ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「ことのはぐるまルートA」で検索した結果

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  • ことのはぐるまルートA
    ことのはぐるま 第二十三話~令嬢の誤解~ ことのはぐるま 第二十四話~逃亡~ ことのはぐるま 第二十五話~逃亡不可能~ ことのはぐるま 第二十六話~令嬢と地下室で~
  • ことのはぐるま
    ことのはぐるま プロローグ~遠山雄志のひとり語り~ ことのはぐるま 第一話~菊川かなことの出会い~ ことのはぐるま 第二話~天野香織との日常~ ことのはぐるま 第三話~現大園華との再会~ ことのはぐるま 第四話~腐れ縁の同級生~ ことのはぐるま 第五話~親友と幼馴染~ ことのはぐるま 第六話~従妹とお嬢様~ ことのはぐるま 第七話~にらみ合いと、秘められた伝言~ ことのはぐるま 第八話~二つの告白~ ことのはぐるま 第九話~姫~ ことのはぐるま 第十話~忘れていたこと~ ことのはぐるま 第十一話~前世の否定~ ことのはぐるま 第十二話~華の告白・二度目~ ことのはぐるま 第十三話~無計画な2人~ ことのはぐるま 第十四話~雄志の告白~ ことのはぐるま 第十五話~遠くに居た知り合い、遠くへ行った恋人~ ことのはぐるま 第十六話~犯行の動機~ ことのはぐるま 第十七話~クイズ~ ことのはぐるま...
  • ことのはぐるま 第九話~姫~
    55 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/23(月) 01 50 22 ID jt1jcRSu 第九話~姫~ ・ ・ ・  俺の足元には、なにやら高そうな絨毯が敷かれている。  かなりの人数が同じ空間に集中しているというのに、コツコツ、カツカツといった靴の音さえしない。  部屋の壁には、ところどころに絵画や美術品のようなものがあった。  どれもこれも美術のセンスも感性も持ち合わせていない俺には理解できないものばかり。  ど派手に飾られた花の群れを収めるのは、これまた高そうな花瓶だった。  そして俺の周囲に居る人間達は、いずれもタキシードやら着物やらドレスやらを着込んでいる。  仕事着にも使えそうなスーツを着ている人間など俺しかいないのではなかろうか。  そう思うと、周囲の視線が自分に集まったような気がした。  もちろんそれが...
  • ことのはぐるま 第二十四話~逃亡~
    180 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2008/01/20(日) 10 22 00 ID Czr6Onq7 第二十四話~逃亡~ 「さあ、雄志様。参りましょう」  かなこさんが一歩詰めてきて、手を差し出した。  手を取ってくれ、ということか? 「どこ、に……」 「もう一度、共に私の屋敷に来てくださいませ。そこに、殺されるにふさわしい場所を用意してありますわ」  自分の家に殺される場所の用意を済ませてから、ここにやってきたのか?  死の覚悟は既に済ませているということなんだろう。でも、どうしてかなこさんは普段と変わらないんだ。  少しも恐れを見せず、堂々として、澄ました顔でいられるなんて。  かなこさんは死すら恐れないというのか?   俺を――たった今殺してくれと自ら頼んだ人間を、自分の死地へと連れて行こうとしている...
  • ことのはぐるま 第四話~腐れ縁の同級生~
    223 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/02/16(金) 22 57 11 ID 6jmPJ/Y5 第四話~腐れ縁の同級生~  天野香織に出会ったのは俺が12才のころ。  中学校に入学した日のことだった。 ・ ・ ・ ・ ・ ・    入学式の後、クラスメイトへの自己紹介を終えてHRが終了した。  その後でクラスは話し声や席を移動する音でたちまち喧騒に包まれた。ここからは クラスメイトとの友達作りが始まる。  ここで友人を作っておくことは大事なことだ。初日は大概の人間が友人を作りたいと 思っているので、話しかけられても親しく接してくれる。  つまり、一番友人を作りやすい状況だと言えるのだ。  俺も誰か友人を作ろうと思い話しかける相手を探したら、左隣にいる女生徒が最初に目に入った。  何故彼女のことが最初に気になったかと言う...
  • ことのはぐるま 第三話~現大園華との再会~
    363 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/02/06(火) 22 26 28 ID UWU+IsLa 第三話~現大園華との再会~ 『おにいさん。どうして会社をやめちゃったんですか?』  この声は誰だ?  なんだかやけにエコーがかかっているな。  『おにいさん』?俺に妹はいないぞ。  たしかに欲しかったが母親に頼んだらスルーされたからな。 『高校卒業してすぐ正社員になれたっていうのに  やめるなんて私は悲しいです』  ・・・・・・いろいろあったんだよ。  逃げた。と言われたらそれまでだが。  しかし誰だか知らない女にそんなことを言われる筋合いは無い。 『おにいさんみたいなアウトローが日本のニート・フリーターになって  ひいては少子化を招くんですよ』  知ったことか。俺一人がフリーターになったところで日本人に占める フリーター人...
