「もう何も信じない第3話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

もう何も信じない第3話 - (2008/09/22 (月) 16:36:28) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

373 :もう何も信じない 第3話 [sage] :2008/09/22(月) 15:23:30 ID:HdjnMexj 「待っててね、歩♪もうすぐできるからね?」 そう言って、フライパンを振る美少女。 「あー、はいはい。」 ため息混じりで空返事をする俺。 結局俺はこいつにつきまとわれたまま家に帰る羽目になってしまった。 今光は昼飯を作ってくれている。 俺は断ったんだが、こいつが 「ちゃんと食べてないからそんなに痩せてるんだよ!?でも大丈夫。 これからは僕が作ってあげるよ。」 と言うもんだから、仕方なく折れた。反対しても退かなそうだしな。 そんなに痩せてはないと思うがな…むしろ若干無駄な肉が気になりつつあるくらいだ。 ちゃんと筋トレはしているが。 歩は痩せすぎだよ…どうせ一人だからって適当なものしか食べなかったに違いないね。 せっかくカッコいいんだから、健康的にならないと台無しだよ? ピアスを8つもつける暇があるなら料理ぐらいちゃんとしなさい!って言いたくなるよ。 でも、これってよく考えたらチャンス。歩に手料理を食べてもらえるなんて、 僕幸せだよ。むふふ。ぐへ。あはははは。 「変な声を出すな。ったく…」 「はっ、声に出てた!?」 「ああ。あと、料理に変なもの入れんなよ。」 「僕はそんなことしないよ! もう!」 そうとも、僕はどこぞのヤンデレ娘たちと違ってそこら辺の常識はあるつもりだよ? 料理に血を入れたりとか、髪の毛混ぜ込んだりとか、 その…(ゴニョゴニョ…)なんて入れたりしないよ!? 多分! 374 :もう何も信じない 第3話 [sage] :2008/09/22(月) 15:24:08 ID:HdjnMexj 1ヶ月がたった。光はその間ずっと昼夜と飯を作ってくれた。押し掛け女房か。 結論から言うと…光の飯はうまかった。 俺は自分以外の人が作った飯を食って安心したのは給食以来だ。 伯母さんの作る飯もうまかったが、いつ"予知"できてしまうか内心怖かった。 だから、俺は誰かが箸をつけてからそれを食べる、ということが習慣づいていたんだ。 なのに…… 「はい、できたよ歩♪」 「ああ。」 「「いただきます。」」 もぐもぐ…今日はハンバーグだった。光は料理が上手だ。 なんでこんな上手なんだと尋ねたら、 「愛する君のためにがんばったからさ。はぁと」 と言われた。相変わらず訳が分からん。俺みたいなやつのどこがいいんだか……… 「ねぇ、歩。」 「なんだ。」 「今日は僕が食べる前にそれを食べてくれたね? 」 ――言われて気付いた。そういえば、なんで俺は警戒しなかった? 俺は光の料理を食べて…食べて… 「やっと僕を信じてくれたんだね!?ああ、歩!うれしいよ!」 そこで俺の思考は止まった。 いきなり光が抱きついてきたからだ。 「ああ、歩…歩ぅ…ずっとこうしたかったんだ。君に信頼されたかったんだ。君 を、愛…してるんだ……ひっく…うあぁぁぁん……」 俺は、戸惑っていた。 俺を愛してると泣きながら訴える光に。 誰も信じない筈なのに心を許してしまった俺に。 そしてそれを認めたくない俺に対して。 いつの間にか、俺は甘えていたんだろうか。 居心地のよさに。愛の囁きに。信じてほしいという一途な想いに。…光自身に。 もういい。認めよう。こいつなら信じられる。きっと俺を見捨てないでいてくれる。 そうして俺は……… 「光。俺はまだ何も信じられない。だけど… だけど、お前だけは信じるよ。」 「あ…あゆ…む…」 光を、信じた。 ああ…歩…やっと僕を信じてくれたんだね? これでようやく始められるよ。 これから君は僕"だけ"を信じ、僕"だけ"を愛してくれるようになるんだよ? その為には君を騙すことになるかもしれない…。でも、最後はきっと僕を選んで くれるはずだよ。 信じて―――待っててね、歩?

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: