ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「◆ZUUeTAYj76氏」で検索した結果

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  • ◆ZUUeTAYj76氏
    ヤンデレジャンケン ヤンデレの扉 再見
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    ...dqhjO26s氏 ◆ZUUeTAYj76氏 ◆wzYAo8XQT.氏 ◆busttRe346氏 ◆AO.z.DwhC.氏 ◆OxLd.ko4ak氏 ◆AZUNJTAzwE氏 ◆iIldyn3TfQ氏 ◆UDPETPayJA氏 Hurricane Run ◆RFJtYxNEj6氏 ◆mkGolZQN7Y氏 ◆.DrVLAlxBI氏 ◆m6alMbiakc氏 ◆Tfj.6osZJM氏 たくあん議長 ◆seRwt2jbbc氏 ◆AW8HpW0FVA氏 兎里 ◆j1vYueMMw6氏 ◆YOLz5qIxQc氏 ◆C7LP2J9VzI氏 ◆uC4PiS7dQ6氏 ◆CuqFVtYUo.氏 ◆PLalu2rSa.氏 茂中 ◆0lI03N/8RU氏 ◆kpb1UHuGog氏 ◆6AvI.Mne7c氏 ◆gEED5ynBW2氏 ◆mGG62PYCNk氏 ◆3TsGyVN76Y氏 ◆5xcwYYpq...
  • ヤンデレジャンケン
    175 :ヤンデレジャンケン ◆ZUUeTAYj76 [sage] :2008/03/11(火) 01 18 23 ID yB8LhmHR 『テレビの前のよいこのみんな~!』 『テレビの前の恋する乙女たち~!』 『『ヤンデレジャンケン、はっじまっるよ~!』』 「……なにアンタ、いまだにそんなの見てんの?」 「おいおい、コレ結構おもしろんだって、見りゃ分かるよ」 『こんにちわ!ヤン助お兄さんと』 『こんにちわ!ヤン美お姉さんの』 『『ヤンデレジャンケンの時間だよ!』』 『初めて見る子のためにお兄さんが説明してあげよう!』 『ルールは簡単、  ・ノコギリは包丁に強くて  ・包丁は主人公に強くて  ・主人公はノコギリに強いぞ!  後は普通のジャンケンと一緒だ!』 『それじゃあいっくよ~!』 『『ヤンデレ...
  • 短編SS
    ...ヤンデレジャンケン ◆ZUUeTAYj76氏 ヤンデレの扉 ◆ZUUeTAYj76氏 ヒキコモリと幼馴染 ◆wzYAo8XQT.氏 触れられない優しさ はやくおおきくなあれ ◆msUmpMmFSs氏 『一生一緒だよ、私が守るもの。』 『そうだ僕も病もう』 『マジでBD3日前』 『そうだね、ヤンデレ姉だね。』 ヤンデレ妻と平凡な日常 日常 ◆AO.z.DwhC.氏 部屋とナイフと暗殺者 ヤンデレ妻と初詣 ヤンデレウィルスに感染してみた 親友の謎 箸が転んでも人類滅亡な年頃 『歪ンダ家』 ヤンデレの娘が作ってくれた朝ご飯が食べたい ◆wzYAo8XQT.氏 『ハッピーなライフ』 平和は数え役満の夢を見るか ◆wzYAo8XQT.氏 月と花束 ◆5PfWpKIZI氏 罰 花うらなわない ◆wzYAo8XQT.氏 罰2 ( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい! ◆wzYAo8XQT.氏 ヤンデ...
  • ヤンデレの扉
    409 :ヤンデレの扉 ◆ZUUeTAYj76 [sage] :2008/03/21(金) 18 32 49 ID uy+ZxvCh この病院には「暗黙の了解」があった 『404号室に入る患者とは関ってはならない』 けれど私は、その4階の端にぽつりとある個室が気になっていた まるで他の患者から隔離されているその病室 入るのは毎回女性で、大体1ヶ月周期で入れ替わる患者 なぜ気になるのか自分でよく分からない だからこそ、会いたかった、あって話をしてみたかった ――チャンスは意外と早く訪れた その日、私は夜勤だった 突然の搬送、近くで大規模な玉突き事故があったようだ スタッフは皆その対処におわれ、私もそうするハズだった 私が向かったのは404号室 ダレも居ない4階、きっとチャンスは今しかない 鍵を空け、私は404号室に入った ...
  • 再見1話
    407 :再見 ◆ZUUeTAYj76 [sage] :2008/05/18(日) 00 52 15 ID guWKPB74 川の水が押し寄せる堤防を、僕は歩いていた 1週間前から降り続く雨のせいで河川敷は水没 堤防の下2メートルまで増水していた そんな景色を眺めていると、あの時の事を思い出す 彼女と初めて出会ったあの時を 僕が中学に上がって一月たった頃 その日、僕の住んでいる町は水の中に沈んだ 東西二つある堤防の西側が決壊し川の水が流れ込んだからだ 降り続いた雨、台風、そして堤防の虚弱性 水害など過去に例がなく、まったくの想定外だったからだ 流れ込んでくる水から逃げるため、僕は家族と反対側東の堤防へ非難した 堤防へ駆け上がり気づく、弟がいない、どこかではぐれたようだ 僕は慌てて探し回った、両親は僕と逆方向を探しに行った その時...
