ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十六話」で検索した結果

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  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十六話
    242 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十六話 ◆AW8HpW0FVA :2010/10/10(日) 18 46 45 ID mNhTWqXt 第十六話『レッド・ホット・サマーデイズ』 馬車に乗っているシグナムの表情はげんなりとしている。 バトゥの腕に抱き着いて離れないヘカテが目に入るからである。 特にヘカテは、バトゥと目が合うと問答無用でキスしようとするのだから堪ったものではない。 バトゥも何度か目でこちらに合図を送ってくるのだが、シグナムにはどうしようもない。 ここに自分がいなければ、ディープな奴になるのではないかと思ったが、 いてもいなくても、それはまったく関係のないものらしく、 目の前では口付けてちゅぷちゅぷと音を立てている二人の図がありありと広がっている。 というか、実はこれでも遠慮していて、 自分がいなくなったら、さらに凄い事で...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に
    ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第一話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第二話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第三話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第四話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第五話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第六話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第七話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第八話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第九話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十一話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十二話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十三話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十四話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十五話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十六話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十八話 ドラゴン・ファンタジーのなく...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第六話
    308 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第六話 ◆AW8HpW0FVA :2009/12/13(日) 23 26 08 ID uJs1YfE0 第六話『シグナム・ファーヴニルの喪失』 シグナムの手に入れた聖剣は、どちらかといえば魔剣みたいだった。 柄は黄金で、見たこともない文字が刻まれており、 鍔には銀のヤドリギが巻き付き、刀身は血の様に赤い。 そんな聖剣を前に、朝からシグナムは悩んでいた。剣の名前が分からないのである。 別にこのまま聖剣で押し通してもいいのだが、それではあまりにも味気なさ過ぎる。 ここはかっこいい名前を付けた方がこの剣も幸せであろう、とシグナムは考えたのだ。 「ふぁ……、朝からなにをしているんですか、シグナム様?」 そんなシグナムに、起きたばかりのイリスは、眠気を孕んだ眼を向けた。 「あぁ、実はこの剣に名前を付け様と思ったん...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十話
    429 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十話 ◆AW8HpW0FVA :2010/05/23(日) 22 41 27 ID Z9+/ToUj 第十話『西方へ』 ニプルヘイムに向かうための難所は、出る時も難所である。 シグナムにとって、半月も山越えに時間を費やす暇はなかった。 正直な所、別なルートを模索したかったが、ニプルヘイムの周辺は、 アムリタ、ソーマ、ネクタル、アンブロシアの四山以外は未開と言ってよく、 下手に踏み込めば二度と出てこれないという有様であり、 ならば川を下るならばどうかというと、切り立った渓谷の間を流れる凄まじい激流が、 いかなる船も沈めてしまうので、これもまた行うのは至難である。 結局は、北方三山を越えなければ、外に出れないというなんとも不便なものだった。 復路の最初のネクタル山を、シグナムとブリュンヒルドは無言のまま歩いていた。 シグナムの...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十八話
    373 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十八話 ◆AW8HpW0FVA :2010/12/26(日) 20 54 18 ID Xac2tW7W 第十八話『ワールシュタット』 ブリュンヒルドが朝早くに出て行ったのを確認したシグナムは、昼頃になってから出立した。 出立する前に、オゴタイ王から二頭の駿馬を貰い、その馬で以って平原を駆け抜けた。 乗っている馬が疲れ始めたら、併走している馬に乗り代える。 高等技術であるが、シグナムには大した事ではなかった。 六日後にはエトナに到着し、そのまま船に乗り、サヴァンに向かった。 サヴァンまでは、一月程の船旅である。 ブリュンヒルドのいない一月は、シグナムにとって心休まる日々だった。 初めて西方大陸に向かった時の様なピリピリとした空気は感じられず、 ただ徒然なるままに釣りをしたり、賭け事などをして時間を潰した。 予定通り一月もする...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十一話
