ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話」で検索した結果

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  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話
    92 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA :2010/10/31(日) 20 38 46 ID DPPMAttU 第十七話『夏祭りと明暗』 凱旋したブリュンヒルドは、都中からの万雷の拍手と歓声で迎えられた。 満面の笑みを民達に振りまきながら、ブリュンヒルドは入廷した。 しかしどういう訳か、その笑顔はすぐに消えてしまった。 王より直々の褒詞を受けたというのに、ブリュンヒルドはまったく喜ぶ様を見せず、 ただ静かに受け答えをするだけだった。退廷してからもブリュンヒルドは、 文武百官達からの祝辞に耳を傾けず、憮然とした表情を浮かべながら歩き去ってしまった。 百官達は皆、ブリュンヒルドの機嫌の悪さの原因がなんなのか分からなかった。 ブリュンヒルドが向かった先は、シグナムの執務室である。 ノックする事なく扉を開けたブリュンヒルドは、書類に目を通して...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に
    ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第一話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第二話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第三話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第四話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第五話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第六話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第七話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第八話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第九話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十一話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十二話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十三話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十四話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十五話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十六話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十八話 ドラゴン・ファンタジーのなく...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第七話
    531 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第七話 ◆AW8HpW0FVA :2010/01/27(水) 21 03 46 ID xOTG8Ul9 第七話『トラウマ』 シグナムは懐かしい場所にいた。 ファーヴニル城の中庭。 無駄に広かったことから、通称『ゼノンの中庭』と呼ばれていた場所だ。 そんな場所に、シグナムは立っていた。 「あぁ……、これは夢だな」 シグナムはすぐにそう断定した。 先程まで自分はニプルヘイムのアンブロシア山にいたはずである。 一瞬でそこからファーヴニル城に戻れるはずもない。 「確か、シグルドの性能を確かめた後、新技の研究をして、それから……」 なにかとんでもない目にあった様な気もするが、そこから先は思い出せなかった。 ふと、背後で硬いものが打ち合う音が聞こえたので、シグナムは振り返った。 そこにいたのは、二人の小...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十話
    429 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十話 ◆AW8HpW0FVA :2010/05/23(日) 22 41 27 ID Z9+/ToUj 第十話『西方へ』 ニプルヘイムに向かうための難所は、出る時も難所である。 シグナムにとって、半月も山越えに時間を費やす暇はなかった。 正直な所、別なルートを模索したかったが、ニプルヘイムの周辺は、 アムリタ、ソーマ、ネクタル、アンブロシアの四山以外は未開と言ってよく、 下手に踏み込めば二度と出てこれないという有様であり、 ならば川を下るならばどうかというと、切り立った渓谷の間を流れる凄まじい激流が、 いかなる船も沈めてしまうので、これもまた行うのは至難である。 結局は、北方三山を越えなければ、外に出れないというなんとも不便なものだった。 復路の最初のネクタル山を、シグナムとブリュンヒルドは無言のまま歩いていた。 シグナムの...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十八話
    373 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十八話 ◆AW8HpW0FVA :2010/12/26(日) 20 54 18 ID Xac2tW7W 第十八話『ワールシュタット』 ブリュンヒルドが朝早くに出て行ったのを確認したシグナムは、昼頃になってから出立した。 出立する前に、オゴタイ王から二頭の駿馬を貰い、その馬で以って平原を駆け抜けた。 乗っている馬が疲れ始めたら、併走している馬に乗り代える。 高等技術であるが、シグナムには大した事ではなかった。 六日後にはエトナに到着し、そのまま船に乗り、サヴァンに向かった。 サヴァンまでは、一月程の船旅である。 ブリュンヒルドのいない一月は、シグナムにとって心休まる日々だった。 初めて西方大陸に向かった時の様なピリピリとした空気は感じられず、 ただ徒然なるままに釣りをしたり、賭け事などをして時間を潰した。 予定通り一月もする...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十二話
    232 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十二話 ◆AW8HpW0FVA :2010/07/16(金) 20 01 43 ID WbSBxrpW 第十二話『東方の小覇王』 エトナの町に凱旋した時、シグナムは町中の賞賛に包まれた。 女達を救い出しただけでなく、憎き山賊達を皆殺しにしたのだ。 町人達は溜飲が下がった思いだったのだろう。唯一の心残りとしては、火計を行なう上で、 集められた金目の物を回収する事が出来なかった事だが、その辺りは責められなかった。 とにかく、シグナムは町民達の期待に十二分に応え、町民の人身掌握は成功した。 それを実感したシグナムは、町民達に目を向け、 「喜ぶのはまだ早いです。山賊を滅ぼしたとはいえ、それはその他大勢の内の一部に過ぎません。 これから先も、この町には山賊だけでなく、群盗、海賊などがやってくるでしょう。 どうか皆さん、我こそはという人...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十一話
