ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「不安なマリア1」で検索した結果

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  • 不安なマリア1
    660 名前:不安なマリア[sage] 投稿日:2009/08/30(日) 23 19 58 ID VBLu33dI 2レス消費です マリアは、自国の歴史や政治について彼女の同僚のような感傷をもたなかった。 しかし、奇妙なことだが、それでも彼女の軍務への使命感は失われなかった。 それはマリア・ソネンフィルドという人間のもっと深い部分で、「軍」が蠢いていたからかも知れない。 叩き上げの軍人で高級将校だった父親は、退役後、満たされぬ戦場への想いを娘のマリアに背負わせた。 反発する妻や娘との間に溝が広がり、飲酒量が極端に増え、家庭内暴力も起こすようになった。 そんななかで妻は家庭への興味を失い、家に帰ってこないまま、数ヵ月後モーテルで強盗に殺された。 10代のマリアにとって全てはあっという間だった。転落というには余りにも凄絶な仕打ち。 貧しく学校に通えない彼女に残された選択肢は皮肉にも、死んで...
  • 不安なマリア4
    9 名前:不安なマリア4[sage] 投稿日:2009/09/12(土) 00 55 54 ID 18DtHrx3 『不安なマリア』第四話 私はいつも不安で仕方なかった。 時々、自分でも何が不安なのか分からなくなるほど、色んなことが心配になる。 軍隊にいて戦っていた頃はそれも良かった。命を救われたのも、二度や三度ではない。 私にとって、「不安」は性格や気分とは違う次元のもののように感じる。 なんというか、本能であり本質であり、私という人間の一部、と言えば良いだろうか。 瀕死の重傷から回復した時、私はすでに戦いはおろか、日常生活すら困難な状態だった。 隻腕に下半身不随――不安と復讐心のみを糧に生きてきた代償だ。 私は戦えなくなり、自分の生きる場所そのものだった軍からお払い箱になった。 自殺を考えた私に看護士だった彼はこう声をかけた。 「助かってくれてありがとう。もう大丈夫だ、よくがんば...
  • 不安なマリア3 後編
    739 :不安なマリア3 後編:2009/09/05(土) 02 38 45 ID dxtRyoM1 母が家を出て行ったそうだ。昨晩からの酒でグズグズになった父が泣きながら話した。 父は母が実家に帰ったのだと言うが私は違うと思う。 一ヶ月ほど前から、母の外出が多くなっていることに私は気付いていた。 以前に比べ、不自然なほど頻繁で、不自然なほど帰りが遅かった。 しばらくすると、私が家で母と話すことはすでに稀になっていた。 10日ほど前、街で見かけた、母と腕を絡ませる若い男。 彼女は彼と暮らすのだろうか。彼女は幸せなのだろうか。私などいなくても良いのだろうか。 18歳の少女の心には疑問が溢れていた。 彼女の実家から絶縁状が届いたのが、それから一週間後。これで我が家は収入源を失った。 そしてその数ヵ月後、彼女は射殺体になった。どこかのモーテルで、恋人と一緒に。 葬式への参...
  • 不安なマリア5
    77 名前:不安なマリア5[sage] 投稿日:2009/09/19(土) 01 11 04 ID y4Nin90V マリアが家事修行をはじめて、2ヶ月が過ぎた。 さすが元軍人、軍隊仕込の包丁裁きはなかなかだったが、火を扱う手は心許ない。 ジョナサンとしては、頑張ってくれて嬉しかったがまず不安が先に立ってしまう。 仕事中でも、すこしの暇を見つけては電話して安否を確認する癖がついた。 この前の小火が、もしかしたら今度は火事になるかもしれない。 高めに調整した車椅子から落ちれば、最悪怪我をしてしまう。 実際、彼女は料理中に何度か車椅子から落ち、駆けつけた夫に助けてもらっている。 そうしたことが続き、彼の心配症は加速度的に強くなっていった。 しかし、駆けつけたときの妻の安堵と不安が入り混じった嬉しそうな表情を一度見てしまえば、 彼の中には例えようのない幸福感が溢れるのだ。 そうしてマリアは、夫...
  • 不安なマリア2
    661 名前:不安なマリア[sage] 投稿日:2009/08/30(日) 23 23 57 ID VBLu33dI しかし、と彼女は考える。 彼は満たされているのだろうか。いや、そもそも彼は私との出会いで多くを失ったではないか。 彼にはやりたい仕事があったが、私はそれをあの戦場で奪った。それも私一人のために。 彼には多くの友人や、家族、親戚がいたが、それも私との結婚で失った。私一人のために。 彼には看護士としての将来があったが、それも私の看護と生活の両立のため失った。私一人のために。 それに加えて私のこの体。彼と私はセックスすることが出来ない。やはり私一人のために、だ。 おそらく子供もつくれない。「家庭」ということばが私に重くのしかかる。 私は動けず、外出には車椅子がいる。それにこの腕だ。夫婦らしく外で仲良く食事することも難しい。 「家庭」は記憶においても現実においてもマリアを苦しめた。...
  • 不安なマリア3 前編
    717 名前:不安なマリア3 前編[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 22 30 43 ID BFZhDSd1 2レス消費 二人で購入を決めた数日後、ジョナサンは携帯電話を買ってきた。 小さな玩具に見え、マリアは実用性に欠けると思ったが可愛らしくもあり、気に入った。 何しろ機能はメールと通話のみ。だが、ジョナサンはこれだけで良いと言う。 「使うとしたら仕事先か、君との連絡だけだからね。」 自分以外に連絡先を知る人間がいるのは嫌な気分がしたが、仕事では仕方ない。 彼はマリアの不服そうな表情を見逃さず、おどけたようにからかった。 「仕事先くらい勘弁してくれよ。これで駄目なら伝書鳩くらいしかなくなるな。」 少しおおげさなリアクションにつられて、思わずマリアも笑っていた。 「そうそう、料金の一部は障害者用の在宅介護手当てから出るんだ。」 「だからと言っては何だけど、いつでも不安にな...