  • ことのはぐるま 第二十話~異常~
    524 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/31(金) 01 33 53 ID u4NqwWR8 第二十話~異常~  とても心地のいい眠りだ。  脳が地面に沈み込んでいてびくとも動かなくて、それに倣うように体全体が言うことを聞かない。  つまり今の俺は熟睡しているのだった。  俺が気持ちのいい眠りだと思うかどうかには、判断基準がある。  まず、夢を見ているか。そして、眠っていると自覚しているか。  今は、夢を見ておらず、なおかつ眠っていると自覚している状態にある。  それこそが俺にとっての熟睡状態であるのだ。  いつの頃だったか忘れたが、眠っていて悔しい思いをしたことがある。  布団に潜り込んで目を閉じたら、次の瞬間朝だった、というものだ。  前日はとてつもなく体が疲労していたからそうなったのかもしれない。  それ以来、俺は夢...
  • ことのはぐるま 第二話~天野香織との日常~
    328 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/02/05(月) 18 05 42 ID VgLGiMfZ 第二話~天野香織との日常~  朝食を済ませてバイト先へ向かうため玄関を開けると、冬らしい冷え込んだ空気が 襲い掛かってきた。  アパートの鍵を閉めて自転車に乗って出発。  風はほとんど吹いていないが、今日ぐらい冷えていれば手袋をしていても指先が冷える。 「冬はいつもこれぐらい冷えてればいいのになぁ・・・・・・」  冬は好きだ。他の季節と違い寒さが身を引き締まらせてくれるし、 なにより生きているという実感がある。  最近の自堕落な生活ではこういった刺激がないとすぐに退屈になってしまう。  自堕落な生活の一番の敵は退屈だ。  ・・・・・・いや、人生における最大の敵が退屈なのだろう。  退屈は人間を磨耗させる。  退屈だから夫婦喧嘩を...
  • ことのはぐるま 第十七話~クイズ~
    427 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/07/23(月) 00 09 33 ID itF5uxVe 第十七話~クイズ~  菊川邸の中に潜入するのは拍子抜けするほどに簡単だった。  室田さんの運転する車で屋敷の裏について、室田さんが取り出した鍵で裏口の門を開けて敷地内へ侵入。  携帯電話のディスプレイは7時を過ぎる時間を報せていた。  空に浮かぶ月は光を地上に降り注いでいて、うっそうと生い茂る草木の作る影を強くさせていた。  手入れもされていないらしく、数年は誰も使ったことのない道だ、と室田さんが教えてくれた。  暗い獣道を2人で歩き、ようやく開けて見えた場所には物置のような建物が建っていた。  建物のドアを鍵で開け、中にはいると階段があった。そこから屋敷の中に入れるということらしい。  階段を降りきって、目の前を見るとずっと先まで続...
  • ことのはぐるま 第二十二話~選択~
    第22話~選択~ *****  朝食を食べ損なったことを思い出して立ち寄った自宅近くのファミレスは、遅めの朝食を食べる人で 若干の賑わいを見せていた。  ファミレスの賑わいのおかげで、盗み聞きされたら頭のネジの締まりを心配されるような会話を 華にできるのだから一応は感謝すべきことなのかもしれない。  俺たちの座っているテーブルには、相席している人間の姿はない。  だというのに、華は俺の左隣に座っている。  それはもちろん俺がそうしろと頼んだからではなく、華の方から隣に座ってきたからそうなったのだ。  一言二言文句は言ったが、腕を組んで一度考えてみると、テーブル越しに話すよりはくっついて 話す方が周りに会話を聞き取られないで済むなと思い直し、結局は同じソファーで食事をとることにした。  朝食のサンドイッチを食べながらここ最近で俺の身に起こったことを話した。  前...
  • ことのはぐるま 第二十一話~拒絶~
    91 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/09/20(木) 02 12 13 ID gYbbEYsn 第21話~拒絶~  無言で廊下を突き進む。  香織とかなこさん、あの2人からとにかく離れたかった。離れなければならなかった。  2人を助けず置き去りにしたことの後ろめたさと、自分が何をしでかすかわからない、その2つの理由からだ。  薄情だが、香織はあのまま放っておいても大丈夫だったろう。うつぶせながらも喋っていたし、腕も動いていた。  香織以上に心配なのは、俺が殴ってしまったかなこさんだ。  きっと、窓ガラスの破片で怪我をしているだろう。  あれだけ強く殴ったのだから、もしかしたら肋骨を骨折しているかもしれない。  心配だが、今から引き返すわけにもいかない。俺がまた同じ事を繰り返さないとは言えないからだ。  室田さんが発見してくれるのが...
  • ことのはぐるま 第八話~二つの告白~
    238 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/01(日) 03 56 26 ID HTSRzVfw 第八話~二つの告白~  中庭にある時計に目をやって、現時刻を確認する。  午後1時5分過ぎ。  ろくに弁当に手をつけていないというのに、従妹やお嬢様や変人と会話したり、 全員がその場から立ち去ったりしているうちに、正午から一時間も経過してしまっていた。  実にもったいない。  一時間もあれば、ご飯を食べ終わって、その後で軽く昼寝するぐらいの時間はとれる。  以前、会社に勤めていたころの俺にとっては至福の時間だった。  ――今は違う。  今では弁当の味を褒めたら華が顔を紅くしたり、かなこさんがなぜか箸をつきつけてきて、 それに対して華が険悪になって、十本松が変な本を渡す、という良くも悪くも味わい深い時間になっている。  そんな...
