> 放課後になってようやく早苗も落ち着きを取り戻したが<br /><br /> (結局午後の授業サボッちまったぜ…)<br /><br /> 教室に戻った俺達は茉莉華に俺と早苗が付き合う事を告げると…<br /><br /><br /> 「ええ!?由岐くんと早苗ちゃんが付き合うの!?2人して中々帰って来ないから心配してたんだけど…」<br /><br /> 「…うん?おめ…でとう…?ごめん!私、先に帰るね!」<br /><br /><br /> この突然の出来事に茉莉華も素直に祝福してくれると思ったのに微妙な表情のまま走って帰ってしまった…。<br /><br /> 俺達は茉莉華の様子が気になりながらも下校時間ギリギリまで教室で初デートは何処に行くかなど話し合いながら帰宅する事とした。<br /><br /><br /> その帰宅の途中…<br /><br /><br /> 「ねぇ…手を繋ぎながら帰らない?」<br /><br /> 早苗が顔を赤くしながら、そんな事を言うもんだから俺も顔を赤くしながら…<br /><br /> 「…おう!じゃあ手繋ぐぞ?」<br /><br /> 俗に言う恋人繋ぎで手を繋いだ。幸い周りに人の気配も無さそうだし、この時季は日が落ちるのも早く暗かったので気にせず手を繋いだ<br /><br /><br /> その瞬間…!!!!!<br /><br /><br /><br /> 闇夜から憎悪と殺意を含んだ鋭い視線を俺は感じた!!!!<br /><br /> 「…誰かいるのか?」<br /><br /> 「どうしたの?由岐?」<br /><br /> その時、俺の声に反応して足音が近づいて来た…あれは…?<br /><br /> 834 名前:【楔】 ◆seRwt2jbbc [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 01:27:04 ID:NYsbUkXr<br /> 「…由岐く~ん…早苗ちゃ~ん」<br /><br /> 「ふぅ…なんだ!茉莉華か!どうし…た…?」<br /><br /> 闇夜を切り裂いて現れた茉莉華はその小さな手に刃渡り24cmはある和牛刀を持っていた…<br /><br /> 「…私ね~…気づいたんだ~…私も由岐くんが~…大好きだって~…」<br /><br /><br /> 「「…え!?」」<br /><br /><br /> その告白に俺達は驚いた…だが、そんな事より普段の茉莉華に無い異様な雰囲気に俺達は恐怖と狂気を感じた…<br /><br /> 「…だからね~…私は~…大好きな由岐くんを~…奪った~…早苗がね~…」<br /><br /><br /><br /><br /> 「許せないんだよ!!!!!!」<br /><br /><br /><br /><br /> その瞬間、茉莉華は手に持った和牛刀で早苗を切りつけてきた!!<br /> だが、とっさに俺が早苗を自分の方に引き寄せたお陰で早苗の髪が数本切られただけで済んだ。<br /><br /> 「や、やめろよ!!茉莉華!!冗談じゃ済まないぞ!!」<br /><br /> 「冗談じゃないんだよ!!!その女が!!その女が!!なんで…?なんで由岐くんはそんな女の事をかばうの!?」<br /><br /> 茉莉華の狂気を纏った殺気に早苗は声も出せずに俺の腕の中で震えてる…。<br /><br /> 「…そんな乳がデカイだけの牛女は…由岐くんに…ふさわしくない…解体してやる…解体してやる…解体してやる…解体してやる…解体してやる…解体してやる…解体してやる…」<br /><br /> 835 名前:たくあん議長 ◆seRwt2jbbc [sage] 投稿日:2009/01/08(木) 01:34:56 ID:NYsbUkXr<br /> 今回はこんな感じで。まぁ生あたたかい目で読んで頂ければうれしいです。<br /> &gt;&gt;830<br /> &gt;&gt;831<br /> 失礼しました今度からは気をつけます。<br /><br /> 836 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 02:03:00 ID:TYqz13vY<br /> ちょっとした独白みたいなのはいいとおもうが<br /> あんまり作者が意見を出しすぎると叩かれやすい<br /> だから良い意味でも悪い意味でも作者自信はできれば無個性であったほうがいい<br /> 作者が個性をだしたいとおもうのならSSの中でやるべきだな<br /><br /> 837 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 06:14:59 ID:dIe5i2kq<br /> &gt;&gt;823<br /> ヤンデレにやられて記憶を失ってるんだ<br /> 触れてやるな<br /><br /> 838 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 09:02:22 ID:i/ehMMzS<br /> GJ!!<br /><br /><br /> 839 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 17:43:48 ID:8pa8XMyK<br /> &gt;&gt;823<br /> こんなところに居たのね?さあ早くおうちに帰りましょ<br /><br /> 840 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/08(木) 20:58:47 ID:BBHtzqf8<br /> GJでした。<br /> ところで「お隣の彩さん」でも「ヤンデレ症候群」ってでてくるけど<br /> なんか、SS同士の世界観が共通してるみたいでいいですね。<br /><br /> 841 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 21:00:07 ID:nT76MTsX<br /> ぽけ黒マダー?<br /><br /> 842 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 22:08:06 ID:D2VxDKGK<br /> &gt;&gt;840<br /> 人気そうなSSのキャラを沢山出したオールスターSSとかいいんじゃね?<br /> それぞれの作者さん達にキャラの使用許可さえ取れればだけど。<br /><br /> 843 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 22:13:35 ID:aFi52E2i<br /> それはたいへんきけんなかんがえです<br /><br /> 844 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 22:45:32 ID:D5mCQieB<br /> ああ、とっても危険だ。