ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「わかれのゆめ」で検索した結果

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  • わかれのゆめ
    わかれのゆめ第一話
  • わかれのゆめ第一話
    249 :わかれのゆめ [sage] :2009/02/22(日) 00 05 04 ID IgKsHmmS 『何があっても、ずっと一緒だよ』 心の奥底に深く刻まれたこの言葉。 幼少のみぎりに言われた言葉なのだが、誰に言われたのか思い出せない。 さっぱりはっきり全く微塵も全然思い出せないのだ。 最近になって頻繁に思い出されるこの台詞は、決まって夢の中で再生される。 そして、この台詞をはなった人が遠ざかって行き、それを追いかけようとしたところで目が覚めるのだ。 * まるで安っぽい小説のようだ。 そう生瀬 直(いくせな お)は思いながらも、今朝も全身汗だくで目が覚めた。 もうこの夢にうなされ始め、既に半年。 もう慣れたもので、とにもかくにも汗を吸って濡れた下着が気持ち悪い。 そう思って手早く箪笥から換えの下着等を取り出し、階下にある風呂を目指した。 250 ...
  • 長編SS
    ...Lz5qIxQc氏 わかれのゆめ 病的な彼女ら ◆C7LP2J9VzI氏 『コウヘイッ、タイマンじゃあ!!』(完結) ◆uC4PiS7dQ6氏 ビタースイーツ ◆CuqFVtYUo.氏 依存監禁(完結) ◆PLalu2rSa.氏 ドナドナドンナ!(完結) 茂中 ◆0lI03N/8RU氏 『寝取られ姉妹』 ◆uC4PiS7dQ6氏 刹那の想い(完結) ◆PLalu2rSa.氏 プリプリプリンセス 茂中 ◆0lI03N/8RU氏 Chains of pain(完結) ◆kpb1UHuGog氏 one wish! ◆gEED5ynBW2氏 良家のメイドさん(完結) ◆6AvI.Mne7c氏 あなたのために(完結) ◆PLalu2rSa.氏 しろとすず(完結) ◆KaE2HRhLms氏 桜の幹 狂っているのは誰?(完結) 朝はあんなに晴れてたのに ドラゴン・ファンタジーのなく頃に ◆AW8H...
  • 第一話『コントラクター・再会』
    809 :ワイヤード 第一話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/10(金) 20 08 53 ID r9yyjKLi 第一話『コントラクター・再会』 ある意味では予知夢というものだろうか。 鷹野 千歳(たかの ちとせ)は、何の超能力も持たない普通の高校生だったが、この夜、確実に彼の夢は過去と現在を、そして未来を繋いでいた。 「ねぇちーちゃん、ちーちゃんのゆめはなに?」 「おれのゆめか……まだ、ないなぁ。そういういっちゃんはどうなのさ」 「え~。おしえてほしい?」 「いや、いいたくないならいい」 「ま、まってよぅ! いうからおいてかないで!」 「べつにおいていこうとしてるわけじゃない。いっちゃんがもったいぶるから、きかないほうがいいかとおもった」 「ぅ……ううん……。いいたくないわけじゃないよ。でも、ちーちゃんのこたえがこわかったの」 「おれがか...
  • 晴れのち病み
    晴れのち病み 第一章 晴れのち病み 第二章 晴れのち病み 第三章 晴れのち病み 第四章 晴れのち病み 第五章
  • 新店長でG.O. 第六話
    24 :新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA [sage] :2007/03/22(木) 21 13 56 ID yOjs1jOF  ”おねえたんはつかれてるのでつよ”  ”つかれてるのかなぁ・・・”  ”つとれつ(ストレス)でつか?”  ”うん・・・うまいこといかないの・・・”  ”どうちて、でつか?おみちぇ、はやらないのでつか?”  ”ねぇ、かぁるちゃん、きいて・・・”  ”あい”  ”えみるね・・・おにいちゃんがすきなの・・・”  ”ゆういちおにいたん、でつか?”  ”そうなの・・・むかしから、ずっと、ずっと・・・”  ”どうちてでつか?『こくはく』ちて、ないのでつか?”  ”じつのきょうだいだもん、けっこん、できないもん・・・それだけならいいんだけど・・・”  ”まだあるのでつか?”  ”おにいちゃん、がっこうのせんぱいとくっついたの・・・”  ”...
  • 晴れのち病み 第四章
    42 名前:晴れのち病み 第四章[sage] 投稿日:2011/03/08(火) 16 18 17.08 ID 01Uo1WPn [2/9] 4  チキンにケーキにスナック菓子、各種ドリンクと密かに用意された酒……テーブルの上にはクリスマス、と言うよりも未成年の宴会の定番と言える品が揃っており、皆がそれぞれを摘み食いしながら会話に華を咲かせている。  パーティは滞りなく開かれた。参加者全員――勿論、二見と朝倉、佐原一家も時間内に集まり、盛大なクラッカーの音と乾杯の音頭が取られ、じきに夜を照らす程の賑わいとなった。  香山宅は今夜、両親が仕事の都合で留守にしているという。それを聞いた一同は「それなら遠慮はいらないか」と言わんばかりに酒に手を伸ばし、早々に出来上がっていた。誰もが酔いに任せるばかりに振舞い、お祭り騒ぎになっている。  二見と朝倉も好奇心で酒を煽ってほのかに頬を赤らめ、...
