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    <title>【ジェットアローンで使徒を殲滅せよ】まとめ@ ウィキ</title>
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    <description>【ジェットアローンで使徒を殲滅せよ】まとめ@ ウィキ</description>

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    <title>第弐拾八話</title>
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      802 ：名無しが氏んでも代わりはいるもの ：2006/10/08(日) 15:48:57 ID:???
『一号機の識別信号を追跡するようにセットしました。行動制限はレベル３まで開いてます』 
「分かった。一号機はそれほど速度を出していない。それで行けるだろう」 

いくら高度な人工知能を持っているとはいえ、やはり遠隔制御のように融通が利くわけではない。 
あくまで二号機は一号機を足止めさせるだけだ。暴走を止めるのは人の手で行うしかない。 

「こちらも間もなく管制復旧する見通しだ。ひとまず本部のほうに戻ってくれ」 
『分かりました。…ようやっと、なんとかなりそうですね』 
「だといいが…」 

――ドッシーン！ドッシーン！… 

二号機が足を踏み出すたびに、その振動が床から体に伝わってくる。 
ロールアウトしてすぐの半自律制御には若干の不安もあったが、少なくともこの程度の簡単な指示なら 
確実にこなせるほどに、二号機の中枢は高度な機構を持っている…いや、持たせたのだ。 
ここに至るまで様々な苦難があったが、いまや世界でも最高水準と言える自律制御を可能にしたJA二号機。 
二号機に限らず、決して制御不能を許さないその信頼性こそが、両JAの唯一の強みであった。 

（…今ここで事態を収拾できなければ、JAの有用性は失われてしまう…） 

政治家のごとく利害で動くことを、もともと技術者出の時田は良しとしない性格である。 
しかし、現に、多大な政府援助金を投入され、日本政府による国内外でNERVに対抗するための最後の切り札として、 
ジェットアローンが政治的立場を得てしまった今、JAの存在意義の喪失は、日重工のそれを失うことに等しい。 

自分が責任を取るだけではすまされないかもしれない―― 

日重工の解散という最悪の結果が彼の頭によぎる。 
すでに国連から使徒迎撃作戦の一環としての補助予算を承認された以上、日本政府と国際世論の二つの立場に挟まれて 
そのギリギリを日重工は歩んでいるのだ。 

なんとしてでも、JAを止めなければならない。 


803 ：名無しが氏んでも代わりはいるもの ：2006/10/08(日) 15:52:52 ID:???
「――主任、時田主任！」 

加藤の声が耳に入る。 

「あぁ、すまない。なんだ？」 

怪訝な顔を時田に向けていた加藤であったが、すぐに表情を切り替える。 

「リコンパイル完了しました。主プログラム、実行します」 
「よし、走らせろ」 

加藤がキーをたたくと同時に、文字列が目にも止まらぬ速さでモニタ内に映し出されていく。 

「行けそうか？」 
「そう…みたいですね。今度は大丈夫のようです」 

文字列が一瞬停止すると、画面が切り替わり、”日重工JA管制システム”と書かれたGUIの起動画面が移る。 
そして。 

「主任、管制システム、起動しました！」 

加藤の声とともに、14インチの画面に見慣れたウィンドウが複数重なって開かれる。 
もっとも、いつもは専用端末の大画面モニタで見ているものではあったが。 

「よし！まず、ほかのPCへとタスク振り分けだ。最低、手動制御シェルとN2リアクタ、RT光学センサーのモニタリングだけでいい。 
　ネットワークはのほうはどうだ？」 
「はい、メインフレームへのリモートログインは正常、主信号回線インフィニティへのバイパスもOKです」 

これで、少なくともJAの手動制御だけはできるようになるはずだ。 

「分かった。いいか、みんな、……JA一号機を停止させるぞ」 


804 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/08(日) 15:54:37 ID:???
暗闇に数台の高輝度液晶画面が浮かぶ。 

「今、広域通信を開放しました。一号機と二号機を探索中です」「NERVの通信とつなぎました。衛星からの位置情報をマッピング中」 
「グリッド処理に問題なし。ブレード数を12％蹴ってもまだいけます」「二号機からのデジタルで応答確認、制御を手動遠隔に移します」 

いつもの端末、とは行かないものの、システムさえ起動してしまえば、あとは彼らにとっては得意なものだ。 

「処理に余裕があるなら蹴って電力浪費を抑えるんだ。二号機の現在位置は？」 

状況の全体を見渡すモニタがないために、各員の間を行ったり来たりしながらも、時田はすかさず指示を出す。 

「一号機と約1．2Km離れています。ですが、光学で補足しました。速力は原速、リアクターも正常です」 
「そのまま後方から接近、一号機を捕らえるんだ。一号機のほうから応答は？」 
「それが、妙なことになってるんです。初期応答は返ってきたんですが恐ろしく返答が遅くて。 
　モニタリングはできますが、信号の断絶が激しくてリアルタイムでは確認できません。やはり内部の問題でしょうか？」 

停電と同時に暴走が起こったことを考えれば、停電によって管制信号が失われたことが暴走の原因かとも考えられたが、 
一号機の制御チップは管制下を離れて15分以上たった場合、自動的に停止するように組まれている。 
すると、制御チップの処理のどこかで問題が発生したとしか考えられない。 
だが、応答が返ってくるところを見ると、外部からの信号も正常に処理しているようでもある―― 

「何らかの原因で、制御チップがビジーになった可能性も考えられるな。自己チェック信号を送信してみてくれ」 

もしハード面でチップに異常が出ているのであれば、予備用のチップに切り替えればいいだけだ。 
それから緊急信号を送出すれば、少なくとも停止だけは出来るはずだ。 

「主任、今戻りました。……歩行しつづけるところを見ると、下半身の制御チップでしょうかね？」 

と、管制室の入り口から先ほどまで二号機再起動現場にいた小松たちが入ってくる。 
外にいて機材を運び降ろししていたせいか、彼らは汗だくだ。 


805 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/08(日) 15:56:56 ID:???
「分からん。レスポンス自体はあるようだ。だが…」 
「JAはあらゆる事態を想定してプログラムは組まれている、そうですよね」 

無論、小松の言葉は嫌味などではない。彼はJAの制御に関してもっとも労力を投じた男だ。 
JAの制御原理、初期実装、そして二号機のJRシステムの搭載も、彼の貢献によるところが大きい。 

「そうだ。例え制御回路に異常があったところで、歩行を続ける、ということは有り得ない」 
「二号機のほうはどうです？」 
「特に異常はない。あと少しで一号機に接付するところだ」 

覗き込むPCの画面の右上には小さなウィンドウが二号機の光学カメラからの映像を映し出している。 
一号機の背中まであと少しだ。 

「主任、チェック信号のレスポンス着ました。システムは正常、チップ０、チップ１、ともに生きてます」 
「…変だな。下半身制御切り替え、予備回路へ移せ。それから緊急停止信号を送出」 

制御チップが正常に稼動している――そうなると、暴走の原因はよりいっそう不透明になる。 

（だとすると、駆動系の問題か…？いや、そうだったら歩行もままならないはずだ…） 

「チップ１、チップ２へ切り替え完了しました……あぁ、ダメです。やっぱり停止しません」 
「停止信号は拒否か？」 
「いえ、レスポンスなし。どうやら受信していないようですね…」 

信号そのものを受信しなければ、遠隔からの停止は難しい。そうなれば、あとは力づくで止めるしかない。 

「主任、二号機が今一号機を捕らえました。出力68％で負荷は47！」 

職員の一人から声があがる。 



806 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/08(日) 15:59:11 ID:???
PCの画面には、二つの輝点が重なって表示されている。 

「もう一度、一号機へ緊急停止信号を送信。二号機はそのまま一号機を足止めさせるんだ」 

まだ強制的に押し倒してしまうわけにはいかない。打つ手はまだあるはずだ。 

「小松、加藤、ほかに考えられる原因は何があると思う？」 
「あまりに状況が不可解すぎますね…。モニタリング信号も出してはいるのに断絶している、こちらからの 
　管制も受信しているかどうか怪しい。けれど、制御チップに異常はない…」 
「信号自体も、その返答の時間、返答確率はランダムですし…」 

手をあごにあて考え込む時田たち。 
ふと、小松が顔を上げる。 

「加藤、そういえば一号機のモニタリング信号は受信できているようだな？」 
「デジタルのBchとアナログの併用で確認できるだけで、リアルタイムじゃないですけど。まだN2には臨界まで余裕があります」 
「…ちょっと待て、じゃぁ命令信号はどっちで出してるんだ？」 
「デジタルのAchで、応答もデジタルチャンネルで返ってきてます。」 

JAには、一号機、二号機ともに３系統の通信装置が搭載されている。１系統が管制との通信、１系統が敵味方識別信号、 
そして、バックアップ用である。もっとも運用時には、各チャンネルが決まった役割をこなすことは少なく、状況に応じて、 
柔軟に送受信チャンネルを変更するため、役割分担はあくまで建て前上のものでもある。 

「アナログでは通信できないのか？」 
「アナログでは応答してこないですね。ちょっと距離がありすぎるのでは…」 
「待てよ……そうか分かったぞ！」 

小松が急いで二号機のモニターに駆け寄る。 



807 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/08(日) 16:00:40 ID:???
「小松、どういうことだ？説明しろ」 

時田が小松のもとに駆け寄る。当の本人は、二号機の光学センサーの映像を最大解像度にしている最中であった。 

「主任、おそらく原因は通信系です！」 
「なんだって？だが、３系統が同時に落ちるはずなんか…」 
「電波妨害ですよ…おそらく」 

画面上のウィンドウでは二号機の光学センサーの映像をキャプチャしている旨が表示される。 

「ちょっと待て、妨害だとして、二号機に影響がないのは一体…」 
「おそらく一号機そのものに狭域ジャマーが取り付けてあるんでしょう。そしてさらに、そこから一号機に歩行信号を送出し続ける。 
　こうすればこちら側からの信号、特にアナログは受信できないし、モニタリング信号も断絶します」 

キーをたたきつづけながら小松は続ける。 

「JAの通信装置にはシールドとフィルターがついてますから、超近距離からの信号であればジャミングに埋もれず受信してしまう。 
　歩行信号を送出しつづけられているなら、チップは管制下であると認識して、ESSは作動しない」 

最大解像度でキャプチャされた静止画像が徐々に画面に姿を現す。撮影されたのは一号機の背中にあたる部分だ。 

「今回の一連の暴走はやっぱりテロリズムですよ。そうでなければ、俺達のJAが暴走するわけがない！」 

小松の一言――そう、幾度の使徒戦を乗り越えてきたJAが、そう簡単に内的要因で暴走するはずはないのだ。 
時田と加藤は納得する。 

「そうか…有り得なくはない。むしろ、それなら確かにつじつまが合うな」 
「じゃぁジャミング装置は…一号機に直接取り付けられているってことですか？」 

PCの画面をの静止画像を指差して小松が口を開く。 

「それを今から探すんだ」 


808 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/08(日) 16:02:27 ID:???
日本の光学レンズ技術の集約させて設計されたJAの光学センサー群。その一つに超高解像度カメラがある。 
小松が引き出した静止画像は、そのカメラを使って一号機の後部を撮影したものであった。 

「おそらく信号発信やジャミングの効率から考えて、ジャマーは一号機の上半身にとりつけられている可能性が高いでしょう」 
「となると、……このあたりか、このあたり…あるいはここか？」 
「制御棒に隠れているってこともありますしね」 

時田が指した部分をさらにズームアップする。JAの排熱のせいで一部画像がややぼやけているものの、かなり詳細な画像だ。 

「内部に取り付けられている可能性も否定はできないが、まず外郭部から探そう。PC一台に二人一組であたれ。 
　画像を分配する。とにかく怪しい影を探すんだ」 

各PCにそれぞれ画像の部分部分が表示され、各職員たちでそれらを入念にチェックしていく。 
とはいえ、この暗闇の中だ。液晶を長時間見つづけるのは目に堪える。 

「左腕腋下は特に怪しいのはないな…」「第３制御棒周り、…特になし」「くそ、頭部第二アンテナ周辺も特にはなし」 

じんわりと汗ばむ中で、黙々と確認作業が続けられる。だが、チェックにチェックを重ねても怪しい影は見当たらない。 

（やはりジャマーは内部に取り付けられているのか？） 

時田に限らず誰もがそれを感じ始めていたときだった。 

「…っ！？時田主任！」 

一人の職員が声をあげた。 


809 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/08(日) 16:06:19 ID:???
声をあげた職員のもとへと駆け寄る時田たち。もはや二号機の関節疲労もかなり蓄積されている。時間はない。 

「これ、これなんじゃないでしょうか！？」 

彼が指差す先にあるのは、制御棒と制御棒の間の影にうっすらと見えるでっぱりのようなものだ。 

「なんだこれは…確かにここには何もなかったはずだな…。小松っ！」 
「分かってます！今二号機のズームレンズで補足中です」 

二号機のカメラで再度、先ほどの部分をズーム撮影する。 

「データ転送開始。もう少しで来ます」 

彼の言葉から数秒後、徐々に画面に指定部分の拡大写真画像が現れる。 
そして、その中央。 

「…これ、、、だな」 

平べったい円形状のものが、JAの後部に張り付いているのが見える。 
白く塗装されたそれは、ちょっと見ただけではよく分からないものだ。 

「よしっ！ジャマーかどうか分からんが、二号機でコイツをそぎ落とす！小松たちは制御準備、加藤は一号機のモニタリング再開！」 

時田の指示が下ると、すぐさま皆がすでに慣れてきたノートPC前の床という配置につく。 

「JA二号機、左手で一号機をおさえて、右手でコイツをとるぞ。左足前、重心を後方へ移動！」 

二号機がやや後ろに体重をかけ、片手で一号機を抑える。 

「左腕出力98％、損傷限界ギリギリです！」「体重移動完了、下半身前駆同系には問題なし！」 
「よし！そのままあれを取り去るんだ。右手の出力は抑えろ！制御棒と排熱口に注意しろ！」 


810 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/08(日) 16:08:25 ID:???
二号機が、ゆっくりと、少しずつ、その右手を一号機の背中に伸ばしていく。 
一号機を抑える左手は、いささか軋んだ悲鳴を上げている。 

「あと少しだ、焦らず慎重に…！」 

思わず時田の手にも力が入る。 

「あと、10、８、７、６、４、３、２、１、……」 

大きすぎる指が、円形状の装置を、まるでかさぶたを取るように剥ぎ取る。 


そして。 

「…一号機からの信号受信を確認！」 





およそ丸一日に渡る、長い戦いの終わりであった。 







811 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/08(日) 16:11:53 ID:???
NERV総司令官公務室。 
あいも変わらず、公務室のわりに公務が少ない。 

「では、配電設備の破壊、管制プログラムの書き換えは第三者の仕業だと？」 

冬月が中空に表示されているホログラムにたずねる。ホログラムに映っているのはもちろん加持リョウジだ。 

『えぇ、当然日本政府が日重工の施設を破壊するとは考えにくいですしね』 
「しかし、まさか碇と同じ事を考えるやつが、他に二組もいるとはな…」 

そう、JA一号機にジャミング装置を取り付け、今回の実演会を失敗させること――これらはNERVによるものであった。 

「管制プログラムの書き換えは恐らくNERV本部に対するテロ行為と見ていいだろう」 
「もしバグのあるプログラムが第3新東京市の第二研究所で使われていたら、使徒殲滅作戦に支障をきたしただろうしな」 
「あぁ。むしろ今回の事態で発覚したのは幸いと言える」 

ゲンドウがサングラスを中指で持ち上げながら答える。 

『しかし、司令、日本政府がそのような動きをしたとの情報は掴んでいませんが』 
「何も日本政府だけが我々に対抗心を燃やしているわけではないよ」 
「あぁ。戦自、NERV中国、ドイツ、アメリカ支部、あるいは他にもいるだろうな」 

しかし、運悪く、他の組織も（その意図こそ不明だが）日重工に対し工作をしており、事態はゲンドウたちの予想外の事態へと展開した。 
結局、今回の暴走はテロによるものと片付けられ、またJRシステムも成功したことから、JA両機の評価は下がることはなかった。 




812 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/08(日) 16:18:29 ID:???
『すでにJAは政治的力学の中心にいる…そういうことですかね』 
「気にすることではない。まもなく、君とともにエヴァ弐号機も本部の管轄となる。我々の目的はあくまで補完計画だ」 
『分かっています。今のところ、こちらも予定通りです』 
「そうだ。イレギュラーをも抱えたとして、死海文書の記述に影響はない」 
『分かっています。すべてはシナリオ通りに…』 

加持との通信が切れる。 

「ときに碇」 
「なんだ冬月」 
「死海文書にはJAの記述は本当になかったのか？」 
「…」 




------------------------------------------------------------- 
ＪＥＴ　ＡＬＯＮＥ　報告 
EPISODE：7　実演会公試運転における暴走 

ＪＥＴ　ＡＬＯＮＥ　０１　　外的要因により暴走、損傷なし 
ＪＥＴ　ＡＬＯＮＥ　０２　　損傷なし 

第一研究所国立第三試験場　　一部電力施設が破壊される 

[[その他]]テロと思われる事象　　　停電/管制プログラムの書き換え 

備考　：　JET　ALONE　０２はジェット・リフレクス・システムの試運転に成功 

日本語認識システムMAJI-SYSTEM for JA_Hi-SYS,JA2_Sf_SYS 
(c)Reset Co.Ltd 
------------------------------------------------------------- 

[[第弐拾九話]]
[[@wikiへ&gt;http://kam.jp&quot;&gt;&lt;META HTTP-EQUIV=&quot;Refresh&quot; CONTENT=&quot;0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]    </description>
    <dc:date>2021-07-10T15:06:58+09:00</dc:date>
    <utime>1625897218</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/31.html">
    <title>第弐拾七話</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/31.html</link>
    <description>
      743 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/24(日) 21:38:36 ID:???
「加藤、まず一号機の暴走の原因を検討特定するんだ。小松たちのほうは二号機を動かす方法を考えろ」 
「「分かりました」」 

ついさっきまで興奮が満ちていた管制所の床には、第一研究所中から集められたノートPCやハブ、100V供給バッテリーパック 
などが並べられ、そこから何本ものネットワークケーブルが中央電算室へと伸びていた。 
先ほどまでJAの制御に使用されていた端末群は、裏のパネルなどが開かれ、おのおのの職員達が懐中電灯を照らしながら 
内部の結線の一部をほぐし、ネットワークケーブルに接続しようと奮闘していた。 

「JAの位置はっ？」 

時田の手には紅白のメガホンが握られている。これは数年前の社内運動会で使われたもので、無線通信のできない 
管制室内で古典的コミュニケーションツールの役割を与えられていた。 

「すでに目視では限界っ！これ以上になると双眼鏡では詳細は得られませんっ！」 

観測窓のそばで双眼鏡を片手にJA一号機を監視していた職員が叫び返す。彼が手にしているのは黒いメガホンだ。 
すでにJA一号機は前進全速状態のまま、はるか遠く、熱せられた空気のゆらぎの向こう側に消えようとしていた。 

――プルルルル、プルルルル 

と、時田の作業着のポケットからLEDの点滅とともに電子音が漏れる。彼の携帯電話だ。 

「もしもし、俺だ。。。な、なんだって！？……そうか、それで？…うむ。とりあえずほかに方法がないか調べてくれ。頼む」 

通話を終わる時田の表情は先にもまして険しいものになっている。 

「どうしたんですか？主任？また悪い知らせでも……」 
「……本館の変電室の主分岐盤が、、、爆破されていたそうだ」 
「爆破！？」「そんな…！！」「じゃぁこの停電は……」 

職員の間にも動揺が広がる。――この停電は人為的なものなのだ。それも悪意をもった人間のだ。 



744 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/24(日) 21:40:34 ID:???
「みんな、、、落ち着いて聞いてほしい」 

時田が静かな声で話し始める。 

「今回の停電……どこの誰かは分からないが、人の手によるものということが明らかになった。 
　最悪、何らかのテロ行為、、、という可能性もないとは言い切れない」 

――今混乱してはJAを止める術がなくなってしまう。 
何度も学んできた、冷静であることの重要性。 

「だが、どうやら人的被害を出すのが目的ではないようだ。そして、この騒動の目的は、多分俺達のJAだ…と思う。 
　今は一号機を停止させるのが、今俺達がやらねければいけないことだ」 

ここにいる人間は、戦場に立ってきた人間ばかりではない。中には恐怖を募らせている職員だっているだろう。 
彼らを引っ張らなければいけないのは自分なのだ――時田は大きく深呼吸をして言葉を続ける。 

「JAを守らなければいけないのは俺達だ…なんとしてでも一号機を止めるんだ。みな、頼む」 

時田の言葉が沈黙の中に浸透していく。 

「作業を続けてくれ。時間がない」 

だが、職員たちは感じていた。 


――そんなことなど言わなくとも、自分達はついていくと。 



745 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/24(日) 21:43:37 ID:???
停電から４８分、JA一号機暴走から３６分が経過していた。 
すでに一号機の姿は観測窓からでは確認できない。そして、横たわる二号機は沈黙したままだ。 

『主任！電波塔まで電力回せるとのことです。通信復旧の見込みが立ちそうです！』 
「分かった。こちらも何とか管制BIOSをPCで立ち上げられそうだ。復旧次第追って連絡する」 

