ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫 @ ウィキ内検索 / 「~洋を疾る(うみをかける)」で検索した結果

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  • ~洋を疾る(うみをかける)
    ...  キ道戦士ヤンダム~洋を疾る(うみをかける)    「うあああああああ!!!」「きゃああああああああ!!!」  すさまじい衝撃が慶介と沙紀を襲った、ヤンダムの装甲です ら破壊するミサイル攻撃は、一気にその装甲を引っぺがした。  「くそお…どうすれば…」  「大丈夫、貴方は私が守るから、邪魔なのはその女だけ」  スピーカーと、沙紀の声が同時に響く…俺が…俺が悪いんだ… 慶介は心の中で自分を責めた、こんな悲劇が起きたのはそも そも全部自分がふがいないからだ、と…。  「だから待っていてね…慶介…」「すぐに終わるからね…お兄ちゃん」  ヤンダムのコクピットのふたを開くと、沙紀はサブマシンガンを片手に 外に出た。その先には同じくマシンガンを抱えてロボットから飛び降りた 七海の姿があった。  「やめろおおおおおおおおおお!!!!」  バババババババババ!!!波音...
  • キ道戦士ヤンダム
    ~狂気の鼓動は愛~ ~狂戦士 ~洋を疾る(うみをかける)
  • 羊と悪魔第二話
    851 :羊と悪魔 [sage] :2007/09/16(日) 20 10 41 ID XhI6Pjwi  小さい頃に読んだ絵本の登場人物は、みんなとても穏やかな目をしています。  私はそんな穏やかな目を見たことがありません。  私が暮らす家には、父親という名前の他人と、母親という名前の他人がいます。二人とも私を見るたびに、険しい目になります。  絵本の登場人物は皆、誰かを愛しています。とすると、父親と母親という他人は、どうやら私を愛していないようなのです。  学校の先生という名前の他人も、クラスメイトという名前の他人たちも、私に向ける目は険しく、きっと私を愛していないのでしょう。  困りました。絵本によると、愛されない人は悪魔らしいのです。愛されない私は悪魔なのでしょうか。  悲しいことに、きっと私は悪魔なのです。だって皆とは違う髪の色をしているのです。  こんなに赤い髪...
  • 一朝一夕第2話
    6 名前:一朝一夕第2話[] 投稿日:2013/09/24(火) 00 21 58 ID jTib45jM [2/5] 迂闊だった 洋さんを狙う雌猫がいることには薄々感付いていた しかしそれはあまりにも唐突で、理解するのに時間がかかってしまった 私の洋さんを… こうなったら私も行動を起こすしかないだろう 今までずっと影から彼を見続け、今ではどうしようもないほどに彼に惹かれながらも見守ることだけに終始してきた 彼を知り、彼という人間を無意識に意識するまでに彼という人間に一方的ながらも惹かれてきたこれまでの日々…今、その見るだけだった日々が私にこの最悪の状況をもたらしてしまった 一生の不覚だ もうぐずぐずなんてしてられない。一刻も早く、彼を私のものにしなければ……… 7 名前:一朝一夕第2話[] 投稿日:2013/09/24(火) 00 23 06 ID jTib45jM [3/5] 夜...
  • ヤンデレの小説を書こう!Part9-Page3
    ...。 キ道戦士ヤンダム~洋を疾る(うみをかける) 「うあああああああ!!!」「きゃああああああああ!!!」 すさまじい衝撃が慶介と沙紀を襲った、ヤンダムの装甲です ら破壊するミサイル攻撃は、一気にその装甲を引っぺがした。 「くそお…どうすれば…」 「大丈夫、貴方は私が守るから、邪魔なのはその女だけ」 スピーカーと、沙紀の声が同時に響く…俺が…俺が悪いんだ… 慶介は心の中で自分を責めた、こんな悲劇が起きたのはそも そも全部自分がふがいないからだ、と…。 「だから待っていてね…慶介…」「すぐに終わるからね…お兄ちゃん」 ヤンダムのコクピットのふたを開くと、沙紀はサブマシンガンを片手に 外に出た。その先には同じくマシンガンを抱えてロボットから飛び降りた 七海の姿があった。 「やめろおおおおおおおおおお!!!!」 バババババババババ!!!波音にまぎれて銃声が響き渡った。 …数ヵ月後、海中戦争は...
  • 題名の無い短編その四十
    492 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/05/07(木) 02 40 46 ID ZkUJ8LNB ・・・カタカタ・・・カチッ・・・(私はいつものようにネットのファッションサイトを見ている) 妹「今日は、なんか収穫ないぁ・・・いい服でないかぁ・・・このスカート・・たかーい・・・ねっ、お兄ちゃん!」 そういいながらパソコンモニタの右下にあるWebカメラの画像に問いかける・・ その画像には一人の男の子・・・そう、私のお兄ちゃんの映像がライブ形式に流れている。 部屋の天井に設置されてるのであろうそのカメラに本人はまったく気が付いていない・・・ (・・・だって私がこっそり設置したんだもん・・・)思わずよだれが出そうになる。 ・・・ん、おにいちゃんしちゃうの??ん?出したいのぉかなぁ? 画面に問いかける 画面の中の男の子は机の方に向かい、引き出しを開ける・・・...
  • bet all of you
    949 名前:bet all of you ◆STwbwk2UaU [sage] 投稿日:2011/05/10(火) 02 35 02.81 ID 7NGZO/yf [3/9] 「…皆様、よろしいでしょうか?」 ディーラーは厳かに、宣言をした。 目の前には人の上背ほどもあるチップ。 そして、その奥でにやついた俺がいた。 俺はベットした同額のチップを隣に置き、軽く指を指す。 ――ダブルダウン。 掛金を2倍にすることができるが、次の1枚で勝負が決する。 他の奴らは掛金の大きさからサレンダーをし、実質俺とディーラーの戦いとなる。 …手の内はみえている。 あいつが18より上ということはない。間違いなく。 そして次、間違いなく自分には10以上が来る。 思わず頬が緩む。 今日の晩飯は分厚いステーキにしよう…… ディーラーが忌々しげに自分にカードを配る。 めくると、そこにはハートの女王様。 ……2...
