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&font(b,#555){バルチスタ沖大海戦}
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[[第二文明圏]]から[[グラ・バルカス帝国]]を叩き出さんとする[[神聖ミリシアル帝国]]を中核とする[[世界連合]]軍と、それを迎え撃つグラ・バルカス帝国海軍との間に勃発した海戦。
#table_color(#ff9990,#ff99a0){}
|>|日時|h
|>|中央歴1643年2月5日|
|>|バルチスタ海域|
|>|交戦勢力|h
|世界連合軍|グラ・バルカス帝国監察軍および東部方面艦隊|
|>|指導者/指揮官|h
|[[神聖ミリシアル帝国]]艦隊司令[[レッタル・カウラン]]&br()「[[カレドヴルフ>ミスリル級魔導戦艦]]」艦長[[タグス]]&br()[[パル・キマイラ>空中戦艦パル・キマイラ]]1号機艦長[[ワールマン]]&br()パル・キマイラ2号機艦長[[メテオス]]&br()[[ムー]]機動部隊司令[[レイダー]]&br()「[[ラ・エルド>ラ・カサミ級戦艦]]」艦長[[テナル]]&br()|東方艦隊司令長官[[カイザル]]&br()「[[グレードアトラスター>グレードアトラスター型戦艦]]」艦長[[ラクスタル]]&br()第1打撃群艦隊司令官[[カオニア]]|
|>|戦力|h
|&bold(){世界連合艦隊}&br()-神聖ミリシアル帝国 地方艦隊&br()戦艦3隻、魔導巡洋艦6隻、[[小型艦]]4隻&br()計13隻&br()-[[ムー]] 機動部隊&br()空母5隻、戦艦4隻、装甲巡洋艦8隻&br()巡洋艦12隻、軽巡洋艦16隻、補給艦5隻&br()計50隻&br()-[[トルキア王国]] [[戦列艦隊>魔導戦列艦]] 82隻&br()-[[アガルタ法国]] [[魔法船団]] 70隻&br()-[[ギリスエイラ公国]] [[魔導戦列艦隊>魔導戦列艦]] 98隻&br()-[[中央法王国]] [[大魔導艦]] 2隻&br()-[[マギカライヒ共同体]] 機甲戦列艦 28隻&br()-[[ニグラート連合]] [[竜母]]機動部隊 30隻&br()-[[パミール王国]] 豪速小型砲艦隊 115隻&br()計 488隻他&br()&bold(){別働隊}&br()-第二文明圏連合竜騎士団 500騎&br()-神聖ミリシアル帝国 第1、第2、第3[[魔導艦隊>魔導艦]]&br()各 魔導戦艦2隻、空母2隻、重巡洋艦4隻&br()巡洋艦8隻、小型艦20隻&br()計 108隻&br()[[空中戦艦パル・キマイラ]] 2機&br()合計 598隻他|戦艦「グレードアトラスター」「[[ラス・アルゲティ>ヘルクレス級戦艦]]」他8隻&br()空母 9隻&br()重巡洋艦 18隻&br()軽巡洋艦 20隻&br()駆逐艦 112隻&br()潜水艦 64隻&br()計 233隻|
|>|損害|h
|&bold(){第二文明圏竜騎士団}&br()約700騎全滅&br()&bold(){世界連合艦隊}&br()3分の2が撃沈&br()&bold(){神聖ミリシアル帝国}&br()艦隊 半数が大破もしくは撃沈&br()航空兵力 壊滅&br()空中戦艦パル・キマイラ1機撃沈|&bold(){第1打撃群}&br()36隻全滅&br()&bold(){第8打撃群}&br()42隻全滅&br()&bold(){東方艦隊}&br()多数撃沈&br()&bold(){航空兵力}&br()300機以上が撃墜|
|>|結果|h
|>|戦術的引き分け、戦略的にはグラ・バルカス帝国の辛勝|