    192 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十一話 ◆AW8HpW0FVA :2010/06/10(木) 23 44 39 ID XyGZt+cK 第十一話『西方擾乱して、異人勇往邁進する』 まるで幽霊の世界だな。 それが西大陸の玄関口エトナに着いたシグナムの正直な感想だった。 交易などで活発であるはずの港は沈黙し、 時折すれ違う人は悉く俯いて、その瞳には光がなかった。 それは、まさしく生きる事に絶望した者達がする目であった。 事前に情報を集めてはいたが、ここまで酷いとは想像も出来なかった。 しばらく港を見つめていたシグナムは、ここにいても意味がない事を悟り、町に向かう事にした。 町に入ってみて、シグナムはサヴァンでの情報が、 いかに楽観に満ちたものであったかを思い知った。 町中の壁という壁は崩れ落ち、家という家は焼け崩れ、 路地という路地には埋めきれない死体で溢...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十二話
    232 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十二話 ◆AW8HpW0FVA :2010/07/16(金) 20 01 43 ID WbSBxrpW 第十二話『東方の小覇王』 エトナの町に凱旋した時、シグナムは町中の賞賛に包まれた。 女達を救い出しただけでなく、憎き山賊達を皆殺しにしたのだ。 町人達は溜飲が下がった思いだったのだろう。唯一の心残りとしては、火計を行なう上で、 集められた金目の物を回収する事が出来なかった事だが、その辺りは責められなかった。 とにかく、シグナムは町民達の期待に十二分に応え、町民の人身掌握は成功した。 それを実感したシグナムは、町民達に目を向け、 「喜ぶのはまだ早いです。山賊を滅ぼしたとはいえ、それはその他大勢の内の一部に過ぎません。 これから先も、この町には山賊だけでなく、群盗、海賊などがやってくるでしょう。 どうか皆さん、我こそはという人...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十九話
    78 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十九話 ◆AW8HpW0FVA :2011/01/05(水) 19 55 37 ID VAiLZtsu 第十九話『予兆』 ワールシュタットにてアルダー率いる軍が大敗した頃、 シグナムとブリュンヒルドは船に乗り、大洋の上に浮かんでいた。 船に乗り込んでから、シグナムは気が抜けたのか、亡霊の様な表情で、ベッドに横になっていた。 虚空になにかを呟き、差し出される食事にも手を出さず、それはあたかも廃人の様だった。 三日間もその様な事が続いた。 「シグナム様、お願いですから一口だけでも食べてください。このままでは衰弱する一方です」 今までなにも言わなかったブリュンヒルドが、ついに口を出した。 その顔には憂色が浮かんでいた。 ブリュンヒルドを見たシグナムは目に見えて怯えた表情になった。両手を頭に置き、縮こまった。 「シグナム様、どうした...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十五話
    105 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十五話 ◆AW8HpW0FVA :2010/10/03(日) 18 33 13 ID TDSsLryv 第十五話『エロスの弓矢』 ピドナに帰還してから、数日が経った。 ブリュンヒルドは未だに各地を転戦しており、ここにはいない。 そんな中、シグナムはバトゥとハイドゥを自分の執務室に呼び寄せた。 だというのに、その中にハイドゥはいない。呼びに行ったが、不在だったのだ。 まぁ、いいか、とシグナムは思い、やって来たバトゥに向かって、 「バトゥ、お前は妻帯をしていたり、思い人がいたりするか?」 と、切り出した。あんぐりと口を開けているバトゥを尻目に、シグナムは、 「いないのなら、お前には結婚をしてもらいたい」 と、言った。 そんな大した事を言ったつもりはないのに、バトゥは顔を赤くし、激しく動揺していた。 ...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十三話
    39   名前:  ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十三話 ◆ AW8HpW0FVA   2010/08/02(月) 01 04 34   ID qlPYhIj20 第十三話『ピドナ侵攻』 バトゥの従属により、シグナム軍の経略の幅が広まった。 バトゥの騎馬隊は、兵力は千と少ないが、圧倒的な機動力と精強さを誇り、 一介の馬賊ではなく、十分に軍として機能する、とシグナムは見た。 しばらくの間、シグナムはバトゥと騎馬隊を麾下に置き、反抗勢力を討伐していった。 バトゥの活躍は凄まじく、流石は馬賊の頭領をやるだけあり兵法は多少心得ている様だった。 それでも物足りなかったシグナムは、幕下では兵法を説き、 戦中は、机上の兵法と実戦の矛盾について教えた。バトゥはこれ等を真綿の様に吸収した。 ことさら、シグナムと兵法談...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十四話
    145 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十四話 ◆AW8HpW0FVA :2010/09/15(水) 19 37 25 ID IGAMPonY 第十四話『西方の統一』 ピドナを攻略したシグナムは、そこから軍を動かさず、今後の統治について話し合った。 これは、勢力の拡大により、今までの統治方法に限界が来てしまい、 新たな政策を模索せざるを得なくなったからである。 火急の問題として上がったのは、占領地の統治についてと、流民の救済についての二つだった。 話し合いの結果、占領地統治については、シグナムが土地を郡と県に区分し、 郡には守、県には令を派遣し、支配させる、所謂、郡県制を提唱し、それを実施する事になった。 この制度により、政府の命令がスムーズに行き渡るだけでなく、 さらに君主が役人を選んで派遣するので、君主権力の強化にも役立った。 次に、流民の救済に関しては、トゥ...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話
    92 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第十七話 ◆AW8HpW0FVA :2010/10/31(日) 20 38 46 ID DPPMAttU 第十七話『夏祭りと明暗』 凱旋したブリュンヒルドは、都中からの万雷の拍手と歓声で迎えられた。 満面の笑みを民達に振りまきながら、ブリュンヒルドは入廷した。 しかしどういう訳か、その笑顔はすぐに消えてしまった。 王より直々の褒詞を受けたというのに、ブリュンヒルドはまったく喜ぶ様を見せず、 ただ静かに受け答えをするだけだった。退廷してからもブリュンヒルドは、 文武百官達からの祝辞に耳を傾けず、憮然とした表情を浮かべながら歩き去ってしまった。 百官達は皆、ブリュンヒルドの機嫌の悪さの原因がなんなのか分からなかった。 ブリュンヒルドが向かった先は、シグナムの執務室である。 ノックする事なく扉を開けたブリュンヒルドは、書類に目を通して...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第八話