館内での連絡はもっぱら携帯電話に移行している。幸いというべきか、外部との回線連絡を担う交換機は 
専用の予備電源で動いているため、日重工の研究所内では携帯電話が使用できる。もっともそれもいつまで続くとも分からない。 

「おおよそ推定されうる位置はこのあたりだろうな」 
「長距離無線が復旧するんでしたら、ヘリを使って追跡してみましょうか？」 

時田と加藤が頭を悩ませているのは、一号機の現在位置だ。一号機の移動速度や放置区域の地形を考慮に入れ 
地図の上でおおよその位置を検討してみたのはいいものの、結局確認する方法がない。 

「時田主任っ！」 

と、管制室入り口から時田のほうに向かってくる女性が一人。 

「葛城部長…なんでしょうか？」 

この状況の中だ。あまり良い表情で返答できない。 

「たった今、NERVが暴走中のジェットアローン一号機の位置を特定しました」 
「なっ！…NERVが！？」 
「今回の停電、暴走事件は、何らかの悪意を持ったテロ行為と我々は判断、万が一の場合、使徒殲滅作戦の影響が 
　出ないとも限りません。NERV作戦局並びに中央司令部は、今回の事件に収拾をつける支援を行うことを決定しました。 
　なお、これらはのことはすべて特例８に準拠します」 

思わぬ申し出に面食らう時田。 
だが、NERVの情報収集能力の高さが味方になるのであれば、これほど心強いものはない。 


746 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/24(日) 21:47:01 ID:???
「分かりました。ご協力お願いできますか？」 
「もちろんです」 

停電のために空調がとまり、管制室は35度近い温度になっている。 

「この状態ですので、NERVとは携帯電話による秘匿音声通信しかできませんが……」 

しかし、ミサトの表情は崩れない。 

「日向くん？現在位置を」 

彼女の手にあるのはもちろん携帯電話だ。加藤はミサトの携帯電話の音声出力をPCのスピーカーから出すため、 
音声変換ケーブルを彼女の携帯電話に取り付ける。 

『今しがた、IGS-4でも目標を補足しました。第一研究所から東に12kmの地点を平均時速31km程度で走行中です』 

日向のアナウンスが、ノートPCの小さなスピーカーから鳴り響く。 

「思いのほか速度が出ていないのが幸いだな」 
「しかし、主任、このまま東に進むと……」 
「あぁ、旧東京市の市街地にぶつかる可能性がある……」 

その大半が放置区域として封地になった旧東京跡地だが、まだ東のほうには旧東京市が残存している。 
時田の額には嫌な汗が浮かんでいた。 

770 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/02(月) 18:53:00 ID:???
すでに一号機の足音も聞こえてはこない。 
加藤をはじめ、管制担当の職員たちがノートPCに一号機制御のための代替管制プログラムを 
手動で書いていた。これも、時田の指示である。 

「電算室から管制経由で主電波塔まで、、、ん？――デジタルでだ。…そうだ。。。あぁ。分かった」 

時田は各所での復旧の指揮を携帯電話一つで行っている。一方で、手元のデスクにおいてあるラップトップからは、 
NERVからの一号機追跡情報が次々と飛び込んでいた。 

――プルルルっ　プルルルっ 

時田が通話を終えるや否や、続け様に携帯電話が鳴り響く。 

「俺だ」 
『主任！小松です！』 

電話口から届く彼の声の後ろから、いささか耳障りな騒音が聞こえてくる。 

時田は、倒れこんだ二号機の状態を確認するため、彼ら、小松率いる二号機制御チームを現場へと向かわせていた。 
その大きすぎる巨体のせいで、目の錯覚から二号機が倒れた地点は目の前にも感じるのだが、 
実際には結構距離があり、徒歩ではちょっと辛い。 

『今、ＪＡ二号機のデバイスチェックに入りました！――見たところESSが働いたようで、二号機の 
　リアクターは完全に停止しているようです！』 

もともと国立第三試験場に限らず、旧東京の放置区域の移動手段はＶＴＯＬヘリが基本で、車両移動はめったにしない。 
というのも、施設の一つ一つとの距離が遠い上に目印になるようなものもない場所だ。 
車両移動などしようものなら、すぐにその広さのために迷ってしまう。 


771 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/02(月) 18:58:57 ID:???
「分かった。今こちらも一号機との通信確立を目指して作業中だ。安全第一だぞ？万が一の場合もある」 

しかし、ヘリでは検査機器類を運ぶのに手間取ってしまう――いや、そもそも日重工には、長距離移動用の 
旅客運搬ヘリしかなく、物資運搬用のVTOLは、生憎、第一研究所には配備されていない。 

そこで、彼らが目をつけたのは、本来は施設内での短距離物資運搬に使う、超大型の特殊運搬車両である。 
今の時勢には珍しく、化石燃料だけで動くタイプで、普段はその燃料確保の面倒さから、超重量物を運ぶときに 
しか使われていなかった。 

だが、電気が使えない今、燃費の悪い電池型車両や充電型車両に比べると、その馬力ははるかに心強い。 
しかも、もともとリアクターや大型アクチュエータなどの運搬を主用途に作られたためか、内部に発電機構まで 
搭載している優れものなのだ。 
これ幸いとばかりに、小松たちはありったけの人員と機材を乗せ、横たわる二号機へ横付けしたのである。 

『大丈夫ですョ！親を踏み潰すような躾はしてませんからね、ウチは……っと、今、デバイスチェック終わりました！ 
　各装置、異常なしです。どうやら普通に耐衝緊急停止しただけのようです。起こしますか？』 

「主任っ！」 

と、おもむろに加藤が端末群の影から頭を出し、通話中の時田を呼ぶ。 

「加藤、ちょっと待て！…それで、小松、そのまま起動、目的命令信号を入力して、半自律行動させることはできそうか？」 

二号機は、内部搭載の有機チップのおかげで、一号機に比べるとその制御信号の形式ははるかに簡素化されている。 
うまく行けば、初期行動バッファに予めプログラムを走らせることで、一号機の追跡をさせることもできるかもしれない。 

『制御信号をなしでですか？二号機のリアクターは――』 
「分かっている。二号機のリアクターは、10分以上管制から応答がなければ自動停止、だろう。 
　俺が言いたいのは……つまり、それをあえて外すんだ。…制限30分までゆるめて、一号機を追跡させられないか？」 



772 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/02(月) 19:02:22 ID:???
出力の大きい二号機は、一号機以上にリアクター制御にシビアである。 
唯一、リアクターは自律制御システムからは切り離された、安全重視の独自の制御系なのだ。 
それを手動で緩めることは、管制からの制御なしでの、自律行動レベルを拡大する変わりに、 
万が一の炉心融解のリスクを増やすことにも繋がりかねない。 

『…30分、でいいんですね、主任…？』 
「それ以上だと負荷がかかりすぎる。30分で追いつけなければ、、、意味がない…」 

微かな進路変更を繰り返しながら暴走を続ける一号機。 
市街地到達まであとどれほどの猶予があるのかは分からないが、もし30分以上の追いつづけてもダメな場合、 
一号機を破棄するしかない。 
そして、それならば、二号機には負荷をかけるべきではないのだ。 

『…勝負、ですか』 

横のPCから、またNERVから一号機の進路変更の報告が入る。 
あくまで人の手で止めなければならない以上、急ぐべきは管制室の復旧である。 

「あぁ…。時間との…な」 




773 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/02(月) 19:09:03 ID:???
小松との通話を終えると、今度は足元に注意しながら加藤のもとまで歩いていく。 
電灯なしの管制室はほとんど暗闇に近いが、天窓の僅かな日光とPCのモニタの光のおかげで、 
かろうじて薄暗い管制室内でも作業できる。 

「書き終わりました。多分、これで大丈夫だと思います」 

彼のモニターには黒をバックに緑の文字がびっしりと並んでいる。 

停電のために完全に使えなくなった実験用管制システム。 
それらの一部を代行するためのプログラムを、本来はシミュレーションに使う中央電算室内のコンピュータ上で走らせ、 
一号機を緊急停止、暴走の原因を特定した上で管制を確保、試験場まで帰還誘導させる―― 

限られた手段だけで、確実に事を進めるということ。 
未だ電力の復旧する見込みがない以上、問題との長期戦は必死だ。 
傍から見れば遠回りに見えるかもしれないが、この方法でしか一号機を完全に停止する方法はない。 

いや、少なくとも暴走の原因が判明しない今、尽くせる手段がこれぐらいしか思いつかなかったのだ。 

「…よし、、、これで行こう」 




774 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/02(月) 19:17:30 ID:???
蒸し風呂のようなうだった暑さの管制室へ、少しばかりの涼しい風が吹き込む。 
先ほどまで照り輝いていた太陽は、その姿を雲の後ろに隠そうとしていた。 

さらに暗くなってしまった第一研究所の片隅で、小さな明かりが灯る。 

「主電波塔へ電力供給開始」「東館の余剰電力はゼロ、これで限界だ」「電圧-0．2、矩形波に近いが安定してる」 

水島たち率いる電気担当班が、手持ちの電卓と第三試験場の設計図から計算した方法に基づいて、 
電波塔に予備電源からの電力を分配していた。 
すでにディーゼル発電機の重油は、かなりの量を消費しつつある。 

無論、携帯電話やノートＰＣなどのバッテリーも例に漏れず、その残量は目に見えて減ってきている。 
すでに何名かに、第三試験場内の電気自動車両に搭載してあるであろう蓄電器をありったけ確保に向かわせたのが、 
そもそも車両数が少ない以上、それにもあまり期待はできない。 

「そうか、分かった…こちらも準備完了だ」 

時田の通話の相手は、もちろん水島だ。 

「あぁ、頼む……そうだ。何か異常が起きたらすぐに知らせてくれ」 

今日一日で、もう何度目か分からない通話を終える。 
すでに着信、発信履歴は見慣れた部下の名前ばかりだ。 





775 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/02(月) 19:20:50 ID:???
「主任、電波塔は？」 
「あぁ、今動いた。まずネットワークのチェック、それがグリーンだったら管制システムを起動してくれ」 
「分かりました」 

加藤が先ほどとは別のノートPCに、コマンドを打ち込んでいく。 
ほかのノートPCは節電のためにモニタの電源を落としているため、明かりは加藤の操るPCと時田のNERVとの連絡PCだけだ。 

先ほどのNERVの報告によれば、一号機はやや南の方角に進路を変更したらしい。 
進路がぶれるのは、おそらく長時間の歩行によるリアクターの排熱で、下半身の制御に乱れが出てきたためだろう。 
このままでは、一号機の熱暴走の危険性もある。 

「…主任、ネットワーク、オールグリーンです」 

画面に表示されるいくつものOKの文字。 

「…よし、管制システム、起動開始」 

時田の掛け声と同時に、彼の指がエンターキィをはじく。 


すべての機能、とまでは行かないが、実験用管制システムとほぼ同じ機能を汎用コンピュータ上で再現するため、 
急遽、既存のコードを改変、コンパイルして造られたJA制御用のモニタリングシステム。 
いつも見慣れている大型モニタや専用端末による機能制御分担こそできないものの、それでも理論上は管制システムとしての 
役割は果たせるようになっている―― 

はずであった。 

「ん…！？エラー！？」 
「どうした？」 

加藤の声に時田が画面を覗き込む。 


776 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/02(月) 19:22:10 ID:???
「…そんな馬鹿な……主プログラムが走りません！」 
「……ちょっと待て…」 

おかしい―― 
時田が真っ先に感じたのは、何かの違和感であった。 
そもそも、この研究所に関わらず、すべてのJAの管制用システムはその端末からプログラムまで、一から日重工が設計したものだ。 
その主たるモニタリングシステムは、将来的な柔軟性を確保するため、なるべく汎用言語を利用して製作したのである。 
いくら急ごしらえのプログラムとはいえ、その大部分はプロジェクトのものをそのまま流用してコンパイルし直しただけだ。 

「このプログラムのソースのバージョンは？」 
「2015年度版の最新のものです。来月、第二のほうにも採用する予定のやつですよ」 

管制システムに限らず、多くの技術、テクノロジは、第一研究所でその安定性、信頼性をチェックされた後に、 
第二研究所で採用される。 

「万が一のバグという可能性もあるな…一つ前のバージョンでもう一度やってみてくれ」 
「しかし、主任、時間が……」 
「加藤…焦るな。それほど時間がかかるわけじゃない。やるんだ」 

かえって原因を探して時間を食うよりは、安定しているシステムを使ったほうが早いはず―― 
内心では自分の判断に確信をもてない時田ではあったが、ここで迷いを見せるだけ時間の無駄だ。 
加藤たちが慣れた手つきでキーボードをたたく様子を見つめながら自分の心の中を整理する。 




777 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/10/02(月) 19:23:50 ID:???
（爆破による停電、一号機の暴走………やはり、テロ、、、なのか？） 

考えれば考えるほど、今回の事件が、日重工を敵視する相手からのテロとしか思えない。 
しかし、そんな組織など心当たりは一つしかないのだ。 

（まさか……NERVが…） 

――プルルル 

と、再び時田の携帯がなる。 

『主任、JA二号機、起動完了しました！』 

――ドッシィィィイイインっ！！！ 

時田の耳に、地響きのようにとどろく二号機の足音が入ってきたのであった。 

[[第弐拾八話]]
[[@wikiへ&gt;http://kam.jp&quot;&gt;&lt;META HTTP-EQUIV=&quot;Refresh&quot; CONTENT=&quot;0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]    </description>
    <dc:date>2021-07-10T15:04:06+09:00</dc:date>
    <utime>1625897046</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/30.html">
    <title>第弐拾六話</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/30.html</link>
    <description>
      704 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/12(火) 20:40:16 ID:???
第一研究所の管制室は、そもそもJAの各種運動実験のデータ観測を目的に作られているため、 
第二研究所のそれとは大きく異なる。広い空間には、やや余裕を持って各種端末、装置がおいてあり、 
前方にはモニタースクリーンのほか、のぞき窓から肉眼で確認するための観測所が備えられている。 

「準備は？」 
「JA一号機、二号機、ともに最終チェック完了、起動準備OKです」 

しかしながら、今回の実演公試運転では二体のJAを制御する。そのため、一号機の制御のために 
わざわざデスクと端末を搬入しており、本来はスペースである部分にも端末各群が並べられている。 
第一、第二の両職員が作業にあたっているが、床には大量のケーブルが這わされているために 
不用意に歩き回ることもできない。 

「よし、一号機、起動、所定の位置まで移動！」 

時田の掛け声とともに、各員が端末をたたく。すでに一号機の起動は手馴れたものとはいえ、 
初めて外部の人間の目にさらされるのだ、職員の間にも気の緩みはない。 

――ガシーンっ　ガシーンっ 

「歩行停止、JA一号機、予定位置にて停止しました！」「制御、駆動、動力、すべて問題なし！」 

初めて目の当たりにする大型ロボットに、観測所から双眼鏡片手にJAを覗いているスーツ姿たちから 
歓声があがる。 

「皆さん、これよりジェットアローン二号機の公試運転ならびにJA二体による実演会を行います。 
　何ら危険はともないません。そちらの窓から安心してご覧ください」 

今日に至るまでありとあらゆるチェックをしてきた。二号機に不備はない――確信に満ちた声が響く。 

「ジェットアローン二号機、起動！」 



705 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/12(火) 20:45:16 ID:???
――ガシャーンっ！　ウィィィィイイイイイン 

大きな地響きとともに管制所前方のケージビルが左右に開きはじめる。 
と同時に、初めてその完成した姿を日の下にさらすJA二号機。 
艶のある黒に塗られた装甲が、熱く照りつける陽光で鈍く光っている。 

「起動シーケンス、正常に実行中！」「N2リアクター、可動開始！回転数順調に上昇中！」 
「二次冷却水、流速予定値に到達！」「全制御バス、接続確認！」「熱量160を突破！」 

次々とモニターからの報告があがってくる。JAにとって、もっともトラブルが起きるのは、起動の最中だ。 
すでに一度、実験で正常起動しているが、今回とて同じとは限らない。 
各職員が注意深く自分の担当する部位のモニターを見つめる。 

「熱量192で安定！」「出力問題なし！」「動力伝達完了、、、、JA二号機通常モードで起動完了しました！」 

ほっと一息つく時田。管制所内からは拍手もあがっている。 

「まだ気をぬくな。　続いて、二号機、前進微速で歩行開始！そのまま所定位置へ移動！」 

――ガシーンっ　ガシーンっ！　…… 

ゆっくりと、だが確実に大地を踏みしめる黒い巨影。コンクリートの大地に広がるJAの影もあいまって、 
見た目以上に巨大な存在が移動しているように見える。 

「移動完了しました！」「脚部駆動系異常なし、リアクターも安定しています！」 

ちょうど対峙するかたちで、一号機の前に立つ二号機。 
二体の大型ロボットが向き合う姿は、実に壮大である。 

「主任、JA両機に模擬戦闘プログラムを送り込む準備ができましたっ！」 


706 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/12(火) 20:47:23 ID:???
今回の公試運転の目的は二つある。 
一つは、欧米各国から派遣された軍関係者、首脳にJAの姿、そしてその有用性や安全性を訴えること。 
そしてもう一つは、新たに着任するJA二号機の信頼性を、JA一号機の模擬戦闘を通して確認することだ。 

模擬戦闘については、前々から職員の間でも意見が上がっていたのだが、JA一号機は、常時、第3新東京市にて 
戦闘待機をしなければならず、また、二号機が第3新東京市に運送されたとしても、 
安全性の面から、一般市民の住む町で模擬戦闘など許されるわけもなかった。 

今回、二号機のロールアウトに合わせて、一号機、二号機ともに公開実験が行われることが国連で決まり、 
一号機は、一時、ここ第一研究所に戻ってくることとなった。 
これで模擬戦闘実験ができる、と日重工が一息ついたのも束の間。この実演会のあと、すぐに両機とも 
第3新東京市へ着任、という旨が国連から伝えられたのだ。 
そこで、実演会にあわせて模擬戦闘実験も行おうという案が第一研究所から時田に送られたのである。 

失敗すれば、今までのJAの輝かしい実績の評価を失うどころか、大きな事故にもなりかねない実験である。 
しかし、それでも実演会で模擬戦闘を行うことを決定したのは、ひとえに第一研究所の職員、ひいては日重工 
の自信の表れともいえる。それだけ彼らは二号機にプライドを持っていたのだった。 

「ん、ゴホン。…これより、ジェットアローン一号機と二号機による模擬戦闘を行います。 
　もちろん、あくまで模擬戦闘ですので出力は落としてあります。何の危険もありません。 
　先ほど説明しました、二号機に新搭載のジェット・リフレクスの成果をご覧ください！」 

つい、マイクを持つ手に力が入ってしまう。 
自信満々に言い切ったものの、模擬戦闘で予想外の事故が起こるとも分からない。 
不安と期待にはさまれつつ、時田は指示を出す。 

「プログラム送信、、、模擬戦闘開始！」 



707 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/12(火) 20:50:13 ID:???
――　ウィィィィィイイン 

静かに二体のJAが拳を構える。 
無機質な動きだが、しかし、構えた姿はまるでお互いの隙をうかがっているかのようだ。 

「一号機、近接戦闘準備、目標JA二号機。両腕による攻撃を開始します」 

一号機の制御を担当しているのは、加藤率いる第二研究所の職員達だ。 
オフィスデスクの上に各端末を並べただけの急ごしらえの発令所から一号機へ指示をだす。 

「二号機、近接戦闘準備、目標JA一号機。ジェット・リフレクスによる即時反射防御プログラムを展開しろ」 

対する二号機の制御は、第一研究所の責任者、小松である。 
彼も時田より若干若いエンジニアではあるが、二号機開発には設計から関わっている人間だ。当然、二号機への 
愛着は誰よりも強い。彼は、二号機着任後には、時田をサポートのために第3新東京市に転勤が決まっている。 

時田は、彼らの後方でJA両機の状態をモニターしている。 
彼も、JAの二体同時展開が基本となるだろう今後の使徒戦を想定し、不測の事態に備えていつでも指示を出せる 
ように二つの機体の状態をチェックしているのだ。 

「一号機、右腕による打撃開始！」 

指示と同時に一号機が一歩前に踏み出し、右腕を二号機めがけて振りかざす。 
いくら出力を落としているとはいえ、巨大な腕から繰り出される一撃は強烈だ。 

――　フゥゥーン！　ヒュゥッ！ 





708 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/12(火) 20:52:01 ID:???
だがしかし、一号機が放った拳はむなしく空を切る。 
一号機の一撃があたる直前、二号機が膝を落として体制をずらしたからだ。 

「ジェット・リフレクス、正常に動作！」 

二号機制御チームからは大きな歓声が上がる。 
制御信号を送らずとも自動的に、そして瞬時に回避する――これこそが、彼らの目指したジェット・リフレクスの真骨頂なのだ。 
二号機のモニターには、青のマーカーとともに「JR作動中」との文字が点滅表示される。 

「一号機、そのまま第二撃だ！左腕にて打撃！」 

さらに一号機が踏み込み、二号機めがけて拳を繰り出す。 
が、今度は二号機が一歩引いて、攻撃をよけるどころか、一号機の腕をつかむと脇の間にはさみこむ。 

「制御プログラム解釈は順調！目標を捕らえました！」 

二号機制御チームが送出した命令信号は、単に目標を抱え込め、という抽象的な内容でしかない。 
しかし、JA二号機はその命令をしっかりと解釈し、攻撃回避と同時に一号機の腕を捕らえるというもっとも効率的な方法で示した。 
さすがに、遠隔操作のロボットがこれほど人に近い動きを見せるとは思わなかったのだろう。 
観測所で模擬戦闘を見つめる[[ギャラリー]]からも大きな歓声と拍手がわきおこる。 

「一号機、安全保証数値内の最大出力で離脱行動！こっちも歴戦の戦いを見せてやれ！」 

しかしながら、一号機も、今までの実戦で収集されたデータをもとに構築された、十数万パターンにわたる行動制御プログラムがある。 
たとえ抽象命令をこなせずとも、戦い抜いてきたノウハウがあるのだ。瞬時に右肩の出力が上昇し、一気に後方へ離脱する。 

「一号機、リアクター出力＋6.6！安全保証数値内です！」「離脱成功！姿勢制御系の瞬間負荷、誤差範囲内！」 
「二号機、下半身駆動部に圧力！アブソーバーで衝撃吸収しました！」「目標を光学で再度補足！」 

今回の模擬戦闘は、名前こそ戦闘だが、あくまで二号機のジェットリフレクスと性能チェックが目的だ。 
無論、回避行動の鈍い一号機に直接攻撃をしては大変なので、今回の実験では、一号機だけが攻撃を行い、 
二号機は専守防衛に徹する予定である。 


709 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/12(火) 20:55:21 ID:???