**戦闘
***第一戦 [[世界連合]]艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍航空隊
[[ムー国>ムー]]海軍の航空隊が[[グラ・バルカス帝国]]の偵察機を発見。メルティマ航空隊の[[マリン]]型艦上戦闘機12機が迎撃に向かうも偵察機は高速でこれを振り切る。その後偵察機は世界連合艦隊を補足し対空砲火から逃げるように飛び去っていった。
その後、警戒飛行に移行したメルティマ飛行隊はグラ・バルカス帝国の第一次攻撃隊108機と交戦し全滅。追加で飛び立ったムー戦闘機隊と[[ニグラート連合]]の竜騎士団も第一次攻撃隊護衛の[[アンタレス型艦上戦闘機]]と交戦し全滅する。
戦闘は航空戦から艦隊による対空戦闘へと移行。世界連合艦隊はそれぞれが持つ技術を持って迎撃に務めるも、世界連合艦隊は徐々に被害を拡大してゆき、ついにはムー空母も雷撃機から放たれた魚雷を受け轟沈する。
直掩の航空部隊全滅から数えて約15分後、第二文明圏連合竜騎士団170騎が救援に駆けつけた頃には、グラ・バルカス帝国の第一次攻撃隊はすでに撤退していた。
***第二戦 神聖ミリシアル帝国魔導連合艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍航空隊
[[神聖ミリシアル帝国]]の第6偵察隊がグラ・バルカス帝国の大艦隊を発見。[[天の浮舟]]ジグラント攻撃隊と護衛の[[エルペシオ3]]制空戦闘機、合わせて100機以上を発進させる。グラ・バルカス帝国側はレーダーによってこれを早期に探知し、アンタレス型艦上戦闘機を発艦させる。航空戦は太陽を背に突撃するアンタレスの先手で始まり、天の浮舟は全ての性能で勝る100機近くの迎撃機になす術なく次々と撃墜され、全滅してしまう。
戦闘前の作戦や想定を尽く覆された神聖ミリシアル帝国の司令官たちが議論を重ねる頃、グラ・バルカス帝国の航空機が艦隊を捕捉。攻守交替し今度はグラ・バルカス側が攻撃隊を差し向ける番となる。神聖ミリシアル帝国の迎撃は飛行機械に対する魔導探知レーダーの相性が悪い事もあり思うように行かず、差し向けた攻撃隊は迎撃され、敵攻撃隊150機超は迎撃機を蹴散らし艦隊に襲来する。
魔導艦隊は対空戦闘を開始。[[対空魔光砲]]により光弾を打ち上げるとともに、それを越えて投下される爆弾を回避し、時には[[魔素]]による装甲強化で防御する。これに対し攻撃隊は雷撃機による魚雷攻撃を敢行。対空魔光砲による射撃の中、低空より多数の雷撃機が魚雷を投下。魚雷という兵器が無かったこの異世界だが、司令官[[レッタル・カウラン]]は本能的にそれが攻撃であることを察知、回避運動を命令。彼の乗艦する旗艦[[カレドヴルフ>ミスリル級魔導戦艦]]は回避に成功するも、隣を航行していた戦艦[[ティソン>ゴールド級魔導戦艦]]が左舷に2発被雷。魚雷攻撃を想定していない魔導戦艦は急速に速度を落とし、さらにもう2発の魚雷を受け轟沈。この他に多数の艦が攻撃隊による幾度もの猛攻を受け轟沈し、損傷を受けることとなった。
その後、グラ・バルカス帝国は艦隊を二分し、世界連合艦隊と魔導艦隊に差し向ける。偵察機によりこれを察知したレッタル・カウラン司令は艦隊決戦に意気込む。
しかし、突如として[[空中戦艦パル・キマイラ]]が参戦。魔導艦隊へと接近する敵艦隊の殲滅を告げる。
一方のグラ・バルカス帝国側も偵察機によりパル・キマイラを発見。その非常識な大きさに驚愕しつつも、迎撃のため戦闘機と急降下爆撃機を出撃させる。
***第三戦 神聖ミリシアル帝国 空中戦艦パル・キマイラ VS グラ・バルカス帝国海軍飛行隊
アンタレス型艦上戦闘機がパル・キマイラに対して攻撃を開始。20mm機関砲を浴びせるも魔素による装甲強化を行ったパル・キマイラには通用せず、続いて[[アルタイル急降下爆撃機]]が爆撃を開始。これに対しパル・キマイラは[[アトラタテス砲]]による迎撃を行い、少数の戦闘機を残して航空隊は全滅する。
航空隊全滅の報告を聞いたグラ・バルカス帝国側は衝撃を覚え、神聖ミリシアル帝国の兵士たちはパル・キマイラの勇姿を見て沸き立つ。