  • 不安なマリア6
    303 名前:不安なマリア6[sage] 投稿日:2009/10/08(木) 22 46 06 ID TK20YbMz 花屋の店員、クレアは心中で深くため息をついていた。 といっても特に深い理由があるわけではない。外回りが嫌なのだ。 ただ、彼女は外回りを面倒と思ってこそいたが、嫌ってはいなかった。 嫌いになったのはつい最近である。それも確たる理由があってのことだった。 真相は単純、同乗者の問題だ。しかし、セクハラだとかそういう問題ではない。 同乗者ジョナサンの性格というか雰囲気というか、行動にも時々見え隠れする感情。 それが、最近になってどうにも違和感のあるものなのだ。 なんと言えばよいか分からないが、どうも気が滅入るような暗さを感じてしまう。 ちょっと前までのジョナサンはそんな雰囲気ではなかった。 クレアの彼に対する第一印象は、快活で優しく真面目そうな青年、というように高評価だった。 ...
  • 不安なマリア 序
    648 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/08/30(日) 01 24 17 ID VBLu33dI ジョナサンの妻、マリアは元・軍人だ。 二人はデバ共和国で勃発した第二次ザンジバル独立紛争の戦場で出会った。 ジョナサンは現地でNPOとして戦場での無差別医療に携わっていた。 連日報道されるキリング・フィールドが彼の使命感を燃え上がらせたのである。 事実、命を捨てる覚悟で来た戦場だった。 しかし、「戦場」はそんな使命感を吹き飛ばすような現実を彼に見せた。 一般市民、それも子供や老人ばかりが手遅れの状態で運ばれてくる毎日。 医療と言うより最期を看取ることしかできず、彼はまさに地獄を味わっていた。 後の妻、マリア・ソネンフィルドが彼の病院に運ばれてきたのはそんな時だった。 マリアはデバの元・宗主国、ケルン連邦から派遣されてきた部隊の兵士だった。 中尉であった彼女は、部...
  • 長編SS
    終わらないお茶会(完結) ◆msUmpMmFSs氏 題名の無い長編集 カーニバルの夜に ◆msUmpMmFSs氏 ヤンバル ideal ◆zvQNG0FZvQ氏 いない君といる誰か(一部ルート完結) ◆msUmpMmFSs氏 あなたと握手を(完結) ◆Z.OmhTbrSo氏 ひどいよ!おおこうちさん(完結) ◆Z.OmhTbrSo氏 『首吊りラプソディア』(完結) □ボ ◆JypZpjo0ig氏 渋沢夏恋の話 ミツバ氏 ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo氏 真夜中のよづり 赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg氏 恋人作り ◆5PfWpKIZI氏 慎太郎の受難(一部ルート完結) 慎 ◆tXhMrjO4ms氏 類友 シアン・マゼンダ・イエロー・ストーカー(完結) ◆Z.OmhTbrSo氏 上書き(一部ルート完結) ◆2.775XTAfE氏 終わったあとのお茶会 ◆msUmpMmFSs氏 越えら...
  • ヤンタクロース・サンタガール
    664 :ヤンタクロース・サンタガール ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/12/26(金) 00 44 36 ID mVrqxCHs 『ヤンタクロース・サンタガール』 「あの……できれば、この状況について説明していただきたいのですが」 滋郎(じろう)は、非常に困惑していた。 それは十二月二十五日の朝。独り淋しい生活を続ける滋郎が、いつも通り独り起床した時のことである。 「あの……朝食をおつくりしましたので……まずは、食べてください」 顔を赤くしながら応える少女。 もちろん、生まれて二十三年間の間、女性と付き合うことはおろか、手さえ握ったことの無い滋郎には、実に覚えの無い人間だった。 知り合いではないことに加え、なぜ、知らないうちに家に入り、エプロンをかけ、朝食を作っているのか。 皆目見当もつかない。 まあ、相手からは敵意は感じられないし、説明してくれる...
  • 娘第一話
    65 : 娘    2010/08/17(火) 11 59 13   ID RFacS0Bc0  私の両親は決して私に愛情を注ごうとしなかった。 かと言って虐待をする訳でもないし、親としての責任の放棄があった訳ではない。 最低限の親としての義務は果たすが、それ以外は何があっても関与しない。 以前一度この話をした相手は眉を顰め、どういう意味なのか分からないと質問を返してきた。 だから、相手に伝えやすくする為に例え話をすることにした。 “例えば私が風邪を引いたとします。私が風邪であることを察知した両親は通院する為のお金は出すが、決して看病はしない” 例え話を出しても相手はいまいち釈然としなかったらしい。 結局その時は別の話にすり換えることで相手からの追求をかわしたのを覚えている。 私自身、上手に説明できる自信がない。だから逸らすし...
  • 完全世界
    147 :完全世界 [sage] :2007/01/30(火) 07 26 38 ID WgKNhTCo 「…ゴメンネ…ゴメンネ…」 そう呟きながら僕の胸に頬を擦り付けるように抱きついているのは幼馴染みの祐子だ。 小さかった頃には、ゆうちゃん、なんて呼んでいた仲だ。 今では、その…恋人になっていた。 その祐子に何で謝られてるのか、だって? それは、祐子が─── 「…ゴメンネ…ヒック…、ゴメンネ…ふ、フライパンでぶっちゃったりして…グスッ…」 と、言うことだ。 「ゆ、祐子、わかったから、この、手を縛ってる紐、解いて、くれない…?」 「…ダメ」 あまりの痛さに、朦朧としながらの僕の願いは、苛立ちを隠さない祐子によって即却下された。 「な、んで…?」 「だって、そうしたら○○ちゃん、どこか行っちゃうでしょ…?」 「どこにも…いかないよ…?」 なんだか要領を得ない言...
