「術伝流操体no.68」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

術伝流操体no.68 - (2017/08/24 (木) 13:44:52) のソース

累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) 
------
術伝流操体no.68 
【6】自然則篇 (4) 操体は重さと末端で決まる
&size(24){&color(green){操体は重さと末端で決まる}}
------
#contents
*1.はじめに
 前回までの3回で、実際の臨床の場で実行される操体の時代に
よる変遷と、その理由ではないかと思われることを書いてみまし
た。

 今回は、タワメの間で気持ちよさを引き出すというか、操体が
上手く決まったなという感じになるために、私がしていることを
書いてみます。

 一人操体のときに自分で試してみたり、二人操体のときに受け
手に試してもらったりしている二つの方法を紹介します。

*2.イイ感じをふやす2つの方法
 皆さんは、原始感覚に問いかけながら、より深い気持ちよさが
味わえる格好を探すしていくときに、どんなことに注意していま
すか? タワメの間でイマイチ気持ちよさが足らないなと思った
ときに、先ず何をしてみますか?

 私は、二つのことをやってみます。
(1)体重の移し方を少し変えてみる
(2)末端の動きを少し変えてみる

 ここでいう末端というのは、手首・足首・首から先のことです。
ちなみに5つあるので、まとめて五首とも呼んでいます。

 足の甲を反らすことをキッカケにする操体など、手足の末端が
キッカケの場合には、体重の移動のし方を変えると気持ちよさが
深まりやすいようです。

 また、中腰尻振り運動など体重を移動することをキッカケにす
る場合には、手首・足首・首などの動きを少し変えると、イイ感
じが増えるようです。特に、手首は捻転、足首は背屈(爪先上げ)
などを適度にすると、気持ちよさが深まりやすいように感じてい
ます。

*3.末端がキッカケなら、体重移動を加える
 例えば、仰向けで足甲を背屈させる定番の操体、つまり、いわ
ゆる「爪先上げ」のときは、ある程度まで足首を反らした後で、
体重を右尻、左尻、右肩甲骨、左肩甲骨の4つの方向などに移動
してみます。

 この操体の場合には、肩甲骨の方に体重を移動した方が気持ち
よさが増す場合が多いです。右か左かは、歪み方によって異なっ
てきます。

 また、右肩に体重を移動すると気持ちよい場合には、自然に首
が右を向いていくことが多いです。そして、それよりも確率は低
くなりますが、右膝も右方向にす少し倒れ気味になるようです。

 もっとも、首のシコリの具合によっては、膝は右でも首は左の
方が気持ちよい場合もあるようです。

 この操体の場合、全身に連動させることを考えると、足首から
遠い手首や首の動きで全身連動をさせることも可能です。例えば、
足首を背屈させると同時に手首や首も反らせる(手首を背屈、首
を後屈)という方法です。

 でも、少なくとも私の場合には、足首を反らせながら手首や首
の動きも調節するよりも、体重を移動させる方がしやすいです。
というか、頭を使わなくてもよいせいか、気持ちよさが深まり
やすいように感じています。

 また、体重移動を付け加える方が、足首の背屈具合が少なくて
も、また、腰なども余り大きく動かさなくても気持ちよさが深ま
りやすいように感じています。

 そのため、その分だけ、一人操体でも、長い時間タワメの間の
気持ちよさを味わうことができるように思います。特に、足首の
背屈は少ないほうが、タワメの間を長いこと味わえるようです。

 この方法を二人操体として実行するときには、受け手が言葉が
通じる人の場合には、「体重を少し肩の方に移してみたらどうで
すか」と声をかけます。

 また、「腕を交互に頭の方に伸ばすというか、挙げてみて、気
持ちよさに差が有りますか? 有ったら、イイ感じのする方の手
を挙げたままにしておいてみてください」と声をかけても、挙げ
た方の肩に体重を移動していることになります。

 言葉が通じない場合や、言葉の誘導では上手くできない場合に
は、操者が体重を掛けてみて、イイ感じが増えるかどうか試して
みます。

 つまり、操者の手の平を受け手の左右どちらか良さそうな方の
肩に当てて操者の体重を少し掛けてから、気持ちよさの変化を聞
いたり、息の深くなり具合を観察したりして、上手く行きそうな
ときは続けます。