    73 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第八話 ◆AW8HpW0FVA :2010/02/17(水) 19 48 20 ID oCF0lWAR 第八話『シグナム・ファーヴニルの疑心』 ブリュンヒルドが出て行った後、顔色の悪いシグナムを心配するイリスも退出させ、 一人だけになったシグナムは、大きくため息を吐いた。 魔王の討伐、ブリュンヒルド、父の急死、 心労ばかりが溜まりそうな出来事が、次から次へと噴出しているのだ。 ため息の一つや二つが出てくるのは仕方のないことだった。 「それにしても……」 シグナムにはとある疑問が生じていた。 それはレギンの王位継承である。 一度結論を出したが、改めて考えてみると、奇妙な事が多すぎるのだ。 レギンはまだ政治もなにも分からない七歳の子供である。 いかに王の晩年の子供で可愛がられており、その後ろに後妻がいたとしても、 そんな子供を...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第二十一´話
    637 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA :2011/02/13(日) 00 00 18 ID jfDCykFL 第二十一´話『そういえば、レギンってどうなるの?』 岩が崩れ落ちる中、シグナムは右腕だけで崖縁に掴まっていた。 ブリュンヒルドを殺すためとはいえ、流石に岬崩しの策はやりすぎた。 その代償で、左肩を強かに打ち、骨を砕いてしまった。 だが、こうでもしなければあの化け物は殺せなかったのだ。 それを思うと、左肩の犠牲くらい安いものである。 シグナムは右腕に力を入れて、懸垂する様に崖をよじ登ろうとした。 突如、月光を遮る影がシグナムを覆い、右手を掴んだ。 「シグナム様、大丈夫ですか!?」 それは最も聞きたくない声だった。身体中の血という血が引いてしまった。 右手を掴んでいたのは、間違いなくブリュンヒルドだった。 ...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十六話
    521 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十六話】  ◆AJg91T1vXs :2011/01/28(金) 00 30 05 ID IV/TJIB5  人気の少ない裏通りの一角に、その古びた酒場はあった。  街外れの酒場の中でも一際古く、また治安の悪いことでも有名な場所だ。  酒場の中では男達が、めいめいに酒を飲んでいる。  どの者の顔を見ても、過去に何かしらの悪事をしでかしてきたであろう、強面の連中しかその場にはいない。  女もいるにはいるが、派手な化粧をして男に色目を使っているような者ばかりだ。  中には娼婦と思しき者も混ざっており、露骨に男の股間にあるものを撫でたり、その腕に抱きついて甘い声を出していたりした。  汗と油と酒の匂い。  それらが混ざり合い、酒場の中には独特のきつい臭気が溢れている。  慣れた者でなければ、こんな場所ではまと...
  • 長編SS
    ...んなに晴れてたのに ドラゴン・ファンタジーのなく頃に ◆AW8HpW0FVA氏 最高!キネシス事務所☆ ◆mGG62PYCNk氏 そして転職へ(完結) 『はのん来訪者』 無限連鎖 動き出す時 Cinderella & Cendrillon 不安なマリア 相反する2人 名探偵物語 キレた人々 群青が染まる ◆ci6GRnf0Mo氏 ニーベルンゲンの歌 キモオタと彼女 愛の亡者と金の亡者 起承転結(完結) ◆BAPV5D72zs氏 髪の話 ヤンデレ素直クール 私の居場所 Crete島の病少女 『無の器』 真野 司  ◆Thmxzr/sD.HF氏 赤と緑と黒の話 ◆BaopYMYofQ氏 私は人がわからない ◆lSx6T.AFVo氏 サトリビト ◆7mmBvdBzwo氏 ヤンデレ世紀 悪意と好意と敵意(完結) ◆f7vqmWFAqQ氏 山姫と海姫 劣等感 ◆vha3FDwXe6氏 風雪 ◆...
  • ラ・フェ・アンサングランテ
    ラ・フェ・アンサングランテ 第一話 ラ・フェ・アンサングランテ 第二話 ラ・フェ・アンサングランテ 第三話 ラ・フェ・アンサングランテ 第四話 ラ・フェ・アンサングランテ 第五話 ラ・フェ・アンサングランテ 第六話 ラ・フェ・アンサングランテ 第七話 ラ・フェ・アンサングランテ 第八話 ラ・フェ・アンサングランテ 第九話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十一話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十二話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十三話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十四話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十五話 ラ・フェ・アンサングランテ 第十六話 ラ・フェ・アンサングランテ 【第十七話】
  • 題名のない長編その七
    題名のない長編その七第一話 題名のない長編その七第二話 題名のない長編その七第三話 題名のない長編その七第四話 題名のない長編その七第五話 題名のない長編その七第六話 題名のない長編その七第七話 題名のない長編その七第八話 題名のない長編その七第九話 題名のない長編その七第十話 題名のない長編その七第十一話 題名のない長編その七第十二話 題名のない長編その七第十三話 題名のない長編その七第十四話 題名のない長編その七第十五話 題名のない長編その七第十六話 題名のない長編その七最終話
  • 題名のない長編その七第十六話
    第十六話  どうしてこうなったのだろう。  椎名達と別れて心行くまで夕方の修練をして、何も食べずに布団に入って眠った。  ここまでは何の問題もなかった。  なのになぜ俺は縛りつけられているのだろうか。 「……っ」  猿轡、目隠し。それに椅子に座らさせられ、後ろ手と両足を縛られた状態。  もしも俺が通常とは異なった性癖の持ち主で知らぬ知らぬ間に自虐行為に走ったならまだ分かる。  だが俺にはそんな趣味はないと胸を張って云えるし、少なくとも夢遊病の類は持ち合わせていない。  ならば俺を縛り付けた犯人がいるはずである。  俺を縛り上げて得する人間がいるかどうかは分からないが、考えられるのは強盗だ。   強盗だとしたら気の毒なことに、俺の部屋には1500円しかない。  ちなみに物も置いていないので俺を縛っただけ無駄だとしか言いようがない。  せいぜい俺の命を奪わないでいてくれることを祈るだけ...