  • 再見2話
    478 :再見2話 ◆ZUUeTAYj76 [sage] :2008/05/20(火) 20 35 15 ID 6DqGP7lX 弟が盲腸で入院した。 入院した病院が隣町の隣町にある大きな病院で、車で30分は掛かる。 そのせいでお見舞いに行くのが酷く面倒だったのを覚えている。 でもそれもすぐに面倒だとは感じなくなった。 なぜなら彼女に会えたからだ。 ある日弟の見舞いに行った時、受付でばったり出くわしたのだ。 その時は神の奇跡に感謝した、兎に角うれしかった。 彼女も僕に会いたかった、と聞いた時は死んでもいいと思えるほどに。 あの洪水のとき、彼女は祖母の家を訪ねていて被災したらしい。 そして今はその祖母が入院しており、その見舞いに訪れたと言った。 その後はお互いの見舞いもそこそこに病院のロビーや屋上でいろんな話をした。 初めて会った時とは違い、明...
  • 長編SS
    ...UwMk2氏 再見 ◆ZUUeTAYj76氏 君の涙が乾くまで~(完結) リッサ ◆v0Z8Q0837k氏 ヒマ潰しネタ ヒマ潰しネタ2―儀式観察― 変身少女 或る木こりの話 ◆busttRe346氏 妖しの呪縛 ◆AO.z.DwhC.氏 無人機はダンスを踊れるか? 野獣とアングレカム ◆OxLd.ko4ak氏 マガジンデイズ ◆AZUNJTAzwE氏 もう何も信じない(完結) ◆UDPETPayJA氏  Rouge? ◆mkGolZQN7Y氏 ワイヤード ◆.DrVLAlxBI氏 天使のような悪魔たち(一部ルート完結) ◆UDPETPayJA氏 わいやーどみにまむ ◆.DrVLAlxBI氏 『the Two in the Dark』 ◆.DrVLAlxBI氏 お隣の彩さん トライデント ◆J7GMgIOEyA氏 『ヤンデロイド・りたぁんず』 ◆.DrVLAlxBI氏 似せ者 ◆Tf...
  • ideal 第一話
    539 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/25(土) 00 05 58 ID dWlM3zuU 俺は理想的な家庭に生まれ落ちた。 優しい母親に尊敬出来る父親。何不自由なく育てられた。 しかし、五歳の頃にその理想は崩れた。 断片的な記憶だが、最近は頻繁に思い出す。 始まりは母親が出産祝いに、と伯母夫婦に送った二枚の旅行券。 伯母は生まれたばかりの娘は置いて行けないと最初は遠慮したが、 母は『何言ってんの、これから忙しくなって夫婦水入らずなんて出来なくなるんだから! 美奈ちゃんのことは私達に任せて、楽しんで来なさい!』と強く勧めたこともあって 伯母夫婦は出掛けていった。 540 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/25(土) 00 07 26 ID dWlM3zuU...
  • ideal 第二話
    551 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/25(土) 21 40 34 ID dWlM3zuU それからというもの俺の生活の大半は美奈との生活だった。 親父が調べてきてくれてわかりやすく書き直してくれた資料をもとに 俺は必死に美奈を育てた。 食事、風呂、排便、夜泣きの対処。 たかが五歳の子供が何故こんなにも育児を続けられたのか? やはり全ては親父への尊敬からだった。 親父のようにかっこいい男なりたい。その一心で俺は動いていた。 さすがに俺が小学校に入学すると昼過ぎまでは美奈の世話は出来なくなった。 そこで親父と俺は美奈を日中は家の近くの保育園に預けることにした。 552 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/25(土) 21 42 04 ID dWlM3zuU 美奈...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part14-Page1
    1 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/02/29(金) 14 09 30 ID kAnF2FVb ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。 ○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど) ○ぶつ切りでの作品投下もアリ。 ■ヤンデレとは? ・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。 →(別名:黒化、黒姫化など) ・転じて、病ん(ヤン)だ愛情表現(デレ)、またそれを行うヒロイン全般も含みます。 ■関連サイト ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫(本保管庫) http //yandere.web.fc2.com/ ヤンデレ臨時保管庫 @ ウィキ(臨時保管庫) http //www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/ ■前スレ ヤンデレの小説を書...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part15-Page3
    401 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/05/17(土) 23 11 19 ID vUiO/ib0 400 あーあれか。でもアレに寄生されるってことは、ヤンデレの素養が あるってことじゃない?殺してでもあなたを手に入れるっていうやつ。 402 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/05/17(土) 23 17 01 ID DrZgnJNF 何の話だよ… 分かったよ…買うよ… 403 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/05/17(土) 23 51 57 ID VXOWGUwZ 398 そういや今年のセンター試験の奴も(野郎の)嫉妬話だったな。ああいうのも嫌いではないが、やっぱ百年前の人とは嗜好に多少の隔たりを感じるわw 404 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/05/17(土) 23 53 ...
  • ◆UDPETPayJA氏
    もう何も信じない 奏でる旋律は哀しみの音 天使のような悪魔たち 題名の無い短編その三十二 血塗られしソードマスター
  • ヤンデレの小説を書こう!Part14-Page3
    401 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 16 39 25 ID EOKPgj40 399 世界が自己完結してるヤンデレがそれじゃないかね 自己完結してるヤンデレとしてないヤンデレってなんだよってことになるが ちなみに俺は両方好きです 402 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17 17 14 ID NagY7J3v ヤンデレは自分さえ幸せならいいって思考のことだと思うんだ 想う相手はあくまで自分が幸せになるための手段なんだよ。 403 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17 21 22 ID LpcOAw1A 402 それはヤンデレってよりメンヘラじゃね? ヤンデレはあくまで相手本位だと思うぜ? 404 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20...
