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術伝流操体no.35 - (2010/08/07 (土) 14:26:52) の編集履歴(バックアップ)


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術伝流操体 【3】操体で一通り治療 [2]ラクになれない人への対処 
(3) 対処法3.イイ感じを味わってもらうために

イイ感じを味わってもらうために

(1)はじめに

 今まで2回書いてきたように、末端や中心をきっかけにしてラクな姿
勢が見つかったら、その姿勢をすこし強調してイイ感じを味わってもら
います。

 これにもいくつか方法がありますが簡単なほうからあげていきます。

(2)定番などに近い姿勢なら定番をためす

 いろいろラクな姿勢を探してもらった結果、「ラクな姿勢を少し強調」
編で書いてきた寝方別のラクな姿勢からの操体の定番に近い姿勢になっ
たら、定番をそのままためしてみればよいです。

 たとえば、横向き寝で膝を曲げ、上になっている膝が前に出ている姿
勢がラクなら、上になっている腰から大腿の腰側の皮膚を膝のほうにズ
ラすことをキッカケにしてみます(写真1)。

写真1

(3)ラクな姿勢にしたキッカケを試す

 (2)でラクな姿勢を探すときにキッカケにしたことをそのままキッ
カケにしてイイ感じを探していきます。

1.圧痛操法

 たとえば、足の指もみをしてすこし痛くしたら、痛さをすこし弱く加
減しながら指もみを続け、イイ感じの姿勢を探してゆっくり動いていっ
てもらうこともできます(写真2)。

写真2

 姿勢が止まったら、その姿勢をすこし強調する操体にはいります。

 この場合に今まで見たことのない姿勢になったら、あとで書くように、
体の伸びたがっているラインをみつけ、すこし余分に伸ばすとイイ感じ
なことがおおいです。

 痛くする足指は、10本さわって、いちばん痛みの強い指を使うと逃げ
る動作が出やすいですが、寝方に関係する指を使うといい場合もありま
す。

 仰向け寝なら第2~3指、うつ伏せなら第4~5指、横向きなら上になっ
ている足の第4~5指などです。ここで第5指は小指のことです。

 寝ている姿勢で体重の負荷をさけたいところが、悪いところ、体が治
したいところの可能性が高いと思います。仰向けなら、体の前側を上に
して寝ているので、経絡的に体の前側に関係する足の第2~3指にツボが
出ている可能性が高いという予測になるわけです。

 足指のツボで動かなくなったら、そこと経絡的関係のツボを探して、
そのツボをすこし痛くして逃げてもらい、その姿勢をすこし強調する操
体をしてもよいです。

 たとえば、あお向けで第2指の指裏を痛くして止まった(写真3)な
ら、足陽明なので、足三里を押して痛みがあったら、その痛みから逃げ
てもらいます(写真4)。

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写真3

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写真4

 また、横向きで足の第5指で逃げてもらって止まった場合(写真5)
には、足太陽なので、ふくらはぎの終わったあたりの飛陽などを使いま
す(写真6)。

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写真5

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写真6

 もちろん、経絡的な関係以外にも、左右上下前後対角などの関係から
ツボをみつけて、そこをキッカケにすることもできます。

 たとえば、あお向けで4指あたりが痛くて逃げてもらったら、対角の
反対側の手の薬指を押してみて痛かったら、その痛みがへる腕の位置を
探してもらいます(写真7)。

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写真7

 このすこし痛くして逃げてもらうことをキッカケにした操体は、操体
の業界用語では「圧痛操法」とよばれています。

 あまり痛くするとイヤがる人もいるので、痛さを加減してください。

 すこしでも痛いことはイヤという人や、そうでない人でも痛みへの感
受性が高くなっているときには、使わないほうが無難でしょう。

2.ラクにした末端をきっかけに

 五首など足指以外の末端を使ってラクな姿勢になってもらったことを、
そのままキッカケにすることもできます。

 たとえば、あお向けで膝を曲げ倒した格好がラクだったら、その姿勢
で伸びようとしている天井をむいている大腿の内側を伸ばす皮膚操体
(写真8)をキッカケにイイ感じを探していきます。