  • 生き地獄じゃどいつもイカレてやがる 4
    4 朧は出て行かなかった。雪香に興味をそそられたのもあった。それにこの家に住んでいれば明日の寝床と食事にもありつけるからだ。 80 :ラック ◆duFEwmuQ16 [sage] :2007/03/27(火) 00 05 56 ID RI+ri3es 室内の空調が一定に保たれているので裸でも寒くはない。わりと居心地は良い。気が向いたときに出て行けばいいだけの話だ。 雪香は朧に決して服を着せようとしない。服を着せないのは雪香の趣味だ。 雪香も家の中では同様に、一緒に裸になって過ごす。裸なのは、どこでもセックスが出来るからだ。 少し気疲れを覚え、朧はベッドに寝転がった。身体の芯がだるいのだ。運動不足が原因だろうか。 うつ伏せになったままページをめくっていく。三十分ほど本を読み勧めていくと軽い空腹感を覚えた。 冷蔵庫を漁ろうと朧が身を起こしかけると、タイミング良く雪香が買い物...
  • ホワイトD-A 第二話
    410 :ホワイトD-A ◆5PfWpKIZI. [sage] :2007/03/14(水) 23 52 19 ID KXW/9q8H  アパートを見上げていたツインテールが振り向く。やけにゆっくりと見える動き。 鎖が少しだけカチャリと音を立てる。その目が俺を捕らえて一瞬遅れて認識した 光が宿る。振り返った時揺れた髪が静止する。  そして首輪をした少女は深い笑みを浮かべると口を開いた。 「お久しぶりです」  続いて傍らの少年が振り向く。俺を一瞥して少女に何か囁く。と、少女は 安堵したような笑みを浮かべてありがとうと小さく呟き、少年の首もとに軽くキスした。 「お姉ちゃんが……いえ、姉が今夜伺うと思います」  ツインテールは笑顔で言った。 「ちゃんと待っててあげて下さいね」  それだけ告げると2人は去っていった。  2人が見えなくなると俺ははじかれたように...
  • 新店長でG.O. 第一話
    183 :新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA [sage] :2007/03/05(月) 21 22 11 ID fnlF47vt <<<新店長でグランドオープン~おにいたん、だいすき!2~>>> てっこら、てっこら。 昼間の大通り、幼稚園ぐらいの女の子が歩いている。 そばには自分と同じぐらいの大きな犬。犬には首輪こそついているが紐はついていない・・・、 もっとも、紐で引っ張っても犬のほうが女の子を引きづるだろうが。 犬と少女はやがて駅に着く。 少女は首から提げた大きなバッグからなにやら写真を取り出した。 待合室の中、少女は写真を手にきょろきょろ。やがて、目的であろう人物に声をかける。 「おぢたん!!」 おじさんと呼ばれた男は同じく写真を手ににっこりと笑い、少女に手を差し伸べる。 少女と男は握手をしたあと、男に声をかける。 「おちっこ・・・」 二人はトイレ...
  • 走る走る僕たち
    384 :走る走る僕たち [sage] :2010/12/27(月) 01 47 40 ID 9ieZzg9H 僕、坂本裕登(さかもとひろと)の日課は、5時に起きて近所の川辺を走る早朝マラソン 中学を卒業した5年前から続けていることで、今ではこれをやらないとすっきり目が覚めないほどだ この日課を友人に話すと 『人間のやることじゃねえ』 『悪鬼の所業だ』 『布団様のご加護を不意にするとは』 なんてボロクソに言われちゃうけど、分からない人には分からなくていいと思う この気持ちよさはやった者にしか分からないしね 早朝特有のひんやりした空気、若葉の萌える匂い、少しずつ太陽が昇ってくる風景 毎日見ても飽きないよ、これは あと、このマラソンにはもう一つ嬉しいことがあるんだ ……あ、ちょうど来た来た 「…………」 「…………」 僕と逆方向から走ってくる彼女、いつもの...
  • 五月の冬 第三部 上編
    502 :五月の冬 第三部上編 ◆gSU21FeV4Y:2011/08/04(木) 21 57 16 ID mB4S4kMk 昼休み。四、五人でグループを作って昼食を共に食べる他の連中が多い。 そんな中、私と五月くんは二人きりで向かい合い、教室の隅で弁当を食べている。 「ごめん、何もお返しできることなくて……」 五月くんが申し訳なさそうに私を見つめた。 「そんな、いいんだよ。私、……その、好きでやってるから」 『あなた』が好きでやってる。 辛うじて飲み込んだ言葉は思い返すまでもなく恥ずかしいもので、 口に出さなくてよかったとホッとする反面、何時堂々と口に出せるかという思いが浮かんだ。 「冬子、本当にありがとう。今日のも美味しかった」 五月くんは手にある空の弁当箱を私に差し出して言った。 それを受け取り、鞄の中にしまう。 「ふふ。どういたしまして」 五月くんにありがとう、って言われるだ...
  • 不安なマリア3 後編
    739 :不安なマリア3 後編:2009/09/05(土) 02 38 45 ID dxtRyoM1 母が家を出て行ったそうだ。昨晩からの酒でグズグズになった父が泣きながら話した。 父は母が実家に帰ったのだと言うが私は違うと思う。 一ヶ月ほど前から、母の外出が多くなっていることに私は気付いていた。 以前に比べ、不自然なほど頻繁で、不自然なほど帰りが遅かった。 しばらくすると、私が家で母と話すことはすでに稀になっていた。 10日ほど前、街で見かけた、母と腕を絡ませる若い男。 彼女は彼と暮らすのだろうか。彼女は幸せなのだろうか。私などいなくても良いのだろうか。 18歳の少女の心には疑問が溢れていた。 彼女の実家から絶縁状が届いたのが、それから一週間後。これで我が家は収入源を失った。 そしてその数ヵ月後、彼女は射殺体になった。どこかのモーテルで、恋人と一緒に。 葬式への参...
