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ツボと経絡の観方 - (2017/01/03 (火) 08:13:21) のソース

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&color(green){体は自然、ツボと筋肉、経絡と重力}

&bold(){&size(24){&color(green){ツボと経絡の観方}}}&bold(){&size(15){&color(green){}}}
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#contents

*はじめに
 「ツボと経絡の観方」、言い換えれば、術伝では、ツボや経絡
をどう観ているかを説明します。

 基本的には、「人は動物、体は自然」で、「ツボは、筋肉の機
能性病変」、「経絡は、重力負荷の分担」と思います。

 「ツボは、筋肉の機能性病変」ですが、恒久的なものではなく、
一時的なものです。一時的なものだから、鍼灸で改善できるわけ
です。

 「経絡は、重力負荷の分担」、特に「正経十二経は、立位での
重力負荷の分担」と考えると、基本的には、経絡が立位で縦方向
に走っているのが理解しやすいと思います。

 「正経十二経は、立位での重力負荷の分担」ということは、操
体の橋本敬三先生が昭和13年に発表された「力学的医学の構想」
に出てきます。

「経絡…は相関連している体の内外を走る作用力線の通路…」
「運動力線に対して重力線は重大な役割をするのであるから、
 …縦の線である経が主となるものと思われる。」
(『生体の歪みを正す』橋本敬三論想集,創元社p46)

*ツボは、筋肉の一時的機能性病変
 私は、経験上、ツボを以下のようにイメージしています。
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 筋肉というのは、自在に伸縮できることが特徴ですね。生理学
的には、自在に緊張と弛緩できるという表現の方が良いのかもし
れません。ヒトは動物で、動く時には、筋肉を緊張させる(拮抗
筋は弛緩させる)ことによって、動作していますね。

 筋肉を使い過ぎると、疲れて過緊張したままに弛緩できない部
分ができます。これがいわゆる痼りです。そして、それ以上使い
過ぎると、もっと疲れて、過弛緩したまま緊張できない部分がで
きます。これがいわゆる虚の凝りです。

 ツボというのは、皮膚に近い部分の筋肉が過弛緩、奥の底の方
の筋肉が過緊張というのが、基本的な形のように思います。もち
ろん、痼りが2,3ある場合や、痼り代わりに筋張りがある場合な
どの変化形もありますが。

 ですから、皮膚に近い方は、フニャフニャしていて、押すと凹
み、皮膚の下に穴が空いているような感じがします。昔の人が、
「穴」とか「ツボ」とか呼んだわけだなぁと思います。

 そして、古いツボほど過弛緩の部分が長いというか、深い所ま
で過弛緩で、底の痼りは非常に硬くなるように思います。病を改
善するには、古い虚したツボを見付けることがポイントの1つと
思います。

 それに対し、「スポーツマッサージなどで、その日の疲れを取
る」には、実のツボ(表層筋の痼り)を目標にする方が向いてい
ます。鍼灸などで病を改善することと、その日の疲れを取ること
との違いに注意してください。

*経絡は、筋肉の負荷分担システム
 ツボは「筋肉の一時的機能性病変」と考えると分かりやすいと
書いてきました。それを踏まえて上で、「ツボとツボの相関関係」
の1つである経絡などは、基本的には、筋肉同士の負荷分担シス
テム(かばい合い)と考えると分かりやすいように思っています。

 つまり、ヒトという動物の体に掛かる負荷をかばい合う仕組み
という視点で観ると、経絡などの「ツボとツボとの相関関係」が
理解しやすいと思います。

 そして、負荷の主なものは、2つかなと考えています。1つ目
は重力、2つ目は症状。詳しく言うと、2つ目は、症状を緩和す
る時の姿勢に由来するように思います。

**正経十二経は、立位での重力負荷分担、縦方向が基本
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 ヒトは、動物学的には「直立2足歩行するサル」です。ですか
ら、「重力が、基本的な負荷」になります。私は、そのため「経
絡は、立位で縦方向が主」、つまり、「正経十二経は、立位で縦
方向が基本」と観ています。

 ついでに「なぜ正経は12か」と言うと、「前・横・後ろで3」、
「手足で2」、「陰陽で2」なので、3×2×2=12ですね。

 ここで注意したいのは、「前・横・後ろ」の位置関係が、下腿
の陰経では異なっている点です。これにも、ヒトの直立2足歩行
が関係していると思います。詳しくは、「[[経絡の交差と2足歩行]]」
を読んでみてください。