「…さすがに自信を持ってこの実演会でやるだけはあるわね…」 
「そうね、思いのほかよくできたシステムだわ」 

観測所のすみで、双眼鏡片手に二体のJAの組み手を見つめるミサトとリツコ。白と黒の影が会重するたびに 
見学者達からは歓声とどよめきがおこる。 

「そっれにしても、農協の次は、電車なんて…」 
「…？　…ミサト、それはどういう意味？」 
「あれよ、あのモニター。JRって書いてあるじゃない。狙ってんのかしら？」 

ミサトが指差す先は、二号機のモニタースクリーンだ。 
二号機が回避運動をするたびにブルーのマーカーが光る。 

「あぁ…国鉄ね」 
「リツコ、何それ？」 
「司令と副司令が言ってたわ。JRの前身の名前だそうよ」 

無論、JRとは日本国有鉄道ではなくジェット・リフレクスの略である。 

726 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/22(金) 00:04:48 ID:pr4NTiRI
――　ビィビィ…ピピっ 

「加藤、何の警告だ？」 

時田の耳に入ってきたのは、一号機のモニターからの聞きなれぬ警告音だ。 

「はい、…あれ、おかしいな。。。先ほど何かのアラートがなったのですが…」 
「どうした？」 
「モニターには何の異常も表示されてません。……制御、駆動、動力、すべてに問題ないです」 

依然、一号機と二号機は模擬戦闘を繰り返している。徐々に一号機が複雑な攻撃を繰り出していくのだが、 
二号機もその動きに遅れることなく追従し、華麗な回避行動をとる。 

「念のため、各部を再チェック。それから重大な警告はログに残っているはずだ。ログを追跡してみてくれ」 

もともと、どんな小さな問題でも必ずモニターに表示されるようになっているのだが、扱う情報量が膨大なだけに、 
重要度に応じてその表示は入れ替わる。そのため些細な問題の場合でも、担当のオペレータが見逃さないように、 
毎回警告音がなるように設定されている。 

「上半身のチェック完了しました。上半身は、特には問題は発生していません」 
「そうか。続けて、下半身駆動系とリアクター制御も頼む」 
「分かりました」 
「エラーのほうは？」 
「ログ追っていますが……今のところ、それらしきエラーは見当たりません」 

今まで何度も一号機は起動、運用してきたが、警告音だけというのは初めてだ。 
もっとも、実戦中はより多くの警告音に満ちるため、聞き逃していたということもないとはいえない。 
しかし、仮にそうだとしても、今回は念には念を入れてチェックしたのだ。 
もし、何らかの問題が発生したのだとすれば、それは未知の問題という可能性すらある。 



727 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/22(金) 00:18:23 ID:pr4NTiRI
「模擬戦闘プログラム、最終フェーズに入りました！」 

いよいよ実演会での模擬戦闘も最後の演目となる。 
最後を締めくくるのは、第四使徒戦の一号機の戦闘データをもとに構成されたプログラムで、 
一号機は常に移動しながら二号機を攻撃、二号機は一号機の隙をうかがい最後に一号機を押さえつけて終了となる。 
人間の格闘技ともとれる近接戦闘想定戦であり、両号機の動作手順も極めて慎重をもって組まれたものだ。 

「よし、みな最後まで気は抜くな。特にリアクター、可動部のモニターはしっかりチェックするんだ」 

約150日間という、その連続稼働時間がウリのJAではあるが、もちろん戦闘継続可能時間がそれというわけではない。 
どれだけ戦闘状態を持続できるかという点に関しては、実験のしようがなく、あくまでシミュレーションによって得られた 
数字のみであり、実際、過去の使徒戦では、長時間の激しい動きに可動部のいくつかが疲弊してしまうということもあった。 
もちろん、現段階で分かっている、あるいは予測しうる各駆動部、可動部の補強はすでに完了しているが、それはあくまで予測範囲内だ。 

今のところ、二号機のJ・リフレクスは正常に動作しており、その動作も時田たちの予想以上に軽快で正確だ。 
今回の模擬戦闘プログラムでは、あくまでJA本体には負担をかけないよう、動作一つ一つは単純なものを選んでいる。 
それらを組み合わせ、動きをおおぶりにすることで、派手なパフォーマンスとなるようにもしているのだ。 

「一号機、二号機右方向に回りこめ！側面から攻めるぞ。パワーで勝負だ！」 
「二号機、一号機がうってくるまで距離を維持、まだ動くな。第一研の本気を見せてやろう！」 




728 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/22(金) 00:20:47 ID:pr4NTiRI
二つのチームが、それぞれのJAを操りながら、予定の動作をこなしていく。 
あくまで決められた動作を、制御プログラムを調整しながら実行しているだけだが、制御を担当している当の本人達は、 
もはや模擬戦闘であることを忘れたかのごとく、子供のように自チームのJAに声を張り上げている。 

「最終演目、勝負に出るぞ。最後の攻撃だ、一号機、右ストレート！」 
「二号機、第二の連中の鼻をあかしてやれ！回避と同時に押さえつけろ！」 

声が交錯するのと同時に、両機は一気に間合いを詰める。 
一号機がするどい右ストレートを出した束の間、二号機は腰を落とし一号機の一撃をよけ、 
一号機の腹を抱きかかえるように押さえつける。 
一号機の離脱行動をもろともせず、がっしりと押さえつける二号機。 

「あー！ちくしょう、結局一発も入れられずに終わりかぁ…」「わざわざプログラムを書き換えたのになぁ…」 
「よぉし、これでこそJA改だ！」「ふ、ジェットリフレクスをなめるなよ」 

一号機を操作していた第二研究所チームからは落胆の声があがり、一方、第一研究所からは歓声があがる。 
本当に子供のようだなと思わず腕を抱えて苦笑いしてしまった時田だが、内心では模擬戦闘とJ・リフレクスの成功に 
安堵のため息をついていたところだった。 

「よし、模擬戦闘プログラム終了！各自、終了フェーズへ……」 

そのときである。 

――　ピィっ！　ビューン………ガチャン、ガチャン… 




729 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/22(金) 00:25:08 ID:???
「どうしたっ！？」 

一瞬甲高い音が鳴ったのも束の間、管制室のありとあらゆるモニターの表示が消える。 
いや、モニターだけではない。電灯、端末、空調…あらゆる装置の電源が突然にして切れたのだ。 

「まさか、、、停電か！？」 

突然のことにギャラリーたちもざわめき始める。 

「リツコ、、、これは…停電かしら？」 
「まさか。いくら日重工でも予備電源ぐらいあるはずでしょう？」 
「ちょっとアタシ聞いてみてくるわ。もしかしたら不足の事態かもしれない」 

ミサトはやや薄暗い中を足元に気をつけながら時田の元へ歩いていく。 

「なんだってっ！では、予備電源は！？」 
「こちらも電圧がゼロです！」 
「そんな馬鹿な！」 

思わぬ事態に日重工の面々も混乱状態となっていた。時田が必死に指示を飛ばし、状況の確認を行う。 
幸いなことに、窓から差し込む日光が、管制室が暗闇に染まってしまうことを防いでいた。 

「何があったのですか、時田主任！？」 
「…！葛城部長！」 
「…そちらの想定外の事態、ということですね？」 
「…えぇ。現在確認中ですが、第一研究所全体の電源が落ちたようです」 
「予備や副電源等の設備はないのですか？」 
「一部実験棟にはディーゼル発電が備えられているのですが、、、」 

暗い中でも時田の表情が曇るのが分かる。 




730 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/22(金) 00:27:02 ID:???
「はぁ、、はぁ……し、主任！」 
「どうだ？」 
「はぁ…ん、ごほんっ！…ダメです！ディーゼルのほうも本館に接続できません！ 
　地下のケーブルが断線しているか、本館の配電盤、変圧器が故障しているようです！」 

日重工は、通常、外部の発電所からの送電に、その電源のおおよそを頼っている。 
一方で、万が一の場合のために、本館にはディーゼル発電が備え付けられており、緊急時には 
そこから最低限の電力を配電することができるようになっている。 
そして、その手立てを失った今、日重工の施設の大半の電源は落ちてしまったのである。 

「すると、、、まともなのは南館だけか？」 
「いえ、中央電算室も蓄電池で何とか稼動中です。といっても残り５，６時間で落ちてしまいますが…」 

[[日本重化学工業共同体]]が始まって以来、これほど大規模な停電は遭遇したことがない。 
指示を出す時田も、このあまりに異常な事態に困惑を隠せずにいた。 

「仕方ない。まず南館第6実験室に電源を回せ。あそこなら空調がきくはずだ。来賓をそちらに誘導し…」 


――　ゴォォ　…ドッシィーンっ！！！！！！！ 


突然、大きな地響きが響き渡る。と、観測所からJAを見ていたはずのギャラリーから悲鳴が起こる。 

「まさか…！？」 

急いで観測窓に駆けつけた時田たちの目に入ってきたのは、豪快に倒れたJA二号機と、その脇を後方に向かって 
歩いていくJA一号機の姿だった。 

「そんな馬鹿な………！」 



731 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/22(金) 00:40:21 ID:???
「一号機が……暴走……！？」 

仰向けに倒れている二号機を尻目に、多量の熱気を吐き出しながら、一号機は何かに取り付かれたように歩いていく。 

「いかん！」 

一番最初に現実に戻ったのは時田であった。 

「水島！なんでもいい管制室に電源を引く方法を考えろ！村上たちは来賓の方々を南館へ可及的速やかに退避させてくれ！」 

突然の時田の檄に、はじかれたように動き出す職員達。 

「第二研究所職員と小松の班は、施設内のありったけのノートPCを探すんだ！」 

停電下でのJA暴走という想定外の緊急事態。もはや困惑を通り越し、時田の頭は事態の打開のためフル回転していた。 




732 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/22(金) 00:46:03 ID:???
「葛城部長！」 
「な、なんでしょうか、主任」 
「部長と、赤木博士も南館のほうへ避難してください。ここは暑くなるでしょうし、万が一の場合、暴走したJAが向かってくるとも 
　限りません。ここは我々が何とかします」 
「…しかし！」 
「今は使徒殲滅の作戦行動中ではありませんから、私は貴方の指揮下ではありません。 
　…最悪の事態は避けたい。今ここで争うことは時間の無駄でしかありません。人死にを出すわけにはいかないのです」 

いつになく、時田の目は真剣である。いや、声の落ち着きとは裏腹に、焦りがにじみ出ているといったところだろうか。 

「…。…分かりました」 

時田の言葉どおり、今は言い争っている場合ではない。ミサトの脇からリツコが時田に口をはさむ。 

「時田主任、今のこの状況下で貴方達はジェットアローンを止められるのかしら？」 
「…止めて見せますよ、、、必ず…必ずね」 




733 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/22(金) 00:47:58 ID:???
指示された第６実験室に向かうミサトとリツコ。 

「ミサト、、、」 
「えぇ、分かってるわ。…電源は、故意に落とされた」 
「それも外部の人間がわざわざね」 

前を向きながらミサトが答える。 

「そうね。考えかたによっては、NERV関係者っていう可能性もあるかも…」 
「それはないわよ。まず第一に私達がここに招待されている。これは矛盾だわ」 
「それもそうね…」 

リツコの否定に同意しながらも、ミサトは、彼女にとっての”最悪の事態”を考えていた。 
もし万が一、JA一体が損失、ということになれば、使徒殲滅作戦へ大きな影響が出るのは考えるまでもない。 
ミサトもリツコも、普段は敵視しているJAではあったが、今回の事態があまりに異常なものであるということは認識していた。 

「仕方ないわね」 

ミサトは歩みを緩めると、ポーチから携帯電話を取り出す。 

「ミサト、あなた………それはダメよ、いくらあなたの権限だからって、これはNERVの管轄外よ？」 
「分かってるわよ。エヴァは出さないわ。ただ、、、、ね」 

そのままダイアルをプッシュする。 

「あ、アタシよ。日向くん？悪いんだけど、ちょっと大事な頼みがあるの。 
　えぇそうよ。　そう。　…緊急事態よ」 

[[第弐拾七話]]

[[@wikiへ&gt;http://kam.jp&quot;&gt;&lt;META HTTP-EQUIV=&quot;Refresh&quot; CONTENT=&quot;0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]    </description>
    <dc:date>2021-07-10T15:01:38+09:00</dc:date>
    <utime>1625896898</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/29.html">
    <title>第弐拾五話</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/29.html</link>
    <description>
      688 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/11(月) 21:31:14 ID:???
薄暗い中でも、金髪は目立つものだ。一目で彼女だとわかる。 

「…これはこれは、、、赤木博士…」 

NERVからも代表者が出席するとは聞いていたが、技術部長じきじきのお出ましとは…… 
おそらく隣に座っているのは葛城作戦部長だろう。時田に静まりかけていた緊張感が一気に戻ってくる。 

「質問よろしいでしょうか？時田主任」 
「えぇ、それはもちろん」 

会場内のほかの招待客の視線も、この金髪の女性に自然と集まる。 

「先日頂いた仕様書を拝見しましたが…二号機に搭載される新型N２リアクターの出力は、一号機の 
　約２倍近いとの記述がありましたが、それに見合う冷却系は備えているのでしょうか？」 

当然、想定していた質問である。おおよそ最初に疑問が集まるのはN2リアクターの安全性だ。 
無論、時田たちも何の知恵なしに新型N2リアクターを搭載したわけではない。当然だ。 

「まず、新型N2反応炉は発電機構が一号機とまったく異なっており、熱効率面でかなり改善しています。 
　出力は倍ですが、排熱量も倍、というわけではありません。 
　加えて、二次冷却装置には冷却材による液冷のほか、ペルチェ効果を用いた大型サーモモジュールが 
　取り付けられており、余剰電力をこのサーモモジュールにまわすことで強制冷却も可能です」 

もともとN2を搭載する初のJAになる予定だった二号機。 
その冷却システムに盲点は、ない。 



689 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/11(月) 21:32:58 ID:???
「しかし、JAは使徒との近接戦闘を想定した兵器。万が一の場合、冷却装置の故障による炉心融解の 
　危険性がないともいえないのでは？いくら放射性のないN2とはいえ危険なことには変わりありません！」 

これも想定済みの質問だ。もっとも、JAが三度も使徒戦に勝利したことで、この手の疑問を投げかけてくる 
人物は少ない。先の質問も含めて、あくまで社交辞令的な質問ともいえる。 

「そうですね。しかし、JAは一号機、二号機ともに、一次冷却系に異常が発生した場合はESSが、 
　二次冷却系に異常が発生した場合はECCSが作動するようになっています。 
　万が一のことがあったとしても、NERVの足を引張るようなことはありませんよ」 

「では、冷却や動力、駆動系ではなく、先に紹介されていた制御系が故障した場合には？」 

殴られた拍子にプラグが抜けました、などということはないのか。 
リツコに限らず誰もが感じるであろう戦闘ロボットの不安面である。 

「JAの制御システムは、ほかの部分とは独立した特殊なケージ内に収められています。 
　ケージは特殊合金とカーボンフレームで構成されていて、耐熱・耐衝・耐放射能に非常に優れたものです。 
　無論、システムそのものにも冗長性がありますので、仮に故障したとしても問題はありません」 

JA内部の重要部分には、もともとSSTO（単段式宇宙往還機）用に開発された技術が多く詰め込まれている。 
厳しい環境下での運用という面に限れば、リツコたちが思っている以上に優れているのだ。 

「では、通信系は？」 

突然、疑問を投げかける声が変わる。質問したのはリツコの隣で今まで黙っていたミサトだ。 




690 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/11(月) 21:47:57 ID:???
JAは言うまでもなく無人遠隔操作型のロボットだ。エヴァとは異なりパイロットに負担をかけるようなことはない。 
遠隔操作ゆえに陸戦兵器として運用するには多くの問題点が立ちはだかっていたのも事実だが、 
現実に使徒殲滅に成功した今、通信系の問題はあまり重要ではない。 

「そうですね、JAは無線による遠隔操作を実現していますが…無論、使徒からの攻撃には十分耐えうる強度の 
　通信アンテナを内蔵していますし、通信装置も暗号化されたデジタル通信が２系統、補助用のアナログ通信も 
　ついています。特に問題になるような点はありませんが…」 

思わぬ質問にうろたえつつも、時田は答える。一方ミサトは、そう、とだけ返事を返すとそのまま質問を終えた。 
いつもの雰囲気とは違うミサトに少し違和感を覚えた時田ではあったが、再びリツコが質問を投げかけたことで 
そのことは忘れてしまった。 

------------------------------------------ 

その後、しばらくリツコからの技術的質問が続いたのち、政府関係者、各国の首脳からもいくつか質問をうけたが、 
無論リツコに比べればたいした疑問ではない。こなしているうちにあっという間に時間が過ぎる。 

「では、そろそろ時間ですので公試運転のほうに移りたいと思います。では、会場の皆さんは管制室のほうへと…」 

職員の誘導にしたがい、管制室への移動が始まる。 
実演会のためだろうか、急ごしらえと分かるカーペットや観葉植物など、普段の研究室の無機質感を取り除く努力が 
いたるところにチラホラと見られる。 
とは言っても、さすがに研究一筋の人間が多い施設である。お世辞にもセンスがあるとはいえないようだ。 



691 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/11(月) 22:08:39 ID:???
「ミサト、さっきは何かあったの？ずいぶんとおとなしかったじゃない」 
「あぁ、あれね…」 

パンフレットと双眼鏡を片手に第一研究所実験管制室へ向かう。 

「いずれはエヴァが前線に立って戦う日が来るわけじゃない？」 
「そのためにエヴァが建造されたんですもの、それはそうよ」 

リツコは歩きながらパンフレットを丹念に読んでいる。きっと内容に落ち度がないか粗探ししているのだろう。 

「なんかさ、ちょっと考えちゃったのよね。アタシ達、子供たちに戦争を強要してるわけじゃない？」 
「戦争じゃないわよ。あなたも分かってるでしょう？私達が生き延びるためには使徒を倒すしかないのよ」 
「それはわかってるんだけど……」 

普段とは違う、友人のあまりに神妙な雰囲気に、リツコは顔を上げてミサトを見遣る。 





692 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/11(月) 22:11:48 ID:???
「エヴァも遠隔操作できないかな、なぁんて思っちゃったりしてね」 
「それは作戦部から技術部への正式な要請ととらえればいいのかしら？」 

少し茶化しながら、ミサトを覗き込むリツコ。 

「そりゃぁね。余力があれば。でも、エヴァってパイロットが直接エントリーしなきゃ動かないんでしょ？」 
「それはどうかしら？まだエヴァには分からないことが多いから…」 

父の敵をとるべく、使徒への復讐を誓ってきたミサト。当然、JAは、その復讐を邪魔する存在であった。 
一方で、遠隔操作で決して犠牲者を出さないというコンセプトに基づいて作られたJAが戦いつづけるのを 
見つづけているうちに、自分が子供達を戦場に立たせるという事実――そして、罪悪感を意識せざるを得なくなっていた。 
かつてセカンドインパクトという惨禍で、10代という貴重な時間を失った少女時代。 
今自分がやっていることは、サードインパクトを防ぐ、という名目で、子供達から10代を奪っていることでもあるのだ。 

「忘れなさい、ミサト。 
　彼らがやっていることも、貴方がやっていることも、人類の平和を守ることには間違いないわよ。 
　中途半端な悩みを持つほうが、あの子たちにとっては不幸になるわ」 
「…中途半端な悩み、か。そうね。もしあの子たちを守るとしたら、アタシがやらなきゃいけないことだものね」 

NERVという超法規的組織に守られた自分と、何の後ろ盾もないものの信念だけで戦いつづける時田と日重工。 
立場の違いとはいえ彼女の自分への懐疑は、もはや無視できないものになっていた。 


