[[ディアボロ]]の動揺①

朝ハルヒは遅れてきた。
二時限目の休み時間に来ると何も言わずに机につっぷし寝はじめた。
徹夜で考えてたのかコイツは?そういう活力を他に向けられんのかね?
昼休みまでハルヒはずっと寝っぱなしだった。しかし俺が飯を食べようとするとハルヒは起き上がり
俺の首ねっこを掴むと廊下に連れだし、ズンズン進む‥‥あの俺弁当食べたいんですが

「今から行くところで食べなさい!あたしもそこで食べるから!」

ハルヒはコンビニで買ったと思われる焼きそばパンを俺に突きつけた。準備万端かよ。
電車にゆられ日曜日に来た公園にたどりつく。
ハルヒはベンチに座り、俺はその隣に座った。
ラブコメっぽいが隣がこいつだと、スクールデイズ的な展開になりそうで怖い。
恋愛関係にはなりえないが文句言うとハルヒから斧で‥‥いや、あれは誠だ。俺なら大丈夫きっと言葉を‥‥

「ねぇ、キョン」

「はい?何でしょうか?」

「‥‥?。なに敬語使ってんのよ。気持ち悪いわね。
 まぁ、それより昨日ここでディアボロがオヤジ狩りにあってたのよ」

今時?そんな事しないで就職先見つけろよな

「本当なのか?オヤジ狩りって?」

「散歩してたら偶然見つけてね。尋常じゃない様子で襲いかかってたわ。一人はナイフを持ってたしね」

「な、ナイフ!?ちょ、それ大丈夫だったのか?」

「もちろん止めに入ったわよ!怪我する前で良かったわ」

「そうか」

俺は安堵のため息をついた。でも一回‥‥いや何回かは死んだかもしれない
でもそしたら地面に血がついてるハズだしな、
辺りを見回すとやけに紅葉がちれている場所があった。紅葉の中には緑がまだ混じっていた。
そうか、やはり死んだのか量からして一回じゃないなハルヒは紅葉と思い込んで血には気付かなかったのか
紅葉か……、修学旅行の季節かどうりで学生が多いわけだ。
しばらく黙り込んで飯を食べていると、オカッパ頭をした男がうろうろしている。
変わった髪型だな、服もオタマジャクシ柄のスーツという奇抜なセンスだ
すると男は俺達の存在に気付きこちらに向かってきた

「少し聞きたい事があるんだがいいか?」

見た目は二十前後なのに、随分貫禄のある声だ。

「イタリアで国語の教師をしているんだが、今日は修学旅行でここに来たんだ。
 それで右も左もさっぱりで……うまいピッツァ店も知らない、もし良かったら教えてくれないか?」

てっきりプロの囲碁師かと思ったよ。
いや、さしたる意味はない変な毒電波を受信したようだ。忘れてくれ!
にしてもピッツァ店か知らないな……

「それなら、ここの公園を出た所にアブドゥル占いの館があるから、そこを右に曲がって……」

ハルヒは立ち上がり指で東口を指すと丁寧に道を教えた。意外に地理に詳しいな

「ディモールト・グラッツエ!」

「いいのよ。別に、それより髪の毛が毒キノコ色して網シャツを着ている変な男を知らない?」

ハルヒも変だとは思っていたのか、
まずディアボロさんを知っているか聞いてから娘さんを聞くみたいだ。
オカッパの男は考える仕草をすると、首を横にふった

「すまないが知らないな、そいつはイタリア人なのか?」

「えぇ、そうよ」

「うちの生徒で知っている奴が居るかもしれないな
 ……明日ここら辺を観光する時にでも聞いてくれて構わない」

「いいの?」

「教えてくれたお礼だ。アリーヴェデルチ」

男はそう言うと爽やかに去っていった。うーん紳士だ。
ハルヒはガッツポーズをとると楽しそうに笑った。

「昨日ニュースでイタリアの人達が修学旅行に来てるって言うから公園で見張ってよかったわ!明日も見張りよ!」

それで公園で弁当タイムか
そのせいで午後の授業は完全にサボりになってしまった。やれやれ

to be continued...

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年02月18日 12:24