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術伝流操体no.35 - (2016/09/16 (金) 13:07:55) のソース

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術伝流操体 【3】操体で一通り治療 [2]ラクになれない人への対処 
(3) 対処法3.イイ感じを味わってもらうために

&size(24){&color(green){イイ感じを味わってもらうために}}
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#contents
*(1)はじめに
 今まで2回書いてきたように、末端や中心を切っ掛けにして
ラクな姿勢が見付かったら、その姿勢を少し強調してイイ感じ
を味わってもらいます。

 これにも幾つか方法がありますが、簡単な方から説明してい
きます。

*(2)定番などに近い姿勢なら、定番を試す
 色々とラクな姿勢を探してもらった結果、「ラクな姿勢を少
し強調」編で書いてきた寝方別のラクな姿勢からの操体の定番
に近い姿勢になることもあります。そしたら、そのまま、定番
を試してみれば良いです。

 例えば、横向き寝で膝を曲げ、上側の膝が前に出ている姿勢
がラクなら、上側の腰から大腿付け根の皮膚を膝の方にズラす
ことを切っ掛けにしてみます(写真1)。

&ref(DSCF0390.jpg)写真1

*(3)ラクな姿勢にした切っ掛けを試す
 (2)でラクな姿勢を探すときに切っ掛けにしたことを、そ
のまま切っ掛けにして、イイ感じを探していくことも可能です。

**1.圧痛操法
 例えば、足の指揉みをして痛くした後に、痛さを少し弱く加
減しながら指揉みを続けます。そして、イイ感じの姿勢を探し
て、ゆっくり動いていってもらったりも可能です(写真2)。

&ref(p操体あ0809#04.jpg)写真2

 姿勢が止まったら、その姿勢を少し強調する操体に移ります。

 この場合に、今まで見たことの無い姿勢になったら、後で書
くように、体の伸びたがっているラインを見付け、少し余分に
伸ばすとイイ感じなことが多いです。

 痛くする足指は、10本触ってみて、痛みを一番感じる指を使
うと逃げる動作が出やすいです。が、寝方に関係する指を使う
と良い場合もあります。

 仰向け寝なら第2~3指、うつ伏せなら第4~5指、横向きなら
上になっている足の第4~5指などです。ここで第5指は小指の
ことです。

 寝ている姿勢で体重の負荷を避けたい所が、悪い所、体が治
したがっている所の可能性が高いと思います。仰向けなら、体
の前側を上にして寝ているので、経絡的に体の前側に関係する
足の第2~3指にツボが出ている可能性が高いという予測になる
わけです。

 足指のツボで動かなくなったら、そこと経絡的関係のツボを
探して、そのツボを少し痛くして逃げてもらい、その姿勢を少
し強調する操体をしてもよいです。

 例えば、仰向けで第2指の指裏を痛くして止まった(写真3)
なら、足陽明なので、足三里を押して痛みが有ったら、その痛
みから逃げてもらいます(写真4)。

&ref(DSCF2245.JPG)写真3

&ref(DSCF2247.JPG)写真4

 また、横向きで足の第5指で逃げてもらって止まった場合
(写真5)には、足太陽なので、脹脛の終わった辺りの飛陽
などを使います(写真6)。

&ref(DSCF2248.JPG)写真5

&ref(DSCF2250.JPG)写真6

 もちろん、経絡的な関係以外にも、左右上下前後対角などの
関係からツボを見付けて、そこを切っ掛けにすることもできま
す。

 例えば、仰向けで4指の辺りが痛くて逃げてもらったら、対
角の反対側の手の薬指を押してみて痛かったら、その痛みが減
る腕の位置を探してもらいます(写真7)。

&ref(DSCF2256.JPG)写真7

 この少し痛くして逃げてもらうことを切っ掛けにした操体は、
操体の業界用語では「圧痛操法」と呼ばれています。

 余り痛くすると嫌がる人も居るので、痛さを加減してくださ
い。

 少しでも痛いことは嫌と言う人や、そうでない人でも痛みへ
の感受性が高くなっている場合には、使わない方が無難でしょ
う。

**2.ラクにした末端を切っ掛けに
 五首など足指以外の末端を使ってラクな姿勢になってもらっ
たことを、そのまま切っ掛けにすることもできます。

 例え、仰向けで膝を曲げ倒した格好がラクだったら、その姿
勢で伸びようとしている、天井を向いている大腿の内側を伸ば
す皮膚操体(写真8)を切っ掛けにイイ感じを探していきます。