  • ヤンデレの薬
    433 :ヤンデレの薬 [sage] :2007/11/25(日) 21 36 33 ID gK1hC/nj 「ついに完成だ!」 怪しげな研究者が怪しげな研究室で何か薬を開発していた。 「ヤンデレの薬が!」 この科学者の名前は薬丸、ヤンデレが大好物でヤンデレ系作品で彼がやったり読んだことが無い作品は無い程だ。そんな彼はどんな人でも(女限定)ヤンデレにできる薬の研究をしていたすべては自分の欲望を満たす為に 「宮本君!」 名前を呼ぶとくるぶしまでとどく長いツインテールで背丈は158くらい、割とスレンダーな女の子が出てきた。 「なんですか教授」 「この薬を全国に散布してくれ」 薬瓶を彼女に渡す。 「わかりました」 434 :ヤンデレの薬 [sage] :2007/11/25(日) 21 3...
  • 晴れのち病み 第五章
    227 :晴れのち病み 第五章:2011/03/15(火) 21 56 15.10 ID 1GFNWItX 5  道が霜に覆われ、吐息が白く立ち上る朝。冬休みが明けたこの日、学生達が身を震わせながら登校していた。  冬眠明けの気だるさで重い体を引きずりながら、のっそりのっそりと歩いている彼らのその背中は、若さの張りが少しも見られないくらいに丸まっていて、何だか老けこんでしまったかの様だ。  自転車を使用している生徒は体をガタガタ震わせながら「寒い寒い」と連呼し、凍った道路を走っていた。  なまじ速度があるから相対的に風を受ける形になるので、大層身に応えるだろう。鼻水垂らしながらという情けない面を晒しているのもいた。  長期休暇明けの初日に見られる風物詩はバス通学にしても同じだ。車内で居眠りこいて危うく寝過ごす生徒が散見され、中にはギリギリまで眠りから覚めず、慌ててバス...
  • 私は人がわからない第九話
    809 :私は人がわからない:2012/08/22(水) 10 54 16 ID /4kh.2c. [1/12]  遂に、ぽつぽつと雨が降ってきた。 徐々に雨量を増していく雨は、雨脚こそはまだ弱いが、これから激しくなっていくだろう予感を感じさせる、たしかな力強さを持っていた。降りしきる雨粒は遊歩道に黒い染みをつくり、通行人たちは慌てて傘を広げている。  私はコーヒーカップをソーサーに戻すと、ぼんやりと雨に見入った。 「何を見ているんだ?」  前田かん子が、角砂糖をコーヒーに入れながら問うた。 「いや、雨、降っちゃったなって」 「雨?」  怪訝そうに目を細めてから、彼女も外を見やった。雨粒は窓を軽くノックし、水滴を張り付かせては落ちていく。 「雨が降ると、なにか不都合なのか」 「不都合。そうですね、不都合といえば不都合です。実は今日、傘を持ってくるのを忘れちゃいまして。このままじゃ濡れて帰...
  • 私は人がわからない第五話
    61 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/06/28(月) 14 20 22 ID Gejk2pPM  放課後、私は斎藤ヨシヱの元を訪れることにした。  まだ人の減らない本校舎を抜けて、一階の隅にある長い渡り廊下を目指す。  本校舎と部活棟を繋ぐ通路は、この一本しかない。そのことが、部活棟の存在を更に希薄にしている気がした。  そもそも、この高校は部活動があまり盛んでない。  体育系文化系を問わず、どの部活も平等に弱小で、県大会出場はおろか地区大会一勝すらしたことがなかった。  その上、まがりなりにも進学校で通っているため、大半の生徒が部活ではなく勉学に走ってしまう。かくいう私も、その内の一人だった。  本当は、仲間達と共に汗をかき、切磋琢磨し合いながら部活動に打ち込んでいく、そんな学生らしいことに憧れていたりするのだが、自分じゃそういうことが出来ないのは...
  • 私は人がわからない第六話
    555 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/10/20(水) 12 14 05 ID KgIpHWOW  ――あなたみたいな人間が誰かに好かれるなんて、不可能よ。  何の変哲も無い、いつもの朝方の教室でのことだった。  ホームルーム前の教室は相変わらず賑やかで、あちらこちらと会話が生まれ、正に談論風発としている。  そんな中、私は彼等の輪の中に入ろうという気も起きず、深海魚のようにじっと座って、ぼんやりと何処か遠くを眺めていた。  そんな風にしていたのがいけなかったのかもしれない。  不意に昨日の言葉が頭を過り、私は顔をしかめたのだった。  ハァと、恋する乙女のような物憂げな溜め息をしてから、眉間の辺りを指で揉む。気分は一向に良くならない。  久しぶりの斎藤ヨシヱとの邂逅は、私にとってはもはや消し去りたい過去のひとつになっていた。  ...
  • 私は人がわからない第一話
    50 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/09(金) 16 37 27 ID TmKKkU8J  人の居なくなった放課後の教室で、私はひとり自分の席に座っていた。  開け放たれた窓からは、冬特有の冷気を帯びた暖かい風がカーテンを揺らしていて、とても心地が良い。  今日は休みなのか、いつも聞こえる運動部の喧騒も、グラウンドからは聞こえない。教室内にはカーテンがはためく音が聞こえるだけで、不気味なほどに静かだった。  この世界で自分しか居ないみたいだ、なんてありふれた言葉が頭に浮かぶ。こういう言葉は嫌いじゃない。  私はそこで思い出したように、ポケットに入っている便箋を取り出した。  いつもなら、授業が終わると真っ直ぐに帰宅してしまうようなこの私が、こんな誰も居ない教室にひとりで残っているのには理由がある。この一通の手紙が原因だ。  今朝、いつものように...
  • 私は人がわからない第二話
    217 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/04/19(月) 07 40 10 ID kVeCnTh+  昼休みを告げるチャイムが鳴り、教室の空気は一気に弛緩した。  教卓に立っていた教師が去ると、クラスメイト達は弁当を片手にそれぞれのグループで集まり始める。それから、各々が楽しい昼食の時間を過ごす。いつも通りの昼の光景だった。  そんな中、弁当を持参していない私はひとり購買部へと赴く。  教室のドアを開けると、冷気を帯びた空気が室内へ流れ込んできた。一歩先は別世界のように冷え切っている。近くで弁当箱を広げていた女子が非難するように見てくるので、慌てて後ろ手でドアを閉めた。  廊下に出ると、教室の暖房に慣れていた身体が一瞬で粟立った。吐いた息も白い。  そこで私は今朝のニュース番組で、今日は今年一番の冷え込みになります、と女性アナウンサーが言っていたのを思い...