  • ウェハース第十一話
    325 名前:ウェハース ◆Nwuh.X9sWk[sage] 投稿日:2011/05/07(土) 02 56 56 ID L7ycfpd2 [2/6] 何も大したことはない。 そういう風に装っているのが分かった。当たり前のように、そこにずっといたように。 小町は僕の家族を取り込んでいた。 肉親以外の親戚よりも近く、兄弟よりも少し遠くに腰を下ろして。 僕の『彼女』のポジションに納まっていた。 母さんは上機嫌に笑い、妹は実の兄より懐いていた。 それから時折僕を見ては、「どう? 上手くやれたでしょう?」と言わんばかりの顔で小町は僕に微笑んで見せた。 「そろそろ、お暇します」 切り出したのは小町からだった。 時計を見ると七時を少し過ぎているくらいだった。 「えー、お姉ちゃん、穂波と一緒に晩御飯食べよー!」 困ったように見せる表情が少し、演技に見えた。 「こーら、ホナちゃんワガママ言...
  • ヤンデレ素直クール第一話
    64 :ヤンデレ素直クール:2010/02/16(火) 21 57 37 ID SwZnrzYb 第一話 3レス消費 「何度でも言うぞ。私は君がす・・・」 女は困ったような顔をして、すでに二度繰り返した言葉を再び口にした。 女の目の前に立つ男の顔はすでに茹で上がったように真っ赤になっている。 窓が開いて薄ら寒い教室の片隅には、すでに人垣が出来上がっていた。 当たり前だ。学校中で有名な美人の女が、突如告白をしたのだから。 1分前から唐突に始まった事件に、教室中はもう興味深々だ。 顔を真っ赤にした男は焦ったように大きな手振りで女を遮った。 「ストォーップッ!!ストップストップ!分かったから!ちょっとまって!」 女は男の大げさな反応に戸惑って彼の目をじっと覗き込んでいる。 男は、はぁーっ、と大きなため息をついて脱力してみせた。冬の風が沁みる。 思わず、「なんの罰ゲームだ...
  • 【兄貴のお嫁さん】
    497 :【兄貴のお嫁さん】 ◆DT08VUwMk2 [sage] :2007/10/16(火) 23 44 18 ID uxqAZiLX 「君が涼一くん?」 「そうですけど…えぇ~っと、どちら様ですか?」 学校の帰り道、見知らぬ女の人から声をかけられた。 長い黒髪に季節はずれの白いワンピースを着た綺麗な人だった。 こんな綺麗な人、男なら忘れるはずが無い だから多分、人違いなんだろうけど…でも俺の名前、知ってるから やっぱり、知り合いなのかな? 「お姉さんね君のお兄さんのお嫁さんになる人なの」 女の人は、そう言って頬を赤く染めた。 うちの兄貴がこんな綺麗な人と結婚だって? 俺の兄貴は、お世辞にもカッコいいとは言えない っというか大人のくせにオモチャ(ガンプラとかTFとか)を買い集めるようなオタクで 世間一般的から観るといかにも『モテない男』の分類に入る そんな兄...
  • 鬼葬譚 第二章 『篭女の社』ごばんめのおはなし
    341 :51 ◆dD8jXK7lpE [sage] :2007/05/13(日) 23 56 02 ID 6xMqvPde 鬼葬譚 第二章 『篭女の社』 ごばんめのおはなし ============================== 「…う…ん…?」  あたしは、ゆっくりと目を覚ます。  どうやら、あたしは社の縁側ですっかり寝入ってしまっていたようだ。  耳に届く、ヒグラシの鳴き声。  気が付けば、あたりはもうすっかり夕暮れになっていた。  …何があったんだっけ。  寝ぼけた頭で、それまでのことを思い出そうとする。  たしか…やってきた儀介に思わず激昂して、父のことを思い出して 大泣きして、そんなあたしを儀介が優しく抱きしめて、そして―――  儀介が、あたしに結ばれて欲しいと。 「!!!!」  そこまで思い出して、あたしは自分が儀介に膝枕をさ...
  • face-魔法の解けないシンデレラ-
    87 :face-魔法の解けないシンデレラ- ◆yepl2GEIow:2011/10/19(水) 12 57 50 ID I/j4LqB.  この物語はフィクションです。実際の地名、人名、事件、および整形外科手術とは一切関係はありません。  「はい、カーット!」  と、まぁそんなテロップが表示されるタイミングまでシーンが撮り終わり、監督の声が撮影所の中に響いた。  それと同時にカメラの前で凛とした表情を見せていた若い主演俳優の顔が一気に緩む。  ここは西映第一撮影所。  2時間ドラマの撮影中である。  「おつかれさまーッス!」  「おう。イイ画撮れたよー」  「ま、オレがホンキだせばこんなモンキー!なーんつって!」  主演俳優のおどけた台詞に、キャスト、スタッフ一同がドッと笑う。  もちろん、私もその1人。  確かな演技力とハンサムな容貌、それとは裏腹に人懐っこく明るいトーク。  彼、百池...
  • 青鬼の鬱日和 第1話
    16 :青鬼の鬱日和 ◇jdkhkhftr:2011/01/30(日) 23 10 07 ID FjisnD19  「なぁ、智弘」  「どした?青崎」  「アレ、何だと思う?」  俺はやや後方にある曲がり角を指し示した。  そこには物陰からこちらを窺う人影があった。  おおよその目視計測で、背はそれほど高くない140ちょっと。あと細身。  「え……と、ストーカー?」  「お前に惚れてる女子とか?」  「いや、ありえないでしょ。てか女子なの?」  「男子だとしたら小柄なヤツだな」  「お前に恨みを持っていて、奇襲をかけるつもりかもよ?」  智弘が深刻そうな顔で言う。  「オイオイ」  俺は肩をすくめた。  「俺が人に恨みを買うような人間に見えるのか?中学時代の渾名はMr.人畜無害だぜ?」  「嘘付け。去年、暴走族十数人...
