ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「歪んだ愛」で検索した結果

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  • 歪んだ愛
    歪んだ愛第一話
  • 歪んだ愛第一話
    512 :名無しさん@ピンキー [sage] :2010/10/18(月) 10 52 39 ID KKYs10Ps 「お~い、美香ぁ、起きろぉ~」 「う~ん、・・・・・・あっ、おはよう!お兄ちゃん。」 「おはよう」 やっと起きたこいつ、美香ことおれの妹だ、自分でイうのもあれだが、 こいつはお兄ちゃんこだから、おれが一人暮らしするといって、そしたら、こいつも付いてきた、 ので、今俺はこいつと2人ぐらしだ。 「お兄ちゃん、今日はお兄ちゃんが朝ごはんつくってね」 「え?おれ?なんで」 「だって、おにいちゃんのつくったごはんが食べたいんだもん」 「はぁ~、しょうがないなぁ。じゃあつくってやるよ。」 「わ~い、おにいちゃん大好き~」 とまあ、こんな日常を毎日繰り返しているのである。 ・・・・・でも、この日常が俺にとっては一つの幸せだ。だからこんな幸せがこんな形で崩され...
  • 狂宴高校の怪 第15話(試練編)
    ...、過去の記憶のせいで歪んだ愛情表現しか出来なかった訳ですからね。  それにもっとすごいのはコイル君とケンゴウ君のキャパシティ。歪んだ愛情表現を自分の体一つで許容してるわけですからね。 「しかし、クドやマナカだけではない。まだ記憶を取り戻してない人もいるでしょう?シドウ、君も含めてね。」  私の・・・記憶ですか・・・。いくら四年前を想像しても出てこない。やはりきっかけがなければ・・・。 「忠告です。近々一人、きっかけが出来ます。ご注意を。」  ・・・また刃物が飛び交う事件が起きるのでしょうか・・・。 181 名前:狂宴高校の怪 第15話(試練編)[sage] 投稿日:2011/07/10(日) 20 52 43 ID i55FJM5Q [4/5] ―――――――――― 「無理しちゃダメよ?」  保健室の先生の声で、私はゆっくりと上体を起こす。  ・・・お兄ちゃんに、お弁当を届け...
  • 長編SS
    ...特級フラグ建設士』 歪んだ愛 社長とおっぱい とある幽霊の話 ◆efJUPDJBbo氏 ラ・フェ・アンサングランテ ◆AJg91T1vXs氏 ステレオタイプの量産ナンバー(完結) ナカンダカリ◆J9zPo6rgI.氏 わたしをはなさないで(完結) ◆aUAG20IAMo氏 Life ◆1If3wI0MXI氏 シスターズ!! ◆rhFJh.Bm02氏 弱気な魔王と愛され姫様(完結) ◆aUAG20IAMo氏 学校の八不思議。 ◆rhFJh.Bm02氏 煉獄 うちの奇妙な同居人(完結) ◆aUAG20IAMo氏 Mistress ◆TAPy3blMsc氏 晴れのち病み (完結) ◆O9I01f5myU氏 青鬼の鬱日和 ◆C3CeMGDjT2rQ氏 『彼女にNOと言わせる方法』 ◆lSx6T.AFVo氏 受け取れない想い 17:00時の女の子(完結) ◆aUAG20IAMo氏 忍と幸人(完...
  • 第十四話『存在に心奪われる時』
    ...らんでもない。結局、歪んだ愛をもった人間が多いのにたいし、シンの愛は方向性はどうあれ真っ直ぐだった。正しい形をとっていなかったとしても、あそこまで一途なやつも、そうそういないな」 そうこうして無駄話をしているうちに、校門までたどり着く。 見ると、なにやらいつも通りの風景ではない。 生徒たちはざわざわと野次馬のように外に出てきていて、その中心には大きくスペースが開いている。 黒服の男達が何人か断っていて、野次馬達を押しのけているのだ。 さらに、開いたそのスペースの中心に、誰かが立っていた。 「なんだ、こりゃあ」 千歳が小さく呟く。とにかく学校に入らなければ。と、踏み込む。ナギとイロリも追従する。 真っ直ぐ歩いていくと、見るからに怪しい誰かさんにぶち当たることになる。迂回していくか、と、千歳は方向転換―― ――しようとした矢先、怪しい人物が走り出した。 その手には、槍...
  • 高嶺の花と放課後『リンドウ』
    836: 高嶺の花と放課後『リンドウ』 :2021/03/05(金) 10 52 37 ID rgNZ.V2g 世の中には知らない方がいいことってのがある。 けど人間って愚かな生き物は、探求心にあらがえない。 一度知ってしまえばもう、"知らない"には戻れない。 自分が正しいと思っていたことは全て間違っていたと気付いてしまうこともある。 けれど知らなければそれは正しいのままでいられる。 これから綴られる物語も知らなければ良かったと、そう為る物語。 親切なあたしは一度だけ警告するよ。 これ以上は読まないほうがいい。 警告したからにはもう読書を中断させる義務なんてない。 知ってしまったことに対する責任なんてない。 嗚呼、きっとお前は後悔するんだろうな。 それでもいい。 だっ...
  • かんきんされてるのは、ぼく
    654 :かんきんされてるのは、ぼく :2010/08/24(火) 23 08 35 ID KnMWpfd0  テーブル、本棚、デートで買った大きなぬいぐるみ。  一見してごく普通の女の子の部屋だ。  ただし、その部屋の奥には普通で無いモノがある、というかいる。  ベッドの上で四肢を拘束された男、つまり僕だ。  そんな部屋に、一人の女性が帰ってくる。  「ただいま、アキラくん!」  長い髪を後ろで束ねた一見快活そうな女性、ユカリさんだ。  彼女がどこか歪んだ笑みを僕に向ける。  「おかえり、ユカリさ…」  僕がそう言い終わらないうちに、ユカリさんはベッドの上の僕に飛び込んでくる。  そして、濃厚なキス。  互いの舌が絡み合う。  「フフ、アキラくんに会うの、待ち遠しかったぉ、ボク…」  しばらく僕の口の中を味わうと、ユカリさんは言った。  「おかえり、ゆかりさ...