  • 私は人がわからない第四話
    70 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/06/05(土) 14 57 07 ID GnfQ6JQS  熱い夏の日だった。  空には入道雲が浮かび、その中で輝く白い太陽はジリジリ地面を照り付けている。コンクリートの道路はまるで鉄板のように焼き上がっていた。  遠くには陽炎も出来ていて、街路樹が並ぶ街道をゆらゆらと揺らしている。  アブラゼミがミンミンと騒ぎ、それは何かを急き立てるように感じた。  そんなありふれた七月の光景。  その上を、弾丸のように駆けて行く少年が一人。  彼は溢れ出てくる汗をシャツの袖で拭い、タッタッタッと小気味好く地面を蹴りつけて、ひたすらに走っている。  呼吸は不規則で、息もままならないといった風ではあるが、その顔は決して苦しそうなのものではない。  むしろ、愉快そうに口元を歪めていて、苦楽を共にしたような奇妙な笑みを浮かべてい...
  • 私は人がわからない第三話
    105 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/05/12(水) 14 44 47 ID +7NZkhJf  カタンカタンと、電車は一定のリズムを刻んで進んで行く。  夕方時の静かな車内は、凍てついた外界とは対照的に暖かい。  ふくらはぎを撫でる温風が、私の冷えた足を温めようと躍起になっていた。  車内の席は全て埋まっていた。  帰宅途中の学生、うたた寝している老人、くたびれたスーツを着た中年サラリーマン。みんな、どこか疲れた顔をしていた。窓から差し込む夕日が、顔に影をつくっているからかもしれない。  私は、心地良く振動する座席に身を預けて、ぼんやりとそれらを眺めていた。  一瞬、自分が何をしているのかわからなくなる。  いきなり違う世界に放り込まれたような、そんな感覚。  けれど、まだ咥内に残る鉄の味と右側頭部の疼痛が、そんな私を叱咤した。忘れるな、と...
  • 晴れのち病み 第三章
    919 名前:晴れのち病み 第三章[sage] 投稿日:2011/02/17(木) 22 44 16 ID xoLhg4Re [2/9] 3  気付けばすっかり空気が冷たくなってきていたこの日、名峰の名に相応しい富士山の出で立ちを眼前に拝む事ができる晴天の下で終業式が行われた。  全校生徒が鎮座する体育館内に校長の訓辞が響くが、最近の世事についての話やどこぞの偉人の名言も生徒相手だと馬耳東風、真面目に聞いている者はほとんどいなかった。  校長もおそらく、それを分かっている上で話を続けているのであろうが、その姿はまるで「早く終われ」という生徒達の聞こえざる声を弾圧するかの様に見える。  長話にうんざりする二見には少なくともその様に見えた。苛つきが見られる顔と声は露骨というわけではないにしても、少しでも集中すれば容易に察知できる。それこそ、居眠りさえしていなければ。...
  • 私は人がわからない
    私は人がわからない第一話 私は人がわからない第二話 私は人がわからない第三話 私は人がわからない第四話 私は人がわからない第五話 私は人がわからない第六話 私は人がわからない第七話 私は人がわからない第八話 私は人がわからない第九話 私は人がわからない第十話
  • 異色の御花 第1話「夕暮れの邂逅」
    712 :異色の御花 第1話「夕暮れの邂逅」 ◆mN6lJgAwbo :2010/09/08(水) 15 22 48 ID FVc3vYTG 空の色がすっかりオレンジ色に染まった頃。 時間で言えば、5時を少し回った辺りだろうか。 体育館裏の倉庫で荷物の出し入れを行っていた俺は、ふと空を見上げながら思った。 (きれいな夕暮れだな……) 特段、夕暮れを見る事が少ないわけではない。 だが、普段放課後にはさっさと帰宅する自分にとって、学校にいながら見る夕暮れというのは、なんだか別のもののように思えた。 ホームルームが終了し、各々が鞄を手に教室を出ていく中、それに倣い帰ろうとする自分を、担任兼体育教師の森井直弥が引きとめた。 「おい、榊原」 「えーと……、何ですか?」 「お前、これから何か用事があるか? なければ手伝いを頼まれてほしいんだが……」 「...
  • 十月五日午前三時の君達へ
    88 :十月五日午前三時の君達へ [sage] :2006/06/09(金) 06 16 24 ID 8ZzyCs2Z 七月十日 拝啓、お元気ですか? こちらは元気です。 湿った六月も明け、七夕を経て、半端な時期に梅雨も終わって、ようやく夏がやってきそうです。 先日、一人暮らしをしていた弟が私の住む実家に帰ってきました。 半年間メールでしか連絡を取っていなかったので、久々に弟と顔を合わせて話せたので心臓がどきどきしています。まるで恋する乙女の様です。弟は夏休みの間はこちらにいるようなのでその間、何をして弟と過ごすか色々と考えている今日この頃。 七月十五日 今日は弟と一緒に映画館に行きました。内容はあまり覚えていません。ずっと弟の横顔を眺めていたので。 帰りに弟とショッピングモールで買い物をしました。弟が付けている地球をモチーフにしたピアスがあったので、それを購入。 お...