  • 恋人作り 第八話
    299 :恋人作り ◆5PfWpKIZI. [sage] :2007/06/11(月) 00 15 04 ID EiMbBP8L  磔にされた日は帰宅するなり真弓が上に乗ってきて1つずつ枷を解くというイベントが 待っているものだった。しかし今日は亜弓があっさり外して行った。  姫野真弓が聖佑人の上に馬乗りになって、必要以上に顔を近づけ吐息のかかるほど 近くで外して行く。何となく圧迫感のような恐怖感を覚える行為だったがなければ 無いで拍子抜けした思いだった。 「お帰りなさい」 「……ただいまっ」  祐人が真弓に声をかけるとはじかれたように振り返って、すぐに視線を逸らしてしまう。 「真弓?」  これもまた今日だけは亜弓が繋いだ手錠を佑人が引くと無言のままそっぽを向く。 「ご、ご飯にしよう」  真弓は明らかに挙動不審だった。 ■■■■■■ 30...
  • 五月の冬 第二部 下
    684 :五月と冬 第二部 ◆gSU21FeV4Y:2011/06/07(火) 20 27 45 ID KYVdVBUQ ――――。 五月くんはタオルと着替えを持って、部屋から出た。 また顔が熱くなる。きっと赤くなっているのだろう。 悟られないよう、顔を隠すように五月くんに背を向けた。 戸のしまる音がする。きっと、五月くんはお風呂に入ったんだろう。 五月くんがお風呂に入ってる間に、頭を冷やそう……。 目を閉じて、深呼吸をする。 ばしゃばしゃとお湯の流れる音がする。 五月くんは今、体を洗っているのだろうか。 だとして、どこをどうやって洗っているの……。 また、はっとなり頭を抱える。 「だ、駄目だぁ……」 自分に幻滅する。こんな、変態じみたこと……。 聴覚を別のところに集中させよう。 そう思ったとき、目に入ったのは棚にあるCDプレイヤーだっ...
  • 傷が消えぬ日まで
    211 :傷が消えぬ日まで [sage] :2007/12/18(火) 01 02 42 ID guwR8E1H  深い闇の中に音もなく銀色の刃が走って、僕の右腕が薄く切り裂かれる。  滲む血に赤く染まった肌を見て、八重子は微笑を零した。 「瞬君の血、とってもきれい」  うっとりとした声だ。八重子は鼻歌を歌いながら、果物ナイフの切っ先を、また僕の肌に軽く押しつける。  痛みと共に、また新たな傷が刻まれた。滲み出す血を、八重子は瞬きもせずにじっと見つめている。 「これはわたしがつけた傷。わたしが瞬君につけた傷。どれだけときが経っても、決して消えないわ たしの傷」  呪文のように呟きながら、八重子は僕の腕に傷を刻み続ける。  赤い血と絶え間ない痛みと、呪文のような八重子の声。  僕は耐えられなくなって、低く嗚咽を漏らしてしまった。八重子が弾かれたよ...
  • ~お菓子と、男と、女ふたり~
    469 :~お菓子と、男と、女ふたり~ [sage] :2007/03/17(土) 21 35 33 ID tfngQ5h3  彼の好物はお菓子である。  どれぐらい好きなのかということの実例を挙げると、 朝昼晩の食事をせずに500円分のお菓子を食べることで済まそうとした、 ということがある。  それを毎日繰り返していたわけではないが、週に一回、 土曜日になると近所のスーパーに出かけてお菓子を買う。  そしてそのお菓子を当日の食事代わりにする。  それでも彼の体は均整がとれていた。  彼が20代で、まだ若いこともあったが、 彼は毎朝5時から行う体操を欠かさなかったことも原因だった。  彼は自身の住む村の役所に勤務していた。  近くにある高校に通い、卒業すると同時に勤務を始めた。  役所での仕事は年に数回ある祭りや、盆と正月に役所の前を 時節のもので装うこと...
  • 夫が隣りに住んでいます 第8章
    195 :夫が隣に住んでいます ◆WBRXcNtpf. [sage] :2007/03/31(土) 00 45 41 ID nMJNDJ0F 第8章 シャワーを浴びこれから入ってくるであろう真紀を待つ すると自然と股間に血流がまわってくる。 「落ち着けマイサン!もうすぐ君の役目はやってくる!」 となだめていると突然ドアが開いた。 振り返るとそこには一糸まとわぬ姿の真紀がいた。 「真紀・・・さん・・・」 美しかった。今までも女性の裸は見たことはあった。が、これほどの美しい裸体を見るのは初めてだ。 「綺麗だ・・・」 素直な感想が口から飛び出す。それを聞いた真紀は顔を真っ赤にして俯いている。 そんな真紀を健一はエスコートするように腰に手を回し、体を引き寄せ軽く唇を合わせた。 「ぅぁ・・・」 と真紀が小さく呻くと唇を離しもう一度 「綺麗だ」 と呟きもう一度唇を合わ...
  • 高嶺の花と放課後 第6話 後編
    479 名前:高嶺の花と放課後 第6話 後編[sage] 投稿日:2018/04/01(日) 03 35 59 ID zRdogdXc [3/13] 高校2年 8月 「んー!お兄ちゃんこれも美味しそうだよ!」 「綾音、たこ焼きはさっき食べたばかりじゃあないか」 夕日と夜空が絵具のように混じった空。 ここ羽紅町の最大の夏祭りがその空の下で行われている。 普段は静かなこの街も夏祭りとなるとどこから湧いてくるのか、とても多くの人々が溢れかえる。 この夏の風物詩ともいえる喧騒に身を投じている。 「えー、あんな量じゃたりないよ。あたしまだまだお腹ぺこぺこなんだから」 毎年、決まりのように綾音とこの夏祭りには訪れている。 いつもなら変わらない祭りの活気に安堵と懐かしさの入り混じった気分になるのだが左半身に感じる違和感がそれを感じることができない。 左腕に絡まる義妹の腕。 家を出...
  • ことのはぐるま 第二話~天野香織との日常~
    328 :ことのはぐるま ◆Z.OmhTbrSo [sage] :2007/02/05(月) 18 05 42 ID VgLGiMfZ 第二話~天野香織との日常~  朝食を済ませてバイト先へ向かうため玄関を開けると、冬らしい冷え込んだ空気が 襲い掛かってきた。  アパートの鍵を閉めて自転車に乗って出発。  風はほとんど吹いていないが、今日ぐらい冷えていれば手袋をしていても指先が冷える。 「冬はいつもこれぐらい冷えてればいいのになぁ・・・・・・」  冬は好きだ。他の季節と違い寒さが身を引き締まらせてくれるし、 なにより生きているという実感がある。  最近の自堕落な生活ではこういった刺激がないとすぐに退屈になってしまう。  自堕落な生活の一番の敵は退屈だ。  ・・・・・・いや、人生における最大の敵が退屈なのだろう。  退屈は人間を磨耗させる。  退屈だから夫婦喧嘩を...
