ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「すりこみ」で検索した結果

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  • すりこみ
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  • すりこみ第七話
    324 :すりこみ [sage] :2007/06/11(月) 02 04 09 ID KB9hD5g0 「あ、いらっしゃい♪」 いつもの時間にドアが開くいつもの光景、いつもの挨拶。 静かな店内に流れる音の中、フクダさんの姿が見える。 背広を預かりハンガーに吊るしている間に、フクダさんはいつものカウンター席に腰をかけていた。 「いつものでいいですか?」 「はい、いつもので…」 手早く氷とボトルを用意し、グラスに氷を割り入れウイスキーを注ぐ。 とくとく…とく… コースターの上にグラスを静かに置くとフクダさんと眼が合った。 「今日はお一人なんですね。」 「ええ、今日は……」 チーズを切りながら言葉を交わす。 そういえば、ゆっくりフクダさんとお話しするのは久しぶりかもしれない。 ふと、そんなことを思った。 325 :すりこみ [sage] :2007/06/1...
  • すりこみ第五話
    211 :すりこみ [sage] :2007/06/06(水) 10 23 22 ID CEzbNnHt 「ねぇ、春樹君。君の家に遊びにいってもいいかい?」 「…それはなんの冗談だ?」 「冗談?僕が君に冗談を言ったことがあるかい?」 「…いや…覚えがないな。」 気がつけば小泉八雲…いや、小泉八雲の姿をした香住が俺の家の前に立っていた。 「だろ?まぁ、この姿で居るのには訳があるんだけど…君にならわかるだろ?」 「…ああ」 「それじゃぁお邪魔するよ。あはは…なんだかドキドキするなぁ」 まるで本物の八雲がそこに居るように思えるほど、香住の立ち居振る舞いは八雲のそれとまったく同じだった。 「夏海ちゃんは今頃、駅前のスーパーで買い物だね。帰宅はおそらく5時半頃かな…」 香住は壁掛けの時計を見ながら独り言のように呟いた。時刻は4時8分を指していた。 「君の部屋に行くのがいいのか...
  • すりこみ第一話
    105 :すりこみ [sage] :2007/06/03(日) 14 12 58 ID SM4FyFt7 手の中でそれはゆっくりと潰れていく。 ぐちゅり…ぐちゅり… 奇妙な音を立てながらそれはもがいていた。 手の中から逃げたいのだと。 死にたくないのだと。 まだ死にたくないのだと訴えるように。 しかし運命は変わらない。 ぎゅっ… 指先に力を更に込める。 ぷち…ぷちゅ…ぷち…ぷちゅ………。 行き場を失った体液が内側から溢れ出す。 それはまだもがいていた。 助けて欲しいと懇願するかのように。 何故死ななければならないのだと嘆くように。 やがて、それの時間はゆっくりと止まっていく。 ゆっくりと…ゆっくりと… まるで電池の切れかけた時計のように。 やがて完全にそれが動きを止めた時、手のひらは 汚らしい害虫の体液で汚れていた。 「どうして…どうして……嘘…だ...
  • すりこみ第四話
    174 :すりこみ [sage] :2007/06/05(火) 00 01 12 ID APrSEPmV ぶんっ…!と凶器を振り下ろすと、それは西瓜のように紅い中身を曝け出した。 ぶん…ぐちゅり…ぶん…ぐちゅり… 奇妙な音を立てながらそれは潰れていく。 潰れながらもその指先はまだ動く。 ぴくり…ぴくり… ぎゅっ… 指先に力を更に込める。 ぐちゅり…ぐちゅり… 行き場を失った体液が内側から溢れ出す。 それはまだ微かに動いていた。 助けて欲しいと懇願するかのように。 何故死ななければならないのだと嘆くように。 しかし、同時にそれは喜んでいた。 まるで、それを待ち望んでいたかのように… まるで、それを待ちわびていたように… やがて、それの時間はゆっくりと止まっていく。 ゆっくりと…ゆっくりと… まるで電池の切れかけた時計のように。 やがてそれは完全に動きを...
  • すりこみ第二話
    139 :すりこみ [sage] :2007/06/04(月) 01 42 39 ID APrSEPmV 「お兄ちゃぁぁん…はぁ、はぁ…待ってよぉ」 人の姿もまばらで、時折ジョギングをしている老人ぐらいしか見かけない早朝の静かな通学路。日差しは柔らかくあたりは涼しげな空気に包まれていた。  その静寂を打ち破るかのような幼い声と駆けてくる足跡。 そんな声はまるで聞こえないかのように爽やかな景色の中を変わらぬペースで歩いていた。 「お兄ちゃん…歩くの早すぎるよぉ…はぁ、はぁ…もっとゆっくり…歩いてよぉ」 漸く追いついた妹の藤岡夏海はまるでマラソンを終えた後のように額から汗を流しながら、俺の顔を見上げるとにっこりと笑いやがるのだった。 「わざわざ走ってくる必要ないだろ。お前は別に急ぐ理由とかないだろ」 「はぁ、はぁ…だって…だって…」 こいつは昔からこうだ。親父が5年前にいな...
  • すりこみ第六話
    290 :すりこみ [sage] :2007/06/10(日) 08 46 49 ID eTE5kQkN 私は何の為に生きているのだろう… ふと、自分自身のことであるのに他人事のように思えるときがある。 生きる目的…人は何の為に生きて、そして何を成して死ぬのだろうか… 私はその目的を遂げる為には手段を選ばなかった。ううん…それしか選べなかった… でも手段を選ばなかった結果…大切な目的が遠くに感じるようになったら… やはり、その手段は間違っていたのだろうか? だけど、あの時選んだ選択肢の他に私に選べる道があった? 人生にもしも…はないってことを知ってる。だから私は自分の選択に後悔なんて無い。 後悔なんて微塵も無いはず… でも、じゃぁどうして私はそんなことを考えてしまうんだろう… 「生中お代わりお願いね~♪」 空になったジョッキを振り回し、姿の見えない店員に向かって叫...