  • 私は人がわからない第七話
    116 :私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo :2010/11/16(火) 11 23 01 ID WBUL+36S  学校を出て駅から反対側に少し進んだ所に、寂れた停留所がひとつある。  昔はそれなりに利用されていたらしいが、地理的な利点を考えて新設された駅側のバス停のせいで、それはまもなく廃線にされた。  我が校の生徒も、大半がそちらを利用していて、わざわざこちら側に足を運ぶ物好きなど誰も居ない。今も私がひとりベンチに座っているだけで、制服を着た人間はおろか、通行人すら見えなかった。  私は、そこで彼女を待っていた。  時間は放課後を少し回ったぐらいで、季節柄日が落ちるのも早く、夕方ももう終盤を迎えていた。青かった空も、今では赤く焼けている。 「ごめんなさい。待たせちゃって」  と、言いながら駆け寄って来たのは、恋人である田中キリエだった。  いい...
  • 私は人がわからない第十話
    135 名前:私は人がわからない[sage] 投稿日:2013/08/24(土) 14 43 29.34 ID lcwKyq+5 [2/8]  田中キリエの回想(一)  足を引っ掛けられて、私は転んでしまいました。  妙な浮遊感と共に迫ってくる地面に対して、咄嗟に手が出たのは僥倖だったと思います。前みたいに顔から倒れたりしたら、また眼鏡を割ってしまいますから。 「うぐっ」  しかし、枯れ枝のように細い私の腕では転倒の勢いを完全に殺せません。私はしたたかに身体を打ち付けてしまって、苦悶の声を漏らします。  そして、間髪入れずに次が来ました。  突如、背中にかかった強い圧力。唐突な負荷によって、肺にたまっていた空気が一気に抜け出しました。苦しい。どうやら誰かに足で踏まれているみたいです。 「あー、ごめんね。葛籠木さん」  頭上から降ってくる声には、言動とは裏腹に謝罪の念が全く感じられません。...
  • 天使の分け前、悪魔の取り分第一話
    39 名前:天使の分け前、悪魔の取り分 ◆STwbwk2UaU[sage] 投稿日:2011/04/08(金) 01 16 02 ID FRUSX36M [2/29] 「あの蔵には近づいてはいかん。悪魔がおるでな。」 おじいちゃんにそう言われたのに、近づいちゃったのはなんでだろうか。 あまつさえ、かってにカギをあけて、中に入っちゃったのはなんでだろう。 ヒマだったからかな? ぼうけん心がくすぐられたからだろうか? それとも、…さびしかったからかな。 ギギギッときしむドアをあけ、おさけのニオイがたちこめるくらの中で、 ぼくはなぜか一人の女の子と出会った。 そのかみはハチミツみたいな色をしてて、 その目は真夏の空のような真っ青な色で、 そのすがたは、まるでおはなしの国のようにしんじられないほどかわいかった。 「何だ貴様は。誰に断って我の前に立つ。」 声もかわいい。 ――なに言われ...
  • 鬼葬譚 第一章 『緋の詩』 だいにわ
    276 :51 [sage] :2007/02/17(土) 23 03 57 ID wIS6evBI だいにわ ======================== 赤。朱。紅。 私は、朱い色が好き。 あの人と一緒に見た、あの夕日の色。 彼との出会いから、半年ほどの月日がたった。 御館様は私という武力を手に入れたことを皮切りに、周辺諸藩国への侵攻を始めていた。 それは、戦いの日々。 私もまた数多の敵を屠り、多くの戦いで勝利を導いた。 私の刀が一閃する度にそこには屍の山が築かれる。 だが、戦場で戦果をあげ凱旋する私を迎える感情はいつも冷ややかなものであった。 ― あれが人の成す事か ― ― あれではただの殺戮と変わらぬ ― ― 逃げる者さえ切り捨てたと聞く ― ― 外道め ― ― 外道め ― ― 外道め ― 私の耳に、囁かれる陰口が届く。 だか...
  • 晴れのち病み 第二章
    864 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/16(水) 16 39 35 ID /qpAO3LM [6/13] 2  先週は予報の通り、陽光麗らかな日が続いた。風もそれ程強くなく、気温も安定していた。  朗らかであったその陽気を見事に打ち崩したのは、この日の昼過ぎの事である。雲行きが怪しくなってきたと思うや小雨が降り始め、それが少し経つと段々と勢いを増してきて、今では傘無しでは外を歩けない程になっていた。  生徒達の顔色も灰色の空の様にどんよりと落ち込んでおり、さも憂鬱そうである。  「これはまいりましたねぇ」  普段は窓の向こうに見える名峰も降り注ぐ雨にぼかされてしまい、その雄姿は拝めない。  佐原は溜息を吐いた。クラスに広がる陰鬱な空気は、何時も飄々としている彼を以てしても抗えない様だ。  「結構降っている...
  • ドナドナドンナ! 後編
    581 :ドナドナドンナ! 後編 [sage] :2009/03/21(土) 19 53 32 ID xgt+CiJx 流石に二回出せば冷静になる。 俺は幼女に襲われて(どうしょうもない事実だ)そしてお互いに取り返しのつかない事態に陥ってしまった訳で。 急いでひたちを風呂場に連れて行ってナカを掻き出した。 「あっ、やっ…おにぃちゃぁあ…」 「お前こんな時に変な声出すな!」 「だってっ、おにぃちゃんの指がこすって…牛久おにぃちゃんのゆび…」 駄目だこいつ涎垂れてるときは(頭が)イっちまってる。 「小学生孕ませるのは二次元で十分なんだよ、掻き出すんだ!」 「酷いっ!ひたち、おにぃちゃんの子供ならいっぱい産むよ!…おにぃちゃん酷い」 「骨格が未発達なんだから下手したら死ぬんだよ!」 何故ひたちがこんな必死(文字通りだ)になっているのかは理解出来ないが、俺だってそれなりにひた...