  • 第十六話『イロリ汚いなさすがイロリ汚い』
    292 :ワイヤード 第十六話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2009/01/24(土) 23 47 35 ID PqgTn3fx 第十六話『イロリ汚いなさすがイロリ汚い』 「ん、ちーちゃん、もう帰っちゃうの?」 「ああ、ちょっと野暮用でな」 「ええー。カナメちゃんの親睦会をしようと思ってたのにー」 頬をふくらませるイロリに苦笑いしつつ、千歳はぷらぷらと手をふって教室を出て行った。 「前から思っていたが、お前は千歳をそんなに好きだというのに、必要以上にべたべたくっついていかないんだな」 「うん。ちーちゃんに、迷惑かけたくないから」 「……?」 イロリの返答の意味を図りかねたナギは、首をかしげたがその後は追及をしなかった。 ただ、イロリは過去に起こった何かが原因で、千歳に若干遠慮をしているのだということはかろうじてわかった。 「とにかく、本題は、カナメだ」 ...
  • ワイヤード
    第一話『コントラクター・再会』 第二話『ナイトメア・侵食』 第三話『深紅・猛攻』 第四話『二人の景色・融和』 第五話『百歌・兆候』 第六話『ダイヤモンド・発光』 第七話『ファーストバトル・開催』 第八話『ロールアウト・鉄槌』 第九話『獣のアギト・解放』 第十話『ロストマイセルフ・喪失』 第十一話『ちょっとした休息と・推測』 第十二話『きみの散歩道・憫笑』 第十三話『ネクストステージ・始動』 キャラ紹介 幕間『少女の祈り』 第十四話『存在に心奪われる時』 第十五話『カナメ様の憂鬱』 第十六話『イロリ汚いなさすがイロリ汚い』 第十七話『遥か久遠の彼方に・前編』 第十八話『遥か久遠の彼方に・後編』 第十九話『イロリ日記』 第二十話『千歳の選択』 ナギ編
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第六話
    482 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第六話】   ◆AJg91T1vXs :2010/11/25(木) 08 22 40 ID Pk9vug3C  窓を叩くパラパラという音に、ジャンはベッドの中でゆっくりと目を開けた。  この季節、ジャンのいる国では雨が多くなる。  農家にとっては恵みの雨なのだろうが、街で暮らす人間にはたまらない。  日の出ている時間も徐々に短くなるため、本格的に寒さが身にしみる季節となってくるのだ。  足先の冷たさに、ジャンは目覚めるなり体を起こし、同時に足を毛布の中に引っ込めた。  寒い。  昨日までの晴れていた天気が嘘のようだ。  身体の芯から氷で冷やされているような感覚に、思わず胸の前を両腕で抱えて震え上がった。 「やれやれ……。  どうやら、本格的に冬がやってきたみたいだな。  この寒さで、伯...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 【第十七話】
    60 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十七話】  ◆AJg91T1vXs [sage] :2011/02/03(木) 01 35 20 ID 3nsdqCoA  ジャンが宿場に着いたとき、そこには客の姿は見当たらなかった。  それは一階の酒場も同じであり、建物の中は不気味な程に静まり返っている。  あの、小さいながらも活気のある声が飛び交っていた様子からは想像もできないくらいに、今の宿場は閑散とした状態だった。  リディの話によれば、今は宿場に泊まっている客もいないとのことだった。  疫病のせいで客足もぱったり途絶えてしまい、下の酒場も店を閉じている。  酒場の店主とその妻も、しばらくは自分たちの実家に戻っているようだった。 「あ、あのさ……リディ……」  お茶を持ってやってきたリディに、たまらずジャンは話しかけた。  別に話したいことがあるわけではなかったが、あ...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十二話
    92 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十二話】  ◆AJg91T1vXs :2011/01/06(木) 01 19 05 ID f6PLVhrx  早朝であるにも関わらず、その日、ジャンは既にテオドール伯の屋敷の前にいた。  昨日の晩にルネから頼まれたささやかな願い。  それを叶えるためである。 「お待たせしました、ジャン」  伯爵とクロードに連れられて、屋敷の中からルネが姿を現した。  いつも以上に黒いドレスに身を包み、頭にも黒い帽子を被っている。  目元は黒いレースで覆われて、その上日傘まで差していた。  太陽の下をまともに歩けないルネにとっては、これ以上にない重装備ということになる。  昨晩、ルネがジャンに頼んだこと。  それは、身体の弱い自分に同行し、一緒に街まで行って欲しいとのことだった。  別に街に出かけて何をするわけでもないのだが、なにしろ、今まで...