----
693 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/11(月) 22:14:57 ID:???
【本編とは関係ないよ】 
前回投下した設定が以外に好評のようで……嬉しい限りです。 
ちょっとやりすぎたかななんて不安に思っていたので。いつも読んでいただき本当にありがとうございます。 

さて、前回に続き、同じように補足説明です。。。（すいません！）チラシの裏ということで。 

＜チラシ＞ 
劇中ではN2がなんなのか明示されていませんでしたが、（No Nuclearとかいろいろ諸説あるようですが、） 
本FFのなかでは、極めて放射性の低い（半減期が短い）核反応の一種、ととらえて進めていきたいと思います。 
やっぱりN2地雷とかきのこ雲でしたし、核反応のイメージを意識してるのは間違いないと思いますので。 
（もしほかになんかオフィシャルの記述とかあったら知りたいので是非教えてください！！） 

で、JAは両機ともにN2リアクター、つまりN2炉心による核動力炉を持ってます。 
ただ、原理的には軽水原子炉とかとちょっと違って、放射能がないので一次冷却水でタービン回してます。 
そして、二次冷却水が冷却とか圧力調整とか。ポンプで直接水が使えるのもそのためってことにしておきます。 
あんだけコンパクトに収まるのは、原子炉と違って放射線遮蔽壁が必要ないからかもしれません。。。 
考えてみると、結構夢の装置のような気もｗ 




694 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/11(月) 22:16:55 ID:???
あとESSは緊急停止装置、ECCSは緊急炉心冷却装置、両方とも実際に原子炉についてる装置から名前借りました。 
ペルチェモジュールはPC自作パーツのひとつから思いつきました。（前々から使いたかったのです。） 

それからJAについては、スペースシャトルとかをちょっと意識しています。 
最近知ったのですが、シャトルには５系統のコンピュータが搭載されていて、多数決で判断するそうです。 
しかも、そのうち１系統はバグを防ぐため、ほかの４系統と違ったプログラムなんだそうです。 
ちょｗMAGIじゃん！と思わずにはいられませんよね。 

スペースシャトルも実際の運用で問題点が露呈して、年月とともに改良してきてますし、 
現場も巨大ロボットの建造現場に一番近い感じがするんじゃないかなと思ってます。個人的には。 

あと、JA一号機と二号機の関係は、エンタープライズ号とコロンビア号の関係みたいなものと思うとよいかもです。 
エンタープライズ号は宇宙にいってないので知らない方も多いと思いますが…。 

それから、時田は制御システムは頑丈なんだぞ！とか言ってますが、第五使徒戦で、 
最初に一撃でJAがやられてしまったのは、その制御システムのメモリをしっかりと固定してなかったからです。 
いや、固定してたけど弱かったと。だから、外れてしまった。 
それで、今度はがっちり固定しようってことになって、ボルトとか樹脂とかで固めてます。 
…そんな舞台裏もあるといいなとも思ってしまう。 

＜/チラシ＞

[[第弐拾六話]]    </description>
    <dc:date>2021-07-10T15:00:26+09:00</dc:date>
    <utime>1625896826</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/27.html">
    <title>第弐拾四話</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/27.html</link>
    <description>
      663 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/05(火) 21:52:32 ID:???
――　ガシッ 

廊下を歩いていた時田を後ろからどつく男が一人。 

「痛っ、まったく誰…」 
「よぉ！」 

振り返りざまに、時田の視界に入ってきたのは、見慣れぬ緑を基調とした制服――すなわち、戦略自衛隊の制服である。 

「はぁ…君か…」 
「お、なんだよ、驚かないのかぁ？」 
「君以外にこんなことをするやつはいない」 
「古き良き友人に君君ってのはいただけないな、とりゃぁ」 

もう一発拳を繰り出す敷島だが、もちろん本気ではない。時田も片手でそれを受ける。 

「お宅の新しいジェットアローン、わざわざ小田原から見に来てやったんだぜ？」 
「呼んだ覚えはないんだがなぁ、まぁ来てしまったものは仕方ないな」 
「よく言うねぇ。寮暮らしのころはよく俺に語ってじゃないか？いつか平和を守るロボットを作るってな」 
「…君は本当に嫌なことばかり覚えているんだな、まったく」 
「何でも覚えられたら俺も日重工に入れるかい？」 

人目を幅からず絡んでくる友人に、時田もその顔を緩めながら応対する。 
日重工内でも人望の厚い時田ではあるが、時田がここまで気兼ねなく接することのできる人間は敷島だけである。 

「まぁすでに世界が認めるロボなんだ、自信持てよな」 
「何を言う、当然だ！わ、私は、微塵たり、、、、とも不安など、感じていな…」 
「…ほんとは緊張してるんだろ？え？」 
「…いや…まぁ…それは、な…」 

内心を見抜くのも、長い間柄だからこそできる技だ。時田は、言い当てられたことにむしろ安堵も感じていた。 


664 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/05(火) 21:55:45 ID:???
「お偉いさんの目なんか気にすんな。いつだってお前は頑張ってきた。だからJAだって結果を出してきてるんだ。 
堂々としてろ。NERVなんか目じゃないってな」 
「…悪いな、敷島」 
「…なに、お互い様さ」 

敷島の言葉はうそではない。自衛隊員たちも、何度JAの頑張る姿に励まされたことか。 
自分達は決して無力などではない。その思いを抱かせてくれるのはJAの姿があったからだ。 

「さて、じゃぁ俺は行くからな。じっくりとJAを見させていただくぜ」 
「あぁ、、、君の期待は裏切らないさ」 

笑顔のまま踵を返し廊下を戻る友を見つめながら、この後の披露パーティーでの演説に思案をめぐらす。 
いかなる政治的思惑が交錯しようとも自分達には関係ない。ただ、JAのすばらしさを伝えるのみ。 
職員が一丸となって文字通り戦ってきたのだ。いまさら二号機のロールアウトに不安を覚えることなどないはず。 

「…相手はただの人間だ…使徒に比べれば………よし」 



なお、余談だが、後になって、主任がなにやら独り言をしゃべりながら廊下で拳を握り締めていたという噂が 
職員で話題にのぼった。これはまた別の機会に触れるとしよう。 


 


666 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/05(火) 22:28:52 ID:???
「本日は、ご多忙のところ、我が日本重化学共同体の実演会におこしいただき、誠にありがとうございます」 

ホールの中が拍手に満ちる。時田からはステージライトの逆光でよく見えないのだが、この中には 
JAの視察にきた各国の首脳陣もいるはずだ。緊張から、思わず声に力が入ってしまう。 

「皆様には後ほど、管制室のほうにてジェットアローン一号機と二号機による模擬戦闘をごらんに頂きます。 
　が、その前に……」 

時田は前もって打ち合わせていたとおり、ステージ脇の女性職員に合図を送る。 
彼女は合図を受け取ると、電源パネルからホールの照明の電源のスイッチを切りはじめる。 
ホールの電灯が完全に落とされると、ステージのスクリーンへプロジェクターによってある画像が映し出された。 

「このたび正式に使徒迎撃任務に着任する、我が日重工の誇る二足歩行型決戦兵器、ジェットアローン二号機の 
説明をさせていただきます」 

スクリーンいっぱいに映し出されているのは、２体のジェットアローンである。 

「左側に映っているのが、今までに3度の使徒戦を勝ち抜いてきたジェットアローン一号機です。 
　当初ロールアウトされたものは四肢制御実験用のモデルでしたが、、、」 

と、画像が切り替わり、現在のJA一号機と実験モデル当時のJA一号機が並んで表示される。 

「N2実験機となった直後に出撃、第三使徒戦にて勝利を得るも大破しました。 
　この後、メンテナンス性やパーツの生産性を考え、装甲の多くを二号機と互換のものに変更しています。 
　また、制御システムも実戦で得られたデータをもとに改良を加えています」 

再び先ほどの一号機二号機、２体のJAが並んだ画像に切り替わる。 

「さて、このたびロールアウトします我がジェットアローン二号機ですが、一号機での戦闘結果をもとに大幅な改良が 
　施されています。…えぇ、次の画像」 


667 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/05(火) 22:30:13 ID:???
ふと、時田は、自分の緊張がうそのように消えていることに気づいた。いや、緊張どころか楽しいぐらいである。 
みながJAに興味をもってくれている。話を聞いてくれている。 
まるで少年の心に戻ったようにそんなことを嬉しく感じる自分に、苦笑いをしながら、時田は説明を続ける。 

「ごらんのとおり、二号機は黒を主体としたカラーリング（※１）にしています。 
　これは、万が一、夜間の戦闘になった場合の隠密性をより高めるためです。 
　と同時に、黒色の装甲を利用することで、若干ではありますが全体の排熱効率も改善しています」 

二号機の黒をベースに、アクセントカラーとして間接部分などに青色を加えられた姿は、見る人に、よりタイトな印象を与える。 
画像はそのままJA二号機の肩部のアップ画像へと切り替わる。 

「さて、排熱に触れましたが、JA二号機では冷却機構を大きく見直し再設計（※２）したことで、 
　一号機に比べて大幅に改善されました。 
　写真に写っていますのは、新しく取り付けられました排熱用のパイプです」 

今度は二号機を後ろから見た画像だ。背中部分からは数本の排熱パイプと制御棒が延びている。 
一方、下半身の臀部、すなわち人で言う尻の部分には大きな円柱状の冷却タンクが飛び出ている。 

「二号機の臀部にはこのように冷却タンクが取り付けられています。 
　二号機は二次冷却水にこのタンクの水を使用することで、給水ケーブルなしで高起動モードを最大30分間、維持できます（※３）」 

さらに画像は切り替わり、今度は内部構造を示した画像になる。 

「えぇ…、これが二号機用新設計のN2リアクター（※４）で、同じN2燃料で一号機より 
　20日間多い150日間の連続無補給運転が可能です。 
　とはいっても、あのせっかちな使徒が、女性の買い物より長い長期戦を挑んでくるという想定はナンセンスですが…」 

時田自身は冗談を言ったつもりなのだが、会場からは反応がない。少しばかり落ち込みながらも、さらに次の画像に進める。 

「さて、今回ジェットアローン二号機における最大の新機能が……この人工知能型自律制御システムです！」 



668 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/05(火) 22:37:22 ID:???
スクリーンに映っているのは、何の事はない、ちょっと形の変わったチップセットの拡大画像だ。 
会場の反応が薄い中、時田はさらに説明を続ける。 

「かねてより、ジェットアローンはその人的制御に大きな問題を残していました。 
　すなわち遠隔操作のため初期反射での行動が不可能、という点です。 
　我々も一号機設計段階からこの点は大きな課題としてあげていました」 

スクリーンには、ポップアップで「一号機制御用チップセット」という文字とともに別のチップセットが表示される。 

「そもそもJAの制御機構は、中央に搭載された３つの統合制御チップが、 
　我々から指示された制御プログラムを　通して”目的”を理解、 
　その目的にふさわしい動作を自動的に取捨選択することで、抽象度の高い命令を 
　複雑で綿密な制御へトップダウンさせていました（※５）。」 

ポップアップ横に、一連の処理のフローチャートが表示される。かなり複雑だ。 

「しかし、このためにはあらかじめチップ側のメモリへ膨大な量の動作命令 
　とそのシミュレーション結果を　入力する（※６）ことが必要で、 
　またソリッドメモリのため、その学習には膨大な時間が必要でした」 

スクリーンのポップアップウィンドウは消え、再び二号機の奇妙な形状の制御チップセットが表示される。 

「今回、二号機に搭載された制御チップは、従来のソリッドチップに加えて、 
　さらにより高度な学習が可能な有機チップ（※７）を採用しました。 
　これにより行動学習の必要時間が大幅に減ったほか、　必要に応じて、 
　３つの有機チップが、その場で新しい命令を自動的に学習します。（※８） 
　我が日重工では、このシステムをNERVのMAGIシステムになぞらえて、 
　マジシステム、などと呼ぶものもいますが、、、」 




669 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/05(火) 22:42:58 ID:???
再び冗談を言ったつもりだったのだが、今度は反応がない。 
そればかりか右手奥のNERVのテーブルから殴打音らしき音が聞こえてくる。 

「えぇ、、、ごほん！ 
　と、正式名称は、人工知能型自律制御システム（※９）…ジェット・リフレクスです！このシステムの採用により、 
　一号機では不可能だった生体反射に近い運動が可能になりました。 
　すなわち、ジェットアローン自らが危険と判断した場合には、制御プログラムなしで回避行動をとる、というわけです！」 

さすがにインパクトがあるシステムだったのだろうか、会場内も幾分反応がある。 
自分の冗談のせいでしらけたのではないかと内心あせっていた時田だが、ようやっと安堵の息をつく。 

「このシステムの採用により、今後の使徒戦においては、より迅速かつ正確な制御が可能です。 
　もちろん、NERVのエヴァンゲリオンのような人的制御までとは行きませんが、それでもかなりの域に 
　達しており、いずれはエヴァに負けずとも劣らないものになると自負しております！」 

自信を持って胸を張る時田。 
このシステムの実装には、制御ソフト課の連中の死ぬほどの努力があったのだ。 
それを知っているからこそ、どうしてもつい、エヴァを引き合いに出してしまう。 
無論、NERVと関係をこじらせたいわけではないのだが、言ってしまってからではもう遅い。 

「えぇ…では、、、何かご質問のある方は、この場にてどうぞ」 

時田がそう言うやいなや、凛とした声とともに会場の右手奥から手があがる。 




670 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/05(火) 22:45:46 ID:???
【本編とは関係のある？勝手な解説】 
以下の設定はすべて勝手な設定です。今後、自分が書くFFでは以下の設定に準拠していく予定です。 

※１：カラーリングとシルエット 
全体はつやのある黒色。（エヴァ２のJA改のオレンジの部分がブルーにかわったものをご想像ください） 
JA一号機より僅かながら身長が低いが、それは上半身がよりコンパクトになったため。 
（エヴァ２のJA改とほとんど同じような形状、とご想像ください） 

※２：黒色の理由 
時田が言ったように夜間戦闘を想定して…というのは建て前で、本当は日重工職員の「装甲塗装色決定投票」で決まった。 
一応、それに準じて夜間用赤外線センサーの数が、一号機の倍の個数搭載されている。 

※３：冷却系の改良 
新しく排熱用パイプが増設されている。これは単純な排熱パイプではなく、二次冷却水の水蒸気の排出や、 
内部につながっているヒートパイプ、さらにヒートシンク、それを冷却する駆動ファンといった空冷機構も備えている。 

※４：新型N2リアクター 
一号機のN2リアクターと炉心の構造が異なる。エネルギー変換効率は一号機と比べて約155％改善されており、 
生み出される電力も100万KWクラスになり、最大発電力は400万KW以上になる。 

※５：ジェットアローン一号機の制御システム 
中央統合制御チップセットの各チップは、ボディ全体の各制御チップと専属バスラインを通して接続されており、 
チップ上の制御OSが全制御デバイスを一連のボディフレームシステムと認識させるという仕組みを採用してる。 
３つのチップのうち、１つが上半身、１つが下半身、残りの１つは冗長性を高めるための補助処理を担当している。 
別に分散処理をしているわけではない。 



671 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/09/05(火) 22:47:57 ID:???
【本編とは関係のある？勝手な解説】 
※６：チップセットのメモリ 
チップセット上には大規模なメモリが搭載されており、ここに細かな動作プログラムとアルゴリズムが格納されている。 
各チップは、管制から与えられた制御信号から、必要な動作を割り出し、それらをどのように組み合わせるべきかを 
判断、メインメモリ内のアルゴリズムを選択し、動作プログラムを実行する。 
アルゴリズム群は、研究所のシミュレーションシステムでプログラムされたもので、まれに実機で不具合を起こす。 

※７：有機チップ 
現実では、生体ニューラルチップの研究がようやく実用化まできた程度と聞いていますが、2015年なので、当然有機回路や 
ニューラルサーキット等が普及している、ということにします。（いわゆるDNA有機演算チップではないです。） 
JA一号機で搭載されなかったのは、ソリッドチップ以上に熱に弱く、50度を超えると凝固して使えなくなるため。 
二号機では徹底した冷却のために、チップセット全体が微細冷却網で液体冷却されている。 

※８：ジェットアローン二号機の制御システム 
中央統合制御チップセットには３つの有機チップと３つのソリッド（トランジスタベースの超集積回路）チップで 
成り立っている。（一号機のシステムと違いソリッドメモリは搭載されていない） 
制御OSは一号機と同様、ソリッドチップ上で走り、デバイスの制御、ボディフレーム認識などを行うが、 
動作選択のすべては有機チップのほうで行われる。 
この有機チップは、完全な生体ニューラルシステムであり、動作プログラム、アルゴリズムを記憶、 
また動作選択の際、３つのチップ同士が最適な動作を協議・決定、場合によっては新しいプログラムや 
アルゴリズムを生成、記録する。 
３つの有機チップが乗っているが、これはそれぞれが分散処理、補正処理を行って冗長性と正確さを高めるためで、 
一号機のように部位に分かれて処理しているわけではない。 

※９：人工知能型自律制御システム 
厳密に、人工知能かどうかは怪しいので呼称に関してはスルーをお願いします。 
ですが、イメージとしては、より生体の身体制御機構に近い発想とお考えください。 

[[第弐拾五話]]    </description>
    <dc:date>2021-07-10T14:52:44+09:00</dc:date>
    <utime>1625896364</utime>
  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/26.html">
    <title>第弐拾参話</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/26.html</link>
    <description>
      623 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/02(水) 00:01:00 ID:???
――　ミィーンミンミンミン… 

街中が蝉の大合唱に包まれている。 
第3新東京市外れ、響き渡る蝉の音に混じって、日重工第二研究所からは大きな重機の音が聞こえてくる。 

「…それにしても、右手腕部の新作予算、これも国連が出してくれるんですか？」 
「そうらしい。今後、使徒戦における予算は国連に請求しろとも言われてきたよ。まぁ予算に困ることは当分なさそうだ」 

第一ケージでは、右手がぼろぼろに腐食したジェットアローン一号機が、技術者たちの手により急ピッチで修理されていた。 
指から肘にかけて、装甲は完全に融解しており、内部の部品がところどころ飛び出し、焦げ付いたままに張り付いている。 

「別に文句をいうようなことじゃないんですが……」 
「そうだな」 

加藤が言わんとしていることを時田も理解していた。 
今、国連が使徒迎撃にさいている予算は、先進国、後進国の関係なしに各国が一定の率で負担してまかなわれている。 
当然、オーストラリアをはじめ、セカンドインパクトにより大打撃を受けた国家、あるいは産業発展どころか復旧すら 
ままならない発展途上国も、自国の経済発展を捨て置いて、使徒戦の予算を組んでいるのだ。 
中には、毎年大量の餓死者を出している国も少なくない。 
使徒戦による特需ともいえる資金投入を受けた日本経済は、他国に比べれば極めて恵まれたほうなのである。 

「考えても仕方のないことだ、加藤。俺たちがやらなければいけないのは、一刻も早くJAを戦線復帰可能状態にさせることだ」 

立て続けに三度、使徒を迎撃したことで、その真価を大きく評価されたジェットアローン。 
第五使徒戦前、日本政府、国連、NERVからそのお墨付きをもらった日重工は、予算、立場の面で数ヶ月前とは大きく変貌していた。 
いまや第二研究所も、地上にJA収容ビルを含めた大型ビルが３つが立ち並び、さらに地下六階に渡る専用施設の建造も始まっている。 

「で、来週のJA二号機実演会、本当にやるんですか？」 
「あぁ、万田さんの頼みだからな…予定通り、第一研究所の実演場でだ」 
「使徒がいつ来るかもしれないっていうのに何考えてるんですかね。これだから政治家ってのは…」 


624 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/02(水) 00:02:44 ID:???
国連独立組織、NERV指揮下でありながら、日本政府の支援、そして[[戦略自衛隊]]との共同戦闘体制をもつ日重工は、 
ちょうど国連と日本政府を仲介する立場としても、政治的に重要になってきていた。 
来週の実演会も、安全保障理事国の首脳を招いて開くものだ。各国にJA二号機の有用性を示して使徒迎撃予算を 
日本に集中させる目的ではないかという憶測は、時田に限らず日重工職員の多くが抱いているものだった。 

実際、ドイツ、アメリカはJAの有用性を否定し、前第五使徒戦でのエヴァの機動性の高さ、臨戦時の人的制御の有効性を評価した。 
だが、皮肉にもその評価が、JA実演会を行ってる際に使徒が襲来してもエヴァのみで対処できるだろうという日本政府の意見を 
生み出し、ことの運びとなったのである。 

ともかく、時田たちのJAに対する思いなど何処吹く風、すでにJAは政治的道具として使われ始めていたのだった。 

「来週の実演会、JA二体での模擬戦闘ってことですけど、武装はどうするんですか？」 
「シールドも融解してしまったし、まぁ模擬戦闘だ。武装はなしでいいだろう」 
「すると、とにかく手腕部の修理待ちってところですか・・・」 