航空隊の戦闘からしばらく後、パル・キマイラ2号機の艦長[[メテオス]]は接近しつつあるグラ・バルカス帝国第1打撃群に対して撤退勧告を行う。しかし[[カオニア]]司令はこれを毅然とした態度で拒否。
グラ・バルカス帝国第1打撃群(戦艦8、重巡洋艦8、駆逐艦20)はパル・キマイラとの戦闘に突入する。
***第四戦 神聖ミリシアル帝国 空中戦艦パル・キマイラ VS グラ・バルカス帝国海軍第1打撃群
接近するパル・キマイラに対し第1打撃群旗艦ラス・アルゲティは主砲対空弾による攻撃を実行するも、200km/hで回避運動を取る相手に当たらない。艦隊から20kmの位置まで接近したパル・キマイラは機体下部に備わった六基の15cm三連装魔導砲による攻撃を開始。重巡洋艦[[エルナト>タウルス級重巡洋艦]]を沈めたのを皮切りに次々と第1打撃群の艦艇を撃沈してゆく。
グラ・バルカス艦隊が対空砲火を浴びせても、魔素による装甲強化を行ったパル・キマイラには威力が足りない。主砲は、200km/hで機動するパル・キマイラには照準が追い着かない。その状態で一方的に砲撃することで(時間がかかるものの)優位に立つパル・キマイラであったが、後により大規模な艦隊が控えていたことから敵旗艦への直接攻撃のため接近を開始。対空砲火を突破して猛烈な砲撃を浴びせる。
しかしラス・アルゲティに対しては、15cm砲では威力不足で撃沈出来ず、やむなく切り札である超大型魔導爆弾[[ジビル]]を投下。凄まじい爆発にラス・アルゲティ自体は耐えるものの、乗員は全員死亡が確認される。敵旗艦を無力化したパル・キマイラは長距離からの砲撃を再開し、グラ・バルカス海軍第1打撃群36隻を殲滅する。
戦闘そのものは''パル・キマイラの完勝''であった。しかし''「パル・キマイラには、ジビル以外、敵戦艦に致命傷を与えられる武器が無い」''ことも、この時判明していた。
***第五戦 世界連合艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍第8打撃群
第1打撃群の全滅からしばらく後、第8打撃群を攻撃せんとする第2文明圏連合竜騎士団の[[ワイバーンロード]]300騎弱とアンタレス型艦上戦闘機36機が会敵。性能差ゆえに竜騎士団はその数を213騎まで減らすも、第8打撃群まで到達する。しかしワイバーンロードの導力火炎弾では鋼鉄製の軍艦に大きなダメージを与えることができず、対空砲火によって殲滅されてゆく。
第8打撃群が対空砲火により敵航空戦力を撃滅する一方、世界連合艦隊では度重なる航空攻撃を受け多くの機が撃墜され、艦が沈められていた。ここに遅れて到着した第8打撃群が加わったことで戦力差は隔絶したものとなって世界連合艦隊を襲い、多くの将兵が絶望した。
しかし突如として空中戦艦パル・キマイラ初号機が襲来。アトラタテス砲により敵航空部隊を殲滅すると、そのまま第8打撃群に対して攻撃を開始。グラ・バルカス側にとって、対空砲では威力が足りず、主砲は照準ができない状態で砲撃を加え、最後に敵戦艦に対しジビルを投下。グラ・バルカス帝国海軍第8打撃群42隻は殲滅される。
***幕間戦 神聖ミリシアル帝国魔導連合艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍潜水艦隊
多数の戦力を失い士気を喪失した世界連合艦隊と異なり、未だ戦闘能力を残していた魔導連合艦隊はパル・キマイラ2号機艦長メテオスから屈辱的な台詞と共に敵艦隊の位置を知らされると、増速して敵艦隊へと向かっていた。
その最中、突如として潜水艦隊による魚雷攻撃を受ける。先の航空攻撃から魚雷を知った艦隊は全力で回避に務めるが、潜水艦相手になす術なく翻弄される。
***第六戦 空中戦艦パル・キマイラ2隻 VS グラ・バルカス帝国海軍東方艦隊
接近するパル・キマイラに対しグラ・バルカス海軍は第1次攻撃隊80機を差し向けるも全滅。続く第2次攻撃隊も同様の結果となった。