  • 題名のない長編その七第六話
    第六話  それからすぐに放送で担任に呼び出され、俺は放課後残るように指示を受けた。  確実に今日の職員会議は俺を対象としたものだろう。  片や学校で人気の生徒。片やよく知られていない地味な生徒。  どちらが好意的な証言とやらを集めるかは日を見るよりも明らかだ。  ホームルームが終わってから2時間。待ち続けるのはさして苦ではない。  好奇の目で見続けられるのも慣れ、静かに椅子から腰を浮かし空気椅子状態で鍛錬を続ける。  椎名は待ちたがっていたが俺の担任に命令を受け、百乃と帰って行った。  時間の感覚もなくなり、生徒達も全員居なくなったころに担任が来て一枚の紙を俺に差し出した。 「……停学ですか。」 「いいや、謹慎だよ。近衛君。」  眼鏡をかけた気の弱そうな中年は肩を落とし、俺に告げた。  その様子ではロクに俺の弁護も出来なかったのだろう。そもそも俺自身目の前の担任が身を挺して誰か...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十五話
    410 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十五話】  ◆AJg91T1vXs :2011/01/21(金) 23 58 26 ID QB6qlEts  ジャンが目を覚ましたのは、太陽が既に東の空から顔を出している時刻だった。  ベッドの脇に置いておいた懐中時計を開けると、その短針は八の数字を指している。  さすがに、少し寝過ぎたか。  そう思って隣に目をやると、そこには未だ小さな寝息を立てて眠っているルネの姿があった。  時に気丈な一面を見せながらも、寝顔だけ見ればあどけない少女のままである。  眠りながらも幸せそうに微笑んでいるところを見ると、昨晩のジャンとの行為を夢にでも見ているのだろうか。  隣で寝ているルネを起こさないように気をつけながら、ジャンはそっと身体を起こした。  すると、そのままベッドから離れようと彼の腕を、細く小さい何かが...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十三話
    名前:ラ・フェ・アンサングランテ 【第十三話】  ◆AJg91T1vXs [sage] 投稿日:2011/01/10(月) 22 13 30 ID amJrtyAU [2/11]  薄暗い地下の一室で、ジャンは様々な実験器具の並べられた机の前にいた。  今朝、街で見たルネの笑顔。  彼女があんな顔を見せたのは、実に久しぶりのことだった。  ジャンがルネの身体の治療法を探し始めたのは、彼女に対する贖罪の意味が強い。  少なくとも、今まではそうだった。  だが、今日のことではっきりとわかった。  ルネは、贖罪など求めていない。  自分勝手な理屈かもしれないと思ったが、それでもジャンは、むしろ今までの行いの方がルネを寂しがらせていたのではないかと考えた。  ルネはただ、偽りのない自分の姿を受け入れてくれる人が欲しかっただけなのだろう。  養父にさえも己...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十四話
    348 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十四話】  ◆AJg91T1vXs :2011/01/17(月) 09 58 28 ID WX6p2kPN  丘の上を包む静寂が、夜の帳が降りたことを告げている。  満月の薄明かりに照らされた屋敷の一室で、ジャンとルネは互いの身体を重ねていた。 「んっ……ちゅっ……はぁ……」  唇と唇が触れ合い、二人の舌が別の生き物であるかのようにして相手を求める。  ジャンの舌がルネの口に入り込み、不器用ながらもルネが懸命にそれに応える。  今、二人がいる場所は、他でもないルネの部屋にあるベッドの上だ。  互いに一糸纏わぬ姿のまま、その腕を相手の背に絡ませて抱き合っていた。 「ふぅ……」  ジャンがルネの唇から離れたとき、唾液が音を立てながら糸を引いて伸びた。  目の前では、ルネが名残惜しそうな...
  • 題名のない長編その七第十四話
    第十四話  あの日から俺達の中で何かが変わるということは別段なかった。  相変わらず俺は修練ばかりで、椎名は俺をずっと後ろから眺め続けている。  ただ俺は、微かに違和感を覚えていたのは確かな話だった。  感覚を研ぎ澄ましてみると、いつでも誰かに見られている感覚を覚える。  その視線の先はあやふやだけれども、ほぼいつでも存在した。  敵意も殺意も存在しない、ただ俺を見つめているだけの気分が悪くなる視線。  バイトの時も、修練の時も、授業の合間の休憩のときも。  それが俺の神経を蝕むことはない。ただ、不愉快さは募るばかりだった。  なぜ俺を監視するのか、なんの目的があるのか。何も分からない視線。 「視線?」  つい、昼飯時に愚痴ともとれる言葉をいつもの面々に零してしまった。  椎名は首を傾げ、先輩は相変わらずニコニコと。百乃に至っては耳を小指で穿っている。 「何?自意識過剰なんじゃな...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十一話
    339 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十一話】  ◆AJg91T1vXs :2010/12/24(金) 00 47 51 ID g6UM6UEf  薄暮の迫る時分、ジャンはいつもの如く馬車に揺られながら、自分の寝泊まりしている宿場へと戻ってきた。  街の空気は相変わらずで、冷たい風が路傍を吹き抜ける音がする。  この地方を包む冬の寒さはジャンも十分に理解していたが、街を覆う空気が嫌に冷たく感じるのは、季節のせいだけではないだろう。  この街は、自分の家族を追い出した街だ。  そこに留まることが決して望ましいことでないというのは、当然のことながらジャンにもわかっていた。  だが、ここで全てを投げ出して、ルネに何の贖罪の意思も示さないというのは気が引けた。 「つきましたよ、ジャン様。  しかし……今日は、本当に驚きましたよ。  まさかジャン様が...