&ref(DSCF0289.JPG)写真8

 また、いわゆる爪先上げ、つまり、足首を反らす(背屈)と
ラクな感じがしたときには、足の甲の皮膚を足首の方に少しズ
ラしてイイ感じが増えないか探してみたりします(写真9)。

&ref(DSCF2265.JPG)写真9

**3.ラクにした中心をキッカケに
 ラクな姿勢になってもらうときに、腰椎の4種8方向や体重
移動を切っ掛けにした場合には、そのまま、それを少し強調し
てみて、イイ感じが増えないか探してみることができます。

 例えば、横向きで前屈が良いなら、背中を丸めることに連動
するように皮膚をズラしてみます。具体的には、肩甲間部の皮
膚を首の方に、腰から仙骨の皮膚を尾骨の方にズラします(写
真10)。

&ref(DSCF0398.jpg)写真10

 特に、体重移動は、初めのうちは、操者も分かりにくいし、
受け手に判断してもらうのもしにくいように思えますが、案外
上手く行くことが多いです。

 例えば、仰向け膝立てで、尻を浮かすのがイイ感じなら(写
真11)、後屈したがっていることが多いです。

&ref(DSCF2268.JPG)写真11

 ですから、肩の方に体重を移してもらいます(写真12)。

&ref(DSCF2271.JPG)写真12

 それをもっと強調するには、肩を踵で押してもらいます(写
真13)。

&ref(DSCF2274.JPG)写真13

 また、横向きで左右捻転が良いなら、下半身は前側体重移動
で、上半身は後側体重移動なので、手を背中側に伸ばしてもらっ
て、腕の重さでバランスを取ってもらいます(写真14)。

&ref(p操体あ0809#06.jpg)写真14

 それで、特に、今まで見たことの無い姿勢になったときには、
次に書くように、先ず、その姿勢から体重移動を切っ掛けにす
ると上手く行くことが多くなります。

*(4)切っ掛けが分からないときには
 (2)や(3)で書いてきた方法、つまり、姿勢が定番に近
いもので無かったり、定番を試したり、ラクな姿勢になっても
らった切っ掛けを試しても、どうもイイ感じがしない場合もあ
ると思います。また、初めて見る姿勢だし、どうしようかなと
言う場合もあると思います。

 そういう場合に、試してみたら案外上手く行く切っ掛けが二
つ有ります。一つは、「体重を移してみる」こと、もう一つは、
「その格好で伸びようとしている所を伸ばす」ことです。順に
説明します。

**1.体重を移してみる
 左右または前後×上下の4方向に体重を移してもらい、一番
イイ感じの方向に体重をしばらく移したままにしてもらいます。

 姿勢によっては、受け手が体重を移しにくい場合もあるので、
そういうときには、操者が体重を掛けてみてイイ感じがした所
に、しばらく体重を掛けたままにします。

 例えば、うつ伏せや仰向けで、左右差の少ない姿勢の場合に
は、両肩と両骨盤を順に押してみて、イイ感じの組み合わせを
探します(写真15、写真16)。

&ref(DSCF0350.jpg)写真15

&ref(DSCF2285.JPG)写真16

 この辺り、寝方別の重さの操体で解説練習したことを思い出
せば、なんとkとかなると思います。

**2.伸ばそうとしてるところを伸ばす
 ラクになった姿勢を見て、受け手の体が伸ばそうとしているところをみつ
けます。

 操体は、赤ちゃんやネコなどの動物がするノビやアクビを技法化・様式化
したものです。

 また、体があお向け大の字とどこかちがっていたら、どこかが縮んでどこ
かが伸びているはずです。それで、あお向け大の字とちがった格好をしてい
るときには、さがせばかならず伸びようとしているところはみつかります。

 横向き寝に近い姿勢では、前屈や左右捻転などがおおいです。

 うつ伏せに近い姿勢では、カエル足、膝立てからの後屈や左右捻転、足伸
ばしなどがおおくなります。

 あお向けでは、膝立てからの前屈後屈、左右捻転、足を伸ばした姿勢から
の左右側屈、足伸ばしの強調などがおおいです。

 まぁ、こう書いていくとラクな寝方からの定番は、そういう寝方でおおい
ものをえらんでいるなとあらためて思います。

 今回のテーマは、ラクな姿勢になりにくい場合なので、直立不動に近い緊
張感をともなう姿勢がくずれて、ラクな姿勢にすこしでもなってもらえれば、
その姿勢を強調する操体はみつけやすいということになると思います。