本格的な戦闘に備えて準備を行う[[グレードアトラスター>グレードアトラスター型戦艦]]に対し、[[メテオス]]は再度撤退勧告を行う。これを司令長官[[カイザル]]は拒否。通信が切れるとともにパル・キマイラは侵攻を開始する。
空中を飛翔し、魔素で装甲を強化したパル・キマイラは対空砲火をものともせず、15cm3連装魔導砲による速射をもって艦隊を次々と沈めてゆく。しかし、時間がかかる事を嫌った1号機艦長[[ワールマン]]は旗艦グレードアトラスターへの早期攻撃を提案。パル・キマイラの損傷を警戒するメテオスの反対を押し切り、グレードアトラスターに[[ジビル]]を命中させようとする。
一方、この動きを察知したグレードアトラスター艦長[[ラクスタル]]は、敵空中戦艦が''爆撃のため直線飛行''する時を狙い、[[主砲>45口径九四式46cm3連装砲]]徹甲弾による砲撃を敢行。ベテラン砲術師[[フラグストン]]によるその一撃は見事に命中し、パル・キマイラ1号機は大爆発を起こして海上に散った。
全く想定していなかった事態に2号機の幹部たちは驚愕し、艦長であるメテオスは皇帝からの命令に基づき撤退する。
***第七戦 神聖ミリシアル帝国魔導連合艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍東方艦隊
度重なる航空攻撃と潜水艦隊による魚雷によって大損害を受けていた魔導艦隊と、空中戦艦との交戦で大打撃を受けた東方艦隊は、ついに艦隊決戦に臨む。
戦闘は4時間にもわたって繰り広げられ、損害を重ねた双方の艦隊は弾が切れるとともに海域を去っていった。
**結果
かくしてバルチスタ沖大海戦は、''戦術的には痛み分け、戦略的には制海権を守り通したグラ・バルカス帝国の辛勝''に終わる。(''戦略的に完勝と言えるのは''、戦術的に圧勝し、神聖ミリシアル帝国を含むすべての敵国に''「我々はグラ・バルカス帝国には勝てない」という意識を植え付けるのに成功した場合''である。)
ただし、グラ・バルカス帝国のカイザル司令やラクスタル艦長は空中戦艦パル・キマイラにより与えられた損害を極めて重く見ており、自軍兵器では対抗できない事を明確に認識したが、政府がプロパガンダ重視でミリシアルの実力を軽視する事を危惧している。
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|~&big(){関連項目}|
|&bold(){[[歴史]]}|[[グレードアトラスター型戦艦]]|[[空中戦艦パル・キマイラ]]|
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[[過去のコメント>コメント/バルチスタ沖大海戦]]
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〔最終更新日:&date(j)〕
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[[第二文明圏]]から[[グラ・バルカス帝国]]を叩き出さんとする[[神聖ミリシアル帝国]]を中核とする[[世界連合]]軍と、それを迎え撃つグラ・バルカス帝国海軍との間に勃発した海戦。
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|>|中央歴1643年2月5日|
|>|バルチスタ海域|
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|世界連合軍|グラ・バルカス帝国監察軍および東部方面艦隊|
|>|指導者/指揮官|h