<br /> どのくらい危険かというと嫉妬に狂ったヤンデレに銃火器を与えるくらい危険だ。<br /><br /> 845 名前:唐突ですが[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:13:40 ID:6Zq1yCz6<br /> 処女作です。<br /> 自分は小中高と国語の先生に"文章力に難あり"と言われ続けてました。<br /> かなり言い訳がましいですが結末だけを考えて作り始めたので最初から理解不能です。<br /> 歴代SSの中でも随一、並ぶ物のないほどの下手さです。<br /> その事をふまえた上で時間に余裕がある方はご覧ください。<br /><br /> ジャンル:微妙なヤンデレ?<br /> (年齢、名前、容姿、一人称などはご想像下さい)<br /><br /><br /> 846 名前:ハッピーエンド[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:14:27 ID:6Zq1yCz6<br /><br /> 腐った親に存在を否定され必要最低限の金を置いていくだけだった<br /> 学校では問題夫婦の一人息子として、危険人物として存在を無視されていた<br /> だが成長するにつれ、1人で我関せずと何も興味なく、飄々といる事は<br /> 年上からみれば粋がってるように見えたようだ。<br /> 下校中にいきなり後ろから殴られた<br /> 最初は2,3発殴られれば興味を無くすと思い好きなようにさせた<br /> だが彼らには無抵抗の人間を殴る事が好きだったようだ<br /> 5,6発殴られ、これ以上我慢する必要が無いと感じて反撃をした<br /> 体は生まれ持った才能のおかげで特にスポーツもせずに強い部類に入るほうだった<br /> その時にいた人数は4人だったが難なく叩きのめす事ができた。<br /> 彼らはアウトローを気取りタバコ、飲酒などをして運動をしなかったおかげだったかも<br /> しれない。また学年下のガキが1人で反撃などしてこないと思ったのかもしれない。<br /> 学校での地位しか知らない彼らは学年というものが大きな壁だと思ったのかもしれない。<br /><br /> これ以後殴られる事は無くなったが、ますますクラスから、学校から孤立していくのが<br /> 感じられた。<br /><br /> 後悔はしてない、、と脳内で言う<br /><br /> でも、、どこか苦しくて、、<br /><br /><br /> 847 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/08(木) 23:14:50 ID:BBHtzqf8<br /> &gt;&gt;842<br /> オールスターよりも、ゲストで少しだけ出てくるぐらいでいいと思います。<br /><br /><br /> 848 名前:ハッピーエンド[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:15:15 ID:6Zq1yCz6<br /> 自分が崩れないように、壊れないようにするため感情の起伏を減らし<br /> 笑う事も悲しむ事も怒りも忘れた、、<br /><br /> だけどそれは彼女に付き合わされる内に嘘だった事を実感した。<br /> 何も忘れてない、、<br /><br /> 彼女と会ったのは広い森林公園だった<br /> 休日の時間つぶしで民間図書館で借りた本を簡素な部屋で読むよりは<br /> 森林に囲まれた静かな場所で読むほうが頭に入ると思い、公園に来ただけだった。<br /> だが休日の事もあり中央地の広場は家族連れが多くおり、静かとは言えないようだった<br /> 静かな場所を探し、端の方を歩き回ってると女性がしゃがんで子犬に話しかけていた<br /> 話しかけると言っても「ワン、ワン」と擬音語でしか話しかけてなかったので<br /> 意味はわからなかった。<br /> 横を通り過ぎようと近づくと足音で気づいたようで大仰な仕草で振り返った。<br /> その顔は真っ赤だった。<br /> どうやらここには人があまり寄りつかないと思ったのかもしれない。<br /> たしかにこの場所は背の高い木に挟まれ陽ざし悪く、場所も中央地と違い広くなく、<br /> それに背の高い木のおかげで閉塞感があった。<br /> わざわざ公園に来てまで来るような場所ではないだろう。<br /> 自分も静かな場所を探していなければ確実に来ない場所だろう。<br /><br /> "どうでもいい"と思い無視して通り過ぎようとした。<br /><br /> 通り過ぎようとした時彼女から自分の名前を呼んだ。<br /> 怪訝な顔をしていると少し怒ったような、だけど羞恥が残る赤顔で"同じクラス"と言った。<br /> 同じクラスと言ってもまだ学年が変わって一ヶ月も経ってない。<br /> 人に興味がない自分にはまだ名前も顔も覚えていないクラスメイトが9割以上だ。<br /> "そうか"と一言だけ言って目的の場所を探そうとまた歩き続けようた。<br /><br /> 849 名前:ハッピーエンド[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:16:03 ID:6Zq1yCz6<br /> 5歩ぐらい歩いただろうか、パーカーに付いてるフードを下に引っ張られた。<br /> "何か用があるのか"と無感情の声をかけながら、後ろを振り向くと犬の顔が間近にあった。<br /> "何の用だ"とさっきと変わらない声質で言う。<br /> 彼女は"この子犬可愛いでしょ飼いたいでしょ、そうでしょ"と言ってきた<br /><br /> つまりは彼女はこの子犬の面倒を見てくれないかと言ってきてるのだ、、<br /> 自分に<br /><br /> "話にならないと"無視してまた歩き続けた。<br /> 彼女はそれが気に入らないらしく足を思いっきり引っ掛けた、、<br /> 、、、、こけた、、、、<br /><br /><br /> 彼女は馬乗りになって子犬を顔に近づけて"この子犬飼いたいでしょ、"とまた言った<br /> 自分は"家がペット禁止のマンションだから飼えない"と適当に嘘を言った。<br /> その言葉を聞いた彼女はいきなり財布を取り住所の書いてあるカードを見た。<br /> 彼女は勝ち誇った顔で"部屋番号書いてないけど"と言った<br /> どうやら彼女は常識というものを知らないらしい。<br /> 自分はこれならと"ペット類はすぐに殺してしまうから飼えない"<br /> 引かれるかもしれないが特に問題はない、彼女に嫌われようがこれから<br /> 自分には実害がないと思い言った<br /> "嘘だね"と彼女が言った<br /> いきなりな言葉に怪訝な顔で"なんでだ"と聞くと彼女は<br /> "君が持ってる本は動物好きがよく読む本だから"と言った<br /> 確かにこの本には人と動物との暖かい交流を眠くなる文体で書く如何にも動物好き<br /> が読むような本だった。