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No Country For Old Man - (2009/02/10 (火) 11:26:44) の1つ前との変更点

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*No Country For Old Man ◆zmHe3wMKNg 「…誰もいないわね。ここじゃないのかしら?」 海風に乗って、微かに耳に届いた倉沢ほのかの叫び声がした方向へ 「一人」で向かった添島龍子は溜息をついた。 「倉沢さん…大丈夫かしら?」 「―ええ、僕も心配ですよ。灯台に拡声器、最強の死亡フラグですからね。  果たして倉沢さんは生きているのか?」 物陰に、誰かが居た。 驚いて振り向くと、その男は無害をアピールするがごとく両手を大きく挙げた。 「おっと!心配いりませんよ!僕はほら、この通り、武器を渡されなかった者ですし。」 「…えーと…あなたは確か…?」 「男子十一番、楠森昭哉です。まぁ、覚えられてないのも無理はないですね。  こうやって話すのは初めてですし。あなたは添島龍子さんですよね?」 「ああ、ごめんなさい、楠森君。で、あなたは殺し合いに乗る気はない訳?」 「はぁ、当り前ですよ。僕なんかがサバイバル戦で生き残れる筈がない。  ああ、そういえば、さっき森の中で拳銃を持ってうろついてる内木聡右を見つけましたよ。  僕は隠れてやり過ごしましたけど。なんか聞いた話だとヤクザの息子らしいじゃないですか、彼。  ひょっとしたら殺し合いに乗ってるかも知れませんし、こちらも用心した方がいいでしょうね。  あなたはどうなんです添島さん?性格的に殺し合いに乗るとも思いませんから、僕は話しかけたのですが?」 「…あんまし見た目のイメージで判断してほしくないわね。  ま、確かに。こんな馬鹿なゲーム。絶対やらないけどね。」 懐に入っている拳銃を見せたらどんな反応をするか気になったが、 メリットはなさそうなので黙っていることにした。 内木聡右。クラスの中でで友達の多い鬼崎喜佳と仲が良かった 彼の方が、正直この男よりはよほど信用できそうなのだが。 「おっと…あまりこのようなことを喋ってたらまずいですね。」 そう言うと、彼は地図の裏に鉛筆で何かを書き込んでみせた。そこには、こう書いてある。 (主催者に、盗聴されてるかもしれません。首輪にそういう機能があるとこの本に書いてました。) 「え!?」 彼が手に持つのは、黒いカバーに赤字で表題が抜かれた600~700頁程の本。 (このイベントは、若狭吉雄がこの古本「BR」に基づいて企画したものです。間違いありません。) 「…!?  …あのねぇ、本当なの?それ?」 (今、僕たちが置かれている状況が、この本の内容と非常に類似しているのですよ。  この物語は全部読むのに時間がかかりますが、僕はもう半分以上読破しています。  どうです?殺しあいに乗っていないのなら、協力しませんか?  ひょっとしたら誰よりも有利に立てるかも知れませんし、若狭を出しぬけるかもしれませんよ。) 「……うーん……。」 少し考える。確かに、主催に関する情報集めが今一番優先しなくてはならないことだ。 しかし、この男を信用していいのだろうか? 傍から見たら彼はわざと流されたダミー情報に踊らされているようにも見える。 「別に、協力してくれないのなら構いませんよ。僕も、街でやることがありますから。」 「…街になら、私も用事があるわ。それに、倉沢さんが居るかもしれない。  それに、楠森君の言ってることが本当なら死なれたら困る。…行きましょう、一緒に。」 「ええ、ありがとうございます。」 彼には悪いが、少し、ニヤついてるように見えてしまう。 この男に囮に使われないように気をつけないと。 ……あれ?なんで楠森君を信じてあげないの? やはり、先ほどのことが心に引っ掛かってるからだろうか。 灯台へ来る前、ゲーム開始直後に最初に会った人物、如月兵馬との邂逅を思い出す。 ---- 「おーい!」 何をするでもなく、草原の上で胡坐をかいていたその男に、 龍子は声をかけた。 男は面倒くさそうに振り向き、何かを思い出したかのように手を叩いた。 「君は…添島龍子だったかな?」 「そ、ちゃんと名前覚えてたんだ。」 緊張が少し柔らだ龍子は、すぐ傍まで近づく。 「そんなところで座ってたら危ないよ。誰かに撃たれたりしたらどうするの?」 「ああ、そうだな。そういう可能性も、あるか。  