  • すりこみ第三話
    156 :すりこみ [sage] :2007/06/04(月) 16 48 19 ID APrSEPmV 目が覚めると俺は自分の部屋の天井を見つめていた。 「…あれは…夢…だったのか…」 枕を触れば寝汗でぐっしょりと濡れていた。 服はいつの間にかパジャマに着替えられており、 制服はいつものようにきちんとハンガーに綺麗な状態で掛けられていた。 「あれ…俺は…昨日……菊池が…ぅっ!!?」 頭がずきりと痛む。喉がかすれている。関節が痛い。 ずきん…ずきん…ずきん… この感覚に覚えがある。 記憶の欠落。 あの後俺はどうした…?思い出せ…思い出せ…思い出せ…!! 親父の書庫で本を片付けながら、つい読みふけってしまった俺。 汚れた台所には誰も居らず、焦燥感に駆られた俺。 予想通りの場所に佇む夏海。 そして壊れた人形… そうだ…なにがおかしいことがあるんだ?壊れた人形はゴ...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part7-Page2
    ...ど。 155 名前:すりこみ[sage] 投稿日:2007/06/04(月) 16 45 44 ID APrSEPmV 投下します 156 名前:すりこみ[sage] 投稿日:2007/06/04(月) 16 48 19 ID APrSEPmV 目が覚めると俺は自分の部屋の天井を見つめていた。 「…あれは…夢…だったのか…」 枕を触れば寝汗でぐっしょりと濡れていた。 服はいつの間にかパジャマに着替えられており、 制服はいつものようにきちんとハンガーに綺麗な状態で掛けられていた。 「あれ…俺は…昨日……菊池が…ぅっ!!?」 頭がずきりと痛む。喉がかすれている。関節が痛い。 ずきん…ずきん…ずきん… この感覚に覚えがある。 記憶の欠落。 あの後俺はどうした…?思い出せ…思い出せ…思い出せ…!! 親父の書庫で本を片付けながら、つい読みふけってしまった俺。 汚れた台所には誰も居らず、焦燥感に...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part7-Page1
    ...す。 104 名前:すりこみ[sage] 投稿日:2007/06/03(日) 14 11 45 ID SM4FyFt7 投下します。 105 名前:すりこみ[sage] 投稿日:2007/06/03(日) 14 12 58 ID SM4FyFt7 手の中でそれはゆっくりと潰れていく。 ぐちゅり…ぐちゅり… 奇妙な音を立てながらそれはもがいていた。 手の中から逃げたいのだと。 死にたくないのだと。 まだ死にたくないのだと訴えるように。 しかし運命は変わらない。 ぎゅっ… 指先に力を更に込める。 ぷち…ぷちゅ…ぷち…ぷちゅ………。 行き場を失った体液が内側から溢れ出す。 それはまだもがいていた。 助けて欲しいと懇願するかのように。 何故死ななければならないのだと嘆くように。 やがて、それの時間はゆっくりと止まっていく。 ゆっくりと…ゆっくりと… まるで電池の切れかけた時計のように。 やが...
  • 長編SS
    ...E2HRhLms氏 すりこみ(完結) 実験的作品 試験作品 一週間(完結) 赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg氏 キ道戦士ヤンダム(完結) リッサ ◆v0Z8Q0837k氏 Versprechung 慎 ◆tXhMrjO4ms氏 言葉と・・・・ 異喰物語 ◆cgdFR4AMpg氏 羊と悪魔(完結) ヤンデレ家族と傍観者の兄(完結) ◆KaE2HRhLms氏 ヤンデレは誰だ 毒蛇 ◆i8W/K/qE6s氏 (仮称)まなみ ◆ph4kVdXQrE氏 『ヤンドジ』 きゃの十三 ◆DT08VUwMk2氏 溶けない雪 ◆g8PxigjYm6氏 大好きにはなれないね(仮題) 赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg氏 『ドラゴン一人乗り。』 □ボ ◆JypZpjo0ig氏 ×ヤンデレ ○ヤンドジ 料理上手な彼女(完結) リッサ ◆v0Z8Q0837k氏 【お見舞い】 きゃの十三 ◆DT08VUwMk2氏 ...
  • ことのはぐるま 第二十二話~選択~
    ...操るというか、暗示やすりこみみたいなものだと考えられます。  おにいさんがあの二人を前にしたら、強制的に殺害行動をとらせる。それが暗示の内容です」 「俺は……暗示にかけられたことなんかないぞ」  最近は言わずもがな、ずっと昔からそんな記憶はない。 「暗示をかけたこと自体を忘れさせたか、それ以外の何かか。  どちらにせよ同じこと。おにいさんがそういった『何か』に操られているのは事実です」 「それは――」 「決めつけじゃありませんよ。おにいさん。このファミレスですれ違った人を殴りたいと一度でも考えましたか?」  ――ない。  ここから店内にいる客、店員、外を歩いている人たち、誰を見ても感情が揺らがないし体も動かない。華に対しても同じ。  やっぱり、俺があの反応をとるのは香織とかなこさんだけだ。 120 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :...
  • いない君といる誰か 幕間ルートA
    439 :いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] :2007/02/09(金) 00 15 49 ID 76e5wCUJ  10歳の僕は、疑問に思った。  どうして姉さんは学校に行かないのだろう、と。  中学生だった姉さんは、けれど中学生には見えなかった。買ってもらった制服はクローゼッ トの中で眠り続けていたし、体操服はゴミ箱に捨てられたいたのを見た記憶がある。学校にも、 部活にも、姉さんはいかなかった。保健室登校ですらしなかった。  何かを怖がるかのように、学校へは行かなかった。  何もかもを怖がるように――部屋から出ることすらなかった。  そして姉さんは、弱すぎた姉さんは、一人で部屋の中にいるのも怖かったのだろう。大きな 人間である父や母すらも怖かったのだろう。一人ぼっちで部屋にいることに耐えられなくて― ―僕を部屋の中へと呼んだ。  自分より...