  • もう何も信じない第9話
    549 :もう何も信じない 第9話 [sage] :2008/09/28(日) 20 30 45 ID JyzWe4pG それは、青天の霹靂だった――――― ピンポ―――ン 「ふぁぁ…ん?誰だよ。」 「ぁゆむぅ?だれぇ?」 ――っかわいい………この舌足らずな感じが…じゃなくて… ピンポ―――――ン 「はいはい、今行きますよっと。」 俺はシャツを羽織り、ズボンを履き、玄関に行く。その…昨夜いたしてしまったわけで… まあ、なんだ。気にするな。 「誰に喋ってるんだい?」 「―っ な、なんでもない。」 がちゃり ばたん ドンドンドンドンドンドン 「あゆ君!開けなさい!」 「ったく…なんてタイミングで…おい光!急いで服着ろ!」 「誰なんだい?」 「俺の…伯母さんだ!」 「……って、ええ!?待ってよ!」 がちゃん 「うわあぁぁ!?...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part20-Page3
    501 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 20 08 07 ID S13vgeDg 乙 502 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/09(火) 21 45 45 ID mUE1aMSf GJ 委員長に反応したのは俺だけじゃないはず しかしあれだな、読み手もずいぶんと変わったけど書き手も変わってきてるな なんというか、ノベゲー風が多いというか 503 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/10(水) 01 02 26 ID NSUmFfdy 私は一向に構わんッ!! 504 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/10(水) 01 25 16 ID E2X3Fhsw おいどんも構わんでごわす!!! 505 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/12/10(...
  • 風の声 第7話「風の変化」
    285 :風の声 第7話「風の変化」:2010/11/20(土) 15 02 04 ID HDFmdNk0 「(どうしようかな・・・)」 現状を整理しよう。ここは前回(?)と変わらず保健室。大空が俺の上から降り、俺が保健室にいる理由を話してくれた ものすごい惨状だったらしいが自分は覚えていない、けれども顔に残る痛みがそれを立証している。 暴れた理由、そして俺の過去の事を話したいのだがどう話せばいいのか分からずにいる。 「どうしたの?何か、ものすごく悩んでいるみたいだけど」 「へ?」 大空の言葉で気付いたのだが自分でも気付かないうちに頭に手を当てて他人から見ても分かるほどの“悩んでいます”オーラを出していたらしい そして同時に気付いた事があった。ヘアバンがない。それだけでなくリストバンドも、額と手首に付けている感覚が無かったのに何で気付かなかっ...
  • 幼なじみの早見さん 第二話
    540 名前:幼なじみの早見さん[] 投稿日:2013/05/15(水) 13 14 08 ID 8puLo2DY [2/3] 高校三年の三学期という時期は本来、受験シーズンで忙しいはずである。だがすでに、秋に県外にある私立の三流大学を合格した僕は自由登校であり、授業は受けずに図書室でひたすら暇を潰していた。こんなことなら学校に行かないという選択肢もある。しかし先日学校を休んでいたら、早見さんは「せっかくのズル休みなのに、部屋に籠るのは勿体無いわ」と買い物に付き合わされた。だから学校は休みたいが、休めないのだ。  こうあまりに暇だと、つまらないことを考えたりしてしまう。  今の僕は早見さんのお気に入りの玩具だ。でも早見さんだっていつかは、お人形さんごっこにも飽きてしまうかもしれない。飽きて捨てられた玩具は、どうなるだろうか? 「今日は随分と浮かない顔してるのね」 どうやら顔に出て...
  • 群青が染まる 02
    178 :群青が染まる 02 ◆ci6GRnf0Mo [sage] :2010/03/20(土) 14 13 35 ID imLkQzaw 「なんでこんなことに……」  ただ最後にあの丘からこの町に別れを告げて、それから確かに一人で旅に出る はずだった。  沸騰したお湯のように熱を持ち、こんがらがる頭を必死に繋ぎとめる。 「そういえば……どうやって帰ってきたんだろう」  もしかすると、人にぶつかったのかもしれない。どんな道を歩いたかさえ覚え ていない。  だけど、思考の大半を占めていたのはそんなことではなく、彼女の何気ない言 葉だった。 「わかった」と、そう言った彼女。  あそこで待つつもりなのだろう、それ以上何も言わなかった。だからこそ、断 られなかったのはいつでも見つけ出せるという自信の現れのようにも感じられた。 「どうすればいいんだ……」  言いながら、考えるまでもないことだと気付...
  • 我が幼なじみ第四話
    45 :我が幼なじみ ◆ZWGwtCX30I :2010/08/25(水) 14 53 27 ID IV3nlGlo ~~~~~~~~~ 風奈の部屋にて 「風奈……今から大事な話しをするから、ちゃんと聞いてほしいんだ」 「なーにー?」 まだ何も知らない風奈は、俺の胡座の上に座って、笑顔で聞いてくる この無邪気な風奈の笑顔を、俺が崩さないといけないんだ 「あのな……父さんと母さんが二人で、海外に転勤することになったんだ」 やはり、風奈は驚いた顔をしている 無理もない、いきなりそんなことを言われて驚かない方がおかしいと思う 「え……本当?」 「あぁ……本当だよ」 「じゃあ、もうお母さんとお父さんには会えないの……?」 「ずっとじゃないよ」 「じゃあ……どれくらい?」 「それは……分からない」 風奈...
  • リバース第十七話
    832 :リバース ◆Uw02HM2doE :2010/11/09(火) 23 32 36 ID ykVc5Wto 「とりあえず命は何とか繋いだ。後は本人の体力次第だな」 「すいません黒川さん。帰ってきて早々」 藤川邸には医者が常駐していると英に聞いたことがあった。だからこそ避難先に英の屋敷を選んだ訳なのだが……。 「よっ、少年!元気だったか」 「……何でアンタがここに居るんだよ」 「いやぁつい先日病院の仕事が片付いたからこっちに戻ってきたら……ねぇ。妹さんも元気か」 「あ、はい」 そう。よりによってその"常駐している医者"が記憶喪失直後の担当医だったあの黒川さんだったのだ。 「まあこれも何かの運命だな!仲良くやろうや少年!」 「はあ……」 「要、話は聞かせてもらった。今亮介にも連絡したらすぐに来るってさ。……その子か」 英...