ところで――君がその手に持っている物騒な物はなんだ?」 「え?――きゃ!?」 突然跳ね起きた如月は龍子の腕を素早く取りつつヒジ打ち、 さらに取った左腕を手首、ヒジ、肩と極めながら落とした。 「…くぅ!…あ…!」 体重を少しでも後ろに傾ければ肩が破壊されるだろう。 完璧に極まっていた。 「……条件反射だ…すまん。しかし、そんなに殺気を放っていてはいかんな。」 如月は、すぐに龍子を解放した。 彼女が持っていた拳銃を渡す。 「はぁはぁ…いきなりなんてことするのよ!」 「ここは殺し合いの場と、あの教師は言っていたぞ。こういうこともあり得る。」 「あー、まあ、そうだけどね?」 あっさり負けたのは気に入らないが、とりあえずこの男は自分よりずっと強いようだ。 ひょっとすると、あの朱広竜とも互角に渡り合えるのかもしれない。 「ねぇ、私と協力する気はない?あの、魚ヅラの教師を出し抜いて、みんなを助けるの。」 「…出し抜く、か。」 如月は、まったく興味が無いとでもいうかのように肩をすくめた。 「俺はここに座っている。誰か近づいていれば返り討ちにする。  それを繰り返せばいつの間にか終わっているだろう。  この馬鹿な遊戯もな。」 「・・・はぁ!?」 「悪いが、他を当たってくれ。俺は眠いんだ。」 さっきの教訓で飛びかかるのは止めたが、その体は怒りで震えていた。 「・・・この・・・!あなたはいいの!?みんなが死んじゃっても何とも思わないわけ・・・!?」 「はぁ、俺に何ができる?だいたい、 『ぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!』 「…え!?誰!?この声…倉沢さん!?」 「ああ、声が聞こえるな。これは、悲鳴か?」 「何、冷静に構えてんのよ!」 龍子は飛び起き、如月に手を差し述べた。 「助けに行くわよ!ついて来て!」 「…今から行っても間に合わんと思うが…。」 「ああもう!だからって放って置けるわけないじゃない!」 龍子は連れていくのを諦めて走り出し、一度だけ振り向いた。 「灯台!私はそこに居るから!居なかったらそこの隣の街!じゃあ、またね!」 そして、如月兵馬と別れたのだった。 ---- 「あぁぁぁーー!!ムカつくなぁ!あの上から目線!!何よアイツ!!」 「ちょ!?なんですか!?いきなり!?」 「…あ、いや、御免。何でもないから。」 正直ショックだった。仲間になってもらうつもりが拒絶された上、 一方的な実力差を見せつけられたのだから。 …私は失敗したかもしれない。もし、彼が殺し合いに乗ってしまったら… (でも、アイツは私をあの時殺さなかった。まだ希望はある筈。) 添島龍子は、今は遠い彼が居た岬の方角を睨みつけた。 (如月兵馬、来るわよね?) 【G-8 灯台付近/1日目・深夜】 【女子18番:添島 龍子(そえじま-りゅうこ)】 【アタシ(たち)、あなた(たち)、アイツ(ら)、○○(呼び捨て)】 [状態]:健康、若干の精神的消耗、強い決意 [装備]: モーゼルC96ミリタリー“レッド9”(10/10) [道具]:支給品一式、拡声器、9mmパラベラム予備弾薬(30/30) [思考・状況]  基本思考:ゲームには乗らない、情報収集  0:F-8住宅街へ向かう  1:楠森昭哉と協力する  2:如月兵馬がついて来ると信じる  3:朱広竜を警戒 [備考欄] ※銃は撃ってもまず当たりません ※楠森昭哉の推測をとりあえず有力な情報と認識しましたが、いまいち信じ切れていません 【G-8 灯台付近/一日目・深夜】 【11:楠森 昭哉(くすもり‐しょうや)】 【1:俺(達) 2:あなた(達) 3:彼(彼女)(達)、名字(さん)】 [状態]:健康、激しい憎悪 、裏切られた悲しみ [装備]:木の枝(その辺で拾いました) [道具]:カードキー、本(BR)、支給品一式 [思考・状況]  基本思考: 若狭吉雄を許さない(具体的にどうするかは決めていない)  0: F-8住宅街へ向かう  1: 電話を見つけて主催者に繋がるか試す  2: 添島龍子と協力する  3: 倉沢ほのかが心配  4: 海野裕也が少し心配  5: 内木聡右を警戒 [備考欄] ※今回のイベントが本の内容をなぞったものだと考えています ※自分では冷静なつもりですが、その実かなり危ない状態です ※G-7の森の中で内木聡右とすれ違いました ---- 如月兵馬はあてもなく彷徨う。 添島龍子が向かった方向とは違う場所、H-7の砂浜を。 (悪いな添島龍子。面倒事は御免被る。) 