  • ◆6PgigpU576氏
    同族元素:同病相憐れむ 同族元素:回帰日蝕 同族元素:長夜の闇
  • ヤンデレの小説を書こう!-Page3
    401 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 19 43 06 ID aBOh/Doz 初めて嫉妬スレから来て見たら向こうに張ったAA( 394)が転載されてたw ガチムチの荒らしももういない見たいだし、短編を書いてみようかな…   402 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/02(月) 00 18 50 ID Kpr2z8P0 wkwktktk   403 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2006/10/02(月) 22 38 13 ID N4z94EwW 鏡の前で変態言葉浴びせ合いながら 「ホモ!ホモ!」連呼「男好き好き!男大好き!男!男!男!」連呼で、 サカリ狂って涎垂らしまくった変態馬鹿顔を見せ合い、獣みたいな変態顔さらけだし合いながら 鏡の前で、変態ポーズを競うように見せ付け合い、部屋中徘徊しながら気違い...
  • 天使のような悪魔たち 第6話
    681 :天使のような悪魔たち 第6話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/11/09(日) 19 32 39 ID ZLAFCsLQ 午後8時、結意と別れた俺は夕食の買い物をするために最寄りのスーパーを訪れていた。入り口付近から順当に歩き、目当ての品々をかごに入れてゆく。 さすがに時間が遅かったから、残っていた品揃えも微妙だが…。今日のメニューは…そうだな、明日香の好きなオムライスにでもしようか。 明日香は…まだふさぎこんでるだろうか?俺とて、明日香のことが嫌いなわけじゃない。むしろ、愛している。だが結局、あくまで家族としてのそれでしかない。 俺は…どうすればよかったんだろう。あのまま明日香の気持ちに応えればよかったか?それとも、もっと冷たく突き放せばよかったのか? 馬鹿な俺にだってわかる。このまま中途半端にずるずると引っ張ることがもっとも残酷であることぐらいは...
  • 天使のような悪魔たち 第9話
    570 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/06/30(火) 20 52 07 ID pQ/f0jQf ―――まだ、間に合うと思うか…? その問いかけに、俺の最愛の女性(ひと)はこう答えた。 「大丈夫だよ。歩、君は僕の…いや、僕たちの運命を変えることができた。……運命は、ひとつきりじゃないよ。さあ、行くといい。―――きっと間に合うよ、お兄ちゃん」 「光、晶…有難う。―――行ってくる」 俺は、奴の…神坂 飛鳥の自宅付近で待ち構えていた。未来が見えたときには既に奴は学校を離れていたので、下手に探すよりこうして待っていた方が確実だと踏んだんだ。 そして案の定、奴は帰ってきた。時間は19時58分。俺は神坂に声をかけ…ようとした…のだが… 571 :天使のような悪魔たち 第9話 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/0...
  • 天使のような悪魔たち 第10話
    174 : 天使のような悪魔たち 第10話 ◆ UDPETPayJA 2010/11/12(金) 22 27 20 ID ts6FS2cAO さて、ついに俺と結意ちゃんは伏魔殿---もとい、飛鳥ちゃんの自宅前までやって来た。 インターホンを鳴らしてみる。が、反応はない。試しにドアノブを静かに捻ってみたが、鍵もしっかりかけられている。 まあ当たり前だが。 どうやら飛鳥ちゃんはまだ帰ってきていない。 「うーん…どうすっかねぇ、結意ちゃん」と、さりげなく視線をちら、っ横にやった。 「その木刀で、ドア壊してみる?」 「だめ。ドアが頑丈すぎて、木刀が耐えられないよ。」 「じゃあ、ガラス割って忍び込んでみる?」 「…いいかもね。でも、あまり音は立てたくない。」 なんとまあ、俺の予想とは打って変わって、結意ちゃんはこの期に及んで冷静だった。 てっきり飛鳥ちゃん...
  • 天使のような悪魔たち 第4話
    246 :天使のような悪魔たち 第4話 ◆UDPETPayJA :2008/10/21(火) 18 12 10 ID K43y8ILg 飛鳥が監禁(?)されている時同じくして、別のところではある少女が追われていた。 「はぁ…はぁ…」 「いたぞ!森に逃げ込むつもりだぞ!」 「ばかめ!森には対侵入者用のトラップが山ほどある。袋の鼠だ!」 少女は必死に走っていた。捕まればまた実験道具にされる。そのことへの恐怖心だけが少女の足を動かしていた。 「もう……だめ…。」 一本の木に身を委ね、へたりと座り込む。が、追っ手はすぐそこまで来ていた。 「見つけたぞ!囲め!」 「なんとしても逃がすな!なんなら足の一本や二本、折っても構わん!」 少女の恐れは最高潮に達した。そのとき、森は光……いや、夜の闇より暗い、闇色の光に包まれた。 男たちの断末魔が森にこだまする。あとに残されたの...
  • 天使のような悪魔たち 第2話
    176 :天使のような悪魔たち 第2話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/17(金) 23 21 17 ID 69OvmC0n 「はぁ…はぁ…ここなら…大丈夫だろ……ふぅ…」 あれから結意に終われること二時間。先生の「廊下を走るな」という怒鳴り声を何度聞いたことか。 それでも構わず追ってくるヤツから逃れるために俺はある場所に隠れていた。そこは… 女子禁制の聖地、男子トイレの個室。―――完璧だ!ここなら絶対来ない。あとはほとぼりが覚めるまでずっとここにいれば……そこで俺はあることに気づいた。 ほとぼりがさめるまでって……いつまで? そのとき、かつーん、と足音がした。情けないとこにびくっとしてしまった。 おおお落ち着け俺。ここは男子トイレ。結意が来るはずがない。きっと個室を求めてここまで来た男子生徒だろう。 だが、譲るわけにはいかない。残念だが、扉の向こ...