  • きみとわたる第八話
    243 :きみとわたる ◆Uw02HM2doE :2010/07/04(日) 17 24 15 ID fZqhz4IH 車だと僅か20分程度でライムのマンションまで着いた。 運転手に礼を言って彼女の部屋へ急ぐ。 「待ってろよ」 部屋の前までたどり着き左手でインターホンを鳴らす。右腕はしばらく使えない。 「………?」 応答がない。もしかしたら何かあったのだろうか。嫌な汗が頬を伝う。 「まさか…」 嫌でも思い出してしまう。事務所の関係者が殺された。 犯人は近辺にいる可能性があって…。もう一度インターホンを押すが反応はない。 「…ライム!」 痺れを切らして扉を叩こうとした瞬間 「…わ、亙?」 扉が開き中からバスタオル姿のライムが出て来た。 「ライム!…良かった。…つーか何でそんな格好なんだ?」 「眠気覚ましにお風呂入ってたの。そしたら急に誰か来たから、亙だと思ってと...
  • たった三人のディストピア 第一話
    333 名前:たった三人のディストピア ◆JkXU0aP5a2[sage] 投稿日:2013/01/23(水) 18 15 50 ID RpFkDG2A [2/5]  高校までの道のりはいつも億劫だ。ぼけっとした頭のまま、今日はどんな日程だったかなと思考している。  でもそれは霞がかったように思い出せなくてそこで思考の波は途切れる。別に学校で見ればいいし、確認したかって面倒な科目が無くなるわけでもない。  はあとため息を付けば俺は蒼一色の空へと眼をやったりする。  こんなことやってもこの気だるさは取れそうにないけれど、でも憂鬱そうにアスファルトの路面を見ているよりはマシだった。  普段は心穏やかになりそうである綿飴のような白雲の層も、今はこっちを嘲笑っているようにしか見えなかった。  どことなく厳しく、清涼な風が頬を打つ。ぶるりと頭を振れば俺はそんな風景に対する抗議のように双眸を瞑った。...
  • さよならは言わない 第一話
    295 名前:さよならは言わない[sage] 投稿日:2012/12/18(火) 07 14 22 ID jvvzZaR. [2/6] 目に青葉、山ほととぎす、初鰹。の句が思い出される季節の折、めでたく進級した僕、千佳十郎に早速、厄介事が降りかかった。 というのも単にある先輩から呼び出されただけなのだが、その先輩が曰くつきな方なので大方ろくなことはないだろうと予想はたつ。まあ、同じ部に所属しているし。  昼休みが終わる十分前、僕は急いで文芸部室を目指した。俯瞰で見るとこの四階建て校舎はエの字型をしており、 一般棟と特別棟に別れている。文芸部室は三階一般棟の一番端にある教室。一年は四階、そこから学年が上がる順に使う階層は下がっていく。 僕は二年生だから、少し走ればすぐにつく距離。  文芸部室のドアに手を掛けノブを回して引く。部室の中にはやはりかの先輩がいた。 すらっとした細身の体に透き通る白...
  • あなたのために 第三話
    57 :あなたのために 第三話 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/05/23(土) 01 20 49 ID ZvS9Dk39 その日、いつものように私は、マサトくんのお部屋までお迎えにあがりました。 昨日の夜、帰宅されたマサトくんは、私達と一緒に晩御飯を食されることなく、お休みになりました。 もしかしたら、マサキ先輩と何処かで食事をされて来たのかも知れません。 もし、これからもそういう事が増えるなら、マサトくんの分の晩御飯は、自重しなければいけない日も増えるかも知れませんね。 私の手料理を食べて頂けないのは非常に残念ですが、これもマサトくんの幸せの為です。 きっと、私よりマサキ先輩とご一緒に食事をとられた方が、お幸せでしょうから。 ・・・これから、どのくらい私はマサトくんのお世話の部分を、マサキ先輩に引き継げば良いのでしょうか? 毎日の起床は?毎日の朝ごはん...
  • 嘘と真実 7話
    704 :嘘と真実 7話 ◆Uw02HM2doE:2012/07/14(土) 02 14 18 ID 1T.A.a2U [1/5] ~ある犯人のプロローグ・3~ いくつもの偶然が重なり、この状況を作り出した。 ただの偶然か、はたまた天が味方をしているのか。 いずれにしろ、今を逃す手はないと思う。こんな機会、二度と来ないに違いなかった。 7話 「……ん?」 日曜日。それは誰にも平等に訪れる休息の日だ。 だからこそ俺は惰眠を貪ろうと意気込んで、昨夜ベッドに潜り込んだのだが―― 「すぅ……」 「……おいおい」 何故か隣には我が最愛の妹がすやすやと寝息を立てて寝ているのだった。 やはり弥生は可愛い……じゃなくて何でこんな状況になってるんだよ。 いやでも弥生は可愛いしな、って話を逸らすんじゃねぇよ、と一人問答をしていると弥生が目を覚ました。 「ふわぁ……...
