[[ディアボロの憂鬱]]④
俺はこの古泉の家にいき、適度な食事と、適度な部屋が与えられた。
しかし‥‥明らかに一般市民の住む建物ては雰囲気が違った。
それにこの男、どうやらここには住んでいないようだ。俺は問い詰めると
「詳しくは明日話します」それだけ言った。
翌日、日曜日なので学校はないが
ハルヒ以外の全員の面子が駅前に揃っている。あいつはハブられているのか?
「まさか、違いますよ」
古泉はそう言ったが、信用ならない‥‥
大抵こんな笑顔をふりまく奴にろくなのは居ないって事を俺は知っているからだ。
だらだらと駅から歩き公園にたどり着く
「さて、どこから説明しましょうか?」
聞かれたキョンは知るかと投げやりに答える。
古泉は考えるふりをして、さも今思い付きましたとジェスチャーをとる。
「自己紹介からにしますかね。まずは僕からですね。古泉一樹超能力者です」
「長門有希。情報統合思念体に造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」
「あ、朝比奈みくるです‥‥未来から来ました」
「一般市民で普通の奴だ」
最後に仏頂面のキョンが本名を言わないで自己紹介を終えた。
とりあえず言っとかないといけない事がある
「イカれてるのか?」
「まぁ、そう言われるとは思いましたよ。
僕達は凉宮さんに呼ばれて来たんです僕の場合は超能力を得ました」
スタンドが有るぐらいだから、
まぁ、未来人も宇宙人も超能力者も信じよう。
俺も超能力にちかいからな‥‥だが、なぜそれを俺に言う必要がある?
「貴方も凉宮さんに呼ばれたからですよ」
古泉は即答した。こいつもハルヒと似ていて自信家らしい、
可能性ではなく絶対の根拠はなんなのか知りたいな
古泉は長々とハルヒの力を力説したがたちの悪い宗教者にしか思えなかった。
この歳で信者とは、こいつら相当のイカレポンチだな
「じゃあ、何で貴方はここに居るのですか?」
「‥‥え?」
「親友と娘さんを探しにここに?なんの根拠と確信を持って?」
「それは……勝手にここに来たんだ!
俺だって来たくて来たわけじゃない!あの小僧のせいだ!!」
俺は我を忘れて無様に怒鳴った。
周りには俺達以外にも人が居たが数人の少年たちだけが残り
他の奴らはそそくさと公園から出て行った……俺らしくも無い冷静になれ
「では、日本に来たのも初めて?」
「あぁ、そうだ」
「日本からイタリアへの直行便は約12時間。
日本との時差は8時間。日本が正午の場合イタリアは前日の午前4時です
イタリアから一番近い国はスイス。」
「……それがどうした?」
「こんなに距離があるのにどうして日本なんでしょう?
たとえランダムに選ばれたとしても、ランダムにだって規則性はあります。
だからおかしいんですよ。今までずっとイタリア圏内からいきなり日本に来るなんて」
続きが言えなかった。偶然流れ着いたと思っていたからだ
でも言われてみたらそうだ。どうして日本に――?
そして、古泉は言った
「貴方……死んでも生き返るんですよね?
なら凉宮さんは貴方を呼んだのは、貴方を助けたいからですよ」
それは俺の望んだこと。
俺は、あのハルヒのおかげで孤独の死の連鎖を止められた?
あいつがそう望んだから?確かに助けてもらいたかった。
でも同情などで助けてもらいたくない!
あんな……あんな小娘にまで同情された!このディアボロが!!
そんな運命なんか俺はごめんだ!!!
俺は忘れてしまったんだ。
大きな不幸に襲われ、ほんの少しの幸福を手に入れたから
誇りは命を縮めるということを
to be continued...
最終更新:2007年12月06日 14:21