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**0310:出発 美しい黒髪が揺れて、竜吉公主はその場に立ちすくんだ。 顔の血の気は失せ、魂を奪われたかのようにゆっくりと崩れ落ちる公主を、 寸でのところで逞しい腕が抱きとめる。 「しっかりするのだ、公主さん・・・公主さん!」 ターちゃんの両の腕が彼女を支えるも、密着した小さな背中越しに、仲間を失った動揺が伝わる。 放送が終わった。聞き終えた今も、主催者の呪いの言葉が、身体の中に渦巻き、 公主の弱った心身を蛇のような力で締めつけていた。 (・・・・・・富樫) 彼女のいる小部屋に香る、白檀の御香。 崑崙では嗅ぎ慣れぬ、しかし、どこか懐かしい香りは彼が苦心して探してくれたものだと、聞いた。 (・・・斎藤・・・沖田) 強き瞳の狼達は大蛇に追いつき、己の正義に殉じたのだろうか。 (あの時・・・私が大蛇丸を斬っておれば・・・) 瀬戸大橋での攻防戦。強敵とはいえ5対1である。勝敗は決したと読み、ダイ達は大蛇丸を逃がしてしまった。 あの時点で違う決断をしていれば犠牲者の数も少なくて済んだのではないか。 しかし、公主は首を振る。闇雲に戦いに走ることが正しいことではない。 また、それで殺し合いを助長させてしまうのもよくないことだ。 それでも、こうしておけば、と考えずにはいられなかった。 後悔に涙を流す公主を、ターちゃんは何も言わずしっかりと抱いていた。 ターちゃんは―――――自分の家族も仲間も失ってしまった。 だが、今は1人ではないから、悲しみに嘆くのは後回しだ。支えてやらなければならない人がいる。 (探しにいけなくてすまなかった)と心の中で何度も育ての親に謝った。 そして、窓越しの闇を見つめながら、太公望の無事を祈ろうとした時、 男の絶叫が聞こえた。 施設内の響く声は公主たちの知るものではなかった。 おそらくは、先ほど偵察に行ったダイが招待した者たちだろう。 建物の中にいるということは、ダイ自らが信用に足ると判断したのであろうが、 突然の敵の侵入という事も考えられる。肌に感じる禍々しい妖気に、公主は激しく警戒した。 「公主さんはここにいてくれ。私が見てくる」 「いや、私も行く。ダイが心配じゃ」 力の入らぬ身体を懸命に動かし、必死に立とうとする公主を、ターちゃんが抱き抱えて畳に座らせた。 「大丈夫だ・・・私もダイも、危険なことはしない。何かあればすぐに知らせるのだ。  少しの間だけ、ここで待っていてほしい」 「ターちゃん、しかし」 ターちゃんは子供のように、にっこりと笑った。人を安心させる不思議な笑みだ。 「大丈夫だ。行ってくるよ、公主さん」 何かを言いたげな瞳が、立ち上がったターちゃんに向けられている。 ターちゃんはドアを閉め、全速力で声の場所に走った。敵襲ならダイが応戦しているはずである。 陽が落ちて暗くなった廊下を駆け、途中、パリンと乾いた音が聞こえた。 (どんな敵だろうと指1本彼女に触れさせたりしない!) 「ダイ、無事か!!?」 「ターちゃん!」 駆けつけた助っ人に、困惑顔のダイが返事する。 「どうしよう、鵺野先生が・・・」 「なに・・・?」 ダイの示す方向には割れたガラスの扉と、取っ組み合う2人の男の姿が会った。 1人はターちゃんと同じ位の歳の青年。人間とは思えない異形の左手をしている。 もう1人は小柄だがガッチリした体格の中年で青年に掴みかかっていた。 その横では、2人の喧嘩に手を出そうとしては、何度も吹っ飛ばされている長身の男がいる。 争っているというより、出て行こうとする青年を中年(と長身の男)が力づくで引き戻している感じである。 「離せーーっ!離してくれ!両津さん!!」 「馬鹿野郎!!離せるか!今行ったって死にに行くようなもんだ!!」 男の怒号が、辺りに響く。 「あいつが死んだのは、兵庫から離れた俺の責任だ!俺が約束を破ったからだ!  俺が、俺が兵庫を離れなければこんなことには・・・!!」 「馬鹿を言うな、あれだけ探して見つからなかったんだぞ!?  玉藻も伊達もすでに別の土地に移動していたんだ。あんたのせいじゃないだろ」 「そうです、鵺野先生のせいじゃない!」 会話に出てきた、放送で聞き終えたばかりの名に、ダイは思わず戦慄を覚えた。 出会った時の不安定な鵺野の態度は、仲間を失った痛みからくるものだったのだ。 そして今も、行き場のない怒りに翻弄されている。 「俺を兵庫に戻らせてくれ!あいつを襲った奴がまだいるかもしれない!!」 「鵺野先生・・・許せよ」 言うが早いか、両津は鵺野を力任せに投げ飛ばし、すかさず柔道の絞め技で失神させた。 警察官というだけあって鮮やかである。 