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術伝流操体no.35 - (2010/08/07 (土) 11:53:27) のソース

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術伝流操体 【3】操体で一通り治療 [2]ラクになれない人への対処 
(3) 対処法3.イイ感じを味わってもらうために

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#contents
*(1)はじめに
 今まで2回書いてきたように、末端や中心をきっかけにしてラクな姿
勢が見つかったら、その姿勢をすこし強調してイイ感じを味わってもら
います。

 これにもいくつか方法がありますが簡単なほうからあげていきます。

*(2)定番などに近い姿勢なら定番をためす
 いろいろラクな姿勢を探してもらった結果、「ラクな姿勢を少し強調」
編で書いてきた寝方別のラクな姿勢からの操体の定番に近い姿勢になっ
たら、定番をそのままためしてみればよいです。

 たとえば、横向き寝で膝を曲げ、上になっている膝が前に出ている姿
勢がラクなら、上になっている腰から大腿の腰側の皮膚を膝のほうにズ
ラすことをキッカケにしてみます(写真1)。

&ref(DSCF0390.jpg)写真1

*(3)ラクな姿勢にしたキッカケを試す
 (2)でラクな姿勢を探すときにキッカケにしたことをそのままキッ
カケにしてイイ感じを探していきます。

**1.圧痛操法
 たとえば、足の指もみをしてすこし痛くしたら、痛さをすこし弱く加
減しながら指もみを続け、イイ感じの姿勢を探してゆっくり動いていっ
てもらうこともできます(写真2)。

&ref(p操体あ0809#04.jpg)写真2

 姿勢が止まったら、その姿勢をすこし強調する操体にはいります。

 この場合に今まで見たことのない姿勢になったら、あとで書くように、
体の伸びたがっているラインをみつけ、すこし余分に伸ばすとイイ感じ
なことがおおいです。

 痛くする足指は、10本さわって、いちばん痛みの強い指を使うと逃げ
る動作が出やすいですが、寝方に関係する指を使うといい場合もありま
す。

 仰向け寝なら第2~3指、うつ伏せなら第4~5指、横向きなら上になっ
ている足の第4~5指などです。ここで第5指は小指のことです。

 寝ている姿勢で体重の負荷をさけたいところが、悪いところ、体が治
したいところの可能性が高いと思います。仰向けなら、体の前側を上に
して寝ているので、経絡的に体の前側に関係する足の第2~3指にツボが
出ている可能性が高いという予測になるわけです。

 足指のツボで動かなくなったら、そこと経絡的関係のツボを探して、
そのツボをすこし痛くして逃げてもらい、その姿勢をすこし強調する操
体をしてもよいです。

 たとえば、あお向けで第2指の指裏を痛くして止まった(写真3)な
ら、足陽明なので、足三里を押して痛みがあったら、その痛みから逃げ
てもらいます(写真4)。

&ref(DSCF2245.JPG)写真3

&ref(DSCF2247.JPG)写真4

 また、横向きで足の第5指で逃げてもらって止まった場合(写真5)
には、足太陽なので、ふくらはぎの終わったあたりの飛陽などを使いま
す(写真6)。

&ref(DSCF2248.JPG)写真5

&ref(DSCF2250.JPG)写真6

 もちろん、経絡的な関係以外にも、左右上下前後対角などの関係から
ツボをみつけて、そこをキッカケにすることもできます。

 たとえば、あお向けで4指あたりが痛くて逃げてもらったら、対角の
反対側の手の薬指を押してみて痛かったら、その痛みがへる腕の位置を
探してもらいます(写真7)。

&ref(DSCF2256.JPG)写真7

 このすこし痛くして逃げてもらうことをキッカケにした操体は、操体
の業界用語では「圧痛操法」とよばれています。

 あまり痛くするとイヤがる人もいるので、痛さを加減してください。

 すこしでも痛いことはイヤという人や、そうでない人でも痛みへの感
受性が高くなっているときには、使わないほうが無難でしょう。

**2.ラクにした末端をきっかけに
 五首など足指以外の末端を使ってラクな姿勢になってもらったことを、
そのままキッカケにすることもできます。

 たとえば、あお向けで膝を曲げ倒した格好がラクだったら、その姿勢
で伸びようとしている天井をむいている大腿の内側を伸ばす皮膚操体
(写真8)をキッカケにイイ感じを探していきます。