    192 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十一話 ◆AW8HpW0FVA :2010/06/10(木) 23 44 39 ID XyGZt+cK 第十一話『西方擾乱して、異人勇往邁進する』 まるで幽霊の世界だな。 それが西大陸の玄関口エトナに着いたシグナムの正直な感想だった。 交易などで活発であるはずの港は沈黙し、 時折すれ違う人は悉く俯いて、その瞳には光がなかった。 それは、まさしく生きる事に絶望した者達がする目であった。 事前に情報を集めてはいたが、ここまで酷いとは想像も出来なかった。 しばらく港を見つめていたシグナムは、ここにいても意味がない事を悟り、町に向かう事にした。 町に入ってみて、シグナムはサヴァンでの情報が、 いかに楽観に満ちたものであったかを思い知った。 町中の壁という壁は崩れ落ち、家という家は焼け崩れ、 路地という路地には埋めきれない死体で溢...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十九話
    78 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十九話 ◆AW8HpW0FVA :2011/01/05(水) 19 55 37 ID VAiLZtsu 第十九話『予兆』 ワールシュタットにてアルダー率いる軍が大敗した頃、 シグナムとブリュンヒルドは船に乗り、大洋の上に浮かんでいた。 船に乗り込んでから、シグナムは気が抜けたのか、亡霊の様な表情で、ベッドに横になっていた。 虚空になにかを呟き、差し出される食事にも手を出さず、それはあたかも廃人の様だった。 三日間もその様な事が続いた。 「シグナム様、お願いですから一口だけでも食べてください。このままでは衰弱する一方です」 今までなにも言わなかったブリュンヒルドが、ついに口を出した。 その顔には憂色が浮かんでいた。 ブリュンヒルドを見たシグナムは目に見えて怯えた表情になった。両手を頭に置き、縮こまった。 「シグナム様、どうした...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十三話
    39   名前:  ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十三話 ◆ AW8HpW0FVA   2010/08/02(月) 01 04 34   ID qlPYhIj20 第十三話『ピドナ侵攻』 バトゥの従属により、シグナム軍の経略の幅が広まった。 バトゥの騎馬隊は、兵力は千と少ないが、圧倒的な機動力と精強さを誇り、 一介の馬賊ではなく、十分に軍として機能する、とシグナムは見た。 しばらくの間、シグナムはバトゥと騎馬隊を麾下に置き、反抗勢力を討伐していった。 バトゥの活躍は凄まじく、流石は馬賊の頭領をやるだけあり兵法は多少心得ている様だった。 それでも物足りなかったシグナムは、幕下では兵法を説き、 戦中は、机上の兵法と実戦の矛盾について教えた。バトゥはこれ等を真綿の様に吸収した。 ことさら、シグナムと兵法談...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十五話
    105 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十五話 ◆AW8HpW0FVA :2010/10/03(日) 18 33 13 ID TDSsLryv 第十五話『エロスの弓矢』 ピドナに帰還してから、数日が経った。 ブリュンヒルドは未だに各地を転戦しており、ここにはいない。 そんな中、シグナムはバトゥとハイドゥを自分の執務室に呼び寄せた。 だというのに、その中にハイドゥはいない。呼びに行ったが、不在だったのだ。 まぁ、いいか、とシグナムは思い、やって来たバトゥに向かって、 「バトゥ、お前は妻帯をしていたり、思い人がいたりするか?」 と、切り出した。あんぐりと口を開けているバトゥを尻目に、シグナムは、 「いないのなら、お前には結婚をしてもらいたい」 と、言った。 そんな大した事を言ったつもりはないのに、バトゥは顔を赤くし、激しく動揺していた。 ...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十四話
    145 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十四話 ◆AW8HpW0FVA :2010/09/15(水) 19 37 25 ID IGAMPonY 第十四話『西方の統一』 ピドナを攻略したシグナムは、そこから軍を動かさず、今後の統治について話し合った。 これは、勢力の拡大により、今までの統治方法に限界が来てしまい、 新たな政策を模索せざるを得なくなったからである。 火急の問題として上がったのは、占領地の統治についてと、流民の救済についての二つだった。 話し合いの結果、占領地統治については、シグナムが土地を郡と県に区分し、 郡には守、県には令を派遣し、支配させる、所謂、郡県制を提唱し、それを実施する事になった。 この制度により、政府の命令がスムーズに行き渡るだけでなく、 さらに君主が役人を選んで派遣するので、君主権力の強化にも役立った。 次に、流民の救済に関しては、トゥ...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十六話
    242 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十六話 ◆AW8HpW0FVA :2010/10/10(日) 18 46 45 ID mNhTWqXt 第十六話『レッド・ホット・サマーデイズ』 馬車に乗っているシグナムの表情はげんなりとしている。 バトゥの腕に抱き着いて離れないヘカテが目に入るからである。 特にヘカテは、バトゥと目が合うと問答無用でキスしようとするのだから堪ったものではない。 バトゥも何度か目でこちらに合図を送ってくるのだが、シグナムにはどうしようもない。 ここに自分がいなければ、ディープな奴になるのではないかと思ったが、 いてもいなくても、それはまったく関係のないものらしく、 目の前では口付けてちゅぷちゅぷと音を立てている二人の図がありありと広がっている。 というか、実はこれでも遠慮していて、 自分がいなくなったら、さらに凄い事で...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 【第十七話】
    60 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十七話】  ◆AJg91T1vXs [sage] :2011/02/03(木) 01 35 20 ID 3nsdqCoA  ジャンが宿場に着いたとき、そこには客の姿は見当たらなかった。  それは一階の酒場も同じであり、建物の中は不気味な程に静まり返っている。  あの、小さいながらも活気のある声が飛び交っていた様子からは想像もできないくらいに、今の宿場は閑散とした状態だった。  リディの話によれば、今は宿場に泊まっている客もいないとのことだった。  疫病のせいで客足もぱったり途絶えてしまい、下の酒場も店を閉じている。  酒場の店主とその妻も、しばらくは自分たちの実家に戻っているようだった。 「あ、あのさ……リディ……」  お茶を持ってやってきたリディに、たまらずジャンは話しかけた。  別に話したいことがあるわけではなかったが、あ...