 ツボ同士の相関関係という視点で見ると、立位での重力負荷分
担に由来する「縦切り相関」と思います。

**兪募穴は、「臥位での重力負荷分担」「症状時の姿勢」
***兪募穴は、「臥位での重力負荷分担」が関係する?
 これに対して、兪穴、募穴などは、寝た姿勢での重力負荷の分
担と考えると分かりやすかったです。

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***兪募穴は、「症状時の姿勢」と関係する?
 また、別の視点からは、基本的には、症状が出た時に取る姿勢
との関連も深いように思います。症状が出た時の姿勢で、最も緊
張(縮む)する部分と、最も弛緩する(伸びる)部分に、ツボが
出やすいように思います。

 例えば、咳の時の姿勢で、最も縮むのは、「胸の最も腕より
(中府あたり)」と「胸骨の中央付近(膻中)」ですね。最も伸
びるのは、「肩甲間部上半分(肺兪など)」と「肩甲骨外端上部
(肩貞)」ですね。

 そして、喘息発作の時の姿勢は、場所は咳の場合と同じですが、
伸縮は逆になっているように思います。

 腹痛の時は、どうでしょう。消化器系が痛む時に取る姿勢では、
縮むのは「痛む臓器の腹側筋肉」、伸びるのは「痛む臓器の背側
筋肉(胃の六つ灸)」ですね。

 生理痛など生殖器系に由来する痛みの時に取る姿勢では、原因
の臓器が足寄りにあるので、腹側も背側も消化器系より少し足寄
りになりますね。

***いずれにしても、横輪切り相関
 寝た姿勢での重力負荷分担、症状時の姿勢の2つの視点を説明
しました。いずれにしても、ツボの相関関係という視点から大雑
把に言えば、立位座位での「横輪切り相関」と言えると思います。

 そして、咳をする時の姿勢にも重力不可は関係しているように
思います。立位座位などで倒れないで咳を上手にするために姿勢
が決まってくるように思います。

 ですから、腹が痛くて寝る時には、横向き寝が多いですね。
「痛い部分を縮める姿勢」と「寝ること」を両立させるためだと
思います。

**その他、色々な相関関係
 ツボ同士の相関関係の主な2つについて書いてきました。立位
での重力負荷分担に由来する「縦切り相関」、寝た姿勢での重力
負荷分担や症状時の姿勢に由来する「横輪切り相関」の2つです。
この2つ他にも、色々な相関関係があります。

 詳しくは、「体は自然、臨床は対話」の「動作負荷の分担原則」
の以下の項目を読んでみてください。
「[[横輪切りの原則]]」
「[[縦切りの原則:十四経]]」
「[[足の経絡は全身に関係]]」
「[[背中と脚裏の負荷分担]]」
「[[経絡の交差と2足歩行]]」
「[[左右・前後・上下・対角の相関関係]]」
「[[動作時に連動する筋肉内]]」


*ツボの出方の12の自然則
 また、「[[鍼術覚書]]」の「[[ツボ]]」には、「ツボの出方の12の
自然則」を書きました。

 この12個の自然則をよく理解すると、患者さんの訴えを聞い
たり、体を目で見て手で触って確かめたりしたことと、この12
の自然則を照らし合わせると、ツボの出ている辺りを予測でき
ます。しっかり理解してください。

 また、[[体は自然、臨床は対話]]の「ツボの出方、探し方」
も参考にしてください。
[[ツボの出やすい所]]
[[ツボの近くの状態、ツボの探し方]]
[[姿勢や動作でツボを探す]]
[[ツボから先の血行や神経伝達の障害]]
[[ツボの出方の自然則]]

*おわりに
 ご理解いただけましたか。私は、こんなふうにツボと経絡を観
ています。こういうふうに観ると、ツボや経絡は、現代医学と余
り矛盾しないように思うのですが、いかがでしょう。

 伊藤和憲先生は、明治鍼灸大学時代に、ツボの底の硬く痼りに
なった部分の筋肉が常時活動電位を発している状態にあることを
研究発表されていますし。

**腹診のためにも、「筋の一時的機能性病変」の研究が必要!?
 ただし、「筋肉の一時的機能性病変」という考え方自体は、現
代医学の世界では、未だ一般的でないように思います。その考え
方が一般化するかどうかで、鍼灸操体按摩指圧などの研究が進む
かどうかが決まってくるように思います。