  • 真夜中のよづり1
    309 :赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg [sage] :2007/02/04(日) 23 49 20 ID aE+nSUJS  真冬の山の中。俺は榛原よづりと湖面に浮かんだ船の上に居た。 「カズくん……。寒いよう……」 「うるせぇ、湖の中はもっと寒いんだ。これぐらいガマンしろ」  真冬の湖の上は寒い。冷たい風が吹くたびによづりは体をちぢ込ませ、暖をとるように俺に抱きしめる。そんなよづりを俺は片手で抱きかかえ、オールを使いなるべく湖の真ん中へ移動していた。  片方だけでボートをこぐとまっすぐ行くわけはないのだが、ちょうどぴゅるりと吹く風が俺たちの乗ったボートを流し、真ん中へ運んでいる。オールはそれの方向調整に使っているだけだ。  胸によづりのふにゅりとやわらかい感触が押し付けられていた。不健康そうな顔をしているのに、ここだけは健康的に膨らんでいて奇妙だ。  吹く風を背中で受...
  • あなたと握手を 第一話
    769 :あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/01/21(日) 21 16 32 ID Kcf6rTXR 季節は冬。 道場には剣道部員の掛け声と踏み込みの音、面を打つ音が響いている。 その音が一旦止まり、 「籠手打ち、始め!」 部長の掛け声をきっかけに、再び音が道場に響く。 夕方7時、ここ練心館で始まる校外練習は二時間続く。 770 :あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/01/21(日) 21 17 22 ID Kcf6rTXR 練習が終わり着替えを終えて、外で部員全員が出てくるまで待つ。 早く帰りたいが、道場に施錠をして鍵を返すまでは帰るわけにもいかない。 いや、本来はそれすらもしなくていいのだが。 何せ道場の持ち主の娘がここに来ているのだから。 一人を除き部員全員が帰ったことを確認した俺は、...
  • 私は人がわからない第八話
    771 :私は人がわからない:2012/08/07(火) 08 33 29 ID l.6o34l6 [1/11]  ヘビセンと呼ばれるショッピングモールがある。  設立されたのは今から一年前と比較的新しい、大規模な商業施設だ。郊外にある広大な土地を使った複合型のモールで、その規模は非常に大きく、他県から訪れる人も少なくないと聞いている。  元は市主導で自然公園をつくるはずの土地だったらしいが、重役の献金問題等で話がこじれ、結局は頓挫してしまったという背景を持つ。  しかしながら、ここら周辺にも大きな自然公園はあるので、市民としては公園よりもショッピングモールができたほうがありがたかったのかもしれない。  モールの外観は近代ヨーロッパをモチーフにしており、レンガ敷きの遊歩道、ガス灯をイメージした街灯など、精巧な小道具で場を盛り上げている。  そのためか、買い物をせずともぶらぶらと歩いているだ...
  • 初めから 第一話
    205 名前:雌豚のにおい@774人目[] 投稿日:2011/10/29(土) 02 52 53 ID cBJALoeM [2/6] 「これじゃ間に合わないな…」 深夜二時土砂降りの大雨の中、車を飛ばしながら病院へ向かう。 妻の出産が始まったと連絡を受けたからだ。 妻の美代子は、今年で32になる俺より3歳年下だ。 彼女との出会いは4年前、会社の上司からの紹介だった。 当時の俺は、大学時代から付き合っていた彼女とわかれ 仕事が手につかず、情けないさまだった。 それを見かねた上司が彼女を紹介してくれた。 半ばお見合い染みた初対面であったが 互いに良い印象を持ち半年の後、交際に至り 2年後に結婚まで至った。 その後、会社での俺の昇進が決まり、生活にも余裕 ができ始め、念願の女の子を授かった。 今、俺は間違いなく幸せの絶頂にいる。 「急がないとな…」 病院から連絡があったのは、三十分前。...
  • ゆかりの憂鬱な日々第一話
    182 :名無しさん@ピンキー [sage] :2007/05/03(木) 21 54 38 ID IWzlZQOz 「お姉ちゃん♪一緒に学校行こう」 朝の通学路。 私はいつもの可愛らしい命の声に笑顔を返した。幼なじみの命が私の腕に抱きついてくる。高校生にしては小さい背とアンバランスに発育した胸…私よりでかいな… 命の胸は私の腕を挟み柔らかな感触を与えてくる 「命~。恥ずかしいんだけど…」 「なんで~?変なゆかりお姉ちゃん♪」 私達は寮から女子校に通っている。一年前、命が入学して来た時は嬉しかったな。けど… 「それともお姉ちゃん…命がうっとおしくなった?」 私が軽い追憶に浸っていたら、気付かない内に命のテンションが『ヤバイ』方向に… 「命ってウザイ?命の事嫌い?」 「な、何言ってるのよ!私は命が一番好きだよ」 私の言葉を聴くと顔を輝かせ命が喜ぶ 「エ...
  • 晴れのち病み 第一章
    844 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/02/15(火) 23 48 19 ID 8hYHve+I [6/9] 1  節々が白く彩られている空の下、この日は見事なまでに晴天に恵まれ、そよ風になびく洗濯物が純白な輝きを見せていた。  天気予報では好天になるだろうと放送していたが、その気象観測図に映っていたこの地域は雨雲が忍び寄る気配も感じさせず、予報士の言葉を聞くまでもなく明確だった。  週刊予想においても、今週いっぱい晴れだと太鼓判を押す具合で、しばらく傘の必要は無さそうだと思われた。  暦の上では冬の訪れを予見させる風が吹いて来てもおかしくはないのだが、このささやかな風は肌を強張らせる事もなく、道行く学生達の背中を後押しする。紺の制服、髪の毛が揺れるのを彼らは特別気にする事もない。  東浦高校はその名の通り、東に入り江を臨んだ...