  • ラ・フェ・アンサングランテ
    ラ・フェ・アンサングランテ 第一話 ラ・フェ・アンサングランテ 第二話 ラ・フェ・アンサングランテ 第三話 ラ・フェ・アンサングランテ 第四話 ラ・フェ・アンサングランテ 第五話 ラ・フェ・アンサングランテ 第六話 ラ・フェ・アンサングランテ 第七話 ラ・フェ・アンサングランテ 第八話 ラ・フェ・アンサングランテ 第九話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十一話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十二話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十三話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十四話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十五話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十六話 ラ・フェ・アンサングランテ 【第十七話
  • ワイヤード
    第一話『コントラクター・再会』 第二話『ナイトメア・侵食』 第三話『深紅・猛攻』 第四話『二人の景色・融和』 第五話『百歌・兆候』 第六話『ダイヤモンド・発光』 第七話『ファーストバトル・開催』 第八話『ロールアウト・鉄槌』 第九話『獣のアギト・解放』 第十話『ロストマイセルフ・喪失』 第十一話『ちょっとした休息と・推測』 第十二話『きみの散歩道・憫笑』 第十三話『ネクストステージ・始動』 キャラ紹介 幕間『少女の祈り』 第十四話『存在に心奪われる時』 第十五話『カナメ様の憂鬱』 第十六話『イロリ汚いなさすがイロリ汚い』 第十七話『遥か久遠の彼方に・前編』 第十八話『遥か久遠の彼方に・後編』 第十九話『イロリ日記』 第二十話『千歳の選択』 ナギ編
  • 第十七話『遥か久遠の彼方に・前編』
    299 :ワイヤード 第十七話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2009/01/24(土) 23 51 27 ID PqgTn3fx 第十七話『遥か久遠の彼方に・前編』 この山は久遠の家、九音寺家の持ち物である。 それだけではない。この山のふもとにある千歳たちの通う私立高校も、もとを辿れば九音時家が出資して作られたものだ。 今は経営者が変わっているが、この辺りの地域を切り開いて活気付けたのは、九音寺家の功績だった。 故に、彼らの権力は強く、商店街などはいまだ主導権を握っている。 ヤクザというとあまり聞こえがよろしくないが、彼らは進んで汚いことに手を染めたりはしないし、人道に外れた行いもしない。 彼らは、カタギの人々が思っている以上に暗黒に包まれているこの日本の裏社会の波から、街を守っているのである。 さて、今千歳と久遠が入ったこの小屋は『旧九音寺跡』と呼ばれる場所...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第七話
    599 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第七話】   ◆AJg91T1vXs :2010/11/29(月) 07 28 42 ID 26hAdXll  屋敷の外から聞こえる雨音と、衣服を脱ぐ音だけが部屋に響く。  呆気にとられるジャンを他所に、クロードは次々と着ている服を脱ぎ、椅子にかけてゆく。  胸元に巻きつけていた晒のような布もとり、最後は下着さえも脱ぎ去って、一糸まとわぬ姿となる。 「あ、あの……」  突然のクロードの奇行に、ジャンは言葉を失って立ちつくすしかなかった。  だが、彼が言葉を失ったのは、何もその行動に対してだけではない。  自室に客人を連れ込んで、前置きもなしに衣服を脱ぎ去る。  知らない者が聞いたら変な誤解を生みそうな行為だが、それ以上に、ジャンは衣服の下から現れたクロードの身体に釘付けとなった。  ルネほどで...
  • 題名のない長編その七
    題名のない長編その七第一話 題名のない長編その七第二話 題名のない長編その七第三話 題名のない長編その七第四話 題名のない長編その七第五話 題名のない長編その七第六話 題名のない長編その七第七話 題名のない長編その七第八話 題名のない長編その七第九話 題名のない長編その七第十話 題名のない長編その七第十一話 題名のない長編その七第十二話 題名のない長編その七第十三話 題名のない長編その七第十四話 題名のない長編その七第十五話 題名のない長編その七第十六話 題名のない長編その七最終話
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十二話
    92 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十二話】  ◆AJg91T1vXs :2011/01/06(木) 01 19 05 ID f6PLVhrx  早朝であるにも関わらず、その日、ジャンは既にテオドール伯の屋敷の前にいた。  昨日の晩にルネから頼まれたささやかな願い。  それを叶えるためである。 「お待たせしました、ジャン」  伯爵とクロードに連れられて、屋敷の中からルネが姿を現した。  いつも以上に黒いドレスに身を包み、頭にも黒い帽子を被っている。  目元は黒いレースで覆われて、その上日傘まで差していた。  太陽の下をまともに歩けないルネにとっては、これ以上にない重装備ということになる。  昨晩、ルネがジャンに頼んだこと。  それは、身体の弱い自分に同行し、一緒に街まで行って欲しいとのことだった。  別に街に出かけて何をするわけでもないのだが、なにしろ、今まで...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十五話
    410 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十五話】  ◆AJg91T1vXs :2011/01/21(金) 23 58 26 ID QB6qlEts  ジャンが目を覚ましたのは、太陽が既に東の空から顔を出している時刻だった。  ベッドの脇に置いておいた懐中時計を開けると、その短針は八の数字を指している。  さすがに、少し寝過ぎたか。  そう思って隣に目をやると、そこには未だ小さな寝息を立てて眠っているルネの姿があった。  時に気丈な一面を見せながらも、寝顔だけ見ればあどけない少女のままである。  眠りながらも幸せそうに微笑んでいるところを見ると、昨晩のジャンとの行為を夢にでも見ているのだろうか。  隣で寝ているルネを起こさないように気をつけながら、ジャンはそっと身体を起こした。  すると、そのままベッドから離れようと彼の腕を、細く小さい何かが...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十三話
    名前:ラ・フェ・アンサングランテ 【第十三話】  ◆AJg91T1vXs [sage] 投稿日:2011/01/10(月) 22 13 30 ID amJrtyAU [2/11]  薄暗い地下の一室で、ジャンは様々な実験器具の並べられた机の前にいた。  今朝、街で見たルネの笑顔。  彼女があんな顔を見せたのは、実に久しぶりのことだった。  ジャンがルネの身体の治療法を探し始めたのは、彼女に対する贖罪の意味が強い。  少なくとも、今まではそうだった。  だが、今日のことではっきりとわかった。  ルネは、贖罪など求めていない。  自分勝手な理屈かもしれないと思ったが、それでもジャンは、むしろ今までの行いの方がルネを寂しがらせていたのではないかと考えた。  ルネはただ、偽りのない自分の姿を受け入れてくれる人が欲しかっただけなのだろう。  養父にさえも己...