 また、「筋肉の一時的機能性病変」ということを前提にすると、
漢方の腹診における「心下痞硬」の「痞硬」、「臍下不仁」の
「不仁」の現代医学的定義も、明確になるように思います。
「痞硬」は「筋肉の過緊張型一時的機能性病変」、
「不仁」は「筋肉の過弛緩型一時的機能性病変」と思いますので。

 そういう意味で、鍼灸だけでなく漢方の研究の発展のためにも、
「筋肉の一時的機能性病変」についての研究が進むと良いなと思っ
ています。

 研究者の皆さん、よろしくおねがいします。

**操体を学ぶと、経絡を実感しやすい
 また、操体を学ぶと、経絡を実感しやすいと思います。知識と
して経絡を知っている人でも、経絡を実感している人は案外少な
いように思います。手足への鍼灸で頭首胴(体幹部)の治療経験
を沢山することでも、だんだん実感できます。が、操体を学ぶと
違う視点で、経絡を実感することができます。

 例えば、経絡が重力不可分担と関係していることは、立ち姿勢
での「重さの操体」を身に付けると実感しやすいです。

 また、頭首胴(体幹部)の症状と手足のツボとの関係は、患部
と関連する手足に出ているツボの両方に手指を置くと分かりやす
いです。つまり、頭首胴(体幹部)の症状の出ている辺りに片方
の手指を置きながら、もう片方の手指で手足に出ているツボに皮
膚操体や指圧をしていると、手足のツボの変化に応じて、頭首胴
体の手指を置いている場所の状態も変化していることが観察でき
ます。

 逆に言うと、皮膚操体などをする時には、患部の近くの皮膚表
面に手指を当て、もう片方の手指で関連する経絡に出ているツボ
を順に試しに皮膚操体や指圧してみて、患部の反応が良い所を見
付けてから、本格的な操体や指圧をしていくと、効果が出やすい
です。

 また、鍼灸をする場合も、同じように、初めに、患部の近くと、
関連する経絡上のツボの候補の両方に、手指を置き、患部近くの
反応が良いツボを選ぶと、鍼灸の効果も出やすいです。

−−−−−−
***間中喜雄先生や増永静人先生と操体
追記:20160105ーーーーーーーーーー

 鍼灸や経絡に詳しく『医家のため鍼術入門講座』など鍼灸の実
践書も出している間中喜雄先生が操体のことを「橋本式経筋療法」
と呼んでいたことをご存知ですか? 経絡には経筋以外の要素も
あるとは思いますが、経絡を実感するには操体を学ぶことが近道
と思います。

 また、経絡指圧の増永静人先生は、操体を橋本敬三先生から学
んだ後に、経絡伸展法や経絡体操を考案されています。これも、
「操体を学ぶと、経絡を実感しやすい」ということに繋がるよう
に思います。もちろん、操体を学ぶ以前から構想はあったと思い
ますが。
ーーーーー
***NHKスペシャル 腰痛・治療革命〜見えてきた痛みのメカニズム
追記:2017.1.2
NHKスペシャル 腰痛・治療革命〜見えてきた痛みのメカニズム
http://www.nhk.or.jp/kenko/nspyotsu/a01.html

 ようやく、ここまで来たか〜と言う感じです。
ただ、まぁ、総体の橋本敬三先生のレベルまでは、あと何年か
かりますかね。

1.腰痛など運動器系の痛みは、筋肉の機能性病変

2.痛む方向と逆の逆モーションバック運動を基本に、イイ感
じの方向に動くと改善する

2.については、詳しくは、以下を見てください。
「腰の動作制限を改善する」→[[術伝流操体no.3]]

 筋肉の機能性病変は、鍼灸など伝統医学の世界では、ツボや経
絡として昔から利用されてきました。
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   >>>術伝流鍼灸操体講座へ・・[[術伝流鍼灸操体講座]]

   >>>このページのトップヘ・・[[ツボと経絡の観方]]

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*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。

 よろしくお願いします。

**感想・間違いなど
 感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
 「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。
参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

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