彼女と違って自分にはゲームを潰すといった崇高な目的意識は無い。 それに、自分の剣が誤って人を殺してしまうかもしれない。 そうなったら彼女も仲間を集めにくくなるだろう。 その様な者が着いていっても、彼女の足枷になるだけだ。 お互いの為にも、別れるのが一番―― 「えがおさくー♪きみーのーゆーめをー♪」 「……?」 誰かが鼻歌交じりにこちらへ歩いてくる。 見た感じ、手には何も持っていないようだ。 自分は、このクラスメイトの女子の名前をギリギリ記憶している。 如月は、半ば呆れ気味に手の届く範囲まで近づいてきた彼女に忠告した。 「不用心すぎるぞ、吉良邑子とやら。」 「あ、すみません~♪  いや~新しいご主人様が出来てとても幸せな気分でして、私。」 耳慣れない不埒な単語が聞き取れるが、別に興味はない。 大方、こいつは今の自分の状況が理解できていないのだろう。 こういう奴は放っておけば自分が何もする必要なく死ぬ筈だ。 「…まあいい、死んでも俺は知らんぞ。じゃあな。」 「はい!心配してくれてありがとうございます!  あのーところでー。  ………………………………なんで平気なんですか?」 「…?いや、なに が 、ぁ !?」 如月は、突然、眩暈に襲われ、片膝をついた。 肩から激痛を感じることに気付き、手で押さえると― その場所から、血が溢れていた。 (なんだ…これは!?) 「あーーびっくりしましたーー!!  もう、ちゃんと当たってたのなら、すぐ倒れて下さいよぉ。  鈍感にもほどがありますってば~♪」 目を凝らすと、吉良の右手の中から煙が上がっている。 持っているのは、普段は袖の下に隠して、スプリングで飛び出したあと掌に収まる小型の拳銃。 …まさか… 撃たれたのか?この女に? いつの間に? …馬鹿な…! この女からは殺気をまるで感じなかった! 「はぁ…やっぱりちゃんと頭か心臓を狙わないと一発では死んでくれないみたいですね。  あぁ未熟!未熟千万!今のままではご主人さまに顔向けできませんよ!私!」   …まさか… 俺以外にも居たのか?殺人機械が?人を殺すことに何の葛藤も感じない人間が? 殺気を全く発さず、まるで手足を動かしたときの一動作のように、ごく当たり前のように殺傷できるやつが。 あ、あぁ。 意識が 薄れる 死 ぬのか こんな簡単に? こんな くだらない 油断 で? …嘘、だ…! 俺の、 俺の、鍛錬は、一体、なんだったんだ? …あ…? なんだ、この感情は? これは 恐怖? そのようなもの は捨てたのではなかったのか? …そうか… 捨てたわけではなかったの か 俺は ラトが死んでも 平然としていた だが 自分の 命のことになって 初めて  で も 今は まだ 駄目だ また封印 するんだ 心を あの時のように!  「あぁ、落ち込んでいる場合じゃありません!早くこの木偶の坊にトドメを!」 「・・・まだだ・・・。」 「へ?」 ゆらりと、立ち上がる。 「まだ、これからだ。」 顔から動揺の色が消え、再び無感情な機械に戻る。 この程度の痛みがなんだというのだ。 あの終わりの無い地獄のような日々に比べれば。 自分を一撃で殺せなかったのがこの女の運の尽き。 礼を言うぞ、吉良邑子。 ようやく、目が、覚めた。 木刀を持つ手を前に突き出し、防御を捨てた攻撃に特化した姿勢を取る。 そう、これこそが。 大和正法流、無形の構えの一つ、「音無しの構え」。 ――教えてやろう、吉良邑子。これが本当の「殺人機械」というものだ―― 吉良は、突然、如月の姿が膨張したかのような錯覚に捕らわれた。 それ位の一瞬で、間合いを詰められたのだ。 相手が対応することも許さず、それは実行される。 「――え?」 「大和正法流奥義―――『雫切り』。」 左足を軸にして神速で繰り出された木刀は、吉良の頭部を正確に捕える。 その斬撃は西瓜の潰れたような音と共に、彼女の頭骸骨を粉々に叩き割った。 パンッ! ……叩き割っていた筈だった。 如月兵馬の肩に埋まる弾丸が、肩の神経を引き千切り、骨を砕いてさえいなければ。 握力のない腕で繰り出した木刀は無情にも手から抜け飛び、 吉良の遥か後方の地面に投げ出されて乾いた音をたてて転がった。 その後、反射的に撃ち込まれたデリンジャーの残りの弾が如月の胸に突き刺さり、    如月兵馬の全てを終わらせた。 ---- 砂浜に仰向けに横たわる人影。 虚ろな眼で漆黒の夜の空を見上げる。 心臓のすぐ傍に弾丸が埋まり血が噴水の様に溢れ出している。 もはや助かる見込みはないだろう。 … …… …は… …ははは… …はははははは… …何が…実践向けの剣術…だ… 「…全っっっっっっっっ然!!使えねぇじゃねぇかぁぁぁぁ!!クソジジイィィィィ!!」 封じ込めたはずの感情を存分に解放し、彼は叫んだ。 「はぁ、しぶといですねぇ。もう満足しました?いい加減死んでくださいよぉ。」 隣にはデリンジャーに弾丸を込め直している吉良が立っている。 完全な勝者と完全な敗者の構図。 結局は、これが現実。 どれほど感情を捨てて殺人マシンに仕立て上げようが所詮は人間。 純粋に人を殺すために作られた「銃」という殺人兵器の前にはあまりに不完全だった。 「くく…ははははは……!」 しかし、如月の心には爽やかな風が吹いていた。 自分を機械人形に変えた祖父の滅びゆく流派を完膚無きまで否定され、 やっと、流派を習得しなければ当り前のように得られる筈だった人間の尊厳を取り戻したのだ。 「そう、だ、いいんだ、これで。」 不意に、添島龍子という女の顔を思い出す。 みんなを助けるため、ゲームを潰そうとしていた女のことだ。 そうだ、あの女の言い分は正しい。 理不尽なことを強いる外道は死ぬべきだ。 今、俺は、龍子の提案に強い関心を示している。 だが、眠い。 あぁ、目の前に誰かがいる。…はて…誰だったか…? まぁ、いい、ちゃんと、伝えねば。 「なぁ、君。もし…添島…龍子に…逢ったら伝えてくれないか……みんなで一緒に……脱出しようって……。  俺は…しばらく…寝るから…さ。」 「ええ、わかりました。会えたらちゃんとお伝えしますね。」 満天の笑みで答えた吉良は、デリンジャーの銃口を如月の額に向け、そこへ正確に二発叩き込んだ。 「…でも、あなたはずっと寝たまま二度と起きてこないでくださいね。お願いします。」 気のせいかもしれないが、彼の顔が少しほほ笑んでるように見えた。 ---- 「ふぅ、ちょっと手間取りましたけど上出来ですかね。」 海岸に横たわる死体を一瞥し、少し祈るように手を合わせた後、 吉良は両手を左右に広げ、芝居かかった口調で語り出した。 「見ていてください!私はこの調子で頑張りますよ!  この島で見つけた新しいご主人さま、英人様の為に!  あぁ、英人様…私にちゃんと命令を下してくれました…。  あれだけ激しく愛し合ったのに私を奴隷と認めて下さらなかったテト様と違って!  …いや…でもあの時は周りにいた男子共がすごく邪魔でしたよね…よく考えたら…。  えーい!過去の未練は断ち切るのです!私には明るい未来があるのです!」 死体から離れた位置に、投げ出された木刀を見つけた。 ひょいと拾い上げ、ポーズを取ってみる。 「しずくきり!…なーんちゃって、えへへ♪」 如月の木刀をディバックに入れ、喜怒哀楽の起伏が激しい殺人機械はその場を立ち去った。 &color(red){【男子十番:如月兵馬 死亡】 } &color(red){【残り43人】 } 【H-7 砂浜/一日目・深夜】 【9:吉良邑子(きら ゆうこ)】 【1:私(たち) 2:貴方(たち) 3:あの人(たち)、ご主人様、お嬢様、○○(名字くん、さん付け)】 [状態]:健康、高揚 [装備]:レミントン・デリンジャー(2/2)、 [道具]:支給品一式×3、予備用44マグナム弾(30/40)、木刀 [思考・状況] 基本思考:ご主人様(英人)の命令に従い、間由佳以外を皆殺しにする 0:間由佳がもしゲームに乗っていても出来うる限りは説得する 1:もし彼女を殺してしまった場合はご主人様を殺して自分も死ぬ 2:自分が見つける前に彼女が死んでいた場合も、1と同様の行為を行う [備考欄] ※他生徒に出会い、交戦に縺れ込んだ際に、彼女は「ご主人様(英人)の命で動いている。」と言いかねません(彼女に悪意はない) ※如月兵馬の「雫切り」の太刀筋をなんとなく覚えています ※H-5の民家の一つは、未だに電気が点いています ※H-7の海岸に如月兵馬の遺体が横たわっています *時系列順で読む Back:[[CHICKEN RUN]] Next:[[壱里塚と久世の異常な愛情>壱里塚と久世の異常な愛情 または彼らは如何にして心配するのを止めてサーシャを愛するようになったか ]] *投下順で読む Back:[[CHICKEN RUN]] Next:[[壱里塚と久世の異常な愛情>壱里塚と久世の異常な愛情 または彼らは如何にして心配するのを止めてサーシャを愛するようになったか ]] |[[添島龍子は行動する/如月兵馬は動かない]]|添島龍子|| |[[ナイトウォーク]]|楠森昭哉|| |[[スレイヴマスター]]|吉良邑子|| |[[添島龍子は行動する/如月兵馬は動かない]]|&color(red){如月兵馬}|&color(red){死亡}|
