バンダジェフスキーの「セシウムが心筋に溜まる」が怪しい1
↓バンダジェフスキーの「セシウムが心筋に溜まる」が怪しい2 もあります。
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バンダジェフスキーとは?:「セシウムが心臓に溜まって…」という話のネタ元
放射能が怖いと論じる人たちが持ち出すバンダジェフスキーの論文(というよりレポート)は、複数の専門家(医師、病理医、研究者など)から「データに不備がある」「信頼出来ない」との声が聞かれています。
そもそも、学術雑誌と言えるかどうかも怪しい(インパクトファクターの低い)雑誌に掲載された論文です。この論文【のみ】を論拠として「セシウムは心臓に溜まるのだ。危険だ」と不安を煽るのはフェアではありません。
ユーリ・バンダジェフスキー
ユーリ・バンダジェフスキーは医師・病理解剖学者。ゴメリ医科大学初代学長。チェルノブイリ原発事故の影響を調べるために、被曝した人体や動物の病理解剖を行い、体内臓器のセシウム137などの放射性同位元素を測定する研究を行った。
バンダジェフスキーの研究の問題
wikipediaでもこの「セシウムが心臓に溜まる…」の研究についての問題点が指摘されています。
彼の研究は以下の点で問題があり、精査・追試が必要とされる。
1・論文掲載の学術雑誌(そもそも学術雑誌と言えるレベルなのか不明である)のインパクトファクター。
2・世界的論文引用度。
3・人体におけるセシウムの心臓に与える影響は死者のみを対象としており、生者との比較がそもそも不可能である。
4・心臓と腎臓に関しては病的な所見はなく、標本作成時のアーティファクトがあるだけである。
(wikipediaからの引用)
1と2は、学術的な評価が低く見向きをされていないという意味
3と4はバンダジェフスキーの研究のやり方そのものに問題があるという意味
ここでよくあるのが
学術的に評価が低い&政治犯として投獄された⇒「原発推進派の陰謀」
という理屈。もちろん当時の政府に都合が悪い存在で投獄されたのかもしれませんが、実際にそれほどの価値のある研究ではないことは明白です。世界の科学者全体が原発推進派」というならわかりますが、この論文が学術的な意味を持つならば、(たとえ一握りであったとしても)反原発派がこの論文(のようなもの)をさらに研究していくことはあるはずです。
結論としては、反原発な人でも「まともに検証する気はない」ということでしょう。
病理標本にはアーティファクトしか見えない
※アーティファクト=関係ないもの
病的な所見が全くない病理標本を掲載するというのは意味がないということです。これを根拠に「心臓がどうにかなる」という議論をするのはフェアではないですね。
さらに専門家達がバンダジェフスキーの論文について疑義を唱える
前項で「バンダジェフスキーの論文中の病理標本にはアーティファクトしかない」と指摘しましたが、当然これは多くの医療関係者から指摘されていることです。
放射性セシウムの心臓への影響について
@hachimenさんのバンダジェフスキー文書に対する見解
…バンダジェフスキー氏が出している写真を診断すると、心臓と腎臓に関しては病的な所見はなく、標本作成時のアーチファクトがあるだけである。肝臓については、病的な所見ではあるが、放射線障害に特異的なものではない。
病理医(hachimen氏)によるバンダジェフスキーの病理所見についての検証。
バンダジェフスキー先生のデータはかなり変 ←専門家諸氏の本音 - Togetter
「バンダジェフスキー批判に対する検証」とそれに対する意見
バンダジェフスキー論文に対するISRNの再検証 再現されず論文の信憑性が疑われている
バンダジェフスキーに関するEARL(@ DrMagicianEARL)さんの意見
「セシウム137は甲状腺にたまる」と「「福島の子供、セシウム検出0.1%」はうそ」
バンダジェフスキー氏と心臓・セシウムに関する専門家のロングトーク - Togetter
バンダジェフスキーの研究がどうしてダメか
@kuratan氏のブログより
バンダジェフスキー氏の「セシウムが心臓に」であまりあわてないようにするためのテキスト
【バンダジェフスキー氏の論文に見る体内のセシウム挙動についての誤謬】
小児の各臓器における慢性的なセシウム137の取り込み
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以下参考リンク
「セシウムが心臓に」で有名なバンダジェフスキー氏が受賞した賞って…何
セシウムは甲状腺に集積して、甲状腺癌を引き起こすのか?
バンダジェフスキー氏の論文でセシウムについて知った人はまた「チェルノブイリの子供を救おう会」で別の健康系食材買わされるレベル
放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ”という書籍の
翻訳者の「久保田護」さんの所属する「チェルノブイリの子供を救おう会」についての検証記事。
[原発]あまりにひどい「バンダジェフスキー博士論文の内容要約」テキスト(1)
原発近くに放置された牛の体内セシウム