  • 日常に潜む闇 第1話
    471 名前:駄文太郎 ◆4wrA6Z9mx6 [sage] 投稿日:2010/10/17(日) 16 54 45 ID XisNqYOX 日常に潜む闇 第1話 4月――それは新年を迎える1月と似ていて、世の中が何かと新しいものに変わる時期だ。 特に、日本では4月が1月以上に重く見られているような気がする。  そんなことを考えながら、久坂誠二(くさか・せいじ)は桜並木の下を歩いていた。  周囲を見回せば、まだシワが寄っていない真新しい制服を身につけた男女がちらほらと見える。実に微笑ましい光景だ。  なんてことを思っている誠二だが、彼もまた彼ら彼女らと同様、久遠坂学園高等部の入学生である。  久遠坂学園は久遠市の西側に位置する私立学校で、小高い丘の上に広大な面積を持つマンモス校だ。  小学校に相当する初等部からいわゆる大学である大学部までが揃っており、 桜並木の正門か...
  • ぽけもん 黒  旅立ちの朝
    466 :ぽけもん 黒  旅立ちの朝 ◆wzYAo8XQT. [sage] :2008/03/23(日) 02 14 26 ID ZE6PRlQg  ポケットには収まりきらないような怪物、縮めてポケモン――  僕達が住んでいるこの世界には、そう呼ばれる、人間とも、その他の動物とも一線を画した独自の生物群が存在している。  容姿は種族によって異なるのだが、人間と、植物や動物とのハイブリッドのような見た目をしているものが多い。  ポケモンは種によっては、動物や植物、はたまた人間と交わり種を残す、という特殊な芸当が出来るものもいる。  そしてそんな容姿どおり、彼らは、人間に使えないような特殊な能力と、植物や動物には無いような、人間に近い高等な頭脳を備えている。  我々人間は、そんな彼らと時に協力し、時に相愛し、そして時に対立しながら生きていた。  今日は十五の誕...
  • 少し大きな本屋さん第一話
    361 :少し大きな本屋さん:2010/08/14(土) 15 29 37 ID Ypvngzep 本屋で仕事をしている俺は、たまに万引きをしているところを見たりする。 俺の場合、店の休憩室やらに連れ込むのも面倒なのでその場で注意したりして店から出てもらっている。 最初に声をかけた瞬間に、肩が驚くほど上がったりしておもしろいなーとか思ったりしながら 万引きしちゃだめですよー、などと説明したら、おどおどしく駆け足で店から出て行ってそれから一回も顔を見なくなる。 俺はこの店で売り上げに貢献しているのかしていないのか疑問に思いながら今日も変わらず店で本の整理をする。 なんの変わりの無い生活に不満をわずかに感じながら一日を過ごしていたある日、通算15回目、俺は万引き犯を見た。 近場の高校のブレザーを着ていて、肌が白く、そしてなかなかの美人さんである・・・・・いや、そうじゃなくて。 ...
  • 新店長でG.O. 第五話
    514 :新店長でG.O.  ◆dkVeUrgrhA [sage] :2007/03/20(火) 00 18 18 ID XjUBHhrl  「ふくちう、でつ!」  和室。座卓にはフルタワーサイズの巨大パソコンが2台・・・1台はRAIDサーバーのようだ。  20インチはある大ディスプレイは贅沢にもSVGA。字が大きくて目には優しそうだ。  部屋には巨大なページプリンターが鎮座。時折紙を吐き出している。  OA用紙が詰まった段ボール箱が積み重なって壁を形成。まるでどっかの会社の事務所である。  唯一、布団とそこにおいてある2、3のぬいぐるみがここの主がどういう人物かを表している。  「復讐とはいうけどね、薫ちゃん」  ここは禾森邸にある薫の部屋。ぬいぐるみがなかったらとても幼稚園児の部屋ではない。  「どうするの?」  この日、休みの耕治とあずさは薫と話し合っていた。 ...
  • 不安なマリア3 前編
    717 名前:不安なマリア3 前編[sage] 投稿日:2009/09/02(水) 22 30 43 ID BFZhDSd1 2レス消費 二人で購入を決めた数日後、ジョナサンは携帯電話を買ってきた。 小さな玩具に見え、マリアは実用性に欠けると思ったが可愛らしくもあり、気に入った。 何しろ機能はメールと通話のみ。だが、ジョナサンはこれだけで良いと言う。 「使うとしたら仕事先か、君との連絡だけだからね。」 自分以外に連絡先を知る人間がいるのは嫌な気分がしたが、仕事では仕方ない。 彼はマリアの不服そうな表情を見逃さず、おどけたようにからかった。 「仕事先くらい勘弁してくれよ。これで駄目なら伝書鳩くらいしかなくなるな。」 少しおおげさなリアクションにつられて、思わずマリアも笑っていた。 「そうそう、料金の一部は障害者用の在宅介護手当てから出るんだ。」 「だからと言っては何だけど、いつでも不安にな...
  • 第七話『ファーストバトル・開催』
    59 :ワイヤード 第七話  ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/10/13(月) 11 58 43 ID M7IGTwYl 第七話『ファーストバトル・開催』 「なんか、今日は身体だるいんだよなぁ」 「ん、昨日なんかあったの? オナニー八回くらいしたとか?」 「いや、彦馬じゃあるまいし」 「失礼な! 僕は仮にも紳士、一日一回に全てを懸ける!」 学校に行くと、いつもの風景があった。ナギと千歳を出迎える彦馬、各々好き勝手している楽しいクラスメイト達。 だが、同時にいつもと違うものもあった。 「みんなおはよー! そこの君も、あなたも、おはよー!」 元気良く全員に挨拶している女、イロリ。 千歳がナギを迎えに行ったとき、一緒に寝ていたから驚きだった。いつの間に仲良くなったんだ。 ナギに聞くと、「知らん」といってそっぽをむいた。 イロリに聞くと、「へへー、ちーち...
