"Singapore"ルール抄訳

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"Singapore"ルール抄訳 - (2011/11/10 (木) 00:50:25) のソース

White Goblin Games製作のボードゲーム、"Singapore"のルール抄訳です。
ゲームのプレイに必要と思われている部分を抜き出して訳していますが、意訳も多く、誤訳等もあると思いますので、参考程度に考えていただければと思います。
内容に関するご指摘等ございましたら、ページ下部にありますメール送信フォームやコメント欄、或いは[[twitter>>http://www.twitter.com/izumix_Felda]]にてご連絡いただければ修正させていただきます。

*&font(18,b){ゲーム概要}
White Goblin Games
Alexandre Roche作
3-4人
90分
12歳以上

*&font(18,b){序文}
1861年、ラッフルズ卿は東インド会社の前哨地をシンガポール島に築くという任務を受けた。
島は殆どが森と沼地に覆われており、これは容易な任務ではなかった。
彼は、裕福な商人に無償で土地を与え、代わりに土地開発の義務を与える、という巧妙なアイデアでこの問題を解決した。
商人たちは何としても土地を開発しなければならなくなったため、それを自分たちのために利用することにした。

かくして、小さな前哨地は大都市となった。
しかし、合法的な取引だけではなく、アヘン貿易も盛んになっていた。
シンジケートたちは、非合法取引と賭博の支配権を求めて争った。
ラッフルズ卿自身、度重なる手入れを行い、犯罪の増加に立ち向かおうとした。

プレイヤーの役割は商人である。
土地を開発し、店を建設し、レンガ、織物、お茶の貿易で成功を収めるようとしている。
非合法だが有益な取引に与する好機があれば、彼らがノーということはないだろう。

*&font(18,b){セットアップ}
#ref(setup.jpg)
スタートタイルをテーブルに置きます。
土地タイルを、スタートタイルか他の土地タイルに隣接するよう置いていき、ゲームボードを作ります。
タイルとタイルの間に隙間ができてはいけません。
タイルに書かれた数字は全て同じ向きになっていなければなりません。
水(スタートタイルの青い部分)の隣に土地タイルを置くことはできません。

建物タイルを、表面に書かれているローマ数字に従って3つに分け、それぞれをよく混ぜます。
続いて、3つに分かれた建物タイルの山を1つにまとめます。
まず「3」の建物タイルの山を表向きに置き、その上に「2」の建物タイルの山を表向きに乗せ、更にその上に「1」の建物タイルの山を乗せます。
こうしてできた建物タイルの山は、ゲームボードの脇に置いておきます。

#ref(supply.jpg)
商品コマとお金、そして街路マーカーを共通の場としてゲームボードの脇に置いておきます。

#ref(bag.jpg)
黒と白のチップを袋に入れます。

#ref(player_set.jpg)
各プレイヤーは£5とワーカーコマ1つを受け取ります。
2つ目のワーカーコマは最初は脇においておきます。
このワーカーコマは、途中からゲームに登場します。

#ref(Raffles.jpg)
全プレイヤーの勝利点マーカーを集め、勝利点トラックの「5」のマスに無作為な順番で重ねていきます。
一番下に置かれている勝利点マーカーの所有者が、ラッフルズタイルを受け取ります。

*&font(18,b){準備ラウンド}
ゲーム開始前に、準備ラウンドを行います。

建物タイルの山から、プレイヤーの人数に等しい枚数の建物タイルを取り、テーブルに一列に並べます。
ラッフルズタイルを持つプレイヤーの右隣のプレイヤーから反時計回り順に、並べられた建物タイルから1枚を選び、それを未使用区画(建物タイルの置かれていない区画)に置いていきます。
プレイヤーは、スタートタイルか既にプレイヤーによって建てられている建物タイルに隣接している区画だけを選ぶことができます。
プレイヤーは、置いた建物タイルの上に自分の色の区画マーカーを置き、使用した区画の使用料を支払います。
そして、街路マーカーを使い、置いた建物タイルと隣接する建物とを繋ぎます。
全てのプレイヤーが最初の建物タイルを置いた後、ゲームはスタートします。