  • 『ヤンデリ専童話』
    599 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/08/27(木) 13 28 21 ID x3JaSI/T 『ヤンデリ専童話』 一回目 僕は昨日初めて、「ヤンデリヘル」というものを体験した。 出向先で、出先の先輩の半ば強引な勧めに乗ったのだ。 なんでも、ヤンデレキャラでサービスしてくれるデリヘルらしい。 いやはや、童貞脱出をこんな形で迎えるとは思ってもみなかったZE、羽蛾。 来たのは25歳くらい、僕と同年代の娘だった。 先輩が勧めたとおり、スレンダーで色白、黒髪のかわいい人だ。 「こんにちは、アヤナです。本日はご指名ありがとうございました。」 仕事を始めて日が浅いらしく、どこかぎこちなかった気がする。 部屋に入れて、二言三言話したあとだった。 アヤナは「それじゃ、はじめますか。」と言うや否や、突如狂ったように笑いだした。 「アハハハハハハハハハ。○○君があたしのこと見...
  • 深優は泣いた 菱島へ
    16 名前:深優は泣いた[sage] 投稿日:2011/04/05(火) 01 16 56 ID tpEbVLGc [2/6] ○菱島へ 俺は決意した。 行く事に決めたのだ。 なんだかんだ言って、このような機会を待っていたのではないか。 先生から話を持ちかけられて以降、心臓が速く鼓動し、 これを悪い動悸かと思ったが、ただ単に心底喜んでいるだけだった。 先生に行く旨を三日ほど経ってから伝え、 後処理、下準備に奔走する事となった。 一周間が過ぎた現在でも、準備の真っ最中で、勤め先にはすでに辞表を出し、 親戚や友達、世話になっている人たちへの挨拶回りも大体済ました。 他、ほぼ毎日、先生の部屋であちらの事を聞いている。 先生は何度も菱島を行き来しているため、 かなり詳しく、期待をかき立てられる。 ただひとつ、ミューの事が心...
  • マリオネッテの憂鬱
    485 :リッサ 6I9RMany :2007/07/27(金) 03 25 17 ID E9zzpRL6 マリオネッテの憂鬱① 「おはようございます、お姉様…」僕は今日も最愛の妹である晃(あきら)の可愛らしい声で目を覚ました、寝室の端、窓のカーテン を押し開く彼女はこぼれるような冬の朝日を全身に浴びる…晃のその美しいウェービーな栗色の頭髪と、ピンク色のネグリジェは… 今日もまた血がべっとりとついていた…。  僕はベッドから起き上がってスリッパを履くと、精一杯の笑顔で彼女に尋ねた。  「今日は誰を食べたの?」「メイドの牧野さんですわ…あの方、未だ日は浅いですけど…お姉さまの…洗濯用の…下着の匂いを…」 ビリビリィィィィ!!!!晃は巻き取ったカーテンを爪で一気に引き裂くと、肩をわなわなと震わせた。僕はそれにいたたまれなくなって     …思わず彼女の肩をつかむと…その華奢な体を...
  • 初めから 第二話
    227 :初めから:2011/10/30(日) 01 49 25 ID dUGq45KU 「重秀ー、凜子ちゃんが迎えに来てるわよー」 「ちょっと待ってー!すぐ行く」 鈴木 重秀7歳――それが今の俺だ。あの事故からおよそ7年が過ぎていた。 気が付けば俺は、赤ん坊から人生をやり直すことになった。 最初、俺のことを重秀と呼ぶ「両親」に対して何か言おうとすれば、 口から出るのは言葉にもなっていない声ばかり。 一体全体どうしたのかと、戸惑ってばかりだった。 「重秀、あまり凜子ちゃんを待たせちゃダメでしょう。」 「分かってるから急かさないで」 部屋に起こしに来る「母」に文句を言いつつ、着替えを急ぐ。 始めは、こんな状況になってどうしたものかと思ったが、「俺」が生まれた病院が 幸いにも、妻の入院している病院だった。 ほとんど記憶に残っていない位おぼろげだが、「母」の隣で笑う妻の姿を 見て...
  • ぽけもん 黒  鳥と草むら
    612 :ぽけもん 黒  鳥と草むら ◆wzYAo8XQT. [sage] :2008/04/01(火) 13 46 56 ID ovaSZsBM  僕達は他愛の無い話をしながら歩き――話の内容は本当にただの世間話だったが、彼女の口調は強いものの、ちゃんと会話が成立した。 つまり話もしたくないほど僕を嫌っているというわけじゃないようだということが確認でき、少し安心した――、町のはずれの草むらの前に着いた。  人間の子供は皆、危険だから町からは絶対に出ちゃダメ! もし草むらに入ったりしたらこわーいポケモンにさらわれちゃうわよ! と親から耳にたこができるほど言われたものだ。無論、僕も例外ではなかった。  ポケモンも子供は同様だろう。田舎町だからあまり危険なポケモンはいないとはいえ、もしいきなり複数の大きなポケモンに襲われたら逃げることもままならないだろう。  少し不安になっ...
  • 愛と憎しみ 第四話
    520 名前:愛と憎しみ 第四話 ◆O9I01f5myU[sage] 投稿日:2011/08/10(水) 21 26 20 ID FKy5djYk [3/8] 4  月は沈んだ。バイクのエンジン音が部屋の中にまで聞こえてくる。  音が近づいてくる。回転数が低下し、アイドリング状態になる。少しして、ガチャンと郵便受けが届け物を知らせた。  音は再び唸りを上げて、遠ざかって行った。  朝は五時。辺りは暗く、日が昇るにはまだ時間が掛かる。これからも冷えてくるこの季節、夜明けは遠くなっていた。  季節の移行が肌で感じられる朝。蒲団が恋しく、二度寝、三度寝をしてしまいそうになる一時。例に違わず、幸人もまどろみに全身を委ねていた。起きるにはまだ早い時間であるし、朝食はママに代わって香山が用意してくれるので余裕がある。途中、幾度か目を覚ますものの、その都度眠り直す事ができる。  香山との生...