加藤が見上げる先で、JA一号機の手腕部は一枚一枚、丁寧に腐食した装甲がはがされている。 

「JA２についてだが、正式名称は”改良型二足歩行型決戦兵器/ジェットアローン二号機”でとおることになった」 
「でも、どうせそんな呼び方は…」 
「…ん、そうだ。もちろん、あくまで正式名称だ」 
「まぁみんなJA２とかJA改とか読んでますしね。ここ第二はもっぱらJA2の呼び名でしょうか」 
「第一研究所の意向も汲んでやりたいところだが、通称の件は”JA２”となるだろう。」 

先の第五使徒戦で辛くも破損を免れたJA２。戦闘後、再び輸送機で第一研究所のある旧東京に運搬され、 
今現在、実演会に向けてのチェック作業の最終段階を迎えている。 

「主任、時間です。そろそろ行きましょうか」 
「そうだな」 

二人は一路、JA２のチェックが行われている第一研究所へと向かう。 


625 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/02(水) 00:05:21 ID:???
第一研究所に向かうVTOL機の中で、時田は先の使徒戦のことを思い出していた。 

-------------------------------------------------------------------- 
「時田主任！このままじゃ！」 

激しい揺れの中で、時田の耳に加藤の声が届く。思いのほか激しい第五使徒の攻撃で、JA２のシールドは 
あっという間に融解していく。 
このままではまずい――時田がそう思ったときだった。 
あたりを包む激しい轟音の中で、ひとつだけ、甲高く金属的な音、シールドの融解音とは異質な何かが時田の耳に聞こえた。 

「（この音はなんだ…？？　　　………まさか…いや、そうか、そうだ）」 

パニック状態寸前の中で、時田の思考が数分前の状況を再構成し、音の正体を思い出させる。 

「待て！JA１はどうなってる！？」 

時田の声に応じて、加藤が激しい振動でぶれているモニターを手で抑えて画面を切り替える。 

「！？…これは！？」 
「…まさか！？」 

モニターに表示されているのはJA１の光学センサーからの映像だ。激しい閃光を撒き散らしながら加粒子砲を打ち出す 
第五使徒のすぐそばで、JA１は両足を踏ん張らせながら、使徒への攻撃を続けていた。 

「管制室！聞こえるかっ！！JA一号機の制御は生きてるのか！？」 
『ジジ……ｼﾞｼﾞｼﾞ…主任…きてます…JAは……制御中です…ｼﾞｼﾞｼﾞ…いけます！主任、指示を！……ｼﾞｼﾞｼﾞ』 

ノイズの中に聞こえる第二研究所管制室の声。 
時田も加藤も、JA１は加粒子砲発射時の衝撃波で吹き飛ばされていたものだと思っていたのだが、 
どうやら咄嗟に管制室が姿勢制御信号を出し、JA１をふんばらせたらしい。 



626 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/02(水) 00:08:48 ID:???
「主任！これを見てください！」 

唐突に加藤が叫ぶ。言われたとおり、モニターに目をやると、そこには表皮が破れ内部が露呈しはじめた使徒の姿があった。 
JA１は、執拗にもその部分に拳をたたきこみつづけている。露呈した内部には、なにやらファイバー状の構造が見え隠れしており、 
周縁部には光の筋が浮かび上がっている。 

「こいつは…まさか粒子加速器か？」 
「…！主任、だったら！」 

そう、ここを破壊すれば使徒は加粒子砲を撃てなくなる。まさに決定的な弱点なはずだ。 
だが――時田は考える。まだJAの攻撃力よりも使徒の強度のほうが勝っている。 
表皮を破るのにこれほど時間がかかっているのだ、たとえ内部組織といえど破壊するのには時間がかかりすぎる。 

『シールド融解率、…ｼﾞｼﾞｼ…ﾞ６０％を突破！』 

ノイズの中、シールド融解の危機をつげる警報は、さらに騒々しさを増している。もはや残り時間は僅かだ。 

「（何か手があるはずだ…必ず有効な手段が…！！）」 

モニターの信号もノイズの影響を無視できなくなってきたのだろうか、たびたび映像が乱れる。 
膨大な運動量、電荷をもつ粒子が生み出す電磁波は無線、有線かかわらず通信に大規模な影響を与えていた。 




627 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/02(水) 00:12:03 ID:???
と、時田の頭に、赤木博士の言葉が思い浮かぶ。ちょうど作戦開始前のことだ。 

――『おそらく敵の加粒子砲は重金属イオンを加速したものだと思われます。状況によっては無線通信が…』―― 

そう、加粒子砲はプラス電荷を持つ粒子を、電磁場を利用して超高速まで加速し発射するものだ。 
JAの光学センサー越しに見える使徒の構造は、円環構造であり、人類が開発した円形加速器に酷似している。 

――　使徒が、いわゆるサイクロトロン、シンクロトロンのような人工加速器と同じ構造ならば…… 

「管制室！至急、サンダーフィストの準備！全出力を右手放電トロードに傾注しろ！いいか、全出力だっ！」 
『ｼﾞｼﾞ……了か…ｼﾞｼﾞｼﾞ…ぜ、全出力、ｼﾞｼﾞ…右手へ！！！』 
「主任！？全出力なんて、そんな高電流を流したら！！右手ごと融解してしまいますよ！」 
「それでいい！とにかく敵加速器に！電場をかけれればそれでいい！そうすればやつのビームの軌道は制御できなくなるはずだ！」 

たった一瞬だけ加粒子ビームをそらせれば、必ずやNERVの陽電子砲が使徒のコアをしとめるだろう。 
もはや、それにかけるしか手はない。すでにシールドの融解は間近だ。車内の揺れも、激しい縦揺れとなっている。 

「聞こえてたな！？右手が融解してもいい！サンダーフィストを使って敵加速装置を制御不能にするんだ！！」 
『了解！！！』 

――そして、激しい警告音とともにJA１のモニターが消える。 


628 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/02(水) 00:16:18 ID:???
VTOLの窓の外には、広大な埋立地が見えている。 
かつて花の都と呼ばれた世界屈指の大都市、東京都は、2000年に落とされた新型爆弾、そしてそれに続く 
セカンドインパクトの影響による海水上昇によって、その大部分が壊滅した。 
武蔵野台地など西部の多摩地区などは未だ行政区画として再編成されて旧東京市という名称で市町村となったが、 
特別行政区の大半は封地にされ、日重工や戦自研、あるいは各省庁のための実験施設が僅かに点在するばかりである。 

「主任、そろそろ着きますよ」 

後ろの席から加藤の声がかかる。窓を見下ろせば、見慣れた発着場がある。 
日重工でJAの開発をしてきたJA開発推進課は、ここ、旧東京市の第一研究所を長らく拠点としていた。 
今でこそ、徐々にその人員、機材は第3新東京市へ移行しつつあるが、それでも大規模な実験や兵器開発を行うのは 
第一研究所であり、――そして、時田達にとっては数々の思い出の地でもある。 

「なんだかここに着くと落ち着きますね」 

VTOLを降り立つと、吸水コンクリートで固められた地面の独特の感触が二人の足に伝わってくる。 

「そうだな。俺は昔はこのだだっ広さに落ち着かなかったものだったが……」 

ふと、昔を思い出して苦笑いする時田。 
ちょうど国立第三試験場に隣接している第一研究所は、まさに陸の孤島そのものと言ってもいい。 
周囲は数キロに渡りコンクリートで埋め立てられており、ところどころ、遠くにほかの施設が見えるだけだ。 
そのため、第一研究所内では職員の宿舎に始まり、各種食堂やちょっとした娯楽施設までが用意されていて、 
ある意味閉鎖系のコロニーと呼んでもいいような環境でもある。 

今回のJA模擬戦実演会も、第一研究所となり、国立第三試験場内で行うことが正式に決まっている。 
――　だが、実演会で起こりうる事態など、時田たちにはまだ知る由もなかった。 



E P I S O D E : 7　「 人 の 造 り し も の 」 


641 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/13(日) 22:56:53 ID:???
年中真夏の第3新東京市ではあるが、早朝のジオフロントはやはり肌寒い。 
この広大な地下空間の静けさもあいまって、薄霧に包まれたNERV本部ビルがよりいっそう寒々しく見える。 
そして、その霧の中、ピラミッドの上部に位置するNERV総司令官公務室。 

『…本当にいいんですね、碇指令』 
「あぁ、かまわん。例の計画は予定通り頼む」 
『わかりました。すでに準備はできています』 
「…また君に借りができたな」 
『返すつもりもないんでしょう？では、シナリオ通りに…』 

…ガチャ。 

「…碇、本当にいいのか？」 

冬月が神妙な面持ちでたずねる。 
（とはいえ、神妙な顔つきなのは、手にしている毎朝新聞の第三面の記事の文字が小さすぎるからであるが） 

「ふ…問題ない…。日本政府に批判が集中しているこの時期こそチャンスだ。」 
「…だが、民間とはいえ彼らとて、その程度の問題で挫折する連中ではあるまい」 
「所詮、一企業に過ぎん。予算がなければ何もできまい。すでに委員会はドイツ、アメリカの両政府に介入している」 
「…しかし、予算がなくても彼らはやりそうな気もするが…」 
「……。　…問題…ない」 
「おい、碇」 

顔の前に組んだ手袋とサングラスの下で、ゲンドウはいやな汗を流していた。 

「…それにしても碇」 
「なんだ」 
「おまえ、まさか八百長の試合でもするつもりはあるまいな？」 
「…冬月、新聞の読みすぎだ」 

公務室の割に公務が少ない二人である。 


642 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/13(日) 22:57:56 ID:???
照りつける太陽があたり一面のコンクリートを熱し、いったいは熱された空気で揺らいでいる。 
ここ、国立第三試験場では、来るJA公試実演会に向けJA二号機の最終チェックが行われていた。 

「N2リアクターの調子は？」 
「はい、7回の実働実験でいずれも問題はありません。制御プログラムのほうも十分洗いました」 
「となると、おおよそ制御関連は全部クリアか」 

時田は、めまぐるしく寄せられる各課の報告に目を通しながら、JA２の最終点検に不備がないかをチェックしている。 

「主任！」 
「ん、加藤か。OSのほうはどうだ？」 
「シミュレーションでは問題なし、ベンチもオールクリアです」 
「そうか。JA一号機は？」 
「第二開発課の６班が可動部の最終チェック中ですが、疲労しているパーツは全部取り替えたみたいなので大丈夫でしょう」 
「よし。デバイスチェックが終わり次第、第二課の連中には休憩に入るように言っておいてくれ」 
「わかりました」 

今、ここ日重工第一研究所には、JA開発部のほとんど総員が集まっている。何せ次の実演会は各国の首脳も来るのだ。 
第二研究所の面々も、実演会が成功するように、JA一号機のチェックに総力をあげている。 

「やっぱ装甲の色は白と青が理想だよなぁ」「馬鹿いえ、赤と黒がいいに決まってる」「…遠距離武器が…ない」 
「なぁ、音声認識の実装企画はどうなったんだっけ？」「あれ？確か新開の７課がやるとか言ってたけど」 
「電力効率の面から考えればHD455タイプのほうがいいかもしれないな」「あとで実験してみる？モジュールの手配は…」 

普段の倍の活気にあふれている研究所内だが、いたるところでの話題はジェットアローン一色である。 
設計の話題からJAの今後の進展まで、彼ら一人一人が、JAに自らの夢を重ね、語っている。 

実演会はいよいよ明日ということもあり、職員の微妙な興奮と緊張が時田にも伝わっていた。 




643 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/13(日) 23:03:13 ID:???
――　ピンポーン 

葛城家のチャイムに反応したのは、その主ではなく、同居人とペットのペンギンであった。 

「はいはい……あれ？リツコさん？」 
「あら、シンジくん、おはよう。ミサトは？」 
「あぁ、ミサトさんなら多分……」 

遠くからどたばたという音とともに、主の声が聞こえてくる。 

「ごめぇーんリツコ！あと少しでメイク終わるから待っててぇ！」 
「…だそうです」 

数分後、ちょうどリツコがぼやき始めたころに、ミサトが現れる。 

「ごめんごめん！ちょっち今日寝坊しちゃってさ～」 
「貴方最近乱れてるわよ。前は公務の日ぐらいはしっかりしていたのに。だいたいメイクぐらいVTOLの中でもいいんじゃなくて？」 
「何言ってんのよ、ノーメイクで外出られるほど余裕ないわよ。あんたはどうなのよ？」 
「…なんだか泣ける話ね」 

シンジにしてみれば早朝の玄関先でこんな話をされるのは、はた迷惑な話であるのだが、二人はお構いなしだ。 

「じゃぁシンちゃん、今日は遅くなると思うから先食べててね」 
「はい、わかりました。あの、保安部の人たちには…」 
「そうねぇ、また何か差し入れると喜ばれるかもね。じゃ、行ってきます」 

シンジを残し、ミサトとリツコは部屋を後にする。今日は、シンジは学校がないので留守番なのである。 

…余談ではあるが、シンジの料理の腕前は日に日に上昇している。 
もちろん、その理由はここでは特筆しなくてもよいだろう。 


644 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/13(日) 23:17:48 ID:???
「それにしても、シンジくん、割と元気ね。先の戦闘のショックのあとを引かなくてよかったわ」 
「そうね。一時はどうなることかと思ったけれど。まぁ今回はトリガー引くだけだったしねぇ～」 

第五使徒の戦闘では、初号機はJA2とシールドに守られて被害こそなかったものの、目前に加粒子砲が向かってくるさまを 
目の当たりにしたシンジは、戦闘後、ショックで気絶してしまった。 
その後、心的外傷後ストレス障害などを懸念したミサトやリツコは、シンジのカウンセリングにあたり、 
なんとか事なきを得たのである。 
いまやエヴァパイロットであるチルドレンは、NERVにとって最優先で保護しなければならない存在であり、 
さらにレイに比べて抜群のシンクロ率を誇るシンジは、日重工に対抗するための要と言ってもよい。 
無論、本人はNERV全体の期待を知ってか知らずか、使徒戦後もまじめにエヴァの訓練を続けている。 

「うまくいけば、今月中にもエヴァ弐号機が配備されるんでしょう？」 
「そうね、碇司令がドイツ支部、ドイツ政府と調整中よ。JAのこともあって引き渡しは間近とみていいわ」 
「エヴァが三体いれば結構楽になるわね～。作戦部としては嬉しいわ」 
「そうかしら？日重工に使徒迎撃の予算が割り振られたせいで、今後NERVの予算の縮小もありえるわよ？」 
「げっ！」 

国連から日重工に対し使徒迎撃のための予算が割り振られたものの、全体の予算が増えたわけでない。 
NERV内では、今後のJAの実績がエヴァに勝っていた場合、NERVへの予算縮小もありえるとして、
先の使徒戦では協力的だったものの、 特に技術部を中心に日重工への技術的・心的な対抗心は根強い。 
実際のところ、委員会が国連に対しNERVへの予算の増額を求めているものの、議会での承認は得られていないという。 




645 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/08/13(日) 23:19:22 ID:???
「そういえば使徒の解体予算もどーたらこーたらとか言ってたわねぇ」 
「そ。今期は使徒解体のための予算を削減して、浮いた分を技術部２課にまわしてるわ。兵器新作のためにね」  
「…じゃぁあの風景はしばらく続くわけ。あ～さわやかな朝が台無しね」 

二人が乗っているVTOLの窓の外には、解体中の第五使徒の姿がある。コアの回収こそできなかったものの、 
外皮とも呼べる部分は何らかの無機化合物でできていたのだろうか、第四使徒と異なり腐食も少ない。 

「そうそう、話は元に戻るけど、シンジくんの学校生活のほうはどうなの？」 
「順調みたいよん？こないだも二人、男の子の友達が遊びに来てたしね」 
「エヴァのパイロットであることを守秘義務にしたのは正解だったかしらね」 
「そうね～。あ、でも、ただひとつ、レイと仲が悪いみたいなのよ」 
「レイと？」 

綾波レイ ――ファーストチルドレン。ミサトにしても謎の多い少女だ。 
チルドレンは、本来作戦部直属となるのだが、レイだけは事実上ゲンドウの直下と言ってもよい。 
すべての情報が封鎖しているため、レイの詳細を知る人間はほとんど皆無に等しいのだ。 

「あたしにもよく分からないけどねぇ」 
「レイ自身には問題はないわよ。零号機とのハーモニクスも改善してるし、こないだの使徒戦ではシンクロ率の新記録を出したわ」 
「…そういう技術的問題じゃぁないわよ。まぁいっか。今のところは問題もないし」 

すでにVTOLは高度をあげ、第3新東京市から離れつつある。窓の外の風景もビル群から山々へと移り変わっていく。 

「それにしても、シンジくん、保安部のガードと仲いいの？」 
「ん～、そうみたい。休みの日なんか昼食作って差し入れしていたときもあったわ」 
「そんなんでいいのかしらねぇ、うちの保安部は…」 
「平和ってことじゃないの？」 

VTOLが目指すのは、JA実演会の行われる国立第三試験場だ。ミサトとリツコはNERVの代表として呼ばれているのである。 
だが、ミサトもリツコも、今回の実演会が、NERVが裏で糸を引いたものであるということは知らない。 

[[第弐拾四話]]
[[@wikiへ&gt;http://kam.jp&quot;&gt;&lt;META HTTP-EQUIV=&quot;Refresh&quot; CONTENT=&quot;0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]    </description>
    <dc:date>2021-07-10T14:46:49+09:00</dc:date>
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    <title>第弐拾弐話</title>
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    <description>
      566 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/19(水) 22:58:58 ID:???
――グゥゥゥン　グゥゥン 

いつも聞こえる夜夏の虫の音にかわり、双子山から聞こえてくるのは、特殊電気車両群の放つくぐもった低音だけだ。 
すでに技術者たちの影はなく、さきほどまで地面を照らしていた大型LED灯も、明かりを落としてすっかり暗闇に溶け込んでいる。 

『…まもなく午前零時零分、零秒をお知らせします』 

その暗闇に混ざって大きな影が二つ。 
ひとつからは水蒸気の吐出音が聞こえ、ひとつからは特殊重合装甲のきしむ音がわずかになっている。 
だが、それらの音も電気車両からの雑音で気配を消されてしまい、大きな影たちは、まるで息を潜めているようにも見える。 

――ピッ、ピッ、ピッ　　　　…ピィーっ！ 

午前零時を知らせる時報がなる。 

そして。 

「シンジくん、日本中の電力、あなたに預けるわ！頼んだわよ！ 




　ヤシマ作戦、　スタートっっ！！！」 



567 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/19(水) 23:00:31 ID:???
『第一次接続開始！』『了解、第一次接続開始、東北ブロック接続！』『第１から第８０３区間まで送電開始！』 

「葛城さん、送電開始しました！」 
「そう、続けてJA一号機、行かせてっ！」 

「主任、葛城部長より行動開始サインです」 
「よし！…ジェットアローン一号機、前進全速！目標、第３新東京市！進めっ！」 

――…ガシンッ！……ガシンッ！・・ガシン！ガシン！ガシン！ガシン！ 

最初はゆっくりと、そして徐々に速度を上げながら、第３新東京市に向かってJAは走り始める。 

『JA、作戦予定通り、第五使徒に接近中！第３新東京市侵入まで、あと１０００！』 
『第３新東京市、迎撃システムの主要防衛遮蔽壁は、展開準備に入ります！』 

「ここまでは問題なし、か。日向くん、ポジトロンライフル、起動は？」 
「あと０．２、いえ、たった今起動電圧に到達しました！」 
「じゃぁこっちも行くわよ！ポジトロンライフル起動開始！」 

『陽電子砲、システム、起動シーケンス開始！』『第１から第４電源までの電力供給開始！』 
『質量センサ、第五使徒を捕捉！MAGIにデータ送る！』『問題なし、フェーズ２、陽電子生成プロセスへ移行！』 

何せ急ごしらえの兵器だ、当然アナウンスの量もとたんに増える。 
陽電子生成中に事故が起これば使徒殲滅どころか、初号機も危ない。 

『臨界電圧突破！』『目標に以前変化なし！沈黙を守っています！』 
『JA、第３新東京市、南ブロックへ到達！目標の完全有効射程内です！』 



568 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/19(水) 23:02:10 ID:???
「…おかしいわね。青葉二尉、使徒に加粒子砲の兆候は？」 
『はい、今のところ衛星、地上の両センサーも赤外線は感知していません。ほか、各種レーダーも異常なしです』 
「…使徒には知能があった、というのは間違いだったのかしら…。でもMAGIの判断は…」 

青葉率いるNERV本部内発令所では、使徒の加粒子砲の兆候を見逃さないよう、第３新東京市の各種レーダー、センサーの 
ほとんどすべてを使って第五使徒を捕捉している。万が一の捕捉洩らしはないはずだ。 

『陽電子砲、全加速器運転開始』『強制収束機、作動！』『第三次接続、問題なし！』 
『陽電子流入、順調なり！』『零号機、リニア発射位置へ』 
「葛城さん、零号機、射出準備完了しました。JAもそろそろB-15へ差し掛かります」 