  • 終わらないお茶会 第五話
    47 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/06/01(木) 02 02 09 ID zXEahP8G  狂気倶楽部の数少ない原則の一つに、外での関わりを持たないというものがある。  外で話すな仲良くなるな、ということではない。  他の人間に、狂気倶楽部という存在を知られるな、ということである。  一対一でこっそりと密談するのならばいい。けれども、横の繋がりを、外に知られてはならない。  そういった、排他的な面が狂気倶楽部にはあった。  それは、狂気倶楽部の面子が――事件を起こしやすいという一面を持つからだ。  自殺なり他殺なり。  何かの事件を起こしやすく、起こしたときに、個人ではなく狂気倶楽部を責められないように。  あくまでも喫茶店グリムとその地下図書室を除いては、彼ら、彼女らは他人同士だった。  本名も住所も分からない、二つ名と異...
  • つながり1 つながり2 つながり1-B
    206 :つながり [sage] :2008/05/06(火) 09 00 45 ID a6pKX0TS 「もうやめよう・・・」 ・・・なんで? 「俺たちの関係は・・・ホントは平行線じゃないといけないものだから・・・」 ・・なんで? 「俺と夏輝は兄妹だから・・」 なんで?どうしてダメなの? こんなに好きなのに!ずっとずっと昔から好き合っていたのに。 私たちは誰よりも深く深く繋がった存在なのに・・・なんで? 「だからダメなんだ・・・ここで終わらせないとダメなんだ・・・」 ・・・ ・・ ・ 思い出して涙。世界が歪んで見える。 空を見上げる。やっぱり歪んで見える。 なんで・・・? 「おーい、何泣いちゃってんのなつっちゃん。私が席はなれて一人になったのがそんなに寂しかった?」 ・・・・・・ 涙を拭うと見慣れた顔があった。 さわやかに整った顔立ちのスポーツ少女...
  • しまっちゃうメイドさん 第七話
    448 :しまっちゃうメイドさん ◆HrLD.UhKwA [sage] :2007/04/10(火) 02 36 42 ID vgC7m8Qf 「あっ…、私は否命、秋月否命。宜しくね、凛ちゃん」 「りっ、凛ちゃん!?」  凛はその言葉を、まるで聞いた事がないかのようにオウム返しに言った。 「えっと…違った?」 「いえ、合ってるわよ」 「…………」 「…………」  自己紹介を終えた二人の間に沈黙が訪れる。本来ならば気まずいはずの、この沈黙を凛 は楽しんでいるようだった。顔には相変わらずのニヤニヤ笑いが浮かんでいる。一方、否 命は落ち着きなく視線を動かしながら、沈黙に耐えられずに言葉を探していたが… 「~~~~~~~!!」  凛がなんでニヤニヤ笑っているのか知り、思わず顔が真っ赤になった。  凛は未だに否命の股間で硬直し、ビクッ、ビクッと震えながら精液の残滓を放出して...
  • シスターズ!!3話:過去、現在、未来。
    550 :シスターズ!!3話:過去、現在、未来。:2011/01/02(日) 17 49 54 ID JeBnsLeV 九条三つ葉は母子家庭で育てられた。 母から学んだ愛は歪だった。 父の存在を聞いてみても、濁った眼で 「隆はもうすぐ私の下へ帰ってくるわ」 としか返してこなかった。 しかし、三つ葉は知っていた。 父は決して此処に来ない事も、 母が夜、自分の部屋で泣いていることも。 好きな人ができた。 宮城孝康。それが彼の名前。 初めて会ったあの日、彼にとっては些細な事だったかもしれないが、 私にとってはかけがえのない出来事だった。 彼の事を調べていく。 父と母に妹が一人。 名が隆、文子、彼方。 父の名を調べたところで疑問になった。 確か、私の父の名も隆だったはず。 私は普段は入らない母の部屋へ向かった。 いつも泣いているのは父が関係しているのだろ...
  • Life第1話蓼食う虫も好き好き
    ...この頃、 女性の歪んだ愛情が原因で色々と事件が増えているようだ。 なかでもストーカー、監禁、殺人、心中が多いらしい。中には意中の人を喰う奴もいるとかなんとか。おぉ、怖い怖い。 俺の通っている相楽(さがら)高校にも何人かやらかした奴がいる。 まぁ、学力、容姿共に中の中、人間関係の薄い高校2年の俺、樋野島康太(ひのしまこうた)には無縁のことかもしれない。 俺の人間関係といったら、高校からの知り合いで親友の折原泰男(おりはらやすお)通称ヤスとクラスメイトの数人の男子。その男子達も何人かは花瓶に花を挿して机に置いてあるという状態だ。 そして女子とのつながりがないという事はスルーしておこう。 ふと時計を見てみる。まだ11時前だ、退屈すぎる授業のおかげで睡魔が襲ってきている。 寝ても大丈夫だよな?ここの授業はもうばっちり理解している。席もドア側の1番端だし。それに...
  • ヤンデレウイルスβ
    282 :ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] :2008/09/17(水) 06 09 56 ID RpGp5jFF TIPS 金城康二 保菌形態β 主人公 金城さとる 保菌形態α ヤンデレ好きのキ▲ガイ科学者。 金城篝 αの感染者。 佐藤亜麻 βの感染者。 ――――ヤンデレが傍にいて欲しいとは思ったのは何時だったろう? ヤンデレとは災厄だと理解したのは何時だったろうか?――――― 283 :ヤンデレウイルスβ ◆iIldyn3TfQ [sage] :2008/09/17(水) 06 10 53 ID RpGp5jFF 「私、出張で少し都内空けちゃうでしょう?  ねぇ、康二君。お願い、お願いだから__ちょうだい?」 ちょ、スプラッタかよ。と思った。 けれども nicegayで、koolga...
