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術伝流一本鍼no.35 - (2011/07/14 (木) 07:47:18) のソース

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&color(green){術伝流一本鍼no.35 (術伝流・養生の一本鍼・運動器編(4))}

&bold(){&size(24){&color(green){肩の養生、灸頭鍼}}}
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#contents
*(1)(1)古いツボには、灸・灸頭鍼
 腰の場合と同じように、慢性期の型を中心に、腹などの古いツボを鍼で治療していきます。そして、鍼のみでは変わりにくい古いツボが見つかったときに、そういう古いツボに灸や灸頭鍼をすると、それをさかいに体全体が大きく変化していくことがおおいです。
(2)古いツボが出やすいところ
 腰の場合と同じように、慢性期の型で診察刺鍼をしながら、古いツボをさがします。2,3回慢性期の型を中心に治療した人の場合には、腹診や動作鍼などをして古いツボをみつけてもよいです。
 古いツボは、表面はペコペコで、押すとしばらくフニャフニャしていて、ずっと奥にとても硬いシコリがあるという形をしています。
 肩の慢性期の場合には、腹、首〜肩〜肩胛骨まわり、脇の下〜上腕陰経の3カ所を中心にさがします。
 腹では、腹診のときに説明した臍まわりの上下左右肓兪、章門、五枢・維道がまず候補になります。その中でも肩によく関係しているのは、臍より上の、左右の上肓兪、左右章門です。それ以外では、正中線上の中脘ちかく、肋骨の腹よりなどに出ることがあります。中脘ちかくは、鳩尾から臍までのあいだでもっとも凹んだところを押してみます。が、すこし横にずれていることもあります。肋骨の腹よりは、鳩尾から指をすべらして凹んだところをさがし、押して痛みが強いところをとります。
 首〜肩〜肩甲骨まわりでは、横頚部中央、肩貞、首の横側の付け根、肩井、頚椎や胸椎1〜5番の華佗経におおいです。不眠をともなうときは、天柱・風池によく出ます。肩甲骨まわりに出ていることもあります。また、 上腕太陽経の肘よりに出ていることもあります。
 脇の下〜上腕陰経では、腕をつらくない範囲で真横に上げて、脇の下から上腕の陰経側を観察し、腕と平行に走っている溝をみつけます。その溝のなかで押してもっとも痛いところをさがします。もっとも痛いところが、脇の下のなかで、灸や灸頭鍼がしにくいときには、2番目にします。
 腹から1,2カ所、首肩背から1,2カ所、脇の下〜上腕陰経から1カ所くらいをえらびます。
(3)補の灸
 古いツボには、10壮以上すえてやっと温かさを感じるぐらいの弱刺激の「補の灸」をします。ゆっくりじっくり温め、体全体の力がクニャーとぬけ、気持ちよくホンワカ、ポワーンとなることをめざします。3,4壮で熱くなる刺激では、皮膚表面だけ熱くなって、奥の硬いシコリにまで熱が届かないことがおおいので、古いツボは変わりにくいです。小さな刺激でゆっくり温める必要があるので、モグサも点灸用のもっとも良質なモグサを使います。
 ゴマ粒大から底面直径5mm高さ2,3cmまで少しずつ大きな灸をしていきます。腰痛のときと同じです。

 臍まわりなど鍼して痛がられるところ、奥に肺があり気胸が心配されるときなどは、灸頭鍼よりも補の灸のほうがむきます。
 この灸のあと、鍼を刺してもよいです。奥の硬いシコリがゆるみやすくなっているのがわかると思います。とくに不眠をともなうときの天柱風池などに刺鍼してみるとよいです。