 あお向け大の字に近いかっこうのときには、左右にわずかに側屈している
ことがおおく、伸びている側を伸ばしてあげる(写真17)のがイイ感じにな
ることがおおいです。

&ref(p操体あ0811#17.jpg)写真17

 また、片側の肩が上がり、片側が下がっていたら、それを強調すると、つ
まり、縮もうとしている筋肉を縮め、伸びようとしている筋肉を伸ばすと、
イイ感じなことがおおいです(写真18)。

&ref(p操体あ0811#18.jpg)写真18

 たまには、定番に近い姿勢なのに、定番でないところを伸ばしてほしいと
いう人もいます。そういうときこそ新しい操体をみつけられるチャンスです
ね。たとえば、横向き寝から上になっている側を伸ばしたい人もいました
(写真19)。


&ref(DSCF0394.jpg)写真19

 また、あお向けで胸を張っている感じの人(写真20)は、それを強調した
ら、気持ちよいとのことでした(写真21)。

&ref(DSCF0263.JPG)写真20

&ref(DSCF0266.JPG)写真21

*(5)味わい方や終わり方は同じ
 ラクな姿勢になってもらい、キッカケが決まったら、あとは同じです。

 まずは、キッカケ以外にいろいろ探してイイ感じを付け加えていきます。

 キュークツそうに見えるところや目立つ感じのところをまずキッカケにし
てみた場合には、五首などでキッカケにしなかったところを付け足したり、
体重を移してもらったりするとイイ感じがふえることがおおいです。

 逆に、言葉をかけて、腰椎の3軸を動かしてもらうのは、難しいことが
おおいので、あまりしません。

 たとえば、あお向け片足膝倒しの人には、首をラクなほうにねじってもらっ
たり(写真22,23)、左右の手を頭のほうにあげてもらい、イイ感じのほう
をえらんでもらいます。

&ref(DSCF0368.JPG)写真22

&ref(DSCF0369.JPG)写真23

 中心である腰椎や体重移動をキッカケにしたときにも、五首などをイイ感
じになるよう動かしてもらいます。

 たとえば、あお向け膝立てで、体重を頭のほうに移す(写真24)のがイイ
感じなら、手の甲を反らせてもらう(背屈)とイイ感じがふえることがおお
いです(写真25)。

&ref(DSCF2289.JPG)写真24

&ref(DSCF2293.JPG)写真25

 ただし、このとき、手の小指側を下にしているほうがよい場合には、手首
を橈屈(親指側に曲げる側屈、 写真26)するとイイ感じがふえやすいです。

&ref(DSCF2296.JPG)写真26

 どちらの動きも、この姿勢での頭のほうへの体重移動を強調することになっ
ていることを確かめてください。

 このように、手のほうは、おく位置によって、動かし方が変わってくるこ
とがおおいので、すこし注意するようにしてください。

 たとえば、 横向き寝で上になっているほうを胸側に移動する体重移動(写
真27)がよいときは、上になっている肩を下になっている体側面を支点に前
側に回転させていることになります。そのため、上になっている腕の手首も
それがしやすいように捻転するとよいことがおおいです。

&ref(DSCF2298.JPG)写真27

 上の手の指先が頭のほうにむいていれば、小指側をひらの側にまわ
す手首捻転(写真28)がイイ感じなことがおおいです。

&ref(DSCF2299.JPG)写真28

 逆に、上の手の指先が足のほうにむいていれば、小指側を手甲側にまわす
手首捻転(写真29)がイイ感じなことがおおくなります。

&ref(DSCF2303.JPG)写真29

 また、手首を動かすのがそれほどイイ感じでもないときには、そういう動
きにつながるように、上腕の皮膚をズラす(写真30)と、より深い気持ちよ
さを感じられることもおおいです。

&ref(DSCF2305.JPG)写真30

 十分イイ感じを味わってもらい、姿勢を変えたくなったら終わります。そ
して、余韻を十分味わうというか、一つの操体を終えたあとのイイ感じの後
味を十分に味わってもらってから、また、ラクな姿勢をみつけて、つぎの操
体をしていきます。

*(6)おわりに
 今回までで、ラクな寝方になれない人の対処法として、ラクな姿勢を手足
や首など末端から決めていく方法と、重さや腰椎など中心から決めていく方
法を紹介しました。

 次回からは、ゆらしやくすぐりなどや、耳や髪の毛への操法など、いわゆ
る定番の操体とすこしちがった技法を紹介します。これらは、ラクな姿勢が
わかる人にラクな姿勢でしても効果がありますが、緊張していてラクな姿勢
になれない人の緊張をほぐすのにも役に立ちます。


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