  • 新店長でG.O. 第五話
    514 :新店長でG.O.  ◆dkVeUrgrhA [sage] :2007/03/20(火) 00 18 18 ID XjUBHhrl  「ふくちう、でつ!」  和室。座卓にはフルタワーサイズの巨大パソコンが2台・・・1台はRAIDサーバーのようだ。  20インチはある大ディスプレイは贅沢にもSVGA。字が大きくて目には優しそうだ。  部屋には巨大なページプリンターが鎮座。時折紙を吐き出している。  OA用紙が詰まった段ボール箱が積み重なって壁を形成。まるでどっかの会社の事務所である。  唯一、布団とそこにおいてある2、3のぬいぐるみがここの主がどういう人物かを表している。  「復讐とはいうけどね、薫ちゃん」  ここは禾森邸にある薫の部屋。ぬいぐるみがなかったらとても幼稚園児の部屋ではない。  「どうするの?」  この日、休みの耕治とあずさは薫と話し合っていた。 ...
  • 題名のない長編その七第九話
    第九話  自宅謹慎がとけた朝は、清々しい天気であった。  青空。雲ひとつない青空。それがまるで俺の復帰を祝福してくれるかのようだ。  大きく一つのびをして深呼吸。久方ぶりの制服を着て歩く感覚に浮足立ってしまう。  謹慎中の課題は思ったよりも面白かった。今まで苦手と思っていた数学も物理も、わかれば面白い物だ。  ただ一番難しかったのは反省文だった。そもそも反省と言っても何を反省するのかわからなかったからだ。  とりあえず椎名に聞いてみたところそれらしいことを書けばいいんじゃない?と言っていたのでそれらしいことを書いては見た。  僕は友達を怪我させてしまいました。それはとても悪いことです。反省しています。こんな感じだ。  どうみても小学生の作文だが特に反省もしていないので仕方ない。  いつものように後ろをじっとついてくる椎名。  いつものように角から俺に奇襲を仕掛けてくる百乃。  なんて平...
  • 少年 桐島 真司の場合
    638 :少年 桐島 真司の場合 ◆BaopYMYofQ :2010/02/09(火) 17 48 41 ID /cgU9SAg 夏もとうに終わりを告げ、肌寒い空気が徐々に浸透してくる10月の終わり。世間では今宵お化け(の仮装)の行列が街中を横行するらしいが、 僕は新しい本を探しに駅前のショッピング街を訪れていた。 街中を見渡すと、見慣れた顔がちらほらと目につく。カジュアルな装いであったり、はたまた全身黒を基調にしたいわゆるV系に身を包んでいたり、 キャバ嬢よろしく派手に着飾ったりと…その一部が、僕の通う高校の同学年の生徒だったりするわけで。やはり休日は羽目を外したいのだろうか。 かくいう僕はジーンズにTシャツ、パーカーと手抜きな恰好をしている。どうせ誰にも会わないんだし、構わないだろうと思ったのだ。 だがそういう日に限って、顔見知りにエンカウントしてしまうというのは...
  • Tomorrow Never Comes2話「捩れ」
    169 :Tomorrow Never Comes2話「捩れ」 ◆j1vYueMMw6 [sage] :2009/01/21(水) 22 22 18 ID BKFgU1gH 大きな、壁のように圧倒的な何かを見たのを最後に、私の意識は一度途絶えた。 熱さと生臭さで目が覚めた私が最初に見たのは、赤。左頬が赤い何かにぐっちょりと浸かっていた。 鉄のような匂いと生暖かさから、血だと理解するのに、時間はかからなかった。 反射的に退いて、横になった体を起こそうとしたが、体はまったく持ち上がる気配が無い。頭だけでも、と思い動かすと、想像を絶する激痛が顔の右側を襲った。 今の私は、左半身を下にして横になっている。激痛と血を考慮すると、私は怪我をしているのかもしれない。 ただ、起き上がれないのは怪我のせいではないように思える。右側に何かが圧し掛かってきているのを感じているのだが、何故か視界...
  • サッカー部の彼氏
    393 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/04/26(日) 23 13 48 ID NIeS55JI 2年生になってもう1ヶ月… もうすぐゴールデンウイークだね… また同じクラスで本当に嬉しかったよ… 初めて酒井君に会ったのは去年の入学式の時だったね 私初めて酒井君に会った時本当にびっくりしたんだよ 運命の出会いって本当にあるんだなぁって… 教室や廊下で私のことチラチラ見ないでちゃんと話し掛けてくれていいのに… ねぇ酒井君… 私酒井君のこと考えるだけでおっぱいもあそこもすぐに固くなっちゃうし… もうおかしくなりそうだよ… でもね酒井君… いくら照れてるからって阿部さんと仲良くするの私あんまりうれしくないよ… ゴメンね…私がいけないんだよね… 酒井君は私のどこが好きなの…? やっぱりおっぱい…? 他の男子と話している振りをして私にだけ分かるようにメッセージを送ってくれ...
  • 17:00時の女の子 2
    794 名前:17:00時の女の子 2[sage] 投稿日:2011/03/26(土) 10 15 08.71 ID miKa7dF2 [2/6] 「おにいちゃん、あそぼ」 「いいよ、んじゃ入ってくれ」 いつもの時間、いつものチャイム、いつもの女の子 でも、それを迎える側が今日はちょっと違うんだ 「おいおい、お前が言ってた女の子ってその娘か」 「こりゃ、援護のしがいもあるってもんだな」 「…………?」 先に部屋に居座ってる二人の男にミユも動揺を隠せない様子 こいつらは俺の友人の松尾と鈴木。ミユが持ってくるゲームを、大学の頃は授業中でもいっしょにやりまくってたダチ 昨日電話で今回の経緯を話したところ、絶対にパーティ数限界(4人)までそろえたほうが楽しいから、と言って遊びに来た こいつらは俺と同じく卒業単位ギリギリオールCのバカだが、こいつらなりにミユを楽しませてあげようとしている。良い...