「ダイ」 両津の声に、ダイは我に帰る。 揉み合った際に切れて出血した頬を、乱暴に擦り、男が言う。 「すまんが空き部屋を貸してくれ。鵺野先生を休ませてやりたい」 「あ・・・うん、わかったよ。こっちに来て」 両津は鵺野を背負い、乾も後に続く。散乱したガラスの破片が散らばる入り口付近を通り抜けた。 と、そこで初めて、裸足のターちゃんの存在に2人は気が付いた。 重苦しい雰囲気の中互いに名乗り、歩きながら簡単な挨拶を交わした。 まず、一階の宿直室に案内される。線香の匂いが漂い、両津と乾はなんとも懐かしい気分になった。 「公主さん、入るよ。新しく仲間になってくれた人たちを連れてきたんだ」 ノックの後に、キィとドアを開くと、3畳ほどの空間の和室に長い髪の女性が座っていた。 憂いを秘めた面差しに、透けるような白い肌。両津と乾は不謹慎ながら、一瞬、心を奪われた。 彼女は竜吉公主と名乗り、古代中国の崑崙の仙人だと言った。 次に隣の『会議室』と書かれた部屋へ通された。こちらは六畳ほどの和室で長机と座布団が所狭しと並んでいる。 「休めそうな部屋はさっきの公主さんのいたところと、ここしかないんだ。   余計な物を運び出せば、ゆっくり眠れると思うよ」 「ありがたいぜ。さあ、乾、引越し開始だ」 4人は中の物を猛烈な勢いで運び出し、座布団を引いて鵺野を寝かせた。 ダイの薦めで、話し合いは広い管制室で行う事になった。 窓があり、風通しがよく、暗い夜でも月明かりが入るのだ。 両津は自分が話を聞いておくからと、乾にも休むように言った。 放送で呼ばれた乾の知り合い、「跡部」の名を気にしているのだ。しかし乾は休息を断る。 確かに疲れていたが、鵺野の無念さを思うと、とても休む気にはなれなかった。 一刻も早く情報を共有し、解決の糸口を見つけるつもりでいる。 「お前の言いたいこともわかるが、目が覚めた時に周りに誰も居なかったら混乱するだろう」 「ああ」 それは・・・そうだ。 焦る余り当たり前のことを失念していた。 「目が覚めたら教えてくれ。ま、別にお前も眠って構わんけどな」 両津は自分の上着を鵺野に被せ、心配そうに見ていたダイたちと共に部屋の外に出て行った。 薄暗い部屋に2人きり。 乾は本音を言えば話し合いに参加したかったが、疲弊しているのも事実である。 両津の言葉に甘えて、休息に専念することにした。 暗闇だと却って頭が冴えるな、と考えながら。 腰を下ろしてしばらくすると、乾はある異変に気付いた。 闇に目が慣れたせいもあるが、何か、悪寒がする。 嫌な予感がして、鵺野を見ると、鬼の手と呼ばれる左手が大きく腫れている。 「・・・郷子、玉藻・・・」 聞き取れるか聞き取れないか、そんな小さな声が乾の耳に聞こえた。 鵺野の閉じた目から涙が流れている。 「・・・・・ゆきめ」 「鵺野先生?」 禍々しいデザインの腕輪が、脈打つ肉に食いこみ始めていた。 まるで別個の寄生した生物が、人間である部分を侵食しているかのようだ。 (これはいくらなんでも、危ないんじゃないか?) 乾は慌てて、両津を呼びに行こうとドアを開けた。 殺風景な廊下に出ると。乾はふと、気配を感じた。 薄暗い回廊の片隅に、一際濃い影がある。そこには先ほどの女性、竜吉公主が立っていた。 てっきり会合に参加しているものとばかり思っていた乾は少々面食らった。 「・・・驚かせてしまったようじゃな、先刻からおぬしらの部屋から妙な妖気を感じ・・・  どうしても気になってしまってな、様子を見に来たのじゃ」 「それは、どうも・・・わざわざありがとうございます」 (妖気?この妙な胸騒ぎのする感覚のことだろうか。なんにせよ、鵺野先生の鬼の手が関係してる事は間違いないな) 乾は自分を仙人と名乗るこの女性ならば、こういった不可思議な問題に詳しいかもしれない、と期待をもった。 部屋に入ると、公主は邪悪なまでの激しい妖気を感じ、気配の先に居る男を見る。 「鵺野先生・・・竜吉公主さんが身体を診てくれるそうです」 隅に寝かされた男は答えない。代わりに苦しそうに呼吸するのみである。 乾が公主を招き、鵺野の傍に腰を下ろした。これが妖気の発生源か、と公主は思う。 腕だけを見れば完全な妖怪だが、他の部分は人間に見える。 「乾、この者は一体・・・」 乾は四国に辿り着くまでの道中に聞いた鵺野の能力、鬼の手について話した。 にわかには信じられない話だが、この仙女ならば理解してくれるだろうと思って。 「・・・鬼を身の内に宿らせて戦うのか」 なるほど、言われてみれば、鬼の部分と生身の部分。妖気と霊気の両方を感じる。 おそらく戦闘時は双方の気を練り合わせ、上手く利用しているのだろう。 