  • 第七話『ファーストバトル・開催』
    59 :ワイヤード 第七話  ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/13(月) 11 58 43 ID M7IGTwYl 第七話『ファーストバトル・開催』 「なんか、今日は身体だるいんだよなぁ」 「ん、昨日なんかあったの? オナニー八回くらいしたとか?」 「いや、彦馬じゃあるまいし」 「失礼な! 僕は仮にも紳士、一日一回に全てを懸ける!」 学校に行くと、いつもの風景があった。ナギと千歳を出迎える彦馬、各々好き勝手している楽しいクラスメイト達。 だが、同時にいつもと違うものもあった。 「みんなおはよー! そこの君も、あなたも、おはよー!」 元気良く全員に挨拶している女、イロリ。 千歳がナギを迎えに行ったとき、一緒に寝ていたから驚きだった。いつの間に仲良くなったんだ。 ナギに聞くと、「知らん」といってそっぽをむいた。 イロリに聞くと、「へへー、ちーち...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十四話
    348 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十四話】  ◆AJg91T1vXs :2011/01/17(月) 09 58 28 ID WX6p2kPN  丘の上を包む静寂が、夜の帳が降りたことを告げている。  満月の薄明かりに照らされた屋敷の一室で、ジャンとルネは互いの身体を重ねていた。 「んっ……ちゅっ……はぁ……」  唇と唇が触れ合い、二人の舌が別の生き物であるかのようにして相手を求める。  ジャンの舌がルネの口に入り込み、不器用ながらもルネが懸命にそれに応える。  今、二人がいる場所は、他でもないルネの部屋にあるベッドの上だ。  互いに一糸纏わぬ姿のまま、その腕を相手の背に絡ませて抱き合っていた。 「ふぅ……」  ジャンがルネの唇から離れたとき、唾液が音を立てながら糸を引いて伸びた。  目の前では、ルネが名残惜しそうな...
  • 題名のない長編その七第十四話
    第十四話  あの日から俺達の中で何かが変わるということは別段なかった。  相変わらず俺は修練ばかりで、椎名は俺をずっと後ろから眺め続けている。  ただ俺は、微かに違和感を覚えていたのは確かな話だった。  感覚を研ぎ澄ましてみると、いつでも誰かに見られている感覚を覚える。  その視線の先はあやふやだけれども、ほぼいつでも存在した。  敵意も殺意も存在しない、ただ俺を見つめているだけの気分が悪くなる視線。  バイトの時も、修練の時も、授業の合間の休憩のときも。  それが俺の神経を蝕むことはない。ただ、不愉快さは募るばかりだった。  なぜ俺を監視するのか、なんの目的があるのか。何も分からない視線。 「視線?」  つい、昼飯時に愚痴ともとれる言葉をいつもの面々に零してしまった。  椎名は首を傾げ、先輩は相変わらずニコニコと。百乃に至っては耳を小指で穿っている。 「何?自意識過剰なんじゃな...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十一話
    339 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十一話】  ◆AJg91T1vXs :2010/12/24(金) 00 47 51 ID g6UM6UEf  薄暮の迫る時分、ジャンはいつもの如く馬車に揺られながら、自分の寝泊まりしている宿場へと戻ってきた。  街の空気は相変わらずで、冷たい風が路傍を吹き抜ける音がする。  この地方を包む冬の寒さはジャンも十分に理解していたが、街を覆う空気が嫌に冷たく感じるのは、季節のせいだけではないだろう。  この街は、自分の家族を追い出した街だ。  そこに留まることが決して望ましいことでないというのは、当然のことながらジャンにもわかっていた。  だが、ここで全てを投げ出して、ルネに何の贖罪の意思も示さないというのは気が引けた。 「つきましたよ、ジャン様。  しかし……今日は、本当に驚きましたよ。  まさかジャン様が...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十話
    253 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十話】   ◆AJg91T1vXs :2010/12/20(月) 00 57 10 ID dWxH0GEx  街を吹き抜ける風が、宿場の窓を叩いていた。  霙はいつしか雨に変わり、夜の世界を容赦なく冷やして行く。  三階に与えられた自分の部屋で、ジャンはその日、一日の間にあったことを再び思い出していた。  光のない、淀んだ瞳を携えて、人が変わったように血を求めてきたルネ。  そして、先ほどの浴室で、こちらを誘うようにして近づいてきたリディ。  自分の周りで、何かが狂い出している。  それが何なのかはわからないが、ジャンにはそうとしか思えない。  ルネも、リディも、その行いは悪戯と言うにしてはあまりに酷い。  なにより、彼女達が自分に悪戯を仕掛けて来る理由がない。  いったい、あれは何だっ...