  • 龍馬暗殺
    788 :龍馬暗殺 [sage] :2010/12/05(日) 14 37 29 ID ilBMG1Eo 「龍馬暗殺」  慶応3年11月15日深夜、京都河原町の近江屋・・・・・・  中岡慎太郎との議論に熱中していた龍馬で有ったが  階段からドドドーーーッ!!! と大きな物音・・・  龍馬は「ほたえなや(土佐弁で騒ぐなという意味。)」と声をかけた。  それで龍馬の在室を確認したのだろう。  一人の麗人は二階奥の八畳間に飛び込んだ。 だが、部屋には男二人がいた。  坂本龍馬と中岡慎太郎だ。 とまどいながら、敷居上に麗人は正座して 「坂本様お久しゅう御座います」と恭しく両手をつく。  右にいた龍馬が「はて、どなたでしたかな」と答えると。  麗人は一瞬龍馬をにらみ、やおら目を瞑り短く深い息を吐くと「千葉佐那子で御座います。」と深々と畳に頭を付ける。  龍馬は大きく目を...
  • 羊と悪魔第七話
    377 :羊と悪魔 [sage] :2007/10/10(水) 01 19 12 ID NYiV8XTy 「玲……ッ」  何故、玲は殺されたのか。何故、玲が殺されなければいけないのか。  何一つわからないまま、私はただあきらの隣でうつむいて、涙を流し続けていた。  不敵な笑みを浮かべる。分厚い美術史の本を読む。いつも私や理子やのぞみの心配ばかりしている。そんな玲が、死んだ。  人が死ぬということを今まで知らなかった。テレビの向こうで人が死んでも何も思わない何も感じない。死は、現実じゃなかった。  首にパレットナイフを突き立てられた玲は、驚いた顔のままで、永遠に停止していた。  あれが、死。死という現実をいきなり押し付けられた私は、今まで夢を見ていたのだろうか。  ただ、泣いていた。玲の顔が目の前にある気がして、それが怖かった。泣いていれば、現実から逃げられる気がした。  ...
  • ヤンデレの娘さん 夏祭の巻 後編 上
    784 :ヤンデレの娘さん 夏祭の巻 後編 ◆3hOWRho8lI:2011/06/19(日) 20 20 09 ID jWW4PdQE  突然だけど、前回の三つの出来事!  一つ!夏だ祭りだダブルデートだ!  二つ!三日ちゃんが射的の景品を1つ正確な射撃で撃ち落した!(どんどんぱふぱふー)  三つ!御神千里・・・おにーさんと零咲えくりがで出会ったのだ・・・なんだよ」  「って零咲ちゃん零咲ちゃん、零咲えくりちゃん」  俺はパロネタ(パクリ?)全開中の、前を行くロリっ娘に声をかけた。  お待たせしました、御神千里っす。  「どうしたの・・・かな、千里おにーさん」  「いや、いきなりそんなネタかまして何人が分かるのさ」  「ふえ、アニメや特撮番組でオープニングナレーションはお約束…なんだよ?」  「アニメじゃないよ・・・・・・ってそれよりも」  つい今しがたまで、うる...
  • ヤンデレの娘さん 転外 びぎんずないと
    341 :ヤンデレの娘さん 転外 びぎんずないと  ◆yepl2GEIow:2011/11/05(土) 21 31 28 ID p/z9kw42  4年前  「それは、きっと……」  「おー、居た居た居たぜ」  その日、九重と話している最中、俺がそう言いかけた時、そう声をかけられた。  寝ころんでいた体を起こすと、俺達のいる屋上の扉が開かれ、3人の生徒たちが入ってくる。  生徒、俺と同じ夜照学園中等部の中学生たちである。  俺に声をかけてきたのは葉山正樹。  幸か不幸か俺と同じクラスになどなった揚句、無愛想な俺に積極的に話しかける奇妙で奇矯な男である。  「……」  招かれざる客を引き連れた、これまた招かれざる葉山に俺はジト目をくれてやった。  「ンな目で睨むなよ。別にお楽しみ中だった訳でもあるまいし。なぁ、九重?」  そう言って、葉山は俺と一緒にいた九重にも声をかけた。  つくづく、馴れ...
  • 真夜中のよづり8
    403 :真夜中のよづり8 ◆oEsZ2QR/bg [sage] :2007/10/11(木) 18 09 08 ID Sz919uDw  しまった。よづりを見失った。  昼休みの終了を告げるチャイムが校内に鳴り響き、廊下は一気に人影が消えていく。  一分後には廊下は閑散と人気が消えうせてしまった。所々で漏れ聞こえるのは、授業をはじめたらしき教室の教師の声だけ。  ああ、そうか。俺、5時間目も遅刻になっちまう。今から走って教室に戻れば、間に合うだろうか。  いや、だめだ。よづりを放ってはいけない。どうせ、今日は1時間目から4時間目までサボっちまったんだ。いまさら5時間目がなんだっつーんだよ。  よづり…、よづり……。  よづりレーダーとかあればいいのにな。ビーコンみたいに近づくだけで鳴るやつでもいいからなぁ。俺は閑散とした廊下を歩き、よづりの姿を探すことにした。  廊下は一...
  • 題名の無い短編その二十四
    141 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/05/03(土) 20 25 10 ID xTbUXORb 地球なんて言うからには、この惑星は球体なわけで。今僕を苦しめるこの暑さを知らずにいる人々がたくさん居る。 それはひどく不公平だと思う。 完全に自分勝手な考えではあるけども、訂正するつもりはないし、異論も認めない。 暑苦しいのは気候だけで十分だ。 夕方の空が藍色に染まっていくのを縁側で眺めながら、僕は夕涼みをしていた。  涼は景観から、と取り付けた風鈴は少しも揺れていない。  ふと聞こえた吐息に僕はため息を吐いた。続いて振り向く。 背後には一式の敷き布団とそこに横たわる少女。 艶やかな黒髪が汗ばんだ肌に纏わりついて、ほんのり朱に染めた頬と喘ぐような吐息。乱れた浴衣姿と寝具は情事の余韻のようでもあるが、実際はそんなに色っぽいものでもない。 ...