  • 題名の無い短編その二十六
    94 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/07/22(火) 00 59 37 ID V2+RCR7+ ヘタレプログラマーは,今日も仕事で疲れきって,遅くなって家に帰ってきた。すると,彼の5歳になる娘がドアのところで待っていたのである。彼は驚いて言った。 「まだ起きていたのか。もう遅いから早く寝なさい」 「パパ。寝る前に聞きたいことがあるんだけど」 「なんだ?」 「パパは,1時間にいくらお金をかせぐの?」 「お前には関係ないことだ」 ヘタレプログラマーである父親はイライラして言った。 「なんだって,そんなこと聞くんだ?」 「どうしても知りたいだけなの。1時間にいくらなの?」 女の子は嘆願した。 「あまり給料は良くないさ・・・20ドルくらいだな。ただし残業代はタダだ」 「わあ」 女の子は言った。 「ねえ。パパ。私に10ドル貸してくれない?」 「なんだ...
  • 風雪 3話
    366 :転載:2010/08/14(土) 22 41 16 ID uPkb+fr5 49 名前: 風雪 3話 ◆ f7vqmWFAqQ 2010/08/14(土) 22 33 25 ID qybzXf/Y0 この世は無限の可能性で出来ている。 そう、どんなにエキセントリックな出来事でも、起きる事はある。 例えば、教室に謎の組織が乱入するとか、そんな男子中学生の妄想みたいな出来事でもだ。 はたまた、朝起きたら自分が醜い虫に変身していた…とか。 そう、こんな非日常過ぎる出来事があるんだ! だから、いじめっ子にパシられて代理告白をして、その告白の効果が自分に帰属するなんてよくある話… 「な訳あるかッ!!!!!」 「…どうした?」隣の女性がこちらの顔を覗きこんで訝しんできた。 いや、はい、あの、どうしたらいいんですかね、僕。いっそ逃げたい。 ただいま夕方。僕は今日の朝に告白...
  • ヤンデレ幼女の夢
    362 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/10/26(日) 17 59 06 ID IgppDcME 今朝ヤンデレ幼女に襲われるというやたらに生々しい夢を見た 正夢にならないかな…… 363 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/10/26(日) 18 27 01 ID TWWqUh5Z 夢じゃないよ?現実だよ? 364 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/10/26(日) 19 59 04 ID IgppDcME 363 うはwちょっと幼女探してくるw ちなみに夢の内容はこんな感じだった 365 :ヤンデレ幼女の夢 [sage] :2008/10/26(日) 20 00 47 ID IgppDcME 夢の中の幼女とはもともと仲がよかったみたいで、お兄ちゃん、お兄ちゃんって俺のことを慕ってくれていた。 俺も...
  • 自宅警備員の姉第三話
    625 :自宅警備員の姉 [sage] :2010/07/11(日) 15 14 41 ID 49xj/ojQ 昼休み、涼子に呼び出されて足を運んだのは、体育館の奥にある体育用具倉庫だった。 だれもいない体育館。 古びた金属の扉を開けると、涼子はすでに倉庫の中で俺を待ち構えていた。 身長190センチを誇る筋肉女は、跳び箱に腰掛けて悠然と微笑んでいる。 「やあ、遅かったね。待ちくたびれたよ」 「わ、悪い」 「レディを待たせるなんて礼儀知らずもいいところだ。これは、お仕置きが必要かな?」 唇を舐めながら、その瞳にサディスティックな本性を滲ませる、涼子。 俺は、まさに蛇に睨まれたカエルのごとく動けなくなり、しかも小さな悲鳴さえ上げてしまった。 そんな俺のぶざまな様子がおかしかったのか、涼子は声を上げて笑う。 「冗談だよ、誠司。安心しな。ボクは我慢強いし慎み深い性格だからね、...
  • マガジンデイズ 前編
    191 :??? 1/13  ◆AZUNJTAzwE [sage] :2008/09/13(土) 03 14 25 ID TLvbeUqe  マガジン編集部。  ここにはある特殊な使命を帯びた者達がいる。  それがマガジンミステリー調査班、通称MMRだ。  彼らは少年マガジン編集者で作られた組織であり、その活動目的は人類滅亡の可能性を調査し、  それをマガジンに載せることで読者に警告することにある。  しかし、そんな彼らの活動を良く思わない連中も居たことも事実である。  宇宙人に誘拐されたこともあった。  秘密結社の妨害にも遭い、隊員の命を狙われたこともあった。  1999年には、人類が滅亡しなかったじゃないかという、抗議の電話が来たこともあった。  裁判に掛けられ、サイバンチョに有罪にされそうになったこともあった。  しかし、そんな様々な妨害にも屈せず、今日も...
  • いない君といる誰か 第二話
    654 :いない君といる誰か [sage] :2007/01/04(木) 18 28 39 ID zpAEyOdJ  里村春香についてのあれこれ。生きていれば19歳。生きていれば、というのは他でもない、何の身も蓋も伏線もトリックも関係なく、 れっきとした事実として、里村春香は死んでいるからだ。死んだのはもう一年も前になる。18歳の里村春香は受験のストレスに耐え切れずに 学校の図書室から飛び降り自殺した――ということで一応の決着がついている。彼女が受験生だったことは事実だし、18歳だったことも、 思春期だったことも、そして図書室から飛び降りたことも、全て事実だ。覆しようのはない。ただし、その単語群の間を=で埋めるのは残された 人間たちの創造力でしかなかった。そして、里村冬継は、創造力を持ち合わせている人間ではなかった。  だから、事実だけで考えれば。  姉が――死...