  • おにいたん、だいすき! (5)~(8)
    357 :おにいたん、だいすき!(5) ◆dkVeUrgrhA [sage] :2007/02/19(月) 15 08 48 ID jGvnfur4 あむ・・・ぺろ・・・ぬちゃ・・・ 「てめぇ!もっとしっかり舐めねぇか!」 真新しい公営住宅(一戸建て)。変に立派な「山那」と書かれた表札が出てる。 その中の一室で、チンピラ親父は薫に自分の「一物」を舐めさせていた。もちろん薫は全裸。 「あ・・・あぁい・・・」 「あなた、お願いで・・・きゃぁ!!」 奥さん-とき子も全裸で、股間にリモコンバイブを入れられていた。 バイブは自分ではずせないように俗に言う「貞操帯」につけられている。 「口答えしてんじゃねぇよ!このバイブにしか満足できねぇガバ○ンが!」 チンピラは抗うとき子に対しバイブの無線リモコンで出力を最大にした。 「あふぅ・・・あぁ・・・はぁ・・・」 あまりの快感に声が...
  • 弱気な魔王と愛され姫様・第四幕 1
    401 名前:弱気な魔王と愛され姫様・第四幕:2011/01/20(木) 00 47 44 ID wJfsRfU/ 隣の花は赤い そんな言葉があるけれど、やっぱりボクのところはみんなと違う 最近、そんなふうに思い知らされることが多くなった ボクはお父様を世界一愛してる お父様もボクを愛してる でも、僕がほしいのはお父様としての愛情じゃない キスするのも、抱きしめるのも、みんなボクから お父様からじゃ、ない 僕が求めてるのは、お父様の全てなのに 「姫、僕ちょっと近隣の出城を視察しに行くんだ。けど、僕一人で行くのもなんだしね  よかったら一緒に行く?」 「……行かない」 「そう? じゃあ行ってくるね  帰りは明日になると思うから、いい子で待ってるんだよ」 「ボク、子供じゃないよ。もう16歳なんだから」 「あはは、ごめんごめん」 もちろん、嬉しい ...
  • 終わらないお茶会 第三話
    35 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/05/30(火) 23 54 32 ID dUdy7Kor  幹也が先代三月ウサギ――『12月生まれの三月ウサギ』に出会った場所は、実を言えば狂気倶楽部やグリムではない。  そもそも、『三月ウサギ』として出会ったのではない。  学校の図書室に残る、二つ年上の三年生の先輩。二つ名のない、普通の学生である「里村・春香」と出会ったのだ。  出会った場所は、陽が暮れかけて、赤く染まった図書室。  誰もいなかった。図書室は閉館時間を向かえ、図書委員である春香を除いて、誰もいなかった。  幹也がいたのは完全に偶然である。ただ暇つぶしのために本を読んでいて、気づけば閉館時間になっていたのだ。  気づけば、誰もいなくなっていた。  誰もいなくなっていることにさえ、幹也は気づいていなかった。春香が声をかけなければ、永遠に...
  • 第十一話『ちょっとした休息と・推測』
    270 :ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI :2008/10/22(水) 00 28 49 ID wHrqCpJg 第十一話『ちょっとした休息と・推測』 「私の処女、千歳君にあげますね」 「……!?」 「驚かなくてもいいじゃないですか。期待していたんでしょう?」 ――こんなことされてるんですから、行き着く先はおのずとわかるでしょう。 くすくす笑い。それは聞き飽きた。 「お前……なんで」 「何故か、ですか? まだ分からないんですね。ならそれでいいです。一生迷っていてください」 ミクの小さな手が、それにそぐわない腕力で千歳の性器を掴む。 「やっぱり、普通よりちょっと大きいんですね……。こういうの、ちょっと気分がいいです。じゃあ……」 ミクはハーフパンツを脱ぎ去り、下着を露出した。 昨日より何倍も大人っぽい、黒い下着。ぐちゃぐちゃに濡れて、薄い生地が透けてい...
  • 姉弟
    367 :1 [sage] :2007/02/06(火) 22 30 49 ID nNWoFujZ 「ああ、またあってる」  そう佐藤育は微笑んだ。その目線は、同年代と思われる女性と話している彼女の弟へと向けられている。  朝、私の手料理を食べた弟は、いつものそっけない顔を少し微笑ませて出かけていった。  その姿が妙にしこり、家事を放棄して来て見ればコレだった。  弟と話している女性は、確か弟の会社の同僚だったはずだ。いつか書類関係を片付けるために家に来ていたのを覚えている。  人当たりのよさそうな娘で、なかなかよい子のようだった。頻繁に弟と会うと言うことを抜かせば。  育と弟の伸は、姉が大学に入る頃父親を無くし、その2年後、伸が高校を卒業すると同時に、母親も他界した。  姉は大学を中退し、弟も高校を卒業後、すぐに就職した。  二人は親の持ち家であったマンションに二人で...
  • 生き地獄じゃどいつもイカレてやがる 5
    196 :「生き地獄じゃどいつもイカレてやがる」 ◆duFEwmuQ16 [sage] :2007/05/04(金) 03 11 42 ID OHkXmc5V       『おれはあいつが好きなのに、あいつのふるまいなおらない         すごいピストル買ってきて、あいつを墓に埋めてやる』                    ──リロイ・カー「日の出のブルース」 彫菊自身も女だてらに我慢(刺青)を背に入れている。弁財天女の刺青だ。彫師だからこそ、背負える代物だった。 極道社会において、天女の刺青は不吉なものとされている。 かの『ベラミ事件』において、当時の三代目山口組々長田岡一雄を襲撃した鳴海清もまた、その背に天女の刺青を彫っていた。 鳴海の放った凶弾が首に命中し、致命傷を負ったものの田岡組長は奇跡的に一命を取り留めた。 その後の山口組の報復により、六甲山の山中で鳴...
