[[ディアボロ]]の動揺③
なんてこった!人探しのために明日は丸々サボりかよ!
いや、きっと見つからなくて遅刻して学校に行けるかもしれない
俺だって本当は面倒だから学校なんか行きたくないが、
点数がたりなく補習を受けるのはごめんだ。ハルヒはそんな心配ないだろうがよ
「でも、凉宮さんの事ですからきっと見つけるでしょうね」
ディアボロさんには悪いがそれはかなりの面倒事だ。
でも、見つかったら人探しは終わりで、しばらくは平穏な日々になるだろうな
「ところで、ディアボロさんの娘と親友の特徴を教えてくれませんか?」
古泉に聞かれ、ディアボロは読んでいた本を閉じた。
「娘の名前はトリッシュ。
前髪がふくらんでいて量のあるショートヘアー。
性格は……よくは知らない、きっとハルヒに似ていると思う」
それは、また……なんとも
えらい自己中心的で夢みがちな娘さんで
「親友の名前はドッピオ。こいつとは死に別れた。
遺体や墓なんかが分からないが、せめて墓前に花くらいは添えてやりたい」
途端に空気が重くなる。
探してくれって言うからてっきり生きてるかと思ったら遺体かよ。
でも、そうなるとさらに疑問は深まる。
ディアボロさんは何者なんだ?
なぜか死んでも生き返り終わりのない苦痛を繰り返している?
そして生き別れた娘探しに、死に別れた親友の遺体探し
普通じゃあ考えられない奇妙な体験ばかりだ。
俺はディアボロさんの名前と国籍しか知らない、本当に大丈夫だろうか?
けれど俺は質問できなかった。なんでそんな目にあうのかなんて聞けば失礼だし
過去を詮索してしまうのはいただけない、誰にだって知られたくない事はあるもんだ
古泉もそう思ったのか、それとも機関で調べて分かっているのか
(長門が分からなかったからそれはないか)
それ以上は詮索しなかった。
朝比奈さんはさらに落ち込み、何か考えている。
そして長門はどこか思い詰めた表情をしていた。どうしたんだ?
「何も」
そうは言ったが長門の様子はいつもと違う。
何か悩み事があったらいつでも聞くぞ……先生か俺は
しかし長門は嬉しそうな顔をした後、また戻り機械的に断った。
それからしばらくして古泉とディアボロさんがオセロに興じた。
なんと結果は意外なことに古泉の圧勝!古泉より弱い奴が居たとは驚きだ
「初めてなんだから仕方ないだろ!」
そう言い、続けて3戦してみたが結果は古泉の連勝。
勝てて嬉しいのか笑顔に磨きがかかっている。
対してディアボロさんは悔しそうに拳を握りしめている。
いい大人がオセロ程度の遊びで一喜一憂しないでもらいたい
ん?ディアボロさんの様子がおかしいぞ……ハッ!死んでる
ディアボロ憤死
いつの間にか日も暮れてしまい、
ディアボロさんが四隅をとったのに古泉が勝ったという凄まじい戦いを終え
今日はお開きとなった。
「俺は長門と話がある。先に帰ってくれ」
なんでまた長門と?
「……オセロのコツを聞くんだよ」
意外に負けず嫌いなんだな、まぁ死ぬぐらいだしな
長門とディアボロさんは公園で作戦を練ると言って帰った。
俺と古泉は朝比奈さんが着替えるのを終わるのを待ち、途中まで三人で帰った。
寒いな、でもこんな寒い日にアイスが食いたくなるのはなぜだろう?
暑い日に鍋食いたくなるしな
俺はいつの間にかコンビ二でアイスを買っていた。
to be continued...
最終更新:2008年02月18日 12:27