第3話「ヴァニラ ファッジ 1」


土曜日。今日はハルヒが不思議探索に行くと言っていた。
確か駅前の喫茶店に集合だったはず………。
あたしがその店についたときにはもうキョン以外の全員が来ていた。
古泉はサワヤカスマイルを浮かべてどこかの雑誌のモデルのような格好だ。
隣のみくるはなかなか可愛い格好だ。学校ではメイド姿しか見てないから新鮮ね………。
有希は学校の制服。他に服ねーのか?
「……………」
だめだ、返事がかえってこない。無表情なだけでなく、かなり無口なようだ。
ハルヒも私服だ。だが、カチューシャは外していない。
「あの………徐倫さんはそんな格好で寒くないんですか………?」
みくるがそうきいてきた。
あたしの格好はバックルがついたいつものズボンにへそが出るいつもの服の上に上着を着ただけだ。
「別に大丈夫よ」
そんなことを話しているとキョンがきた。
「遅いわよ。罰としてみんなにおごりなさい」
そんなルールがあったのかよ………。
早くて良かったわ………。

キョンが散々おごらされた後、ハルヒがクジをだした。ゴーフルの缶に入っている。
あたしあんまりゴーフル好きじゃないのよね………。
「それじゃ、徐倫入団記念のクジびきよ」
別にまだ入るとは一言も言ってないぞ。
クジの結果はハルヒ、有希、みくるのグループとあたし、古泉、キョンのグループになった。
「よし!それじゃ3時にここにまた集合ね!」
そのハルヒの声が合図となって解散になった。

「なぁ、徐倫はSOS団に入るのか?」
河辺を歩いているとキョンが声をかけてきた。
不思議探索といっても確かにブラブラするしかすることがない。
「そうね………別に他に入る当てもないし入っていいかなっては思っているけど」
あの団長の唯我独尊、傍若無人な性格は困り物だが他の人達は結構親しみやすそうだしね。
「そうか?」
あたしのアメリカの友達はあれより凄かったわよ。
「………………」
キョンはあたしの返事を聞くと黙ってしまった。
あまりあたしにSOS団に入って欲しくないようだ。
薄々察していたがこの間の親父の話もあったから決定的だ。何かをあたしに隠そうとしている。
この際だ。問い詰めてやろう。そうしようとした瞬間だった。
「オメーらよーSOS団かよー」
いきなり男が声をかけてきた。
黒い髪の毛は五分刈りに切り揃えられており、何本かラインが入っている。
顔は割とイケメンだ。中の上ぐらいか?背は高い。180cmくらいだろう。
服は背広だがサイケデリックというような柄ね
「確かにそうですが………何の用でしょうか?」
古泉が丁寧に対応している。が、男は無視して話しを続けている。失礼な奴だ。
「お前が古泉一樹か………もう一人がキョンだったな。
最後の女でけデータがねぇな。まぁしかたねぇ」
こんなやつにも名前を覚えてもらえないなんてあんた可哀相ね………。
「………もう慣れた…………」
声が諦めている。
「で、何の用でしょうか?」
再び古泉が対応する。が、今度は少し警戒している。
当然だ。見知らぬ人物が自分達の事を調べているのだから。
「なぁに………少々怪我してもらうだけさ!」

そういった男のそばにスタンドが現れる。
こいつ!スタンド使いか!
男のスタンドはその服と同じようにサイケデリック調だ。
人型をしておりデザインは三流漫画のロボットをイメージさせる。
「死ねッ!」
「ストーンフリー!」
あたしのスタンドを出し男の小泉への攻撃を防御する。
「な!?」
どうしたの?スタンド使いがいてびっくりしたのかしら?
「てめーなんて名前だ?」
「先にあんたからなのったら?まだ聞いてないけど?」
「んーーーーまッ、それもそうだな。
俺の名前は榊雄二。スタンドの名前はヴァニラファッジだ!」
そういうと攻撃を仕掛けて来る。
左のストレート。難なくかわす。
続いてパンチが飛んで来るが、その腕の動きが止まった。
「糸!?くそっ!固定された!」
「あんたの腕に最初に巻き付けておいた………」
離れようとする。が、
「な!?上着が!?くそっ!糸に結びつけといたな!」
「えぇ、視界を塞がれてあたしの攻撃をよけられるかしら?」
「ヴァニラ………」
「オラァッ!」
ストーンフリーの鉄拳が炸裂する。
「オラオラァッ!」
「げぶっ!」
男が派手に吹き飛び川に落ちる。上着が濡れちまった………。

「てめぇ………糸を操るスタンドというわけか………」
そういうと男は何かに気づいた。
「その首のあざ………お前ジョースター、いや、空条の奴か?空条徐倫だろ」
それがどうした。
「空条とは少し厄介だな………いや、お前はどうとでもなる。
だがお前の父親とSPW財団は敵に回すと厄介だからな………。
だがまぁお前を始末して仲間に連絡してすぐにかたをつければ問題ねーか」
「面白い話ね………不可能だけど」
「どういう意味だ?」
「あんたはあたしに倒されるということよ」
「寝惚けたこといってんじゃねえぞ………負けんのはてめーだ。
おまえはおれのスタンドの能力をまだ見てねーだろ?」
「さぁ、どうなるかしら?」

to be continued・・・

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最終更新:2007年11月12日 14:52