*&font(18,b){ゲームの流れ}
ゲームは、幾つかのラウンドによって構成されます。
各ラウンドは、更に幾つかのフェイズに分かれます。

&font(18,b){1.ラッフルズプレイヤーの決定}
 毎ラウンドの開始時に、ラッフルズプレイヤーを決定します。
 勝利点トラックで一番後ろにいるプレイヤーがラッフルズプレイヤーとなります。
 同点の場合は、勝利点マーカーが一番下に置かれているプレイヤーがラッフルズプレイヤーとなります。
 ラッフルズプレイヤーはラッフルズタイルを受け取ります。

&font(18,b){2.建物タイルを取る}
 ラッフルズプレイヤーは、プレイヤー数+1枚の建物タイルを、建物タイルの山から取ります。
 前のラウンドの建物タイルが残っている場合は、プレイヤー数と同じ枚数だけ建物タイルを取ります。

&font(18,b){3.区画の分配}
#ref(build.jpg)
 ラッフルズプレイヤーは、各プレイヤー(ラッフルズプレイヤー自身も含みます)の区画マーカーを1つずつ受け取り、それらをゲームボードの未使用区画の上に置いていきます。
 ラッフルズプレイヤーは、スタートタイルか既にプレイヤーによって建てられている建物タイルに隣接している区画だけを選ぶことができます。

&font(18,b){4.プレイヤーアクション}
 ラッフルズマーカーを持つプレイヤーから始めて、時計回り順に手番を行います。
 手番プレイヤーは建物タイルを1枚選び、自分の区画マーカーが置かれた区画に置きます。
 プレイヤーは、置いた建物タイルの上に自分の色の区画マーカーを置き、使用した区画の使用料を支払います。
 そして、街路マーカーを使い、置いた建物タイルと隣接する建物とを繋ぎます。

 &font(16,b){特別ルール1}
  もし、手番プレイヤーが区画の使用料を払うのに十分なお金を持っていない場合、勝利点トラック上の勝利点マーカーを後ろに戻し、戻したマス1つ毎に£2を受け取ります。
  支払いに必要なお金が得られるまで勝利点マーカーを戻すことができます。
  お金も勝利点も足りない場合は、区画の使用料は無料になります。

 &font(16,b){特別ルール2}
  手番プレイヤーが非合法建物(黒い建物タイル)を置いた場合、袋の中からチップを引かなくてはいけません。
  (その他のルール「非合法建物」の項参照)

 &font(16,b){特別ルール3}
  手番が最後のプレイヤーは、残っている2つの建物タイルから選ぶ代わりに、£1を支払うことによって、建物タイルの山の一番上のタイルを選ぶことができます。

 建物タイルを置いた後、プレイヤーはワーカーコマを動かすことができます。
 ワーカーコマは3マスまで動かすことができ、建物タイルのアクションを3つまで行うことができます。
 新たにワーカーコマをゲームボード上に登場させる(どの建物タイルの上にでも登場させることができます)ことは、1マスの移動と数えます。

 ワーカーコマは、街路マーカーを使ってのみタイルとタイルの間を移動することができます。
 手番プレイヤーは、1つにつき£1を支払って、街路マーカーをタイルとタイルの間に置くことができます。
 この際、斜めに街路マーカーを置くことはできません。

 それぞれの建物タイルは、手番中一度しかアクションを実行することができません。
 同じラウンドに、他のプレイヤーがアクションを実行することは可能です。
 手番プレイヤーが他プレイヤーの所有する(区画マーカー置かれている)建物タイルのアクションを実行した場合、所有プレイヤーは1勝利点を獲得します。
 スタートタイル上の建物を使用した場合には、どのプレイヤーも勝利点を獲得することはありません。
 プレイヤーは、手番開始時にワーカーコマが置かれている建物タイルのアクションを実行することができます。

 ラウンドの終了時、建物タイル1枚が未使用のまま場に残ります。
 小屋マーカーを、この建物タイルの上に置きます。
 次のラウンドでも誰もこの建物タイルを使用しなかった場合、この建物タイルはゲームから取り除かれます。
 また、手番が最後のプレイヤーが£1を支払って建物タイルの山の一番上のタイルを選んだ場合は、建物タイルは2枚残ります。
 この場合、そのプレイヤーは、どちらの建物タイルに小屋マーカーを置くかを選び、選ばれなかった建物タイルは即座にゲームから取り除かれます。