  • 題名のない長編その七第十二話
    第十二話 「そんなこんなで放課後だよ!」 「だから誰に言ってるんだ?」  騒ぐ太めの友人1を尻目に、鞄に物を詰め込んでいく。  思ったよりも相手は狡猾な連中なのか、人目があるところでは俺に手出しはしないようだ。  その判断は間違っていない。後ろめたいことをするならばあくまでも陰でやらなければ意味がない。  謹慎がとけて一週間。初日の手紙以降敵意というのは目立って表れていない。  ただ気になるのが、教室にいる人間が少しずつ減っていることだった。  3人の女子。顔も名前も覚えていないが、ここ最近ずっと休んでいる。  なぜ気になるかを問われれば困ってしまうが、俺への敵意と関係があるのではと勘ぐってしまう。  椎名も休みとなれば一緒に帰る人間もいない。バイトも今日は入れていない。  ならば一日中修練出来るわけだが、それよりも気になることがあった。  それは例の色男……名前は……桂五郎だっけ...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十一話
    名前:ラ・フェ・アンサングランテ 【第十一話】  ◆AJg91T1vXs [sage] 投稿日:2010/12/24(金) 00 47 51 ID g6UM6UEf [2/12]  薄暮の迫る時分、ジャンはいつもの如く馬車に揺られながら、自分の寝泊まりしている宿場へと戻ってきた。  街の空気は相変わらずで、冷たい風が路傍を吹き抜ける音がする。  この地方を包む冬の寒さはジャンも十分に理解していたが、街を覆う空気が嫌に冷たく感じるのは、季節のせいだけではないだろう。  この街は、自分の家族を追い出した街だ。  そこに留まることが決して望ましいことでないというのは、当然のことながらジャンにもわかっていた。  だが、ここで全てを投げ出して、ルネに何の贖罪の意思も示さないというのは気が引けた。 「つきましたよ、ジャン様。  しかし……今日は、本当に驚きましたよ。  ま...
  • 題名のない長編その七第十五話
    第十五話 「そんなこんなで放課後だよ。」 「ああ。」  誰に向かって叫んでいるか分からない太めの友人1の言葉に頷いて、教室を出る。  ポケットに手を突っ込んで、嫌に軽い財布を取り出して中身を眺める。  残金1500円。  ……小学生の小遣いでももう少し多いのではないだろうかという惨状である。  同時に腕時計を見れば20日。給料日の25日まではあと5日もあるという訳だ。  1日300円。バイトの賄いを考えてあるからその日はガッツリ食べられる。  ちなみに野菜炒め定食は450円だ。量の割にリーズナブルで気に入っている。  学食で一番安いのはすうどん。150円だ。  つまりこれから毎日昼飯はすうどん。夕飯は抜くという生活をすれば実に750円で過ごせるという訳だ。  ……嫌になる。飽食の日本に生れ、育ってきた高校生が食という面で追い詰められるとは思わなかった。  溜息と同時にお腹が悲鳴を上...
  • 題名のない長編その七第十話
    第十話 「そんなこんなで昼休みだよ!」 「だから誰に言ってるんだ。」  太めの友人1に突っ込みを入れながら立ち上がると、鞄を持ったまま食堂に向かう。  これほどまでに挑発行為をしたのだ。どう考えても報復行為があるに違いない。  そうなればこっちのもの。クラスの連中から犯人を聞き出して脅せばいい。  報復には更なる報復を。血の制裁を。  義侠に背く人間は悉くが最後は無残な死を遂げたことを、その身に刻みこんでやる。  くくく、と笑いそうになりながらもやはり野菜炒め定食に感謝の祈りを捧げてから食べ始める。 「ここよろしいですか?」 「どぞ。」  顔をあげずに答えると、前に座った人は上品に食べ始める。  そこでようやっと顔をあげれば、いつもの先輩であった。 「食堂多いですね。」 「貴方の前に座れば自然に久住さんとも食べられますから。」  まるで俺の価値はその一点のみだ、と言われ...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十六話
    521 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十六話】  ◆AJg91T1vXs :2011/01/28(金) 00 30 05 ID IV/TJIB5  人気の少ない裏通りの一角に、その古びた酒場はあった。  街外れの酒場の中でも一際古く、また治安の悪いことでも有名な場所だ。  酒場の中では男達が、めいめいに酒を飲んでいる。  どの者の顔を見ても、過去に何かしらの悪事をしでかしてきたであろう、強面の連中しかその場にはいない。  女もいるにはいるが、派手な化粧をして男に色目を使っているような者ばかりだ。  中には娼婦と思しき者も混ざっており、露骨に男の股間にあるものを撫でたり、その腕に抱きついて甘い声を出していたりした。  汗と油と酒の匂い。  それらが混ざり合い、酒場の中には独特のきつい臭気が溢れている。  慣れた者でなければ、こんな場所ではまと...
  • 題名のない長編その七第七話
    第七話  学校に行かなくなれば、必然的に増えるのは修練と自習の時間だった。  1日目の朝に担任が持ってきた大量のプリントは課題というものらしい。  こちらの顔色を窺う担任に無言で会釈して追い出し、課題を始める。  担任が出ていくのを確認すると時計を確かめ、すぐにプリントに取りかかる。  自宅謹慎の場合朝担任が来て課題を渡し、放課後その課題をまた取りに来る。  つまり早くこなせばこなすほど他の時間に充てられるというわけだ。  あの杓子定規な担任のことだ。1分1秒たりと間違えずに俺の家に来るだろう。  だからその時間をチェックするために今日は大人しくしている必要があった。  朝は5時に起きると部屋の中で出来る修練のみをこなしていく。  室内で震脚なんて練習したら床に穴があいてしまうので、出来ることといえば圧腿と呼吸法くらいのものだ。  それ以外にはスペースも足りないし、思いきり打ち込めない...