  • 明日が来る! プロローグ
    666 :明日が来る!:2011/06/06(月) 21 51 01 ID Q9vns0WY 初投稿です。 明日が来る! プロローグ その日は、蝉が鳴いていた。 小さな蛍が射し込む木漏れ日を見上げている。 二人の兄が歪んだ笑みを浮かべ、静かに蛍を見下ろしている。 「おらぁっ! 他人事みてえにボーッとしてんじゃねえぞ!」 二人の兄のうち、右側の方が、蛍の腹を蹴り上げる。 「ぅぐ……」 激痛に呻きながら、蛍は思わず膝を付く。吐瀉物の匂いが鼻を突く。じんわりと霞む視線の先に、涙を浮かべながらこちらを窺う冴の様子を捕まえる。 「立てっ!立たないかっ!」 左側の兄が蛍の胴着を引っ張り上げ、無理やり腰を上げさせる。 冴は身体が弱い。せめて、冴だけは守らなければ…… 蛍は今日立ち上がる。二人の兄と向き合うことはしないけれど。 蝉が鳴いている。 涙が頬にべ...
  • 羊と悪魔第六話
    249 :羊と悪魔 [sage] :2007/10/05(金) 00 39 49 ID 8ck79HaF  今日一日の疲れを風呂とベッドで癒す。  あきらのことをどうするかは明日考えよう。そうして私は眠りについた。  だから私は、知らなかった。  あきらが同性愛者なんてものじゃあなかったということを。  そして、あきらの異常性を。  それを知るのも明日だというのに私は。  翌日、私は珍しく早起きをして、朝早く登校した。  通学路の途中で理子とのぞみを見つけ、玲が家に帰っていないことを知った。  もしかしたらあの生粋の絵描きさん、まだ美術室にいたりして。そんな冗談を笑いながら、美術室に向かう。  冗談は現実になり、私たちは笑えなくなった。  玲は美術室にいた。ずっと、いた。  首から流れ落ちる血。光のない眼。力を失った腕と脚。  赤黒い海に横たわる少女。  ...
  • 高嶺の花と放課後 第12話『イエローローズ』
    661: 高嶺の花と放課後 第12話『イエローローズ』 :2020/02/27(木) 17 02 10 ID FtphCcUY 僕らのクラスの喫茶店というアイデアが採用されたのは生徒会へ出す模擬店の申請期限間際のことだった。 当然クラスTシャツだとか衣裳なんてものを用意する時間はなく、それぞれの家庭からエプロンを持ってこようということになっていた。 とはいってもそのエプロンを付けるのも初日の午前を担当する生徒だけで、おおよそクラスの四半分だ。 それでも、普段とは異なるエプロンという家庭的な風貌に浮き足立つ雰囲気を感じる。 こと高嶺の花に至っては。 「やば、高嶺。マジで何着ても似合うな」 「あいつのことだし、絶対料理とか得意そうだよな」 「それありえるな。いやー食ってみてぇなー」 クラスの男子たちの会話を聞き耳立てて盗む...
  • 題名のない短編その八十九
    267 :雌豚のにおい@774人目:2011/10/31(月) 23 20 45 ID gs6WFAVg 「うん、直接会えずに話しをしなければならないのは酷く久しぶりだね。 ああ、別に体調は悪くないさ。ただ今の表情を君には見せたくないという女心くらい許してくれ。 なぜ謝るんだい? 僕は君の幼なじみで親友だよ、彼女という立ち位置を誰かに取られた位で怒ったりはしないさ。 うん、怒ってはいるよ。彼女『も』大切だというのなら僕は何も言うつもりは無かったからね。 今までの距離が好きだったからね。 うん、本題に入ろう。僕『も』見て欲しい。それだけだ。 そうそう、これは蛇足だけどね、僕は自分の感情が鈍いと思って『いた』。 まあ、最後まで聞いてくれよ。 うん、過去形だ。以前君が今の彼女とは別の女の子と歩いていた時は興味を持たなかったからね。 ああ、あの時は後で振られたいたのか、なるほどね。そう、僕の居場所...
  • 狂っているのは誰?第四話
    11 :狂っているのは誰? [sage] :2009/05/21(木) 22 56 04 ID BrYHOeni 春香は「安心できるまでここにいる」と、建設現場から出たがらなかった。 そして翌日、私は春香の母親を事務所に呼び出していた。 「どうしたんですか探偵さん、急に私だけ事務所に来てほしいだなんて。 春香は?春香は見つかったんですか?」 「奥さん、落ち着いて聞いてください。結論から言って、 春香さんは見つかりました。しかし、一つ大きな問題があります」 「本当に春香は見つかったんですね?無事なんですね?・・・・問題?」 「これを見ていただきたいのです。」 私はそう言葉少なめに、母親にあのビデオテープを差し出した。 おそらく、私がいくら性的虐待のことを言葉で説明しても、 この悲惨さは伝えられないだろう。 母親には辛い事だが、今起こっているすべてを直視してもらわなけれ...
  • 龍馬暗殺
    788 :龍馬暗殺 [sage] :2010/12/05(日) 14 37 29 ID ilBMG1Eo 「龍馬暗殺」  慶応3年11月15日深夜、京都河原町の近江屋・・・・・・  中岡慎太郎との議論に熱中していた龍馬で有ったが  階段からドドドーーーッ!!! と大きな物音・・・  龍馬は「ほたえなや(土佐弁で騒ぐなという意味。)」と声をかけた。  それで龍馬の在室を確認したのだろう。  一人の麗人は二階奥の八畳間に飛び込んだ。 だが、部屋には男二人がいた。  坂本龍馬と中岡慎太郎だ。 とまどいながら、敷居上に麗人は正座して 「坂本様お久しゅう御座います」と恭しく両手をつく。  右にいた龍馬が「はて、どなたでしたかな」と答えると。  麗人は一瞬龍馬をにらみ、やおら目を瞑り短く深い息を吐くと「千葉佐那子で御座います。」と深々と畳に頭を付ける。  龍馬は大きく目を...