例
#ref(move_and_action.jpg)
1 青のプレイヤーはStone Masonタイルを使用し、2個のレンガを獲得しました(最初のアクション)。
2 続いて、Pawn Shopタイルの上にワーカーコマを動かしました(1マス目の移動)。
  このタイルを使うと1勝利点を£3に変えることができますが、青のプレイヤーはArchitectタイルの上にワーカーコマを動かし(2マス目の移動)、3つのレンガを£4に変えることにしました(2回目のアクション)。
  Architectタイルを所有する赤のプレイヤーは、1勝利点を獲得します。
3 更に、£1を支払って街路マーカーを置き、Teahouseタイルにワーカーコマを動かし(3マス目の移動)、いずれか1つの商品コマを3つのお茶に変えることにしました(3回目のアクション)。
  Teahouseタイルを所有する緑のプレイヤーは、1勝利点を獲得します。
  これで、青のプレイヤーは3マスの移動と3つのアクションを終えました。

勝利点を獲得したり失ったりしたプレイヤーは、勝利点トラック上の勝利点マーカーを動かします。
もし、動かした先に他プレイヤーの勝利点マーカーが置かれていた場合、自分の勝利点マーカーをその上に乗せます。

勝利点マーカーが、紋章の描かれたマスの上に入ったり通り越したりしたら、そのプレイヤーは£5を獲得します。
紋章のマスを越えて後ろに戻った場合は、何も受け取ることはなく、既にそのマスから£5を受け取っていることを示すために、勝利点マーカーを裏返して黒い点が描かれている面を上にしておきます。
この場合、再度紋章のマスを越えたら、勝利点マーカーを裏返すことになります。
言い換えると、一度の紋章マスからお金を得ることができるのは、一度だけということになります。

最後の紋章マスは60になります。
もし60を超えた勝利点を獲得した場合、勝利点マーカーを0に戻し、そこから勝利点マーカーを進めていきます。
ただし、その後紋章マスに入っても、お金を獲得することはありません。

*&font(18,b){ゲームの手順}
手番プレイヤーは、2回のアクションを実行します。
(※スタートプレイヤー、場合によっては二番手プレイヤーも、初回手番は1回になることを忘れないようにしてください)
その後、手番は時計回りに次のプレイヤーに移ります。

アクションは4種類あり、任意の組み合わせ、順番で実行することができます。

**1.ドロー
最も大きな価値を持つトップカード(以下、「最大トップカード」)と同じ時代番号の山札からカードを1枚引き、手札に加えます。
もしその時代番号の山札のカードがなくなっていた場合、次に大きい時代番号の山札から引きます。

&font(i){例1:最大トップカードが4の時、5と6の山札がなくなっていた。手番プレイヤーは7の山札からカード1枚を引く。}
&font(i){例2:プレイエリアにカードがない場合、1の山札からカード1枚を引く。}

最大トップカードより低い時代番号の山札からカードを引くことはできません。

**2.宣言
手札からカード1枚を選び、プレイエリアの該当する色の山札の一番上に置きます。
その色の山札がまだ作られていない場合は、そのカードが最初の1枚となります。
既に山札がスライド(後述)している場合、「宣言」したカードもスライドした状態で山札の上に置きます。

**3.「業績」の獲得
「業績」を獲得する場合、以下の2つの条件を満たさなければなりません。

1:現在の得点(リファレンスカードの左側に配置されたカードの数値の合計)が、獲得しようとする「業績」の時代番号の5倍以上あること。
2:最大トップカードが、獲得しようとする「業績」の時代番号以上の価値を持つこと。

この2つを満たしている場合、「業績」を獲得しリファレンスカードの右側に配置することができます。
「業績」を獲得しても、得点は消費されることはなく、そのまま残ります。
一度獲得した「業績」は、失ったり奪われたりすることはありません。
なお、「特別な業績」はアクションを消費することなく、条件を満たしたら即座に獲得することができます。(後述)

**4.ドグマ
このゲームの中心となるアクションです。
自分のトップカードから1枚を選び、そのカードに書かれているドグマ効果(テキスト)を上から順番に解決していきます。

全てのドグマ効果には、文章の先頭に小さなアイコンが描かれており、これは、ドグマ効果の解決に関係しているアイコン(以下、「対応アイコン」)を示しています。
ドグマアクションの解決時に、全てのプレイヤーは自分のプレイエリアにあるカードに記されている対応アイコンの数(ドグマ効果の小さなアイコンは除く)を数えます。