<br /><br /> 色々と訂正するのもめんどくさくなり"偶然だ、飼うのがめんどい、どけ"と率直に言った。<br /> 彼女も押し問答がめんどくさくなったようで<br /> "ああもう、とにかくこの子犬お願い"と言い、犬を体の上に乗せられ、<br /> 彼女は走って逃げた、、、<br /><br /> 1人犬を抱いて地面から起きる。<br /> 子犬をあらためて見ると少し痩せていて親犬もいないこの状況なら死ぬかもしれない。<br /> 子犬が自分を見て鳴いた。<br /><br /> 850 名前:ハッピーエンド[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:16:40 ID:6Zq1yCz6<br /> ただ、、、、ただ何となく、、、、家に連れて帰った。<br /> そこには特に同情やら何やらが有ったわけでも無いと思う。<br /> そんな感情があるはずは無いと、、残ってるはずがないと思う。<br /> ただの気まぐれ、なんとなく。<br /> 明日にでも彼女に押し付ければいい<br /><br /> まずは犬を風呂に入れる。<br /> 入れた後、底が深く倒れないように固定した大きなバケツに入れ、これからの事を考えた。<br /> 動物を飼うにはまず餌を買わなければならない。<br /> 餌を買うには金がいる。<br /> 親は高校に入ると同時に金をくれなくなった。<br /> だけど親も知らない隠し地下倉庫を見つけ、先祖代々から続くような調度品を怪しい骨董屋に<br /> 売って、大学を出ても当分は生活に困らないぐらいの金はある。<br /> それを使い餌を買ってくる。<br /> だけどその前に図書館から犬の飼育本を借りて調べる。<br /> 最後に弁当屋で自分の飯も買う。<br /> 決まったら行動する。<br /><br /> まず図書館に行って犬の飼育本を読む。<br /> 犬の餌が決まったら本を借りに受付に行き図書館を出て、<br /> 人の餌も犬の餌も買える大型スーパーに行った。<br /><br /> 買い物を終え家に帰り、まず犬に餌をやった。<br /> その後自分の飯を食い、一服をついた処で飼育本を読む<br /><br /> この日の就寝の時、かなり変わった休日だったと1日を振り返った。<br /><br /> 翌日の登校日クラスに行くと昨日犬を預けて無責任に逃げた女が話しかけてきた。<br /> "昨日はごめんなさい、恥ずかしい処を見られて少し錯乱してた、犬はどうしてる?"と言った<br /> 自分はめんどくさい事にならないように"捨てた"と一言言った<br /> 彼女はうれしそうな笑顔で"嘘、服に犬の毛が付いてるよ。私も昔飼ってたからわかるよ"と言った<br /> どうやら室内での放し飼いのせいで、服に何本か付いてたらしい。<br /><br /> 彼女は"飼っていた"と言った。それにあの犬を自分で飼わず無理矢理押し付けてきた。<br /> 昔は飼えて今は飼えない状況にでもあるのだろう。<br /> あの犬を押し付ける事は出来なさそうだ。<br /><br /> 彼女に話は無いと言う態度で興味なく自分の席に向かった。<br /> その時視界に入るクラスメイトは大抵こちら側を見ていた。<br /> 顔を向けた瞬間目をそらされた。<br /> いかにも興味ありませんという白々しい態度で友人同士話をしる。<br /> "どうでもいい"何も感じずに席へ向かった。<br /> その後ろで彼女が"今日の放課後、あなたの家に犬を見に行くね"と言った<br /> 彼女の方へ向き、拒絶の言葉を言おうとしたら彼女は親しい女友達のもとへ行っていた。<br /> 1人で勝手に帰ればいい、そう思い話しかけるのをやめた。<br /><br /> 851 名前:ハッピーエンド[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:17:12 ID:6Zq1yCz6<br /> いつもと変わらない授業が終わり、放課後になった。<br /> いつもと同じように帰宅する。<br /> 学校から出て100Mぐらい歩いた所で彼女に止められた。<br /> "さぁ、行きましょ"と、先に帰宅した事を咎めることもなく、横に並んだ。<br /> 追い返すのも無理という事を感じ無視して歩き続ける。<br /> 学校から自分の家まで歩いて20分近くの所にある。<br /> 一言も話さず20分歩き家に着いた。<br /><br /> 家の中に入ると犬が飛びついてきた。<br /> はたいた。<br /> 彼女は"なかなか過激な愛情表現ね"と言った<br /> 何事も無かったように自分の部屋に向う。<br /><br /> 私服に着替え、腹を満たそうとリビングに行くと犬が彼女にじゃれ合っている。<br /> その横を通り過ぎようとしたら彼女に"そういえばこの子犬の名前は?"と聞かれた<br /> "ワサオ"と答えた。<br /><br /> 時間が経ち彼女がそろそろ帰ると部屋に言いに来た。自分は特に返事もせず本を読む。<br /> 彼女が"明日も来るから"と言った。<br /> 自分は拒絶の言葉を言おうとしたら彼女はもういなかった。<br /><br /> 次の日の放課後、宣言道理に彼女が家に来る。<br /> この日の帰る時も"今度は明後日、来るから"と言った<br /> もう自分は何を言っても無駄という事を悟り特に何の反応もみせなかった。<br /><br /> 犬を見に彼女が家に来る。そんな日が半年以上続いた。<br /><br /> 犬の話題だけだったのが少しずつ他の話題の話もするようになった。<br /> 最初は彼女の言葉を相づちだけですましていたが、今は聞かれればそれなりに<br /> 話すようになった。<br /><br /> 日に日に変わっていく自分、、、<br /><br /> 852 名前:ハッピーエンド[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:17:43 ID:6Zq1yCz6<br /> いつの間にか少し笑っている自分がいた。<br /> 愛など知らなかったのに彼女を見るだけで知らずと愛というものが<br /> 少しずつ実感できるようになった。<br /> 表情が豊かになるに連れ、クラスの面々も一言二言話しかけるようになった。<br /><br /> 昔の自分なら考えられないような日々を送っている。<br /> 幸せ・・・・だと思う。<br /><br /> ある日彼女に遊びに行かないかと話しかけられた。<br /> 自分は嬉しさを心の中で感じ、まだ少し無表情ながら"行く"と即答した。<br /><br /> 彼女が先に歩む場所は誰もいない森の奥地だった。<br /> 普通の人なら家族だろうと誘われたら不振に思い行かないような場所である。<br /> だけど自分は何も考えず彼女の後を追った。