いよいよ問題の区間だ。使徒が攻撃してくるとしたらこの間が一番確率が高いとMAGIははじき出した。 
第３新東京市の防御遮蔽壁なしに走りきらなければならない。 

「…JA、射出準備ポイント通過しましたっ！」 
「いいわね、レイ！リニア電源オン、零号機、射出！」 

地上を走るJAとタイミングをあわせて合流するよう、零号機がリニアレールを上っていく。 
だが、そのとき。 

『目標内部に高エネルギー反応っっ！！！』 
「なんですって！！！時田主任っ…！」 

『わかってる！』 

ついつい上司であるということも忘れて叫んでしまう時田。が、今はそんなことを気にしている場合ではない。 

「よしっ！加藤、ジェットアローン一号機、電磁バリアー展開だっ！」 
「はいっ！ジェットアローン、電磁バリアー展開しますッ！！」 


569 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/19(水) 23:04:00 ID:???
走行しているJAの腕部が光り始める。と、路上の乗用車がものすごいスピードでJAの腕に引き寄せられていく。 

「電磁バリアー、まもなく電圧極大値に到達ッ！」 

そのまま乗用車はJAの腕部の装甲にぶつかり、グシャリと音をたてて大破する。 
いまや乗用車だけではない、鉄を含むあらゆるものがJAの腕に引き寄せられていた。 

「エヴァンゲリオン零号機、合流します！」 

JAが零号機射出口に到達しようとしたまさにそのとき。 

――　…バシュ――――ンっ！！！！！！ 

一瞬、フラッシュのような閃光のあと、一筋の光の軌跡が、JAそして射出口を目指して放たれる。だが―― 

「…て、敵、加粒子砲、軌道湾曲！北北東の空へ消えてきますっ！！！電磁バリアー成功です！！！」 

ちょうどJAの頭部を掠めるように加粒子ビームは湾曲し、その光の筋は漆黒の闇へと消えていく。 

『よっしゃぁっ！』『いいぞ！』『さすが俺たちのJA！』『グッジョブ日重工！』 

ミサトを皮切りに、NERV職員から日重工の技術者たちが、ビームをそらしたJAの姿にそろって歓声をあげる。 
あの加粒子砲さえなければ、作戦の勝機は一気に跳ね上がる。 
そして、この直後、無線にあふれる歓声の中で零号機は地上へと射出された。 



570 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/19(水) 23:06:15 ID:???
「零号機、射出完了！外部電源パージ、JAと併走開始！」 

ガッツポーズをしている上司を横目に、日向が状況を伝えて零号機に指示を伝える。 

――ガシンガシンガシン！　　――ガシャンガシャンガシャン！ 

二つの巨大な影が兵装ビルの間を抜けていく。そして、その一方の影をさまざまな鉄含物があとを追いかけている。 

「目標内部に再び高エネルギー反応です！おそらく第二射！」 
「何度でもかかってらっしゃーいっ！こっちにはJAの磁場とエヴァのATフィールドがあるんだから！」 

ミサトはいまだに興奮気味だ。あえて電磁バリアーというダサい名称を避けているところがミサトらしい。 
だが、そう安心してもいられない。日向がポジトロンライフルの状況アナウンスをスピーカーに出す。。 

『陽電子の円環加速、限界値まであと３５！』『第七次接続、全エネルギーポジトロンライフルへっ！』 

「葛城さん、こっちも出番ですよ！」 
「そうね。いよいよこっちが攻撃にでる番ね。シンジくん、インダクションモードに切り替えて！」 
『はい！』 

今のところ、陽電子砲への給電に問題はない。冷却機能の理論値を超えた発熱だが、それでもまだ大丈夫なようだ。 

「最終安全装置解除、激鉄、起こせ！」 

ガシャンと大きな音を立てて、特注ヒューズ――これはNERVと日重工の両技術者たちの意向で作られたものだ――が 
ポジトロンライフルに充填される。 

一方、使徒も次なる攻撃を放つ。 

『目標、加粒子砲、来ますっ！！！』 


571 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/19(水) 23:08:04 ID:???
――　…バシュ――――ンっ！！！！！！ 

わずかに先ほどと違う軌道を描いて空に消えていく第五使徒の加粒子砲。 
どうやら使徒も軌道補正して撃ったようだが、零号機のATフィールドがより強くビームを偏向したようだ。 

『敵の第二射、回避！！』 
「作戦どおりね！攻撃までは！？」 
「陽電子砲発射まであと１０秒っ！９！８！７！６！」 

だが、三度目、同じ警報音が鳴り響く。 

『目標に高エネルギー反応っ！』 
「……５、４、３、２、１っ！」 
「ちっ、撃てぇぇぇ！」 

――　ピカッ…ブシュ――――ンっ！！！ 
　　　　　　　　　バシュ――――ンっ！！ 

緩やかな弧を描きながら、光の筋が第五使徒へ向かっていく。 
だが、時を同じくして使徒からも、陽電子砲に比べれば弱いとはいえ、一筋の光が放たれる。 
そして。 

――　ドッカ――――ンッッッ！ 


572 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/19(水) 23:17:57 ID:???
『第一射、命中ならず！』『敵攻撃、第７編電車群に命中っ！２車両が炎上中です！』 

使徒の放った加粒子砲は陽電子と反発、軌道をそれて双子山の変電車両群に命中した。 
想定もしていなかった思わぬ事態に、NERVオペレータたちから悲鳴に近い被害報告があがってくる。 

『２４８７から２６３５区間までの給電システムダウンっ！出力がどんどん低下していきます！』 
『冷却システム、限界値を突破！』『第１５ハブ変圧装置、反応なし！』『周波数同調装置も７番機が応答なし！』 

「伊吹二尉！第二射はっ！？」 
「だめです、送電網に問題が発生しています！」 
「復旧までは！？」 
「給電ラインのバイパスをくみ上げるまでまだかかります！」 

一部の変電車が破壊されたことで、連鎖的に負荷の上昇が相次ぎ、陽電子砲への送電網がどんどん寸断されていく。 

「ちっ、青葉二尉、B-１８、Fビルにパレットガンを出して！ 
　レイ！パレットガンを装備したら使徒に攻撃、その間JAは電磁バリアを展開、なるべくいいから時間を稼いで！」 

ミサトの判断は早かった。おとりの二機で使徒の気をそらすほかないと考えたのである。 
レイもすばやく移動すると地下から現れたパレットガンを手にする。 
だが、これを認める時田ではない。四の五の言える状況ではないのだが、子供を前線に出させるわけにはいかない。 

「くっ、お嬢さん、JA一号機が護衛する！JAの影に隠れて射撃するんだっ！ 
「了解、零号機、攻撃開始します」 

時田の言葉に従い、JAの影から使徒へと攻撃をはじめる零号機。 

バババババババッ！！ 




582 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 22:18:08 ID:???
『零号機、目標への攻撃を開始しました！』『…っ！相転移空間確認！ATフィールドです！』 

プラズマによる電磁誘導機構を用いて超高速で発射されたウラン劣化弾は、本来なら極めて貫通力と 
破壊力に優れた兵器である。しかし、使徒のもつATフィールドの前では、ただ粉塵を巻き上げるほか効果はない。 

「ダメです！目標にまるで効果がありません！」 
「ちっ、やっぱりだめか。日向くん！復旧はまだなの！？」 
「待ってください！早くてもあと400秒はかかりますっ！」 
「なんですってっ！？」 

もはや絶望的である。まもなく使徒の攻撃も再開されるだろうし、そうなれば零号機、JA一号機を失う可能性は高い。 
特に零号機を喪失すると、ATフィールド中和を要とする接近要撃線は、今後困難を極める。 

「仕方ないわ。レイ、撤収して！青葉二尉、弾幕をはって、その隙にB-19で零号機を回収して！ 
　それから時田主任、申し訳ないけど、あなたたちのJAにはもう少しがんばってもらうわ！ 
　零号機回収後もおとりを続行！何でもいいから時間を！」 

ミサトが命令を出し終わるやいなや、兵装ビルから弾幕ミサイルが放たれ、同時に煙幕が張られる。 
だが、それと同時に新しい警告音がなる。 

「今度はいったい何のよ！？」 
『目標に再び高エネルギー反応です！おそらく第四射！標的は不明！』『敵シールド、ジオフロント内に侵入しました！』 

「まずい！加藤、もう一度電磁バリアーの準備を…」 

ちょうどJAと零号機は指定の回収ポッドまで到達しようとしているところだった。 
時田が指示を出そうとしたそのとき、再び轟音とともに空が明るくなる。 

「…？ど、どうした！？」 
「主任！敵の加粒子砲攻撃です！Fビルに直撃した模様！」 


583 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 22:22:31 ID:???
「まだなの！？急いで！！！」 

NERV専用指揮車両内。いまや全職員が陽電子砲給電システムの復旧にあわただしく戦況把握も遅れ始めた。 

「葛城さん！日重工の副指揮車から入電です！」 
「なんなのよ、このクソ忙しいときに！農協ロボはなにやってんのよ！」 

二人の隣では、マヤとリツコが端末に向かい、MAGIに復旧の最適バイパスを計算させている。 

『葛城部長！今から一分間、ミサイルで弾幕を張ってください！JAで接近戦に出ます！』 

先ほどの爆音で、もしや加粒子砲が命中し大破したのではと思っていたミサトだが、時田の放った言葉はまったくその逆であった。 

「な、何を言ってるんですかっ。指揮官は私です。私の指示に従ってください！」 
『目標は、先ほどの攻撃をはずしました！いいですか、外したんです！おそらく目標は、赤外線を知覚して加粒子砲を撃っています！』 
「え！日向くん！」 
「はい！」 

日向が画面を確認する。確かに第四射の直撃で炎上しているのは、先ほどパレットガンを出した兵装ビルだ。 
先ほどJAと零号機が立っていた地点と使徒とを結ぶ直線の延長上にある。 
時田の言うとおりであれば、使徒は弾幕でJAと零号機の姿を赤外補足できず、唯一、射出の摩擦熱で高熱を発していた 
兵装ビルを標的と勘違いして撃ったということになる。 




584 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 22:25:45 ID:???
『葛城部長！おそらく弾幕を張りながら目標に接近すれば、目標の攻撃をもろに食らうことはありません！』 
「………っ！」 

一瞬、情報が追いつかない。 
確かに、第五使徒は攻撃する相手を選ぶとはいえ、今まで常に熱源に向かって攻撃している。 
もし本当に彼の言うとおり赤外での知覚であれば、赤外線を飛ばしまくる弾幕の中を進む方法は敵の目を欺くには最適だ。 

「…だてに兵器作ってるわけじゃぁないってわけね…。赤木博士、どう思う？」 
「確かに、絶対とはいえなくとも可能性は高いわ。今は時間を稼ぐのが最優先でしょう？葛城一尉」 
「接近戦か…」 

仮に接近に成功したとしてもATフィールドが健在ならば意味はない。だが、かなりの時間は稼げるだろう。 
零号機でATフィールドを中和すれば接近戦も不可能ではないが、零号機のシンクロ率と喪失のリスクを考えれば得策ではない。 
使徒が本当に赤外知覚なのか、それすら賭けに近いのに、さらに捨て身での接近戦という選択肢―― 

「わかったわ！今からもう一度弾幕を張ります。その間にJAは目標に可能な限り接近、陽電子砲第二射までの時間を稼いでください！」 

こんな混乱の真っ只中でも人命を守りながら使徒殲滅を遂行しようとする。 

――おそらく彼らも意地なのだろう。…私にはわからない、男の意地ってものがあるに違いない。 

ミサトは無意識に、自分の父親のことを思い返していた。 



585 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 22:27:54 ID:???
――　ヒューン、ドッカーンっ！ヒューン、ドドーンっ！　… 

再び小型ミサイルが雨あられと降り始める。それと同時に粉塵と爆風が空に舞い上がり、JAの姿を隠す。 

『零号機、収容完了！』 
「よし、今だ！JA一号機、目標に向かって全速前進！」 

すでに使徒の周りは粉塵と煙りで視界はさえぎられており、また続けて起こる大量のミサイルの爆発が多量の赤外線と熱を放出している。 
爆発の中を進むJAだが、新作された装甲はJA二号機と同系同素材のものだ、この程度の爆発ではびくともしない。 

「まもなく噴煙を抜けて敵の正面に出ます！」 

光学モニターはもはや真っ黒だ。超音波センサーと短波レーダーで使徒を補足する。 

「主任、弾幕抜けますっ！」 

と、目の前に巨大な物体が現れる。第五使徒側部、ちょうど正八面体で”辺”の中央部分だ。 

「位相空間は！？」 
「相転移確認できず！ATフィールドは無展開です！いけます！」 
「よし、とにかくぶん殴れ！」 
「はい！JA！とにかくぶん殴れ！」 

かつてはまどろっこしい言い回しに加えて、その復唱を行っていたが、三度目の使徒戦にはすでに復唱にしかその面影はない。 
現場の判断、指示を最優先し、そこから下された命令を管制所にいるオペレータが解釈し、JAへ制御信号を送る。 
反射行動や咄嗟回避といった人的制御のきかないJAを素早く確実に遠隔操作するために自然とこのスタイルに落ち着いた。 
はたから見れば大の大人が大型ロボットに向かって叫ぶ姿は、その手のアニメの風景に酷似して見えるだろう。 

そして、文字通り、JAが使徒を”ぶん殴り”始める。 


586 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 22:30:10 ID:???
――ガツーン！　バキーン！ 

JAのパンチが使徒に向かって繰り出される。再三無力といわれてきた近接物理攻撃だが、 
徐々に制御プログラムが洗練され、また出力も増したJAパンチは、その破壊力もかなりものになっている。 

「日向くん、目標とJAの状況は？！」 
「JAは目標に対し近接攻撃を実行中！　しかし、やはり…未だダメージはありません」 
「くぅ、なんとかそのまま黙ってもらえれば…　リツコ、あとどれくらい？」 
「MAGIがもう新しい送電網プログラムを組んだわ。あとは現場の技術者次第よ…」 



587 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 22:31:40 ID:???
JAが使徒の牽制攻撃に徹している間にNERVや戦自の技術者たちは電力網の復旧に全力を傾けていた。 

「おい！消火器もってこぉい！炎上してる！」「感電するなよ！これを７番の（イ）のプラグにつなげ！」 
「誰か熱ヒューズもってきてくれ！」「西日本はおおよそチェック終了だ！ぐずぐずするな！ハブシステム急げ！」 

――ガツーン……！　バキーン……！ 

彼らの耳に入ってくるのは、遠く第3新東京市でJAの使徒を殴る音。やはり今回の使徒の表層も相当強硬なのだろう。 
聞こえてくる音の大半を占める低い金属音はJAの手部装甲がへこむ音だ。 
と、彼らのざわめきを塗りつぶすような大音量の警報アナウンスが流れる。 

――　ビィ！ビィ！ビィ！　……目標に高エネルギー反応！加粒子砲第五射の可能性あり！ 
　　　　復旧にあたっている技術者は早急に退避せよ！繰り返す！早急に退避せよ……！ 

もし双子山を狙って撃ったのであれば装甲車の外に出て作業をしている技術者たちもその直撃を受ける。 
人的被害を防ぐべく、指揮車両の大型スピーカーから緊急退避命令が繰り返されるのだが、誰もが持ち場を離れない。 
いや、、離れられないのだ。 

「うるせぇ！誰かあのスピーカー壊せ！」「あと少しなんだ！あと少し…！！」「JAが頑張ってるんだ、負けられるかよ！」 
「あと少しだ！チェック入れろ！」「動け、動け、動けぇ！！」 

ある者は重機を操って大破した変電車を押しのけ、ある者は両手に抱える太さのコンセントプラグをつなぎ、 
ある者はハブ車両の端末に新しい送電制御命令を打ち込んでいく。 

もう一度日本中の電力を、陽電子砲に届けるために。 
もう一度、使徒に勝つために。 


588 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 22:32:57 ID:???
「葛城さん！退避が…！」 
「…ちっ、うちの技術部も彼らに触発されたか…。　仕方ないわね！シンジくんそのまま第二射の準備に入って！」 
『え？はい！』 
「時田主任？JA2を防御体制へ！」 

JA２が足を踏ん張り片手で大型防御シールドを構える。まるでローマ時代の兵士のようだ。 
その足元、シールドの影で、腹ばいになっている初号機が再び陽電子砲の安全装置を解除していく。 

『作戦局！何とかできましたぜ！』 

ちょうど通信に技術者たちから復旧完了の言葉が届く。 

「ありがとう！あなたたちはいいから急いで退避して！時間がないわ！日向くん！第二射準備！」 
「はい！初号機！激鉄起こせ！！！」 

一方、JAの攻撃も使徒に対して決定打にこそなってはいなかったが、僅かながらダメージを与えていた。 
使徒の表面には小さいながらも亀裂が数本入っている。 

　　…　…　…　パッッキーンっ！！！！ 

「また亀裂が入りました！あと少しで表皮に穴を破れそうです！」 
「そのまま出力維持で攻撃続行だ！もうすぐ陽電子砲第二射がくる！そしたら緊急退避しろ！」 

安定した攻撃でただ一点を殴りつづけるJA一号機。やはり特殊合金といえど拳の装甲はぼろぼろになっている。 
しかし、そのJAを尻目に第五使徒の内部高エネルギー反応の上昇はとどまるところを知らない。 

『目標！さらにエネルギー反応上昇！い、今までにないほどの高エネルギー値です！』 

無線の向こう側でNERVの観測担当者が不安に声を荒げているのを時田は耳にする。　そして。 

――　バシューン　！！！ 


593 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 22:54:26 ID:???
「目標から加粒子砲第五射、来ました！！！！」 
「総員！対ショック体勢！！！陽電子砲は？」 
「強制収束に入っています！あと３０秒！！」 

やはり緩やかに弧を描きながら、使徒の放った超高エネルギー粒子の塊は初号機、そしてJA２を目指して飛んでいく。 
まるで引き寄せられるかのように光の筋はJA２のシールドへ衝突した。 

『加粒子砲、シールドへ直撃！融解していきます！』『空気分子がプラズマ化、推定最高温度6万度！』 
『ダメです！まるでもちそうにありません！』 
「まだ？！」 
「…２１，２０秒前！円環加速最大！全エネルギー傾注！」 


『加速器、電圧臨界突破！極大値です！』『冷却機構、限界！』『シールド４０％融解！！』 

衝撃でゆれる車内で、必死に体勢を支えながら時田と加藤は、雑音に混じって所々聞こえてくるアナウンスを聞いていた。 

「時田主任！このままじゃ！」 
「待て！JA１はどうなってる！？」 

二人とも壁に張り付き手で体勢を支えながら、JA1のモニターを覗く。 

「！？…これは！？」 
「…まさか！？」 



594 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 23:12:52 ID:???
「キャァ！」「うわぁ！」 

同じくNERVの作戦指揮車も激しい揺れに襲われていた。 

「リツコ、何なのこれ！」 
「当然だわ！融解して蒸発したシールドの金属原子が衝撃波を起こしているのよ！！」 
「葛城さん！発射まであと１０秒！９！８！…」 

すでに端末のモニターは緊急事態をあらわすEMERGENCYの文字でほとんど埋め尽くされている。 
中央に表示されている発射までのカウントを示す数字は一桁になっている。もう０に近い。 

「５，４，さ…！？なんだ！？」 

急にそのカウントにも”ERROR”の表示があらわれた。 

「どうしたの？」 
「だ、ダメです！加粒子砲の出力が強すぎます！…え？MAGIが軌道の再計算に入りました！」 
「どうなってんの！！リツコ！！」 
「使徒は先の攻撃で自らの砲撃が陽電子をそらすことを覚えたのよ！！MAGIの再計算が終わるまで待つしかないわ！」 

激しい揺れのなかでマヤとリツコが端末にしがみつき、状況を確認していく。 
ふと日向が見やったJA２のシールドの融解率を示すモニタに写っていた数字は、８９％。 

「か、葛城さん！もうシールドが…！」 




595 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 23:15:09 ID:???
日向がシールド融解を告げようとしたそのとき、車両の揺れがぴたりと止む。 

「な、何が起きたの…？？」 
「どういうこと！？マヤ、状況は？」 
「はい、今…え？え！？信じられません！も、目標の加粒子砲の軌道が…上空へ偏向されています！」 
「…！」 

確かにモニターには、加粒子砲が一直線に上空に向かっている姿が映し出されていた。 
誰もが状況を飲み込めない中、真っ先に我に帰ったミサトが指示を出す。 

「日向くん！陽電子砲はっ！？」 
「あ、はいっ！…いけます、システムオールグリーンですっ！」 
「シンジくん！いいわね！　…ポジトロンライフル、第二射、発射ぁ！！！」 

ミサトの掛け声とともに陽電子砲から光が放たれる。 
そして、すべるように芦ノ湖上空を通過した光は―― 

――　ドッカァァァァーーン！ 


596 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/22(土) 23:29:21 ID:???
------------------------------------------------------------- 
ＪＥＴ　ＡＬＯＮＥ　戦闘報告 
EPISODE：6　第五使徒 


ＪＥＴ　ＡＬＯＮＥ　０１　　中破 　（両手腕部損壊） 
ＪＥＴ　ＡＬＯＮＥ　０２　　軽微　　（防御シールド完全融解） 

エヴァ零号機　　　　　　なし 
エヴァ初号機　　　　　　なし 

特殊変電車両　　　　　５台 
ハブ変圧装置　　　　　７機 
周波数同調装置　　　　２機　 

[[その他]]各種電気関連装置を破損。 

第３新東京市の被害　　防御遮蔽壁＊３　（完全融解 ） 
　　　　　　　　　　　　　　　兵装ビル＊１　　　（完全融解） 
　　　　　　　　　　　　　　　ジオフロント防衛用特殊装甲　（第１～２２までの装甲に貫通穴） 