  • 和菓子と洋菓子 第十五話ルートA
    450 :和菓子と洋菓子 [sage] :2007/08/30(木) 00 55 38 ID PLj8WAU4 僕の取るべき行動は唯一つ―。 北方さんに理不尽で無意味な自殺を思いとどまらせる事だ。 彼女に自殺などさせるわけにはいかない。 賢明な彼女だから、この自殺の企てが愚かしいことであることくらい解っているだろう。 そして、彼女自身、死にたいという感情の濁流に流されていながら、心のどこかで助けて欲しい、そう願っているはずなのだ。 それは、彼女の遺書が雄弁すぎるほどに物語っているではないか。 ここで死んでしまっては、彼女は何の為に生まれてきたのであろう? 母親の虐待だけではなく、父親の無視、使用人の無関心を幼い時分から一心に受け続けた。 そして、母親が目の前から姿を消し、父は彼女の為に心を砕く事によって、やっと幸福な日常に期待をもてるようになった。 しかし、今度は...
  • 熱帯夜
    973 名前:熱帯夜[] 投稿日:2011/09/04(日) 02 26 18.61 ID wv7JHO0c [1/4] 初挑戦やってみる。今日抱いた妄想です。へ、変態ってゆーな!一発無理だったので何回かにわけてみる。 いやー、今日も暑いなー。 今夜も熱帯夜。本当に家にかえる前にエアコンがつけられる装置が欲しい。 まぁ、エアコン使わないんだけど。 どうもエアコンをかけながら寝ると、喉は痛いし、あんまりいい心地がしない。 それよりは扇風機を近距離で強にセットしてぐわんぐわんかけたい。しかもいま話題の羽のない扇風機を先日購入したばっかりだしな。 さーて、寝るかな! 今日は仕事でクタクタだったので、ビールも飲まずに、扇風機をセットして、子供のころから愛用してるベットに潜りこむ。 それから手探りで扇風機のスイッチを入れて、電気を消す。 十分後…… 975 名前:熱帯夜[] 投稿日...
  • 日常に潜む闇 第8話
    361 :日常に潜む闇 第8話 ◆4wrA6Z9mx6 :2010/11/22(月) 00 46 08 ID Z5jDf5mR ~~友里の回想‐retrospect‐~~  過去、と言っても今から数年前の話だ。  私は恐怖と絶望のどん底に居た。  理由は極めて単純。家庭内暴力だ。母親からの過度な期待に応えることができなかった私に対して、母は家事の一切を任せていた父を酷く責め立てた。それからというもの、父は母からの精神的な攻撃に遭い始め、その矛先は私にまで向いていた。 「どうしてあなたはいつもそうやって適当にやるのかしら? 本当にやる気あるの?」 「ま、待ってくれ。俺はお前が仕事で疲れてるだろうと思って、その、それで……」 「それでこんな出来そこないみたいなものを私に寄越すのね? ふうん、これって私に対する嫌がらせ? それとも皮肉かしら?」  そう言って母は、食...
  • 近藤さんちのやんでれ事情
    225 :近藤さんちのやんでれ事情1/2 ◆irhNK99GCI [sage] :2007/11/10(土) 22 15 53 ID JCzgfpY5  勉強を終えてスタンドの灯りを消し、ベッドにもぐりこむ。 冷えたシーツが心地よく熱を奪う、その感触を味わっていた頃。 「お兄ちゃん、愛してる。だから……私の為に死んで♪」 部屋に入ってきた妹は笑顔でそういった。 「…はは、冗談だろ?」 「私はいつだって真剣だよっ」 けして崩すことの無いこの笑顔、それに抗えない自分に嫌気が差す。 そのおかげで僕は何度も派手に包帯を巻いて学校に通うことになった事か。 「勘弁してくれ、命は一つしかないんだ、ほら腕でも脚でも……な?  今まではそれでよかったじゃないか」 どうにか説得できないかと話しかける。 「もう、後には引けないの」 そういって僕に抱きついき、胸...
  • 新店長でG.O. 第二話
    273 :新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA [sage] :2007/03/09(金) 21 14 08 ID drinMGtk 耕治がピオンの慰み者になった次の日。薫はとき子に連れられテュルパンに行った。 事務所に行くと前の店長と二人の若い女がいた。どちらかが問題の新店長らしい。 「てんちょうたん、こんにちわ♪」 「おや、かおるちゃんいらっしゃい」 前店長が薫に声をかけた。 「きゃ~♪かわいい~♪お兄ちゃん、この子どうしたの?」 お兄ちゃんと店長を呼んだ人物が問題の新店長なんだろう。癖の強い髪をポニーテールにしている・・・、 そういえば隣の女もポニーテールだ。こっちは癖のない直毛。 「ああ、こちらはうちの麻枝君と禾の森姉妹の下宿先の奥さん。この子はそこの一人娘なんだ」 「かぁる、でつ♪」 「うぁ~かぁいいかぁいいかぁいいかぁいいかぁいいっ!!」 女は薫を抱...
  • 火曜日
    300 :一週間 ◆oEsZ2QR/bg [sage] :2007/07/17(火) 23 21 36 ID Io6KUq7X 「みぃーくん、おはよぉ」  朝、僕がフラフラとおぼつかない足取りのまま台所でフライパンで目玉焼きをつくっていると、遅れて起きてきた先輩が爽やかな声を出して後ろから抱き着いてきた。  僕の方に顔を載せて、マッサージするようにあぐあぐと顎をうごかしている。  もちろん体はぴっとりという表現が似合うほど密着させていて、背中には先輩の柔らかな二つのふわふわした感触が押し付けられている。 「今日もいい朝だね」  いや、先輩。僕はいつものとおりいい朝とか言う余裕はないんです。 「おはようございます。先輩」 「んう、おはよぉ」  先輩の顔は見えないけど、多分物凄い癒されているような表情なんだろう。鏡があれば、口元を数字の3を横にしたようなネコ口でほんわかと和や...
