放射性物質ゼロの幻想:カリウムとセシウム
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食事や水から放射性物質をゼロにする幻想
事故以前から、私達は、放射性物質(放射線を出す物質)をカラダに取り入れて生きてます。
私たちの身の回りには多くの放射性物質が存在します。原発から出た放射線、放射性物質だけが怖いと考えがちですが、なぜかセシウムだけを特別視して怖がってしまっています。私たちが生活していく上で色々なリスクがあり、放射線(放射性物質)のリスクはその中の一つです。例えば放射性カリウムも放射性物質で放射性セシウムと本質的には同じです。
人間は【常に】放射性カリウムで内部被曝を受けている
- 成人で4000BqのK40(放射性カリウム)を体内に持っている(セシウムと同じように筋肉に分布)
- 食物のカリウムには放射性カリウムが含まれている。(カリウム無しでは生きていけない)
- カリウムもセシウムも同じように放射線を出す。(=同じようにDNAを損傷させる)
カリウムは、緑黄色野菜やバナナなどの果実に豊富に含まれる物質です。体内にあるナトリウムを外部に押し出すことによって血圧を下げる作用があるほか、体内の水分量を調整する働きがあるなど、生命の維持にはなくてはならない物質といえます。
人間の場合、体重1キロ中、約2グラムのカリウムが含まれています。カリウムのほとんどは放射性物質ではないのですが、約0.01%はカリウム40という放射性物質が入っています。このため、例えば日本人の主食であるコメには1キロ当たり33ベクレルほどのカリウム40が含まれていることになります。
カリウム40はベータ線やガンマ線を出しますので、人間は誰であっても常にカリウム40によって内部被ばくをしていることになります。カリウム40による内部被ばくは、年間0.17ミリシーベルト程度になります。
カリウムとセシウム―放射線対策で語られない関係― 有田 正規
現在想定される放射性セシウムの影響は極めて微量
放射性セシウムの内部被曝量は、WBCによる調査、さらには食事中の放射性セシウム量調査(陰膳調査)から推測される結論は「極めて微量」です。核実験時代の放射性セシウムによる内部被曝よりも少ないとされています。またチェルノブイリ事故の影響で放射性セシウムで大量に内部被曝したサーミ人の調査を見ても、影響が見られる量ではないと推測できます。
※核実験時代の日本人の被曝、サーミ人については後述。
放射能リスクはゼロではないが量による。他のリスクに比べれれば限りなく小さい。
放射性セシウムだけがリスクではありません。例えば原発事故以前から米に含まれるヒ素は発がん性物質だということが分かっています。現在分かっているヒ素による発がんリスクは現在の放射性セシウムによる発がんリスクよりはるかに大きいのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/IARC発がん性リスク一覧
書籍「放射線および環境化学物質による発がん: 本当に微量でも危険なのか?」p.40
多くの人が誤解してる「自然放射線は安全。人工放射線は危険」
放射性セシウムによる内部被曝は微量
2013年春:食品から受ける放射線量の調査結果
(以下は以前の記事)
放射性カリウム(K40)とくらべて放射性セシウムは特別な存在?
関連資料
大前提)放射性カリウムも放射線を出し、人間は常に被曝している。これは放射性セシウムと同じ。
【放射性カリウム(K40)】は、放射性セシウムと同じ放射性物質です。
放射性セシウム(Cs134、137)と同じように【放射性カリウム(K40)】も放射線を出すということです。
食べ物の中にある放射性カリウム
- 放射性カリウムは、必須元素であるカリウムの中に含まれているので、食事をする限り必ず摂取してしまいます。
放射性セシウムは人工的に作られる。しかし本質的に同じ
繰り返しになりますが、放射線を出す点においては本質的に同じなのです。
放射性カリウムは、大人の体内に4000Bq程度存在する。
- 放射性カリウムですでに内部被曝してる。その程度は成人で4000Bqである
放射性カリウム(K40)は体内に4000Bq程度存在しています。どんどん蓄積していくわけではなく、食事で取り入れつつ自然に代謝されるので
ほぼ一定に保たれます。つまり放射性カリウムを体内に一定量持っているので、大人も子供も関係なく、人間は常に放射線によって内部被曝していることになります。
内部被曝について
K40とCs134,137 カラダに与える影響の違い
K40とCsも同じ放射線を出します。ただし1Bqあたりの人体への影響が違います。K40とCsを比較すると、Csのほうが人体への影響が「2倍」強いのです。
※実効線量係数の考え方
http://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/116.html
※1秒の間に放射線が1発出す能力を 1Bq(ベクレル)と言います。
たとえば、バナナで30BqのK40を摂取したとします。15Bqのセシウムを含む食品を食べたのと、放射線による人体に与える影響は同じ。ということです。
※単位時間当たりK40とCs137は同程度。=実効線量を生物学的半減期を考慮した時間当たりの影響。
実効線量係数=体に与える影響の違い
- 体内に留まる期間(生物学的半減期)を考慮すれば、放射性カリウムに比べて、放射性セシウムの1Bq当たりの体に与える影響は2倍。つまり放射性セシウムに比べると放射性カリウムの人体に与える影響力は1/2。
この核種(放射性物質の種類)に違いによって、1ベクレルあたりの人体の影響を計算するための係数が、「実効線量係数」と言います。
実効線量・人体への影響の度合いについてはこちら
※この実効線量係数は、ICRP(国際放射線防護委員会)が決めた数値です
放射性セシウムは、どれ位カラダにたまるのか。(生物学的半減期)
Cs134,Cs137の半減期はXXXですが、体内でセシウムがずっとたまり増え続けるということではありません。
代謝や排泄などで体の外で出ていくからです。一定量セシウムを常に摂り続けた場合、
体内に取り込んだセシウムの量が半分になるまでの期間は、経口摂取した場合、成人で70日、子供(10歳)で20日程度となります。
関連の話題「内部被曝、WBC調査、放射性セシウム」
セシウムが心臓(心筋)に溜まるのか
核実験時代の日本人の放射性セシウムの内部被曝量
放射性セシウムは核実験時代には今より内部被曝していた
核実験時代の日本人の内部被曝
環境放射線データベース(
http://p.tl/kB-M )から1963~65年の日常食中のCsデータをDLしてグラフを作ってみた。一番酷い1963年で平均値:2.13Bq/人日 中央値:2.03 最大値:4.41 最小値:0.47
Togetter:現在の福島県民と、核実験やっていた時代の内部被曝の比較
チェルノブイリ事故でのセシウム内部被曝
チェルノブイリの影響を受けたサーミ人
怪しげな研究。バンダジェフスキーの論文
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食品中には、放射性カリウムや放射性ポロニウムなど自然の放射性物質が必ず、含まれている。
人は大人であれば常に、放射性カリウム4000Bq、放射性炭素2500Bq程度を体内に持っていて、放射線に被ばくしている。