「次の朝の寝覚めが爽やかか」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

次の朝の寝覚めが爽やかか - (2015/10/20 (火) 21:08:56) のソース

累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) 
------
&size(24){&color(green){次の朝の寝覚めがさわや爽やかか}}
----
体は自然、臨床は対話 【2】臨床は対話 
(4) 次の朝の寝覚めが爽やかか
#contents
*1.はじめに
 治療などをして、シコりがゆるみ全身のバランスがととのうと、体
にたまっていた不要で有害なものを排出しようという動きが出てくる
ことがあります。

 たいていは、治療をしたつぎの日の朝までにおこります。

 汗のほかに、涙、鼻水、鼻血、下痢、下血、痰、大小便、嘔吐など
の形をとったり、皮膚が赤くなったり、熱がすこし出ることもありま
す。

 そうすると、体がいちだんとすっきり透明な感じになります。

 それで、つぎの日、すっきりさわやかに目覚めることができます。

*2.排泄が気持ちよくなるよう工夫する
 排出のしかたがふだんと違っていたり、熱が出たりして、受け手が
びっくりしないように、「体がすっきり透明な感じになったり、寝覚
めがさわやかだったら、体に有害なものが排泄された証拠ですから大
丈夫です」と伝えておいたほうがよいと思います。

 それに、鍼灸をして体にたいする感受性が良くなった人は、そうい
う排泄を気持ち良く感じることが多いので、説明しやすいです。

 とくに、治療したあとの表情が晴れ晴れとしたときには、そういう
排泄を気持ちよく感じるようです。

 もし、そういう排泄現象を気持ちよく感じられなかったと言われた
ら、ちょっと症状を消すことにガンバりすぎた可能性があります。

 つぎの機会には、症状をなくすことよりも、治療中にイイ感じの適
切感を感じられることのほうに注意をそそぐ工夫してみましょう。

 このあたり、おもしろいなと思うのですが、体が不要になったもの
を一度に処理できないほど歪みを正そうと治療をしても、体はイイ感
じをともなわないことがおおいようです。

 この適量は、あくまで受け手の体が感じる適切感で決まるので、治
療者が思う適量とちがうだけでなく、受け手が思ったり言ったりする
適量ともちがうときがあります。

 排泄現象が気持ち良くないときには、受け手がもっとやってくださ
いというのを鵜呑みにしてやりすぎたという場合もありますので、注
意が必要です。

 受け手に治療をしたつぎの日の朝の寝覚めが良かったかどうか聞い
て、その受け手の体のそのときの適量を判断するようにしたほうがよ
いです。

 治療をイイ感じの適切なものにしたり、適量におさめる工夫をした
うえで、治療のおわりに、手の指を強めに刺激しておきます。鍼灸な
ら、手の甲への引き鍼や手指への透熱灸。操体や指圧按摩なら、指そ
らしや指もみ。

 手の指を1本づつ調べ、指を反らしてピリピリビリビリするかや、
指と指とのあいだの水かきを調べたり、井穴をつまんだりして、刺激
すべき手の甲のツボや、指のツボをみつけ、強めに刺激しておきます。

 こうしておくと、排泄現象が気持ちよく感じられる確率が高くなる
ようです。

*3.面眩と邪毒
 この排泄現象は、漢方の人たちが「瞑眩(めんげん)」とよんでい
る現象です。

 くわしく書くと長くなるので、なぜ指まわりを刺激すると気持ちよ
く感じてもらいやすいかの理由を説明できる範囲で簡単に解説します。

 江戸時代に古方派漢方をはじめた吉益東洞は「瞑眩せずんば癒えず」
という言葉を残しています。体の歪みがとれると、かならず何らかの
排泄現象をともなうと考えたようです。

 体は、歪んでいるときにもそれなりにバランスをとっているので、
それなりに生活していけるわけですが、そのそれなりのバランスを維
持するための重りのような感じで体のなかに毒物をためこむのかなと
私はイメージしました。

 体の歪みがとれてくると、悪いなりのバランスをとるための重りと
しての毒物はいらなくなるので、排出しようとすると考えるとわかり
やすかったです。

 古方派では、この毒物を「邪毒」とよび、おもなものは「邪気」、
「水毒」、「悪血」の3つだとしています。

 「水毒」は体液の悪化したもの、「悪血」は血液の悪化したもので、
ともに、よどんでくさった水のような感じで、老廃物や増殖した細菌
やウイルスをふくんでいるとされます。

 また、ツボの上の皮膚がすこしベタベタしているのは、そこから水
毒がつねにすこしずつ染み出しているためという考え方もあるようで
す。

 「邪気」は、手にピリピリビリビリした感じを受けるもののことの
ようで、体にたまった「邪毒」のなかで形がなく目に見えないものを
まとめてそう呼んでいるようです。

 「邪気」は「水毒」や「悪血」から湧き出してくるとされ、また、
「邪気」が抜けると「水毒」や「悪血」の毒性が弱まり排出しやすく
なるとされているようです。

 なんとなく、腐った水からメタンガスが吹き出しているイメージだ
なと思うし、手にピリピリビリビリくることから電気のような感じも
受けます。

 ガスのような性質があるのか、湧き出した邪気は上、つまり、頭の
ほうへ動き、上半身上部(表位)の症状、つまり、頭痛、発熱、めま
い、吐き気などを引き起こすともされているようです。