  • 名探偵物語 4
    247 :名探偵物語 4:2009/12/09(水) 00 54 12 ID GtTFdY6v ゴールデン・レトリバー 『信頼できる性格』『飼い主とともに働くことを喜びとする』犬種なので、{賢い、温和 知的、親しげ、確実}などと表現される。まさにその通りで人間に危害を加えるといった 攻撃性はない。この犬種の最大の魅力は、人に合わせる力を持っていることである。 家族が静かにしているときは静かにし、遊ぶ時は大いにはしゃいで一緒になって遊ぶ。 主人が願っていることを察知し、いつも主人に気に入られようと努力をする。 常に主人と一緒であることを望み、孤独を嫌う。忍耐力も非常に高く、細かな 気配りができ、楽天的。                         By Wikipedia 「うむ、見事なものじゃ。」 犬神剣の力によって白い犬となったタマヨは満足げに心の中でうな...
  • 倫敦に雨は降る
    80 :倫敦に雨は降る ◆msUmpMmFSs [sage] :2007/02/28(水) 01 49 30 ID GBft8iOs  1851年現在、ユーリ・ハルフォードについて詳しく知る人物は、実のところただの三人しか いなかった。  即ち――  彼の父、モーフィン・ハルフォード。  彼の母、アリシア・ハルフォード。  そして家事使用人のキャロルの三人だ。  ハルフォード家は大きくもなく小さくもなかった。土地と、金と、権力と。必要なものは必 要なだけ持っていた。徐々に没落するものが目立ち始めた時期において、むしろ淡々と続くハ ルフォード家は安定していたといってもいいのかもしれない。モーフィンは偏屈な人間で、偏 屈がゆえに古きも新しきも嫌っていた。そんな彼だからこそ、時代の流れについていけたとい うのは皮肉としかいいようがないのだろう。  モーフィンはメイドた...
  • 夫が隣りに住んでいます 第4章
    174 :題名未定 ◆WBRXcNtpf. [sage] :2007/03/30(金) 20 56 06 ID VkcjW4hz 第4章 Side真紀 健一がまた馬鹿なことを考えてる。 私の呟きを聞いた健一が幸せそうに蕩けている。 『かわいい・・・』 素直にそう思う。 まったくこいつは馬鹿である。しかも結構エロい だがそれ以上に純真で繊細だ。 初めて知り合った時同じのゼミのお調子者といった程度の認識だった。 だがたまに二人で遊んでみたりして健一は周りが思っている以上に純真で 繊細だということに気づいてきた。 それがはっきり分かったのは健一が株で相当な大金を稼いだと聞いたときだった。 それまでいつも笑っていたのに急に無表情になっていった。 たまに一緒に遊んでも異様に口数が少ない。 『あれ?こいつこんなに静かだったかな?』 いつも必要以上に明るい奴が急に周りを...
  • 気に病む透歌さん
    575 :気に病む透歌さん [sage] :2008/01/05(土) 03 03 46 ID wi0YCo1E (おなかいたいよう……あたまもいたい……)  女子トイレの個室に閉じこもり、倉井透歌は一人腹を抑えて苦痛に顔を歪めていた。  トイレの窓から、校庭で生徒たちが騒ぐ賑やかな喧騒が聞こえてくる。その楽しげな響きとは対照 的に、透歌の気分はいつも通り最悪だった。  胃の辺りがずきずきと痛む。頭の奥で誰かが鐘でも鳴らしているかのように、周期的な頭痛が襲っ てくる。手は小刻みに震え目は霞み足は痺れ、吐き気も止まなかった。こみ上げる嘔吐感は、吐瀉物 が喉から出る寸前のところまで上ってきているような錯覚を覚えさせる。 (おくすり、のまないと)  混濁する意識の中、膝の上に置いた鞄に手を伸ばし、中を探る。たくさんの薬が入った専用のプラ ケースと水の入った水筒を取り出すと、...
  • うちの奇妙な同居人 第一話
    238 名前:うちの奇妙な同居人:2011/01/11(火) 01 32 53 ID DextzXB8 みんな、[A・I]って知ってるか? 昔映画にもなったことあるんだが、平たく言っちまえば人工知能のことだ まずできたばかりの頃はまっさら。何にも知らない赤ちゃんみたいな状態 そっから少しづつでもいろんなことを教えてやれば、最終的には人間と同じように考えたりする事ができる機械 それが今、俺のパソコンにいる 五年くらい前に、とあるメーカーが家庭で教育できるAIってなふれこみで出たものなんだが、これが大ヒット商品になった しかし二年前、データ改造の容易さから多くのコンピューター犯罪に使われることが多くなり、最終的には法で規制されたのだ その他にも、このソフトの影響で引きこもりが増えただの子供の教育上だの規制すべきだのと ソースも何も無いくせに権力者が好きそうな馬鹿話が横行...
  • 新店長でG.O. 第四話
    437 :新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA [sage] :2007/03/16(金) 21 00 22 ID usAZ35BY 「店長・・・いえ、笑留さん、どうしてここに?」 耕治の問いに対し、笑留は両手を離しやれやれのポーズをとる。 「あのね・・・薫ちゃんたちと別れたときにね、薫ちゃんが持ってたCDが気になってね。 事務所のパソコンを二人が帰ったあと調べたのよ。そしたら何?得体の知れないファイルが入ってて」 うっ、とたじろぐ二人。 「ファイル調べたらなんかWEBテレビ電話みたいだったから安心はしたんだけど、一応ね。 耕治君たちが他社のスパイって線を疑っちゃったのよ。それで今日・・・ 閉店後に耕治君たちは何か行動おこすかな~、って思って店にもう一回来たのよ。 そしたら・・・うふふふふふふ。ま・さ・か、こんな用途に使うとはね?」 ぽたり。笑留の口元からしずくが落...