<br /><br /> 何十分、何時間歩いただろうか、、いきなり森が切れ、円状に開いた<br /> 小さな白い花の咲く場所に着いた。とても幻想的だった。<br /> その中央に彼女の後を追って行くと、いきなり振り返って抱きついてきた。<br /> 抱きつく力が強く、体が倒れる。<br /> 彼女は自分を覆い被さった状態になった。<br /><br /> 訳が分からず彼女の顔を見ていると唐突に彼女が涙を流した。<br /> "好きなの"と言う。<br /><br /> 「私はあなたを見ていた・・・・・・<br /> &amp;#160; 私もあなたと同じように何も興味がない。家でも学校でも作った表情。<br /> &amp;#160; 仲間意識があった。だからあの日私はあなたに近付きたくて犬という接点を作った。<br /> &amp;#160; ・・・・・だけどあなたはどんどん変わっていった。<br /> &amp;#160; 言葉を返してくれるようになった、微笑むようになった。<br /> &amp;#160;<br /> &amp;#160; ・・・・クラスであなたは少しずつ人気が上がってきた。<br /> &amp;#160; 知ってる?あなたの事が気になるって女子結構いるんだよ。<br /> &amp;#160; ・・・・・・・あなたが変わって、周りが変わって自分の気持ちに気がついた<br /> &amp;#160; ・・・・・・・・あなたの事が好き、愛してる・・ずっと前から<br /> &amp;#160; だけどあなたは変わって、格好良くなって、<br /> &amp;#160; いつの日か他の女性が出てきて私なんか興味なくなる。話もしなくなる。<br /> &amp;#160; だから・・・だから今あなたと共に終わらせたい。<br /> &amp;#160; あなたの人生を私で終わらせたい」<br /><br /> 853 名前:ハッピーエンド[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:18:09 ID:6Zq1yCz6<br /> 彼女は言う。好きだと、愛してると<br /> 彼女は俺を愛してくれてる・・・<br /> 今まで誰にも愛されたことのない自分が愛しい彼女に愛されている<br /><br /> 嬉しかった<br /><br /> だから彼女の手が首を締め付けようとも抵抗はしなかった。<br /> 手を伸ばし彼女の髪をかきあげ頬に触れる。<br /> 首が絞まり言葉を出す事ができない。<br /> だから口の動きだけで伝える<br /><br /> 「愛してる」<br /><br /> 自分が笑うと彼女が微笑んでくれた。<br /><br /> 意識が堕ちる。<br /> もう目覚める事のない眠りにつく。<br /> 怖くはない。<br /><br /> 自分の人生は幸せだった。<br /><br /> おやすみ。<br /><br /> &amp;#160; &amp;#160; &amp;#160; この日この場所で2つの命が消えた<br /><br /> &amp;#160; &amp;#160; &amp;#160; &amp;#160; &amp;#160; &amp;#160; &amp;#160;END<br /><br /> 854 名前:あとがき[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:18:37 ID:6Zq1yCz6<br /> この物語はカルタグラの由良にインスパイアを受けました。<br /> 最初は3スレぐらいの綺麗な作品を作ろうと目指したのですが、、、<br /> ヒロインも出ない所で思った以上に長引いてしまって<br /> 出たら出たでどのように絡ませればいいのか分からず<br /> グタグタになってしまいました。<br /> 連鎖的に中盤~終盤とかなり雑になってしまいました。<br /> そのおかげでヤンデレという物語の核もボロボロです。<br /><br /> もしも見捨てずにいて下さるのならば、<br /> この様にした方がいいなどのアドバイスを<br /> チキンなハートを持つ自分に言葉が丸くなるよう<br /> 語尾に「だっちゃ」でも付けて、ご教授下さい。<br /> 誤字脱字もありましたら教えて下さい。<br /><br /> もしも、もうこれ以上見たくないという方がおられれば<br /> スレを汚さないようメル欄にでもBadとでもお入れ下さい。<br /> 空気を読み投稿を控えさせていただきます。<br /><br /> 最後になりますが、もしも最後までこの様な不出来な作品を<br /> 見て下さる方がいたならばお礼を申し上げます。<br /><br /> ヤンデレに栄光あれーーーー<br /><br /> 855 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/08(木) 23:19:54 ID:BBHtzqf8<br /> GJです。<br /> 普通に面白かったですよ。自信を持ってください。<br /> あと、途中に書き込んで申し訳ありませんでした。<br /> 謝罪いたします。<br /><br /> 856 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:26:36 ID:cXRZkJQx<br /> なかなか良かったんじゃないかな?いろんな趣向の作品がある方が楽しいし。<br /><br /> 857 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:29:56 ID:XYiRIWTj<br /> &gt;&gt;854<br /> 結構面白かった、変に自信喪失して投げ出さないようにすればいいんじゃないのかな。<br /> 後、ここは妄想や小説を書くスレで文章力を上げるスレじゃないから<br /> 小説の書き方とかを紹介しているサイトで勉強したほうがいいと思われ。<br /><br /> 858 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:33:23 ID:OZcYGVo3<br /> &gt;&gt;842<br /> ヤンデレってのはバランスブレイカーだから、一つの作品にいくつものヤンデレを同居させることは不可能だろう。それこそ&gt;&gt;844の言うとおりだ<br /> せいぜい世界観の共有くらいが限界だろ。ただ、それはスレチになってしまうという危険性を孕んでいる<br /> &gt;&gt;854<br /> 謙虚と卑屈は違うんだぜ<br /> いくら自信がなくても、あんまり自虐してるとたとえ作品がよかったとしても逆に非難を買うぜ<br /> ……まあ逆もしかりなんだが<br /><br /> 859 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:34:25 ID:A2uwStz6<br /> なかなかよかったと思います。