 そういえば、電気にも空気にも「気」という言葉がはいっています。
同じような性質があると昔の人が思ったので、どちらにも「気」とい
う言葉がはいっているのでしょう。

 とくに病が動く発作的急性症状のときには、水毒や悪血からたくさ
んの邪気が湧き出し頭を衝(つ)き、肩甲骨鎖骨から上の表位で急性
症状が出るとされています。

&ref(rtf-doburoku.jpg)図1

*4.邪気を実感する
 ここで、「水毒」や「悪血」ならまだしも「邪気」となると、そん
なものあるわけないという人もおおいと思います。

 私は、つぎのような観察から、あると考えてもよいのでは…という
立場です。

 ツボの出ている部分の10cmぐらい上の空中を、皮膚に平行に指先
を動かすと、ツボの真上で指を動かすスピードが変わったり、指が皮
膚からはなれる方向に跳ねたりする現象が観察できます。

&ref(rtf-jaki-wo-jikkan.jpg)図2

 まず、一人の人に、前腕の手のひら側を上にむけて、水平に机の上
などにおいてもらいます。

 前腕だとやりやすいからで、背中でもおなかでも同じ現象はおきま
す。

 もう一人の人に、その前腕の10cm上の空中を、腕の中央にそって
肘から手首まで、指を、できるだけ一定の速度で、ゆっくり動かして
もらいます。肘から手首まで1秒ぐらいかけて。

 みんなで横から観察してみましょう。

 ところどころで、すこし指が上に跳ねたり、指を動かすスピードが
変化したりしているのに気が付くと思います。

 人をかえて実験してみても、場所がすこし違うことはあるけれど、
おなじように、上に跳ねたり、スピードが変化したりしていることが
観察できます。

 「私は邪気なんてわかりません。」という人でも、指の動きは変化
しています。

 そして、その跳ねたりしたところの下の部分の腕を押してみると、
痛かったりして、いわゆるツボになっているのがわかります。

 この実験は、参加する人に「邪気」の話とか、こういう結果になり
ますとか説明しないで、手順だけ説明しておこなっても同じ結果にな
ります。

 この観察から、私は、ツボからは邪気がつねにすこし噴出している
のではないかと考えました。

 頭で意識できなくても、心で思えなくても、指はイヤな感じをうけ
て避けるように動くようです。

 生物は、アメーバのような単細胞生物から進化しました。

 特別な感覚器官はないけれど、イイ感じのものには近づき、イヤな
ものからは逃げられなければ、生物として生き延びることはできなかっ
たはずです。

 人間の細胞ひとつひとつにも、そういう原始的能力がのこっている
のかもしれません。

*5.邪気を手末端に引く
 さて、治療の話にもどります。

 治療のおわりに手甲に引き鍼したり、指に糸状の透熱灸をすると、
この邪気を指先から出せるようです。

 また、邪気が出ていくため、指を反らすとピリピリビリビリするみ
たいです。

 そのため、水毒や悪血の毒性が弱まり、体の普通の排泄能力で出し
やすくなり、治療をしたあとの排泄現象が気持ち良く感じられやすく
なるようです。

 「体は自然」で書いたように、手の甲側は肩胛骨・鎖骨から上、手
のひら側は横隔膜から上の体の内側と関係が深く、手首・足首から先
は急性症状にむいているので、頭のほうへむかって動いた「邪気」を
手指の治療をすることで治めることができるようです。

 治療や講習会のあと、電話で頭が痛くなったなどと相談されたとき
に、受け手にやってもらうこともできますので、おぼえておいてくだ
さい。

 鍼灸ができなくても手の指もみや指そらしをしておくだけでも効果
があります。

 もし、指もみがうまく伝わりそうになかったら、「手の指をそらし
て、いちばんピリピリビリビリする指をしばらくそらしたままにして
おいてください。ピリピリビリビリが少なくなるまで」と伝えればよ
いでしょう。

 この方法は、免疫学者・安保徹(あぼとおる)先生によって有名に
なった、指の爪の根本のツボ(井穴)の刺絡(針で刺して血を一滴流
す)やそのツボの指もみと同じ効果のある方法で、よりやりやすく効
果も出しやすいやり方です。

 髪の毛を引っ張るという方法もあります。その方法でも頭のほうか
ら「邪気」は出ていくようです。

 ただ、髪の毛を引っ張ると、たまに「よけい頭が痛くなった」とい
う人もいますので、そういうときは中止したほうがよいでしょう。

 邪気は刺激をあたえたほうに動く性質があり、髪の毛を引っ張ると
そこから抜けてもいきますが、うまく止めないと、つぎの邪気を頭に
呼び込むことにもなるためと思われます。

 髪の毛を引っ張るのにくらべると、指もみのほうが、頭の痛くなる
確率は低いようです。また、髪の毛を引っ張ったあとに指もみ指そら
しをしておけば大丈夫だと思います。

*6.おわりに
 治療したつぎの日の朝の寝覚めがさわやかになるように、いろいろ
工夫していきましょう。


   >>>つぎへ>>>[[養生の指導もたのしく、すこしづつ]]


-----
   >>>目次へ・・・・・・・・・[[体は自然、臨床は対話]]

   >>>このページのトップヘ・・[[つぎの朝の寝覚めがさわやかか]]

   >>>術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
-----
術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」
-----
-----
*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。

 よろしくお願いします。

**感想など
 感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。

 また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、
養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。


 よろしくお願いします。

**間違いなど
 間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
 「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の
参加者を募集しています。

 よろしくお願いします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
----
   >>>術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
----