  • 題名のない長編その七第十二話
    第十二話 「そんなこんなで放課後だよ!」 「だから誰に言ってるんだ?」  騒ぐ太めの友人1を尻目に、鞄に物を詰め込んでいく。  思ったよりも相手は狡猾な連中なのか、人目があるところでは俺に手出しはしないようだ。  その判断は間違っていない。後ろめたいことをするならばあくまでも陰でやらなければ意味がない。  謹慎がとけて一週間。初日の手紙以降敵意というのは目立って表れていない。  ただ気になるのが、教室にいる人間が少しずつ減っていることだった。  3人の女子。顔も名前も覚えていないが、ここ最近ずっと休んでいる。  なぜ気になるかを問われれば困ってしまうが、俺への敵意と関係があるのではと勘ぐってしまう。  椎名も休みとなれば一緒に帰る人間もいない。バイトも今日は入れていない。  ならば一日中修練出来るわけだが、それよりも気になることがあった。  それは例の色男……名前は……桂五郎だっけ...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十話
    253 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十話】   ◆AJg91T1vXs :2010/12/20(月) 00 57 10 ID dWxH0GEx  街を吹き抜ける風が、宿場の窓を叩いていた。  霙はいつしか雨に変わり、夜の世界を容赦なく冷やして行く。  三階に与えられた自分の部屋で、ジャンはその日、一日の間にあったことを再び思い出していた。  光のない、淀んだ瞳を携えて、人が変わったように血を求めてきたルネ。  そして、先ほどの浴室で、こちらを誘うようにして近づいてきたリディ。  自分の周りで、何かが狂い出している。  それが何なのかはわからないが、ジャンにはそうとしか思えない。  ルネも、リディも、その行いは悪戯と言うにしてはあまりに酷い。  なにより、彼女達が自分に悪戯を仕掛けて来る理由がない。  いったい、あれは何だっ...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十一話
    名前:ラ・フェ・アンサングランテ 【第十一話】  ◆AJg91T1vXs [sage] 投稿日:2010/12/24(金) 00 47 51 ID g6UM6UEf [2/12]  薄暮の迫る時分、ジャンはいつもの如く馬車に揺られながら、自分の寝泊まりしている宿場へと戻ってきた。  街の空気は相変わらずで、冷たい風が路傍を吹き抜ける音がする。  この地方を包む冬の寒さはジャンも十分に理解していたが、街を覆う空気が嫌に冷たく感じるのは、季節のせいだけではないだろう。  この街は、自分の家族を追い出した街だ。  そこに留まることが決して望ましいことでないというのは、当然のことながらジャンにもわかっていた。  だが、ここで全てを投げ出して、ルネに何の贖罪の意思も示さないというのは気が引けた。 「つきましたよ、ジャン様。  しかし……今日は、本当に驚きましたよ。  ま...
  • 題名のない長編その七第十五話
    第十五話 「そんなこんなで放課後だよ。」 「ああ。」  誰に向かって叫んでいるか分からない太めの友人1の言葉に頷いて、教室を出る。  ポケットに手を突っ込んで、嫌に軽い財布を取り出して中身を眺める。  残金1500円。  ……小学生の小遣いでももう少し多いのではないだろうかという惨状である。  同時に腕時計を見れば20日。給料日の25日まではあと5日もあるという訳だ。  1日300円。バイトの賄いを考えてあるからその日はガッツリ食べられる。  ちなみに野菜炒め定食は450円だ。量の割にリーズナブルで気に入っている。  学食で一番安いのはすうどん。150円だ。  つまりこれから毎日昼飯はすうどん。夕飯は抜くという生活をすれば実に750円で過ごせるという訳だ。  ……嫌になる。飽食の日本に生れ、育ってきた高校生が食という面で追い詰められるとは思わなかった。  溜息と同時にお腹が悲鳴を上...
  • 題名のない長編その七第十話
    第十話 「そんなこんなで昼休みだよ!」 「だから誰に言ってるんだ。」  太めの友人1に突っ込みを入れながら立ち上がると、鞄を持ったまま食堂に向かう。  これほどまでに挑発行為をしたのだ。どう考えても報復行為があるに違いない。  そうなればこっちのもの。クラスの連中から犯人を聞き出して脅せばいい。  報復には更なる報復を。血の制裁を。  義侠に背く人間は悉くが最後は無残な死を遂げたことを、その身に刻みこんでやる。  くくく、と笑いそうになりながらもやはり野菜炒め定食に感謝の祈りを捧げてから食べ始める。 「ここよろしいですか?」 「どぞ。」  顔をあげずに答えると、前に座った人は上品に食べ始める。  そこでようやっと顔をあげれば、いつもの先輩であった。 「食堂多いですね。」 「貴方の前に座れば自然に久住さんとも食べられますから。」  まるで俺の価値はその一点のみだ、と言われ...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part21-Page2
    151 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/21(水) 15 34 23 ID BKFgU1gH 誰かいますか?投下しようと思うのですが・・・ 152 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/21(水) 15 39 40 ID FViU4SmV 151 何をしている?早く投下したまえwktk 153 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/01/21(水) 15 41 18 ID BKFgU1gH 152 ありがとうございます。生意気にも、初投下で長編です。 前置き ・内容はすごく浅い。あくまでみなさんの作品が投下されるまでの繋ぎ的なものとして見てください。 ・gdgd ・なにも始まらないくせに長い一話 ・登場人物無駄に多い ・批判/指摘はガンガンください。直せる限り努力します。 ・でもキツイと凹みます。ダメ人間...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part14-Page3
    401 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 16 39 25 ID EOKPgj40 399 世界が自己完結してるヤンデレがそれじゃないかね 自己完結してるヤンデレとしてないヤンデレってなんだよってことになるが ちなみに俺は両方好きです 402 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17 17 14 ID NagY7J3v ヤンデレは自分さえ幸せならいいって思考のことだと思うんだ 想う相手はあくまで自分が幸せになるための手段なんだよ。 403 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/03/21(金) 17 21 22 ID LpcOAw1A 402 それはヤンデレってよりメンヘラじゃね? ヤンデレはあくまで相手本位だと思うぜ? 404 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:20...
  • 題名のない長編その七第十一話
    第十一話 「ごめんねー、あの子今日は風邪なのよー。」  朝の修練が終わり、いつもどおりなら俺の部屋の前で待っている筈の椎名がいないことを気にして尋ねてみると大家さんの笑顔が迎えてくれた。  椎名に風邪。そんなものが存在したのか、と一瞬思ってしまう。  椎名と出会って5年。毎日会っていたが風邪をひいているところなど見たことがなかった。  何故かしらないがどこかで作った怪我で休むことはあったが、病気の類は聞いたことがない。  自己管理能力に長けた奴だと心の中では褒めていたのだが。 「そうですか。お大事にって伝えといてください。」  あがってけば?あがってこーよ。今ならビッグチャンス!?としつこい大家さんを無視して学校に向かう。  ……ところでチャンスって何に対するチャンスなのだろうか。  椎名が風邪をひいて休む、というのを聞いた日の登校はこれ以上ないほど憂鬱だ。  なにせ朝角で俺を...