  • ことのはぐるま 第十六話~犯行の動機~
    182 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/07/08(日) 07 37 47 ID e3g7TlOW 第十六話~犯行の動機~  まぶたが重い。  上下のまぶたが糊でくっついているようにべとべとする。  服の袖で目をこすり、目やにを取り除く。  少しだけ軽くなった目を開けると、白い袖が見えた。  袖口から離れた位置には薄いブルーの横線が入っている。  腕を下ろし、目線を自分の胸元へ。  そこで飛び込んできたものもまた白だった。  俺の部屋にある掛け布団のカバーは、あまり洗っていないせいでくすんだ色をしている。  とてもじゃないが、今体の上にかけられている布団のような純白とは程遠い色だったはずだ。  違和感を覚えつつ、視線を上へ向ける。  天井が見えた。またしても白。合板の継ぎ目の色が違うせいで、そこだけが浮いていた。  首を左に...
  • ことのはぐるま 第十四話~雄志の告白~
    234 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/06/07(木) 22 53 14 ID RsTTLffE 第十四話~雄志の告白~ 「1170円になります」  コンビニ店員の声を聞いて、千円札と100円玉を2枚レジに置く。  店員はそれを素早く手にとると、慣れた手つきでレジを打つ。 「30円のお返しになります。ありがとうございました」  レジ袋を手にとって、コンビニエンスストアの自動ドアを通り抜ける。  季節はまだ2月。昼間の格好で出歩くには少々寒い。  俺が1人でコンビニへやってきた理由。それは、今日の夕食と明日の朝食を買うためだ。  夕食と朝食だけで1170円も払うほど、俺はブルジョワジーではない。  ではなぜ1170円分の食料を買い込んだのか?もう1人の非ブルジョワジー人間のためだ。  天野香織の胃袋は、世間的によく囁かれるように...
  • ことのはぐるま 第一話~菊川かなことの出会い~
    284 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/02/04(日) 15 02 02 ID InR9IB3M ~菊川かなことの出会い~ 『ぴぴぴぴっ ぴぴぴぴっ ぴぴぴぴっ ぴっ』  目覚ましを止めて時間を見ると、朝6時。  いつもバイトの日に起きる時間だ。   今日はバイトも無いのだからゆっくりしていてもいいのだ。  そんなわけでもう一度布団に潜りなおす。  ・・・・・・・・・・・・。むぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。  眠れない。寝すぎか?昨日は何時に寝たんだっけ。  えっと・・・・・・  思い出せない。何時に寝たかが分からない。  たしか昨日は家に帰ってきて、シャワーを浴びて飯を食って、 布団に入りながら本を読んで・・・・・・読んで・・・・・・どうしたんだ?  いつもならその後で歯磨きをして寝る。でも、昨日は歯磨きをした記...
  • ことのはぐるま 第十八話~事の歯車~
    552 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/02(木) 01 09 29 ID RGmejfhr 第十八話~事の歯車~  菊川邸の地下にある、第448地下室。  俺は今、そこに向かっている。ナイフと、拳銃をポケットに入れたまま。  室田さんの誘導に従って、屋敷のロビーに向かい、二階へ向かう階段の裏にあるドアを開ける。  そこに、地下へ続く階段があった。  おそらく、十本松と香織とかなこさんがこの階段を下りた先にいる。  壁に手をつき、暗い階段を下っていく。明かりはない。運の悪いことに携帯電話の充電まで切れている。  下りていくにしたがって、1階から差し込んでくる光が弱くなる。  踏み出した足がちゃんと地面についているのか疑わしい。  第448地下室と十本松は言っていたが、実際は菊川邸の中には448も地下室はなく、2つしか存在しな...
  • ことのはぐるま 第十話~忘れていたこと~
    102 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/04/28(土) 10 51 01 ID d5beOcdA ----- 第十話~忘れていたこと~ ・ ・ ・  頭がくらくらする。  たった今眠りから覚めたけれど目を開ける気にならない。  今の俺にとっては目を開けるだけでもかなりの重労働だ。  頭の中を酸性の液体で溶かされてしまったようにぼろぼろになった気分。  二日酔いと似ているが、吐き気を催さないだけまだマシではある。  ぐるぐると思考がまわっている。落ち着かない。  そもそも、何でこんな状態になっているんだ?  俺はただ華と一緒にパーティへやってきて、十本松となんの得にもなりそうにないやりとりをして、 かなこさんに自室に誘われて、それから―― 『……忘れた振りをなさっているならば……許しませぬ………』 『あぁぁぁぁぁぁぁぁ...
  • ことのはぐるま 第十一話~前世の否定~
    349 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/05/14(月) 00 10 05 ID Phq6Y94j ------- 第十一話~前世の否定~ ・ ・ ・  目隠しをされたうえベッドに長時間縛り付けられていると、無性に不安な気分にさせられる。  もしかしたら目隠しを隔てた向こう側には刃物を持った殺人鬼がいて、俺をどうやって殺そうか 考えているのかもしれない。  身じろぎをしただけで殺されるかと思うと、うかつには首を動かすこともできない。  それとも、どこか人目につかない場所にベッドごと閉じ込められているのかもしれない。  もし誰も来なかったら、この惨めな状態のまま死んでしまうだろう。  不意に、ベッドの下や天井を這うムカデやゴキブリの姿を想像してしまった。  無数の足を持った黒い虫たちがベッドの足を登って、または天井から落下して俺...
