「手順が大切、型はまず体でおぼえる」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

手順が大切、型はまず体でおぼえる - (2010/08/13 (金) 06:18:54) の1つ前との変更点

追加された行は青色になります

削除された行は赤色になります。

 累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) 
 ------
 &size(24){&color(green){手順が大切、型はまず体でおぼえる}}
 ----
 鍼は引き鍼・鍼灸の自然則 (3) 手順が大切、型はまず体でおぼえる
 #contents
 *1.はじめに
  鍼は、手順が大事です。
 
  同じ配穴、つまり同じツボを同じ数えらんだとしても、手順をまち
 がえると結果が出ないどころか、一時的に症状が悪化したりすること
 もあります。
 
  術伝流のような一本鍼では、とくにそうですが、このごろは繊維筋
 痛症に代表されるように邪気が体にいっぱいの人がふえているので、
 置鍼の場合でも刺鍼していく順序、抜鍼してくる順序には注意したほ
 うがよいと思います。
 *2.手順の2原則
  「手足→胴体→手足」、「陽→陰→陽」が、手順の2原則です。
 
  手足に引くと陽に引くを手順にしたものです。
 
  この二つの手順の原則をくみあわせれば、
 「手足(陽→陰→陽) →  胴体(陽→陰→陽) →  手足(陽→陰→陽)」
 となります。
 
  このくみあわせた手順が刺鍼手順の原則になります。
 
  ただ、必要のない場合には、省略されることがあります。
 
  たとえば、慢性の病のときは、表位をはじめ体の表(おもて)に邪
 が少ないので、はじめの「陽に引く」をはぶくことがおおいです。
 「陰先陽後」とよばれる手順です。
 
  また、逆に、急性の病のときは体の表に邪が多いので、「陰に刺す」
 ことは止めるか少なくし、
 「手足の陽に引く→胴体の陽に引く→手足の陽に引く」
 という手順で刺すことがおおくなります。「先急」のときの刺鍼手順。
 
  実技編で、いろいろな場合の手順をひとつずつ説明していきますの
 で、着実に身に付けていくようにしてください。
 
 *3.型は体でおぼえる
 **「一:礼、二:姿勢、三:ツボ取り、手順」
  まずは、迷わずできるように、型をしっかり身に付ける必要があり
 ます。
 
  すこしぐらい体調が悪くても、なにか考えごとをしたり、心に迷い
 があるときでも、まちがわず迷わずできるように、型を体でおぼえて
 しまいます。
 
 ***「一:礼」
  はじめとおわりにきちんと礼をするのが第一です。
 
  治療するまえに「よろしくおねがいします」と声に出しながら、て
 いねいに誠実に治療させていただきますという思いをこめて一礼し、
 治療したあとには「ありがとうございます」と声に出しながら、診さ
 せていただきありがとうございましたという思いをこめて一礼をしま
 す。
 
  いまの若い人には、こういう礼は反発をうけるかもしれませんが、
 私は、ある人から「治療前後に深い一礼をしておくと、すこしくらい
 失敗しても苦情を言われる可能性は少なくなるよ」といわれ、納得し
 ました。
 
  そういう意味では、失敗したときには、「失敗してしまい、すみま
 せん」と言い、そういう思いもこめたほうがよいでしょう。
 
 ***「二:姿勢」
  姿勢が第二です。
 
  腰を立て、肩の力を抜き、脇をすこしあけ、肘は張りぎみ、手首は
 折らないというのが基本になります。
 
  畳の上では、尻の下に座布団の二つ折りか四つ折りをいれて、尻を
 すこし高くし、両膝を畳につけ、利き手と反対側の足を前にだして、
 座ります。
 
  椅子を使うときには、足先を椅子の後ろ側にまわすようにすると、
 近い姿勢がとれます。
 
  鍼をするほうにヘソをむけ、刺鍼するところにできるだけ体全体を
 近づけ、脇の下にテニスボール1個いれたくらい上腕を胴からはなし、
 肘は張り気味にして、腕をかえし、手首はおらないようにします。
 
  こうすると、肘から先にゆとりがうまれ、指が自由に動くようにな
 り、いろいろな刺鍼術をゆとりをもって使えるようになります。
 
  また、受け手の体のそのときの変化におうじて、手のうちを変えて
 対処しやすくなります。
 
  つぎの和歌の境地への第一歩です。
  「鍼刺すに 心で刺すな 手で引くな 引くも引かぬも 指にまかせよ」
                       (杉山和一検校)
 