ドグマ効果には2種類あります。

"I demand ____"で始まるドグマ効果は、対戦相手に実行を強制する攻撃効果です。
手番プレイヤーより対応アイコンの数が少ないプレイヤーは、手番プレイヤーの左隣から時計回り順にドグマ効果を実行しなければなりません。
ドグマ効果を明確に実行するために、手番プレイヤーはドグマ効果の内容を読み上げてください。

それ以外のドグマ効果は、手番プレイヤーと、対応アイコンの数が手番プレイヤー以上あるプレイヤーで共有されます。
まず、対応アイコンの数が手番プレイヤー以上あるプレイヤーが、手番プレイヤーの左隣から時計回り順にドグマ効果を実行していき、最後に手番プレイヤーが実行します。
1人以上のプレイヤーがドグマ効果を共有した場合、手番プレイヤーはドグマ効果の解決後に「ドロー」アクションを1回実行します。
この「ドロー」アクションは、実行アクション回数には数えません。

**ドグマアクション補足
全てのドグマ効果は、"You may"と記されていない限り、実行しなければなりません。これは、共有された場合も同様です。

共有された効果が、実際には効果を発揮しなかった場合は、共有されたとはみなされず、手番プレイヤーは解決後の「ドロー」アクションを実行することはできません。
例えば、「手札からカードを「宣言」する効果」を共有したプレイヤーが、手札にカードがなかったため「宣言」できなかった場合は、共有したとはみなされません。

ドグマアクションのために選択したカードが、ドグマ効果によって取り除かれたり、別のカードが上に乗ったりしてトップカードでなくなった場合も、ドグマ効果が解決されるまでは効果を発揮します。

**「特別な業績」
円の内側に配置された通常の「業績」とは別に、5枚の「特別な業績」を獲得することができます。
「特別な業績」は、通常の「業績」とは異なり、プレイヤーが獲得条件を満たすと(アクションを使用することなく)直ちに獲得することができます。
獲得した「特別な業績」は、通常の「業績」と同様に、リファレンスカードの右側に配置していきます。
「特別な業績」は、特定のカードのドグマ効果によって獲得することもでき、「特別な業績」には関連するカードの名前が記載されています。
一度獲得した「特別な業績」は、通常の「業績」と同様に、失ったり奪われたりすることはありません。
2人以上のプレイヤーが同時に獲得条件を満たした場合は、時計回り順で手番プレイヤーから最も近いプレイヤーが「特別な業績」を獲得します。

*&font(18,b){ゲームの終了}
プレイヤーが「業績」を規定枚数獲得すると、ゲームに勝利します。
規定枚数は、2人ゲームでは6枚、3人ゲームでは5枚、4人ゲームでは4枚です。
最後の「業績」を獲得したら、そのプレイヤーは直ちにゲームに勝利します。

もし、プレイヤーが「10」より大きい時代番号のカードを引くことになった(これは、「10」の山札がなくなったことを意味します)場合、ゲームは直ちに終了します。
この場合は、「業績」の枚数ではなく、最も多くの得点を獲得しているプレイヤーが勝利します。
同点のプレイヤーがいた場合は、その中で「業績」の枚数が最も多いプレイヤーが勝利します。
それも同数だった場合は、勝利を分かち合います。

また、特定のドグマ効果によってゲームが終了することがあります。
この場合、ドグマ効果の内容に基づいて勝者が決まります。
単に、"the game ends"と記載されている場合は、「10」の山札が切れた場合と同様に、獲得した得点によって勝者が決まります。

*&font(18,b){ゲーム内用語}
**Bottom
**Card Image
**Draw and ____
**Exchange
**Excute for yourself only
**Fun
**Highest/Lowest
**Remove
**Score
**Splay
**Top
**Tuck
**Value
**Win Effects

*&font(18,b){カード毎のFAQ}
**(2)Road Building - 「道路建設」
**(3)Machinery - 「機械」
**(4)Anatomy - 「解剖学」
**(5)Measurement - 「測量」
**(5)The Pirate Code - 「海賊の掟」
**(6)Democracy - 「民主主義」
**(7)Publication - 「出版」
**(9)Fission - 「核分裂」

*&font(18,b){戦略}
(省略)

*&font(18,b){ドグマアクションの例}
**例1
#ref(innovation_ex01.jpg)
**例2
#ref(innovation_ex02.jpg)

*&font(18,b){連絡について}
当訳に関するご意見や誤訳等の指摘がございましたら、下記のメール送信フォームやコメント欄をお使いください。

*&font(18,b){更新履歴}
2010/10/09 第1版をアップ。

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