  • ことのはぐるま 第十一話~前世の否定~
    349 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/05/14(月) 00 10 05 ID Phq6Y94j ------- 第十一話~前世の否定~ ・ ・ ・  目隠しをされたうえベッドに長時間縛り付けられていると、無性に不安な気分にさせられる。  もしかしたら目隠しを隔てた向こう側には刃物を持った殺人鬼がいて、俺をどうやって殺そうか 考えているのかもしれない。  身じろぎをしただけで殺されるかと思うと、うかつには首を動かすこともできない。  それとも、どこか人目につかない場所にベッドごと閉じ込められているのかもしれない。  もし誰も来なかったら、この惨めな状態のまま死んでしまうだろう。  不意に、ベッドの下や天井を這うムカデやゴキブリの姿を想像してしまった。  無数の足を持った黒い虫たちがベッドの足を登って、または天井から落下して俺...
  • リバース第十話
    138 : リバース ◆ Uw02HM2doE 2010/09/08(水) 17 10 54 ID akRFxQac0 10年前、ある密約が二つの大企業のトップ同士で結ばれた。 元々美空開発と藤川コーポレーションは様々な事業を提携することが多かったが、ある時お互いの"持ち物"に目を付けたのだ。 美空開発の社長である美空昴は藤川家のメイドにして当時すでに軍隊並の戦闘力を持つ桃花を欲した。 そして桃花のDNA情報を基にアンドロイドの桜花を作った。 逆に藤川栄作が欲しかったもの。それは保険だった。 早くに妻を亡くしその妻に似ている娘の里奈を溺愛していた栄作が一番恐れていたもの。それは里奈を亡くしてしまうこと。 だから彼は"保険"として美空開発の力を借り、里奈のクローンを生み出すことにした。 結果的にそれは成功しもう一人の藤...
  • ぽけもん 黒  変異と成長
    707 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/03/30(月) 06 38 16 ID dKqraO07 「じゃあ、出発するよ」  素早く後片付けを済ませた僕は、二人に向かってそう言った。  今朝の目覚めはこの旅始まって以来最悪だった。過去最低だった。そういえば、香草さん曰く僕はサイテーなんだよな。  しかし、僕はなんとかその最初で最大の障害をクリアして起きることができた。  僕は朝食もとらずに、桔梗町へ進路を向けて進もうとした。 「ゴールド? そっちは来た道ですよ?」  ポポが怪訝に思うのも無理はない。ポポは昨日僕と香草さんとの間に何があったかを知らない。  あの決定的な破局の後ポポの元に戻った僕と香草さんは、その後一言も会話を交わすことなく寝てしまった。  ポポは僕の姿を認めるなりすぐに走ってきて抱きついてきたし一方的に話しかけてきたけど、僕は「ああ」とか...
  • 「ヤンデレ観測者」
    671 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/10(月) 19 38 37 ID zUmWkgcA  「ヤンデレ観測者」  大人になってからは時間の流れが速くなるとは言うが、よもや自分がそれを経験する日が 来るとは思っていなかった。  気がつけば私ももう二十代後半を過ぎ、更に季節はもうクリスマスに程近くなっている。  一人身にとっては心身ともに大変辛い季節だ、だからこそ早く家に帰りたかった、それに 家に帰ればモニターの中で…こんな私でも微笑んで手をとってくれる少女たちがいるからだ。  いつからだろうか、現実の女性に興味をもてなくなったのは…高校一年の夏、ようやく告白 が実って付き合い始めた女の子に、実はキープ扱いされて手ひどく振られた日からだろうか? それとも職場恋愛で結婚寸前まで持ちかけられた同僚を出張中に上司...
  • 嘘と真実 5話
    554 :嘘と真実 5話 ◆Uw02HM2doE:2012/05/30(水) 23 11 11 ID 5MJHYHvE ~ある犯人のプロローグ・1~ 許せないと思った。あの人はあんなにも苦しんでいたのに。 だから同じ目に……いや、それ以上の苦しみを与えなければならないと思った。 あの人の代わりに私が思い知らせてやるんだ。 5話 学校が終わってすぐ、俺と晃と辻本さんは市内の中央病院へ向かった。 中条が意識を取り戻したのだ。一刻も早く会いたい。それに―― 「なあ、委員長。中条が俺たちに会いたいって、言ってたんだよな」 「うん。だから今日は私たちだけで行くことになってるわ。私はクラスの責任者として、だけど」 「中条……」 どうやら中条も俺たちに会いたいらしい。だからこそ一刻も早く病院へ向かわなければならないんだ。 それなのに俺は怖かった。果...
  • 嘘と真実 2話
    428 :嘘と真実 2話 ◆Uw02HM2doE:2012/05/03(木) 21 42 27 ID W9rqsCrk ~誰かのエピローグ・2~ 「……行くよ」 冷たい声が聞こえてくる。そうだ、もう行かなくちゃ。本来ならば一刻も早くここから立ち去らなければならないはずだ。なのに俺はいつまでも終わったことを―― 「分かってる」 俺はゆっくりと歩き出す。冷たい雨で歩きにくいが、それでも俺は歩き出さなければならない。きっとこの罪は消えないから。だから俺は逃げるしかないんだ、ただひたすら遠くへ。 2話 夕焼けに染まる校舎裏。そこに佇む男女が一組。女子の方はポニーテールがよく似合う、可愛いらしい感じの女の子だった。 顔は夕焼け以上に赤くなっており、今まで自分自身がたどたどしくも話していた内容にかなりの羞恥心を覚えているようだ。 「そ、そ、それでっ!わ、私……あのっ...
  • 群青が染まる 09
    439 :群青が染まる 09 ◆ci6GRnf0Mo :2010/05/24(月) 19 14 48 ID mClJUOWU  社の裏手に抜けると真っ先に気付いたのは、  この町の命なのだろう熱心に整備されているとわかる道と、それに沿って細い 川のように続く水の道。  町からの明りも乏しい夜陰を掻き分けて奥へと、湖へと踏み出した。揚げ水用 のための民家についていた水車をふと思い出しながら。  そんな町から僅かながら聞こえる祭囃子が壁を隔てているように感じられても、 三メートルほど背後に逃げないようとついてきた町人を半ば憂鬱に感じても、  前方を、行末を見つめたままのマリンから視線を外すことはできなかった。 「ご、ごめんなさい、ご迷惑をおかけして……」  逡巡に埋もれていた最中に届いた申し訳なさそうな声に、転ばないように握る 擦り傷だらけの小さな手をした少女に、反射的に...