  • ことのはぐるま 第六話~従妹とお嬢様~
    386 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/03/13(火) 23 04 16 ID 4i4yRZ/G 第六話~従妹とお嬢様~  今夜、俺の部屋に女の子が二人も泊まっていくことになった。  なぜそんな状況になったかというと、  一人は、今も降り続いている雨のせいで帰れなくなってしまったから。  一人は、俺ともう一人の女の子が間違いを犯さないよう監視するために。  一人暮らしの男の部屋に女の子が泊まる。と聞けば、大概の人間は その夜に何が起こるかが予想できるであろう。  俺も男だ。もちろんそんな状況下で女性から迫られたならば、やることはやる。  とはいえどんな女でもいいわけではない。  俺の理想のタイプの女性は年上で、穏やかな性格の人だ。  だが、年上でなければ駄目というわけではない。そこは性格次第だ。  髪型などの好みは特に無...
  • ことのはぐるま 第五話~親友と幼馴染~
    152 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/03/03(土) 20 55 23 ID TLFyhqD/ 第五話~親友と幼馴染~  俺は今、ちょっとした手違いで香織を押し倒している状態にある。  ちょっとした、ただの友人同士のじゃれ合いをしているうちにこんな状態になってしまっただけだ。 決してわざとではない。  だが今の光景だけを見た幼馴染がそれを理解しているわけがない。  華には俺が女の子を部屋に連れ込んで今まさに襲い掛からんとしているようにしか見えないだろう。  しかし、それは誤解である。大きな誤解である。  決して俺は香織をどうにかしようとして押し倒しているわけではない。  香織の腕が俺の背中に回っていて、抱きしめる力が弱らないのは俺のせいではない。  「俺を抱きしめてくれないか」などと変態みたいなことを言った覚えは生まれてこの方一...
  • ことのはぐるま 第十三話~無計画な2人~
    178 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/06/05(火) 00 24 16 ID z5DhbTSq 第十三話~無計画な2人~  華に二度目の告白をされた。  それだけならいい。女性には何度告白をされても嬉しい。  俺が気になっているのは、華の告白に込められた想いの強さだ。  華に初めて告白されたとき、正直言って嬉しかった。だが、あまり真剣には受け止めていなかった。  男を美化するあまりに行われる、ごくありふれた告白と変わりないと思っていた。  しかし、昨日の華の様子を見ていると、その考えは吹き飛んだ。  俺のことを昔から思っていた、俺が他の女と付き合っていたとき悔しかった、 俺が就職して離れていったときには寂しかった。  どう考えても、幼馴染としての好意とは違うものだった。  執着心、嫉妬、怒り。  持てる感情の全てをぶつける...
  • ことのはぐるま 第二十五話~逃亡不可能~
    252 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2008/01/28(月) 21 38 58 ID xf3pEIi4 第二十五話~逃亡不可能~  腕を組んで窓の外を眺めつつ、思考を巡らせる。  横にいる華が財布を取り出して、中身を覗いていた。 「バス代、持ってないのか?」 「それぐらい持ってますよ。全部でいくらあるか確認してるだけです」  華の財布を覗き見る。ほう、千円札が二枚か。なるほど……勝った。  見えないように手を強く握りしめていると、視線を感じた。  他に乗客がいない以上、俺に視線を向けることができるのは華しかいない。 「なんだ、その目。ああ、別に哀れんでいるわけじゃないぞ。気を悪くするな」 「言っておきますけど、私はおにいさんよりお金持っているはずですよ。無駄遣いしませんから」 「持ってるって言っても、せいぜい...
  • ことのはぐるま 第十九話~復讐者が滅ぶ~
    573 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/08/06(月) 00 17 57 ID vFMbIiL1 第十九話~復讐者が滅ぶ~  柔らかい。  十本松の唇も、密着させている体も、後頭部にまわされている手も。  十本松の存在の全てが、愛しく感じられる。  わけがわからない。  さっきまで俺は十本松に敵意を抱いていた。  俺と華を気絶させて香織をさらい、かなこさんと一緒に地下室に閉じ込めた。  こんな犯罪者を俺が好きになるはずがない。  そのはずなのに、俺が今抱いている感情は一体なんだ。  十本松が欲しい。  俺の舌で、口内を貪りたい。  抱きしめて押し倒して、俺のものにしたい。  いきなりこんな愛情を抱くなんて、どういうわけだ?  催眠術か?  それとも、この部屋に立ち込める甘い匂いに媚薬作用でもあるのか?  わからない。...
  • ことのはぐるま 第二十三話~令嬢の誤解~
    629 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2008/01/07(月) 03 10 08 ID Dwn9Nfj7 第二十三話~令嬢の誤解~  食事を済ませたあと、俺と華はこの町が建てた図書館へと足を運んだ。  移動手段は徒歩。実はさっきまで食事をしていたファミレスと自宅、あと自宅から図書館までの距離は そう遠くはない。自転車に乗らなくても二十分少々歩けば到着する。  女性に長く歩かせるのは良くないということは経験上知っているのだが、華はどうやら例外であるらしく、 図書館に着くまで疲労を訴えたりすることはなかった。  それどころか上機嫌ですらあった。弾んだ声音で何度実家の素晴らしさを語られたことか。  実家に帰りたくない、というわけではない。だが帰りたいわけでもない。ちょうど中間ぐらいだ。  フリーターとなった今の状況では一旦実...
