ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「(仮称)まなみ第一話」で検索した結果

検索 :
  • (仮称)まなみ
    (仮称)まなみ第一話
  • (仮称)まなみ第一話
    53 :(仮称)まなみ [sage] :2007/09/18(火) 02 39 38 ID dBF1t/59  相川まなみには最近気になる男性(ひと)がいる。  麻枝春彦。この夏限定のヘルプとして本店から派遣された同僚。  まなみの働くファミレスは小さな港町にある。大都市間を結ぶ国道沿いにあるので 儲けはそれなりだが、基本的に店は閑散としている。そのため、海水浴客でにぎわう 夏以外はたった4人の従業員しかいない。  そして夏。今年も恒例の本店よりヘルプ従業員がやってきた。今年のヘルプは非常 に珍しい男性従業員。現在チェーン店全体でも3人、一人は本社づとめなので実質2人 しかいない貴重品である。  まなみたちの店への派遣は通常「島流し」と呼ばれ、全店舗からくじ引きで決めら れる。ところが今回来た春彦は自ら志願してきたというのだ。気にならないはずがない。  「お・に・...
  • おにいたん3(仮称)
    おにいたん3(仮称) 第一話
  • おにいたん3(仮称) 第一話
    38 :おにいたん3(仮称) ◆dkVeUrgrhA [sage] :2007/04/19(木) 20 29 53 ID iavPXILR  その街は温泉が湧いていた。  近くに大都会が存在したため、その街は都会の奥座敷として栄えた。  ---それも過去の話。モータリゼーションは日本全国と都会の距離を縮めてしまった。  都会の人々は増えた選択肢を有効に活用しだした。  距離以外のアドバンテージがなかったその街は寂れるしかなかった。  この街で旅館を経営していたある人物は、旅館に見切りをつけて故郷を出て行った。  それから十数年。飲食店業に手を出した人物は数店舗を持つにいたり、故郷に凱旋した。  彼は故郷にも店舗を構えた。自分の成功の証として。赤字でもかまわないつもりだった。  ---その店は、『テュルパン』といった。『おにいたん、だいすき!3』開幕。 *******...
  • ◆ph4kVdXQrE氏
    (仮称)まなみ
  • すりこみ
    すりこみ第一話 すりこみ第二話 すりこみ第三話 すりこみ第四話 すりこみ第五話 すりこみ第六話 すりこみ第七話
  • 我が幼なじみ
    我が幼なじみ第一話 我が幼なじみ第二話 我が幼なじみ第三話 我が幼なじみ第四話 我が幼なじみ第五話 我が幼なじみ第六話 我が幼なじみ第6.5話 我が幼なじみ第七話 我が幼なじみ第八話
  • 長編SS
    終わらないお茶会(完結) ◆msUmpMmFSs氏 題名の無い長編集 カーニバルの夜に ◆msUmpMmFSs氏 ヤンバル ideal ◆zvQNG0FZvQ氏 いない君といる誰か(一部ルート完結) ◆msUmpMmFSs氏 あなたと握手を(完結) ◆Z.OmhTbrSo氏 ひどいよ!おおこうちさん(完結) ◆Z.OmhTbrSo氏 『首吊りラプソディア』(完結) □ボ ◆JypZpjo0ig氏 渋沢夏恋の話 ミツバ氏 ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo氏 真夜中のよづり 赤いパパ ◆oEsZ2QR/bg氏 恋人作り ◆5PfWpKIZI氏 慎太郎の受難(一部ルート完結) 慎 ◆tXhMrjO4ms氏 類友 シアン・マゼンダ・イエロー・ストーカー(完結) ◆Z.OmhTbrSo氏 上書き(一部ルート完結) ◆2.775XTAfE氏 終わったあとのお茶会 ◆msUmpMmFSs氏 越えら...
  • すりこみ第一話
    105 :すりこみ [sage] :2007/06/03(日) 14 12 58 ID SM4FyFt7 手の中でそれはゆっくりと潰れていく。 ぐちゅり…ぐちゅり… 奇妙な音を立てながらそれはもがいていた。 手の中から逃げたいのだと。 死にたくないのだと。 まだ死にたくないのだと訴えるように。 しかし運命は変わらない。 ぎゅっ… 指先に力を更に込める。 ぷち…ぷちゅ…ぷち…ぷちゅ………。 行き場を失った体液が内側から溢れ出す。 それはまだもがいていた。 助けて欲しいと懇願するかのように。 何故死ななければならないのだと嘆くように。 やがて、それの時間はゆっくりと止まっていく。 ゆっくりと…ゆっくりと… まるで電池の切れかけた時計のように。 やがて完全にそれが動きを止めた時、手のひらは 汚らしい害虫の体液で汚れていた。 「どうして…どうして……嘘…だ...
  • ◆dkVeUrgrhA氏
    おにいたん、だいすき! いない『かぁる』に、いる『みいな』 新店長でG.O. おにいたん3(仮称)
  • 我が幼なじみ第一話
    100 :我が幼なじみ [sage] :2010/08/03(火) 02 26 33 ID Y3WYcsmm 俺の名前は崎山 優。 普通に高校に通って、普通に生活している、健全な男子だ。 しかし、最近俺の周りで妙な事ばっかり起こるんだ。 例えば、最近仲良くなった女子が急に不登校になった挙げ句自殺したり、俺を殴った(勿論、ふざけてだけどな)男子が、翌日泣いて謝ってきたり。 俺、何かしたかな? 「おーい!優くーん」 ん?誰か呼んだか……ってなんだ由美子か 黒髪ショートでパッチリとした目が印象的なこいつの名は 山本 由美子 俺の幼なじみだ、昔からよく遊んでいて、幼稚園から高校まで一緒だ、でも最近はクラスも違い、あまり話さなくなっていた。 「由美子か、久しぶりだな」 「うん、最近はあんまり会ってなかったからね、今日は一緒に行こ?」 由美子は笑顔で聞い...