「どうですか、鵺野先生は治るんでしょうか」 すでに異形の肉の侵食は肘の辺りまで進行し、乾が外に出る前よりも症状は悪化していた。 苦悶の表情で眠る鵺野を、公主は痛ましい目で見つめ、乾を落ち着かせるよう答えた。 「心配はいらぬ、この者の妖気は、腕に着けた封印具が制御しておる。  よほど、悪い夢を見ておるのじゃな」 「鵺野先生は・・・仲間を失っているんです。そのうえ夢の中でまで苦しみを受けるなんて」 あんまりだ、と静かに吐き出す乾。  「・・・・・・乾よ。案ずるな。時間が来れば落ち着きを取り戻そう。  騒ぎ立てて下手に不安を煽る事もあるまい。  彼は私が看る、おぬしはダイたちの会話に加わるが良い」 「でも、公主さんは」 「体質でな・・・あまり人の多いところは苦手なのじゃ」 会合には参加したかったが、人が多ければ空気が濁る。朝とは違い、今夜は密室である。 発作を起こし、話を中断させてしまっては申し訳無い。詳細は後で誰かに聞けばいいと、辞退したことを乾に話した。 「なら、なおさら2人きりにするわけにはいきませんよ」 「乾、先ほどの騒ぎ、聞こえておったよ。彼の力になりたいのなら、行って彼の代わりに話してくると良い」 公主は乾を諭し、会合に参加するよう促した。 ~~~ ダムの管理施設の一室でダイ、ターちゃん、両津、の3人は車座になって話し合っていた。 月明かりが、すっかり薄暗くなった部屋をぼんやり照らしている。 そこに乾が加わり、話が続く。お互いの経緯と情報、そして、これからの予定。 「・・・では、その太公望という方は和歌山に向かったきり、連絡が途絶えてしまったんですね」 「そうなんだよ・・・一緒にいた、富樫さんも死んじゃって・・・何かあったとしか思えないんだ。  すぐにでも助けに行きたいけど・・・どの辺にいるのかわからないんだ」 困り果てた顔で(実際のところ、暗すぎて表情は窺えないのだが)ダイが話す。 本当なら飛んでいきたい。けれど、それはできないのだ。 自分が出て行けばターちゃんと公主はたった2人きりになってしまう。敵が襲ってきたら取り返しがつかない。 あの時、放送を聞いた瞬間、みな言葉を失い立ち尽くした。 あの場で鵺野が叫ばなければ、取り乱していたのは自分だと、誰もがそう思っていた。 (もう二度と、あんな思いはしたくないよ・・・) 不幸の中にも、救いはある。味方が増えたことで、守備は厚くなった。 「だから(オレが太公望を探しに・・・!)」 ダイが言い終わる前に両津が発言した。 「あんた達の事情はわかった。わしが太公望とやらを探しに和歌山に向かおう」 「ええ!?」 「何を驚いとるんだ、あんた達が動けないんじゃわしらが動くしかないだろ。  なぁに、人探しは得意だ。なんたって本職だからな、大船に乗ったつもりでいろ!」  「無茶ですよ、両津さん。本人の顔も知らないのに。  それなら俺達がここを警備して、ダイ君かターちゃんさんに捜索に行ってもらった方がいいですよ」 「顔など話で聞けばわかる。ガキみたいな顔(ツラ)した仙人のジジイだろ。  まったく、歳をとらんなんて漫画みたいな奴だな」 江戸っ子気質のせっかちな両津である。 いきなり肩にデイパックを引っ掛けた彼に、乾までもが驚きの声を上げる。 「い、今から行く気ですか!?」 到着してまだ2時間と経っていないし、その間はお互いの情報交換でひっきりなしに喋りっぱなし。 一応、座れはしたが、食事すら摂っていない現状である。 「ああ。飯を食って、お前の銃のメンテナンスをしてからな。  動作も教えておくからわしがいない間、死んでもあの美女を守れよ」 「ちょっと待って、会ったばかりの両津さんにそこまでしてもらうわけにはいかないよ!  オレが行くよ!太公望はオレが探すよ!」 彼を探したい気持ちは自分の方が強い。 なにより、普通の人間が単独で動くには危険が大きすぎる。 「子供(ガキ)は黙ってろ」 「なんだと・・・わっ!!」 いきなり両津の太い腕が首に回されたかと思うとがっちりホールドされた。 毛むくじゃらの太い指がダイの頭を鷲掴み、髪をぐりぐりかき回す。 「痛い痛い、何するんだよぉっ!」 「ははは、ガキには負けんぞ。おっ、けっこう力があるな」 普通の人間にしては怪力の持ち主だ。モンスター並かもしれない。 けれど、勇者ダイの敵では・・・ 「このっ・・・・・・う、わ、ああっ!!」 いい加減、頭にきたダイが首に絡んだ厄介な腕を外そうと、力を入れる。 その瞬間、軽く腕を捻られたと同時に足を掬われて、あっけなく尻餅をついた。 「わしで決まりだな、小僧。お前はここでしっかり寝てろ、でないと背が伸びんぞ」 「何言ってんだよ、背は関係ないだろ!」 