  • 題名の無い短編その七十二
    661 :名無しさん@ピンキー [sage] :2010/07/27(火) 17 05 48 ID VFVTtKFz ……アレだ、お前らがパソコンばっかり見てるから お前らの周りにいるヤンデレがこのスレを荒らしてるんじゃね? 668 :名無しさん@ピンキー [sage] :2010/07/27(火) 19 24 33 ID feuNJIoz 661 ヤンデレA「何よ!〇〇君たら私よりこんな文字の羅列の方が好きなの!? こんなの必要無い必要無い必要無い必要無い必要無い必要無い必要無い必要無い必要無い」 ヤンデレB「ふふっ、〇〇ったらまた見てる。そんなに大事なのかしら、私より。 私の押しが足りないのかなぁ?私の愛が足りないのかなぁ?そんなに私って飽きる女かなぁ?なんで私を見てくれないのかなぁ?ねぇなんでこんな私より2進数にしか興味をしめしてくれないのかなぁ?そんなに...
  • ヤンデレ妻と平凡な日常
    732 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/05/30(金) 14 23 01 ID yKgaZX2g 12月某日 晴れ 夜、仕事を終えアパートに着くと、家の戸の前で音もなくうずくまっている妻を発見。 声をかけるとパッと顔を上げて抱きついてきた。恥ずかしいが思わずにやける。 この寒い中健気に外で待っていてくれていたらしい妻を連れて帰宅。 戸を開けると、とたんに妻お手製の手料理の匂いが鼻腔をくすぐって思わず腹が鳴りそうになる。 着替えを手早く済ませてさっそく食事。酒のつまみ程度のものから豪華なディナーまで、種類を問わず妻の作る料理は何でも美味い。 確か初めて食べた時は美味いと感じるだけだったのに、何度も食べているうちに妻の料理を食べると妙に気力が湧いてくるようになって、 今ではすっかり舌が肥えて妻以外の作った料理が美味しく感じられなくなって...
  • いない君といる誰か 第二話
    654 :いない君といる誰か [sage] :2007/01/04(木) 18 28 39 ID zpAEyOdJ  里村春香についてのあれこれ。生きていれば19歳。生きていれば、というのは他でもない、何の身も蓋も伏線もトリックも関係なく、 れっきとした事実として、里村春香は死んでいるからだ。死んだのはもう一年も前になる。18歳の里村春香は受験のストレスに耐え切れずに 学校の図書室から飛び降り自殺した――ということで一応の決着がついている。彼女が受験生だったことは事実だし、18歳だったことも、 思春期だったことも、そして図書室から飛び降りたことも、全て事実だ。覆しようのはない。ただし、その単語群の間を=で埋めるのは残された 人間たちの創造力でしかなかった。そして、里村冬継は、創造力を持ち合わせている人間ではなかった。  だから、事実だけで考えれば。  姉が――死...
  • 題名のない長編その七第十六話
    第十六話  どうしてこうなったのだろう。  椎名達と別れて心行くまで夕方の修練をして、何も食べずに布団に入って眠った。  ここまでは何の問題もなかった。  なのになぜ俺は縛りつけられているのだろうか。 「……っ」  猿轡、目隠し。それに椅子に座らさせられ、後ろ手と両足を縛られた状態。  もしも俺が通常とは異なった性癖の持ち主で知らぬ知らぬ間に自虐行為に走ったならまだ分かる。  だが俺にはそんな趣味はないと胸を張って云えるし、少なくとも夢遊病の類は持ち合わせていない。  ならば俺を縛り付けた犯人がいるはずである。  俺を縛り上げて得する人間がいるかどうかは分からないが、考えられるのは強盗だ。   強盗だとしたら気の毒なことに、俺の部屋には1500円しかない。  ちなみに物も置いていないので俺を縛っただけ無駄だとしか言いようがない。  せいぜい俺の命を奪わないでいてくれることを祈るだけ...
  • 火曜日とその後
    522 :赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg [sage] :2007/07/29(日) 21 53 35 ID /LtHcPyR 「みぃーくん。気がついた?」  気がつけば、僕は先輩は衣類が散らばるベッドに縛られていた。  腕と足首をロープで巻かれ、体の自由を奪われた僕。服は乱暴にはだけられている。僕についている布はボタンの開いたカッターシャツとトランクスだけだった。 「……うっはっ」  そんな僕に、先輩がのしかかっている。  先輩の姿は裸だった。白くぷるりと光る先輩の汗ばんだ肌が、ベッドの横の間接照明を反射させている。目線を外に向けようとする。首は動かないが明るさはわかる。  暗い。夜。この証明が無ければ真っ暗闇。 「みぃーくん。おはよう」 「……!」  先輩っ。僕はそう呼ぼうとするが。声が出てこない。喉から出てくるのは、しゅこしゅこという空気を吐く音だけ。  先輩...
  • リバース第二十話
    114 :リバース ◆Uw02HM2doE :2010/12/10(金) 02 12 52 ID iAaJxc+e 『……あれ?』 気が付くと教室に立っていた。どうやら授業中らしく目の前にいる黒川先生がこちらを睨んでいる。 『す、すいませんでした!すぐ席に――』 先生は必死に謝る俺を"すり抜けて"一番後ろで眠りこけている"白川要"の頭を叩いた。 「いてぇ!?……あ」 「おはよう白川。気持ち良さそうに寝ていたようだな」 クラスメイトが呆れたような視線で見つめる中、俺と先生のいつものやり取りが繰り広げられていた。 『……一体どうなってんだ』 そして同じく白川要である俺が、それを教室のど真ん中でぼーっと見ている。 『……誰も気付いてないみたいだな』 俺がど真ん中で突っ立ているにも関わらず教室内の誰も俺に気付いていな...
  • 題名の無い短編その四十九
    551 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/08/23(日) 15 44 31 ID hRB7g0JA 書いてみた。3レス消費でやってみるで。SFもの 「でもなぁーんかおかしい。その女の人、どう見ても山に登る格好じゃないんですよ。」 面白れぇなあ、稲垣淳三。やっぱり日本の夏はコレダネ。 夏真っ盛り。現在午前三時。エアコンあり。団扇あり。 雑然とした部屋で俺はビール片手に怪談講談師、稲垣淳三の「怪談ナイト」を堪能していた。 落としたファイルの中に「怪談ナイト」全集が入っているという奇跡が起きたのだ。 「なんだぁ、と思って見ていると女がパッと振り返った。するとIさんはうわぁあっ・・・」 イイネ、よっ、名人芸! などと一人モニターに声をかけていると、突如粒子のシャワーが乱れた。 淳三の顔がゆがむ。シャワーが突如乱れるなんていうのはありえない。 やべぇ、とうと...