  肘の高さが左右ほぼ同じになるよう工夫すると、刺鍼しているとき
 の体の左右差、背骨のかたむきがすくなくなり腰を痛める可能性が低
 くなります。
 
  姿勢が悪いと、疲れやすく、体をこわしやすくなります。
 
  患者さんの邪気を浴びて体をこわしたという話のおおくは、姿勢が
 悪いことが大きな原因になっているように思います。
 
  邪気は気なので、ビールの気といっしょで、気が抜けやすく、治療
 者の側に邪気の発生原因である水毒や悪血が少なければ、すぐ出てい
 きます。
 
  姿勢が悪いと疲れがたまりやすく、そのあいだに邪毒の排出機能が
 おとろえやすくなり、その結果として邪毒がたまりやすくなり、体を
 こわしやすくなるということかなと思います。
 
  また、姿勢が良いと鍼が上手そうに見えます。上手そうだなと受け
 手が思ってくれれば、受け手が安心するせいか、鍼の効き目も上がる
 ように思います。
 
 ***「三:ツボ取り」
  つぎはツボ取りなんですが、ツボ取りは「体は自然」で書いたので
 はぶきます。
 
  ここは「型」の話ですし。
 
  「体は自然」で書いた内容をくりかえし読んで、よく練習し、いち
 ど指を滑らしただけで迷わずサッとツボが取れるようになってくださ
 い。
 
 ***「もうひとつの三:手順」
  型で三番目に大事なのは、手順、順序。
 
  鍼は、順番が大切なんですが、その順番で迷っていると、受け手は
 不安になります。
 
  とくに、診察手順で迷っているようだと、刺鍼にはいる前に、受け
 手は不安になってしまいます。
 
  受け手が不安になったら、体を硬くしてしまうことがおおいので、
 鍼灸の効き目は落ちます。
 
 **礼、姿勢、手順をまず体で覚える
  礼にしろ、姿勢にしろ、手順にしたがった動きにしろ、他人が見て
 美しいと思うくらいでないと、型としては役に立ちません。
 
  かっこよく見えることも大切なことです。
 
  なんども繰り返して練習し、体でおぼえてしまうと、すこしずつ、
 かっこよく見えるようになっていきます。
 
  礼や姿勢がかっこよく、手順どおりにツボを探す姿も美しく見える
 ぐらいになり、そのうえで受け手の体の望みどおりに刺鍼できれば、
 受け手の体は、自然にととのい、病はいえると、考えてもよいくらい
 です。
 
 そのくらい、手順、順序は、大事です。
 
  練習の場でたがいに声をかけあって、体でおぼえていけるようにし
 ましょう。
 
 *4.礼、姿勢、ツボ取り、手順ができたら、型の意味 
  礼、姿勢、ツボ取り、手順が、しっかり体に身に付けられたら、つ
 ぎは、型の意味です。
 
  型がどうしてそういうふうになっているか、自然則にもとづいて、
 その意味を考えていきます。
-
+**先急は、遠くに強く邪気を引く
 ***応急処置は、陽中心、遠くに強く引く
  応急処置の原則は「遠くに強く引く」です。
 
  患部に蠢(うごめ)いている邪気を患部から引きはなし、体の外に
 出すことを目的にしているからです。
 
  邪気が患部で蠢いていることが、急性症状がつらいことの原因なの
 で、そういうふうに遠くに強い刺激をあたえることで邪気を引き患部
 から引き離そうというわけです。
 
  頭首胴など体幹部の症状の応急処置では、遠くは、手首足首から先
 になります。
 
  ですから、「手足の陽→頭首胴の陽→手足の陽」が、手順の基本に
 なります。
 
  肘膝から先、とくに手首足首から先の症状では、対角刺、上下刺、
 巨刺など、左右、上下、対角の対称点にツボをさがしますが、これも
 「遠くに強く引く」例でしょう。
 
  手首足首が患部のときには、同じ手足の手首足首から先は、遠いと
 はいえませんので。
 
  巨刺以外は文献に出てくることはすくないですが、効果的な技法で
 すので、身につけてください。くわしくは、[[術伝流一本鍼no.12]]を
 参照してください。
 
 ***内科系や陰位の運動系では、陰経も使う
  ただし、内臓系疾患や、運動系疾患でも、肩、膝、股関節のときに
 は、陰経を組み合わせることもおおくなります。
 
  症状に応じ、組み合わせ方を工夫する必要があります。くわしくは、
 [[術伝流一本鍼]]・「先急の一本鍼」の運動器や内科系をみてください。
 ([[術伝流一本鍼no.1]]〜[[術伝流一本鍼no.26]])
 