<br /> たとえ不出来な作品だったとしても、回数を重ねればいい作品が<br /> 自然と思いつくようになると自分は思います。失敗は成功の素!<br /><br /> 860 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:34:31 ID:wXTfXAyg<br /> そろそろ次スレだな。<br /> &gt;&gt;854<br /> GJだ。そこまで謙虚にならなくても大丈夫でしょ。<br /> 良かったよ。<br /><br /> 861 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:38:34 ID:XYiRIWTj<br /> 次スレか<br /> じゃあ立ててくる<br /><br /> 862 名前:次スレ[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:43:50 ID:XYiRIWTj<br /> ヤンデレの小説を書こう!Part21<br /> http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1231425727/<br /><br /> 863 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:45:19 ID:be9wfhq9<br /> &gt;&gt;854<br /> GJ!<br /> 接続語のミスが目立ってたと思うっちゃ<br /><br /><br /> 864 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:53:54 ID:jgkT9eju<br /> 誤字とはわかっているんだが、3000レス分約180000行の超長編SSを読んでみたくなってしまったぜ<br /><br /> 865 名前:854[sage] 投稿日:2009/01/08(木) 23:55:49 ID:6Zq1yCz6<br /> 書き込んだ後色々と不安になり風呂に行ってました。<br /> 高校の時に10時間かけた大作(読書感想文)を国語の先生に「なにこれ?もっとまじめにやれよ」<br /> と言われ少しトラウマになってました。<br /> これからは必要以上に謝らず、お礼だけを申し上げるようにします。<br /> 読んでくれた方ありがとうございます。<br /><br /> 866 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 01:16:03 ID:MnQ6AogT<br /> そんなトラウマがありながらヤンデレSSを仕上げたお前に乾杯<br /><br /> 867 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 01:36:25 ID:Gt/dENHx<br /> 俺なんて、見向きもされなかったぜ…。<br /><br /> 868 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 04:39:32 ID:RG/iqOx8<br /> &gt;&gt;867さんには私がいるじゃない…<br /><br /><br /><br /> とでも言うと思った?<br /> 私には&gt;&gt;865君がいるの<br /> さぁ、ふたりっきりで勉強しましょ…ウフフフ<br /><br /> 869 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 09:41:48 ID:3QRlJNQG<br /> 二人がいなくなった後<br /> たった一匹で部屋に閉じ込められて餓死を待つだけの犬が気になって<br /> ひたりきれなかったorz<br /> それとも犬は連れてきてたのかな?<br /><br /> 870 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/09(金) 20:25:05 ID:5AF1n0As<br /> 若くして社長になってしまった男を、ヤンデレの女秘書が立派な社長にするために教育するって話が読みたいな<br /><br /> 誰か書いてくださいお願いします<br /><br /> 871 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 20:26:22 ID:5AF1n0As<br /> すいません、sage入れ忘れました…<br /><br /> 872 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 21:25:43 ID:PlcTQN2t<br /> ヤンデレに刺されてみたい。<br /><br /> 頼んだら包丁とかで刺し殺してくれる恋人(or妻)って実際どれぐらいいるんだろうね?<br /> いや、頼めば刺殺してくれるくらい(相手を)愛してる人ってどれくらいいるのだろう?<br /><br /> あー、刺されたい。<br /><br /> 873 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 21:30:55 ID:avrvRS2m<br /> &gt;&gt;854<br /> 宣言道理じゃなくて宣言通りだっちゃ。<br /><br /> 874 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 21:35:23 ID:0WBWwjT1<br /> &gt;&gt;870<br /><br /> ヤンデレスレに投稿された、病み妻の作者さんは、そんなやつを書いていたはず。<br /><br /> 875 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/09(金) 22:28:07 ID:szVqyozl<br /> 完全なオリジナルを作るのは難しいから、二次創作にするのってどう?<br /><br /> スクイズ+君のぞで<br /> 妊娠したと聞かされて世界になびく誠。<br /> 言葉は取り返して独り占めにしようと、<br /> マナマナみたいに誠を監禁して、妊娠するまで連日連夜の逆レイプ。<br /> しかも持ち前の勉強上手と淫乱な体のせいで、回数を重ねるごとにエグいSEXに。<br /> それでも世界と産まれてくる子供の事を思い、何とか正気を保つ誠、<br /> だが食べさせられていた媚薬入りの肉料理は言葉に殺されて調理された<br /> 世界と自分の子供である事を告げられ、証拠に顔以外の肉を削ぎ落とされた<br /> 世界と胎児の遺体を見せ付けられ、ついに自我が崩壊し幼児退行。