  • 1~風見乃音の4月30日~
    429 :1~風見乃音の4月30日~:2010/03/17(水) 23 02 00 ID 9yEnl4aS やるなら明日しかない。 明日から5日までは5連休になる。 いわゆるゴールデンウィークというやつだ。 しかも、おあつらえ向きに彼のご両親と弟はそのゴールデンウィークを利用して旅行に出かけるらしい。 旅行嫌いな彼をおいて。 彼の親友である、双葉良助によれば今日から出発して、帰りは最終日の午後だそうだ。 私の計画の唯一の不安要素は家族や友人などの人間関係のことだったが、これでそれもなくなった。 それどころか、明日行動に移せば彼を私に振り向かせるための時間が5日間もあることになる。 5日間もあれば、彼をしつけ……振り向かせるには十分なはずだ。 それでも、もし時間が足りなければ……。 でもまさかそんなことはないだろう。 状況は全ていい方向に転んでいる。 私の勝利は...
  • みにまむ1『たちどまったとき』
    495 :わいやーどみにまむ1  ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/03(月) 01 13 14 ID mo1fLUoX みにまむ1『たちどまったとき』 千歳とナギが、小学六年生くらいだったころのお話。 六月のこと。ナギと千歳は、ナギの部屋で二人遊んでいます。 まだこの時期のナギの部屋は、今と違い普通の整頓された部屋でした。 「なぁ、お前さ……」 「なんだ?」 千歳の呼びかけに、ナギは振り向きもせず答えました。 「さっきから卑怯じゃね」 「だから、なにがだ」 しらばっくれるナギ。千歳の怒りゲージが少しずつたまっていきます。 「いや、だからさ、さっきからナギナギ言い過ぎなんだよ!!」 「何を言っているんだ。ナギは私だ」 「違う、こっちの話!」 千歳は二人の前のテレビ画面を指差します。 「いや、ただの北斗の拳だろう」 「トキだよトキ! ト...
  • 生き地獄じゃどいつもイカレてやがる 6
    6 新宿御苑前にある深夜営業のレストラン──当たり前だが客はほとんどいなかった。 水商売風の格好をした女が三人ばかりグループになって雑談をしているだけだ。 日頃の鬱憤を晴らすかのように愚痴を言い合っているのが耳に届いた。ふたりは互いの名前を名乗ると窓際の席に座った。 200 :「生き地獄じゃどいつもイカレてやがる」 ◆duFEwmuQ16 [sage] :2007/05/04(金) 03 21 26 ID OHkXmc5V 朧は爪楊枝の先端を前歯で齧りながら食事が運ばれてくるのも待った。腹の虫が騒がしい。 最初は迷ったが飢えには勝てず、また一度は断ったものの巴の懇願に根負けして朧は食事を奢られることにした。 二人用のテーブルの向かいの席に座っている巴が紅茶をすすりながら朧にたずねる。 「朧さんは普段は何をなさってるんですか?」 「フーテン」 「フーテン……ですか?」...
  • うちの奇妙な同居人 第三話
    353 名前:うちの奇妙な同居人 結[sage] 投稿日:2011/03/18(金) 22 39 00.94 ID LsoUn4UK [3/6] 「それじゃ、行ってくるぜぇ~」 「………」 昨日の夜、俺が大学にあくまでも行くと言い張ってから、こいつはまたウンともスンとも言わなくなった うるさくないのは大歓迎で昨日は久々にぐっすり眠れたんだが、正直少し怖い 昨日の例もあるし、こいつがまたどっかにハッキングかけて俺が捕まることになるんじゃないかと憂鬱になる しかしまあ、今日は久々にあのAIから開放されたんだし、大学でのんびりすっかあ! 課題? ええ終わらせましたよ。ほとんど参考文献丸写しでね ああ、一人で本を読みながら電車を待つ。そんななんでもない一人の時間もまた愛おしい [Now, let us take back our “Shattered Skies”!  “Shattered S...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part3埋めネタ
    642 :名無しさん@ピンキー [sage] :2007/02/26(月) 15 24 50 ID H1OhoL/W 夜中の二時に目が覚めた。 悲しくて悲しくて悲しくて目が覚めた。 夢を見ていた。 あの人が私をおいていく夢。 私のことなんか振り返りもせず、一心に自分の望む未来に向けて努力するあの人。 なんど無理だって言われても、諦めるべき現実を突き付けられても必死に向かって行く。 私はそれを笑顔で応援する。時に一緒に苦しみ、時に明るく励ます。 笑顔の下で泣きながら。私を見て、と。 私のいない未来なんて追わないでと。 そしてあの人は私のいない望んだ通りの未来を手に入れて行ってしまう。 多分これは正夢。 現実でもあの人は未来を追っている。私のいない未来を。 私は一番近くでそれを見ている。必要ならば支えながら...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part13埋めネタ①
    776 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/03/01(土) 19 58 07 ID s1JwMypw ヤンデレに後ろから『だ~れだ』ってされたい で、間違えたい 778 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/03/01(土) 22 56 57 ID dLP8n0o6 「だ~レダっ」 後ろからふわっとシャンプーの香りがした。と思ったら視界が少し汗ばんだ手で覆われた。 真っ暗ではなく、細い指は陽に透けて赤みを帯びている。生命の赤だ。 首筋のあたりに柔らかい髪が触れ、吐息もかかる。 走ってきたのだろうか、後ろの少女の息は上がっていた。 声音を変えていて誰だか分からない。 だが、おそらく待ち合わせの相手だろう。 「ことみだろ?」 「うふふ」 風が背後から吹いてきた。 生臭い風だ。 ...