  • Beside a Brook
    573 :Beside a Brook ◆gSU21FeV4Y:2011/05/27(金) 23 05 05 ID /ej2yWxw 家庭的で、可愛らしくて、素直で、恥ずかしがり屋で……。 彼女に対する俺の印象というのはそんな感じだった。 俺は今、正座をして彼女の説教を聞いている。 何度目だろう、こうして彼女にお叱りを受けるのは。 俺の中で嫉妬深いという印象は、彼女に対して持っていなかった。 クラスの女子生徒と話をすると、放課後彼女の家に無理やり連れて行かれ、説教。 女子とのメールを制限され、制限を破ると説教。 最近は嫉妬深さがさらに酷くなった。 ある時、彼女も興奮していたせいもあっただろうが、 視界に私以外の女の子を入れないでと言われたことがあった。 そらぁ、無理ってものですよ、沙世ちゃん。 彼女、沙世の説教は長い。 今日は授業中に...
  • ぽけもん 黒 32話
    724 名前: ◆wzYAo8XQT.[sage] 投稿日:2013/07/21(日) 20 40 25 ID WaAYDk/E [2/9] 「香草さん!」  腕に確かな重さを感じる。体に確かな暖かさを感じる。  ああ、本当に君なんだね。本当に…… 「ああああああ!!」  洞窟に響いた絶叫が僕と香草さんの間の安楽の時間を割いた。  ポポが、狂気走った目でこちらを見ている。  同時に走る寒気。  むき出しの殺気に、僕の肌が総毛立つ。ピリピリと痛む。まるで皮膚という皮膚に針を突きつけられたような恐怖。 「この畜生……私のゴールドに一体何をしたのよ……」  そこで僕の焼けた脳はようやく現状がいかに恐ろしいことになっているかに気づく。  半裸のポポに同じく半裸の僕。お互いの下半身はお互いの性の名残で汚れている。そして僕は酷く消耗している。そして洞穴に充満する性臭。  これを見て嫉妬と高慢の鬼である...
  • 依存監禁 前編
    450 :依存監禁 前編 ◆PLalu2rSa. [sage] :2009/03/11(水) 18 00 09 ID XzZZMW9y 「ただいま、雄一。良い子にしてたかな?」 目の前の女性が僕にそう語りかける。 すらっとした背の高い身体に、腰までとどく長い黒髪の美女。 「今日は隣町のショッピングモールまで行って来たの」 そう言って、彼女は手に持った買い物袋達をドサドサと床に置く。 思わず買い過ぎてしまったのだろう。結構な量だ。 僕は彼女の顔を見つめる。 いつもどおりの、彼女の美しい顔立ちがそこにある。 「えへへ、ちょっと買い過ぎちゃった。今日はご馳走だよ。雄一の好きなものいっぱい作ってあげるね」 そう言って床に置いた買い物袋から、食材を取り出して冷蔵庫の中に放り込んでいく。 僕は彼女の横顔を見ながら、どうしてこんな事になったのだろう。という、いつも通りの疑問に胸を苛...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part33埋めネタ①
    804 名前:兎里 ◆j1vYueMMw6 [sage] 投稿日:2010/08/02(月) 00 17 10 ID 5W0Ta3JA  昔から僕には視えているのに、他人には視えないものがあった。それは恐らく、そこにあるようなものではなく、僕の瞳の中に直接入り込んだ、そこだけに存在するようなものなのだと思う。 便宜上、僕はそれを『影』と呼んでいた。  彼女と喧嘩した理由は非常にシンプルで、極めて一般的だった気がする。すくなくとも、僕の主観では。 「どうして?ねぇ、なんでなの?私が何かした?貴方に嫌われるようなことしたかしら?ねぇ、ねぇ?」  どうも、彼女からすれば納得いかなかったようである。大きめの黒目をさらに大きくして詰め寄ってきた彼女は、僕をそのまま壁に追い詰め、小一時間ほど文句を言い続けた。 「いいわ、だったら1週間、いえ、3日でいいわ」 「猶予がほしいってこと?」 「・・・なにを...
  • 上書き第10話後編B-3ルート
    254 :上書き ◆kNPkZ2h.ro [sage] :2007/04/01(日) 18 10 53 ID rphe6b+j 「”すぐに”済む『用事』だから…」  加奈が俯いたまま、覚束ない足取りのせいで揺れる体で扉の前へと向かっている。  発せられた言葉からは一言一言を噛み締めるように相手の脳裏に焼き付けようとする 強い意志が感じ取れ、同時に根拠のない説得力が俺に安心感を齎した。  だから、俺は加奈の発した言葉から僅かに滲み出ている、延々と続くエレベーターに 乗っているような心の隅に滞在して不安を煽る不快感を払拭する為に振り向いた。  そして”加奈の『背中』”を見た瞬間、何かが弾けた。 「ひゃっ!? ま、誠人くん?」  俺は自分より一回りは小さい加奈の背中目掛けて無我夢中で飛び込んだ。  加奈が驚いているのも厭わず、俺は自分の頭を加奈の背中に擦り付けた。  動物の...
  • 生き地獄じゃどいつもイカレてやがる 1
    197 :ラック ◆duFEwmuQ16 [sage] :2007/03/06(火) 00 41 24 ID DpdATVjZ        『俺の人生は素手で砂を掴むようなもんだった。あとからあとから砂はこぼれ落ちていっちまうのさ』                                ──チャールズ・スタークウェザー「Rebellion」 朧の背中に張られた写し絵を彫菊は丁寧に剥がした。男のモノとは思えぬ白磁の透明感漂う艶ましい肌──指先を這わせれば蜜蝋のように滑らかだ。 興奮と渇きに喉が灼けるように痛んだ。極上の素材だ。美しい。彫菊は陶酔の面持ちで瞳を濡れ輝かせた。 彫り師をはじめて七年近くになるが、これほど素晴らしい肌の持ち主はお目にかかったことがなかった。 皮膚に入れた下絵を彫菊はマジマジと見つめた。背中には、黒い蠍が鮮血のしたたる男女の生首を両方の鋏で持ち上...