  • 愛と憎しみ 第一話
    358 名前:愛と憎しみ 第一話 ◆O9I01f5myU[sage] 投稿日:2011/07/22(金) 21 43 30 ID BEYROaUY [2/6] 1  結末が知れている恋ではあった。  その日、一人の女の抱いていた恋心が儚く散った。  面と向かって拒絶されたわけではない。自分の想いを伝えられるだけ、まだその方が救われたかもしれないが、今の女の心境からすれば、その様なものは詮無い事だろう。  想いが胸で燻り続けている内に感じられていた。どんなに足掻こうとも、報われる事はないだろうと。その隣には誰かがいるのではないかと。自分が入る余裕なんて、既に失われているのではないかと。  それらの不安は的中していた。女が慕うその人は今まで見せた事もない頬笑みを浮かべながら、こう告げてきたのである。「子宝を授かった」と。  何時か宣告されるであろうと思っていたが、恋は終わりを迎え...
  • 第一話 「目覚め」
    249 :第一話 「目覚め」 1/11  ◆Thmxzr/sD.HF :2010/04/20(火) 05 36 22 ID mjRXjmEu 何度、この窓からこの景色を見ているのだろうか。 確かに素晴らしい眺めだし、少しずつ変化もある。 季節や時間で徐々に景色は移ろっていくし、 その中でここからではとても小さくゆっくりと動く 遠くの車、人、小舟などが見える。 この窓からの眺めは好きだ。 好きではあるのだが―― もう、とうの昔に見飽きてしまっている。 毎日これを見ているのだ。 でも他に時間を潰し、気を紛らわせるいい方法が無い。 時間があるなら本当は勉強などもした方が良いのかもしれない。 でも、やる気など起きるはずもない。 やりがいがない。 どうせ無駄になるのだから。 だから結局、窓の外を眺める。 特別な喜びなど何もないが、 それでもこの空だけは常に自...
  • にゅむる前 第一話
    77 : ◆BbPDbxa6nE:2011/10/17(月) 22 48 19 ID LqvrHp2M 放課後の事である。 俺はいきなり話しかけられた、何の脈絡もなく。  「〝本の切り裂き魔(ブックスラッシャー)〟には気をつけてよ、礼」  「〝本の切り裂き魔(ブックスラッシャー)〟? ………なんだよ、その気味が悪い単語っていうか………中学二年生がつけそうな感じの造語は?」 高校生の間に学ぶモノと言えば、やはり一番に勉学であろう。 将来何のために使うんだよ、こんちきしょー、とか思いながら習わせられる意味不明な文字の配列や数学公式、元素記号に長文読解。 まぁ、意味不明な文字の配列(英語)に至っては、習っておいて損はないのかもしれないがともかく……めんどくさい。 しかし、めんどくさいと言って無視していいものではなく、周りからの圧力も受けつつ、大学入試のためにも励まなくてはいけない。……とかそうい...
  • 愛の亡者と金の亡者 第一話
    588 :愛の亡者と金の亡者:2010/01/31(日) 02 26 17 ID Kg6V6l3R 俺の青春ってなんだろう 身寄りもなく、元々経営難だったが遂に限界を迎え、高校に通う前に潰れた孤児院にも、当然ながら戻れない。 孤児院の友人は皆何処かの家に引き取られ、残ったのは院長が俺の将来の為に遺してくれていたほんの僅かな親の財産だけ。 高校は、必死になって猛勉強して奨学金で通えるようになった。 が、それだけでは何にもならない。 毎日毎日アルバイトに明け暮れる日々。 一時は高校も辞めようかとも考えたが、将来的な事も考えて踏み留まっている状態が一年と半年間も続くと、 青春なんて、そんな疑問も薄れてくる。 金、金、金、金、金。 金を求めて何が悪い。 一時は荒れた時期もあったが、それも虚しいだけだった。 暴力を振るい、誰かを傷つけ地...
  • あなたのために 第一話
    451 名前:あなたのために 第一話 ◆PLalu2rSa. [sage] 投稿日:2009/05/02(土) 12 49 52 ID Y7M3agut 「マサトくん、朝ですよ、起きて下さい」 私は出来るだけゆっくりと、マサトくんの身体をゆすってあげます。 マサトくんはすごく低血圧で朝が弱いので、間違っても叩き起こしたりしてはいけません。 「んー・・・?ミク・・・?」 マサトくんがゆっくりと瞳を開き、私の姿を認識してくれます。 寝ぼけ眼のマサトくんの顔はとっても眠そうで、それでも起こさなければならない事に、私は思わず罪悪感を抱いてしまいます。 「はい。おはようございます、マサトくん。そろそろ起きないと学校に遅刻してしまいますよ?」 「・・・眠い。もう少し寝ていちゃダメ・・・?」 温かい布団の中から、頭一つだけを出してマサトくんは私に懇願してきます。 マサトくんのお願いとあれば、私としてはそ...
