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題名の無い短編その四十一 - (2009/10/11 (日) 15:53:06) のソース

366 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/10(月) 19:36:07 ID:RYU+whzk 
ヤンデレの添い寝よりも、蚊取り線香の方がよっぽど頼もしい夏の夜 


367 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/10(月) 20:35:57 ID:cfasGFRm 
>>366 

私はヤン子。将来デレ男君の妻となるものです。 
今日も密かに天井裏に潜り込み、デレ男君の安眠を見守っています。 
デレ男君のかわいい寝顔をみていると、 
逆夜這いをかけたくなる衝動に駆られますが、今は我慢です。 
私がデレ男君の彼女になれば直に出来ることなのですから。 
それにしても、デレ男君はどうして私に告白してくれないのでしょうか。 
長い夏休みももうすぐ終わってしまうというのに。 
部活の大会、旅行、花火大会―、どれもお前だけは来るなと言われました。 
ふふ、本当は何と言いたかったのか私には分かっていますよ。 
ちゃんと尾行して密かに集合写真にも写ってますから安心して下さい。 
私としてもこの夏の思い出として十分に満足しています。 

少し回想が長くなりましたね。本題に入りましょう。 
デレ男君の部屋にエアコンはありません。 
そこで夏は網戸にして風を通しているわけです。 
実は網戸に小さな穴が空いているんです。 
デレ男君はこのことに気付いていないようですが、 
蚊刺され易い体質のため一晩に何匹もの蚊がこの穴から忍び込んでくるのです。 

貴重な彼の血液を下等動物の栄養などにするわけにはいきません。 
しかも血を吸うのは決まってメス、考えただけでも私の血が沸騰しそうです。 
そんなわけで、それを阻止するために私はここにいるのです。 
え?穴をふさいでしまえば早いのですって? 
そんなことしたら、私がここに来る口実がなくなってしまうじゃないですか! 
勿論、その案は撤回していただけますよね? 
この防衛のために闇の兵器商から高出力レーザー銃まで買ったのですから。 


368 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/10(月) 20:38:20 ID:cfasGFRm 

しかし、今日は状況が少し違いました。 
デレ男君の枕元に蚊取線香(笑)が置いてあるのです。 
500m先から一円玉を撃ち抜ける私が、あんな緑の渦をまいた物体ごときに劣るとでも? 
そう、デレ男君は私がここにいることを知らないから蚊取線香(笑)に頼ったに過ぎません。 
私がここにいればそんなものは必要ないのです。 
私達の恋路を邪魔する蚊取線香(笑)は全てレーザーで渦に沿って焼いてやりました。 

しばらくして線香の効果が切れ、一匹の蚊が進入してきました。 
即座に出力を絞ったレーザーで焼き落とします。 
これも私達の愛がなしうる業。愛の力って本当に素晴らしいですね。 
明日こそはデレ男君が私を好きと言ってくれるはず。 
そう願いながら、蒸し暑い夜が深けていこうとしています。