第4話「ヴァニラ ファッジ 2」

「徐倫さん!」
古泉が叫ぶ。
「今僕の仲間を呼びます!逃げてください!」
心使いはありがたいけど無理ね。スタンド使いはスタンド使いじゃないと倒せないわ。
「ふん!くらえ!ヴァニラファッジ!」
男のスタンドが攻撃を繰り出す。
近距離パワー型のようね。スタンドは本体から動ける距離は決まっている。
近距離パワー型は遠くは行けないがパワーは強いスタンドだ。
右、左、左アッパー、右ストレート。続けざまにラッシュ。
が、ストーンフリーのスピードなら余裕で対応できる。
敵の攻撃を弾き拳をたたき込む!はずだった。
「いない!?」
やばい!とっさに回し蹴りを放つ。
「いい勘してるじゃねーか。後ろに回られた事に気づくとはよー」
いつの間に?まさかこれがこいつの能力!?
が、考える暇もなく攻撃してくる。
く、やばい。このままだと………何か使えるものは………あった。
「グフッ!」
油断していた。遂にくらっちまった。スピードはたいしたスタンドではないがパワーは結構やばい。
ふっ飛ばされて河辺のチェアーに激突する。チェアーが壊れた。
チェアーがクッションになった。隣の木にぶつからなくて良かったわ………。

「徐倫!」
キョンがこちらに近寄ってくる。
「動くんじゃねぇ!」
男が脅すとキョンは止まった。情けない………。
「まだあたしは余裕よ」
「一発でくたばったらつまんねーからな。来やがれ!」
言われなくてもモチロンいくわよ。
「オラァッ!」
攻撃は最大の防御。先手あるのみだ。
が、これもあたる瞬間空を切った。読めてきた………。
「あんたは瞬間移動のような能力をもってるわね。それも短い距離の」
「あぁ………そのとりだぜ。例えば………こんなこともなぁ!」
そういうと男は消えた。どこからだ………?
「ここだぜ!」
声のする方を向く、が、いない。
「マ抜けっ!」

凄まじい衝撃が背中に走る。
グウッ…………またくらってしまった。
「数学ってあるだろ?あれ、公式分かっても問題が解けるわけじゃーねーよな。
スタンドもおんなじだ。能力が分かっても対処できなきゃ意味ねーんだよ!」
「オラオラァッ!」
「そんな攻撃あたんねーぜッ!」
が、攻撃を続ける。手を休めたら確実に攻撃をくらってしまう。
「攻撃させねーつもりか………だがよぉ、終らない物はねー。いつまでもつかなぁーおい」
右、右ストレート。!後ろだ!回し蹴りを放つ、そして向き合い左フックから右でボディーブロー。
次々と攻撃を繰り出す。が、やはり全てかわされる。

「え?無駄だろ?まだわかんねーのか?」
「えぇ。ただし分かってないのはあんたの方だけど」
「何いってんだ?てめーよぉ。てめーはいま!狐に狩られる寸前のうさぎなんだぜッ!」
「ストーンフリー!」
手刀を繰り出す。が、やはり瞬間移動で後ろに回られた。その次の瞬間。
男を材木の束が襲った。
「ガフッ…な!?こいつは………」
「さっきの攻撃はあんたを狙っていない………あんたの後ろの糸を狙った。
糸の先にはさっき壊れたチェアーを括り付けておいた。
それを木に吊してふりこのようにお前にぶつけた………」
「くっ………誘い込まれていたのは俺だったのかよ………だがなんで俺の位置が分かったんだ?」
「あんたはあたしの後ろにばかり瞬間移動していたからな………もうちょっと考えて行動したらどうだ?」
「くっ………ヴァニラファッ………」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!」
「プガッ!」
男が吹き飛びゴミ箱の中に頭を突っ込む。そしてグッタリ動かなくなった。
死んではいないようだ。
「大丈夫か!?」
古泉とキョンが駆け寄って来る。
「なぁ………おまえらいったい何者なんだ?」
これから説明するわよ、キョン。あんた達の事も聞かせてもらうけど。
「えぇ、もちろんです。ですが皆さんがいた方がいいでしょう。そろそろ時間ですし帰りませんか?」
そうね。それにしても困った事になった。
男が襲って来た目的も分からないし、他にも色々な謎が一気にできた。ほんと、

「やれやれだわ」
「やれやれだぜ」

スタンド名 ヴァニラファッジ
本体名 榊雄二 再起不能

to be contiuend・・・

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最終更新:2007年11月12日 14:54