|[[神聖ミリシアル帝国]]艦隊司令[[レッタル・カウラン]]&br()「[[カレドヴルフ>ミスリル級魔導戦艦]]」艦長[[タグス]]&br()[[パル・キマイラ>空中戦艦パル・キマイラ]]1号機艦長[[ワールマン]]&br()パル・キマイラ2号機艦長[[メテオス]]&br()[[ムー]]機動部隊司令[[レイダー]]&br()「[[ラ・エルド>ラ・カサミ級戦艦]]」艦長[[テナル]]&br()|東方艦隊司令長官[[カイザル]]&br()「[[グレードアトラスター>グレードアトラスター型戦艦]]」艦長[[ラクスタル]]&br()第1打撃群艦隊司令官[[カオニア]]|
|>|戦力|h
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|>|損害|h
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|>|結果|h
|>|戦術的引き分け、戦略的にはグラ・バルカス帝国の辛勝|
**戦闘
***第一戦 [[世界連合]]艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍航空隊
[[ムー国>ムー]]海軍の航空隊が[[グラ・バルカス帝国]]の偵察機を発見。メルティマ航空隊の[[マリン]]型艦上戦闘機12機が迎撃に向かうも偵察機は高速でこれを振り切る。その後偵察機は世界連合艦隊を補足し対空砲火から逃げるように飛び去っていった。
その後、警戒飛行に移行したメルティマ飛行隊はグラ・バルカス帝国の第一次攻撃隊108機と交戦し全滅。追加で飛び立ったムー戦闘機隊と[[ニグラート連合]]の竜騎士団も第一次攻撃隊護衛の[[アンタレス型艦上戦闘機]]と交戦し全滅する。
戦闘は航空戦から艦隊による対空戦闘へと移行。世界連合艦隊はそれぞれが持つ技術を持って迎撃に務めるも、世界連合艦隊は徐々に被害を拡大してゆき、ついにはムー空母も雷撃機から放たれた魚雷を受け轟沈する。
直掩の航空部隊全滅から数えて約15分後、第二文明圏連合竜騎士団170騎が救援に駆けつけた頃には、グラ・バルカス帝国の第一次攻撃隊はすでに撤退していた。
***第二戦 神聖ミリシアル帝国魔導連合艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍航空隊
[[神聖ミリシアル帝国]]の第6偵察隊がグラ・バルカス帝国の大艦隊を発見。[[天の浮舟]]ジグラント攻撃隊と護衛の[[エルペシオ3]]制空戦闘機、合わせて100機以上を発進させる。グラ・バルカス帝国側はレーダーによってこれを早期に探知し、アンタレス型艦上戦闘機を発艦させる。航空戦は太陽を背に突撃するアンタレスの先手で始まり、天の浮舟は全ての性能で勝る100機近くの迎撃機になす術なく次々と撃墜され、全滅してしまう。
戦闘前の作戦や想定を尽く覆された神聖ミリシアル帝国の司令官たちが議論を重ねる頃、グラ・バルカス帝国の航空機が艦隊を捕捉。攻守交替し今度はグラ・バルカス側が攻撃隊を差し向ける番となる。神聖ミリシアル帝国の迎撃は飛行機械に対する魔導探知レーダーの相性が悪い事もあり思うように行かず、差し向けた攻撃隊は迎撃され、敵攻撃隊150機超は迎撃機を蹴散らし艦隊に襲来する。
魔導艦隊は対空戦闘を開始。[[対空魔光砲]]により光弾を打ち上げるとともに、それを越えて投下される爆弾を回避し、時には[[魔素]]による装甲強化で防御する。これに対し攻撃隊は雷撃機による魚雷攻撃を敢行。対空魔光砲による射撃の中、低空より多数の雷撃機が魚雷を投下。魚雷という兵器が無かったこの異世界だが、司令官[[レッタル・カウラン]]は本能的にそれが攻撃であることを察知、回避運動を命令。彼の乗艦する旗艦[[カレドヴルフ>ミスリル級魔導戦艦]]は回避に成功するも、隣を航行していた戦艦[[ティソン>ゴールド級魔導戦艦]]が左舷に2発被雷。魚雷攻撃を想定していない魔導戦艦は急速に速度を落とし、さらにもう2発の魚雷を受け轟沈。この他に多数の艦が攻撃隊による幾度もの猛攻を受け轟沈し、損傷を受けることとなった。