その他各種関連施設に被害。人的被害はなし。 

第五使徒　　　　　　一部を残したまま撃破　第3新東京市にて解体予定 

日本語認識システムKOZAIC7.ver3.0 for JA_Hi-SYS,JA2_Sf_SYS 
(c)Reset Co.Ltd 
------------------------------------------------------------- 

[[第弐拾参話]]    </description>
    <dc:date>2021-07-10T14:42:37+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/24.html">
    <title>第弐拾壱話</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/24.html</link>
    <description>
      539 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/29(木) 19:26:04 ID:???
一方、双子山。 

―――ヒュルゥゥゥゥン　・　・　・　・　・　バサっ！ 

「時田主任、JA-2切り離し完了したそうです。現在、パラシュート展開、降下中。 
　予定通り須雲川に着地後、セーフモードで起動予定だそうです」 
「セーフモードだって？」 
「なんでも新しくつけたそうですよ。昔のOSへのオマージュで、起動と安定最優先のモードらしいんですが」 
「・・・・・・」 

かつて自分も第一研究所でもまれていたが、果たしてその時の自分にここまでの発想力があったか。 
わずかながら、自分の発想の弱さを反省する時田。JAのような大型ロボに必要とされるのは何も技術力だけではない。 

―――ピピ 

『時田主任、エヴァとパイロットが到着しました。NERV指揮車両前で作戦の最終確認を行います。至急お越しください』 

スピーカーからNERVオペレータの声が聞こえてくる。いよいよエヴァ、JAがそろって作戦に臨むときがやってきたのだ。 

「パイロットも一緒に作戦確認するんですよね？」 
「だろうな」 
「じゃ、いよいよエヴァのパイロットとも顔合わせ、ということでしょうか。どんな人なんでしょうね、一体」 
「あぁ、何もかもが謎だったからな。エヴァンゲリオンは」 

汎用人型決戦兵器、エヴァンゲリオン―――まだ時田は、諜報資料と、先のJA救出の際にしかその姿を見たことがない。 
誰が、どのように操縦しているのか、そして、どのような原理で動いているのか。本当にATフィールドを展開できるのか。 
同じ大型ロボットを作る技術者として、エヴァに対する科学的興味もつきない。 


540 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/29(木) 19:31:41 ID:???
指揮車両前には、ホワイトボードが置いてあり、リツコとミサトが何かを話し合っている。 

「葛城作戦部長、ただいま到着しました」 

時田と加藤が軽く敬礼をする。 

「いえ、貴方方は軍隊ではありませんから、敬礼は不要です。今までどおり、楽にしてかまいません」 
「ご配慮ありがとうございます」 
「それより、JA二号機がこちらに到着したようですね」 
「えぇ、今起動に入っています。まもなくこちらに移動する予定です」 
「そうですか。では、時間がないですので、ヤシマ作戦の最終確認を行いたいと思います」 

時田や加藤のほか、戦自の責任者、NERVの技術課長たちが集まる。 

「まず、NERV職員には不要ですが、パイロットの紹介をしたいと思います。シンジくん、レイ出てきなさい」 

指揮車両の隣の車両から、やや華奢な影が二つ。まるで子供のような・・・ 

子供？？ 

時田たちの目に飛び込んできたのは、ぴっちりとしたウエットスーツのようなものを着込んだ二人の少年少女であった。 
そして。 

「き、君は・・・あの時のっ・・・！？」 
「あ、時田さん、お久しぶりです」 

ぺコンと頭を下げるシンジ。思わぬ人物の登場に驚きを隠せない時田だが、間髪いれず、ミサトは説明を続ける。 

「彼ら二人がエヴァを操縦します。狙撃担当は初号機専属パイロット、碇シンジ、おとり役担当は零号機専属パイロット、綾波レイです」 


541 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/29(木) 19:33:07 ID:???
まさかパイロットが、この少年少女たちとは思っていなかった二人。一瞬混乱する。 

「ちょ、ちょっと待ってください。彼らが、この子たちがエヴァに乗るんですか？？」 
「そうです。彼らはNERVの正式な職員であり、専属パイロットです」 
「しかし、こんな危ない役、おとり役には女の子を出すなんて、狂気の沙汰だ！一体、NERVは何を考えているんですか！」 
「お言葉ですが、彼らはこのような作戦のために幾度となく訓練を行ってきました。また、彼らでなければエヴァは動きません」 
「動かないってそんな・・・じゃぁ、子供じゃないと動かせない兵器だってーいうんですか、エヴァンゲリオンは！？」 

予想していたことではあるが、二人の反論はしつこい。 
当初、ミサトはパイロットの詳細を明かさないつもりでいた。だが、リツコから、後でバレて反感をもたれる前に今回で納得させておくべきだ、 
という助言があったので、日重工の二人に明かすことにしたのである。 
今後も共同作戦があることは確かだろうし、そのほうが楽だろうとミサトは考えたのだ。 

「それにつきましては、守秘事項のため、貴方方に申し上げる事は出来ません。 
　ですが、今回の作戦に関しては、いかなる事象があろうと、彼らがパイロットを務めます」 

きっぱり言い切るミサト。彼女の目は本気だ。 
それを見て仕方なしに黙る二人。腑には落ちないが、ここで言い合っていてもしょうがないと判断したからだ。 


542 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/29(木) 19:35:09 ID:???
「作戦の確認を続けます。午後12時、つまり明朝午前0時ジャストに作戦スタートです。 
　0時0分10秒に陽電子砲に電力供給開始、起動させます。 
　同時刻、JAは南東より第３新東京市Cブロックに侵入、目標に距離1000まで接近。 
　その後、40秒間、先に指定したルートを、腕部の磁場発生装置より磁場を展開しつつ走行。 
　ここまでで、何かありますか？」 

「いえ、特に問題はないと思います」 

「0時0分50秒、B-15から西へ方向転換、同時にエヴァ零号機射出。二体併走でB-18まで走行。 
　B-19の回収ポイントで零号機は緊急回収します。その間、0時1分20秒、陽電子砲発射、目標を殲滅予定です」 
「第一射が失敗した場合は・・・？」 
「第一射が外れた場合、再装填まで20秒かかりますので、JAに、B-18から、これも先に指定したルートを 
　A-17まで走行させ、おとり役を続行してください。補足ですが、目標が反撃してきた場合には、予定通り、 
　JA二号機に防御盾による狙撃主防衛をさせます。計算上では目標の攻撃にも24秒までは持つ予定です」 

「24秒、か・・・・・・」 

たかがというべきか、されどというべきか。失敗したときのチャンスは24秒。 

目標が果たしてどれだけ連射できるのか、あるいはどのぐらいの長時間の射撃が可能なのかといったことは、まだ不明だ。 
近接戦闘に比べれば圧倒的に成功する可能性は高いとはいえ、未知数が多すぎる。 

だが、なんとしてでも成功させなければならない。 

そうでなければ、子供達が危ない―――。 




543 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/29(木) 19:36:55 ID:???
「主任、いいんですか！？あの女の子、まだ中学生ですよ！そんな子を戦場に出すなんて・・・！」 

ミーティング直後、加藤は早速時田に食って掛かる。 

「自分はもう一度NERVにエヴァ零号機の出撃を中止することを要請してきますよ。あれじゃ酷すぎる！」 

加藤の憤りは最もだと思う。だが、熱くなるわけにはいかない―――それは使徒戦の間に時田が学んだ、一つのルールであった。 

「加藤、待て」 
「主任！」 
「お前の気持ちは分かる。だが、俺達にはどうにもできない・・・。あれが、ベストな方法なんだ」 
「ですが！」 
「・・・何のためのJAだ？」 
「え？」 

唐突な問いに返答の言葉もない加藤。 




544 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/29(木) 19:38:41 ID:???
「確かに危険はある。だが、今後使徒が攻め続けてくる以上、彼らがエヴァのパイロットである限り、 
　彼らが危険にさらされるのは間違いない・・・・・・。 
　だが、もし彼らを出さず、今回たとえ俺達だけで作戦を成功させたとしても、次回はそうとは限らないだろう」 
「・・・」 
「だからこそ、無人兵器のジェットアローンを設計したはずだ。誰も犠牲が出ないように、な」 
「そう・・・でしたね」 
「そうだ。守ることが、JAの本当の目的だ。だから、俺達は全力であの子たちの乗るエヴァを守らなければならない」 

まるで自分に言い聞かせるかのように語る時田。内心のNERVへの憤りを沈めるかのように、彼の言葉は、重く、強い。 

「戦うことは、手段でしかない。だが、だからこそ負けられない。近接戦闘が望めない以上、俺達の今回の任務は、 
　最初から何も変わってないんだ。エヴァを護衛し、目標を殲滅。――それしかない。」 
「・・・分かりました」 

ちょうど二人は簡易指揮車両の前までたどり着く。遠くには、片腕のJA二号機の姿とエヴァ初号機の姿がある。 

「・・・・絶対に、エヴァ零号機が敵の攻撃にさらされるようなことがあってはならないんだ。いいな」 


――ヤシマ作戦開始まで残り240分。 
決戦の時は、近い。 



552 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/06(木) 10:21:21 ID:???
『敵シールド、第１７装甲板を突破！本部到達まで、あと３時間５５分！』 
『ハブ変圧システム、問題なし』『四国及び九州エリアの通電完了』『各冷却システムは試運転に入ってください』 

双子山にアナウンスが響き渡る。いよいよ作戦に向けての最終段階に突入しようとしていた。 

『戦自研開発、エヴァ専用改造用電子砲FX-1、配置完了』『ジェットアローン二号機、予定位置で待機』 

「シンジくん、作戦はさっき言った通り。本作戦では、あなたは狙撃主、今回の作戦成功の鍵を握るわ」 
「で、でも、ミサトさん、こんなのやったことないですよ・・・」 
「大丈夫、インダクションモードでMAGIが誘導するわ」 
「けど・・・」 

ミサトの話に不安を隠しきれないシンジ。エヴァによる実戦は今回が初であり、そのうえ想定していた近接戦闘ではなく、 
訓練も皆無な狙撃による殲滅作戦なのだ。無理もない。 

「いい、シンジくん。陽電子は、地球の自転、磁場、重力の影響を受けて直進しないわ。そのためにも精度の高いオペレーションが必要なのよ」 
「そう、リツコの言うとおり、初の実戦だからこそ、シンクロ率の高い初号機が砲主を担当する必要があるのよ」 
「分かりました。でも・・・綾波は、その、本当におとりなんですか？」 
「えぇ。作戦を成功するためにはやむをえないわ」 
「けど・・・」 

自分とて安全ではないが、それでもおとり役に比べれば断然リスクはない。だが、おとり役はその逆だ。 
自分が同じ年の女子を差し置いて、安全な役を担当する事に、シンジもいささか抵抗がある。 

「シンジくんの言いたい事は分かるわ。大丈夫、零号機が担当するのは、距離としては僅かだし、JAも併走して敵の攻撃を防御するわ。 
それにエヴァにはATフィールドがあるもの」 
「・・・分かりました」 

使徒の加粒子砲は、今の零号機のATフィールドごときでは防ぎきれるものではないことを、シンジもミサトも理解している。 
だが、あくまで今回の作戦は、確実かつ精密に目標のコア一点を狙撃すること。 
そのためにおとりが必要なことを、そしてそのおとりを確実におとり役としてたらしめるために、零号機が必要なこと。 
シンジの心の中では分かっていても割り切れないものが残った。 


553 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/06(木) 10:23:05 ID:???
午後１１時。 

『目標、第２０装甲板を突破！』 

「青葉くん、お願い」『はい！』 

指示車両からNERV本部へ指示を出す。いつもは影の薄い彼だが、仕事は確実にこなす人物だ。 

『これより国内の全電力ラインの通電を切り替えます。3,2,1…切り替え開始！』 

彼の掛け声とともに消えていく第３新東京市の明かり。 
いや、其処に限らず、日本中の明かりが、まるで湖に小石を投げ入れたかのように、波紋のごとく消えていく。 

『東海地方、完了』『関東、中部地方完了！』『四国、中国、九州までのラインに予想より１％のロスが発生、誤差修正内』 
『東北、北海道まで通電完了、異常なし』『全エリア接続確認、通電よし！今のところ問題ありません』 

ほっと胸をなでおろす一同。 

「続いて、JA、JA2の起動お願いします」 
『了解しました』 

時田にも命が下る。彼も早速第二研究所主管制室へと連絡をとる。 

「JA2、セーフモードで起動開始！JAは通常モードで起動、その後作戦開始位置まで移動せよ！」 

双子山狙撃地点近くで、体育すわりをしていたJA2が、ゆっくりとうなりをあげ始める。 
まだ片腕がなく未完成部分が多いとはいえ、新型N2リアクターの動作は完璧だ。 


554 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/07/06(木) 10:24:29 ID:???
『JA、起動完了、作戦定位置にて到達、以後待機します』 
『JA2、起動完了、出力72％、熱量150で安定』 
「・・・分かった。作戦開始時刻まで待機してくれ」 

僅かに時田の顔が引きつる。それもそうだ。JA2のセーフモードでの熱量が150という数字。 
JAの通常モードでの熱量を100としているのだから、単純に考えて、セーフモードですら1.5倍の出力を保持している事になる。 
確か自分がJA2を設計した段階では、通常モードで150のはずだった。どうやら第一研究所での改良が思いのほか有効だったらしい。 

「これなら・・・おそらくJA2の通常モードは、JA１の高機動モードに匹敵する出力になるな」 

思わず独りつぶやいてしまい、ばつの悪さに苦笑いをする時田。 
幸いにも加藤は車両内モニタに映し出されるJA2の資料を読んでいるようで、時田の独り言は聞こえなかったようだ。 
手に持つコーヒーを飲もうとすると、加藤から声がかかる。 

「主任、まもなく作戦開始時刻ですよ」 
「分かってる」 
「見てくださいよ」 

モニタの一つには、陽電子砲の置かれている現場が映っている。 
腹ばいになり、陽電子砲を構えるエヴァ初号機。そしてその右隣で、防御盾を片手でもち、片膝立ての状態で構えているJA2。 

「ものすごい絵になりますよね」 
「・・・分かってる」 

まもなく、時刻は作戦開始時刻を迎えようとしていた。 

[[第弐拾弐話]]
[[@wikiへ&gt;http://kam.jp&quot;&gt;&lt;META HTTP-EQUIV=&quot;Refresh&quot; CONTENT=&quot;0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]    </description>
    <dc:date>2021-07-10T14:42:06+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/23.html">
    <title>第弐拾話</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/23.html</link>
    <description>
      523 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/25(日) 00:41:42 ID:???
第３新東京市を覆う空が、赤から深紫へと変わりつつある頃。 

「電気系統、最終チェック、完了」「走行制御プログラム、チェック完了」 
「N2リアクター安全装置確認完了」・・・・・・ 

第二研究所では、JA1の最終調整が行われていた。 
すでに腕部、サンダーフィストの機構の改造は終わり、まるで胸の前で祈っているかのように手が組まれている。 

「手を固定した分の制御プログラムの書き換え、思いのほか早く終わりましたね、主任」 
「あぁ・・・どうにか、いけそうだな」 

時田と加藤はいつもと雰囲気の違うJAを見上げる。人工的明かりに照らされるその姿は、昼間の印象とは随分違う。 
胸部では、換装されて真新しい装甲が、大型LED灯が放つ光を鈍く反射している。 

「すでにJA改は第一を出発、まもなく須雲川付近に降下するそうです」 
「おい、加藤、第一の連中はまだ未完成のJA改を、輸送機からそのまま直接降下させる気なのか？」 
「いえ、何でも事前に開発していた緊急大型パラシュートを使ってだそうです」 
「・・・いつの間にそんなものを・・・」 

ほとほと第一研究所の方針には呆れてしまう。とは言っても、時田がジェットアローン開発推進部主任として、 
第一研究所にいた頃から、彼らのJAに対する熱意はクレイジーの域であったから、さほど驚きはしない。 
今や前線として活躍する第二研究所にも第一から多くの人員が異動してきているが、未だに第一のマンパワーには叶わない。 
JA一号機があれほど驚異的スピードで保守修復ができたのも、彼らの熱意もあってからこそだ。 

しかし、一体どうやってパラシュートを作る予算を確保したのだろうか。 
時田はあえてその疑問には目を瞑ることにした。主任だからこそ、知らないほうがいいこともある。 

「とりあえず、自分たちも移動始めましょうか？」 
「そうだな。NERVから通達された時間も近いな。よし、JA起動準備だ！」 





524 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/25(日) 01:00:28 ID:???
使徒に補足されないよう明かりを消し、箱根山を影にして迂回する形で双子山へ向かう時田たちのヘリ。 

「・・・見えてきましたね」 
「・・・すごい明かりの数だな」 

道を埋め尽くすおびただしい数の変電車両、送電車両の数々。這わされた電源ケーブルの数、太さは数え切れない。 
大型重機が巨大なパーツを路上に積み上げ、その合間をNERV、戦自研の技術者たちが走り回っている。 
双子山、そして駒ケ岳の影になっているおかげで使徒からは見えないのだろうが、それでも 
作戦がバレてしまいそうなほどに、現場は熱気と活気に満ちている。 

時田たちがヘリを降りると、彼らに向かってくる二つの影があった。 

「JAの調整が終了したそうですね。ご苦労様です、時田主任、加藤副主任」 
「いえ、あんなことは苦労のうちには入りませんよ、葛城作戦部長、赤木博士」 
「それもそうですね。あちらに指揮車両があるので、そこまでご案内します」 

変電機が設置されている道路より少し離れたところに停車している14式大型移動指揮車。 
電磁波遮断素材で覆われた内部は、端末で囲まれていることもあってかなり狭い。 

「実は時田主任、通達していたヤシマ作戦ですが、第二案より若干修正があります」 
「・・・！？」 

作戦修正など連絡を受けていない。それを言及しようとすると。 

「先ほど第二研究所に連絡しましたが、こちらに移動中ということでしたので」 

とってつけたようにミサトは言葉を付け加える。 
真っ当なことを言っているようだが、ようは中継して伝えるのが面倒だっただけだ。 



525 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/25(日) 01:10:50 ID:???
「まず、JA側の作戦行動には大きな変更はありません」 

言葉を続けるミサト。その脇ではリツコが端末をたたいている。 

「修正内容として、おとり役として、我々NERVのエヴァ零号機も出撃します」 
「…！！　エヴァも出撃ですか！？」 
「そうです。JA一号機の後方を追尾する形でおとり役を務めます」 

――JAと違いエヴァは有人兵器。。。 
あそこまで時田を悩ませ、JAのおとり役を決定付けた零号機の出撃有無を、いまさら変更したのだ。 
急に頭に血が上る。 

「しかしっ！それではまるでJAをわざわざ出す意味が！有人兵器をおとりなど・・・」 
「それにはちゃんと理由があります！」 

彼の言葉をさえぎるように発言するミサト。だてに作戦部長の任をこなしているわけではない。 

「まず、聞いてください」 

ミサトの冷静な声を聞き、一気に平常心を取り戻す時田。冷静さをかけた自分を恥じる。 

「貴方方が提案された第二案を元に、NERVでは、おとりとして走行するルートを熟考していました。 
　これが、当初の走行ルートです」 

右手のディスプレイに第３新東京市の詳細図が映し出される。 

「赤木博士、お願いします」 

端末に向かっていたリツコが顔を上げ、ミサトの説明を引き継ぐ。 




526 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/25(日) 01:32:42 ID:???
「MAGIによる戦術シミュレーションを実行したところ、北東ブロックのB-15から18までを走りきる際、 
　使徒の加粒子砲による攻撃を受ける可能性が95.8％、加えてJAの磁場による回避不能の可能性が提示されました」 

画面には「Expected direction（敵予想攻撃方向）」と表示され、直線の軌跡が引かれていく。 

「JAの磁場による加粒子砲回避に使徒が気づいた場合、あるいは敵が誤射した場合、 
　78.3％の確率で、JAの足元に加粒子砲は命中、その際に爆風によってJAが倒れる可能性は99.9％です」 
「この場合、JAは大破、また目標がこちらに攻撃、あるいは反撃をするのは間違いありません」 
「さらに、盾についてですが、MAGIは、最短で17秒、運がよくとも、もって25秒で融解すると解を提示しました」 
「NERVと戦自のくみ上げた陽電子砲は初発まで最低70秒、二発目までに20秒はかかります。 
　つまり、もし万が一、貴方方のJA一号機が大破した場合、JA二号機、さらにエヴァ初号機すら大破する恐れがあるのです」 
「・・・・・・」「・・・・・・」 

時田と加藤は黙って聞いていた。予想以上にシビアな戦いだということを実感させられる。 
JAの二体同時大破。これはなんとしてでも避けたい事態である。 

「そこで、エヴァ零号機をJA一号機に追従させることを作戦部として提案しました。 
幸い、エヴァのATフィールドは加粒子砲こそ貫かれますが、爆風程度では破れるものではありません」 