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写真8

 また、いわゆる爪先あげ、つまり足首を反らすとラクな感じがしたと
きには、足の甲の皮膚を足首のほうにすこしズラしてイイ感じがないか
さがしてみたりします(写真9)。

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写真9

3.ラクにした中心をキッカケに

 ラクな姿勢になってもらうときに腰椎の4種8方向や体重移動をキッ
カケにした場合には、それをそのまますこし強調してみて、イイ感じが
ふえないかさがしてみることができます。

 たとえば、横向きで前屈がよいなら、背中を丸めることにつながるよ
うに皮膚をずらしてあげます。具体的には、肩甲間部の皮膚を首のほう
に、腰から仙骨の皮膚を尾骨のほうにズラします(写真10)。

写真10

 とくに、体重移動は、はじめのうちは操者もわかりにくいし受け手に
判断してもらうのもしにくいように思えますが、案外うまくいくことが
おおいです。

  たとえば、あお向け膝立てで、お尻が浮かすのがイイ感じなら(写
真11)、後屈したがっているのですから、肩のほうに体重を移してもら
います(写真12)。

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写真11

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写真12

 それをもっと強調するには、肩を踵で押してもらいます(写真13)。

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写真13

 また、横向きで左右捻転がよいなら、下半身は前側体重移動で、上半身は
後側体重移動なので、手を背中側に伸ばしてもらって、腕の重さでバランス
をとってもらいます(写真14)。

写真14

 それで、とくに、今まで見たことのない姿勢になったときには、つぎに書
くように、まずその姿勢から体重移動をしてみることをキッカケにしてみる
とうまくいくことがおおくなります。

(4)キッカケがわからないときには

 (2).や(3)で書いてきた方法、つまり、姿勢が定番に近いものでなかっ
たり、定番をためしてもイイ感じがなかったり、ラクな姿勢になってもらっ
たキッカケをしてみてもどうもイイ感じがしない、初めて見る姿勢だし、ど
うしようかなと思ったときに、やってみたら案外うまくいくことが二つあり
ますので、おぼえておいてください。

 一つは、これまでもすこし書いてきましたが、体重を移してみること、も
う一つは、その格好で伸びようとしているところを伸ばすことです。順に説
明します。

1.体重を移してみる

 左右または前後×上下の4方向に体重を移してもらい、いちばんイイ感じ
の方向に体重をしばらく移したままにしてもらいます。

 姿勢によっては、受け手が体重を移しにくい場合もありますので、そうい
うときには、操者が体重をかけてみてイイ感じがしたところにしばらく体重
をかけたままにします。

 たとえば、うつ伏せやあお向けで、左右差の少ない姿勢のときには、両肩
と両骨盤を順に押してみて、イイ感じの組み合わせを探します(写真15、写
真16)。

写真15

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写真16

 このあたり、寝方別の重さの操体で解説練習したことを思い出せば、なん
とかなると思います。

2.伸ばそうとしてるところを伸ばす

 ラクになった姿勢を見て、受け手の体が伸ばそうとしているところをみつ
けます。

 操体は、赤ちゃんやネコなどの動物がするノビやアクビを技法化・様式化
したものです。

 また、体があお向け大の字とどこかちがっていたら、どこかが縮んでどこ
かが伸びているはずです。それで、あお向け大の字とちがった格好をしてい
るときには、さがせばかならず伸びようとしているところはみつかります。

 横向き寝に近い姿勢では、前屈や左右捻転などがおおいです。

 うつ伏せに近い姿勢では、カエル足、膝立てからの後屈や左右捻転、足伸
ばしなどがおおくなります。

 あお向けでは、膝立てからの前屈後屈、左右捻転、足を伸ばした姿勢から
の左右側屈、足伸ばしの強調などがおおいです。

 まぁ、こう書いていくとラクな寝方からの定番は、そういう寝方でおおい
ものをえらんでいるなとあらためて思います。

 今回のテーマは、ラクな姿勢になりにくい場合なので、直立不動に近い緊
張感をともなう姿勢がくずれて、ラクな姿勢にすこしでもなってもらえれば、
その姿勢を強調する操体はみつけやすいということになると思います。