「子供を行かせるわけにはいかん、絶対に駄目だ」 両津とて、ダイがただの少年ではないことを重々承知していた。 何しろ、ただ1人主催者に突っ込んでいった勇者である。戦いなら間違いなくダイが上だろう。 しかし、目的は捜索であって戦闘ではない。 サバイバルなら両津の独壇場だ。たとえ太公望が動けなくとも人1人背負って生き残る自信はある。 そして、曲がりなりにも警官である。子供に危険な仕事を譲る気は絶対にない。 そこにスッと男の声が割り込んだ。 「両津さん、すまないのだ。ここは、ダイに行かせてやってほしい」  それまで黙っていたターちゃんが静かに口を開いている。 「わしは反対だ!たしかにコイツは勇敢で度胸もある。だがな、外は闇で敵もどこにいるかわからん。  誰が行っても危険は同じなんだ。わしが行くしかあるまい。  ・・・ただ、あんたが行くとなれば話は別だがな。  ガキに荒事を任せるような臆病者には見えんが、あんたは何故、自分が行くと言わんのだ?」 両津は青年に突っかかる。引き締まった強靭な筋肉は、ここにいる誰よりも強そうに見える。 その彼の態度が、子供を戦地に放り込む発言が、どうしても気に入らなかった。 ターちゃんは、険しい形相で睨む両津をまっすぐに見た。 「私には、ここで守らなければならない約束がある」  「・・・人が死ぬか生きるかって時に、そんなことを気にしてる場合か!  太公望を探しに行くのは、あんたかわしかのどちらかだ!お使いじゃねぇんだぞ!」 「ダイは子供ではない!!・・・・・・立派な男なのだ」 両津は男の迫力に思わず息を飲んだ。 ターちゃんはダイに向き直ると、しっかりと目を合わせた。 四国の死守は太公望の意志である。主催者打倒を目指し、仲間を集める大切な本拠地だ。 そして、公主。健気にこそ振舞っているが、依然として体調は優れず、今も苦しんでいる。 彼女を守ることが太公望と、死んでいった富樫の強い願いだ。 飛んでいきたい気持ちはダイと同じ。だが、守らねばならない約束もある。 「ターちゃん・・・」 ターちゃんは自分が正しいと思うことをするだけだ。 ダイはここにいる誰より、太公望を助けたいと願っている。だから、答えは出ている。 「私は命に代えても、公主さんと、この四国を守るのだ。  だから、ダイも無事に帰ってくると約束してくれ。太公望さんを頼んだぞ」 「ターちゃん!・・・わかった。必ず探してここに戻ってくるよ」 強い決意の光がダイの瞳に輝いていた。 &color(#99DDDD){【香川県のダム/一日目夜】 } &color(#99DDDD){【ダイ@ダイの大冒険】 } &color(#99DDDD){【状態】健康、MP微消費 } &color(#99DDDD){【装備】出刃包丁 } &color(#99DDDD){【道具】荷物一式(2食分消費)、トランシーバー、ペガサスの聖衣@聖闘士星矢 } &color(#99DDDD){【思考】1、太公望捜索。東へ } &color(#99DDDD){    2、四国を死守 } &color(#99DDDD){    3、公主を守る } &color(#99DDDD){    4、ポップ、マァムを探す } &color(#99DDDD){【竜吉公主@封神演義】 } &color(#99DDDD){ [状態]:疲労進行中、お香焚きこめ中 } &color(#99DDDD){ [装備]:青雲剣@封神演義 } &color(#99DDDD){ [道具]:荷物一式(2食分消費)、アバンの書@ダイの大冒険、お香(残り7回) } &color(#99DDDD){ [思考]:1.太公望の心配 } &color(#99DDDD){     2.鵺野の看病 } &color(#99DDDD){     3.四国を死守 } &color(#99DDDD){     4.呪文の習得(『フバーハ』か『マホカンタ』が候補) } &color(#99DDDD){ [備考]:キアリーを習得 } &color(#99DDDD){【ターちゃん@ジャングルの王者ターちゃん】 } &color(#99DDDD){ [状態]:健康 } &color(#99DDDD){ [装備]:なし } &color(#99DDDD){ [道具]:荷物一式(2食分消費)、恥ずかしい染みのついた本@ジャングルの王者ターちゃん } &color(#99DDDD){ [思考]:1.四国の死守 } &color(#99DDDD){     2.公主を守る。 } &color(#99DDDD){     3.仲間を守る。  } &color(#99DDDD){ [備考]:太公望の計画が全国の動物達に伝わるのは少々時間がかかります。 } &color(#99DDDD){チーム【公務員+α】 } &color(#99DDDD){【共通思考】1、仲間を増やす。 } &color(#99DDDD){      2、三日目の朝には兵庫県へ戻る。ダメなら琵琶湖へ。 }       &color(#99DDDD){【両津勘吉@こち亀】 } &color(#99DDDD){【状態】健康、頬に軽い傷 } &color(#99DDDD){【装備】マグナムリボルバー(残弾50) } &color(#99DDDD){【道具】支給品一式(一食分の水、食料を消費) } &color(#99DDDD){【思考】1、太公望捜索。鵺野先生が心配。 } &color(#99DDDD){    2、可能なら麗子と合流。 } &color(#99DDDD){    3、主催者を倒す。 } &color(#99DDDD){【乾貞治@テニスの王子様】 } &color(#99DDDD){【状態】健康 } &color(#99DDDD){【装備】コルトローマンMKⅢ@CITY HUNTER(ただし照準はメチャクチャ)(残弾30) } &color(#99DDDD){【道具】支給品一式(ただし一食分の水、食料を消費、半日分をヤムチャに譲る)手帳} &color(#99DDDD){    弾丸各種(マグナムリボルバーの分は両津に渡してある) } &color(#99DDDD){【思考】1、これからのことを話し合う } &color(#99DDDD){    2、越前と合流し、脱出を目指す。 } &color(#99DDDD){    3、脱出、首輪について考察中 } &color(#99DDDD){【鵺野鳴介@地獄先生ぬ~べ~】 } &color(#99DDDD){【状態】気絶  } &color(#99DDDD){【装備】御鬼輪@地獄先生ぬ~べ~ } &color(#99DDDD){【道具】支給品一式(水を7分の1消費) } &color(#99DDDD){【思考】1、気絶 } *時系列順で読む Back:[[ポップ・ウソップ冒険記~unbalanced of fierce attacker~]] Next:[[混沌体験//~空条承太郎はクールな仲間が欲しい~]] *投下順で読む Back:[[悪夢の泡]] Next:[[アミバ快進撃~前兆~]] |275:[[ある中学生男子の考察]]|両津勘吉|317:[[頼れる存在]]| |275:[[ある中学生男子の考察]]|乾貞治|320:[[死神交響曲第十一番第三楽章『王者』]]| |275:[[ある中学生男子の考察]]|鵺野鳴介|320:[[死神交響曲第十一番第三楽章『王者』]]| |275:[[ある中学生男子の考察]]|ダイ|317:[[頼れる存在]]| |202:[[小さな成果と次なる努力]]|竜吉公主|320:[[死神交響曲第十一番第三楽章『王者』]]| |202:[[小さな成果と次なる努力]]|ターちゃん|320:[[死神交響曲第十一番第三楽章『王者』]]|
**0310:出発 美しい黒髪が揺れて、[[竜吉公主]]はその場に立ちすくんだ。 顔の血の気は失せ、魂を奪われたかのようにゆっくりと崩れ落ちる公主を、 寸でのところで逞しい腕が抱きとめる。 「しっかりするのだ、公主さん・・・公主さん!」 [[ターちゃん]]の両の腕が彼女を支えるも、密着した小さな背中越しに、仲間を失った動揺が伝わる。 放送が終わった。聞き終えた今も、主催者の呪いの言葉が、身体の中に渦巻き、 公主の弱った心身を蛇のような力で締めつけていた。 (・・・・・・富樫) 彼女のいる小部屋に香る、白檀の御香。 崑崙では嗅ぎ慣れぬ、しかし、どこか懐かしい香りは彼が苦心して探してくれたものだと、聞いた。 (・・・斎藤・・・沖田) 強き瞳の狼達は大蛇に追いつき、己の正義に殉じたのだろうか。 (あの時・・・私が[[大蛇丸]]を斬っておれば・・・) 瀬戸大橋での攻防戦。強敵とはいえ5対1である。勝敗は決したと読み、ダイ達は[[大蛇丸]]を逃がしてしまった。 あの時点で違う決断をしていれば犠牲者の数も少なくて済んだのではないか。 しかし、公主は首を振る。闇雲に戦いに走ることが正しいことではない。 また、それで殺し合いを助長させてしまうのもよくないことだ。 それでも、こうしておけば、と考えずにはいられなかった。 後悔に涙を流す公主を、[[ターちゃん]]は何も言わずしっかりと抱いていた。 [[ターちゃん]]は―――――自分の家族も仲間も失ってしまった。 だが、今は1人ではないから、悲しみに嘆くのは後回しだ。支えてやらなければならない人がいる。 (探しにいけなくてすまなかった)と心の中で何度も育ての親に謝った。 そして、窓越しの闇を見つめながら、[[太公望]]の無事を祈ろうとした時、 男の絶叫が聞こえた。 施設内の響く声は公主たちの知るものではなかった。 おそらくは、先ほど偵察に行ったダイが招待した者たちだろう。 建物の中にいるということは、ダイ自らが信用に足ると判断したのであろうが、 突然の敵の侵入という事も考えられる。肌に感じる禍々しい妖気に、公主は激しく警戒した。 「公主さんはここにいてくれ。私が見てくる」 「いや、私も行く。ダイが心配じゃ」 力の入らぬ身体を懸命に動かし、必死に立とうとする公主を、[[ターちゃん]]が抱き抱えて畳に座らせた。 「大丈夫だ・・・私もダイも、危険なことはしない。何かあればすぐに知らせるのだ。  少しの間だけ、ここで待っていてほしい」 「[[ターちゃん]]、しかし」 [[ターちゃん]]は子供のように、にっこりと笑った。人を安心させる不思議な笑みだ。 「大丈夫だ。行ってくるよ、公主さん」 何かを言いたげな瞳が、立ち上がった[[ターちゃん]]に向けられている。 [[ターちゃん]]はドアを閉め、全速力で声の場所に走った。敵襲ならダイが応戦しているはずである。 陽が落ちて暗くなった廊下を駆け、途中、パリンと乾いた音が聞こえた。 (どんな敵だろうと指1本彼女に触れさせたりしない!) 「ダイ、無事か!!?」 「[[ターちゃん]]!」 駆けつけた助っ人に、困惑顔のダイが返事する。 「どうしよう、鵺野先生が・・・」 「なに・・・?」 ダイの示す方向には割れたガラスの扉と、取っ組み合う2人の男の姿が会った。 1人は[[ターちゃん]]と同じ位の歳の青年。人間とは思えない異形の左手をしている。 もう1人は小柄だがガッチリした体格の中年で青年に掴みかかっていた。 その横では、2人の喧嘩に手を出そうとしては、何度も吹っ飛ばされている長身の男がいる。 争っているというより、出て行こうとする青年を中年(と長身の男)が力づくで引き戻している感じである。 「離せーーっ!離してくれ!両津さん!!」 「馬鹿野郎!!離せるか!今行ったって死にに行くようなもんだ!!」 男の怒号が、辺りに響く。 「あいつが死んだのは、兵庫から離れた俺の責任だ!俺が約束を破ったからだ!  俺が、俺が兵庫を離れなければこんなことには・・・!!」 「馬鹿を言うな、あれだけ探して見つからなかったんだぞ!?  玉藻も伊達もすでに別の土地に移動していたんだ。あんたのせいじゃないだろ」 「そうです、鵺野先生のせいじゃない!」 会話に出てきた、放送で聞き終えたばかりの名に、ダイは思わず戦慄を覚えた。 出会った時の不安定な鵺野の態度は、仲間を失った痛みからくるものだったのだ。 そして今も、行き場のない怒りに翻弄されている。 「俺を兵庫に戻らせてくれ!あいつを襲った奴がまだいるかもしれない!!」 「鵺野先生・・・許せよ」 言うが早いか、両津は鵺野を力任せに投げ飛ばし、すかさず柔道の絞め技で失神させた。 警察官というだけあって鮮やかである。 「ダイ」 両津の声に、ダイは我に帰る。 揉み合った際に切れて出血した頬を、乱暴に擦り、男が言う。 「すまんが空き部屋を貸してくれ。鵺野先生を休ませてやりたい」 「あ・・・うん、わかったよ。こっちに来て」 両津は鵺野を背負い、乾も後に続く。散乱したガラスの破片が散らばる入り口付近を通り抜けた。 と、そこで初めて、裸足の[[ターちゃん]]の存在に2人は気が付いた。 重苦しい雰囲気の中互いに名乗り、歩きながら簡単な挨拶を交わした。 まず、一階の宿直室に案内される。線香の匂いが漂い、両津と乾はなんとも懐かしい気分になった。 「公主さん、入るよ。新しく仲間になってくれた人たちを連れてきたんだ」 ノックの後に、キィとドアを開くと、3畳ほどの空間の和室に長い髪の女性が座っていた。 憂いを秘めた面差しに、透けるような白い肌。両津と乾は不謹慎ながら、一瞬、心を奪われた。 彼女は[[竜吉公主]]と名乗り、古代中国の崑崙の仙人だと言った。 次に隣の『会議室』と書かれた部屋へ通された。こちらは六畳ほどの和室で長机と座布団が所狭しと並んでいる。 「休めそうな部屋はさっきの公主さんのいたところと、ここしかないんだ。   余計な物を運び出せば、ゆっくり眠れると思うよ」 「ありがたいぜ。さあ、乾、引越し開始だ」 4人は中の物を猛烈な勢いで運び出し、座布団を引いて鵺野を寝かせた。 ダイの薦めで、話し合いは広い管制室で行う事になった。 窓があり、風通しがよく、暗い夜でも月明かりが入るのだ。 両津は自分が話を聞いておくからと、乾にも休むように言った。 