<br /> 言葉は妊娠→出産でさらに巨大になった乳房を赤子同然にした誠にしゃぶらせ、<br /> 母乳を飲ませながらSEX。 トゥルーエンド「母性愛」<br /><br /> アリかな?<br /><br /> 876 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 22:31:41 ID:cMZ9eunY<br /> 作品スレがある場合はそっちでって話だったと思う<br /> SchoolDaysのスレはないからここでいいだろうけど<br /><br /> 877 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 22:58:31 ID:ykl9n0F2<br /> スクイズの分岐√を考えるスレならあるからそっちで<br /><br /> 878 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 23:02:28 ID:zlNRAngo<br /> &gt;&gt;875<br /><br /> おまえ、すげえよ・・・<br /><br /> 879 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/09(金) 23:29:46 ID:GqB01ykD<br /> 書いてみたくなった<br /><br /> 880 名前:875[] 投稿日:2009/01/09(金) 23:49:51 ID:szVqyozl<br /> &gt;&gt;879<br /> 書いてください。同志職人の皆様。<br /><br /> 881 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 23:51:34 ID:JjYUnpTw<br /> 二次創作はちょっとなぁ…<br /> 荒れる元だしやんないほうがいいと思うんだが…<br /><br /> 882 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 00:22:22 ID:a3Jx0oVZ<br /> エロゲ系の板とかでやれ<br /><br /> 883 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 00:23:57 ID:tB5qcMmz<br /> それは板違い<br /><br /> 884 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/10(土) 00:24:14 ID:eka351fP<br /> saga進行とかよう分かりません。普通にやればいいのかな?<br /><br /> 885 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 00:29:59 ID:YuhLe9z4<br /> &gt;&gt;884<br /> メール欄にsageと入れるだけ<br /><br /> 886 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 00:54:03 ID:eka351fP<br /> 885の人ありがとうございます。初めてなので。<br /> Eメールのところにsageですね。<br /><br /><br /> 887 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2009/01/10(土) 02:06:44 ID:1Uk0J2dZ<br /> バランスブレイカーで、ルールブレイカー。<br /> 時には、作品すらぶち壊す。<br /> ヤンデレとは、げに恐ろしきものなり。<br /><br /> 888 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 03:13:53 ID:a3Jx0oVZ<br /> 死ね<br /><br /> 889 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 03:17:30 ID:SGFAjOh/<br /> 723にささぐ<br /> 朝、憂鬱な気分から僕の朝は始まる。<br /> あぁ~起きてしまった、ずっとずっと冬休みだったら良かったのにと、温かい毛布の中、僕は体を丸くしていた。<br /> 行きたくない行きたくない行きたくない、<br /> 頭を駆け巡るのは学校への拒絶の言葉。<br /> 僅かな希望を胸に、携帯のディスプレイを開いてみた。<br /> 『6時55分、現在大雨、大雪注意報はありません。』<br /> 神は我を見捨てたか!<br /> 僕はため息をつきながら携帯を収め、そこで妙案を思い付く。<br /> インフルエンザって嘘吐いちゃえばいいんじゃないか?<br /> そこで再び携帯を開き電話かけようとした、その時。<br /> 「チェーストー!」<br /> 毛布の上、丁度脇腹辺りに重たい一撃、この感触は!遅かったか!「おれ~!七条(ナナシ)起きれ~!」<br /> ソプラノの声と共に揺さぶられる毛布と体、そしてずっしりと重いこの感じは。<br /> 「睦美(ムツミ)、どいてよ」<br /> 「七条が起きればどいてあげるよ?」<br /> まるで悪戯をする子供の様に楽しげに言うこいつは本当に同じ17歳なのか?と本気で考えることがある。<br /> 「ってか、重い。太ったろ?睦美」<br /><br /> この一言により僕の固有決壊は完全に剥がされ、ニーソックスによる顔への攻撃を受けるはめにあう。<br /> 僕、七書七条(ナナフミ<br /><br /> 890 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 03:22:16 ID:SGFAjOh/<br /> 僕、七書七条(ナナフミ ナナシ)の朝はこの騒がしい隣人、杉野睦美(スギノ ムツミ)によって毛布をひっぺがされる所からはじまるのである。<br /><br /> 僕らは子供の頃からこのマンションで一緒に過ごしてきた。<br /> 僕と睦美は幼稚園、小学校、中学、今までずっと一緒、言わば幼馴染み。<br /> 家族構成も同じ、三人家族。ただ家は父さんが海外出張、睦美の両親は共働きで朝から晩まで家を空けているのが殆どだった。だから何時も僕と睦美、母さんの三人で家の部屋で過ごしてきた。<br /> その頃の睦美は人見知りが激しくて僕の後ろで袖をずっと握って隠れているくらいで、僕の後ろをずっとくっ付いていて。<br /> その頃の僕は今よりも活発で、元気があって、明るくて、何より毎日が楽しかったはずだったんだ。<br /><br /><br /> 891 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 03:27:43 ID:SGFAjOh/<br /> 僕らが高校の受験を終えた日。