  • 天使のような悪魔たち 第11話
    180 : 天使のような悪魔たち 第11話 ◆ UDPETPayJA 2010/11/12(金) 22 42 40 ID H0fw2t4IO 結意は土足で上がり込んだようで、靴がない。まず一階からざっと目を通してみたが、姿はなかった。 すると二階か。だが、物音がまったくしない。結意が木刀を以て暴れれば、少しは物音がしてもおかしくはないのに。 …嫌な予感がする。俺は駆け足で階段を登り、二階の、明日香の部屋の扉をやや乱暴に開いた。 「なっ……結意!?」 結意はいた。ただし、木刀は手に持ってはおらず、気を失っているのか、目を見開いたまま床に倒れていた。 「おかえり、兄貴。」 「遅かったわね、飛鳥。」明日香と姉ちゃんも、部屋にいた。 「斎木くんが絡んできたせいで私の力は使えなくなっちゃったけど、 まさか明日香も力を使えるようになった、とは思って...
  • 天使のような悪魔たち 第9話 神坂 明日香
    66 :天使のような悪魔たち 第9話 神坂 明日香 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/01/12(月) 20 51 24 ID ZYnT4MCg 「迎えに来たよ、お兄ちゃん。」 声の主は身長145cm・茶髪のツインテールで、フリフリのスカートを身につけた幼女…そう、明日香だった。 お兄ちゃん、なんて呼ばれたのは小学校時代以来だ。懐かしいなぁ。 「こんな時間に一人で出歩くなんて、変なオジサンに捕まっちゃうぞ?」 俺は軽くジョークを飛ばす。こういうときの明日香のリアクションもお決まりだ。 「私だっていつまでも子供じゃないんだからね!」 「いや子供だろ、見た目は。」 すかさず的確な突っ込みを入れる。明日香は「もー!お兄ちゃんてば!!」と怒って――― ばふっ、といきなり俺に抱きついてきた。かすかに石鹸の香りが漂う。月明かりに照らされた茶髪が、とてもきれ...
  • 天使のような悪魔たち 第3話
    226 :天使のような悪魔たち 第3話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/20(月) 00 32 16 ID xRLJ+/CC 結意の家は、一言でいうととても簡素だった。どうやら独り暮らしをしているようで、あまり物がない。 部屋自体の規模もあまり大きくなく、どこにでもあるありふれたアパートの一室だった。 結意は帰宅して早速晩飯を作る準備をしている。変なものを入れないよう見張っていれは、そこは問題ないだろう。 …歩き方がぎこちない内股ぎみになっていることに対しては、つい責任を感じてしまった。 「まっててね飛鳥くん!今日は飛鳥くんの大好きな焼き魚にするから!」 「あ、ああ。」 ―――あれ?こいつにそのこと話したっけ? ……愚問か。87回も告白するようなやつが俺のことを調べててもおかしくはない。 「88回目だよ。」 「!?」 びっくりした…結意のやつ...
  • 天使のような悪魔たち 第5話
    401 :天使のような悪魔たち 第5話 ◆UDPETPayJA [sage] :2008/10/27(月) 13 20 52 ID m4u6lA7+ 翌朝、俺は拘束しっぱなしだった結意を迎えに行っていた。 明日香はまだ部屋から出てこない。俺に拒絶されたことでかなりのダメージを負っていたようだ。 …正直、とても心配だ。できるならそばについていてやりたい。だけど俺がそばにいたって傷は癒えないだろう。むしろ抉るようなものだ。 「ねぇ飛鳥くん、ごほうびは?」 「…今やるよ。」 こういうときでも結意は結意のままだ。逆に救われるよ。…事情を知らないから当然だけどな。 とりあえず、結意に"ごほうび"をあげた。といってもただのキスだけど。 「ん…飛鳥くん、もっとぉ…」 「悪いが今日はここまでだ。」 「えぇっ…そんなぁ…」 「俺の身にもなってくれよ。これ以上...
  • 天使のような悪魔たち 第7話
    151 : ◆UDPETPayJA [sage] :2008/11/21(金) 19 13 36 ID yomVWorA 「ひ…ひぃぃっ!来るな、化け物!」 今わたしの眼前にいる男は、その屈強な体躯をまるで小動物のように震わせながらそう言った。失礼な物言いね?そっちからわたしを呼んだくせに。 わたしは一歩、また一歩と男に歩み寄る。 「やめろ!こっちにくるなぁ!」 男の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃ。なんて醜いのかしら。ねぇ…知ってる? ――――――― 人間の頭のなかから、恐怖以外の感覚と記憶を奪い取ったらどうなるか。 ――――――― そう、この世の全てのもの…たとえば、今そこを通りかかった仔猫ですら世にも恐ろしいモンスターのように感じるの。 ――――――― あら…だらしないわね。失禁なんかしちゃって。そんなにがたがた震えちゃって…寒いのかしら。 でもあなたが...
  • 天使のような悪魔たち 第14話
    210   名前:  天使のような悪魔たち 第14話 ◆ UDPETPayJA   2010/12/04(土) 01 13 03   ID SKB/54JEO 冬が次第に近づき、寒さが厳しくなっていく。 就寝前に風呂に入って体を暖めてから、熱が冷めないうちに布団に潜るのが寒季の俺の日課だ。 もちろん、髪はドライヤーでしっかり乾かす。 でなければ翌朝寝癖で髪がえらい事になり、下手すれば風邪を引いてしまう。 目覚まし時計だけはしっかり三つセットする。三つも使うようになったのは、この家に俺一人だけになってからだ。 昔から俺は朝が弱い。特に冬は暖かい布団からなかなか出られずに二度寝を繰り返し、 時間ギリギリになって明日香に叩き起こされる、なんてのは日常茶飯事だった。 …迂闊。自分で言っておきながら、なんだか悲しく...