*No Country For Old Man ◆zmHe3wMKNg 「…誰もいないわね。ここじゃないのかしら?」 海風に乗って、微かに耳に届いた倉沢ほのかの叫び声がした方向へ 「一人」で向かった添島龍子は溜息をついた。 「倉沢さん…大丈夫かしら?」 「―ええ、僕も心配ですよ。灯台に拡声器、最強の死亡フラグですからね。  果たして倉沢さんは生きているのか?」 物陰に、誰かが居た。 驚いて振り向くと、その男は無害をアピールするがごとく両手を大きく挙げた。 「おっと!心配いりませんよ!僕はほら、この通り、武器を渡されなかった者ですし。」 「…えーと…あなたは確か…?」 「男子十一番、楠森昭哉です。まぁ、覚えられてないのも無理はないですね。  こうやって話すのは初めてですし。あなたは添島龍子さんですよね?」 「ああ、ごめんなさい、楠森君。で、あなたは殺し合いに乗る気はない訳?」 「はぁ、当り前ですよ。僕なんかがサバイバル戦で生き残れる筈がない。  ああ、そういえば、さっき森の中で拳銃を持ってうろついてる内木聡右を見つけましたよ。  僕は隠れてやり過ごしましたけど。なんか聞いた話だとヤクザの息子らしいじゃないですか、彼。  ひょっとしたら殺し合いに乗ってるかも知れませんし、こちらも用心した方がいいでしょうね。  あなたはどうなんです添島さん?性格的に殺し合いに乗るとも思いませんから、僕は話しかけたのですが?」 「…あんまし見た目のイメージで判断してほしくないわね。  ま、確かに。こんな馬鹿なゲーム。絶対やらないけどね。」 懐に入っている拳銃を見せたらどんな反応をするか気になったが、 メリットはなさそうなので黙っていることにした。 内木聡右。クラスの中でで友達の多い鬼崎喜佳と仲が良かった 彼の方が、正直この男よりはよほど信用できそうなのだが。 「おっと…あまりこのようなことを喋ってたらまずいですね。」 そう言うと、彼は地図の裏に鉛筆で何かを書き込んでみせた。そこには、こう書いてある。 (主催者に、盗聴されてるかもしれません。首輪にそういう機能があるとこの本に書いてました。) 「え!?」 彼が手に持つのは、黒いカバーに赤字で表題が抜かれた600~700頁程の本。 (このイベントは、若狭吉雄がこの古本「BR」に基づいて企画したものです。間違いありません。) 「…!?  …あのねぇ、本当なの?それ?」 (今、僕たちが置かれている状況が、この本の内容と非常に類似しているのですよ。  この物語は全部読むのに時間がかかりますが、僕はもう半分以上読破しています。  どうです?殺しあいに乗っていないのなら、協力しませんか?  ひょっとしたら誰よりも有利に立てるかも知れませんし、若狭を出しぬけるかもしれませんよ。) 「……うーん……。」 少し考える。確かに、主催に関する情報集めが今一番優先しなくてはならないことだ。 しかし、この男を信用していいのだろうか? 傍から見たら彼はわざと流されたダミー情報に踊らされているようにも見える。 「別に、協力してくれないのなら構いませんよ。僕も、街でやることがありますから。」 「…街になら、私も用事があるわ。それに、倉沢さんが居るかもしれない。  それに、楠森君の言ってることが本当なら死なれたら困る。…行きましょう、一緒に。」 「ええ、ありがとうございます。」 彼には悪いが、少し、ニヤついてるように見えてしまう。 この男に囮に使われないように気をつけないと。 ……あれ?なんで楠森君を信じてあげないの? やはり、先ほどのことが心に引っ掛かってるからだろうか。 灯台へ来る前、ゲーム開始直後に最初に会った人物、如月兵馬との邂逅を思い出す。 ---- 「おーい!」 何をするでもなく、草原の上で胡坐をかいていたその男に、 龍子は声をかけた。 男は面倒くさそうに振り向き、何かを思い出したかのように手を叩いた。 「君は…添島龍子だったかな?」 「そ、ちゃんと名前覚えてたんだ。」 緊張が少し柔らだ龍子は、すぐ傍まで近づく。 「そんなところで座ってたら危ないよ。誰かに撃たれたりしたらどうするの?」 「ああ、そうだな。そういう可能性も、あるか。  ところで――君がその手に持っている物騒な物はなんだ?」 「え?――きゃ!?」 突然跳ね起きた如月は龍子の腕を素早く取りつつヒジ打ち、 さらに取った左腕を手首、ヒジ、肩と極めながら落とした。 「…くぅ!…あ…!」 