  • 三つ子の魂死ぬまで 1話
    421 :三つ子の魂死ぬまで 1話:2014/05/06(火) 15 44 18 ID X7QU90aA 三つ子の魂死ぬまで 1話 ピピピピ ピピピピ 俺は睡眠の終わりを告げる音を消ために、しぶしぶ右腕を挙げようとした。だが、腕は動かず、むにゅぅっとした物にあたった。 「…ぁん、おはようございますお兄様」 「おはよう、麗華(れいか)………って、なんで僕のベッドで寝てるの!?」 確か寝る前までは1人で寝ていたはず。なのになんでいるんだ? 「そんなに驚かれなくても、兄妹が一緒に寝ることなんて常識ですよ」 トントントントントンと階段を誰かがを上ってくる音が聞こえてきた。 まぁ、誰かっていってもうちに住んでる人はあと1人しかいないんだけどねーって一緒に寝てた事がばれたら…… 朝っぱらからやばくなることが目に見えてくる。 「おい、百華(ももか)が起こしに来るから少しの間布団の中に隠れて...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part18-Page4
    801 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/10(金) 00 53 41 ID 3rbgvnB7 自分の過去を誇りに思えるようになったら、さ。 802 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/10(金) 03 00 30 ID j4aiOlCh 790 GJ! お幸せに!おしあわせにぃぃぃ!! すばらしい作品をありがとう! 803 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/10(金) 10 21 41 ID fzJ0BhlG 790 楽しかったぜ、ありがとう。 804 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/10(金) 13 14 09 ID uV+Syx63 326 奇妙な世界に目覚めるといいよ 805 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/10/10(金) ...
  • 天秤
    294 :天秤 [sage] :2007/10/07(日) 00 37 48 ID AreITkIC 真っ暗な闇の中、僕は一人道路を歩く。車も通らず、街頭も着いていない道路をただ歩く。 兄の名を、呼びながら。母の名を、呼びながら。 義母の名を、呼びながら。義姉の名を、呼びながら。 父の名を、呼びながら。あの子の名を、呼びながら。 彼女の名を、呼びながら。 ―――ああ、いつもの夢だ。もう見飽きるほど見た夢。遠い過去と少し先の未来の夢。 うっすらと、少しずつ世界がひらけてくる。現実の暗闇の中、よく知った天井が見えてくる。 視線を左に動かせば、よく知ったクローゼットが見える。 視線を右に動かせば……そこに彼女がいる。 穏やかな吐息と、甘い匂いを感じながら僕は彼女のきれいな髪に指を通す。 整った顔立ち、スレンダーだけど均等の取れたプロポーション、絹のようなやわらかい髪。...
  • 『除夜の鐘に俺は泣く』
    727 名前:『除夜の鐘に俺は泣く』[sage] 投稿日:2014/12/31(水) 19 14 54 ID Mfjax4wo [2/7] ゴーン♪ ???「お、鳴り始めた。」 俺の名は、平田 しがない高校三年生さ 今年は、受験もありかなり大変だったがなんとか幼なじみの音無と佐久間と、同じ大学に合格した いや~つらかったの何のって ゴーン♪ 平田「82~」 ゴーン♪ 平田「83~」 83を数えた時!眩しい光が俺の部屋いっぱいに包んだ 平田「おわぁ!」 ???「驚かせてすまん!!急をよおしたんだ!」 目の前に、頬は痩せこけ目の下に隈が出来た男がいた 平田「誰だあんた?!」 平田1「今から、10年後おまえだ!」 平田「は」 平田1「次にお前は、【んな、馬鹿なことはない】という」 平田「んな、馬鹿なことはない」ハッ 平田1「信じたかな?なんだったら、俺しか知...
  • 幼馴染と俺
    356 名前:幼馴染と俺[] 投稿日:2013/02/01(金) 21 36 17 ID nylPaVjw [2/3] ~過去~ 一般家庭の普通のリビング、そこに二つの影 「大きくなってもずっと一緒だよ」 「うふふ!嬉しい、忘れない!!ずっと一緒!!絶対に約束守ってね、たっくん!」 「約束!指切りだよ~♪」 どこにでもある普通の風景 それが、、との最後の約束、俺はその約束をただ軽く感じていた… ~今~ 窓から差す朝日、まだ誰も来ていない静寂の教室は不思議でドキドキした。 だが、一番のドキドキは… 「先輩…私と付き合ってくださぃ…!」 「はい、よろしくお願いします」 「…え、あ、ありがとうございます!!先輩…!」 「拓也でいいよ。」 俺の名前は梶拓也(かじたくや)高二だ。 成績も普通、身長も顔も普通、なんの取り柄もないどこにでもいるであろう高校生だ。 「た、拓也……先輩…」 「ゆっくりで...
  • 彼女の異常な愛情
    715 :彼女の異常な愛情 [sage] :2007/09/11(火) 04 13 19 ID GIgzSs4/ ――この世界は狂ってる そう確信したのはいつだったか。まだ毛も生えてない頃だったかな。 もちろん、下の毛だぜ?HAHAHA……おっと、のっけからこんなこと言って驚かせちまったか? 引かないでくれよ?…悪い悪い、自己紹介もまだ済んでないっていうのにな。 まずは俺のことを知ってもらうか。 俺は九条了輔。現役高校生、ぴっちぴっちの青春真っ盛りさ! 趣味はエロゲの根っからのオタク。特に好きなエロゲはそれちるだ。いやぁ、それちるはいいねえ…リリンの生み出した文化の極みだよ…。 それちるのポイントはな…え?んなこと聞いてないって?ちっ、いいじゃねえか、全く。忍耐が足りないぜ、忍耐が。 そんなことはいいからとっとと話せって?わかったわかった。話してやるよ。俺がこの世界...