  • 題名のない長編その七第十三話
    第十三話  友人2と十字路で別れ、アパートへの道を歩く。  もう4時近くだというのに空はまだ高く、まるで昼間のようだ。  本格的に夏が近付いてくると学ランの中は汗でずるずるになってしまう。  毎日毎日ソフト洗剤で洗う俺の身にもなってほしい。  ちなみにスーパーで安い時にYシャツを買ったら何故か干してるうちにすべて風に飛ばされた。  それ以来何度買ってもYシャツだけ飛ばされるのでもう買うのが嫌になったのだ。  バイトも好調、学業好調。俺の評判だけが急降下でストップ安。  まあ、人の評価なんて気にしたところでどうしようもない話だ。なるようになれと捨て鉢になってみる。  学ランの前を開け、手で風を送っていると誰かの傍を通りすぎたことに気づく。  次の瞬間ありえない、と自分の考えを否定した。  椎名は今日風邪をひいて休みだと、大家さんが言っていた。  ならばこんな時間に外を出歩くはずが、ないの...
  • 第十三話『ネクストステージ・始動』
    416 :ワイヤード 第十三話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/28(火) 15 39 49 ID gifGW32h 第十三話『ネクストステージ・始動』 道場の中心で向かい合う千歳と理科子。二人の周囲には誰にも踏み込ませないほどの強力な闘気の壁がある。 見物に回ったイロリと、隣に座るここあももはや言葉を発することができず、ただ見ているのみ。 もはや、この勝負は向かい合った時点から始まっていた。 「(すごい……これがちーちゃんの『清水拳』)」 理科子の微妙な視線の変化と、脚の筋肉の収縮。次の動きへの予備動作。千歳はその全てを見切り、微細な牽制を繰り返していた。 おそらく、かなり修業をつんだものか、感覚の鋭いものにしか見えないであろう、その牽制。 この場では、イロリと、この道場でもトップクラスの実力を持つ数人の門下生達――ここあを含む――にしか気づけな...
  • 題名のない長編その五
    題名のない長編その五第一話 題名のない長編その五第二話 題名のない長編その五第三話 題名のない長編その五第四話 題名のない長編その五第五話 題名のない長編その五第六話
  • 忍と幸人 第六話
    522 名前:忍と幸人 第六話[] 投稿日:2011/05/19(木) 21 34 29 ID j9.VA8uo [12/17] 6  私と顔を合わせた途端、「また貴女ですか」と言いたげな顔を見せた。案の定ではあるが、この間の件は相当彼には耳障りであったみたいだ。  「偶然だな、針巣さん」  気軽に声を掛けるが、針巣の顔色は晴れない。挨拶を返そうともしないばかりか、さっさと私の眼前から立ち去ろうとするので、それを体で遮る。細くて小さな体躯でこちらを見上げる彼は依然として小心者のそれだった。おどおどとして、唇をぼそぼそと動かすだけで、こちらにはっきりと物を言おうとしない。  「ちょうど良かった、この間の事でまた話をしたいと思っていたんだ。一緒にそこらの喫茶店にでもどうだ?」  あからさまに嫌そうな顔をする針巣は「この後用事があるので、御遠慮します」と身を屈めて脇を通り抜ける。逃がすつ...
  • 題名の無い短編集
    題名の無い短編その一 題名の無い短編その二 題名の無い短編その三 題名の無い短編その四 題名の無い短編その五 題名の無い短編その六 題名の無い短編その七 題名の無い短編その八 リッサ ◆v0Z8Q0837k氏 題名の無い短編その九 題名の無い短編その十 題名の無い短編その十一 題名の無い短編その十二 きゃの十三 ◆DT08VUwMk2氏 題名の無い短編その十三 題名の無い短編その十四 題名の無い短編その十五 題名の無い短編その十六 題名の無い短編その十七 題名の無い短編その十八 題名の無い短編その十九 題名の無い短編その二十 題名の無い短編その二十一 題名の無い短編その二十二 題名の無い短編その二十三 題名の無い短編その二十四 題名の無い短編その二十五 題名の無い短編その二十六 題名の無い短編その二十七 題名の無い短編その二十八 題名の無い短編その二十九 題名の無い短編その三十 題名の無い...
  • 第十話『ロストマイセルフ・喪失』
    196 :ワイヤード 第十話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/18(土) 20 13 39 ID jpNcDmls 第十話『ロストマイセルフ・喪失』 信じていたものが崩れる瞬間、人はなにをするのだろうか。 悲しむのだろうか。怒りにとらわれてしまうのだろうか。心を失ってしまうのだろうか。 愛が憎しみに変わるのだろうか。 それは、それぞれが決めて、進んでいくこと。乗り越えること。 鷹野百歌は、愛にしがみつくことを選択した。 「誰だ……近づくな、近づくな……」 がたがたと震える男に、百歌は手を伸ばす。 ――百歌だよ……私は、百歌だよ。 「知らない……! 私はそんなやつ、知らない!」 男は、化け物でも見るような目つきで百歌を睨み、その手を払いのけた。 「亡霊め……『あの女』の形をとって、私をまだ……まだ、縛りつけようと……!」 男は、ぶつぶつと呪...