  • 天使のような悪魔たち 第17話
    6 :天使のような悪魔たち 第17話 ◆UDPETPayJA [sage] :2011/02/19(土) 10 00 43 ID 7qwq2Z1m 空はかすかに曇り、今朝から雪が降り始めていた。 路面には既に雪が積もりつつあり、土は霜が張っている。 スニーカーで踏み締める度に、しゃりしゃりという音がした。 ここは元来、寒さが他と比べて厳しい地域で、例えば都心が気温10度だったなら、ここは0度、なんて事はザラなのだ。 さすがの俺も、マフラー手袋を着用しなければ、寒くて外には出られない。 だけど結意はやはりこんな天気でも、俺を迎えに家の前まで来てくれた。 「おはよう、飛鳥くん。」 「ん、おはよ。…そのカッコ、寒くね?」 結意はいつも通り、制服上下を身にまとい、スカートの下にジャージを履くでもなく、 俺のようにマフラーを巻いているわけでもなかった。 「えへへー、私は飛...
  • 天使のような悪魔たち 第12話
    188 名前: 天使のような悪魔たち 第12話 ◆ UDPETPayJA 2010/11/18(木) 01 14 02 ID 3K65OnHYO 一週間後。 あの事件は、俺を今までとは違う世界に導いてくれやがったような気がする。 「飛鳥ちゃん、この後は…病院か?」 「ああ。…お前も来るか?」 「いや、俺は遠慮しとくよ。じゃあまた明日。」 学校に行けば、隼とは相変わらず親友をやっている。ただ、互いに事件の事を話題にすることは一度もない。 …あれだけの事があって、よくもまだ親友でいられたものだ。 もっとも、そう思っているのは良くも悪くも俺だけなのかもしれないが。 家に帰れば、俺は一人だ。明日香も姉ちゃんもいない。 飯くらいは作る事はできるし、一人を不便に感じることもなかった。 ただやっぱり、一人がどうしようもなく寂しくなる時はある...
  • 天使のような悪魔たち 第19話
    561 名前:天使のような悪魔たち 第19話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2011/02/27(日) 10 44 05.79 ID somyW2xH [2/8] 目が覚めた…と言うには語弊がある。なぜならここは、現実ではない空間からだ。 もう何度目になるだろうか。ここを訪れるのは。 確か俺は斎木によって、致命傷を受けたはず。それでもここにいるという事は、俺はまだかろうじて、生きているのだろう。 「灰谷…いるのか?」 「僕はここにいるよ。」 いつの間にか、俺の真正面に灰谷がいた。 「なあ…教えてくれ。どうしたらあいつを止められるんだ? 俺はまた何もできないのか? 結意を…守れないのか…?」 すがりつくように、俺は灰谷に尋ねた。 「1つ、方法があるよ。彼女は一度死んだ身。彼女の存在は因果率に反しているんだ。 隼の力を最大限まで発揮すれば、彼女の存在を"修正...
  • 天使のような悪魔たち 第9話 織原 結意
    421 :天使のような悪魔たち 第9話 織原 結意 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/01/29(木) 16 21 10 ID KYhmRPCi 「ふふっ…飛鳥くん、こんばんわ。」 声の主は、やはりというかなんというか……いつものストーカー少女、結意だった。 ……後ろ手に何かを隠し持ってるみたいだな、なんだろう? 暗くてよく見えない。 「顔も見たくない、って言ったの忘れたのか?」 「ううん、覚えてるよ。飛鳥くんは優しいから……」 「………は? おれが優しいから、何だってんだ。」 「そう、優しいから、仕方なく言わされたんだよね?」 ………相変わらずこいつの言動は支離滅裂つうか……全くもって意味のわからないものばっかりだ。 そういや、今まで結意とまともに会話が成立したことって、一回もなかったような気がするな……。 それにしても、こいつの適応力というか、...
  • 天使のような悪魔たち 第20話
    95 名前:天使のような悪魔たち 第20話 ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2011/04/12(火) 09 27 56 ID oGzxMSGI [2/8] 入院生活といえば、誰もが一度は甘いイベントに遭遇する事を考えるのではないだろうか。 隣のベッドに美少女が入院していたとか、看護婦さんとドキドキ体験とか、そういったものに、少なくとも俺は淡い期待をしていた。 だが、何をどう間違えたら、こんな風になるのだろうか。 今俺は、自分の病室と同階の、娯楽待合スペースのソファに座っている。 向かいには、ぱっと見で30代前半に思える、ざっくばらんな印象の男が、片膝にあぐらをかき、頬杖をついて座っている。 俺達の間には小さな机があり、その上には正方形の板が一枚、さらにその上には、白と黒の両面のチップがいくつも乗っている。 正方形の板には、さらに細かく64個の正方形を作るように線が描かれてお...