何時も道理睦美と僕の部屋で母さんの料理を食べようと帰った時には母さんがいなくて。代わりに留守番電話のメッセージが点滅していた。メッセージは警察からで交通事故で病院に搬送されたと。<br /> 気づいた時には制服のまま走ってて、足は血だらけで。<br /> 「七条!七条!」<br /> 後ろから睦美が肩を掴むまで俺は気付かなかった。<br /> 睦美は自転車の篭に靴を入れ僕を追いかけて来てくれた。<br /> 「七条足!靴履いて!この自転車使って!」<br /> これが僕の初めて見る睦美の大声だった。<br /><br /> 「悪い睦美!借りるわ!」<br /> それから自転車に飛び乗っ病院に向かっていった。<br /> でもその時にはもう遅くて、病院で血だらけの母さんが待ってたんだ。<br /> 葬儀の時の事は全く覚えてない、ずっとずっと母さんの遺影を見ていて、気付いたら睦美が泣きながら抱き締めてて。<br /> 「絶対絶対私が守るから!お母さんの代わりに私がずっとずっと一緒にいるから!」<br /> 気付いたら二人して、大の大人が二人してワンワン泣いてたんだわ。ぎゅっとお互い痛いくらい抱き締め合って、誰もいない葬儀所で二人でワンワン泣いてた。<br /><br /> 892 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 03:29:41 ID:SGFAjOh/<br /> 携帯から突然の投下失礼しました。<br /> お見苦しい点、多々あるとございますがご了承下さい。<br /><br /><br /> 893 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 03:40:40 ID:a3Jx0oVZ<br /> つまんね。もう来なくていいよ<br /><br /> 894 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 04:03:29 ID:ZV1VV9Uq<br /> &gt;&gt;893<br /> 萌えられそうで良い感じなんだが、続きは……?<br /><br /> 895 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 04:03:59 ID:yUkrQ/wO<br /> &gt;&gt;892<br /> 展開的にまだ何も起こってないからGJとは言えないけど、次回に期待。<br /><br /> 896 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 04:04:50 ID:ZV1VV9Uq<br /> 安価ミスったw<br /> &gt;&gt;892へのレスな<br /><br /> 897 名前:892続き[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 05:00:47 ID:SGFAjOh/<br /> 僕は冷水で顔を洗いながら、過去を振り替えってみた。<br /> あの後の睦美の激変と僕の没落。<br /> 睦美は元々成績が優秀な部類の人間ではあったが人付き合いや運動の面は苦手であった。<br /> しかし高校に上がってからテニス部に入り、一年でレギュラー入り、お洒落に磨きをかけ、交友関係を広げ今では学年で中心的な人物にまでなった。<br /> 僕に至っては最初溶け込めず、今はイジメのいい対象である。それが原因で引きこもりがちになり、今は留年ギリギリまで学力が低下し、イジメを加速させる要因となっている。<br /><br /> 898 名前:892の続き[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 05:03:49 ID:SGFAjOh/<br /> 「ダメダメだな」<br /> 鏡に映るのは気力のない目のボサボサ頭。<br /> 「七条!ご飯!」<br /> そんな時、睦美の元気な声、<br /> 「今行く」<br /> そこには玉子焼きにほうれん草のゴマ和え、ミートボールに味噌汁。僕はつくづく本当に睦美は昔の睦美ではないんだと感じていた。<br /> そんな事を考えていると睦美はいそいそと支度を始める。<br /> 「朝練?」<br /> 「まぁね?一応レギュラーだし」<br /> 「ごくろうさんで」<br /> 「お弁当、冷蔵庫の中にあるから忘れないでね?」<br /> そう行ってからラケットの入ったカバンを持ち睦美は玄関を後にしてた。<br /><br /> 899 名前:892の続き[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 05:06:43 ID:SGFAjOh/<br /> 私は何時も道理に携帯を開くと複数のアドレスにメールを送信する。<br /> 『七書出るから何時も道理可愛がってね♪』<br /> 彼はずっとずっとお母さんに依存してた。<br /> テストでいい点をとった時も、スポーツもお母さんの薦めで入ってお母さんの為だけに全力を尽くしてた。<br /> 「約束したくせに」<br /> 寒い寒い冬の空の下、彼との過去を思い出す。<br /> 人見知りが激しかった私に優しくしてくれた、幼稚園でイジメられた時助けてくれた、小学生の時、下駄の靴を隠された時は泣いてる私の為に七条はずっと探してくれた。<br /> でも、それは全部全部お母さんに褒めてもらう為で私だけの為に向けられた物じゃなかった。<br /><br /> 900 名前:892の続き[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 05:12:13 ID:SGFAjOh/<br /> 七条、私さずっとずっと好きだったんだよ?七条はずっとずっと私だけのヒーローだったんだよ?<br /> でもずっと私を見てくれなかったよね?私を通してお母さんに褒めて貰いたかったんだよね?<br /> そんな私がどれだけ好きになったか、そんな私がどれだけ貴方を見てたか分かる?<br /> もうね、待つだけは嫌なの。私だけを見て貰いたいの、私だけと接して欲しいの、私だけと楽しそうに話してほしいの。<br /> 気付けば携帯がみしみし言う程握り締めてメールを紡いでいた。<br /> 『アイツの机壊していいよ?アイツの弁当ぶちまけて?アイツが教室入ったらシカトして?』<br /> それを七条のクラスの奴等に送っていた。<br /> 七条はどんな顔をするかな?今度こそお母さんの代わりに依存してくれるかな?<br /> 「約束だよ?七条守ってあげるから、死んだお母さんの代わりになって守ってあげるからね?」<br /> 今日は泣いてる七条のためにお弁当半分こしよう、泣いてるアイツを優しき抱き締めて頭を撫でてあげよう。私は毎日が、七条を独り占め出来る毎日が楽しくて楽しくて仕方なかった。