  • 題名のない長編その七第十六話
    第十六話  どうしてこうなったのだろう。  椎名達と別れて心行くまで夕方の修練をして、何も食べずに布団に入って眠った。  ここまでは何の問題もなかった。  なのになぜ俺は縛りつけられているのだろうか。 「……っ」  猿轡、目隠し。それに椅子に座らさせられ、後ろ手と両足を縛られた状態。  もしも俺が通常とは異なった性癖の持ち主で知らぬ知らぬ間に自虐行為に走ったならまだ分かる。  だが俺にはそんな趣味はないと胸を張って云えるし、少なくとも夢遊病の類は持ち合わせていない。  ならば俺を縛り付けた犯人がいるはずである。  俺を縛り上げて得する人間がいるかどうかは分からないが、考えられるのは強盗だ。   強盗だとしたら気の毒なことに、俺の部屋には1500円しかない。  ちなみに物も置いていないので俺を縛っただけ無駄だとしか言いようがない。  せいぜい俺の命を奪わないでいてくれることを祈るだけ...
  • 題名のない長編その七第十一話
    第十一話 「ごめんねー、あの子今日は風邪なのよー。」  朝の修練が終わり、いつもどおりなら俺の部屋の前で待っている筈の椎名がいないことを気にして尋ねてみると大家さんの笑顔が迎えてくれた。  椎名に風邪。そんなものが存在したのか、と一瞬思ってしまう。  椎名と出会って5年。毎日会っていたが風邪をひいているところなど見たことがなかった。  何故かしらないがどこかで作った怪我で休むことはあったが、病気の類は聞いたことがない。  自己管理能力に長けた奴だと心の中では褒めていたのだが。 「そうですか。お大事にって伝えといてください。」  あがってけば?あがってこーよ。今ならビッグチャンス!?としつこい大家さんを無視して学校に向かう。  ……ところでチャンスって何に対するチャンスなのだろうか。  椎名が風邪をひいて休む、というのを聞いた日の登校はこれ以上ないほど憂鬱だ。  なにせ朝角で俺を...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part21-Page3
    301 名前:ワイヤード 第十七話 ◆.DrVLAlxBI [sage] 投稿日:2009/01/24(土) 23 52 34 ID PqgTn3fx 前しか見えていなかった。だから、大切なものを見落としていた。 何かにこだわって進むのはいいことだが、たまには立ち止まって、周りをみていなければ。 隣にいて、手をつないでいたい人も、いつの間にかいなくなっているかもしれない。 そうだ、そうやって……。 (そうやって、俺は守りたいものを失っていったんだ……!) 守るために戦って、その結果、守りたいものを壊した。 退かないことも、媚びないことも、省みないことも、強くなるには必要なことだ。 しかし、逆もまた、然りだった。 時に、退かねば。時に、媚びねば。時に、省みねば。本当の強さは得られない。成長しない。 (そうか……俺は……!) 「わかったら、うけとめてね」 「はっ……? え……。ええっ!?」 少...
  • 題名のない長編その七第十三話
    第十三話  友人2と十字路で別れ、アパートへの道を歩く。  もう4時近くだというのに空はまだ高く、まるで昼間のようだ。  本格的に夏が近付いてくると学ランの中は汗でずるずるになってしまう。  毎日毎日ソフト洗剤で洗う俺の身にもなってほしい。  ちなみにスーパーで安い時にYシャツを買ったら何故か干してるうちにすべて風に飛ばされた。  それ以来何度買ってもYシャツだけ飛ばされるのでもう買うのが嫌になったのだ。  バイトも好調、学業好調。俺の評判だけが急降下でストップ安。  まあ、人の評価なんて気にしたところでどうしようもない話だ。なるようになれと捨て鉢になってみる。  学ランの前を開け、手で風を送っていると誰かの傍を通りすぎたことに気づく。  次の瞬間ありえない、と自分の考えを否定した。  椎名は今日風邪をひいて休みだと、大家さんが言っていた。  ならばこんな時間に外を出歩くはずが、ないの...
  • 第十六話『イロリ汚いなさすがイロリ汚い』
    292 :ワイヤード 第十六話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2009/01/24(土) 23 47 35 ID PqgTn3fx 第十六話『イロリ汚いなさすがイロリ汚い』 「ん、ちーちゃん、もう帰っちゃうの?」 「ああ、ちょっと野暮用でな」 「ええー。カナメちゃんの親睦会をしようと思ってたのにー」 頬をふくらませるイロリに苦笑いしつつ、千歳はぷらぷらと手をふって教室を出て行った。 「前から思っていたが、お前は千歳をそんなに好きだというのに、必要以上にべたべたくっついていかないんだな」 「うん。ちーちゃんに、迷惑かけたくないから」 「……?」 イロリの返答の意味を図りかねたナギは、首をかしげたがその後は追及をしなかった。 ただ、イロリは過去に起こった何かが原因で、千歳に若干遠慮をしているのだということはかろうじてわかった。 「とにかく、本題は、カナメだ」 ...
  • 最高!キネシス事務所☆第七話
    621 :最高!キネシス事務所☆ 第七話 ◆mGG62PYCNk :2009/08/28(金) 16 20 17 ID uud5HudE 外人。少女。 盗み聞きするつもりはなかったが目に映せと言わんばかりに校門の前に立ち騒がれては聞きたくなくても耳に入る。 …そして二つのキーワードにより『台風の目』は顔見知りのあの方ではないのか、という一抹の不安が過った。 しかしよく目を凝らしてみるとあの方がよく着ている、白いワンピースが眩しいのだ。昨日とは少しフリルや袖のディティールが違うようだが。 …気分は乗らないが正否を確認するしかない。足取りが重いのがわかる。何故なら台風に突っ込まなければならないからだ。 ……そういえば女子生徒からロリコン扱いをされ侮蔑の視線を浴びせられないだろうか? 浴びなくても気まずい事に変わりはない。 自転車のスタンドを外し、正否を確認するため乗らずに付い...