  • すりこみ第五話
    211 :すりこみ [sage] :2007/06/06(水) 10 23 22 ID CEzbNnHt 「ねぇ、春樹君。君の家に遊びにいってもいいかい?」 「…それはなんの冗談だ?」 「冗談?僕が君に冗談を言ったことがあるかい?」 「…いや…覚えがないな。」 気がつけば小泉八雲…いや、小泉八雲の姿をした香住が俺の家の前に立っていた。 「だろ?まぁ、この姿で居るのには訳があるんだけど…君にならわかるだろ?」 「…ああ」 「それじゃぁお邪魔するよ。あはは…なんだかドキドキするなぁ」 まるで本物の八雲がそこに居るように思えるほど、香住の立ち居振る舞いは八雲のそれとまったく同じだった。 「夏海ちゃんは今頃、駅前のスーパーで買い物だね。帰宅はおそらく5時半頃かな…」 香住は壁掛けの時計を見ながら独り言のように呟いた。時刻は4時8分を指していた。 「君の部屋に行くのがいいのか...
  • 天使のような悪魔たち 第11話
    180 : 天使のような悪魔たち 第11話 ◆ UDPETPayJA 2010/11/12(金) 22 42 40 ID H0fw2t4IO 結意は土足で上がり込んだようで、靴がない。まず一階からざっと目を通してみたが、姿はなかった。 すると二階か。だが、物音がまったくしない。結意が木刀を以て暴れれば、少しは物音がしてもおかしくはないのに。 …嫌な予感がする。俺は駆け足で階段を登り、二階の、明日香の部屋の扉をやや乱暴に開いた。 「なっ……結意!?」 結意はいた。ただし、木刀は手に持ってはおらず、気を失っているのか、目を見開いたまま床に倒れていた。 「おかえり、兄貴。」 「遅かったわね、飛鳥。」明日香と姉ちゃんも、部屋にいた。 「斎木くんが絡んできたせいで私の力は使えなくなっちゃったけど、 まさか明日香も力を使えるようになった、とは思って...
  • 題名のない短編その八十
    464 名前: ◆aUAG20IAMo [sage] 投稿日:2011/03/21(月) 23 31 08.06 ID Y0ZWxIu9 [2/3] そこで趣味で書いた一レス投稿します 君は、ただ愛してほしいと言う だから僕は、その気持ちに答えられるように頑張った 交際も始めた。プレゼントも買った。休日はいつもいっしょにいた それでも君は、微笑んでくれなかった 全然満たされないと、涙ながらに言った 君は、ずっといっしょにいたいと言う だから僕は、その気持ちに答えられるように頑張った 同棲を始めた。リングも買った。籍を入れてマンションも借りた それでも君は、まだ足りないと言った もっと僕を独占したいと、涙ながらに言った 君は、自分だけを見てほしいと言う だから僕は、その気持ちに答えられるように頑張った 女友達との付き合いが無くなった。男友達との付き合いも減った。極力仕事以外で家を出ない...
  • 桜の幹第一話
    713 名前:桜の幹[sage] 投稿日:2009/05/18(月) 13 12 27 ID ZxkbSc9Y 多分、給食費の盗難事件から始まったんだと思う。 小学校の頃、皆が親から預かってきた給食費が消えたことがあった。 発覚が一時間目の前にあるホームルームだったので、担任の教師はこの中に犯人がいると、すぐさま持ち物検査を強行した。 勿論、犯人はあっけなく捕まった。 犯人はランドセルの底にびっしりと給食費の封筒を隠していたのだ。 教師は犯人を咎め、クラスメート達は侮蔑の目で犯人を突き刺した。 「何でこんなことをしたんだ!!」 教室中に響き渡る怒号と、胸を締め付けられる様な罪悪感。 でも、咎められているのは、 「答えろ!幹也!!」 何故か、この僕だ。 それから、僕は担任に何度も小突かれ、初めて六限目まで説教された。 最後の終わりの会で皆に謝れと教師に命令され、クラ...
  • 迷い蛾の詩 【第参部・鬱蛹】
    14 :迷い蛾の詩 【第参部・鬱蛹】 ◆AJg91T1vXs :2010/09/12(日) 13 06 15 ID 2Zg9Ktfl  その日の朝も、梅雨時にしては晴れていた。  夏の日差しの下、煩わしい雨から解放された人々が、何かに憑かれるようにして道を急いでいる。  しかし、そんな空模様も、夕刻になれば様変わりするものだ。  昼過ぎには空一面を覆ってしまった灰色の雲は、今や大粒の雨を辺り一面に撒き散らしていた。  雨の多い季節とはいえ、誰もが常に傘を持ち歩いているわけではない。  朝の天気だけ見て油断した生徒達が、それぞれに文句を言いながら下校して行く。  折り畳みの傘を持っている者は良いが、そうでなければ雨宿りだ。 「やれやれ……。  こんなことなら、今日は歩いて来るんだったかな……」  軒先に滴る雫を眺めながら、陽神亮太...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 【第十七話】
    60 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十七話】  ◆AJg91T1vXs [sage] :2011/02/03(木) 01 35 20 ID 3nsdqCoA  ジャンが宿場に着いたとき、そこには客の姿は見当たらなかった。  それは一階の酒場も同じであり、建物の中は不気味な程に静まり返っている。  あの、小さいながらも活気のある声が飛び交っていた様子からは想像もできないくらいに、今の宿場は閑散とした状態だった。  リディの話によれば、今は宿場に泊まっている客もいないとのことだった。  疫病のせいで客足もぱったり途絶えてしまい、下の酒場も店を閉じている。  酒場の店主とその妻も、しばらくは自分たちの実家に戻っているようだった。 「あ、あのさ……リディ……」  お茶を持ってやってきたリディに、たまらずジャンは話しかけた。  別に話したいことがあるわけではなかったが、あ...