  • 題名の無い短編その三十二
    467 : ◆UDPETPayJA [sage] :2008/11/01(土) 01 08 57 ID SmTe1Fw1  路面には桜の花びらが散りばめられている。日差しは暖かく、心地よい。まさに春の始まりにふさわしい光景だ。 時刻は午後12時。入学式を終えた新入生たちはわれ先とばかりに校門でひしめき合い、徐々に外へとはけていく。 そんななか、その男 ―七瀬 翼― は1人音楽室を訪れていた。 部屋の中には一台のグランドピアノが置かれている。七瀬は椅子に腰掛け、ふたを上げて鍵盤を弾き出した。 お世辞にも広いとは言えない、ちょうど一般的な教室およそ二部屋ぶんの空間に旋律が響きわたる。―――が、1分ほどで七瀬は指を止める。 「…はぁ、やっぱり鈍ってんな、指。」 七瀬の唯一の趣味であるピアノ。しかし彼の家はけして裕福とはいえない。七瀬は中学時代、学校のピアノでひたすら欲求を解消...
  • 天使のような悪魔たち 第15話
    427 名前:天使のような悪魔たち 第15話 ◆UDPETPayJA :2010/12/29(水) 07 31 32 ID njjhPHO2 「貴女にはお礼を言わなくちゃいけないね。」 それは、午前2時の出来事。 街中のあかりの内のほとんどが消灯し、眠りに就いた景色。 その一角の、さらに人目につかないような場所で、私は"彼女"と相対していた。 「貴女は私の願いを叶えてくれた。だから、今度は私が貴女の願いを叶えてあげるわね。」 「…どうかしらね。私は魔女の娘。私の願いを叶えられるものはどこにも…」 「いやぁね。意地にならないでよ。わかるでしょ?貴女の体の再生が行われていないのが。」 「---そんな、まさか」 彼女の言うことは当たっていた。 既に私の右腕は原形を留めないほどにへし折られ、腹部には鉄片が何本も突き刺されている。 普段の私...
  • 天使のような悪魔たち 第21話
    223 :天使のような悪魔たち 第21話 ◆UDPETPayJA:2011/04/24(日) 22 08 00 ID HA9NLNwA 「うーん………ここだな。」 「じゃあ、私はここ。」 「はっ!? お前、なんつー汚ねぇ手を!」 「うふふ…私の勝ちだね。」 白一色で統一された病室には、今日も客人が訪れていた。 正確に言えばそいつは毎日来ているのだが、いつも他の連中が来る時間帯を避け、少し遅めに来るのだ。 だから今現在、白い病室にはオレンジ色の夕日が差し込み始めている。 「ったく、お前にこんな才能があるなんて思ってもみなかったぜ…。」 その見舞い客…まあ結意なんだが、結意はなぜかベッドの上に正座で、俺と向き合っている。 俺はもう3回は結意とオセロで対戦しているのだが、一回も勝てないでいる。 その強さは、あのおっさんを彷彿とさせる。 「お前こうい...
  • 天使のような悪魔たち 第13話
    203 : 天使のような悪魔たち 第13話 ◆ UDPETPayJA 2010/11/27(土) 00 51 34 ID 8HvnfPjAO 「メイド服が欲しいだぁ?何言ってやがる。」 と、語尾を荒げながら言ったのは瀬野だ。 「ちょっと神坂くん、いくらうちの兄さんが変態のバカでも、メイド服はさすがに持ってないでしょ。」 「まあ、な。いくら瀬野が変態でバカでストーカーで露出狂でも、持ってないだろうな。」 「おい、好き勝手言ってくれるなおまえら!」 露出狂とはずいぶんとかけ離れているのに、露出狂と言うのは単なるボケ、 という事を瀬野は察してくれなかったようだ。 だが俺は瀬野を無視して話を続ける。 「瀬野は持ってなくても、ファンクラブの連中なら誰かツテがあるかもしれない。 おい瀬野、ちょっと探してくれないか?」 「命令すんな!第一、...
  • 天使のような悪魔たち 第16話
    438 名前:天使のような悪魔たち 第16話 ◆UDPETPayJA :2011/01/22(土) 23 31 48 ID Lsqg9iqG およそ20分経って、隼は自転車に乗ってようやくやってきた。 廃ビルと言えば近辺にはここしか該当する箇所はないから、廃ビルを限定する必要はほぼないはずだが、 恐らく俺が要した時間よりも早い。 自転車を飛ばして来てくれたんだろう。 「待たせたな、飛鳥ちゃん………なんて有様だ。」 隼が血まみれの姉ちゃんを見て、息を飲んだのがわかった。 「大丈夫だよ、飛鳥ちゃん。俺なら亜朱架さんを治せる。」 隼は静かに、しかし自信ありげにそう言った。 「以前もあったんだよ、亜朱架さんの治癒力で治せない傷、ってのがね。 基本的に俺達は頭を銃で撃ち抜かれても死なないし、傷も治る。 だけど、"消滅した部位"の補完ま...
  • 天使のような悪魔たち 第18話
    398 名前:天使のような悪魔たち 第18話 ◆UDPETPayJA [sage] 投稿日:2011/02/26(土) 11 37 54.82 ID TKhh3aG8 [2/7] 意外と時間がないかもしれない。 というのは、以前三神から聞かされた話では、佐橋の能力は元々は自らの身の危険を数分前に感知するものだったらしいからである。 今ではその能力は範囲、時間の感覚ともに一定ではなくなっているが、近い未来ではある。 とりわけ、白陽祭は今日と明日の二日間。最速ではたった今それが起きる可能性すらあるのだ。 そこまで考えて、俺はすっかり佐橋の能力を信じきっている事に気付いた。 というよりは、俺の周りで、あまりに非現実すぎる事が起こり過ぎた。 だから、そういった特殊な事象に対して、耐性がついたのかもしれない。 俺と佐橋は並んで歩きながら新校舎の、もといた階に戻ってきた。 しかしやはり、ピアスを8個...