体重を少しでも後ろに傾ければ肩が破壊されるだろう。 完璧に極まっていた。 「……条件反射だ…すまん。しかし、そんなに殺気を放っていてはいかんな。」 如月は、すぐに龍子を解放した。 彼女が持っていた拳銃を渡す。 「はぁはぁ…いきなりなんてことするのよ!」 「ここは殺し合いの場と、あの教師は言っていたぞ。こういうこともあり得る。」 「あー、まあ、そうだけどね?」 あっさり負けたのは気に入らないが、とりあえずこの男は自分よりずっと強いようだ。 ひょっとすると、あの朱広竜とも互角に渡り合えるのかもしれない。 「ねぇ、私と協力する気はない?あの、魚ヅラの教師を出し抜いて、みんなを助けるの。」 「…出し抜く、か。」 如月は、まったく興味が無いとでもいうかのように肩をすくめた。 「俺はここに座っている。誰か近づいていれば返り討ちにする。  それを繰り返せばいつの間にか終わっているだろう。  この馬鹿な遊戯もな。」 「・・・はぁ!?」 「悪いが、他を当たってくれ。俺は眠いんだ。」 さっきの教訓で飛びかかるのは止めたが、その体は怒りで震えていた。 「・・・この・・・!あなたはいいの!?みんなが死んじゃっても何とも思わないわけ・・・!?」 「はぁ、俺に何ができる?だいたい、 『ぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!』 「…え!?誰!?この声…倉沢さん!?」 「ああ、声が聞こえるな。これは、悲鳴か?」 「何、冷静に構えてんのよ!」 龍子は飛び起き、如月に手を差し述べた。 「助けに行くわよ!ついて来て!」 「…今から行っても間に合わんと思うが…。」 「ああもう!だからって放って置けるわけないじゃない!」 龍子は連れていくのを諦めて走り出し、一度だけ振り向いた。 「灯台!私はそこに居るから!居なかったらそこの隣の街!じゃあ、またね!」 そして、如月兵馬と別れたのだった。 ---- 「あぁぁぁーー!!ムカつくなぁ!あの上から目線!!何よアイツ!!」 「ちょ!?なんですか!?いきなり!?」 「…あ、いや、御免。何でもないから。」 正直ショックだった。仲間になってもらうつもりが拒絶された上、 一方的な実力差を見せつけられたのだから。 …私は失敗したかもしれない。もし、彼が殺し合いに乗ってしまったら… (でも、アイツは私をあの時殺さなかった。まだ希望はある筈。) 添島龍子は、今は遠い彼が居た岬の方角を睨みつけた。 (如月兵馬、来るわよね?) 【G-8 灯台付近/1日目・深夜】 【女子18番:添島 龍子(そえじま-りゅうこ)】 【アタシ(たち)、あなた(たち)、アイツ(ら)、○○(呼び捨て)】 [状態]:健康、若干の精神的消耗、強い決意 [装備]: モーゼルC96ミリタリー“レッド9”(10/10) [道具]:支給品一式、拡声器、9mmパラベラム予備弾薬(30/30) [思考・状況]  基本思考:ゲームには乗らない、情報収集  0:F-8住宅街へ向かう  1:楠森昭哉と協力する  2:如月兵馬がついて来ると信じる  3:朱広竜を警戒 [備考欄] ※銃は撃ってもまず当たりません ※楠森昭哉の推測をとりあえず有力な情報と認識しましたが、いまいち信じ切れていません 【G-8 灯台付近/一日目・深夜】 【11:楠森 昭哉(くすもり‐しょうや)】 【1:俺(達) 2:あなた(達) 3:彼(彼女)(達)、名字(さん)】 [状態]:健康、激しい憎悪 、裏切られた悲しみ [装備]:木の枝(その辺で拾いました) [道具]:カードキー、本(BR)、支給品一式 [思考・状況]  基本思考: 若狭吉雄を許さない(具体的にどうするかは決めていない)  0: F-8住宅街へ向かう  1: 電話を見つけて主催者に繋がるか試す  2: 添島龍子と協力する  3: 倉沢ほのかが心配  4: 海野裕也が少し心配  5: 内木聡右を警戒 [備考欄] ※今回のイベントが本の内容をなぞったものだと考えています ※自分では冷静なつもりですが、その実かなり危ない状態です ※G-7の森の中で内木聡右とすれ違いました ---- 如月兵馬はあてもなく彷徨う。 添島龍子が向かった方向とは違う場所、H-7の砂浜を。 (悪いな添島龍子。面倒事は御免被る。) 彼女と違って自分にはゲームを潰すといった崇高な目的意識は無い。 それに、自分の剣が誤って人を殺してしまうかもしれない。 そうなったら彼女も仲間を集めにくくなるだろう。 その様な者が着いていっても、彼女の足枷になるだけだ。 