  • 第十一話『ちょっとした休息と・推測』
    270 :ワイヤード 第十一話  ◆.DrVLAlxBI :2008/10/22(水) 00 28 49 ID wHrqCpJg 第十一話『ちょっとした休息と・推測』 「私の処女、千歳君にあげますね」 「……!?」 「驚かなくてもいいじゃないですか。期待していたんでしょう?」 ――こんなことされてるんですから、行き着く先はおのずとわかるでしょう。 くすくす笑い。それは聞き飽きた。 「お前……なんで」 「何故か、ですか? まだ分からないんですね。ならそれでいいです。一生迷っていてください」 ミクの小さな手が、それにそぐわない腕力で千歳の性器を掴む。 「やっぱり、普通よりちょっと大きいんですね……。こういうの、ちょっと気分がいいです。じゃあ……」 ミクはハーフパンツを脱ぎ去り、下着を露出した。 昨日より何倍も大人っぽい、黒い下着。ぐちゃぐちゃに濡れて、薄い生地が透けてい...
  • 第六話『ダイヤモンド・発光』
    12 :ワイヤード 第六話  ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/12(日) 20 25 49 ID 4ulifI0Q 第六話『ダイヤモンド・発光』 お母さんは言っていた。泣いてる子を見たら元気付けてあげなさいって。 お母さんは言っていた。悪い子を見たら、迷わず戦って、勝ちなさいって。 お母さんは言っていた。輝けるものを見たら、一生大切にして、放してはいけないって。 お母さんは死んでしまったけど、息子はずっとその言葉を胸に秘めて生きていた。 ――そして少年は、あのとき『輝けるもの』を見つけた。 「うっ……うぅ……」 「なぁー」 「うぅ……うっ……ぐすっ……」 「なんで泣いてんの?」 少年の目の前にうずくまり、泣いている少女。髪は燃えるように赤く、目は鋭い。誰も信じてはいないとでも言いたそうな、攻撃的な姿。 「……だまれ、話かけるな」 「泣い...
  • ことのはぐるま 第十六話~犯行の動機~
    182 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/07/08(日) 07 37 47 ID e3g7TlOW 第十六話~犯行の動機~  まぶたが重い。  上下のまぶたが糊でくっついているようにべとべとする。  服の袖で目をこすり、目やにを取り除く。  少しだけ軽くなった目を開けると、白い袖が見えた。  袖口から離れた位置には薄いブルーの横線が入っている。  腕を下ろし、目線を自分の胸元へ。  そこで飛び込んできたものもまた白だった。  俺の部屋にある掛け布団のカバーは、あまり洗っていないせいでくすんだ色をしている。  とてもじゃないが、今体の上にかけられている布団のような純白とは程遠い色だったはずだ。  違和感を覚えつつ、視線を上へ向ける。  天井が見えた。またしても白。合板の継ぎ目の色が違うせいで、そこだけが浮いていた。  首を左に...
  • 題名のない短編その八十六
    45 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2011/05/08(日) 11 37 27.63 ID ttF9/uT/ [1/3] あなたが好き。 だけどその気持ちは絶対に伝えれない。 だけどある日、見てしまった。 あなたが他の女と話している所を。 女があなたに触れるところを!・・・。 憎い!憎い!憎い!あの女が憎い!!!!! 私は女を呼び出した。 そして殺した。 首を刃物で切って。 左手を切って、右足を切った、そして池に投げ捨てた。 そして私は女の首を持って 大好きな人の所に行った。 そして名前を呼んだら。 「うわぁ!人殺しだ!!!!」 と呼ばれた。 ポタンッ 「どうして?・・あなたのためにやったのに・・あなたのために・・・  あなたは私だけを愛していたらいいのに・・それなのに!・・・。」 私は大好きなあなたを殺した。 泣きながら殺してしまった。 そしてバックにあなたの首を入れ...
  • 題名のない長編その五第六話
    427 :題名のない長編その五 第6話:2009/08/13(木) 04 52 43 ID Hg6QrM4A ――――――――――――- 「…ッ」 ここ…は?俺…なんで椅子に座ってんだ? 確か、メイちゃんからのメール見て…それから… …メール見て…どうだったけな?さっぱり記憶が無い とりあえず立ち上がらないと… ―ギチッ 両手両足に違和感、これは…椅子に縛られているぞ… 気を失って、目を覚ましたら 椅子に針金で手足を縛られて身動きが取れない…ってか なんともマヌケな… 手足の針金がしっかりと何重にも括ってあるのを見る限り、 コレをした犯人は、よほど俺が嫌いらしい とりあえず現状確認を実行 スグ近くに、工事で使うような照明が、俺を照らすように1つ置いてある 周りの様子は殺風景…天井が在るな、建物内ということか… 恐らく建設中のビルか何かだ...
  • 題名のない短編その九十六
    589 名前:雌豚のにおい@774人目[] 投稿日:2013/06/11(火) 09 32 39 ID zn7/SwU6 「ご主人様、勝手に引っ越されては困ります」 「ご主人様のお世話をするのが私の勤めなのですから」 「え?俺は結婚した?はい存じております、奥様大変美しい方でございますね」 「ここは新居で新婚家庭だ?それも存じております」 「新しい場所での新しい生活、ご主人様の喜ばれる気持ち大変よくわかります」 「私も嬉しくなってまいりますわ」 「だからお前はもう必要ないんだ?」 「……」 「ご主人様、それだけは理解できません」 「ご主人様のお世話をするのが私の勤めなのですから」 という電波を受信した
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