放送で呼ばれた乾の知り合い、「跡部」の名を気にしているのだ。しかし乾は休息を断る。 確かに疲れていたが、鵺野の無念さを思うと、とても休む気にはなれなかった。 一刻も早く情報を共有し、解決の糸口を見つけるつもりでいる。 「お前の言いたいこともわかるが、目が覚めた時に周りに誰も居なかったら混乱するだろう」 「ああ」 それは・・・そうだ。 焦る余り当たり前のことを失念していた。 「目が覚めたら教えてくれ。ま、別にお前も眠って構わんけどな」 両津は自分の上着を鵺野に被せ、心配そうに見ていたダイたちと共に部屋の外に出て行った。 薄暗い部屋に2人きり。 乾は本音を言えば話し合いに参加したかったが、疲弊しているのも事実である。 両津の言葉に甘えて、休息に専念することにした。 暗闇だと却って頭が冴えるな、と考えながら。 腰を下ろしてしばらくすると、乾はある異変に気付いた。 闇に目が慣れたせいもあるが、何か、悪寒がする。 嫌な予感がして、鵺野を見ると、鬼の手と呼ばれる左手が大きく腫れている。 「・・・郷子、玉藻・・・」 聞き取れるか聞き取れないか、そんな小さな声が乾の耳に聞こえた。 鵺野の閉じた目から涙が流れている。 「・・・・・[[ゆきめ]]」 「鵺野先生?」 禍々しいデザインの腕輪が、脈打つ肉に食いこみ始めていた。 まるで別個の寄生した生物が、人間である部分を侵食しているかのようだ。 (これはいくらなんでも、危ないんじゃないか?) 乾は慌てて、両津を呼びに行こうとドアを開けた。 殺風景な廊下に出ると。乾はふと、気配を感じた。 薄暗い回廊の片隅に、一際濃い影がある。そこには先ほどの女性、[[竜吉公主]]が立っていた。 てっきり会合に参加しているものとばかり思っていた乾は少々面食らった。 「・・・驚かせてしまったようじゃな、先刻からおぬしらの部屋から妙な妖気を感じ・・・  どうしても気になってしまってな、様子を見に来たのじゃ」 「それは、どうも・・・わざわざありがとうございます」 (妖気?この妙な胸騒ぎのする感覚のことだろうか。なんにせよ、鵺野先生の鬼の手が関係してる事は間違いないな) 乾は自分を仙人と名乗るこの女性ならば、こういった不可思議な問題に詳しいかもしれない、と期待をもった。 部屋に入ると、公主は邪悪なまでの激しい妖気を感じ、気配の先に居る男を見る。 「鵺野先生・・・[[竜吉公主]]さんが身体を診てくれるそうです」 隅に寝かされた男は答えない。代わりに苦しそうに呼吸するのみである。 乾が公主を招き、鵺野の傍に腰を下ろした。これが妖気の発生源か、と公主は思う。 腕だけを見れば完全な妖怪だが、他の部分は人間に見える。 「乾、この者は一体・・・」 乾は四国に辿り着くまでの道中に聞いた鵺野の能力、鬼の手について話した。 にわかには信じられない話だが、この仙女ならば理解してくれるだろうと思って。 「・・・鬼を身の内に宿らせて戦うのか」 なるほど、言われてみれば、鬼の部分と生身の部分。妖気と霊気の両方を感じる。 おそらく戦闘時は双方の気を練り合わせ、上手く利用しているのだろう。 「どうですか、鵺野先生は治るんでしょうか」 すでに異形の肉の侵食は肘の辺りまで進行し、乾が外に出る前よりも症状は悪化していた。 苦悶の表情で眠る鵺野を、公主は痛ましい目で見つめ、乾を落ち着かせるよう答えた。 「心配はいらぬ、この者の妖気は、腕に着けた封印具が制御しておる。  よほど、悪い夢を見ておるのじゃな」 「鵺野先生は・・・仲間を失っているんです。そのうえ夢の中でまで苦しみを受けるなんて」 あんまりだ、と静かに吐き出す乾。  「・・・・・・乾よ。案ずるな。時間が来れば落ち着きを取り戻そう。  騒ぎ立てて下手に不安を煽る事もあるまい。  彼は私が看る、おぬしはダイたちの会話に加わるが良い」 「でも、公主さんは」 「体質でな・・・あまり人の多いところは苦手なのじゃ」 会合には参加したかったが、人が多ければ空気が濁る。朝とは違い、今夜は密室である。 発作を起こし、話を中断させてしまっては申し訳無い。詳細は後で誰かに聞けばいいと、辞退したことを乾に話した。 「なら、なおさら2人きりにするわけにはいきませんよ」 「乾、先ほどの騒ぎ、聞こえておったよ。彼の力になりたいのなら、行って彼の代わりに話してくると良い」 公主は乾を諭し、会合に参加するよう促した。 ~~~ ダムの管理施設の一室でダイ、[[ターちゃん]]、両津、の3人は車座になって話し合っていた。 月明かりが、すっかり薄暗くなった部屋をぼんやり照らしている。 そこに乾が加わり、話が続く。お互いの経緯と情報、そして、これからの予定。 