  • 赤と緑と黒の話 第一話
    698 :赤と緑と黒の話 第一話 ◆BaopYMYofQ :2010/04/03(土) 23 18 18 ID TxU08vCn 「赤ちゃんができたの」 午後6時、誰もいない教室。教卓越しに俺の目の前に立っている、小柄な女子生徒はそう言った。 静寂。正午から降り始め、今はもう土砂降りとなった雨の水音と、俺自身の息を飲む音だけが聞こえる。 「………冗談、だよな?」 俺は静寂を裂き、喉の奥から搾り出すように小さく喋る。 だが背中には冷たい、嫌な汗の感触。心拍数がしだいに上がっていくのがよくわかる。 「本当よ。今、三ヶ月だって」 彼女-朝霧 湊はしかし俺の目を、光を宿していないような瞳でじっと見つめてそう答える。 愛おしそうに自らの腹部をさすり、頬を赤らめながら湊は微笑んだ。 「私、産むよ。先生との子供」 「な、なにを…」 「名前、何がいいかなぁ? 先生も一緒...
  • 変歴伝 第一話『路傍の花』
    120 名前:変歴伝 第一話『路傍の花』 ◆AW8HpW0FVA[sage] 投稿日:2011/10/22(土) 04 11 06 ID yQJJwSJ6 [2/10] 平安中期に出現した武士とは、元々は私有地の治安維持や貴族の身辺警護など、 本来であれば日の当たる事のない存在だった。 だが、律令の崩壊による地方の腐敗によって、 決して当たる事のなかった光が、二つの武家に当たった。 源氏と平氏、一方は東国で、一方は上皇に昵近して力を付けた両家は、 朝廷からその実力を評価され、王朝の社会不安の取り除く役割を担った。 時代は確実に、貴族から武士の世に移り変わろうとしていた。 これは、そんな時代の物語。 丹波国の豪族の子息である天田三郎業盛は、京に本拠を構える平清盛に仕えるべく、 山茶花が目に付くようになった山陰道を従者の赤井源蔵景正と共に歩いていた。 武家の名門である平家に、大した縁もない業...
  • サイエンティストの危険な研究 第一話
    859 名前:サイエンティストの危険な研究 第一話[sage] 投稿日:2011/09/23(金) 22 34 07 ID i775jQ6E [2/6] 所長:では今回の研究データはこちらの額で買わせていただきます。  一仕事を終えた俺は、側にあった冷えきったコーヒーを一気飲みする。 「まじぃ・・・。」  不味さが頭を回復させていく。寝ずに頭を使いすぎていたせいで、回復と言ってもまさしく雀の涙程度だ。 トントン  扉がノックされた。 「亮介、朝飯ここに置いておくからな、ちゃんと飯食えよ。」  扉の前に食器が置かれる音がした。 「じゃあ俺、祐希と図書館言ってくるからな、昼飯は朝食と一緒にお金置いておくからな。」  扉の先から聞こえる声が終わり、足音が遠くなっていった。  俺の名前は藤崎 亮介。そして今扉の前にいたのは、俺の兄の藤崎 昭介だ。  兄は面倒見が良い。だから、寝ず...
  • わたしをはなさないで 第一話
    194 :わたしをはなさないで 第一話:2010/12/17(金) 01 37 37 ID 8uGlJG4D うちには拾って来たペットがいる 犬が二匹、猫が三匹、カメと女の子とが一匹ずつ アパートはペットOKとはいえ、一人暮らしのフリーターには餌代だってバカにならない なんだけど、どうしても我慢できずに拾ってきちゃうんだよなぁ エゴだとは思うけど、捨てられてるの見てるとやっぱりかわいそうでさ 「ワン!」 「ニャー」 「………」 「おなかすいたー!」 まったく、バイトから帰るなり飯の催促か 少しは温かく迎えて欲しいもんだがねぇ ………うん、何が言いたいかは分かる 今この場にポリスメンが居たら、俺はこれから三食税金で食わせてもらえる楽しい楽しい別荘行きだ けど、俺がこいつ―――古口夏樹(こぐちなつき)をここに住まわせてる理...
  • アヤツリ人形【第一話】
    206 名前:アヤツリ人形【第一話】  ◆S96vOI40zw [sage] 投稿日:2010/10/09(土) 03 04 55 ID 6gHj1X7Z 「あなたがいないと、私は死ぬらしいのです」 「…………は?」  思わず首を傾げた僕に対し、初対面であるはずの彼女は数回瞬きをしてから、 「あなたがいないと、私は死ぬらしいのです」  同じことを繰り返した。  いや、僕が聞き返したのは決して聞こえなかったからとかそういう理由じゃないんだけど。  BGMよろしく小鳥が背後で囀っている中、刺さるような彼女の視線から逃れるように視線を外し、 「悪いけど、何のことかさっぱりだから」  彼女が開口一番に言った言葉を聞いた直後から鳴り響いている警鐘に従い、僕は来た道を全力疾走で駆け戻った。  困っている女の子を助けないというのは基本許せないたちなのだが、彼女の場合はどう...
