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試合再開

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試合再開 ◆dXhnNxERuo


薄ぼんやりとした意識が回復し、眼を覚ました水原維澄(みずはら・いずみ)は薄暗い教室で自分の席に座っていた。
はて、私は今まで何をしていたのだろう?確か今日は修学旅行の二日目でバスに乗っていて……。
きょろきょろと辺りを見渡す。ここはどこだろう。いつもの教室?
修学旅行へ行っていたのは夢で本当は授業中に眠ってしまっただけなのだろうか?
だとしたら余計に不自然か。なにせ今度は私以外が机に突っ伏して眠っているのだ。
ふと、首に違和感を感じる事に気づき、手を伸ばして触ってみる。

(……なにこれ?)

冷たい感触のする金属の首輪がかっちりとはめられていた。
背筋が凍る、何か、嫌な予感がする。


「おい、起きろっ。」
「うぅ~ん、眠いよ…。」

気がつくと周りのクラスメイトも緩やかに眼を覚まし始めたようだ。徐々にざわめき始める教室内。
そのとき、突然扉が乱暴に開かれ、顔を見るのも嫌気がするアイツが教室にズカズカ入ってきた。

「やぁ!早起きだなぁ、君達!先生は嬉しいぞ!はははは!」

……蝶野 杜夫(ちょうの-もりお)。2-Dの担任教師。
この問題児ばかり集められた特殊クラスへ左遷されたように配属され、当然纏めることなどできやせず
クラスメイトの麓山留夏(はやま・るか)に奴隷呼ばわりされるような、威厳も減ったくれもない駄目な大人。
それでもこのメンバーが分裂せずにある程度の纏まりができているのは、生徒会長の高森 乙子(こうもり-おとこ)の尽力に他ならない。
正直先生などと呼ぶのが腹正しくなるほど無能な男だ。
その男が教壇の前に立ち、笑顔で皆に告げた。

「さぁーて、みんなに集まってもらったのは他でもない。
 ―――実は先生は今から皆さんに殺し合いをしてもらおうと思っているんだ。」

……は?

「ちょっと!ふざけないでくださらない!?」

金髪の髪を靡かせ、麓山留夏(はやま・るか)が勢いよく立ちあがった。

「そんなこと言われても困るなぁ。これは今期の会議で決まった教育委員会の方針なんだよ。」

「はぁ?私たちに殺し合いさせることの何が教育だというの!?」

「いやぁ、だってほら、今の世の中ニートがどれだけ社会の片隅にはびこっているか知ってるかい?
 30万人だよ、30万人。そいつらを食わしていくのにどれだけまじめに働いてる連中の資産が浪費
 されてると思っているんだ?要するに餓鬼にゆとりを与える間違った教育が使えない屑どもを量産しているんだよ。
 だったらできるだけ早めに成績優秀な奴だけ残して屑は間引いてたほうが効率がいいだろう?」

「……え?」

蝶野は、教壇を大きく叩いて宣言した。

「みなさん!世の中は常に競争です!ありとあらゆる手段を用いて友達を殺して頑張って生き延びてください!
 多数の屑より過酷な環境を生き残れる優秀な一人こそ世の中は欲しているのです!
 成績優秀な者だけが生き残れる新しい世界をみんなで創っていきましょう!」

教室が静まり返った。言ってることは無茶苦茶だが今までのどの授業より気迫とやる気に満ちているように見えた。
こいつ、こんな奴だったっけ?……て、何考えてんだ私は。殺し合い?冗談じゃない。
そんな前時代的な思想に付き合ってられるか!

「あ、そうだ。ところで話は変わるけど、麓山ぁ?」
「な、なんですの?」

にやりと、蝶野の口元が吊りあがった。

「お前僕に色々酷いことやってくれたよなぁ?大人を舐めちゃいけないぞ?」
「はぁ?虫けらの分際でなにほざいてんのよ?さっき教育が云々言ってたけど、
 あんたが参加したら真っ先に死ぬんじゃないこのゲーム?偉そうにしてんじゃないわよ糞ゴミがっ!」
「……やれやれ、口の減らない娘だな。実はねぇ、なかなか信じられない人がいると思うから
 ゲームの前に最初に一人だけ、見せしめとして弾く権利が僕にはあるんだよ。」

「え?」
「首に輪っかがついてるよなぁ?そしてこれがコントローラー。そしてスイッチを押すと。」

まさか!?