  • ぽけもん 黒  25話
    814 名前:ぽけもん 黒  25話 ◆/JZvv6pDUV8b [sage] 投稿日:2011/05/05(木) 23 10 45.86 ID Nn8VuQXE [2/9]  シルバーが去ってしばらくした後、僕は大事なことに気づいた。  僕はどこで連絡を待てばいいんだ?  今いる丁子町は旅の順路から大きく外れている。  ポポの治療が終わるまではそれを言い訳に滞在できるけど、それもどれくらいかかるか分からない。  一日二日で治らない時点でよっぽど重症だったことはうかがえるが、ポケモンセンターの医療技術は異常と言ってもいいくらいだ、油断は出来ない。  治療が終わったなら順路に戻らなくてはならないわけだけど、例えば槐市や浅葱市にいたならともかく、海の向こうの丹波町にいた場合、連絡が入ってすぐに動くというのも難しくなる。  奴は僕の連絡先を知ってるけど、僕は奴の連絡先を知らない。  はあ……  ...
  • ヤンデロイド・りたぁんず 前編
    175 :ヤンデロイド・りたぁんず 前編 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 00 34 29 ID HOJieKTt 『ヤンデロイド・りたぁんず』 お久しぶりです。メイドロイド『YDR-001A.コロナ』です。 私が高雅様の元で働き始めてから、一ヶ月が経過いたしました。 今日は皆様に、私のメイドとしての能力の高さを証明するため、私のお仕事の記録を少し公開したいと思います。 私を元に開発された量産型メイドロイド『YDR.M01C.リオン1』がもうじき発売されるとのことで、その宣伝もかねてのことです。 リオン1は私の妹と言える存在なので、親心だと言えるかもしれませんね。 お値段は50万円と、大変リーズナブルにまとまっております。皆様、ぜひお買い求め下さい。 ……と、宣伝が本題ではありません。 では、私と御主人様の愛を育んだこの一ヶ月間の日常...
  • すりこみ第七話
    324 :すりこみ [sage] :2007/06/11(月) 02 04 09 ID KB9hD5g0 「あ、いらっしゃい♪」 いつもの時間にドアが開くいつもの光景、いつもの挨拶。 静かな店内に流れる音の中、フクダさんの姿が見える。 背広を預かりハンガーに吊るしている間に、フクダさんはいつものカウンター席に腰をかけていた。 「いつものでいいですか?」 「はい、いつもので…」 手早く氷とボトルを用意し、グラスに氷を割り入れウイスキーを注ぐ。 とくとく…とく… コースターの上にグラスを静かに置くとフクダさんと眼が合った。 「今日はお一人なんですね。」 「ええ、今日は……」 チーズを切りながら言葉を交わす。 そういえば、ゆっくりフクダさんとお話しするのは久しぶりかもしれない。 ふと、そんなことを思った。 325 :すりこみ [sage] :2007/06/1...
  • OR(オーバーリアクション)な彼女
    875 : ◆memoqQ96og :2009/09/13(日) 20 17 02 ID VbGPF8dU 埋めネタ OR(オーバーリアクション)な彼女 第1話 今年の夏のことだった。 ついに俺にも初めて彼女が出来て、しかもそれが男十人中九人が振り向く美女ということで浮かれていた。 しかし後から考えると、そもそも彼女をと出会ってしまった時点で俺の人生の歯車は狂ってしまったのかもしれない。 それは何気ない会話の中の一言から始まった。 「最近、暑くて寝苦しいから睡眠不足でさ…。」 この言葉に大きなリアクションを期待していたわけではない。 しいて言えば、「それは大変ね。」程度の普通の反応を期待していたわけだ。 しかし、彼女の反応は違った。 口をポカンして、瞳孔は開ききってきた。まるで驚愕の事実を知ったかのように。 そして、次の言葉で俺を責めたてた。 「何故、もっと早く...
  • 日常に潜む闇 第11話
    562 :日常に潜む闇 第11話 ◆4wrA6Z9mx6 :2011/01/29(土) 21 49 02 ID sdrmu9Zw     ~side of Misae and Seiji~     「あの、美佐枝さん」     「どうした? そんな改まる必要はないぞ?」      戸惑う久坂誠二に対して、天城美佐枝は優しく、しかし凛とした口調で語りかける。      二人はいま学園の商業区にいる。      しかし場所が問題だった。     「ところで誠二、これなんかはどうだろうか」   &nb...
  • ほトトギす 第十一話
    614 :ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2010/05/31(月) 15 36 28 ID rteUYnWY 源逆灯が去ってすぐ。 入れ替わるようにして『恋人』はやって来た。 否、やって来ていた、と云うべきだろうか。 微睡みの洞窟を抜け、現実と云う今に視線が合うと、織倉由良は風景の中にいたのだ。 所作や格好から判断するに、夕食の支度をしているらしい。 澱んだ瞳でその姿を見ていると、織倉先輩は笑顔で僕に近付いてきた。 「あ、日ノ本くん、目が覚めたのね? 上がらせて貰っているわよ?」 夜にまた来る――予告通り、と云う訳か。 「具合が良くないって云ってたけど、本当に顔色が悪いわね。待ってて、精のつくものを沢山作ってあ げるから」 そう云って支度を続行する姿を見て僕はちいさく首を振った。 食欲などない。 それが偽らざる心境であり、状態だ。 織倉由良が日ノ本創の家に...