  • 第一話『コントラクター・再会』
    809 :ワイヤード 第一話 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/10(金) 20 08 53 ID r9yyjKLi 第一話『コントラクター・再会』 ある意味では予知夢というものだろうか。 鷹野 千歳(たかの ちとせ)は、何の超能力も持たない普通の高校生だったが、この夜、確実に彼の夢は過去と現在を、そして未来を繋いでいた。 「ねぇちーちゃん、ちーちゃんのゆめはなに?」 「おれのゆめか……まだ、ないなぁ。そういういっちゃんはどうなのさ」 「え~。おしえてほしい?」 「いや、いいたくないならいい」 「ま、まってよぅ! いうからおいてかないで!」 「べつにおいていこうとしてるわけじゃない。いっちゃんがもったいぶるから、きかないほうがいいかとおもった」 「ぅ……ううん……。いいたくないわけじゃないよ。でも、ちーちゃんのこたえがこわかったの」 「おれがか...
  • 星屑ディペンデンス 第一話
    147 :星屑ディペンデンス 第一話 ◆TvNZI.MfJE:2012/03/26(月) 17 24 18 ID cIlpiggY もしも、魔法が使えたら。 それは、誰しもが一度は思い描く夢である。 絵本や御伽噺、最近であればアニメやゲーム。 何時の時代も、それは人間の空想の中心にある。 幼い頃、布団に入ってから寝るまで、魔法使いの夢を見た人も多い筈だ。 もちろん、魔法について夢想するのは子供だけ、と決まっている訳では無い。 口に出さずとも、頭の中ではファンタジーな世界が展開している人というのは結構居るものだ。 そういった人達が小説や漫画といった物を産み出すのだから当然といえば当然だが。 かくいう俺も、そんな人間の1人だった。 小さい頃から、いつもそんな事ばかり考えていた。 順調に厨二病の道を歩んでいたが、普段は普通に振舞っていた為、周りには結構友達も居た。 高校に入学し、文芸部に所属した...
  • 大好きにはなれないね(仮題)
    大好きにはなれないね(仮題)第一話
  • ラ・フェ・アンサングランテ 第一話
    659 :ラ・フェ・アンサングランテ 【第一話】   ◆AJg91T1vXs :2010/11/06(土) 00 07 43 ID N323y57t  そこは、どこにでもある小さな町の酒場だった。  夕暮れ時だというのに、酒場の中には数人の客しかいなかった。  決して小さな店ではないが、客足は店の大きさに反して悪いようだ。 ―――― カラン、カラン……。  扉につけられた鈴が鳴り、新しく客が入って来たことを告げた。 「いらっしゃいませ……」  マスターが、店に入って来た青年の方を一瞬だけ向いて言った。  客には興味がないのか、それとも単にあれはあれで忙しいだけなのか。  青年がカウンターに座った後も、マスターは手にしたグラスを磨いているだけだった。 「あの……」  持っていた鞄を足元に置き、青年がマスタ...
  • ラ・フェ・アンサングラント 第一話
    659 :ラ・フェ・アンサングラント 【第一話】   ◆AJg91T1vXs :2010/11/06(土) 00 07 43 ID N323y57t  そこは、どこにでもある小さな町の酒場だった。  夕暮れ時だというのに、酒場の中には数人の客しかいなかった。  決して小さな店ではないが、客足は店の大きさに反して悪いようだ。 ―――― カラン、カラン……。  扉につけられた鈴が鳴り、新しく客が入って来たことを告げた。 「いらっしゃいませ……」  マスターが、店に入って来た青年の方を一瞬だけ向いて言った。  客には興味がないのか、それとも単にあれはあれで忙しいだけなのか。  青年がカウンターに座った後も、マスターは手にしたグラスを磨いているだけだった。 「あの……」  持っていた鞄を足元に置き、青年がマスタ...
  • ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第一話
    672 :ドラゴン・ファンタジーのなく頃に 第一話 ◆AW8HpW0FVA [sage] :2009/07/09(木) 22 10 26 ID sYEvhO7c 第一話『非情な王と、不幸な王子』 今から大体千年前、この世界は魔王の支配する暗黒の世界でした。 人々は、魔王の脅威に晒され、眠れぬ日々を過ごしていました。 そんなある日、一人の青年シグルドが、天の声を聞き、魔王を討つべく旅立ちました。 シグルドと仲間達は、幾万もの艱難辛苦を共にし、 ついに魔王を封印することに成功しました。 シグルドは人々に推されて王となり、さらに、自分に従った仲間達を各地に封建し、 魔王の復活に備えました。 それから千年の間、人々は平穏に暮らしていました。 しかし、その平穏は突如として破られた。 魔王が復活したのだ。 復活を告げるような大地震の後、魔王を封印した北の大地から、 無数...
  • ニーベルンゲンの歌 第一話
    335 :ニーベルンゲンの歌 第一話 [sage] :2009/12/20(日) 01 36 58 ID 19S8AU3u 西暦20XX年 人類は、異世界からの襲撃を受けた。 それは秘密裏に、世界各国の政府によって水面下で処理される筈だった。 しかし、異世界の軍隊の所有する人型兵器は人類の兵器を圧倒し、蹂躙した。 人々は事態を理解する間もなく滅亡するかに思えた。が、異世界にも味方はいた。 異世界の軍勢が所有する人型兵器、通称『シグルス』 それを手に入れた地球の軍と異世界軍は均衡状態にあった。 これは、その戦火を駆けた少年少女の、狂愛の物語 * * * * * 「…眠いなぁ」 帰り道の坂を下っている少年。彼の名前は貴志堂 生(きしどう いきる)。今年高校二年になったばかりだ。 坂を下りた先の桜並木は桃色の吹雪を散らしている。生はその道の端を歩きながら、大きな欠伸...