  • ことのはぐるま 第二十六話~令嬢と地下室で~
    554 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2008/03/28(金) 00 10 45 ID RF+iNqTl 第二十六話~令嬢と地下室で~ 「遠山様。どうぞ、中へお入りください」  室田さんの手によって、ドアが開いていく。  開ける前に自分の身分がそうするのにふさわしいのかと省みたくなるほど、重厚な扉だ。  今来ている場所はかなこさんの住む菊川邸。  三度目となる今回は望んでここにやってきた。俺がそうしてくれ、とかなこさんに頼んだのだ。  怪我をした華を助けるために。  バスの中で華を気絶させたのは、その後の会話を聞かせないため。  華も一緒に来たら邪魔になるから降ろして欲しい、と言って頼んだ。もし聞いたら、あいつは拒むに違いない。  それに、あのままにしておいたら、またかなこさんへ挑みにいっていただろう。 ...
  • ことのはぐるま 第十二話~華の告白・二度目~
    442 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/05/20(日) 12 18 26 ID Fj6FOqqI ----- 第十二話~華の告白・二度目~  爆発は室内で起こったようではなかったが、部屋に近い場所で起こっていた。  なぜそうわかったのかというと、音波が心臓を余分に収縮させるほどのものだったからだ。  目を開けて立ち上がり周囲の状況を確認する。  部屋の中は薄い煙が立ち込めていて、部屋の入り口のドアの片方がかろうじて立っていて、 片方はどこかに消えていた。  まさか、ドアのすぐ向こうで爆発が起こったのか?だとしたら、華とかなこさんは? 「華! かなこさん!」  床に座ったまま大声でよびかける。すると、 「……おにい、さん……?」  俺を呼ぶ、華のか細い声が聞こえた。  華は右の壁に背中を預けるようにして床に座っていた...
  • ことのはぐるま プロローグ~遠山雄志のひとり語り~
    283 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/02/04(日) 15 01 09 ID InR9IB3M ~遠山雄志のひとり語り~  一人称を僕から俺に変えたのはいつだったかはっきり覚えていないが、 俺の性格が大きく変わったのは二年前だった。  別にトラウマになるような事件が起こったわけではない。ただ俺が勝手に ひねくれただけのことだ。  学生のころはもっと単純な人間だった。  人間は話せばわかってくれる、悪いことばかり考えている人間はいないと思っていた。  しかし就職してからはすぐに現実と言うものを見せつけられた。  人の話を聞かない人間がいるということ。  人は自分さえ良ければ他はどうでもいいと思っているということ。  自分より上の世代のだらしなさやマナーの悪さ。  自分より下の世代の自分勝手さと良識の欠如。    自分にも...
  • ことのはぐるま 第七話~にらみ合いと、秘められた伝言~
    89 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/03/27(火) 20 03 32 ID ZX4xyh8k 第七話~にらみ合いと、秘められた伝言~  従妹が通っている大学の先輩が、以前に一度だけ会ったことのある女性だった。  今日俺が大学に来ているのは華に無理やり連れてこられたからなのだが、 そこで菊川かなこさんに会うとは予測も予想もしていなかった。  しかも、かなこさんと華は先輩・後輩の仲らしい。  こんな偶然が起こる確率はどれほどのものだろう。  数値化することはできるのだろうか。  できるのならば、導き出すための数式を誰かにご教授願いたい。  俺は、完全な予測を立てるのは不可能だ、と考えている。  天気予報の降水確率などは信じられないものの代表格だし、 いくら綿密にNASAが計算したところでシャトル打ち上げの成功を保証することなどで...
  • ことのはぐるま 第十五話~遠くに居た知り合い、遠くへ行った恋人~
    509 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/06/23(土) 14 27 34 ID PZFnWyFu ******* 第十五話~遠くに居た知り合い、遠くへ行った恋人~  階段を上がり、上りきったところで自分の部屋の扉を見る。  特に変わった様子は見られない。玄関前に荷物が届いていたり、動物の死骸が置かれたりはしていない。  ただ、俺の方をじっと見ながら無表情で立ち尽くす華がいるだけだ。  ぱっと見では怒っているように見えない。しかしここで安心してはいけないことを俺は知っている。  階段を上るとき以上の重い足取りで歩き、華の前に立つ。 「おにいさんおかえりなさい。――これはさっき言いましたね。  どこに行っていたんですか? 私に一言も告げずに外泊してくるなんて。  私がどれだけ心配していたかわかりますか? わかるわけないですよね。...