  • 囚われし者第三話
    44 :囚われし者 ◆DOP9ogZIvw :2010/06/04(金) 20 46 37 ID jUOM+BV7 翌日、僕はいつものように登校した。 昨日はあの後、痛みで気絶したいらしい。 目が覚めた後は、上機嫌な綾華と一言二言別れの挨拶をして、周防家の車に送ってもらった。 幸いというべきか、優は買出しに行っていたので車を見られることはなかった。 その後は体調を悪いことを理由にできるだけ優に合わないようにしていた。 数人の女子に囲まれて普段より上機嫌な綾華を横目に見つつ、首筋にできた焼印の跡をなぞる。 僕は憂鬱だった。 この前の優の薬の発言といい、この首筋の印といい、ここ最近の僕の日常は完全に崩れつつある。 正直、どこかに逃げ出したい気分だった、しかし、もともと引っ込み思案で優柔不断な僕にとって、そんな好都合な逃げ場を用意してくれる友達はいないのだが・・・ 「少し外の空...
  • 触雷!第二十九話
    397 名前:触雷! ◆0jC/tVr8LQ[sage] 投稿日:2014/03/11(火) 01 36 28 ID XHZLX9u6 [2/6] 今日も、紬屋詩宝君は学校に姿を現さない。 誰も座っていない詩宝君の座席を見ながら、私はため息をついた。 今日で六日目か。その日数には土日の休日を含んでいるとは言え、いささか長すぎる。体調不良だということだが、本当にただの風邪なのだろうか。どうもそうではなさそうだ。 と言うのは、昨日、不穏な噂を聞いたからだ。大金持ちのお嬢様で、学校の支配者でもある中一条舞華の家に詩宝君がいて、何かやっていたらしい。学校での交友関係がほとんどない私の耳にも入るくらいだから、相当広まっている噂なのだろう。 「手遅れになる前に、なんとかしないと……」 誰にも聞こえないような、小さな声で私はつぶやく。詩宝君を助けてあげられるのは、私しかいない。 ―――――――――――...
  • 題名のない長編その八第一話
    53 :名無しさん@ピンキー [sage] :2009/07/27(月) 20 15 32 ID n+x0+Ug8  深夜の公園に、俺、愛吞達也は草の茂みに身を隠して、息を殺しながら一点をじっと見ていた。 その視線の先には外灯が、そして、その下には一人の少女がぽつんと立っている。 歳は身長からして中学生くらいか? 上は藍色のスポーツウェア、下は同じく藍色のスパッツで髪を三つ編みにしている。後ろを向いているために、顔は見えないが、膝裏まで伸びた漆黒の髪が、少女の存在感を強くしている。 ちなみに、俺は彼女が目当てで潜んでいるわけじゃない。 最近、ここらに出没する変質者をとっ捕まえるために隠れているのだ。 「にしても、あの子はなにをしているんだ?」 なにしろ、もうかれこれ二時間も突っ立ったままだ。いい加減怖くなってきた。  俺は茂みから出ると、相変わらずピクリとも動かない少女に近...
  • 私のヒーロー
    441 名前:私のヒーロー[] 投稿日:2014/06/21(土) 03 03 11 ID M2.d2NMg [2/3] 私のヒーロー 私は小さい頃、いつも苛められていた。だがその苛めの理由なんて些細なことだった。 口数が少ないからキモい。これだけの理由だった。私は学校ではいつもひとり。おまけに声も小さい子だった。だがそれが周りの子たちに悪影響を及ぼしたのだろう。まぁ私自身なにをそんなに気分を害したのは分からないのだけど・・・。 それでその苛めの内容は学校帰りに公園へ連れてかれてただひたすらに罵倒されるというものだった。実際に手を出されたことはない。 まだ優しい苛めではあっただろうが、小さい頃の私にはこれでもかというぐらい心にショックを受けていた。 はっきり言って学校には行きたくなかった。行けばまた苛めらる・・・。でも行かないと両親に心配をかけてしまう・・・。家に帰るといつもこんなことば...
  • ヤンデレ妻と平凡な日常
    732 :名無しさん@ピンキー [sage] :2008/05/30(金) 14 23 01 ID yKgaZX2g 12月某日 晴れ 夜、仕事を終えアパートに着くと、家の戸の前で音もなくうずくまっている妻を発見。 声をかけるとパッと顔を上げて抱きついてきた。恥ずかしいが思わずにやける。 この寒い中健気に外で待っていてくれていたらしい妻を連れて帰宅。 戸を開けると、とたんに妻お手製の手料理の匂いが鼻腔をくすぐって思わず腹が鳴りそうになる。 着替えを手早く済ませてさっそく食事。酒のつまみ程度のものから豪華なディナーまで、種類を問わず妻の作る料理は何でも美味い。 確か初めて食べた時は美味いと感じるだけだったのに、何度も食べているうちに妻の料理を食べると妙に気力が湧いてくるようになって、 今ではすっかり舌が肥えて妻以外の作った料理が美味しく感じられなくなって...
  • 合わせ鏡第七話A
    292 :合わせ鏡 ◆GGVULrPJKw [sage] :2008/01/31(木) 00 14 38 ID iHY9/w9g ゆっくりと、世界が傾ぐ。 空が斜めになり、さっきまで地面だったものから離れていく。 私は、瑞希を突き飛ばし、自分も奈落へと落ちる。 そのはずだった。 聞きなれた怒鳴り声が、聞きなれない意味不明な言葉を撒き散らす。 いくつもの足音が怒涛のように迫る。 確かに地面から離れたはずの私の体が、途中で止まった。 意味不明なわめき声が呼んでいたのは、私の名前だったらしいと遅れて気づく。 「重症だ!担架を呼んで来い!」 「手を離すな!」 「限界です!」 「念のため下にマットを用意しろ!」 いくつもの聞きなれないきびきびとした声とバタバタとした足音が、背中の上で交差する。 耳元で、聞きなれた、聞きなれすぎた息...