  • ヤンデレ素直クール第一話
    64 :ヤンデレ素直クール:2010/02/16(火) 21 57 37 ID SwZnrzYb 第一話 3レス消費 「何度でも言うぞ。私は君がす・・・」 女は困ったような顔をして、すでに二度繰り返した言葉を再び口にした。 女の目の前に立つ男の顔はすでに茹で上がったように真っ赤になっている。 窓が開いて薄ら寒い教室の片隅には、すでに人垣が出来上がっていた。 当たり前だ。学校中で有名な美人の女が、突如告白をしたのだから。 1分前から唐突に始まった事件に、教室中はもう興味深々だ。 顔を真っ赤にした男は焦ったように大きな手振りで女を遮った。 「ストォーップッ!!ストップストップ!分かったから!ちょっとまって!」 女は男の大げさな反応に戸惑って彼の目をじっと覗き込んでいる。 男は、はぁーっ、と大きなため息をついて脱力してみせた。冬の風が沁みる。 思わず、「なんの罰ゲームだ...
  • 煉獄 第一話
    218 名前:煉獄1/3:2011/01/10(月) 19 48 32 ID ftcWccZi 誰かの温もりが欲しい。 誰でもいい。 私を温めてほしい。 頬を撫でて、それから私の瞳を覗き込んで愛していると言って欲しい。 無理だと分かっていた。 自分には一生縁のない経験だろう。 長すぎる一日に向かう前の妄想。 私に僅かだけ許された安らぎの時間。 誰にも邪魔されない、私だけの大事な時間。 そんな時間も携帯のアラームは容赦無く奪い取ってくれる。 甲高いその音を苛立たしく止めて私は今日も学校に向かう。 学校に友達はいなかった。 当然だ。 私は醜いし、暗いから。 時折男子がこっちを見てヒソヒソと何かを言っているのを私は少し悲しい気持ちで受け止めた。 分かっていても、やはり辛い。 辛い物は、辛いのだ。 昼休みは特に苦痛だ。 話す人もいないまま長い時間を教室で...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part10-Page1
    1 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/09/17(月) 03 35 12 ID Sf6DhUew ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。 ○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど) ○ぶつ切りでの作品投下もアリ。 ■ヤンデレとは? ・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。 →(別名:黒化、黒姫化など) ・ヒロインは、ライバルがいてもいなくても主人公を思っていくうちに少しずつだが確実に病んでいく。 ・トラウマ・精神の不安定さから覚醒することもある。 ■関連サイト ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 http //yandere.web.fc2.com/ ■前スレ ヤンデレの小説を書こう!Part8 http //sakura03.bbspin...
  • 題名のない長編その七第一話
    第一話  日に一度は必ず型をとり、技を振るう。  師父にそう教わり、欠かすことなく行ってきたのは俺にとってある種誇りである。  全身に酸素を行き渡らせるように呼気をし、丹田に力を蓄えながらゆっくりと体を動かす。  呼吸こそが内功の基礎であり極意。そう信じなければ俺とて毎日スーハースーハーなどできない。  塀を起点として圧腿をし、準備運動とする。  圧腿はすべての基本だ。これを怠る人間で強い人間を俺は見たことがない。それくらい大事な物だ。  はじめは全く開かなかった関節も10年以上やっていればそれなりには開くようになる。  正確には測ったことはなかったが、圧腿の時間が修練の中で一番比重を占めていると俺は思う。  暗かった周りが明るみ始めるころになってやっと圧腿は終わり、次の段階へと進む。  次は歩型である。これまた大事なものなので欠かすことはできない。  特に三体式と跟歩を練習しない日な...
  • 森山家の青少年第一話
    305 :森山家の青少年:2010/06/15(火) 01 34 30 ID GLRNYcdj 「第一話」(少年編)  兄曰く俺の家、森山家の家系の男衆は総じて女運が無いらしい。  別に仲の良い異性がいないわけでもない。  ただ、少なくとも曽祖父のあたりから女性に関してろくな事が無いそうだ。  母は優しい。いつも笑顔を絶やさず、父と円満な家庭を作り上げている。  ただし惚気かたが半端じゃない。  5年前、俺が小5の頃、「母さんはどうして父さんと結婚したんだ?」と尋ねたことがあった。  すると母は年齢に全く比例していない若々しい顔を赤らめて、当時の父さん争奪戦を語った。  何人もライバルがいて、それでも愛の力で乗り越えた・・と語っていたが、遠巻きに見ていた父さんの苦々しげな表情が、内容を悪い印象に塗り替える。  俺個人としては最初、恋愛ドラマを観るような感覚だったが、...
  • 娘第一話
    65 : 娘    2010/08/17(火) 11 59 13   ID RFacS0Bc0  私の両親は決して私に愛情を注ごうとしなかった。 かと言って虐待をする訳でもないし、親としての責任の放棄があった訳ではない。 最低限の親としての義務は果たすが、それ以外は何があっても関与しない。 以前一度この話をした相手は眉を顰め、どういう意味なのか分からないと質問を返してきた。 だから、相手に伝えやすくする為に例え話をすることにした。 “例えば私が風邪を引いたとします。私が風邪であることを察知した両親は通院する為のお金は出すが、決して看病はしない” 例え話を出しても相手はいまいち釈然としなかったらしい。 結局その時は別の話にすり換えることで相手からの追求をかわしたのを覚えている。 私自身、上手に説明できる自信がない。だから逸らすし...