  • いない君といる誰か ルートA
    いない君といる誰か 第十話ルートA いない君といる誰か 第十一話ルートA いない君といる誰か 第十二話ルートA いない君といる誰か 第十三話ルートA いない君といる誰か 幕間ルートA いない君といる誰か 第十四話ルートA いない君といる誰か 第十五話ルートA いない君といる誰か 第十六話ルートA いない君といる誰か 第十七話ルートA いない君といる誰か 第十八話ルートA いない君といる誰か 第十九話ルートA いない君といる誰か 第二十話ルートA いない君といる誰か 第二十一話ルートA ルート1 ルート2 ルート3
  • ◆Z.OmhTbrSo氏
    あなたと握手を ひどいよ!おおこうちさん 姉弟(おやこ)の絆 ことのはぐるま レッド・グリーン・ブラッド シアン・マゼンダ・イエロー・ストーカー 越えられない壁 ヤンデレ喫茶は実在するのか? ヤンデレ喫茶の事務所にて ヤンデレ喫茶の、ある一日 ヤンデレ喫茶の床に、血が落ちる 素敵な顔が見たいから 独人達のクリスマス・イブ 独人達のバレンタイン・デイ
  • いない君といる誰かルートA-2
    いない君といる誰か 第二十二話ルートA-2 いない君といる誰か 第二十三話ルートA-2 いない君といる誰か 第二十四話ルートA-2 いない君といる誰か 第二十五話ルートA-2 いない君といる誰か 第二十六話ルートA-2 END1 END2
  • いない君といる誰かルートA-2END1
    いない君といる誰か 第二十七話ルートA-2END1
  • ヤンデレの小説を書こう!Part8-Page4
    551 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01 07 36 ID RGmejfhr 第18話、投下します。 552 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/08/02(木) 01 09 29 ID RGmejfhr 第十八話~事の歯車~ 菊川邸の地下にある、第448地下室。 俺は今、そこに向かっている。ナイフと、拳銃をポケットに入れたまま。 室田さんの誘導に従って、屋敷のロビーに向かい、二階へ向かう階段の裏にあるドアを開ける。 そこに、地下へ続く階段があった。 おそらく、十本松と香織とかなこさんがこの階段を下りた先にいる。 壁に手をつき、暗い階段を下っていく。明かりはない。運の悪いことに携帯電話の充電まで切れている。 下りていくにしたがって、1階から差し込んでくる光が弱くなる。 踏み出した足...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part2-Page2
    201 名前:いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] 投稿日:2007/02/02(金) 02 14 14 ID 7Ww8SaUH 「昼間の道ってほんと人いないな……」 辺りを見回しても、誰の人影もない。登校の時間でも、下校の時間でもない。 太陽が真上にある――即ち、真昼だ。普通の人間なら、食事をしている時間。 勿論学生がその範疇から外れるはずもない。今頃、普通の生徒ならば学校で食事をとってい るはずだ。高校の同級生たちは弁当を。神無士乃たち中学生は、給食を。 食べていないのは、普通ではない学生だけだ。 たとえば――学校をサボって、昼から帰るような。 「なんか堕落した気分だ……」 二限目から授業をサボっただけではなく、その後も全部サボるとは、堕落したと言われても 否定しようがない。 実際、保険の神薙先生には『貴方は堕落しました』とはっきりと言われてしまった。それも これも...
  • いない君といる誰か 第二十話ルートA
    156 :いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] :2007/07/08(日) 01 49 28 ID 7Iqx920E ■いない君といる誰か資格 『・ハンプティとダンプティ  たまごは決して大きくなりませんでした。  周りの木々が大きくなっていく中で、卵だけはずっとそのままでした。  なぜってその卵は、生まれてしまったことをずっと後悔していて  塀の上から飛び降りることもできずに、ずっとそこに座っていたのでした。  その卵には、目も鼻も口もついていたけれど、  笑うことも泣くことも怒ることもありませんでした。  ちょっとだけ皹がはいった顔で、ただそこに座っているだけでした。  卵の顔には、白い文字でこう書かれていました。  ハンプティ・ダンプティ。  四千人の兵隊でも元には戻せない卵は、  けれど臆病すぎて、塀から飛び降りることを拒んで...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part6-Page1
    1 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/15(日) 11 57 43 ID udCC2KtL ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。 ○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど) ○ぶつ切りでの作品投下もアリ。 ■ヤンデレとは? ・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。 →(別名:黒化、黒姫化など) ・ヒロインは、ライバルがいてもいなくても主人公を思っていくうちに少しずつだが確実に病んでいく。 ・トラウマ・精神の不安定さから覚醒することもある。 ■関連サイト ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 http //yandere.web.fc2.com/ ■前スレ ヤンデレの小説を書こう!Part5 http //sakura03.bbspin...