  • 終わらないお茶会 第一話
    21 :名無しさん@ピンキー [sage] :2006/05/30(火) 00 13 11 ID W56qDLe3  須藤幹也は狂気倶楽部の一員である。  しかし、彼は狂気倶楽部には一体何人いるのか、そもそも倶楽部が何をするところなのか。  そんなことすら知らない。知ろうとも思わなかった。  彼にとって狂気倶楽部は暇つぶしでしかなかった。  無論、長い長い人生が終わるまでの暇つぶしである。 「雨に――唄えば――」  古い歌を歌いながら幹也は階段を降りる。街の片隅、路地にひっそりと立つ喫茶店「グリム」の地下へ。  グリムの地下は基本的に開放されているが、誰もそこに行こうともしない。  そもそもグリムはごくきわまった趣味を持った少年少女しか集まらず、その地下にある「書架」ともなると  狂気倶楽部の面々しか立ち入らないのだった。 「雨に――唄えば――」  同じフレ...
  • 恋の病はカチカチ山をも焦がす第四話
    599 :恋の病はカチカチ山をも焦がす ◆iIgdqhjO26 [sage] :2008/02/18(月) 07 09 18 ID 10oW+0H1  ***  その時からか、兎は態度を一変させた。  あれほど執拗に悪戯や邪魔を仕掛けていた兎は段々と大人しくなっていき、  いつしか狸の傍らで腕を抱くようになっていた。  驚いたのは動物達だった。  動物達はあの愚鈍な狸が如何なる妖術を使ったのだろう、と噂した。  当然、その事で狸の待遇が特段変わるわけではなかった。  変わったことといえば、今まで以上に狸に対して距離感を置くようになっていることだけだった。  狸としては、まあ、こんなものだろうという調子だった。  狸が気に病んでいたのは、周囲の目では無かった。  どちらかといえば兎の、その態度が変わり過ぎたことのほうが...
  • きみとわたる第十二話
    560 :きみとわたる ◆Uw02HM2doE [sage] :2010/07/10(土) 00 14 24 ID hUKrr8YJ 午後11時15分。海上娯楽施設『アクアマリン』内、アクアポート前。 …何かがおかしかった。 元々アクアマリンにはモノレールでしか来られないため、この時間になると人はほとんどいない。 モノレールが動かない夜中は、本島に帰れないからだ。 おそらくライムもそこを考えてアクアポート屋上を指定したのだろうが…。 「…!またか…」 全く人が、それこそ警備員までいないのはおかしい。 アクアポート前の警備室にも人影すらなく、ここへ来るまでに通った全ての警備室がもぬけの殻だった。 「まあ入りやすかったけどさ」 ここまでは問題無く来れた。後は屋上を目指すだけ。青白くライトアップされたアクアポートに向かう。 「……一人、か」 里奈や桃花、神谷には黙って...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第二十一話
    628 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に  ◆AW8HpW0FVA :2011/02/12(土) 23 52 43 ID rhvtT6cM 第二十一話『バッド・コミュニケーション』 ブリュンヒルドを殺す。記憶継承のその日から、シグナムの頭にはそれしか思い浮かばなかった。 これまでにもブリュンヒルドを殺そうと思った事は幾度もあった。 しかし、その度に思い留まった。良心ではなく、打算からの理由だった。 怒りに任せて突撃しても、謀略で以って殺そうとしても、 あれは全てを跳ね返してしまうだろうと思ったからである。 とはいえ、今回ばかりはそうも言っていられない。 漠然とした予感が、確信へと変わった。イリスの記憶がそれを明確に物語っている。 このままでは、間違いなくブリュンヒルドに殺される。 なぜ今までなにもされなかったのか、理解に苦しむところであるが、そ...
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第十五話
    410 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第十五話】  ◆AJg91T1vXs :2011/01/21(金) 23 58 26 ID QB6qlEts  ジャンが目を覚ましたのは、太陽が既に東の空から顔を出している時刻だった。  ベッドの脇に置いておいた懐中時計を開けると、その短針は八の数字を指している。  さすがに、少し寝過ぎたか。  そう思って隣に目をやると、そこには未だ小さな寝息を立てて眠っているルネの姿があった。  時に気丈な一面を見せながらも、寝顔だけ見ればあどけない少女のままである。  眠りながらも幸せそうに微笑んでいるところを見ると、昨晩のジャンとの行為を夢にでも見ているのだろうか。  隣で寝ているルネを起こさないように気をつけながら、ジャンはそっと身体を起こした。  すると、そのままベッドから離れようと彼の腕を、細く小さい何かが...
  • 生き地獄じゃどいつもイカレてやがる 4
    4 朧は出て行かなかった。雪香に興味をそそられたのもあった。それにこの家に住んでいれば明日の寝床と食事にもありつけるからだ。 80 :ラック ◆duFEwmuQ16 [sage] :2007/03/27(火) 00 05 56 ID RI+ri3es 室内の空調が一定に保たれているので裸でも寒くはない。わりと居心地は良い。気が向いたときに出て行けばいいだけの話だ。 雪香は朧に決して服を着せようとしない。服を着せないのは雪香の趣味だ。 雪香も家の中では同様に、一緒に裸になって過ごす。裸なのは、どこでもセックスが出来るからだ。 少し気疲れを覚え、朧はベッドに寝転がった。身体の芯がだるいのだ。運動不足が原因だろうか。 うつ伏せになったままページをめくっていく。三十分ほど本を読み勧めていくと軽い空腹感を覚えた。 冷蔵庫を漁ろうと朧が身を起こしかけると、タイミング良く雪香が買い物...
  • 真夜中のよづり8
    403 :真夜中のよづり8 ◆oEsZ2QR/bg [sage] :2007/10/11(木) 18 09 08 ID Sz919uDw  しまった。よづりを見失った。  昼休みの終了を告げるチャイムが校内に鳴り響き、廊下は一気に人影が消えていく。  一分後には廊下は閑散と人気が消えうせてしまった。所々で漏れ聞こえるのは、授業をはじめたらしき教室の教師の声だけ。  ああ、そうか。俺、5時間目も遅刻になっちまう。今から走って教室に戻れば、間に合うだろうか。  いや、だめだ。よづりを放ってはいけない。どうせ、今日は1時間目から4時間目までサボっちまったんだ。いまさら5時間目がなんだっつーんだよ。  よづり…、よづり……。  よづりレーダーとかあればいいのにな。ビーコンみたいに近づくだけで鳴るやつでもいいからなぁ。俺は閑散とした廊下を歩き、よづりの姿を探すことにした。  廊下は一...