  • 家族第一話
    171 :家族:2010/07/15(木) 23 02 21 ID U/aLEh+W 僕はどこにでもいる普通の人間だけど周りにいる人が普通ではない。 その中の一人である実の妹なのだが僕と違って頭脳明晰、容姿端麗の完璧超人なのだ。 名前は寺下三咲といい長身黒髪で性格も明るく誰にでも優しく、成績はオール5だ。 ちなみに、僕は寺下実というどこにでもいるモブキャラだ。 177 :家族:2010/07/15(木) 23 39 55 ID U/aLEh+W 「お兄ちゃん最近私、クラスの男の子に告白されたんだけどどうしたらいい?」 三咲がそう僕に尋ねてくる。 「三咲も青春☆まっしぐらだから、彼女の一人くらいつくったらどうだ?」 「いやだ、私はお兄ちゃんに純潔を捧げるとお母さんのお腹にいるときから決まってるの」 三咲は小さい時からこうやってモテない僕に優しい言葉をかけてくれるのだ、あ...
  • 闇母第一話
    11 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/01/11(金) 01 50 43 ID WorItLoe 《闇母(やみはは)》 トントンと軽快な音をキッチンに響かせて、私は最愛のあの人に、夕御飯を作る。長年付き合ってきたこの包丁で、私は仕事でくたくたになって帰ってくる彼のために、腕を振るう。 私、織田市代(おだいちよ)が深海市代(ふかみ)となって早12年。 最愛の夫の深海聡史(さとし)と私はご近所の幼馴染みだった。幼い頃にはよく遊んでいた私たちも、中学に上がった頃にはお互いを意識して、疎遠になった。けれど、それが逆に私に彼を意識させてくれた。 彼の何を好きになったかなんて、きっと一生、いや永遠に分からないだろう。分かっていそうで、分からない。解けそうで、解けない。そういうもの。それが愛なのだ。 けれど、これだけははっきり言える...
  • 玲子 第一話
    70 名前:玲子 (1)◇あばばばばば 投稿日:2010/10/01(金) 20 14 52 ID wdstd6t7 昔から玲子は不気味な奴だった。 幼稚園の頃、廊下の隅で玲子はよく泣いていた。大声を上げるような泣き方ではなく、 音を立てずに体を振るわせて泣いていた。なぜ泣いているのかというと、まあ簡単に言えば玲子はみんな に虐められていた。 無視され、叩かれ、そしていつも一人だった。 ある日、俺はそんな玲子が年長の餓鬼3人に虐められている現場に行き会った。 玲子は教室の隅に追いやられ、うずくまっていた。 その餓鬼3人は、ヘラヘラ小汚い笑い声を上げながら玲子のわき腹に蹴りを入れていた。 自分以外に人はいたが皆見て見ぬふりをしていた。 その時自分がなにを思ったのかは知らないが、急に目の前が赤くなり。 気がつけば、その餓鬼3人に突進していた、突然の奇襲に会いよろけている餓鬼3人に、 無我夢中に...
  • 似せ者第一話 ~始まり~
    749 :似せ者  ◆Tfj.6osZJM [sage] :2009/01/03(土) 05 00 55 ID clWZ+s3E 第一話 ~始まり~  偽者は本物を越す事は出来ない。  偽者が本物を越す時、それは偽者と本物が入れ替わる時。  似せ者は本物になる事は出来ない。  似せ者は本物を越そうが越さまいが似ているだけのオリジナル。 入学式から丁度一ヶ月が経った。 俺は苦労の末に仁衣高校に入学した。 県内トップクラスの学力を保持、様々なスポーツで好成績を収めるという文武両道の校風、そしてさらに日本トップレベルの仁衣大学へエスカレーター方式で行かれるとなれば、当然、皆行きたがるというものだ。 女子の場合はさらに制服が可愛いことも人気に拍車をかけているらしい。 倍率は10倍以上。去年は二年前に仁衣高校に入学した姉さんとの猛特訓の日々だった。 「はい、次はこの問...
  • 大好きにはなれないね(仮題)第一話
    285 :大好きにはなれないね(仮題) ◆oEsZ2QR/bg [sage] :2007/10/06(土) 18 15 12 ID +StY7qvv  昔のドラマの主人公にオメダというあだ名のキャラクターが居た。  周りの奴らに「お前はダメだ」といわれ続け、「お前はダメだ」を略して「オメダ」というあだ名になったそうな。  はん。  まさに俺じゃねーか。  ジリリリリンと鳴った目覚まし時計を、止めると俺は万年床となっている布団から体を起こした。  時計を見ると午前十一時。  ……、んー、俺は確か八時にセットしてたはずなのにな……。どうやら、無意識のうちに止めまくってたみたいだ。 「ねみぃ……」  昨日遅くまで深夜ドラマ見てたからなぁ。NHKめ、なにもこんな深夜にアルフの再放送を5時近くまでやってんじゃねぇ。一話二〇分足らずだからつい次も見ちゃうんだよ。  寝癖だらけの頭を...