その後、グラ・バルカス帝国は艦隊を二分し、世界連合艦隊と魔導艦隊に差し向ける。偵察機によりこれを察知したレッタル・カウラン司令は艦隊決戦に意気込む。
しかし、突如として[[空中戦艦パル・キマイラ]]が参戦。魔導艦隊へと接近する敵艦隊の殲滅を告げる。
一方のグラ・バルカス帝国側も偵察機によりパル・キマイラを発見。その非常識な大きさに驚愕しつつも、迎撃のため戦闘機と急降下爆撃機を出撃させる。
***第三戦 神聖ミリシアル帝国 空中戦艦パル・キマイラ VS グラ・バルカス帝国海軍飛行隊
アンタレス型艦上戦闘機がパル・キマイラに対して攻撃を開始。20mm機関砲を浴びせるも魔素による装甲強化を行ったパル・キマイラには通用せず、続いて[[アルタイル急降下爆撃機]]が爆撃を開始。これに対しパル・キマイラは[[アトラタテス砲]]による迎撃を行い、少数の戦闘機を残して航空隊は全滅する。
航空隊全滅の報告を聞いたグラ・バルカス帝国側は衝撃を覚え、神聖ミリシアル帝国の兵士たちはパル・キマイラの勇姿を見て沸き立つ。
航空隊の戦闘からしばらく後、パル・キマイラ2号機の艦長[[メテオス]]は接近しつつあるグラ・バルカス帝国第1打撃群に対して撤退勧告を行う。しかし[[カオニア]]司令はこれを毅然とした態度で拒否。
グラ・バルカス帝国第1打撃群(戦艦8、重巡洋艦8、駆逐艦20)はパル・キマイラとの戦闘に突入する。
***第四戦 神聖ミリシアル帝国 空中戦艦パル・キマイラ VS グラ・バルカス帝国海軍第1打撃群
接近するパル・キマイラに対し第1打撃群旗艦ラス・アルゲティは主砲対空弾による攻撃を実行するも、200km/hで回避運動を取る相手に当たらない。艦隊から20kmの位置まで接近したパル・キマイラは機体下部に備わった六基の15cm三連装魔導砲による攻撃を開始。重巡洋艦[[エルナト>タウルス級重巡洋艦]]を沈めたのを皮切りに次々と第1打撃群の艦艇を撃沈してゆく。
グラ・バルカス艦隊が対空砲火を浴びせても、魔素による装甲強化を行ったパル・キマイラには威力が足りない。主砲は、200km/hで機動するパル・キマイラには照準が追い着かない。その状態で一方的に砲撃することで(時間がかかるものの)優位に立つパル・キマイラであったが、後により大規模な艦隊が控えていたことから敵旗艦への直接攻撃のため接近を開始。対空砲火を突破して猛烈な砲撃を浴びせる。
しかしラス・アルゲティに対しては、15cm砲では威力不足で撃沈出来ず、やむなく切り札である超大型魔導爆弾[[ジビル]]を投下。凄まじい爆発にラス・アルゲティ自体は耐えるものの、乗員は全員死亡が確認される。敵旗艦を無力化したパル・キマイラは長距離からの砲撃を再開し、グラ・バルカス海軍第1打撃群36隻を殲滅する。
戦闘そのものは''パル・キマイラの完勝''であった。しかし''「パル・キマイラには、ジビル以外、敵戦艦に致命傷を与えられる武器が無い」''ことも、この時判明していた。
***第五戦 世界連合艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍第8打撃群
第1打撃群の全滅からしばらく後、第8打撃群を攻撃せんとする第2文明圏連合竜騎士団の[[ワイバーンロード]]300騎弱とアンタレス型艦上戦闘機36機が会敵。性能差ゆえに竜騎士団はその数を213騎まで減らすも、第8打撃群まで到達する。しかしワイバーンロードの導力火炎弾では鋼鉄製の軍艦に大きなダメージを与えることができず、対空砲火によって殲滅されてゆく。
第8打撃群が対空砲火により敵航空戦力を撃滅する一方、世界連合艦隊では度重なる航空攻撃を受け多くの機が撃墜され、艦が沈められていた。ここに遅れて到着した第8打撃群が加わったことで戦力差は隔絶したものとなって世界連合艦隊を襲い、多くの将兵が絶望した。
しかし突如として空中戦艦パル・キマイラ初号機が襲来。アトラタテス砲により敵航空部隊を殲滅すると、そのまま第8打撃群に対して攻撃を開始。グラ・バルカス側にとって、対空砲では威力が足りず、主砲は照準ができない状態で砲撃を加え、最後に敵戦艦に対しジビルを投下。グラ・バルカス帝国海軍第8打撃群42隻は殲滅される。