お互いの為にも、別れるのが一番―― 「えがおさくー♪きみーのーゆーめをー♪」 「……?」 誰かが鼻歌交じりにこちらへ歩いてくる。 見た感じ、手には何も持っていないようだ。 自分は、このクラスメイトの女子の名前をギリギリ記憶している。 如月は、半ば呆れ気味に手の届く範囲まで近づいてきた彼女に忠告した。 「不用心すぎるぞ、吉良邑子とやら。」 「あ、すみません~♪  いや~新しいご主人様が出来てとても幸せな気分でして、私。」 耳慣れない不埒な単語が聞き取れるが、別に興味はない。 大方、こいつは今の自分の状況が理解できていないのだろう。 こういう奴は放っておけば自分が何もする必要なく死ぬ筈だ。 「…まあいい、死んでも俺は知らんぞ。じゃあな。」 「はい!心配してくれてありがとうございます!  あのーところでー。  ………………………………なんで平気なんですか?」 「…?いや、なに が 、ぁ !?」 如月は、突然、眩暈に襲われ、片膝をついた。 肩から激痛を感じることに気付き、手で押さえると― その場所から、血が溢れていた。 (なんだ…これは!?) 「あーーびっくりしましたーー!!  もう、ちゃんと当たってたのなら、すぐ倒れて下さいよぉ。  鈍感にもほどがありますってば~♪」 目を凝らすと、吉良の右手の中から煙が上がっている。 持っているのは、普段は袖の下に隠して、スプリングで飛び出したあと掌に収まる小型の拳銃。 …まさか… 撃たれたのか?この女に? いつの間に? …馬鹿な…! この女からは殺気をまるで感じなかった! 「はぁ…やっぱりちゃんと頭か心臓を狙わないと一発では死んでくれないみたいですね。  あぁ未熟!未熟千万!今のままではご主人さまに顔向けできませんよ!私!」   …まさか… 俺以外にも居たのか?殺人機械が?人を殺すことに何の葛藤も感じない人間が? 殺気を全く発さず、まるで手足を動かしたときの一動作のように、ごく当たり前のように殺傷できるやつが。 あ、あぁ。 意識が 薄れる 死 ぬのか こんな簡単に? こんな くだらない 油断 で? …嘘、だ…! 俺の、 俺の、鍛錬は、一体、なんだったんだ? …あ…? なんだ、この感情は? これは 恐怖? そのようなもの は捨てたのではなかったのか? …そうか… 捨てたわけではなかったの か 俺は ラトが死んでも 平然としていた だが 自分の 命のことになって 初めて  で も 今は まだ 駄目だ また封印 するんだ 心を あの時のように!  「あぁ、落ち込んでいる場合じゃありません!早くこの木偶の坊にトドメを!」 「・・・まだだ・・・。」 「へ?」 ゆらりと、立ち上がる。 「まだ、これからだ。」 顔から動揺の色が消え、再び無感情な機械に戻る。 この程度の痛みがなんだというのだ。 あの終わりの無い地獄のような日々に比べれば。 自分を一撃で殺せなかったのがこの女の運の尽き。 礼を言うぞ、吉良邑子。 ようやく、目が、覚めた。 木刀を持つ手を前に突き出し、防御を捨てた攻撃に特化した姿勢を取る。 そう、これこそが。 大和正法流、無形の構えの一つ、「音無しの構え」。 ――教えてやろう、吉良邑子。これが本当の「殺人機械」というものだ―― 吉良は、突然、如月の姿が膨張したかのような錯覚に捕らわれた。 それ位の一瞬で、間合いを詰められたのだ。 相手が対応することも許さず、それは実行される。 「――え?」 「大和正法流奥義―――『雫切り』。」 左足を軸にして神速で繰り出された木刀は、吉良の頭部を正確に捕える。 その斬撃は西瓜の潰れたような音と共に、彼女の頭骸骨を粉々に叩き割った。 パンッ! ……叩き割っていた筈だった。 如月兵馬の肩に埋まる弾丸が、肩の神経を引き千切り、骨を砕いてさえいなければ。 握力のない腕で繰り出した木刀は無情にも手から抜け飛び、 吉良の遥か後方の地面に投げ出されて乾いた音をたてて転がった。 その後、反射的に撃ち込まれたデリンジャーの残りの弾が如月の胸に突き刺さり、    如月兵馬の全てを終わらせた。 ---- 砂浜に仰向けに横たわる人影。 虚ろな眼で漆黒の夜の空を見上げる。 心臓のすぐ傍に弾丸が埋まり血が噴水の様に溢れ出している。 もはや助かる見込みはないだろう。 … …… …は… …ははは… …はははははは… …何が…実践向けの剣術…だ… 「…全っっっっっっっっ然!!使えねぇじゃねぇかぁぁぁぁ!!クソジジイィィィィ!!」 封じ込めたはずの感情を存分に解放し、彼は叫んだ。 「はぁ、しぶといですねぇ。もう満足しました?