  • 月曜日
    475 :一週間 月曜日 ◆oEsZ2QR/bg [sage] :2007/07/26(木) 23 08 07 ID JEMYQm8M  ふぅ。まさか一日仕事になるとは思わなかったな。日曜日は一日中大阪で仕事だったよ。  僕はぼさぼさの頭を掻きながら家路に着く。アパートの階段をカンカンと昇り、僕は部屋の前までやってくる。  そういえば、先輩は……。 「居ない……」  部屋の前に先輩の姿は無かった。  まぁ確かに、僕が出てからほぼ二日経ってるんだ。帰ったのかも知れないな。  郵便受けにささっている二日分の新聞紙を掴むと、僕はカバンから家の鍵を出した。鍵穴に差し込んで軽くひねりガチャリと開ける。 「さてと……明日は臨時休日だし……なにしようかな」  玄関の扉を閉めて、鍵をかける。革靴を脱いでカバンを玄関先に置くと、僕はのびをしながらリビングの簾を開けた。  次の瞬間目に入っ...
  • 初めから 第六話
    354 :初めから ◆efIDHOaDhc:2011/11/06(日) 01 23 31 ID 4F8bce8k 「重秀、そこの机をリビングに持って行ってくれ」 はいよーと返事をしつつ軒先に置かれた机を持ち上げる。 東京での新しい我が家は、以前に比べて少し小さくなっていた。 まぁ家族三人暮らして行くには十分といったところか。 「重秀ちょっと買い物行ってきてくれない」 机を運び一息ついたところで母から買い物を頼まれた。 引越しで忙しいため、昼食の用意が出来ないそうだ。 それで、コンビニ弁当というのもどうかと思うが… 「結構変わったな」 どうせだからと小遣いも貰い、山手線に乗り正午になるまでの間 東京を回ってみることにした。 以前に比べて――もう十年も前だが――東京は変わっていた。 金のない時期に世話になったラーメン屋。同僚とバカやった居酒屋 彼女と別れ、日がな一日黄昏ていたベン...
  • 触雷!第十二話
    546 : ◆0jC/tVr8LQ [sage] :2010/07/26(月) 09 18 09 ID N8aXTVcj 「は、はい。ええと……」 僕は口ごもった。 今になって、先輩が紅麗亜のことを持ち出すのはどうしてだろうと思う。 確かに僕は、先輩を襲う前、紅麗亜のことを延々と話していた。 でも、そのとき先輩はほとんど無視していたはずだ。 嫌な予感がした。 「すぐに解雇してください」 「!!」 案の定、想定した中で最悪の台詞が、先輩の口から出た。 もちろん先輩の気持ちは分かる。 何しろスタンガンで攻撃されたのだから、先輩に紅麗亜をよく思えと言う方が無理だ。 しかし、僕が今日ここに来たのは、紅麗亜が僕の家にいられるよう、話を付けるため。 ここで唯々諾々と紅麗亜を馘首したのでは、何のために来たのか分からなかった。 「ま、待ってください」 僕は先輩を宥めにかかった...
  • ヤンデル生活 第2話 これから始まること。
    304 :ヤンデル生活 第2話 これから始まること。:2011/07/18(月) 14 51 40 ID minpuElA ヤンデル生活第2話投下いたします。 「光る海に、広がる星空。この世をかける白い羽よ。」 彼女は満面の星空に照らされながら歌っている。この広い草原と、無限の湖には俺と彼女しかいない。 彼女はとてもきれいだ。透き通るような白い肌に、深い青の瞳。そして、星に照らされて白く輝く白銀の髪。 彼女は楽しそうに歌っている。けど俺は悲しくてたまらない。涙が止まらない。 広い草原に一陣の風が吹いた。 星空を美しく反射する湖に、一人の人が落ちた。 無表情で俺を見つめながら、どこまでも続く満面の星空からつかさが湖に落ちた。 「つ・・か・・さ・・・?」 「うわあああッ・・・。はあ・・はあ・・・。またあの夢か。」 また、という表現はおかしいか。 いつも、真夜中の草原と無限に広が...
  • キモオタと彼女第一話
    579 :名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 00 34 03 ID /987lIXE 「おい、そこのお前。」 「オゥフ、自分ですか?」 「今日も残業だ。 理由は・・・分かるな? お前だけ仕事が遅いんだ。」 「ウッフゥ、申し訳ござ・・・申し、申し訳ありません。」 今、叱られている拙者は入社2年目でござるが、仕事はそんなに出来ないので、毎日毎日上司に怒られ、残業させられてアニメやフィギュアも愛でる暇が無いでござる。 ドゥフ。 「おい、私の話を聞いているのか!?」 「アヒィ!?き、聞いています。」 今、拙者に怒っているのが上司の朝比奈 美鈴(あさひな みすず)さんでござる。 身長は165センチの拙者より10センチも大きく、容姿は黒髪のロングで目鼻立ちは整っていて、性格は温厚・・・のはずが拙者にだけはこの態度。 所詮、三次元の女なんてこんなもんでご...
  • サトリビト第一話
    88 :サトリビト:2010/04/11(日) 13 23 01 ID BGfcc4EP 僕の名前は早川慶太。高校2年生。 容姿は普通、勉強は数学が平均より少し上、運動は少し下といった所謂一般層にあたる人間だ。 「いってきま~す」 今日も学校だ。 僕の学校は家から遠いので、いつも電車を使って通学している。 ……本当はあんまり人の多いところは行きたくないんだけどな。 電車に乗ってしばらくすると今日もアイツに声をかけられた。 「おはよ!」 同じクラスの岡田結衣。ちなみに中学からの同級生だ。 「おはよ」 「ねぇねぇ、昨日の数学の宿題やった?」 「まぁ一応は・・・」 「お願いっ!学校行ったら写させて!」 両手を合わせてお願いのポーズをしている。 岡田は数学の宿題をしてきたことがほとんどなく、いつも僕に見せてとお願いをしてくる。 今こうして岡田と気軽に話している僕が言うの...
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