  • 題名の無い短編集
    題名の無い短編その一 題名の無い短編その二 題名の無い短編その三 題名の無い短編その四 題名の無い短編その五 題名の無い短編その六 題名の無い短編その七 題名の無い短編その八 リッサ ◆v0Z8Q0837k氏 題名の無い短編その九 題名の無い短編その十 題名の無い短編その十一 題名の無い短編その十二 きゃの十三 ◆DT08VUwMk2氏 題名の無い短編その十三 題名の無い短編その十四 題名の無い短編その十五 題名の無い短編その十六 題名の無い短編その十七 題名の無い短編その十八 題名の無い短編その十九 題名の無い短編その二十 題名の無い短編その二十一 題名の無い短編その二十二 題名の無い短編その二十三 題名の無い短編その二十四 題名の無い短編その二十五 題名の無い短編その二十六 題名の無い短編その二十七 題名の無い短編その二十八 題名の無い短編その二十九 題名の無い短編その三十 題名の無い...
  • ことのはぐるま 第十七話~クイズ~
    427 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/07/23(月) 00 09 33 ID itF5uxVe 第十七話~クイズ~  菊川邸の中に潜入するのは拍子抜けするほどに簡単だった。  室田さんの運転する車で屋敷の裏について、室田さんが取り出した鍵で裏口の門を開けて敷地内へ侵入。  携帯電話のディスプレイは7時を過ぎる時間を報せていた。  空に浮かぶ月は光を地上に降り注いでいて、うっそうと生い茂る草木の作る影を強くさせていた。  手入れもされていないらしく、数年は誰も使ったことのない道だ、と室田さんが教えてくれた。  暗い獣道を2人で歩き、ようやく開けて見えた場所には物置のような建物が建っていた。  建物のドアを鍵で開け、中にはいると階段があった。そこから屋敷の中に入れるということらしい。  階段を降りきって、目の前を見るとずっと先まで続...
  • 第十三話『ネクストステージ・始動』
    416 :ワイヤード 第十三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/28(火) 15 39 49 ID gifGW32h 第十三話『ネクストステージ・始動』 道場の中心で向かい合う千歳と理科子。二人の周囲には誰にも踏み込ませないほどの強力な闘気の壁がある。 見物に回ったイロリと、隣に座るここあももはや言葉を発することができず、ただ見ているのみ。 もはや、この勝負は向かい合った時点から始まっていた。 「(すごい……これがちーちゃんの『清水拳』)」 理科子の微妙な視線の変化と、脚の筋肉の収縮。次の動きへの予備動作。千歳はその全てを見切り、微細な牽制を繰り返していた。 おそらく、かなり修業をつんだものか、感覚の鋭いものにしか見えないであろう、その牽制。 この場では、イロリと、この道場でもトップクラスの実力を持つ数人の門下生達――ここあを含む――にしか気づけな...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part21-Page2
    151 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/21(水) 15 34 23 ID BKFgU1gH 誰かいますか?投下しようと思うのですが・・・ 152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/21(水) 15 39 40 ID FViU4SmV 151 何をしている?早く投下したまえwktk 153 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/21(水) 15 41 18 ID BKFgU1gH 152 ありがとうございます。生意気にも、初投下で長編です。 前置き ・内容はすごく浅い。あくまでみなさんの作品が投下されるまでの繋ぎ的なものとして見てください。 ・gdgd ・なにも始まらないくせに長い一話 ・登場人物無駄に多い ・批判/指摘はガンガンください。直せる限り努力します。 ・でもキツイと凹みます。ダメ人間...
  • 第十一話『ちょっとした休息と・推測』
    270 :ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI :2008/10/22(水) 00 28 49 ID wHrqCpJg 第十一話『ちょっとした休息と・推測』 「私の処女、千歳君にあげますね」 「……!?」 「驚かなくてもいいじゃないですか。期待していたんでしょう?」 ――こんなことされてるんですから、行き着く先はおのずとわかるでしょう。 くすくす笑い。それは聞き飽きた。 「お前……なんで」 「何故か、ですか? まだ分からないんですね。ならそれでいいです。一生迷っていてください」 ミクの小さな手が、それにそぐわない腕力で千歳の性器を掴む。 「やっぱり、普通よりちょっと大きいんですね……。こういうの、ちょっと気分がいいです。じゃあ……」 ミクはハーフパンツを脱ぎ去り、下着を露出した。 昨日より何倍も大人っぽい、黒い下着。ぐちゃぐちゃに濡れて、薄い生地が透けてい...
  • 第十話『ロストマイセルフ・喪失』
    196 :ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/18(土) 20 13 39 ID jpNcDmls 第十話『ロストマイセルフ・喪失』 信じていたものが崩れる瞬間、人はなにをするのだろうか。 悲しむのだろうか。怒りにとらわれてしまうのだろうか。心を失ってしまうのだろうか。 愛が憎しみに変わるのだろうか。 それは、それぞれが決めて、進んでいくこと。乗り越えること。 鷹野百歌は、愛にしがみつくことを選択した。 「誰だ……近づくな、近づくな……」 がたがたと震える男に、百歌は手を伸ばす。 ――百歌だよ……私は、百歌だよ。 「知らない……! 私はそんなやつ、知らない!」 男は、化け物でも見るような目つきで百歌を睨み、その手を払いのけた。 「亡霊め……『あの女』の形をとって、私をまだ……まだ、縛りつけようと……!」 男は、ぶつぶつと呪...