いい加減死んでくださいよぉ。」 隣にはデリンジャーに弾丸を込め直している吉良が立っている。 完全な勝者と完全な敗者の構図。 結局は、これが現実。 どれほど感情を捨てて殺人マシンに仕立て上げようが所詮は人間。 純粋に人を殺すために作られた「銃」という殺人兵器の前にはあまりに不完全だった。 「くく…ははははは……!」 しかし、如月の心には爽やかな風が吹いていた。 自分を機械人形に変えた祖父の滅びゆく流派を完膚無きまで否定され、 やっと、流派を習得しなければ当り前のように得られる筈だった人間の尊厳を取り戻したのだ。 「そう、だ、いいんだ、これで。」 不意に、添島龍子という女の顔を思い出す。 みんなを助けるため、ゲームを潰そうとしていた女のことだ。 そうだ、あの女の言い分は正しい。 理不尽なことを強いる外道は死ぬべきだ。 今、俺は、龍子の提案に強い関心を示している。 だが、眠い。 あぁ、目の前に誰かがいる。…はて…誰だったか…? まぁ、いい、ちゃんと、伝えねば。 「なぁ、君。もし…添島…龍子に…逢ったら伝えてくれないか……みんなで一緒に……脱出しようって……。  俺は…しばらく…寝るから…さ。」 「ええ、わかりました。会えたらちゃんとお伝えしますね。」 満天の笑みで答えた吉良は、デリンジャーの銃口を如月の額に向け、そこへ正確に二発叩き込んだ。 「…でも、あなたはずっと寝たまま二度と起きてこないでくださいね。お願いします。」 気のせいかもしれないが、彼の顔が少しほほ笑んでるように見えた。 ---- 「ふぅ、ちょっと手間取りましたけど上出来ですかね。」 海岸に横たわる死体を一瞥し、少し祈るように手を合わせた後、 吉良は両手を左右に広げ、芝居かかった口調で語り出した。 「見ていてください!私はこの調子で頑張りますよ!  この島で見つけた新しいご主人さま、英人様の為に!  あぁ、英人様…私にちゃんと命令を下してくれました…。  あれだけ激しく愛し合ったのに私を奴隷と認めて下さらなかったテト様と違って!  …いや…でもあの時は周りにいた男子共がすごく邪魔でしたよね…よく考えたら…。  えーい!過去の未練は断ち切るのです!私には明るい未来があるのです!」 死体から離れた位置に、投げ出された木刀を見つけた。 ひょいと拾い上げ、ポーズを取ってみる。 「しずくきり!…なーんちゃって、えへへ♪」 如月の木刀をディバックに入れ、喜怒哀楽の起伏が激しい殺人機械はその場を立ち去った。 &color(red){【男子十番:如月兵馬 死亡】 } &color(red){【残り43人】 } 【H-7 砂浜/一日目・深夜】 【9:吉良邑子(きら ゆうこ)】 【1:私(たち) 2:貴方(たち) 3:あの人(たち)、ご主人様、お嬢様、○○(名字くん、さん付け)】 [状態]:健康、高揚 [装備]:レミントン・デリンジャー(2/2)、 [道具]:支給品一式×3、予備用44マグナム弾(30/40)、木刀 [思考・状況] 基本思考:ご主人様(英人)の命令に従い、間由佳以外を皆殺しにする 0:間由佳がもしゲームに乗っていても出来うる限りは説得する 1:もし彼女を殺してしまった場合はご主人様を殺して自分も死ぬ 2:自分が見つける前に彼女が死んでいた場合も、1と同様の行為を行う [備考欄] ※他生徒に出会い、交戦に縺れ込んだ際に、彼女は「ご主人様(英人)の命で動いている。」と言いかねません(彼女に悪意はない) ※如月兵馬の「雫切り」の太刀筋をなんとなく覚えています ※H-5の民家の一つは、未だに電気が点いています ※H-7の海岸に如月兵馬の遺体が横たわっています *時系列順で読む Back:[[CHICKEN RUN]] Next:[[壱里塚と久世の異常な愛情>壱里塚と久世の異常な愛情 または彼らは如何にして心配するのを止めてサーシャを愛するようになったか ]] *投下順で読む Back:[[CHICKEN RUN]] Next:[[壱里塚と久世の異常な愛情>壱里塚と久世の異常な愛情 または彼らは如何にして心配するのを止めてサーシャを愛するようになったか ]] |[[添島龍子は行動する/如月兵馬は動かない]]|添島龍子|| |[[ナイトウォーク]]|楠森昭哉|| |[[スレイヴマスター]]|吉良邑子|修羅| |[[添島龍子は行動する/如月兵馬は動かない]]|&color(red){如月兵馬}|&color(red){死亡}|

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