  • 群青が染まる 05
    310 :群青が染まる 05 ◆ci6GRnf0Mo [sage] :2010/04/10(土) 12 12 45 ID q2TxcnQp 「はっ…はっ…」  動かせど動かせど距離が縮まらない。  暗闇の中をなびいて揺れる髪の尾が遠くて、だからこそ気付けなかった…… 彼女の背中を追いかけれるというその異常さに。  どれぐらい走ったのか、どれぐらい走るのかもわからず精神的にも疲労が溜 まっていく。  それでも、ぬかるんだ地面が芯が抜けた足をさらに疲れさせても、呼吸が苦 しくなって来ても足を動かし続ける、目標を見失わないように。  そんな我慢も、精神より先に肉体が限界を迎え、もうだめだと思った時だっ た……映るのは木々だらけだった視界が開けたのは。 「なんやここは」  そこは、木々がないのに関わらず、陽すら射していない開けた空間。  ……あれはなんだ?  辺りの明るさだけで判断するなら夜だ...
  • 風の声 第9話「風の輪」
    411 :風の声 第9話「風の輪」:2010/12/28(火) 02 07 02 ID ANN1ZbIR 「頼む!!」 「・・・何が?」 自殺未遂者を救った翌日。右腕が包帯状態の俺が教室に来るなり一人の男子に土下座された 土下座といっても土の上でなく机の上。真剣さが伝わらない・・・ 「俺達の部活に入ってくれ!お前の反射神経が必要なんだ!頼む!」 「反射神経って?」 「昨日のあれだよ。あれ!落ちてきた人に気付き反応する反射神経、瞬発力、支える腕力  それらが揃っているお前に入ってもらいたい!」 「何部?」 「男子バドミントン部、入部者数が少なく、さらに先輩が卒業し今は俺を含め1年生が2人なんだ  あと1人いれば団体戦に出れるんだよ」 「ちなみに女子は?」 「入部者数ベスト1位」 「男子は?」 「ワースト1位」 バドミントン。名前だけ聞くと野原や公園でやる平...
  • Tomorrow Never Comes8話「学園急降下(スクールデイズダイブ)・落下」
    487 :Tomorrow Never Comes ◆j1vYueMMw6 [sage] :2009/01/31(土) 20 44 45 ID HLSJkxAS 8話「学園急降下(スクールデイズダイブ)・落下」 「あら、久しぶりねぇ、佐藤くん」浦和先輩のお母さんはいつもと変わりない。 先輩の住むマンションは学校から近い。やや田舎チックなこの辺りでは割と栄えているエリアで、高層マンションが乱立する一角、ごく普通のマンションが先輩の家だった。 5階建ての横長なマンションは建設中の高層マンションのせいで陰になっており、エントランスには『洗濯物が乾かない』という切実な旗が立てられていた。 やたらと狭いエレベータに乗って5階まで昇り、やや老朽化した廊下を歩く。中ほどに『浦和』と書かれた表札があった。俺は、迷わずチャイムを押す。 「何かご用かしら、佐藤くん」 黒髪を後ろで束ね、エプロ...
  • 恋人作り 第三話
    712 :恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] :2007/02/12(月) 17 45 49 ID pPuhHdo9  真綾が家に帰り着くとちょうど祐人からメールが届いた。   to;真綾   from;祐人   message;無事家着いたか? 「はぃはい着いたよぉっと……」  メールを返しながら鍵を開けて家に入る。 「ただいまー。お母さーん?」 「おかえり真綾。今日はずいぶん早いのね。さては祐人くんと喧嘩でもした?」 「もぅやめてよお母さん。私と祐人はラブラブですょうだ。  ってかお母さんが電話くれたから早く帰って来たんだけど?」 「え?電話なんかしてないわよ?」 「え?だって早く帰って来てって…」  真綾が着信履歴を確認する。そこにはしっかりと履歴が残っていた。 「変ねぇ…電話してないわ。ほら」  母親の携帯にはもちろん発信履...
  • ヤンデレ家族と傍観者の兄第二十話
    25 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms [sage] :2008/07/20(日) 21 56 07 ID zHYMwNz0 ***  洗濯機の蓋を開けて、中を見る。  そこにあるのは、たった今洗い終わったばかりの、私とお兄ちゃんのそれぞれの下着と服。  他の人の衣類は入っていない。  私が、あえて選り分けてそういうふうにした。  使うお水と洗剤の量が増えちゃうけど、仕方がない。  私とお兄ちゃんは何もかも、全部一緒でなくちゃいけない。  洗濯ものなんかはもちろん、住む家も、部屋も。  ベッドは別。まだそういうことをするにはちょっと早い。  それ以外のものは、家族と一緒に住んでいる以上、どうしても共同になってしまう。  お母さんの手伝いを建前にして家事のほとんどを取り仕切っているけど、 バレずにできるのはせいぜいこうやって洗い物を一緒に洗うぐらい...
  • 触雷!第十一話
    147 :触雷! ◆0jC/tVr8LQ :2010/07/14(水) 23 57 43 ID zDgY/sIv 「ああ……」 入ってきたエメリアさんとソフィさんを、僕は茫然と見上げた。 いつしか、先輩の体はぐったりとして、僕を捕まえていた力も抜けている。 見ると、先輩は白目を剥いて、気を失っていた。 それから、下腹部の方で聞こえる水音。先輩が失禁しているのだと分かる。 清楚でおしとやかな先輩をこんな風にしてしまうなんて、僕は何という鬼畜なのだろうか。 「ご、ごめんなさ……」 謝ろうとしたとき、エメリアさんとソフィさんが近づいて来て、僕の両腕を掴んだ。 そのまま、先輩から引き剥がされる。 結合が外れた瞬間、先輩の体がビクンと痙攣した。 「ごめんで済めば、ポリスはいらないのですよ。詩宝様」 ソフィさんが言う。全くその通りだ。 「お嬢様の信頼を裏切り、初めてを奪って傷付...
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