(4)補の灸頭鍼
 補の灸頭鍼は、鍼体をとおして熱を奥深くまで届けて、奥の硬いシコリをゆるめます。そのため、まず、奥の硬いシコリにあたるまで鍼をふかく刺します。そのため、場所によって鍼の長さをえらびます。
 この場合に、肩まわりには、肺があるので、肋骨より下には刺さないよう注意してください。
 また、置鍼し灸頭鍼をしているときに、奥の硬いシコリがゆるみ、鍼がより深く刺さってしまっても、胸膜には鍼先が達しない長さの鍼をえらぶようにしてください。 そのため、 術伝では、鍼体の長さ15mmと20mmの灸頭鍼用の鍼を特注したりしていましたが、いまでは、5分、つまり鍼体長15mmで鍼柄が金属のディスポもありますね。
 炭艾用灸頭キャップの鍼柄に引っかかる部分には、あらかじめ鍼柄がとおる穴を、細い三角ヤスリで開けておきます。 セイリンのラック灸の場合には、鍼頭にかかる部分の下側の針金をペンチで切り、同じように鍼体が素通りするようにしておきます。 そして、直径5cmくらいに厚紙(葉書の厚さ)を切ったもの、弁当のおかず用のアルミケースにも、それぞれ真ん中に鍼柄がとおる太さの穴を開けておきます。また、間隔をあけるための道具として、ビール缶のステイオンタブを折りたたんだものなども用意しておきます。
 つぎに、刺鍼した鍼のまわりに、アルコール漬け枇杷葉エキスをスプレーしたり、エキスにつけた枇杷葉をおきます。それから、厚紙、アルミケース、ステイオンタブ、灸頭キャップを、順に、鍼に穴をとおして積みます。そして、炭艾をのせます。こうすると、皮膚から炭艾の距離を一定にできるし、重さで鍼がしなることもありません。
 そして、点火します。熱すぎたら、紙とアルミケースのあいだに、花びら型の緩和用の厚紙をいれれば、加減ができます。体全体の力がクニャーと抜け、ホンワカ、ポワーンという感じが味わえるまで繰り返します。
 奥の硬いシコリがゆるみ鍼がしずんで、鍼柄が皮膚について火傷することがありますので、そうならないように注意してください。
 灰処理は、アルミケースごとすれば簡単です。このときにシコリがゆるんだせいか鍼が抜けやすいので、注意してください。
(5)手順
 慢性期の型をして、古いツボが出やすいところから3〜5カ所くらいえらびます。
また、すでに2,3回慢性期の型を中心に治療をしている場合には、腹診などをして、古いツボをさがし、補の灸・灸頭鍼をしてもよいです。
 座位、うつ伏せ(横向き寝)、あお向けの順で、補の灸・灸頭鍼をします。灸や灸頭鍼をするところが上をむくように姿勢をえらびます。
 臍まわりなど鍼して痛がられるところ、奥に肺があり気胸が心配されるときなどは、補の灸をします。それ以外は灸頭鍼をします。
 仕上げに、手指の骨空か指端に熱い寫の灸をします。ノボセ止めと目覚ましを兼ねています。
 以前の治療で古いツボが見つかっているときや、診察中に古いツボが見つかった場合で時間がないときには、手の陰陽に引き鍼したあとで、補の灸・灸頭鍼にうつってもよいです。

(6)写真つき症例
 もうすでに慢性期の型で治療したことのある人でだったので、腹診(写真1)などして、古いツボをさがしました。 腹、首肩背、脇の下〜上腕陰経の3か所にみつかりました(写真2,3,4).

写真1:DSCF1780.JPG
写真2:DSCF1787.JPG
写真3:DSCF1784.JPG
写真4:DSCF1785.JPG

 臍左上のツボには、補の灸をしました(写真5,6,7,8,9)。
 
写真5:DSCF1788.JPG
写真6:DSCF1789.JPG
写真7:DSCF1790.JPG
写真8:DSCF1791.JPG
写真9:DSCF1792.JPG

 つぎには、上腕陰経に出ていた古いツボに灸頭鍼しました(写真10,11,12,13,14,15,16)。

写真10:DSCF1793.JPG
写真11:DSCF1794.JPG
写真12:DSCF1795.JPG
写真13:DSCF1796.JPG
写真14:DSCF1797.JPG
写真15:DSCF1799.JPG

 上腕陰経に古いツボがあるときには、腕が横に上がらず、胴体と腕のあいだがあまり離れないので、灸頭鍼をする部分を上にむけるのはむずかしいです。あお向けの姿勢で、灸頭鍼する部分が横向きの状態でします。この場合、灸頭鍼しているときに灸がおちないように注意してください。

 アルミケースなどをとりのぞいたあとは、灸頭鍼したあとが温まっていることを確認してください。

写真16:DSCF1800.JPG

 それから、うつ伏せになってもらいました。背中と腕のあいだに張っている筋肉の肩貞あたりのツボが古かったので、そこをえらびました。ここに刺鍼するときには、裏側に中指薬指をまわして押し手の拇指示指でシコリをはさんでから(写真17)、刺鍼します(写真18)。

写真17:DSCF1802.JPG
写真18:DSCF1803.JPG

 順番に用具をつんでいき、点火しました。(写真19,20,21,22,23)

写真19:DSCF1804.JPG
写真20:DSCF1805.JPG
写真21:DSCF1806.JPG
写真22:DSCF1807.JPG
写真23:DSCF1808.JPG

 手の骨空に出ていたツボに小さな灸をして、後始末しました(写真24,25)。

写真24:DSCF1809.JPG
写真25:DSCF1810.JPG



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