  • 藁を叩く少女
    799 :藁を叩く少女 [sage] :2007/09/14(金) 12 23 03 ID xDCdn1cN 美佳は幼馴染の直樹が大好きだった。家が隣同士の二人は、小さい頃から毎日のように一緒に駆け回っていた。 二人は何をするにも一緒だった。春には二人でお花見をして、夏には一緒に市民プールへ出かけて、秋には手を繋いで紅葉狩りをして、冬には力を合わせて雪だるまを作った。 このまま死ぬまで、ずっと二人は一緒にいるものだと美佳は思っていた。同じ学校に通い、同じ仕事に就き、結婚して同じ家に住むことは、当たり前のことなのだと考えていた。 そして、当然のように直樹もそう考えているのだろうと美佳は思っていた。 800 :藁を叩く少女 [sage] :2007/09/14(金) 12 25 36 ID xDCdn1cN 小学校に上がってからしばらく経って、とある休日いつものように直樹...
  • 深優は泣いた 始まり
    828 :深優は泣いた:2011/03/27(日) 02 06 21.78 ID 7WUC3Jpr ○始まり 「竜史、後でわしの部屋に来てくれんかのう」 「え?俺なんかやらかしたっけ?」 「何を馬鹿な事言っておる、これは重要な話じゃ。 やるべき事を済ましたらすぐ来るようにの」 門下生たちの後片づけの音が響く中、 湛山先生はそう言い残して2階へあがって行った。 ここは「陽ノ国」と呼ばれる島国の極南の町、 ここ「大琉ノ町」に総本山を構える剣術道場。 湛山先生は陽残流という流派の後継者で、この道場の師範である。 俺はここに心身を鍛えるという名目で小さな頃から通っている。 つい先程、先生から呼ばれたので、 さっさと体を拭いて先生の部屋に行く事にする。 手ぬぐいを自身の麻袋から取り出そうとした時、 「はい、お兄ちゃん」 冷えた手ぬぐいを差し出す...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part30埋めネタ…艦と共に…
    739 :埋めネタ…艦と共に… ◆wycmxKO9B. [sage] :2010/06/12(土) 00 28 20 ID dSoHpyjV ある日の感想 ワレ、艦ヲ妻ト思エリ、良ク働ケバ褒メ、大事ニ労ル。 最後の航海記録 1442時、左舷二魚雷一本命中。機関停止シ被害ハ甚大。総員退艦命令下達。 ワレ、部下ヲ脱出サセタ後、最後ニ退艦スベク艦橋ヨリ出ヤウトスルガ隔壁開カズ。背後ニ女性現ル。 ソノ女、船魂ト名乗リ、私ヲ愛シ心中スル積リダトイフ。 1515時、船体大イニ傾キ、前甲板ハ海中ニ没ス。船魂、ワレヲ抱擁シ囁ク。 「ワレ、共ニ戦ッタ貴官ヲ愛セリ。貴方ト私ハ夫婦ヨリモ深イ絆デ結バレテイル」ト。 1528時、イヨイヨ海面近付キ、最期ガ近ヅイテイルコトヲ実感ス。 海防艦30号真ニ良ク戦エリ。祖国ノ弥栄ヲ願ウ。 15時30分。海防艦30号は沈没。艦長は船と運命を共に...
  • しまっちゃうメイドさん 第四話
    343 :しまっちゃうメイドさん ◆HrLD.UhKwA [sage] :2007/03/12(月) 00 02 18 ID jXgGt8Oy 否命はその少女の笑顔に、鼓動の高鳴りを覚えていた。その少女の笑顔は深山に咲いた一輪の華の如き幽玄の美を持って、否命の心臓にまで迫る。 しかし少女の顔は圧倒的美を誇りながらも、瞳がその美を何処か歪なものに変えていた。まるで悠久の自然が作り上げた光景を、愚かな神が手を加えてしまったが故に、その無為の輝きを壊してしまったかのような…一言で言えば「不自然さ」があった。 「聞こえなかったの?財布よ」 その声に否命は現実に引き戻され、慌てて自分が手に持っているものを確認する。 「財布って……これのことだよね?」 少女は頷いた。 「そう、それよ。返して頂戴」 「返すって……あの男の人達に返すんだよね?」 「面白い子ね…」 言って、少女はスッと...
  • 和菓子と洋菓子 第九話
    573 :和菓子と洋菓子 [sage] :2007/06/27(水) 01 59 27 ID ejMmZJZV チャイムが六時間授業、つまり一日の授業全てを終えた事を告げていた。 録音された味も素っ気もない、しかも毎日十数回と聞いているために、ありがたみが薄れているチャイムではあったが、 この六間目の授業終了となると、そのありがたみも一入(ひとしお)なもの。 実際のところ、この脱力感の直後には帰りのHRなどという興を大いにそがれるものがあるが、そんなものは所詮は些事に過ぎない。 私も正直なところこのHRが嫌いなのは確か。今日など、貴重な松本君と共有する時間を減殺してしまうのだから。 あるものは部活動に勤しもう、あるものはぶらぶらと購買や食堂に向かい本日三度目の食事に舌鼓を打とう、 はたまたあるものは帰ってから何をしようか、等等、めいめいが赴くままに思いを馳せている。 私は...
  • 『痴漢とヤンデレ:エクスタシー』
    322 :痴漢とヤンデレ:エクスタシー  ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/30(日) 13 19 07 ID hZWgCSrL 『痴漢とヤンデレ:エクスタシー』 平凡なサラリーマンとは、おそらく俺のことを言う。そう、この俺、『麻生忠雄(あそう ただお)』。 この現代日本の男の平均値を搾り出してみよう。ほら、君も俺の顔を思い浮かべることができるはずだ。 平平凡凡な顔、身体、運動能力。なにも秀でたところなんてありゃしない。社会の歯車でしかない二十六歳。 それなりの人生を生きて、それなりに死んでいく。そんな未来しか見えてない。 スリリングな生き方に憧れた若き日もあったように思うが、今ではもうそんなこと、忘れてしまった。 ……それにしても、俺は今いつも通りの満員電車に乗って通勤している。が、何かが変だ。 いつも通りではない。 揺れる電車の中、俺は一人の女...
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