 上手く行かないときには、反対側の肩に少し重さを掛けてみて、
気持ちよさが深くなるか聞いたり、腹に息が入るか観察したりし
て、良さそうなら続けます。

 また、皮膚の操体の形式でも可能です。肩に近い胸の皮膚を肩
の方に少しズラしても近い効果が出ます。

 どちらにしても、受け手の足甲の動きに対して、操者の手の平
を直接甲に当てて抵抗する場合よりも、長い時間、タワメの間の
気持ちよさを味わえると思います。

*4.体重移動がキッカケなら末端を加える
 次は、キッカケが体重移動の場合について書いていきます。一
般的なのは、中腰尻振り運動とトイレット操法です。

 中腰尻振り運動の場合には、頭の高さの壁などに手をついて、
膝を少し曲げて肩幅ぐらいの足幅で立ち、尻を左右前後に振って
みることをキッカケにして、気持ちよさが深くなる格好を探して
いきます。

 このときに、尻を移動する方向がある程度きまったら、言い換
えれば、体重を移動する方向が決まったら、壁に触れている手の
手首を左右どちらかに捻転してみます。

 手は二つあるので、組み合わせは4種類になります。その中で
一番良い方に少し捻転したままにしていると気持ちよさが深くな
りやすいと思います。

 反らしたり曲げたりも加えてもよいと思いますが、今までの経
験を振り返ると、捻転が気持ちよさの深まり具合に一番関係して
いるように感じています。

 途中で曲げや反らしを組み合わせるにしても、キッカケは捻転
が良いようです。それに合わせて、首の捻転や曲げも変えてみる
と、もう少し気持ちよさが深くなると思います。やってみて確か
めてください。

 また、足首を捻転したり、背屈したりを付け加えても、気持ち
よさが変化します。手首ほど捻転と背屈の差はなく、背屈だけで
イイ感じが深まる場合が多いです。

 そして、足首の場合には、親指側を背屈するか、小指側を背屈
するかに、捻転が関係してくるようです。

 トイレット操法は、膝を少し曲げて肩幅ぐらいで立って、両膝
の上に両手をついてから、体重を左右前後あちこちに移動するこ
とをキッカケに、気持ちよさが深くなる格好をさがしていきます。

 このときには、手首は自由に動かせないので、体重を移動する
方向が決まったら、比較的自由に動かせる首の捻転や曲げを少し
ずつ変えて、気持ちよさが深まりやすい格好を探します。

 また、体重の移動具合によっては、足首の背屈も少しは可能で、
それでイイ感じが深まる場合もあります。試してみてください。

 この場合に、親指側を背屈するか、小指側を背屈するかで、感
じが違ってきます。この点は、中腰尻振り運動の場合と同じです。

*5.イイ感じにするためにポイント2つ
 色々な操体を様々な姿勢で試してきて、操体のタワメの間で気
持ちよさが深まっていくポイントは、この二つ、体重移動と、末
端の動きだと思います。

 体重移動は、体重をどの方向に移動するかということです。末
端の動きとは、手首・足首・首をイイ感じのする方向に、捻転や
背屈などをして動かして、その格好をしばらく維持するというこ
とです。

 末端の場合には、4種8方向に動かせるわけですが、その動き
の方向の組み合わせをどういう配分でどの方向に固定するかとい
うことになります。固定すると言っても、ずっと動かさないワケ
ではなく、一つのタワメの間の間には、動きが余り無いという意
味です。

 そして、手首の場合には捻転が、足首の場合には背屈が、4種
8方向の中心になっている感じです。

 この二つ、体重移動と末端の動きの組み合わせで気持ちよさの
深まり具合が決まってくる理由を考えてみます。

 まぁ、おそらくは、体重は体の中心の動きに関わってきますか
ら、中心と末端を決めていけば、全身に連動した格好が決まりや
すいということなんじゃないかなと思っています。当たり前かな
とも思います。

 もし、まだ試したことがなかったら、ヤジウマしてみてくださ
い。

*6.おわりに
 今回は、気持ちよさを深くする工夫として、体重移動と末端の
動きを取り上げました。

 このように、私は、操体は、重さと末端で決まりやすいと考え
ているので、操体を伝えるときには、先ず始めに、体重移動を末
端に伝えること、末端の動きを体重移動につなげること、この二
つを体感し納得し理解してもらうようにしています。

 次回は、今回書いた、末端の動きと体重移動の二つのキッカケ
を比較してみて、違いについて書いていきたいと思います。


   次へ >>> [[術伝流操体no.69]]


-----
   >>> 目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]

   >>> このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.68]]

   >>> 術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
-----
術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」
-----
-----
*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。

 よろしくお願いします。

**感想・間違いなど
 感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
 「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。
参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
----
   >>>術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
----