  • 勇者さま! 第一話
    103 名前:勇者さま! ◆STwbwk2UaU[] 投稿日:2013/10/14(月) 01 12 44 ID OilDzLV. [3/14] 強い風が、土煙を伴って俺の頬を打つ。 うつぶせに倒れていた体を起こし、口の中にたまっている土を吐き出す。 半乾きの頭をかきながら立ち上がり、俺はゆっくりと坂上の村を目指した。 頭が血でベットリしてて、上から血を被ったように衣服が濡れていることを鑑みるに、 今回の俺の死因は撲殺。俺の記憶が無いことから、背後からの一撃死。相手はトロル……多分。 ――勇者ゲオルグ、774階にてトロルの攻撃に倒れる。 笑えない冗談だ。しかしこれが事実なのだからもっと笑えない。 ため息を吐いて村への道を歩いていると、放牧中のおじさんに声をかけられた。 「おうボウズ!今日も失敗かよ!」 血まみれで意外とスプラッタな格好だというのに、おじさんはまったく気にもとめない。...
  • 十六夜奇談 第一話
    267 名前:十六夜奇談 ◆grz6u5Kb1M[sage] 投稿日:2013/12/13(金) 02 27 58 ID WEky9wKo [2/6] 1. 月明かりだけが差し込む薄暗い部屋の中、何かを啜る音が反響する。 部屋の中には人影が二つ。 華奢で小柄な少女と、どちらかと言えば大柄で、筋肉質な体付きの少年。 二人はお互い向き合って座っており、少年は少女に手を差し出し、少女は少年の手を取って自分の顔の前へと持ってきている。 ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃり。 舐めていた。 少女は熱に浮かされた表情で、差し出された少年の手の中指を、一心不乱に舐め回していた。 だがただ舐めるだけでは無く、時折少年の指を咥え込み、何かを吸うみたく口を窄めたりもしている。 否。みたく、では無い。 少女は吸っていた。 少年の血を。体液を。そこに含まれる、少年の生命そのものを。 舐り、啜り、吸収していた。 少年はそん...
  • 言の葉 第一話
    260 :言の葉:2011/05/01(日) 20 30 25 ID cP3ZCu9M 時間があるので投下してみようと思います。駄文ですがもしそれでもよろしければよんでくださるとさいわいです。 ピピピピ--ピピピピ----- もう朝か・・・・今日からまた学校か・・・・朦朧とする意識の中でそう思いながらむくりとおきて着替えた。 「環おきるのがおそいわよ!瑠璃はもうご飯を食べて学校にいっちゃったのに・・・」 ご飯をよそいながらおこっているのは俺の母である新城 澄 40を超えているはずなのに24,5歳に見えるをどなぜか若々しい。 「わかったよ、さっさと食べてあいつに捕まる前に学校にいかないとな。」 殆ど飯をあじあわない胃にかき込むように食べて急いで家を出た。 ガチャ-----ふう、いないようだあいつがくるまえにダッシュだな・・・・・・ 「今日は何でそんなにはやいの?あんた...
  • サトリビト第一話
    88 :サトリビト:2010/04/11(日) 13 23 01 ID BGfcc4EP 僕の名前は早川慶太。高校2年生。 容姿は普通、勉強は数学が平均より少し上、運動は少し下といった所謂一般層にあたる人間だ。 「いってきま~す」 今日も学校だ。 僕の学校は家から遠いので、いつも電車を使って通学している。 ……本当はあんまり人の多いところは行きたくないんだけどな。 電車に乗ってしばらくすると今日もアイツに声をかけられた。 「おはよ!」 同じクラスの岡田結衣。ちなみに中学からの同級生だ。 「おはよ」 「ねぇねぇ、昨日の数学の宿題やった?」 「まぁ一応は・・・」 「お願いっ!学校行ったら写させて!」 両手を合わせてお願いのポーズをしている。 岡田は数学の宿題をしてきたことがほとんどなく、いつも僕に見せてとお願いをしてくる。 今こうして岡田と気軽に話している僕が言うの...
  • 忍と幸人 第一話
    570 名前:忍と幸人[sage] 投稿日:2011/03/22(火) 21 25 10.98 ID yuKj7wwx [4/12] 1  夏の日差しが連日降り注いでるおかげで、このところの平均気温は三十を下らない。  日によっては三十七度を観測する事もあり、熱中症に悩まされる人々が連日テレビで紹介されている。この猛暑は記録的だとワイドショーで取り沙汰されており、「今年の夏はおかしい」と誰もが口にしていた。  日程を考えるべきだったと、私は焼ける様な道路を歩きながら思っていた。  今日は日曜日。兼ねてから約束していた友人と外出していた。他愛の無いショッピングを楽しんだその後に友人と別れて、今は一人ホームセンターへと向かっているところだ。  書物を纏めるのに本棚が欲しくなったので、休暇である今の内に用意しようと思い、そのまま直行しようとしたのだが……強い日差しの下を長く歩き続けたせいか、些か...
  • 深月第一話
    100 :深月 [sage] :2008/01/14(月) 22 43 50 ID pk/0UBFF  闇に包まれた山道を深山蒼佑(みやま そうすけ)は走っていた。立ち止まることもなく、後ろも振り返らずに。切れ切れに吐き出される吐息は白く、瞬く間に昏い空に溶けていく。 今宵は満月。見慣れていたはずの月はいつもより、ひと際白い気がする。 その中で火照った体を冷やしてくれる冬の寒さと、夜の山道を照らし出してくれる月の光だけが彼にとって唯一の救いだった。  もうどれほど走っただろうか。 今は少しでもあそこから離れ、街に近づけさえいればいい。  街にさえ出ることができれば救いはきっとある。そう信じて蒼佑は走り続けた。 「っ!……あった」  闇の向こう側一筋の光が見える。ようやく山道から街へ続く道路へ出たのだ。  ここまで来れば、街はそう遠くはない。やっとあいつから逃げられる。 ...