  • 題名のない短編その八十七
    615 :雌豚のにおい@774人目:2011/05/31(火) 00 29 46 ID UyVCN6lI 7 月 16 日(土) きょうからなつやすみがはじまりました。きょうは雨がふったのでいえでしゅくだいをしました。 7 月 17 日(日) きょうはともだちのしょうくんたちと学校の校ていでサッカーをしました。りつくんが3かいごーるしてすごいとおもい ました。とてもたのしかったです。 7 月 18 日(月) きょうもはれたので学校のプールであそびました。こうきくんはおよぐのがとてもはやかったです。 7 月 19 日(火) ちかくにすんでるあいちゃんがいえにあそびにきてくれました。やんでれ?ごっこというものをやりました。あいちゃ んがちょっとこわかったです。(あいちゃんにおしえてもらいました) 7 月 20 日(水) きょうもあいち...
  • 忍と幸人 第七話
    543 :忍と幸人 第七話:2011/05/23(月) 21 44 41 ID j9.VA8uo 7  トリップした頭を覚醒させたのはその日の晩、幸人宅の盗聴をしていた時の事だった。最初は取り立てて聞き入る事もない雑音や、あの女のぼやき事ばかりだったのが、ある時から状況が一変したのだ。耳に入ってきたのは呼び鈴の音と何者かの声、それに応対するあの女の声……どうも針巣が訪ねてきたらしい。  意外と行動が早かったな。  私は迷彩服を羽織り、イヤホンを繋いだ受信機を胸ポケットに入れた。手早く支度を済ませて家を後にし、真っ直ぐに幸人のいる公営団地に向かう。  耳に入ってくるのは針巣とあの女との会話ばかりで、幸人の声は入ってこない。  幸人は周囲にいないのだろうか? それとも、黙って二人のやり取りを見つめているのか……。  針巣の声が耳に響く。  「君は言ってくれたよね? 何時かはこの...
  • 題名の無い長編集
    題名の無い長編その一 題名の無い長編その二 線路のひと氏 題名の無い長編その三 題名の無い長編その四 題名のない長編その五 題名のない長編その六 題名のない長編その七(完結) ◆3TsGyVN76Y氏  題名のない長編その八 ◆eORAyWJBp2W7氏 題名のない長編その九(完結) ◆BaopYMYofQ氏 題名の無い長編その十(完結) ◆BAPV5D72zs氏 題名の無い長編その十一 題名の無い長編その十二 題名の無い長編その十三 題名の無い長編その十四 題名の無い長編その十五 題名の無い長編その十六 題名の無い長編その十七 題名の無い長編その十八 題名の無い長編その十九 題名の無い長編その二十 題名の無い長編その二十一 題名の無い長編その二十二 題名の無い長編その二十三
  • 第十二話『きみの散歩道・憫笑』
    330 :ワイヤード 十二話 前  ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/25(土) 19 41 44 ID BCBiq9CW 第十二話『きみの散歩道・憫笑』 ひたすら歩く千歳の後ろを、イロリがてくてくとついていく。今の千歳の気分はドラクエの勇者だ。 いや、カモの親か。 どちらにせよ、後ろにいる奴が可愛くてほほえましくて仕方が無い。 「なつかしいね」 イロリが口を開いた。 「ああ、昔はお前と結構遊んだな。ここでさ」 商店街。 ある程度の活気と、ある程度の落ち着きがある街並み。 現代的ではない。ノスタルジックな光景。 昔のままだった。 「走り回って、八百屋さんに怒られたっけ」 「ジャッキーチェンの真似とかしてな。思えばあの頃は馬鹿ばっかしてたな」 「ジャッキーかっこいいし面白いしね。たぶん、男の人の中ではちーちゃんの次くらいに好き」 「なんだ...
  • a childie第二話の2。
    579 :a childie:2011/08/19(金) 10 12 26 ID cvfXo0Hw 第2話の2。 「あら、二人とも寝てしまったの」 洗濯物の取り込みが終わったのか、 ユキカさんが二階から僕達のいる一階リビングまで下りてきた。 「公園でよく遊んでましたから。疲れたんでしょう」 僕は笑いながらそう言う。 あらあらと言いながらもう一度部屋を出て、タオルケット持ってきた。 「これをチズルに」 スケッチブックを仕舞い、 差し出された一枚のタオルケットを立ちあがって受け取る。 それで丸まっているチズルを包む。 ユキカさんはユリィから本を取り上げて、もう一枚のタオルケットを静かにかけた。 「くぅ……」 気持ちよさそうにチズルが寝息を立てる。 こちらの気が緩むような、 そんな寝息で何となく気を紛らわすように頭を撫でた。 庭に出る大きな窓からの日に当たって暖かくなった、柔らかい髪。...
  • いない君といる誰か 第十七話ルートA
    531 :いない君といる誰か ◆msUmpMmFSs [sage] :2007/02/24(土) 03 22 52 ID oGdBaGgB ・十七話  発狂しそうな三日目と、圧死しそうな四日目が過ぎた。  正確に言えば六度の食事と二度の排泄だ。正確な日付も、正確な時間も、もう忘れてしまっ た。食事の回数を――いや、神無士乃が地下室を訪れる回数を数えることしかできない。『外』 をしる手段は、それ以外には何もない。  何もない地下室で、暗闇の中で、独りきり。  普通ならば、発狂しているだろう。  普通でないのならば、最初から発狂しているに違いない。  どちらにせよ狂ってしまいそうな空間。  いずれにせよ狂ってしまいそうな世界。  意識が白く消えてしまいそうな地下室。  そんな中で、わずかにでも正気を保てたのは。 「元気そうだね、冬継」  姉さんが、いたからだ...
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