<br /><br /> 901 名前:892[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 05:14:22 ID:SGFAjOh/<br /> 急拵えで続きを投下。<br /> GJ貰えるよう頑張ります。<br /><br /> 902 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 06:37:55 ID:yUkrQ/wO<br /> GJ!!<br /> いい感じに病んでるね<br /><br /> 903 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 10:05:25 ID:yUkrQ/wO<br /> てか、ここじゃなくて新スレで書かないとGJ所か<br /> 見てすらくれないかもよ・・・<br /><br /> 904 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 11:43:38 ID:MUWEjrMa<br /> &gt;&gt;901<br /> GJだ<br /><br /> 全裸で続きを待ちますかな<br /><br /> 905 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 15:13:32 ID:8f7kkaxl<br /> 何時も道理がいつも通りの誤字だと気付くまで1分ほど考えこんでしまった<br /><br /> 906 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 21:18:55 ID:X7xqEkaQ<br /> 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん ってヤンデレ?<br /><br /> 907 名前:ハッピーエンドの作者ですが[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 23:35:58 ID:cypbWh8p<br /> &gt;&gt;873の方が教えてた通り<br /> 『宣告通り』を『宣告道理』と間違えてしまいました。<br /> それで今回wikiの方に載りましてかなり気になり、直したいと思いました。<br /> お聞きしたいのですが自分で直すものなのでしょうか<br /> それとも管理人にご報告すればよろしいのでしょうか?<br /><br /><br /> 908 名前:907[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 23:43:53 ID:cypbWh8p<br /> ごめんなさい。<br /> 『教えてた通り』じゃなく『教えてくれた通り』でした。<br /> もうATOKの予測変換は信じません。。。<br /><br /> 909 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 23:47:41 ID:2a1xnsXz<br /> >誰でも編集できるようにしてるので修正とかありましたらご自由にどぞー -- 中の人 (2008-12-08 22:02:17)<br /> 中の人もこう言ってるので自分で修正してもいいんじゃないかな。<br /> ウィキの扱いに自信がないなら中の人にそうだんするとか、どうでしょう<br /><br /> 910 名前:907[sage] 投稿日:2009/01/10(土) 23:52:26 ID:cypbWh8p<br /> &gt;&gt;909<br /> ありがとうございます。自分で編集しました。<br /> それと&gt;&gt;873の方教えてくれてありがとうございました。<br /><br /> 911 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 21:10:06 ID:IU61r500<br /> ume<br /><br /> 912 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 21:40:58 ID:ttLQ0peD<br /> ヤンデレの娘が泥棒猫の死体をを土に埋めるんですね、わかります。<br /><br /> 913 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 22:07:17 ID:GVj0wkVP<br /> そろそろこのスレともお別れかな<br /><br /> 914 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 22:17:03 ID:K8XMOZqQ<br /> part20「&gt;&gt;913君だけはpart21なんかには渡さないんだから……!」<br /><br /> 915 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 00:06:08 ID:gzaQ0t+t<br /> なに言ってんだよ?<br /> 俺達ただの友達だろ?<br /><br /> 916 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 02:18:24 ID:ZuP7XTsy<br /> 埋め<br /><br /> 917 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 16:00:06 ID:E51P9+xJ<br /> 生め<br /><br /> 918 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 16:39:14 ID:kvp7dWQO<br /> ヤンデル梅<br /><br /> 919 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 20:37:05 ID:3a0B17J/<br /> 梅<br /><br /> 920 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 21:46:08 ID:IszAmqwC<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /><br /> 921 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/12(月) 21:46:46 ID:IszAmqwC<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 埋め埋め埋め埋め埋め<br /> 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