  • 長編SS
    終わらないお茶会(完結) ◆msUmpMmFSs氏 題名の無い長編集 カーニバルの夜に ◆msUmpMmFSs氏 ヤンバル ideal ◆zvQNG0FZvQ氏 いない君といる誰か(一部ルート完結) ◆msUmpMmFSs氏 あなたと握手を(完結) ◆Z.OmhTbrSo氏 ひどいよ!おおこうちさん(完結) ◆Z.OmhTbrSo氏 『首吊りラプソディア』(完結) □ボ ◆JypZpjo0ig氏 渋沢夏恋の話 ミツバ氏 ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo氏 真夜中のよづり 赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg氏 恋人作り ◆5PfWpKIZI氏 慎太郎の受難(一部ルート完結) 慎 ◆tXhMrjO4ms氏 類友 シアン・マゼンダ・イエロー・ストーカー(完結) ◆Z.OmhTbrSo氏 上書き(一部ルート完結) ◆2.775XTAfE氏 終わったあとのお茶会 ◆msUmpMmFSs氏 越えら...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part14-Page3
    401 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 16 39 25 ID EOKPgj40 399 世界が自己完結してるヤンデレがそれじゃないかね 自己完結してるヤンデレとしてないヤンデレってなんだよってことになるが ちなみに俺は両方好きです 402 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17 17 14 ID NagY7J3v ヤンデレは自分さえ幸せならいいって思考のことだと思うんだ 想う相手はあくまで自分が幸せになるための手段なんだよ。 403 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17 21 22 ID LpcOAw1A 402 それはヤンデレってよりメンヘラじゃね? ヤンデレはあくまで相手本位だと思うぜ? 404 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20...
  • 和菓子と洋菓子
    和菓子と洋菓子 第一話 和菓子と洋菓子 第二話 和菓子と洋菓子 第三話 和菓子と洋菓子 第四話 和菓子と洋菓子 第五話 和菓子と洋菓子 第六話 和菓子と洋菓子 第七話 和菓子と洋菓子 第八話 和菓子と洋菓子 第九話 和菓子と洋菓子 第十話 和菓子と洋菓子 第十一話 和菓子と洋菓子 第十二話 和菓子と洋菓子 第十三話 和菓子と洋菓子 第十四話 和菓子と洋菓子 第十五話ルートA 和菓子と洋菓子 第十六話ルートA 和菓子と洋菓子 第十七話ルートA
  • いない君といる誰か 第十五話ルートA
    110 :いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] :2007/02/15(木) 02 47 57 ID ZcwGpxUe  蛆虫が湧いてくる。  ぞわりぞわりと、肌を這うようにして蛆虫が生まれてくる。手錠で欝血した手首を食い破っ て、化膿にした肉を食料にして、ぞわり、ぞわりと、蛆虫がわいて出てくる。皮膚を一枚また 一枚と食い破られる感触。繊維をちぎりながら肉の中を這う感覚。  幻覚だ。  幻痛だ。 そんなものが生まれるはずがない。まだ一日しか経っていない。この暗闇の地下室に閉じ込め られてから、一日と経っていないはずだ。その期間で蛆虫が生まれるような怪我はしていない し、欝血する手錠もきつくない。光一つない地下室の中にいるせいで、想像力が暴走している だけだ。  そう、わかっている。  わかっているのに――否定できない。  繋がれている腕が見...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part16-Page4
    901 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 07 20 15 ID HxADrcs+ ネクタイはゆずれんな 902 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 07 22 37 ID 5QAoK2yw おや?俺のワキ毛の様子が…? 903 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:2008/07/13(日) 07 23 57 ID tzLVULuf 俺陰毛そってくるわ 904 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 09 03 24 ID DohLAKDt ムダとはなんだ、ムダとは・・・ わが頭髪に一本の無駄なし!! 905 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/07/13(日) 11 40 34 ID bOmMAH81 ヤンデレに嫌われるために一人剃毛プレイを見せ...
  • 和菓子と洋菓子 第十六話ルートA
    30 :和菓子と洋菓子 [sage] :2007/09/18(火) 00 45 39 ID f93AyQ5E 自転車のペダルに力を入れて、足に残る鈍痛を少し気にかけかばうように、ごく見慣れた道を行く。 住宅地を抜け、公園の傍を通るあたりになると、すぐに汗が体から吹き出てきた。 照りつける日光の破壊力はすさまじいものがある。 さらに、蒸した温風が頬をかする。 その風に混じって草木の青臭い匂いが鼻をつく。 夏の熱気でより青臭さが増しているので、気に留めないではいられない。 そして、暑いとそう思えば思うほどに、発汗量は右肩上がりにまし、皮膚を伝い蒸れている。 気持ちが悪いこと、この上なく不快指数は大絶賛で五桁を優に突破した感がある。 「今日は本当に天気になったなあ。」 しかし、口をつついて出てきた第一声は暑いではなく、雨雲を淘汰し、澄明に晴れ上がった蒼天への賛辞の言葉だっ...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part7-Page2
    151 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/04(月) 02 21 36 ID L4JgZ4j9 GJ!!!キモウトいいよキモウト。 しかし六人の彼女はすごいなーwww 実は全員ヤンデレだったりしてwwwww 152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/04(月) 02 36 37 ID ivzt5M90 アルティメットヤンデリズムにGJ! 153 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/04(月) 06 59 14 ID 0L+Bf/fc 151 いやぁ、ろくに争いもなく穏健に関係を続けてるんだからそれとは真逆だろw 154 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/06/04(月) 09 34 43 ID GMqhbfxN 全員が全員ご主人様の望む事を何より優先するタイプの性格ならありえ...