  • 天使のような悪魔たち 第22話
    786 :天使のような悪魔たち 第22話 ◆UDPETPayJA:2012/01/03(火) 15 35 02 ID lajJDNvQ それは、一本の電話から始まった。 俺こと斎木 隼はいつものように学校に行き、授業を受け、休み時間になれば昼食をとるために、 旧校舎の屋上へ向かう。そこは飛鳥ちゃんと昼飯を食う時、よく使っていた場所のひとつだ。 飛鳥ちゃんと結意ちゃんとの交際が本格化してからは、もっぱら俺一人で訪れることとなっていた。 だが俺は、ふと思いとどまった。 「───そういえば、昼頃には雨が降るとか言っていたな。」 朝のニュースの情報を思い出し、空を仰ぎ見てみた。 既に暗雲が広がり、今にも雨が降り出しかねなかった。俺は屋上から引き返し、階段で食事をとることにした。 ───果たして、死なない俺が飯を食う意味があるのか。だが仕方が無い。事実、腹は減るのだから。 不便なもんだ。どうせな...
  • 天使のような悪魔たち 第24話
    876 名前:天使のような悪魔たち 第24話 ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2012/09/11(火) 22 32 31 ID O8Q4sbvo [2/6] 雨に打たれながら待っていると、ようやく知らない番号からの通知が来た。 言われずともわかる。これはあいつの番号だ。俺は何の躊躇いもなく、受話ボタンを押した。 「よう、佐橋。」 『…光から話は聞いた。神坂の居場所を占って欲しい、だそうだな。』 …はて、そんな風に伝わっていたか。ニュアンスは確かに間違ってはいないが。 「まあ、そんな所だ。どうもあいつは厄介ごとを惹きつける事に関しては天才のようでねぇ… 何でもいいんだ。どんな些細な事でも。」 『…些細な事でも、か。簡単に言ってくれるな、お前も…分かっているとは思うが、俺は好きな時に好きな未来を視れる訳じゃないんだぞ。 俺は予言者じゃない。もしそうなら今まで苦労などしてこな...
  • 天使のような悪魔たち 第23話
    317 :天使のような悪魔たち 第23話 ◆UDPETPayJA:2012/04/19(木) 07 44 11 ID N5/ACr3Q 雨はさらに勢いを増していき、先程まで微かに積もっていた雪も、容赦なく溶かされ、流れていく。 そんな雨に打たれながらも、弟を探して私は街中を彷徨っていた。 …何処へ行ったのか、何の手掛かりもない。でも…あの子が何の連絡もなしに消えるはずがない。 きっと迷子になっているんでしょう。そうよ、そうに違いない。 だから私が迎えに行かなくちゃ。この雨だもの、きっと今の私みたいに、寒さで震えているに違いないわ。 私なんか、さっきから頭もぼうっとして、何度車にクラクションを鳴らされたか。 いろんな人に話しかけられたけど、この寒さじゃあ唇が動かしにくいんでしょうね。 何を言ってるのか、よくわからなかった。 何回も滑って転んで、擦りむいた膝がひりひりする。 ───あの子がそん...
  • 天使のような悪魔たち 第25話
    7 :天使のような悪魔たち 第25話 ◆UDPETPayJA:2012/10/07(日) 23 00 03 ID jwJtygsU[2/5]   激しく降り注ぐ雨の中では、折角乗ってきた自転車も役に立たない。 病院から学校に戻るとしても、交通機関を使わなければ、風邪を引くどころでは済まないかもしれない。 …無論、俺は自分の心配をしている訳ではない。…当の彼女は「心配なんてしなくていい」と言い張っているんだけどな。 病院の前には屋根付きのバス停がある。ベンチはびしょ濡れでとても座れたものではないので、立ってバスを待つ事にした。 「…次のバスまで、あと6分。大して待たなくても良さそうだねぇ。」 なんとなく、軽く結意ちゃんに会話を振ってみる。だけど、リアクションはいただく事はできなかった。 彼女はじっ、と暗い空を見ながら微動だにしない…と思ったのだが、かすかに肩が震えてい...
  • 天使のような悪魔たち 第8話
    491 : ◆UDPETPayJA [sage] :2008/12/09(火) 18 16 18 ID P3hsFZwf  飛鳥くんに拒絶されて、何がなんだかわからなくなった私はただ、子供のように泣きじゃくっていた。  視界がぼやけ、床が生き物のようにぐにゃりと歪む。立つことすらままならない。怖くて寒気がとまらない。今の私はそんな状態だった。 「…だから言っただろう。もうよせって。」  男の人の声がした。この声はたしか…斎木くんだったかな? 「私…もうだめだよ。飛鳥くんに拒まれてまで生きていたくなんかない。」  実際その通りだった。もしこの場にカッターナイフがあれば手首を縦に切り裂き、縄があれば迷わず首をくくれる。…もう絶望しきっていた。  でも、斎木くんはこう言った。 「結意ちゃんは悪くないよ。飛鳥ちゃんはきっと騙されてるんだ。」 「…だまされてる?」 「そう、騙さ...