  • 白い翼第一話
    476 :白い翼 ◆efJUPDJBbo :2010/08/18(水) 02 47 32 ID ozWSUQaD  「私は昔、神様だったの」 少女は語る。 静寂に包まれた闇の中で少女は俺に一言、そう告げた。  「へぇ」 俺はさして興味無さげに呟いてみた。 だって考えてもみろ。 神? なんだそりゃいるわけねえさ。非現実的すぎる。  「白い大きな羽をはばたかせてさー、空を飛んでたんだ」 ―――瞬間、暗闇は頭上から裂け、大きな青空が広がった。 透き通るような青空に、俺は目を奪われた。  「それって、神様じゃなくて天使じゃね?」 どうも俺の中で白い羽と言ったら天使が一番に思いつく。 俺は、この環境の変化に戸惑いながらも、目の前にいる可憐な少女に話しかけた。 もちろん少女の背中に羽はない。そしてどこからどう見ても人間だ。  「かもね、私はやっぱり神様じゃなかったのかも...
  • 胡蝶病夢第一話
    518 :胡蝶病夢 ◆YOLz5qIxQc [sage] :2009/02/01(日) 20 55 52 ID GuZQVk1C 夢。 夢はいつか終わる。 朝になれば人は起き、そこで夢は終わる。 しかし、目が覚めてもそこが現実だとは限らない。 それが『目が覚めた夢』でないとは限らない。 今の俺は『夢』と『現実』どちらにいるんだろう…… 最近、妙な夢を見る。何が妙なのかというと『分からない』のだ。 その夢は、俺の日常をそのまま映したかのような世界。 朝起きて学校へ行き、退屈な授業を受け、放課後に友人と遊ぶ。 夢の中の人々は皆、現実と同じ人だし、通っている学校も一緒。 まさに、もうひとつの『日常』だった。 なのに、何かが違う。 朝起きるたびに俺は夢の内容を思い出し、モヤモヤとした気分になっていた。 「どうしたの? 迎えにいった時から冴えない顔してるけど...
  • ウェハース 第一話
    784 :ウェハース ◆Nwuh.X9sWk :2010/09/10(金) 11 25 44 ID cZRhL+3d 【放課後、四時半2年2組の教室まで来てください】 なんて事が書かれた可愛らしいデザインの手紙が自分の通学鞄の中に入っていたら、男子ならどう思うだろう? ダーリン!とか言っちゃう宇宙人の襲来?それとも昼は高校生、夜は怪盗の二束草鞋の生活を送る高校生からの挑戦状? 答えはどちらもNO、放課後の四時半(僕は緊張しすぎて三時半から、つまり放課後になってからずっと)待っていたのはフィクションの美少女達ではなく、五、六回しか喋った事しかないクラスメートだった。 名前は藤松小町さん、通称マツコ。その人だ。 成績は上位にいつも名を連ね、得意科目であろう生物の成績は、この間学年三位。 イメージカラーは赤、というかおそらく彼女が好きな色なんだけど、赤...
  • 桜の幹第一話
    713 名前:桜の幹[sage] 投稿日:2009/05/18(月) 13 12 27 ID ZxkbSc9Y 多分、給食費の盗難事件から始まったんだと思う。 小学校の頃、皆が親から預かってきた給食費が消えたことがあった。 発覚が一時間目の前にあるホームルームだったので、担任の教師はこの中に犯人がいると、すぐさま持ち物検査を強行した。 勿論、犯人はあっけなく捕まった。 犯人はランドセルの底にびっしりと給食費の封筒を隠していたのだ。 教師は犯人を咎め、クラスメート達は侮蔑の目で犯人を突き刺した。 「何でこんなことをしたんだ!!」 教室中に響き渡る怒号と、胸を締め付けられる様な罪悪感。 でも、咎められているのは、 「答えろ!幹也!!」 何故か、この僕だ。 それから、僕は担任に何度も小突かれ、初めて六限目まで説教された。 最後の終わりの会で皆に謝れと教師に命令され、クラ...
  • 炸裂超人アルティメットマン第一話~第二話
    248 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02 00 10 ID lUt+bHho   炸裂超人アルティメットマン 第一話 見よ!炸裂の巨大変身  登場巨獣 超ゴム巨獣 マノーン  「ああ、寒い寒い・・・ったく、この季節はやってられないなあ本当に」  僕、東条 光一はそういって今の今まで寝ていたうすっぺらいせんべい布団を折りたたむと顔を洗い 三畳一間の部屋の隅に押し込められたちゃぶ台を引っ張り出して食事の用意を始めた。  冬のこの季節、暖房もない中で朝早起きするのはとても辛い事だと思う、しかしこうしなければいけ ないのも事実だ、などと冷蔵庫から取り出した納豆と、炊飯器から取り出した温かいご飯を食べながら思う。  モルタル張りの三畳一間、狭くてぼろい上にアスベストも使っているようなアパートの中で...
  • @wiki全体から「(仮称)まなみ第一話」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索