&ref(DSCF0289.JPG)写真8

 また、いわゆる爪先あげ、つまり足首を反らすとラクな感じがしたと
きには、足の甲の皮膚を足首のほうにすこしズラしてイイ感じがないか
さがしてみたりします(写真9)。

&ref(DSCF2265.JPG)写真9

**3.ラクにした中心をキッカケに
 ラクな姿勢になってもらうときに腰椎の4種8方向や体重移動をキッ
カケにした場合には、それをそのまますこし強調してみて、イイ感じが
ふえないかさがしてみることができます。

 たとえば、横向きで前屈がよいなら、背中を丸めることにつながるよ
うに皮膚をずらしてあげます。具体的には、肩甲間部の皮膚を首のほう
に、腰から仙骨の皮膚を尾骨のほうにズラします(写真10)。

&ref(DSCF0398.jpg)写真10

 とくに、体重移動は、はじめのうちは操者もわかりにくいし受け手に
判断してもらうのもしにくいように思えますが、案外うまくいくことが
おおいです。

  たとえば、あお向け膝立てで、お尻が浮かすのがイイ感じなら(写
真11)、後屈したがっているのですから、肩のほうに体重を移してもら
います(写真12)。それをもっと強調するには、肩を踵で押してもらい
ます(写真13)・

写真11:DSCF2268.JPG
写真12:DSCF2271.JPG
写真13:DSCF2274.JPG

 また、横向きで左右捻転が良いなら、下半身は前側体重移動で、上半身は後側体重移動なので、手を背中側に伸ばしてもらって、腕の重さでバランスをとってもらいます(写真14)。

写真14:p操体あ0809#06

 それで、特に、今まで見たことのない姿勢になったときには次に書くようにまずその姿勢から体重移動をしてみることをキッカケにしてみるとうまくいくことが多くなります。

*(4)キッカケがわからないときには
 (2).や(3)で書いてきた方法、つまり、姿勢が定番に近いものでなかったり、定番を試してもイイ感じがなかったり、ラクな姿勢になってもらったキッカケをしてみてもどうもイイ感じがしない、初めて見る姿勢だし、どうしようかなと思ったときに、やってみたら案外うまくいくことが二つありますので、覚えておいてください。

 一つは、これまでも少し書いてきましたが、体重を移してみること、もうひとつは、その格好で伸びようとしているところを伸ばすことです。順に説明します。

1.体重を移してみる
 左右または前後×上下の4方向に体重を移してもらい、いちばんイイ感じの方向に体重をしばらく移したままにしてもらいます。姿勢によっては、受け手が体重を移しにくい場合もありますので、そういうときには操者が体重をかけてみてイイ感じがしたところにしばらく体重をかけたままにします。

 例えば、うつ伏せや仰向けで、左右差の少ない姿勢の場合には、両肩と両骨盤を順に押してみて、イイ感じの組み合わせを探します(写真15、写真16)。

写真15:DSCF0350
写真16:DSCF2285.JPG

 

 このあたり、寝方別の重さの操体で解説練習したことを思い出せば、なんとかなると思います。

2.伸ばそうとしてるところを伸ばす
 ラクになった姿勢を見て、受け手の体が伸ばそうとしているところをみつけます。

 操体は、赤ちゃんやネコなどの動物がするノビやアクビを技法化・様式化したものです。また、体が仰向け大の字とどこか違っていたら、どこかが縮んでどこかが伸びているはずです。それで、仰向け大の字とちがった格好をしているときには、探せば必ず伸びようとしているところは見つかります。

 横向き寝に近い姿勢では、前屈や左右捻転などが多いです。うつ伏せに近い姿勢では、カエル足、膝立てからの後屈や左右捻転、足伸ばしなどが多くなります。仰向けでは、膝立てからの前屈後屈、左右捻転、足を伸ばした姿勢からの左右側屈、足伸ばしの強調などが多いです。

 まぁ、こう書いていくとラクな寝方からの定番は、そういう寝方で多いものを選んでいるなと改めて思います。今回のテーマは、ラクな姿勢になりにくい場合なので、直立不動に近い緊張感をともなう姿勢がくずれて、ラクな姿勢に少しでもなってもらえれば、その姿勢を強調する操体は見つけやすいということになると思います。