  また、内(陰)、つまり、内蔵など体の内側が関係する急性病で、
 上衝が激しいときなどは、陰陽うまく組み合わせて対処します。手に
 陽経、陰経の順で引き、つぎに、足は、逆に、陰経、陽経の順で引き、
 背に引き、頭に散鍼して手の甲に引いたりします。
 
  必要におうじて、省略したり、追加したりします。
 
  くわしくは>>>[[術伝流一本鍼no.19]]〜[[術伝流一本鍼no.26]]
 
  慢性期の型の手順を逆にしたようなやり方をすることもありますが、
 すこしむずかしい刺法になります。
 
-***慢性期の型では頭を衝(つ)かせない
+**慢性は、腹足はじめ古いツボ
+***腹診でみつけた腹のツボを改善する
+ 術伝流の慢性期の養生は、腹診中心です。腹の古いツボをみつけ、
+改善していきます。
+
+ 腹のツボと関連が深いのは、まずは、足のツボです。つぎは、背中、
+そして、手のツボの順です。
+
+ それらのツボを使い、腹の邪気を、手足に引き、陽に引き、体の外
+に出していくことで、腹のツボを改善していきます。
+
+ そのため、治療すると、腹の邪気が動きます。
+
+***慢性期の型では、頭を衝(つ)かせない
+ 慢性期の養生でも、治療すれば、腹の邪気が動き、頭のほうへ動き
+ます。頭を邪気が衝く、上衝という現象がおきます。
+
  慢性期の型において、はじめに手の陰経に引くのは、邪気が動いた
 ときにそちらに流れるようにするためです。つまり、頭を衝(つ)か
 せないための予防策です。
 
  そのつぎに、手の陽経に引くのは、表位の邪をすこし減らしておく
 ためです。まえの予防策の補強にもなります。
 
  そして、横腹に引くのは、ひとつは腹の中でいちばん陽の部分に引
 くためです。また、腹のなかでは、比較的筋肉の厚みがあり安全なと
 ころでもあります。
 
  その2点以外に、左右差を減らす意味もあります。左右差が大きい
 と邪気がスムーズに上下の動きにのりにくいため、鍼をして邪気を体
 の外に引き出すことがスムーズにいかなくなります。
 
  おわりに肩頚頭(表位)のコワバリをゆるめ、散鍼するのは、上、
 つまり、頭に動いた邪気を散(ち)らすためです。
 
  頭への散鍼で散らしきらないこともおおいので、その部分と関係の
 ふかい手の陽経(とくに、手の甲)に引いておきます。
 
  このはじめとおわりの刺し方は、「病が動いたときには、邪気が頭
 を衝(つ)きやすい」ことへの対処になっています。
 
  慢性期でも、鍼をすることでおなかの邪気を動かすので、病が動い
 たときと同じような対処をしているわけです。
 
  このあたりは、漢方の古方派の上下論を反映しています。くわしく
 は「臨床は対話・[[つぎの朝の寝覚めがさわやかか]]」などを参照して
 ください。
 
  ですから、慢性期の治療では、時間がないときも、はじめとおわり
 は省略しません。とくに、はじめの手の陰経への引き鍼と、おわりの
 頭への散鍼と手甲への引鍼が大切です。
 
  それとくらべると、なかの部分は、受け手の状態や時間を見て、適
 当に組み合わせればよいこともおおいです。受け手の体があるていど
 読めるようになったらの話ですが。
 
 **刺法の意味を考える
  ひとつひとつの刺鍼での受け手の体の変化をよく観察し、その刺法
 の意味、型や手順の意味を考えることを習慣にすると、上達が早いで
 す。
 
  「奥義は初伝にあり」という言葉を思い出してください。
 
 *5.おわりに
  まずは、手順や型をしっかり身につけ、つぎに、ゆっくり、すこし
 ずつ、手順や型の意味を考えていきましょう。
 
 
    >>>つぎへ>>>[[病は、まず三陽一陰にわける]]
 
 
 ----
 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」
 -----
 *お知らせとお願い
 **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て 
 いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 
 をしてくださる方を募集しています。
 
  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。
 
  よろしくお願いします。
 
 **感想など
  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。
 
  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、養生に
 ついての雑談や、症例相談などもしていきたいと思っています。
 
  よろしくお願いします。
 
 **間違いなど
  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。
 
  よろしくお願いします。
 
 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の
 参加者を募集しています。
 
  よろしくお願いします。
 
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