先ほどの第３新東京市の詳細図の上に、JAの走行ルートを現す赤い軌跡を沿うように青い軌跡が描かれる。 

「このルートで走り出し、直線区間で攻撃を受けた場合、JAの磁場発生と同時にATフィールドを展開させれば、 
　被害を最小限に抑える事が出来ます。直線区間を走行後はエヴァ零号機は回収スポットにより地下へ回収、 
　JA一号機はそのままおとりとして走行を続けさせます。あとは初案どおり、全てのルートをおとりが走りきる前に 
　陽電子砲によって狙撃、使徒を撃破します」 

「MAGIの結果は・・・？」 

時田が尋ねると、正面モニタに大きく数字が映る。 

「25.41％――――これが、ベストな方法です」 


527 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/25(日) 01:46:43 ID:???
初案で出された勝算は8.7％。それを考えれば随分と高い数値である。 
零号機が出撃するのは、実質、使徒の攻撃を受ける可能性のある直線区間だけだ。 
それもJAへの爆風を防ぐためのATフィールド展開役としてである。 

スタイリッシュでもない。あるいは、トレンディーでもない。だが、これが今あるうちの、最もスマートなやり方だ。 

「・・・分かりました。それで行きましょう、葛城部長」 
「ご理解が早くて助かります、主任」 

もとより作戦指揮権、戦略指揮権はNERV作戦部にある。もし従わなければ、超法規的権利の元でジェットアローンと 
その制御権はNERVに徴収される可能性だってあるのだ。JAが二体とも無事なままに作戦を遂行できるなら、それに越した事は・・・ 

そこまで考えて、ふと、時田の顔には皮肉な笑みが浮かんでしまう。 

――結局、俺はJAのことしか考えてないんだな・・・ 

その表情を見て見ぬフリをし、そのまま話を続けるミサト。 

「まもなくこちらにパイロットとエヴァが到着します。隣にもう一台、簡易指揮車両を用意させましたので、 
　そちらで待機していてください。急ごしらえの車両ですが、日重工にもちゃんとつながるはずです」 
「・・・あ、はい、分かりました」 

時田もようやく現実に戻る。どうもJAのこととなると、頭がいっぱいになってしまうらしい。 

「ほかに本作戦について疑問点等ありますか？」 
「いえ、特には」 
「それでは、よろしくお願いします」 

―――ポッポッ　ピーっ 

時報が午後７時を伝える。あたりはもう暗い。　　　　　――ヤシマ作戦開始まで残り５時間。 


537 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/29(木) 19:23:29 ID:???
「ケンスケ、お前の親父さんの話、本当なんやろなぁ？」 
「間違いないね。パパのデータをちょろまかして見たんだ。今日の今日の七時半、R-20さ」 

第３新東京市外れの山間、第壱中学校屋上。少年達はエヴァを一目見ようと集まっていた。 
あたりはもう暗く、彼らの明かりとなるのはケンスケが持っているカンテラだけだ。 

「それにしてもエヴァっちゅーのは、あのごついロボとは違うんやろ？」 
「そうさ。あれは日本重化学共同体のジェットアローン。NERVの主力ロボットはあんなもんじゃないらしいぞ」 
「ほな言うても、あのじぇっとなんとかでちゃんとバケモン倒してるんやろ？」 
「まぁね。でもかなり苦戦を強いられてるらしい。今までNERVがエヴァを出さなかったのは秘密兵器だからさ。それも超強力なね」 
「それにしても、えらい遅いのぉ。わいら避難してないのバレたらタダじゃすまんぞ」 




538 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/29(木) 19:24:34 ID:???
と、そのとき。 

―――ビィ　ビィ　ビィ　　　　　……グゥゥゥゥゥゥゥゥン　ガシャン！ 

「や、山が割れおった！」 

山間の射出口から現れた深紫の影が一つ。手には逆三角形状の大きな盾を持っている。 

「エヴァンゲリオンだぁ！」 

少年達が歓喜の声を上げる。 

「かっけぇぇぇ！」「なんだあの盾！」「すげぇよ、エヴァすげぇ！」 

「エヴァンゲリオン初号機、NERVの主力決戦兵器だよ！」 

ケンスケがビデオカメラ片手に解説を入れる。 

「あのじぇっとなんとかっつーのとはえらい違うのう。なんつーか・・・」 
「そう、なんといってもエヴァはかっこいい！」 

少年達の羨望のまなざしを受けながら、夜の闇の中を歩いていく初号機。 

「それにしても、あんなにカッコいいんだったら、碇のやつも無理やりにでも連れてくればよかったなぁ」 
「しゃぁないやろ？センセは病院行くゆうてたんやし」 

ミサトの口止めにより、彼、碇シンジがパイロットであることはまだ知られていない。 

[[第弐拾壱話]]    </description>
    <dc:date>2021-07-10T14:41:34+09:00</dc:date>
    <utime>1625895694</utime>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/22.html">
    <title>第拾九話</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/ja-tokita/pages/22.html</link>
    <description>
      496 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/20(火) 01:17:54 ID:???
「・・・それは一体どういうことでしょうか？」 
「つまり、おとり役のエヴァの危険性を限りなく低くし、さらに確実に狙撃する方法を考え付いた、ということです」 

一瞬沈黙するミサト。だが。 

「残念ながら、すでにヤシマ作戦は先の立案どおり計画が進んでいます。よって、現段階で作戦内容の変更は認めません」 

思わず口から出たのは拒絶、否定の言葉。軍人としての的確な判断――そのつもりだった。 
一体どんな方法かは分からないが、今の段階で計画の変更をすれば確実に間に合わない。 
使徒が本部に到達したら、それこそ迎撃は難しくなる。 
そんなミサトを見つめながら、しばしの沈黙ののちに口を開く時田。 

「・・・目標の加粒子砲を簡単によける方法を思いついた、と申し上げたら、どうでしょうか？」 
「！！！」 

使徒の放つ加粒子砲。それは今回の使徒迎撃作戦で最も厄介とされている項目だ。 
いや、それ以前にあの長距離加粒子砲さえなければ、わざわざ面倒な狙撃などせず、近接白兵戦を挑んだほうが遥かに早い。 
すでに時田の意味するところを知った日向も、ミサトを見つめて判断を待っている。 

「・・・今から赤木博士を呼びます。話はそれから聞きましょう」 




497 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/20(火) 01:19:25 ID:???
「では、時田主任、お話いただけますか？」 

発令所第一フロアには日向、ミサト、リツコ、そして青葉が集まっていた。 
シンジは結局締め出され、また、マヤは狙撃プログラムのチューニングに忙しいため来ていない。 

「はい、先ほども申し上げましたが、敵の加粒子砲をほぼ確実によける方法、そして、 
　JA大破の危険性を冒すことなしに狙撃役のエヴァを守る方法を考え付きました」 

日向の端末をかり、立体ディスプレイに簡単な数式を打ち込む。 

「これです」 
「・・・。これがどうかしたのですか？」 

狙撃プログラムの構築を邪魔されて機嫌が悪いリツコは、きつい目で時田にたずねる。 
一方、科学にうといミサトはあまりよく分かっていないようだ。 

「リツ・・・赤木博士、この数式は一体なんですか？」 
「これはローレンツ力の公式――高校で習う初等物理の教科書にすら書いてあるほど単純な公式よ。 
　それで、時田主任、これが先ほど述べられた方法とどのように関係あるのですか？」 
「赤木博士・・・分かりませんか？使徒の放つビームは中性粒子砲ではなく、プラス電荷の加粒子砲。 
　電荷を帯びている以上、磁場の中に入ればローレンツ力を受け軌道が湾曲することになります」 

さらに式を打ち込み、グラフ化させる。そこには緩やかな曲線を描くビームの軌跡のモデルが表示されている。 

「はい、それは承知しています。NERVも陽電子砲の軌道が地球磁場によってずれないよう計算はしています。 
　それに先の使徒の加粒子砲の射撃の精密さから考えらうるに、使徒も磁場等の外的要因を計算して射撃していることが分かっています。 
　いまさら磁場で加粒子砲を曲げるなどとは・・・」 
「私が言いたいことはそういうことではありません。　我　々　が　、磁場を生じさせればよい、ということです」 


498 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/20(火) 01:20:32 ID:???
「しかし、第３新東京市には磁場発生の装置はありませんし、エヴァにもそのような機能はありません」 
「・・・葛城作戦部長、何か忘れていませんか？」 
「・・・まさか」 
「えぇ。我々のJAであればそれが可能なんです」 

日向から紙と鉛筆を借りると、JAの腕部の図を描き、ミサトらに説明する。 

「JAにはサンダーフィストという・・・いわゆる必殺技があります。第三使徒に使用し撃破、実績のある攻撃手段です」 

手首の部分のリングをさらに細かく書いていく時田。 
彼の頭の中にはJAのありとあらゆることが、克明に記憶されている。その筆に一抹の迷いも見受けられない。 

「両手首にあるリングから超高圧電流を放電し、その状態で張り手を放つというものです。 
　現時点ではまだ欠点、欠陥も多いですが、JAの最強の攻撃手段といっても過言ではありません」 

大電流を流すように設計されている手首の通電リングの部分は、当然ながら電気抵抗がきわめて低い 
最高グレードの超伝導ケーブルが使われている。 
左右の手首のリングを平行に構えて大電流を流せば、当然、リングの中心を通る方向に大規模な磁場が発生する。 
この磁場を使って使徒の加粒子砲の軌道をずらし、回避しようというわけである。 
JAがエヴァの替わりにおとりをすれば、わざわざ有人兵器をおとりにする必要がなくなる。 

「続けて申し上げますと、これには問題点も少なからずあります。 
　まず、JAは遠隔操作による無人兵器ですので、人的制御に限界があります。そのため、たとえ高機動モードにしたとしても、 
　使徒が軌道補正した攻撃を放った場合は咄嗟の判断での回避が難しいということです」 

機動性、そして咄嗟の反応による瞬発力さえあれば、おとり役はJAがやってもかまわなかったのだ。 
だが、現実、JAは機動性は高いとはいえず、また咄嗟の回避など絶望的だ。 

「次に、とうぜん強力な磁場を展開するので、周囲に鉄分を多量に含んだものがあった場合、 
　あるいは磁場による影響を多大にうけるものがあった場合、第３新東京市の迎撃機能に傷をつける恐れがあります」 


499 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/20(火) 01:23:57 ID:???
ミサト、リツコは、時田の説明を聞きながら、彼の方法の採用でどれだけ勝率が変化するかを自らの頭の中で考えていた。 
確かにおとりが零号機というのは不安がある。プロトタイプの零号機が大破すれば、装甲から新作しなければならないこと必死だ。 
持たせている日重工製の大型防御盾も使徒の加粒子砲のエネルギーに耐えられるわけではない。 

「質問があるわ。あなたの考えだと、おとり役をJAがやってうちの零号機が初号機――狙撃主のことです――の 
護衛役につく、ということでいいのかしら？」 

ミサトが作戦部長という立場から訪ねる。 

「いえ、違います」 

時田が答える。 

「では初号機の護衛は誰が行う予定ですか？まさか護衛者なしに狙撃をしろとでも？」 
「いえ、我が日重工のジェットアローン二号機、通称JA改に防御盾を持たせ、エヴァ初号機を防衛します」 
「・・・JA改？！」 

NERVの面々も、噂にだけは聞いていた”もう一体のJA”。 
本来、日重工がジェットアローンとして設計・建造していた”本物”のジェットアローンという。 
だが、度重なる使徒戦により、計画は大幅に遅延し、まだ実戦投入には時間がかかるときいていた。 

「そのJA改、・・・本当に動くんですか？」 
「・・・正直に申しますと、まだ完成してはいません。ですが、片腕の換装だけなら数時間で終わります。 
　腕一つあれば我々の防御盾を装備し、エヴァ初号機の防衛任務をこなせると確信しています」 

先ほどから続く時田の思わぬ提案にミサトも判断を迷っていた。 
確かにプロトタイプの零号機はシンクロ率が低く、機敏な動作は苦手だ。 
今回のおとり役も、シンクロ率の高い初号機でなければ、狙撃の際の誤差が致命的になる、という理由から止む無くのことだった。 



500 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/20(火) 01:42:21 ID:???
一方で、おとり役が十分に使徒の注意を引きつけていなければ、狙撃の成功はおろか、初号機の大破すらありうる。 
時田の案は合理性の観点から見れば十分採用してもいいものだ。 
考えうるリスクも、最悪でJAの二体大破だが、それでも迎撃体制にはエヴァ２体が残る。悪くはない。 

「（例え農協ロボ改が作戦開始時刻までに間に合わなくても、零号機が盾を持てばいいはずだし・・・）」 

時田はミサトを見つめる。顔はあくまで余裕を装っているが、JAの未来を決める提案だ、内心、拒絶されるのではという不安が大きい。 
「・・・どうでしょうか」 
「分かりました。今回のヤシマ作戦の第二案として採用します。至急JA改の換装作業を始めてください。 
　もし万が一、第二案が実行できない場合、我々NERVはあなた方の了承なしに第二案を放棄、初案を実行します。いいですね？」 
「かまいません。 
　　　――必ず間に合います」 

時田の自信に満ちた声が、発令所に響き渡った。 




501 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/20(火) 02:10:09 ID:???
「・・・ヤシマ作戦の内容変更点は以上です。何か問題がある場合には作戦部に連絡を頂戴」 

ミサとは館内放送を終えると、早速、日向とJAの走行ルートについて見当を始める。 
時田はすでに発令所を後にしており、第二研究室へ急いでいる。 
まずはJAのリング部分を磁場が確実に発生できるように調整しなければならない。 

――　プルルルルルっ 

電話がなる。 赤の受話器ということは守秘回線だ。 

「はい、作戦部」 
『ミサト？』 
「あぁ、リツコ？どうだった？」 
『そうね、彼からのデータをもとに計算したところ、あの出力で地面と水平方向に磁場を生じれば、 
　ほとんどの加粒子砲を避けれることが分かったわ』 
「そう、じゃぁ彼らがちゃんと機体の調整してくれれば、第二案でいけるってコトね」 
『いいえ、そう簡単ではないわよ。MAGIにシミュレーションさせたけど、やはりJAの反応じゃ厳しいわ」 
「なんでよ？ビーム避けられるなら関係ないでしょ？」 

時田がいない今、自然としゃべりもフランクになる。だが、しゃべりこそ余裕でも、内心は別だ。 

『あなた仮にも作戦部長なんでしょ？もう少し考えなさいよ』 
「・・・赤木博士、コトは急を要するわ。可及的速やかに・・・」 
『分かったわよ、説明してあげるわ・・・』 
「さっすがリツコ、やっさしぃ～」 
『もし使徒が、JAの放つ磁場に気づいて、その軌道を変更したとすれば、加粒子砲はJAではなく、 
　彼の手前の地面を直撃する事になるはずよ。そうなれば路面は融解、しかも爆風でJAがバランスを崩す可能性だってあるわ』 
「・・・なるほど。何とか遮蔽壁で防げないかしら？」 
『それを考えるのが貴方の仕事でしょう？今、日向くんのほうにMAGIからデータを送ったわ。 
　残り時間で何とかあの農協ロボをうまく使う方法を考える事ね』 
「わぁってるわよ～もぉ。なんか釈然としないわぁ」 


502 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/20(火) 02:11:44 ID:???
場所は変わり、NERV総司令官公務室。 
相変わらずだだっ広いこの部屋の中央で、冬月は各所から送られてくるヤシマ作戦のデータに目を通していた。 

「いいのか？碇」 
「冬月・・・お前が勝手に許可を出したのだろう」 
「そうか？お前が黙っているから俺はてっきり賛成だと思ってな」 

先ほど、ミサトからヤシマ作戦第二案を提案されたときのことである。 
内心で、今回の作戦でJAを大破させ、しばらくは使徒迎撃の指揮権をNERVが保有しようと目論んでいたゲンドウは、 
JA改という思わぬファクターの出現に、判断のためのしばしの沈黙を要した。が、その間に冬月が許可を出してしまったのである。 

「しかし、あれだな、彼らは疲れというものを知らないのか」 
「・・・・・・」 
「二週間前の加持君からの報告書では、まだ装甲すら装備していない状態だと聞いていたが」 
「・・・・・・ふゆつき」 
「しかし、JA二体とエヴァ二体、計四対のロボットによる迎撃戦、俺が子供のころに見ていたアニメよりも派手だな」 
「・・・・・・冬月」 
「ましてや相手は難攻不落の未知の生命体。映画化決定だな」 
「冬月」 
「なんだ？」 
「確信犯という言葉を知っているか？」 
「お前の言わんとすることは分かるが、碇、それは謝った用法だ」 
「・・・さすが冬月先生、文学部にでも転向なさったらどうですか・・・」 
「棒読みではいかんぞ、碇」 

ゲンドウを相手どり、からかいながら時間をつぶす冬月。 


503 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/20(火) 02:16:01 ID:???

「冬月・・・ちょっと出かける。しばらく頼む」 
「そうか、まぁ任せておけ。お前の椅子、借りるぞ」 

ついに嫌気がさしたのだろうか、ゲンドウは廊下に続く扉へと向かう。 
今まで立っていた冬月は、持ち主のいなくなった椅子へ飄々と腰をおろす。 

「・・・さて。彼は、・・・彼らは何を見せてくれるかな」 

先ほどまで夕日の差し込んでいた公務室も、徐々に暗闇に支配され始める。 
すでに作戦開始時刻まで６時間をきろうとしていた。 





517 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/23(金) 00:18:29 ID:???
大深度施設内のある一角。そこで綾波レイは時間をつぶしていた。 
ゲンドウが声をかける。 

「レイ・・・・・・ここにいたのか」 
「・・・はい」 
「調子はどうだ」 
「・・・問題ありません」 
「そうか」 

二人の間に流れる沈黙。 

「・・・碇司令、今回の作戦には私は参加しなくて良いのですか？」 
「葛城君の放送を聞いたか・・・。そうだ、おとりはあのロボットがやる」 
「・・・私ではダメなのですか？」 
「そういうわけではない」 

困惑――彼女が抱いた感情。 

「・・・碇くんを、守らなくても良いのですか」 
「・・・あの命令は――」 

ゲンドウが言葉に詰まりかける。が、そのとき。 

――ピピピッ　ピピピッ 

ポケットの小型端末がなる。 

「なんだ、冬月」 
『碇、葛城君がまた来ている。作戦について、一部修正案があるそうだ』 
「お前が対応しろ」 
『待て、葛城君は零号機とレイの出撃を希望している』 
「・・・。わかった。今行く」 


518 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/23(金) 00:34:48 ID:???
この数分前。第一発令所内。 

「んなぁによぉ！どうしてダメなわけぇ！？」 
「・・・葛城さん、キーボードたたくのやめてくださいよ。キーが外れて・・・」 

そう言ってる間に、F21と印字されたキープレートが床に転がる。 

「ちょっとMAGI逝かれてるんじゃないの！？」 
「そんなことないですってば」 

ミサトたちが揉めているのは、JAのおとりのための走行ルートだ。 
第３新東京市内の兵装ビルの間をジグザグに走り、敵の加粒子砲を避ける。 
遮蔽壁が出せる地点でビームやその爆風を避けつつ方向転換し、南から北西ブロックまで走りぬけ、 
初号機の狙撃時間90秒を稼ぐ予定であった。だが。 

「どうしても北東ブロックのこの直線、難しいですね」 

そう、あらゆるルートを試してみたが、どうしてもある直線区間を遮蔽物なしで走りきらねばならず、 
その間に敵の加粒子砲が命中、あるいは誤爆による爆風でJAは吹っ飛んでしまう。 
加粒子砲の歪曲は、磁場によってJA上方にそらされる事になっている。 
つまり、ちょうど正面からビームが来た場合、JA頭部の上空をビームが通過する想定だ。 
が、敵が補正して加粒子砲を打ち出した場合、それを考慮してJAの足元を狙って撃ってくるとMAGIは計算したのだ。 
とりあえず南ブロックから北東ブロックまでは、磁場歪曲や遮蔽壁で何とかなるが、その後の直線がどうしても難しい。 


519 ：199-200 ◆/Pif9px8OM ：2006/06/23(金) 00:39:10 ID:???
「かぁといって、農協ロボに水あげて高機動モードにするわけにはいかないし・・・」 
「どうするんです、葛城さん。初案に戻したほうがいいんじゃ・・・」 
「それじゃぁNERVのプライドがぼろぼろじゃないっ！いい、あいつらは二度も自力で勝利してんのよ。 
　専門組織のNERVが出来なくてどーすんのよ！」 

思わぬ壁にぶつかったミサトは、やり場のない苛立ちを日向にぶつけている。上司失格である。 

「だいたい、農協ロボは咄嗟の判断が出来ないくせに今まで勝ってきたなんておかしいのよ！」 
「これで、あと少し機動力があって、回避行動できれば完璧ですからね。赤木博士に相談したらどうです？」 
「無理よ、二度もアタシのお願い聞いてくれるほど優しくないもん、リツコは。親友なのに」 
「困りましたね・・・もう時間がありませんよ。JAがATフィールドを展開できたらよかったんですが」 
「そうよ！ATフィールドなしに使徒に勝つなんてルール違反だわ。エヴァがJAに乗っかって出撃を・・・」 

そこまで言って、ミサトは言葉を止める。日向がそのわけを尋ねようとしたとき・・・ 

「そうよ！その手があったじゃない！」 

再三、赤木博士へのコールがなることとなった。 

[[第弐拾話]]

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