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誤解:チェルノブイリの最大の健康被害は「精神面への影響」

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チェルノブイリ事故での健康被害で最も深刻だったのは「精神面への影響」

誤解されていますが、チェルノブイリ事故での健康被害で最も深刻だったのは「精神面への影響」です。

関連:チェルノブイリ

チェルノブイリでの「放射線によらない影響」

放射線によらない健康への影響(チェルノブイリ)
http://togetter.com/li/429139
低線量被曝の影響の大小・有無の話は別として、現在チェルノブイリ地区で起こっている健康問題の多くは、放射線によらない経済社会因子やストレスなどの精神的な因子に由来するとされています。
これらは放射能汚染に伴なうことから、放射線の直接影響と誤解されることも多いようです。
チェルノブイリの収束作業にあたった方々やその子供たちに見られる健康への影響が、放射線の影響ではなく著しいストレスによるものだという>ロシア語文献をもとにした論文(総説)をロシアの科学者が出していました。その中から目についた内容をまとめました。

チェルノブイリ事故の健康被害が誇張されているとするロシアからの声
チェルノブイリ事故の健康影響についてはしばしば IAEA や WHO の調査とは異なる見解が伝わっています。これらの情報のかなりの部分がヤブロコフらの 2009年 の論文にまとめられてよく参照されています。http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1749-6632.2009.04822.x/full
日本語抜粋 http://www.asahi-net.or.jp/~pu4i-aok/core/bookdata/1000/b1083.htm
しかし、この論文の引用文献にはたどることができないものが多いことから疑問に思っていたところ、ロシア国内の科学者から彼らの報告に対して痛烈な批判があることを知りました。

チェルノブイリの健康被害、最も深刻なのは精神面への影響 エビデンスありは小児の甲状腺癌のみ

要点は、引用した記事から管理人が抜粋し、内容ごとに整理しました。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/hotnews/lancet/201105/519693_3.html
福島の原発事故による健康被害
原発事故の人体に与える影響として懸念されるのはガンの発症だが、現状では「リスクを負うのは原発作業員にほぼ限定」される。
事故当初、米国ではヨウ素131が検出されたが、米国当局は「検出レベルは低く、国民の健康に悪影響を及ぼすことはないと強調」。
環境への影響という観点からはスリーマイル島とチェルノブイリの事故の中間に位置にあり住民の長期的な健康被害が深刻になることはない

甲状腺被曝のスクリーニングが行われているが、これまでのところ危険なレベルに達している人は見つかっていない。
内部被曝スクリーングについて
甲状腺癌などについてのINDEX

実際のチェルノブイリの健康被害
※注:エビデンス:根拠、証拠

チェルノブイリ事故の心理的負荷
国連 のチェルノブイリフォーラムも、 事故の最大の影響は住民の精神的健康面に認められ、放射性物質曝露が健康にもたらすリスクに-関する情報が適切に提供されなかったことによって被害はさらに深刻になった


2011. 5. 17
Lancet Oncology誌から
チェルノブイリの健康被害、最も深刻なのは精神面への影響
エビデンスありは小児の甲状腺癌のみ
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/hotnews/lancet/201105/519693_3.html

 原子炉事故後、長期にわたって懸念される最大の健康被害が癌の罹患だ。原爆の生存者や被曝事故の被害者を対象とする研究で、放射性物質への曝露と白血病その他の固形癌(甲状腺癌、消化器癌、乳癌、肺癌など)が関連付けられているが、周囲の立ち入り禁止区域が適切に設定されれば、そうしたリスクを負うのは原発作業員にほぼ限定されるだろう。

 原子炉を冷却するために使用された放射性物質を含む水が海に放出されたため、海産物の汚染が懸念されている。また、農作物や水道水の汚染も報告された。福島原発から放出された放射性物質は世界各国で検出されており、米国でも大気、雨水、牛乳からヨウ素131が検出されたが、米国当局は、検出レベルは低く、国民の健康に悪影響を及ぼすことはないと強調している。

 日本政府と東京電力は、特に事故後初期に正確な情報提供を行わなかったとして批判されている。政府が4月12日に、国際的な基準に基づく事故の評価をスリーマイル島の原子炉事故と同じレベル5からチェルノブイリと同一のレベル7に引き上げたことについても、遅すぎたとの非難を受けている。

 だが、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、福島の事故は、環境への影響という観点からはスリーマイル島とチェルノブイリの事故の中間に位置するもので、住民の長期的な健康被害が深刻になることはないとの予測を示している。

 チェルノブイリと比較して住民が不安になるのも無理はないが、チェルノブイリの事故の健康への影響については一致した見解は得られていない。UNSCEARは08年に、小児の甲状腺癌の6000例超はチェルノブイリの事故に関連付けられると結論したが、他の癌については事故との関連を示す明確なエビデンスはないと報告している。一方、民間団体のグリーンピースは、事故に起因する過剰な癌罹患者は9万3000例を超えるだろうとの予想を示している。

 日本では福島原発周辺の住民に対する甲状腺被曝のスクリーニングが行われているが、これまでのところ危険なレベルに達している人は見つかっていない。

 なお、原子力事故の心理的負荷は見逃されがちだが、実は国際原子力機関(IAEA)は91年に、チェルノブイリ事故の精神面への影響は生物学的なリスクに比べ非常に大きかったとの結論を公表している。国連のチェルノブイリフォーラムも、事故の最大の影響は住民の精神的健康面に認められ、放射性物質曝露が健康にもたらすリスクに関する情報が適切に提供されなかったことによって被害はさらに深刻になったと述べている。

 福島原発事故の長期的な転帰は明らかではないが、今後数年間、放射線量を監視し、適切な安全策を実施し、住民を支援するためには、正確な情報の広範な提供は必須だ、と著者らは述べている。

 エディトリアルの原題は「Japan's nuclear crisis」、全文が、Lancet誌のWebサイトで閲覧できる。
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