  • 終わらないお茶会 第十三話
    268 :終わらないお茶会 ◆msUmpMmFSs [sage] :2006/07/13(木) 18 34 00 ID GXffaKv/  夜の路地を歩きながら、グリムは楽しそうに口笛を吹く。  その曲は『雨に唄えば』の一節で、壊れたラジオのように、サビの部分だけをループしている。  それは、厳密には彼女の癖ではない。  彼女の『お兄ちゃん』の癖だ。 「、、、――、……、――♪」  お兄ちゃんの名前を、グリムは知らない。  五月生まれの三月ウサギ。その通り名しか知らない。  名前だけではない。それ以外のことについても、グリムは殆ど知らない。  どこに住んでいるのか、とか。  どんな人間なのか、とか。  そういった、普通真っ先に知るべきであろうことを、グリムは知らない。  知ろうともしなかった。  初めて会った瞬間、『あの...
  • 第十五話『カナメ様の憂鬱』
    193 :ワイヤード 第十五話  ◆.DrVLAlxBI [sage] :2009/01/22(木) 19 11 55 ID xwvUtjSz 第十五話『カナメ様の憂鬱』 「あなた様の存在に心奪われたものです!!」 騒々しかった校庭が、一瞬で静まりかえる。 曰く、「キシドー……? 何いってんのあの人」「ってか、女の声じゃん。また千歳の被害者か、うらやましい」「いや、あれであいつは苦労してるよ」などなど。 仮面の変質者ことミス・キシドーはそんな群集など意にも介さず、槍をなれた手つきで振り回し、構えを取る。 その型に、千歳は見覚えがあった。 はっきりとは思い出せないが、蒼天院流と同じく古くから伝わる武術の一種だろう。 だとしたら、先ほど清水拳を貫通した理由も説明できる。闘気系の防御を、さらに貫通性と凝縮率のたかい闘気攻撃で打ち破ったのだ。 それができるほどの貫通性を槍で生...
  • 触雷!第十九話
    61 名前:触雷! ◆0jC/tVr8LQ [sage] 投稿日:2010/10/30(土) 22 18 12 ID 5GZedPN3 目が合った瞬間、男は倒れ、他界しました。 何ということをしてしまったのでしょう。 不可抗力とは言え、メイドがご主人様以外の男と目を合わせてしまうなんて。 後でご主人様に、きついお仕置きをしていただかなくてはなりません。 裸に剥かれ、荒縄で縛り上げられ、吊るされて、鞭で打たれながら気絶するまで犯されるのです。 しかしそのためには、まず雌蟲を駆除し、ご主人様を救出する必要があります。 その方法を考えながら、私は銀行を出て歩き出しました。 ところが、いくらも歩かないうちに、警官と名乗る男達が現れ、私を警察に連れて行こうとしました。 「恐れ入りますが、事情聴取にご協力を」 何を馬鹿な。 ご主人様が雌蟲に攫われたのです。想像したくありませんが、...
  • 【楔】第一話
    819 :【楔】 ◆seRwt2jbbc [sage] :2009/01/07(水) 18 00 39 ID rx8mu9nu 私… もう我慢できない… あの醜い淫売に… 好きな人を汚されるのが…!!!    【楔】 俺は山芳高等学校に通う2年の七瀬由岐(ななせ ゆき)だ。 今日もいつも通り学校に向かう為にいつも通りの道を歩いている。…ん?あの後ろ姿は? 「よぉ!茉莉華!」 「…あ!由岐くん!おはよ♪」 こいつは俺と同じクラスの綾橋茉莉華(あやはし まりか)で、まぁ幼馴染みの間柄だな。 「ねえ♪由岐くんは昨日のあの番組は観た?」 「観た観たw俺的にはぐっ〇ん〇ーンが面白かったなw」 「あれは笑っちゃダメだけど笑っちゃうよね~♪」 そんな感じで昨日観た番組だとかの話しをしながら、いつも通りの時間が流れていく。 まさか…あ...
  • リバース第十五話
    200 :リバース ◆Uw02HM2doE :2010/11/01(月) 19 21 18 ID wwWV46GA 「いきなり全校集会とは……。誰かやらかしたのかな」 翌日、突然全校集会をやるということで俺達は体育館に来ていた。周りも突然の全校集会の話で騒がしい。 「やらかしたって……。この学校で会長に逆らう奴がいたら見てみたいぜ」 亮介がおどけながら言う。まあ東桜に半年も通えば会長の手腕と彼女に逆らうことの恐ろしさを十分に理解出来るだろう。 「まあ連絡事項か何かだろうよ。……お、来たぞ」 会長が壇上に姿を現した。気が付けば話している愚か者は一人もいず、皆が前を向いて会長が話すのを待っている。 ……時代が時代なら立派な恐怖政治だな、これ。 「今日はいきなり全校集会を開いてしまって申し訳ない。君達に早急に伝えなければならないことがある」 全体に緊張が走...
  • 月輪に舞う②
    460 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/11/26(月) 12 37 13 ID USB98JEl 月輪に舞う②  そしてそれから一年の月日が流れた、水雲は奥羽から里に帰る前にさらに尾張の任務に向かわされ… ある日、尾張の町で薬屋に変装して蕎麦屋で食事を取っていると…こんな噂を聞いた。  「-近頃、腕利きの白子のくの一が現れる-」と  水雲は嫌な予感を抑え、必死の思いで任務をこなし…里へ戻った。  里に戻った水雲が見たのは…月日が流れて男らしく成長するどころか…まるきり、そう、まるで鬼灯 の生き写しのように…化粧のよく似合う、女のように育った弧太郎だった。  「お前らは里長にいいように使われてたのさ…」  冬士郎は久々にあった水雲にそう言った…里長は同じ事を弧太郎にいい、そして弧太郎をきつい任務 につかせて…...
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