  • 天使のような悪魔たち 第28話
    737 名前: ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2013/07/26(金) 07 29 49 ID 35uqTW2k [2/8] その場面を目の当たりにした俺は、一瞬、何が起こっているのか理解できなかった。 ベンチから落ち、床に横たわる彼女は、必死に息をつきながら苦しみに顔を歪める。 どうしてこんなにスカートが血まみれなのか、なぜ彼女はこんなに苦しそうにしているのか。あまりにも突然すぎて、思考が追いつかない。 「結意ちゃん…結意ちゃん!! しっかりしろ! 結意ちゃんっ!」 何が原因なのか。どうすればいいのか。簡単なことだ。ここは病院なんだから、医者を呼べば済む。 けれど、そんな簡単な事にすら気付かないくらい、俺の頭は混乱していた。 ただ阿呆のように名前を呼び続け、力のなく、少し冷たい手を握るくらいしかできない。 その様子に気付き、看護婦が近づいて来る。俺たちを見ると、すぐに...
  • 第壱話:御影
    血塗られしソードマスター 第壱話:御影 ◆UDPETPayJA [sage] :2009/01/17(土) 19 45 48 ID ADEi3wlQ 佐久本 朱里(しゅり)は、一言でいうと風変わりな男だ。 中性的…やや女性的な顔立ち。加えて、肩にかかるくらいの長さで、生まれつき色素が薄いのか、やや茶がかった色をしている髪の毛。 そのせいで幼少の頃から頻繁に女子と勘違いされ、高校一年になった今でもそれは変わらずにいる。 文化祭の出し物として、朱里の属する1年3組ではメイド喫茶を開いたが、そこで男子生徒のなかでただ一人女装させられてメイドとして働かされたことは有名だ。 何しろ、3組の売上高はその年では2位以下に倍以上の差をつけたのだから。 朱里は世間で言う、いわゆるモテるタイプだが、女子に告白された回数と男子に告白された回数はさほど変わらないという事実が、朱里がそこいらの女子生徒...
  • 天使のような悪魔たち 第26話
    146 名前: ◆UDPETPayJA[sage] 投稿日:2012/11/18(日) 07 16 57 ID bCG4otFg [2/7] 瀬野が穂坂の家まで案内することになり、俺たちはすぐに向かうことにした。 瀬野のバイクはそのまま、白曜の校舎の職員玄関の隣の駐車場に置いておくことにして、 俺は瀬野に自分の傘を、半分貸した。俗に言う、相合傘というやつだ。 この図柄はあまり他人に見られたくはないが…事態が事態なので仕方がない。 そのまま学校から再びバス停まで戻ると、さほど待つことなく、バスが走ってきた。 このバス停は2つの系統が走っているのだが、瀬野はそのバスを見て「こいつだ。」と言った。 …そのバスは、まさについさっき俺たちが乗ってきたバスと同じ系統だ。つまり、逆走する事になる。 結局は方角はそこだったか…と一瞬思ったが、まあいいだろう。重要参考人が確保できたんだ。このくらいの出費くら...
  • 天使のような悪魔たち 第27話
    457 名前: ◆UDPETPayJA[] 投稿日:2013/04/23(火) 19 13 27 ID Npcaivzg [2/8] ………あれから、どれくらいの時間が経っただろうか。 手足を拘束され、俺と″アイツ″しかいないこの空間で、俺は何度、身体をアイツに喰われたのだろうか。 …わからない。とにかく、もう嫌だ。 思い出せない。思い出したくもない。気持ち悪い。アイツの手が、声が、吐息が、肌が─── 何もかもが結意と違う、アイツの全てが、気持ち悪い。 振り解こうにも、俺の四肢は力を込められないでいる。 左腕に感じる、鈍い痛み。アイツはそこから、何かヘンなモノを打っていたような気がする。 部屋は薄暗く、カーテンも閉まっている。どこに何があるのか、首だけしか動かせられない状態でわかるはずもない。 コンコン、と何か音がしたと思うと、ドアが開かれたようで、僅かな光が差す。 …それもほんの一瞬の...
  • 題名の無い短編集
    題名の無い短編その一 題名の無い短編その二 題名の無い短編その三 題名の無い短編その四 題名の無い短編その五 題名の無い短編その六 題名の無い短編その七 題名の無い短編その八 リッサ ◆v0Z8Q0837k氏 題名の無い短編その九 題名の無い短編その十 題名の無い短編その十一 題名の無い短編その十二 きゃの十三 ◆DT08VUwMk2氏 題名の無い短編その十三 題名の無い短編その十四 題名の無い短編その十五 題名の無い短編その十六 題名の無い短編その十七 題名の無い短編その十八 題名の無い短編その十九 題名の無い短編その二十 題名の無い短編その二十一 題名の無い短編その二十二 題名の無い短編その二十三 題名の無い短編その二十四 題名の無い短編その二十五 題名の無い短編その二十六 題名の無い短編その二十七 題名の無い短編その二十八 題名の無い短編その二十九 題名の無い短編その三十 題名の無い...
  • ことのはぐるま 第二十三話~令嬢の誤解~
    629 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2008/01/07(月) 03 10 08 ID Dwn9Nfj7 第二十三話~令嬢の誤解~  食事を済ませたあと、俺と華はこの町が建てた図書館へと足を運んだ。  移動手段は徒歩。実はさっきまで食事をしていたファミレスと自宅、あと自宅から図書館までの距離は そう遠くはない。自転車に乗らなくても二十分少々歩けば到着する。  女性に長く歩かせるのは良くないということは経験上知っているのだが、華はどうやら例外であるらしく、 図書館に着くまで疲労を訴えたりすることはなかった。  それどころか上機嫌ですらあった。弾んだ声音で何度実家の素晴らしさを語られたことか。  実家に帰りたくない、というわけではない。だが帰りたいわけでもない。ちょうど中間ぐらいだ。  フリーターとなった今の状況では一旦実...
  • 兎里 ◆j1vYueMMw6氏
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