  • 嵩田部直人の愚痴
    47 :嵩田部直人の愚痴 [sage] :2009/02/10(火) 13 02 39 ID LcrQ6Hoc  部屋を見渡せば生活感が全く無いな、と常々思う。物が少なすぎる。 「中途半端に物を置いてると、どうしても汚しちゃうでしょ? だから、きっちりし過ぎればその部屋の景観を潰してしまわないように誰だって注意するわ」 と、僕の十年来の友人、相坂友恵は言うのだ。 それにしても少なすぎる。教室ぐらい広いリビングに、指を折ってでも数えられるぐらいにしか家財道具がないのだ。 ちなみに内訳はこんな感じ、テレビ・テーブル・ソファー。他の調度品はと聞かれたら、無数にある収納ダンスを指で指しざるをえない。 大型スーパーから大量に仕入れてきたプラスチックのケースに小まめに分類分けがされている。 「ちょっとぐらい汚れていた方がいいんじゃないの」と僕は言うのだが、彼女の価値観は違うらしい。 汚...
  • 天使のような悪魔たち 第27話
    457 名前: ◆UDPETPayJA[] 投稿日:2013/04/23(火) 19 13 27 ID Npcaivzg [2/8] ………あれから、どれくらいの時間が経っただろうか。 手足を拘束され、俺と″アイツ″しかいないこの空間で、俺は何度、身体をアイツに喰われたのだろうか。 …わからない。とにかく、もう嫌だ。 思い出せない。思い出したくもない。気持ち悪い。アイツの手が、声が、吐息が、肌が─── 何もかもが結意と違う、アイツの全てが、気持ち悪い。 振り解こうにも、俺の四肢は力を込められないでいる。 左腕に感じる、鈍い痛み。アイツはそこから、何かヘンなモノを打っていたような気がする。 部屋は薄暗く、カーテンも閉まっている。どこに何があるのか、首だけしか動かせられない状態でわかるはずもない。 コンコン、と何か音がしたと思うと、ドアが開かれたようで、僅かな光が差す。 …それもほんの一瞬の...
  • あなたと握手を 第三話
    793 :あなたと握手を ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/01/22(月) 22 48 40 ID sVWolwVr 大河内の自宅の周りには塀が建てられている。 自宅の敷地内にも道場が建てられているらしく、次の曲がり角までその塀は続いている。 塀に沿って歩きながら、別れ際に大河内の言った言葉を思い出す。 「決戦は月曜日ね・・・」 その言葉はおそらく、『交際の申し込みを月曜日にする』ということだろう。 確信は持てないが、なんとなくそんな気がする。 大河内が俺に対して好意を持っていることは薄々感づいていた。 『練習のあとに一緒に帰ってほしい』と頼み込んできただけだったら、自分の勘違いだと思っていただろう。 しかし大河内はいろいろな面で俺に関わろうとしてきた。 ときどきではあるが俺に弁当を作ってきてくれたこと。 メールアドレスを交換してから毎朝おは...
  • 第十九話『イロリ日記』
    445 :ワイヤード 第十九話  ◆.DrVLAlxBI [sage] :2009/01/30(金) 09 15 36 ID vbnov0E+ 第十九話『イロリ日記』 高崎は、あるアパートの『西又』という表札が掲げられた一室の前にいた。 (鷹野氏の学友に、一人不可解な経歴を持つものがいた) それが、『西又イロリ』。先ほど高崎は主人のもとにゲームのデータを渡しに行ったが、その際に主人と一緒にいたのも、その人物だった。 本来カナメに指示されたのは鷹野千歳のデータだったが、高崎は長年裏社会で働いてきた中で養った感覚に、何かひっかかるものを感じていた。 この西又イロリという人物のデータはほとんどが闇につつまれている。 先ほどにも述べたように主人に指示された範囲では不必要な人物でもあるのだが、高崎にとってはもはやそうではなかった。 ――あの女には、何らかの邪悪がある。 高崎が初め...
  • Hi! JACK!! ep.00
    90 : Hi! JACK!! ep.00 ◆ s6tsSccgEU    2010/08/19(木) 21 42 41   ID AnxQDhIY0  ピンチである。いわゆる生命の危機とかなんとかってのだと思う。  僕は生れて十八年、拳銃なんか見たことなかったし、ましてその口が自分に向けられるなんて考えてみたことすらなかった。  それが、である。生れて十八年と一日が経って、僕はめでたく本物の拳銃を見ることができ、 一瞬ではあるけれどその銃口が自分に向けられるという事態まで一気に経験することができた。  これで発砲シーンまで見ることができた日にはパンチアウト、ともすると人生がゲームオーバーになりかねない。  そんなぼくらの文字通り命がけのゲームが行われているステージはどこか。  答えはバスの車内である――そう、バスジャックだ。...
  • 群青が染まる 06
    367 :群青が染まる 06 ◆ci6GRnf0Mo [sage] :2010/04/17(土) 17 43 12 ID cs8XlKqo  そこにいたのはしわがある顔をさらにしわだらけにした微笑みを浮かべたま まの、生気の感じられない老人。 「私の名など、どうでもいいことです……」  生気がないというより、存在そのものが希薄だった。 「それより、上手くこの部屋に来ていただけて本当によかった」  それが生きた人間ではないと感じられても、その温和な表情から怖いという 感情には決して行き着かなかった。  そんな老人が急かすように手を軽く持ち上げた、 「言わなければいけないことは一…っ!」  瞬間、屋敷が、世界が崩壊を告げるかの如く大きく左右に傾き、そして上下 に局地的な地震が起こったのではと思うほどに震え、揺れた。 「なっ……?!」  部屋内の本棚が、机が倒れていく。本が書類を巻き込んで荒...
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