 仰向け大の字に近いかっこうのときには、左右にわずかに側屈していることが多く、伸びている側を伸ばしてあげる(写真17)のがイイ感じになることが多いです。

写真17:p操体あ0811#17

 また、片側の肩が上がり、片側が下がっていたら、それを強調すると、つまり、縮もうとしている筋肉を縮め、伸びようとしている筋肉を伸ばすと、いい感じなことが多いです(写真18)。

写真18:p操体あ0811#18

 たまには、定番に近い姿勢なのに、定番でないところを伸ばしてほしいという人もいます。そういうときこそ新しい操体を見つけられるチャンスですね。たとえば、横向き寝から上になっている側を伸ばしたい人もいました(写真19)。


写真19:DSCF0394

 また、仰向けで胸を張っている感じの人(写真20)は、それを強調したら、気持ちよいと言われました(写真21)。

写真20:DSCF0263.JPG
写真21:DSCF0266.JPG

(5)味わい方や終わり方は同じ
 ラクな姿勢になってもらい、キッカケが決まったら、あとは同じです。

 まずは、キッカケ以外にいろいろ探してイイ感じを付け加えていきます。

 キュークツそうに見えるところや目立つ感じのところをまずキッカケにしてみた場合には、五首などでキッカケにしなかったところを付け足したり、体重を移してもらったりするとイイ感じが増える場合が多いです。

 逆に、言葉をかけて、腰椎の3軸を動かしてもらうのは、難しいことが多いので、あまりしません。

 例えば、仰向け片足膝倒しの方には、首をラクなほうに捻ってもらったり(写真22,23)、左右の手を頭のほうに挙げてもらい、いい感じのほうを選んでもらいます。

写真22:DSCF0368.JPG
写真23:DSCF0369.JPG

 中心である腰椎や体重移動をキッカケにした場合にも、五首などをイイ感じになるよう動かしてもらいます。

 例えば、仰向け膝立てで、体重を後ろに移す(写真24)のがイイ感じなら、手の甲を反らせてもらう(背屈)とイイ感じが増えることが多いです(写真25)。ただし、この場合、手の小指側を下にしているほうが良い場合には、手首を橈屈(親指側に曲げる側屈、 写真26)するとイイ感じが増えやすいです。どちらの動きも、この姿勢での後側体重移動を強調することになっていることを確かめてください。

写真24:DSCF2289.JPG
写真25:DSCF2293.JPG
写真26:DSCF2296.JPG

 このように、手のほうは、置く位置によって、動かし方が変わってくる場合が多いので、すこし注意するようにしてください。

 例えば、 横向き寝で上になっている方を胸側に移動する体重移動(写真27)が良いときは、上になっている肩を下になっている体側面を支点に前側に回転させていることになります。そのため、上になっている腕の手首もそれがしやすいように捻転すると良いことが多いです。

 上の手の指先が頭のほうに向いていれば、小指側をひらの側に回す手首捻転(写真28)がイイ感じなことが多いです。逆に、上の手の指先が足のほうに向いていれば、小指側を手甲側に回す手首捻転(写真29)がイイ感じなことが多くなります。また、手首を動かすのがそれほどイイ感じでもない場合には、そういう動きにつながるように、上腕の皮膚をずらす(写真30)と、より深い気持ちよさを感じられることも多いです。

写真27:DSCF2298.JPG
写真28:DSCF2299.JPG
写真29:DSCF2303.JPG
写真30:DSCF2305.JPG

 充分イイ感じを味わってもらい、姿勢を変えたくなったら終わります。そして、余韻を充分味わうというか、一つの操体を終えたあとのイイ感じの後味を充分に味わってもらってから、また、ラクな姿勢をみつけて次の操体をしていきます。

*(6)おわりに
 今回までで、ラクな寝方になれない人の対処法として、ラクな姿勢を手足や首など末端から決めていく方法と、重さや腰椎など中心から決めていく方法を紹介しました。次回からは、ゆらしやくすぐりなどや、耳や髪の毛への操法など、いわゆる定番の操体と少し違った技法を紹介します。これらは、ラクな姿勢が分かる人にラクな姿勢で行っても効果がありますが、緊張していてラクな姿勢になれない人の緊張をほぐすのにも役に立ちます。


   つぎへ>>>[[術伝流操体no.36]]


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 症例を少しずつ増やして、ゆくゆくは深谷先生の「お灸で病気を治し 
た話」の写真入り版のような感じにしていきたいと思っています。

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