***幕間戦 神聖ミリシアル帝国魔導連合艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍潜水艦隊
多数の戦力を失い士気を喪失した世界連合艦隊と異なり、未だ戦闘能力を残していた魔導連合艦隊はパル・キマイラ2号機艦長メテオスから屈辱的な台詞と共に敵艦隊の位置を知らされると、増速して敵艦隊へと向かっていた。
その最中、突如として潜水艦隊による魚雷攻撃を受ける。先の航空攻撃から魚雷を知った艦隊は全力で回避に務めるが、潜水艦相手になす術なく翻弄される。
***第六戦 空中戦艦パル・キマイラ2隻 VS グラ・バルカス帝国海軍東方艦隊
接近するパル・キマイラに対しグラ・バルカス海軍は第1次攻撃隊80機を差し向けるも全滅。続く第2次攻撃隊も同様の結果となった。
本格的な戦闘に備えて準備を行う[[グレードアトラスター>グレードアトラスター型戦艦]]に対し、[[メテオス]]は再度撤退勧告を行う。これを司令長官[[カイザル]]は拒否。通信が切れるとともにパル・キマイラは侵攻を開始する。
空中を飛翔し、魔素で装甲を強化したパル・キマイラは対空砲火をものともせず、15cm3連装魔導砲による速射をもって艦隊を次々と沈めてゆく。しかし、時間がかかる事を嫌った1号機艦長[[ワールマン]]は旗艦グレードアトラスターへの早期攻撃を提案。パル・キマイラの損傷を警戒するメテオスの反対を押し切り、グレードアトラスターに[[ジビル]]を命中させようとする。
一方、この動きを察知したグレードアトラスター艦長[[ラクスタル]]は、敵空中戦艦が''爆撃のため直線飛行''する時を狙い、[[主砲>45口径九四式46cm3連装砲]]徹甲弾による砲撃を敢行。ベテラン砲術師[[フラグストン]]によるその一撃は見事に命中し、パル・キマイラ1号機は大爆発を起こして海上に散った。
全く想定していなかった事態に2号機の幹部たちは驚愕し、艦長であるメテオスは皇帝からの命令に基づき撤退する。
***第七戦 神聖ミリシアル帝国魔導連合艦隊 VS グラ・バルカス帝国海軍東方艦隊
度重なる航空攻撃と潜水艦隊による魚雷によって大損害を受けていた魔導艦隊と、空中戦艦との交戦で大打撃を受けた東方艦隊は、ついに艦隊決戦に臨む。
戦闘は4時間にもわたって繰り広げられ、損害を重ねた双方の艦隊は弾が切れるとともに海域を去っていった。
**結果
かくしてバルチスタ沖大海戦は、''戦術的には痛み分け、戦略的には制海権を守り通したグラ・バルカス帝国の辛勝''に終わる。(''戦略的に完勝と言えるのは''、戦術的に圧勝して''「敵の心を折った」場合''。すなわち、神聖ミリシアル帝国を含むすべての敵国に''「我々はグラ・バルカス帝国には勝てない」という意識を植え付けるのに成功した場合''である。)
ただし、グラ・バルカス帝国のカイザル司令やラクスタル艦長は空中戦艦パル・キマイラにより与えられた損害を極めて重く見ており、自軍兵器では対抗できない事を明確に認識したが、政府がプロパガンダ重視でミリシアルの実力を軽視する事を危惧している。
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|~&big(){関連項目}|
|&bold(){[[歴史]]}|[[グレードアトラスター型戦艦]]|[[空中戦艦パル・キマイラ]]|
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''※既存のコメントに返信する場合、返信したいコメントの左側にチェックを入れて下さい。''
[[過去のコメント>コメント/バルチスタ沖大海戦]]
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