「・・・では、その[[太公望]]という方は和歌山に向かったきり、連絡が途絶えてしまったんですね」 「そうなんだよ・・・一緒にいた、富樫さんも死んじゃって・・・何かあったとしか思えないんだ。  すぐにでも助けに行きたいけど・・・どの辺にいるのかわからないんだ」 困り果てた顔で(実際のところ、暗すぎて表情は窺えないのだが)ダイが話す。 本当なら飛んでいきたい。けれど、それはできないのだ。 自分が出て行けば[[ターちゃん]]と公主はたった2人きりになってしまう。敵が襲ってきたら取り返しがつかない。 あの時、放送を聞いた瞬間、みな言葉を失い立ち尽くした。 あの場で鵺野が叫ばなければ、取り乱していたのは自分だと、誰もがそう思っていた。 (もう二度と、あんな思いはしたくないよ・・・) 不幸の中にも、救いはある。味方が増えたことで、守備は厚くなった。 「だから(オレが[[太公望]]を探しに・・・!)」 ダイが言い終わる前に両津が発言した。 「あんた達の事情はわかった。わしが[[太公望]]とやらを探しに和歌山に向かおう」 「ええ!?」 「何を驚いとるんだ、あんた達が動けないんじゃわしらが動くしかないだろ。  なぁに、人探しは得意だ。なんたって本職だからな、大船に乗ったつもりでいろ!」  「無茶ですよ、両津さん。本人の顔も知らないのに。  それなら俺達がここを警備して、ダイ君か[[ターちゃん]]さんに捜索に行ってもらった方がいいですよ」 「顔など話で聞けばわかる。ガキみたいな顔(ツラ)した仙人のジジイだろ。  まったく、歳をとらんなんて漫画みたいな奴だな」 江戸っ子気質のせっかちな両津である。 いきなり肩にデイパックを引っ掛けた彼に、乾までもが驚きの声を上げる。 「い、今から行く気ですか!?」 到着してまだ2時間と経っていないし、その間はお互いの情報交換でひっきりなしに喋りっぱなし。 一応、座れはしたが、食事すら摂っていない現状である。 「ああ。飯を食って、お前の銃のメンテナンスをしてからな。  動作も教えておくからわしがいない間、死んでもあの美女を守れよ」 「ちょっと待って、会ったばかりの両津さんにそこまでしてもらうわけにはいかないよ!  オレが行くよ![[太公望]]はオレが探すよ!」 彼を探したい気持ちは自分の方が強い。 なにより、普通の人間が単独で動くには危険が大きすぎる。 「子供(ガキ)は黙ってろ」 「なんだと・・・わっ!!」 いきなり両津の太い腕が首に回されたかと思うとがっちりホールドされた。 毛むくじゃらの太い指がダイの頭を鷲掴み、髪をぐりぐりかき回す。 「痛い痛い、何するんだよぉっ!」 「ははは、ガキには負けんぞ。おっ、けっこう力があるな」 普通の人間にしては怪力の持ち主だ。モンスター並かもしれない。 けれど、勇者ダイの敵では・・・ 「このっ・・・・・・う、わ、ああっ!!」 いい加減、頭にきたダイが首に絡んだ厄介な腕を外そうと、力を入れる。 その瞬間、軽く腕を捻られたと同時に足を掬われて、あっけなく尻餅をついた。 「わしで決まりだな、小僧。お前はここでしっかり寝てろ、でないと背が伸びんぞ」 「何言ってんだよ、背は関係ないだろ!」 「子供を行かせるわけにはいかん、絶対に駄目だ」 両津とて、ダイがただの少年ではないことを重々承知していた。 何しろ、ただ1人主催者に突っ込んでいった勇者である。戦いなら間違いなくダイが上だろう。 しかし、目的は捜索であって戦闘ではない。 サバイバルなら両津の独壇場だ。たとえ[[太公望]]が動けなくとも人1人背負って生き残る自信はある。 そして、曲がりなりにも警官である。子供に危険な仕事を譲る気は絶対にない。 そこにスッと男の声が割り込んだ。 「両津さん、すまないのだ。ここは、ダイに行かせてやってほしい」  それまで黙っていた[[ターちゃん]]が静かに口を開いている。 「わしは反対だ!たしかにコイツは勇敢で度胸もある。だがな、外は闇で敵もどこにいるかわからん。  誰が行っても危険は同じなんだ。わしが行くしかあるまい。  ・・・ただ、あんたが行くとなれば話は別だがな。  ガキに荒事を任せるような臆病者には見えんが、あんたは何故、自分が行くと言わんのだ?」 両津は青年に突っかかる。引き締まった強靭な筋肉は、ここにいる誰よりも強そうに見える。 その彼の態度が、子供を戦地に放り込む発言が、どうしても気に入らなかった。 [[ターちゃん]]は、険しい形相で睨む両津をまっすぐに見た。 「私には、ここで守らなければならない約束がある」  「・・・人が死ぬか生きるかって時に、そんなことを気にしてる場合か!  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