  • 和菓子と洋菓子 第十七話ルートA
    255 :和菓子と洋菓子 [sage] :2007/10/05(金) 01 52 33 ID Fe03hxK+ いつからでしょう。 父が母に愚痴を度々こぼすようになったのは―。 父が知らない女の人に怒鳴られているのを見たのは―。 父のやつれた表情を見るようになったのは―。 誕生日、決まって連れて行ってくれたレストランへも行かなくなったのは―。 幼心に偉大なものとして、絶対視していた父の背中を見ることができなくなったのは―。 何もかも取り戻せなくなってしまったのは―。 それ以来、私には父の記憶は一切無い。 父の記憶というと幼い頃の数年しかない。 父は母と娘である私が居ながらも、私たちと同居していなかった。 ただ、私たちの家を訪れるときには決まって、父はケーキを買ってくるのだった。 そのケーキの甘さが妙に鮮烈に残っている。 当時は、父が母と同居するものだという感覚は...
  • いない君といる誰か 第十四話ルートA
    477 :いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] :2007/02/09(金) 02 00 24 ID 76e5wCUJ  目が醒めたら地下室にいた。 「…………」  それが本当に地下室なのかどうか、いまいち判然としない。周りを打ちっぱなしのコンクリ ートに無理矢理木の板を拵えたような、大雑把な壁に囲まれて、窓も扉もないからそう判断し ただけだ。正面、部屋の奥には上へと繋がるハシゴがある。あのハシゴをあがったら屋上だっ た――なんてことになれば、そこそこ面白そうなのだが。  部屋は狭い。六畳一間、あるかないかといったところだろう。それだけなら狭いというほど でもないが、部屋の両脇に詰まれた木箱が部屋を圧迫していた。低い天井には電球一つしかな くて、余計に圧迫感が増していた。電球から伸びたむき出しのコードは、部屋の端へと繋がっ ている。部屋にあるのは、奇...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part6-Page3
    351 名前:ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] 投稿日:2007/05/14(月) 00 12 28 ID Phq6Y94j ガチャリ、と音がして誰かが部屋に入ってくる気配がした。 足音はしなかった。聞こえてきたのは、トン トン トン、という空気を伝わる軽い音だった。 その音が自分の方に近づいてきて、みぞおちの辺りにもどかしい不安を感じとったところで音は止まった。 続いて左側にベッドが軽く傾くと、陶器のカップにスプーンを入れたときの音がした。 チィン、とも、チン、とも表せる小さな音。 その音の正体が物騒なものでないことを祈っていると、視覚を覆っていた目隠しの布が外されて 閉じたまぶたの向こうに光の気配を感じられた。 数秒かけて目を光に慣れさせてから開くと、なんとなく予想していた通りにかなこさんが目の前にいた。 ベッドの左縁に腰掛けて俺の顔を緩やかな笑みで見つめている。 ...
  • いない君といる誰か 第十三話ルートA
    249 :いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] :2007/02/03(土) 22 34 54 ID vpHTOitt  時計を持っていないので時間が分からない。太陽の位置ならともかく、月の位置から時間を 特定する方法は忘れてしまった。まだ月は真上には浮かんでいない――それでも太陽が完全に 消えてしまっているので、もう完全に夜だということは分かる。  夏の夜空には星がよく見える。星座の形なんて小学校にならったきりで忘れてしまった。北 極星が見えるのは夏だったか冬だったか。そんなことももう憶えていない。  思考が錯綜しているのが、自分でも分かっていた。  姉さんの次に付き合いが長い少女。神無士乃が、ここまで逸しているとは思っていなかった。 普通の人間なら、とっくに帰ってきているはずだ。  いや。   いや――違う。  そもそも、前提が違う。  今ま...
  • いない君といる誰か 幕間ルートA
    439 :いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] :2007/02/09(金) 00 15 49 ID 76e5wCUJ  10歳の僕は、疑問に思った。  どうして姉さんは学校に行かないのだろう、と。  中学生だった姉さんは、けれど中学生には見えなかった。買ってもらった制服はクローゼッ トの中で眠り続けていたし、体操服はゴミ箱に捨てられたいたのを見た記憶がある。学校にも、 部活にも、姉さんはいかなかった。保健室登校ですらしなかった。  何かを怖がるかのように、学校へは行かなかった。  何もかもを怖がるように――部屋から出ることすらなかった。  そして姉さんは、弱すぎた姉さんは、一人で部屋の中にいるのも怖かったのだろう。大きな 人間である父や母すらも怖かったのだろう。一人ぼっちで部屋にいることに耐えられなくて― ―僕を部屋の中へと呼んだ。  自分より...
  • いない君といる誰か 第二十二話ルートA-2
    239 :いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] :2007/07/11(水) 20 44 51 ID giYDbz6s  ……どうしてだろう?  どうしてだろうと、僕は考える。おかしい。冷静に考えてみればわかるはずじゃないか。 そんなことをする理由は、ひとつだってないはずだ。  なかった、はずだ。  ……どうしてだろう?  僕は自問する。そして、自答を求める。頭の中に浮かんだのは、非論理的としか言いようの ない思考だった。姉さんを愛していた。姉さんは死んでしまった。姉さんは殺された。姉さん の死の真相を知り、姉さんの仇を討つ。  姉さんのために。  そのためだけに――生きているつもりだった。狂気倶楽部とかかわったのだって、姉さんの 死に関する真実を知るため、それだけだった。  それだけだったはずなのに。 「…………」  目を閉じる。頭に浮かぶ...
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