 あお向け大の字に近いかっこうのときには、左右にわずかに側屈している
ことがおおく、伸びている側を伸ばしてあげる(写真17)のがイイ感じにな
ることがおおいです。

写真17

 また、片側の肩が上がり、片側が下がっていたら、それを強調すると、つ
まり、縮もうとしている筋肉を縮め、伸びようとしている筋肉を伸ばすと、
イイ感じなことがおおいです(写真18)。

写真18

 たまには、定番に近い姿勢なのに、定番でないところを伸ばしてほしいと
いう人もいます。そういうときこそ新しい操体をみつけられるチャンスです
ね。たとえば、横向き寝から上になっている側を伸ばしたい人もいました
(写真19)。


写真19

 また、あお向けで胸を張っている感じの人(写真20)は、それを強調した
ら、気持ちよいとのことでした(写真21)。

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写真20

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写真21

(5)味わい方や終わり方は同じ

 ラクな姿勢になってもらい、キッカケが決まったら、あとは同じです。

 まずは、キッカケ以外にいろいろ探してイイ感じを付け加えていきます。

 キュークツそうに見えるところや目立つ感じのところをまずキッカケにし
てみた場合には、五首などでキッカケにしなかったところを付け足したり、
体重を移してもらったりするとイイ感じがふえることがおおいです。

 逆に、言葉をかけて、腰椎の3軸を動かしてもらうのは、難しいことが
おおいので、あまりしません。

 たとえば、あお向け片足膝倒しの人には、首をラクなほうにねじってもらっ
たり(写真22,23)、左右の手を頭のほうにあげてもらい、イイ感じのほう
をえらんでもらいます。

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写真22

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写真23

 中心である腰椎や体重移動をキッカケにしたときにも、五首などをイイ感
じになるよう動かしてもらいます。

 たとえば、あお向け膝立てで、体重を頭のほうに移す(写真24)のがイイ
感じなら、手の甲を反らせてもらう(背屈)とイイ感じがふえることがおお
いです(写真25)。

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写真24

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写真25

 ただし、このとき、手の小指側を下にしているほうがよい場合には、手首
を橈屈(親指側に曲げる側屈、 写真26)するとイイ感じがふえやすいです。

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写真26

 どちらの動きも、この姿勢での頭のほうへの体重移動を強調することになっ
ていることを確かめてください。

 このように、手のほうは、おく位置によって、動かし方が変わってくるこ
とがおおいので、すこし注意するようにしてください。

 たとえば、 横向き寝で上になっているほうを胸側に移動する体重移動(写
真27)がよいときは、上になっている肩を下になっている体側面を支点に前
側に回転させていることになります。そのため、上になっている腕の手首も
それがしやすいように捻転するとよいことがおおいです。

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写真27

 上の手の指先が頭のほうにむいていれば、小指側をひらの側にまわ
す手首捻転(写真28)がイイ感じなことがおおいです。

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写真28

 逆に、上の手の指先が足のほうにむいていれば、小指側を手甲側にまわす
手首捻転(写真29)がイイ感じなことがおおくなります。

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写真29

 また、手首を動かすのがそれほどイイ感じでもないときには、そういう動
きにつながるように、上腕の皮膚をズラす(写真30)と、より深い気持ちよ
さを感じられることもおおいです。

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写真30

 十分イイ感じを味わってもらい、姿勢を変えたくなったら終わります。そ
して、余韻を十分味わうというか、一つの操体を終えたあとのイイ感じの後
味を十分に味わってもらってから、また、ラクな姿勢をみつけて、つぎの操
体をしていきます。

(6)おわりに

 今回までで、ラクな寝方になれない人の対処法として、ラクな姿勢を手足
や首など末端から決めていく方法と、重さや腰椎など中心から決めていく方
法を紹介しました。

 次回からは、ゆらしやくすぐりなどや、耳や髪の毛への操法など、いわゆ
る定番の操体とすこしちがった技法を紹介します。これらは、ラクな姿勢が
わかる人にラクな姿勢でしても効果がありますが、緊張していてラクな姿勢
になれない人の緊張をほぐすのにも役に立ちます。


   つぎへ>>>術伝流操体no.36



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