「やめろ!!!!!」
「ポチっとな。」


パァーーーーン


突然、斜め前に座っていた最強堂 勇太(さいきょうどう-ゆうた)の首輪が爆発した。
首のなくなった胴体が赤い噴水を巻き上げながら、倒れこみ動かなくなる。
余りに非現実的な出来事に声も出せない。

いや、ていうかなんで勇太?

「ははは。僕は熱血系は嫌いなんだよねぇ。
 いつもいつも名簿の名前を見るだけで暑苦しくてしょうがなかったよ、勇太君。」
 でもね、麓山さん。君が余計なことしなきゃ彼は死ななかったはずだよ?君が殺したんだ。」
「…………嘘…………。」

留夏は放心したように立ちつくしている。もう誰も動けない。誰も―――。

「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!」

教壇の眼の前の席に座っていた安佐蔵 恭二郎(あさぐら きょうじろう)が、蝶野に飛びかかった。

「てめぇ!よくも!」
「何!?ぐぁぁぁぁ!?」

安佐蔵は勢いで蝶野のコントローラーを持った手を捻り上げ、教壇に体を叩きつけた。

「へっ、どうだ?これでも爆発させれんのか、あぁ?」
「……貴様……!」
「おい!このままこいつを縛り上げんぞ……!?」

顔を上げた安佐蔵は廊下側の窓に、何かが光ってるのを見たのだろう。
私もそれに気付いた。その光はだんだん大きくなり――。

安佐蔵の体を粉々に吹き飛ばした。

◆ ◆ ◆


(あれは……!)

桐原 千里(きりはら‐せんり)は廊下側の壁を吹き飛ばして姿を現した「それ」を凝視する。
そこに立っていたのはチープなSF映画に出てきそうな鉄の巨人だった。
廊下の天井ぎりぎりに収まるサイズのそいつは両腕が機関銃になっている。
私はコイツをよく知っている。なにせ、全然売れてないうちの商品の一つだ。
そしてあることに気付き、教室を見渡した。――あの男が居ない。
千里は巨人を睨みつけ、中に入っている奴に告げた。

「神楽 雅光(かぐら-まさみつ)!貴様か!」
『へへへ。ばれちまったか。社長サン。』

蝶野は安佐蔵の死体をどけ、ふらつきながら立ちあがった。

「危ないなぁ、私に当たったらどうするつもりだったんだね?」
『ああ、別にいいんじゃね。』
「君ねぇ……。」

馴れ馴れしく喋るこいつらをみて確信する。こいつらはグルだ。

「やれやれ、ゲームを始める前に二人も死んでしまった。そろそろ始めないとまずいね。」
『おお、じゃあ俺は先に行ってるぜ。』

嫌な予感を感じた千里は一応確認してみる。

「……待て、まさかこのロボットも参加させる気じゃなかろうな?ふざけるな、勝負にならないぞ。」
「えー?そんなこと僕にいわれてもなぁ。まぁいいや、じゃあ始めるよ。
 今から用務員さんに気絶した君たちをランダムに島の彼方此方に運んでもらうから始まるのは2時間後くらいかな。
 健闘を祈るよ!君たち!」

「ちょ!ま……!」

首輪から電流が流れ、千里は意識を失った。



【一日目・深夜 ゲーム開始】

【男子十番:最強堂 勇太 死亡】
【男子一番:安佐蔵 恭二郎 死亡】
【残り38人】



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GAME START 蝶野杜夫 008:そして殺人者は野に放たれる
GAME START 水原維澄 007:brainwash
GAME START 麓山留夏 009:教師イジメは必要悪ですわ!
GAME START 桐原千里 003:プログラムマネジメント
GAME START 神楽雅光 012:大 誤 算
GAME START 最強堂勇太 死亡
GAME START 安佐蔵恭二郎 死亡

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