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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &size(24){&color(green){横輪切りの原則}} ---- 体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [2] 動作負荷の分担原則 (1) 横輪切りの原則 #contents *1.はじめに  今回は、具体的に、特定の動作を繰り返すことでどういう部 分にツボが出てくるかを見ていきます。言い換えれば、ある動 作をしたときに掛かる負荷を分担する仕組みを順に見ていきま す。 *2.咳をするときの姿勢と咳のツボ  腰痛や肩凝りでもよいのですが、咳(せき)から話を始めま す。  咳をする姿勢を思い出してください。咳をするときには、背 中側の「肩胛骨上半分位の位置」で背中を前に曲げ、腹側では 「鎖骨の少し下」を最も縮め、「腕と胸の間」は縮め、「背中 と腕の間」は伸ばした格好をしていませんか。そして、口元に 手を近付けるため、「肘の親指側」を曲げていませんか?  そういう所に、咳を治療するツボが出ます。  喘息は息が吐けなくなる病気なのだそうです。息を吸いきっ た姿勢を思い浮かべると、「胸の胸骨中央付近」や「腕と胸の 間」を伸ばし、反対側の「肩甲間部の上半分」や「腕と背中の 間」を縮めていますね。喘息のツボは、そういう所に出ます。  それは、咳の場合と場所が同じなのですが、姿勢は反対のよ うに思えます。何故かなぁと考えています。  ひょっとしたら、喘息の発作というのは、咳をし続けて歪ん だ体を元に戻そうとする自然発生的なものかもしれませんね。 つまり、寝返りやアクビやノビ、ちょっと歪みが酷くなったと きのカゼのような感じの、咳というか呼吸器系用の専用の後戻 りシステムの可能性ってないですかね〜。考え過ぎですかな〜。 *3.中府をクスグったら酸素ボンベが外れた  腕と胸の間にある呼吸器系に効くツボのことでは、忘れられ ない思い出があります。  私の次男は、626g、23週の超未熟児として生まれ、6 ヶ月入院した後に、酸素ボンベをつけて退院しました。肺に後 遺症が残ると言われていました。  その次男が、そのツボの辺りをクスグっていたら、2ヶ月ほ どで、肺の影が消え、酸素ボンベを外して良いことなりました。 実は、このときには、私は、腕と胸の間、正確には、腕に近い 胸の窪みが肺に効くことを知っていませんでした。  詳しくは、以下に書きました。 [[クスグッていたら、酸素ボンベが外れた]]  もちろん、時代によって、働くときの体の使い方などが違う ので、違う部分もあるとは思いますが、それも現在の体の使い 方などを含めて考えていけば良いと思っています。 *4.臓器の横輪切りにツボが出る  さて、腹が痛いときには、腹側では、鳩尾(みぞおち)から 臍の辺りを最も縮めますから、背中側は、その真裏が最も伸び ますね。丁度その辺りに腹側にも背中側にも腹痛に良く効くツ ボが出ます。  特に背中側は、灸の世界では「胃の六灸」と呼ばれ、有名で す。  同じ腹が痛いときでも女性の生理痛など下腹部が痛いときに は、下腹部を一番曲げますから、ウェストラインよりも下側の 背中側が伸びることになり、その辺りにツボが出ます。  つまり、だいたい、内科系の病気では、症状が出ている臓器 の横輪切り、つまり、立った姿勢での地面に水平な面と体表面 や筋肉の交わる辺りにツボが並びます。  これがツボの出方の第一原則です。鍼灸で、頭・首・胴の部 分のツボを探すときの目安になります。按摩指圧や操体でも同 じです。 &ref(ksf-yokowagiri.jpg)図1 *5.初めは太い所、古くなると横にズレる  この横輪切りの中で初めにツボが出るのは、背中では脊柱起 立筋の一番太い辺りで、腹側では腹直筋の一番太い辺りです。  特に、背中側は、一番初めに出るせいか「足太陽経1行線」 と呼ばれ、肺兪、心兪、肝兪、胃兪など、「臓を癒やす」と言 う意味のツボが並ぶラインです。  これは、先ずは、一番太い所でバランスの崩れを支えようと するからだと思います。  しかし、その状態が長く続くと、少しづつ横にズレて行くよ うです。つまり、歪んでから時間が経つに連れて、中心寄りと 外寄りに出ることが多くなります。  中心寄りでは、背中側は、背骨の間(棘突起間、督脈)や背 骨の直ぐ脇(横突起間、華陀経)に出ます。腹側は、正中線上 (任脈)とその直ぐ脇(腹の腎経)や臍の周りに出ます。  外寄りでは、背中側は、脊柱起立筋の一番外側の端(足太陽 経2行線?や痞根・腰徹腹)に出ます。腹側は、肋骨の下の外 寄り(章門)や骨盤(腸骨)の腹側(五枢~維道)に出ます。  詳しく書くと、この話は長くなりますので、後で、「古いツ ボ、古い病」という話題で、まとめて書きたいと思います。  とりあえず、ここでは、横輪切りの中で初めにツボが出るの は、背中側も腹側も筋肉の一番太い所だと思っていてください。 *6.病の初期状態を太陽位で分かる理由  ところで、漢方の世界では、肩胛骨から上の背中側を太陽位 と呼んで、病の初期状態を「そこの皮膚表面や筋肉の状態」で 判断することが多いです。  これは、カゼを始めとする病の多くが口・鼻・喉などの上気 道を経由する上気道感染症であるためだと思われます。つまり、 横輪切り原則に因って、その場合には、上気道の背中側にも変 化が現れたり、ツボが出たりするからだと思います。 **脱線:傷寒は、新型インフルエンザ?  さて、少し脱線します。漢方の基本的文献である『傷寒論』 という本は、当時の中国では最も南方で「傷寒」という新しい 病気が流行り、その治療に努力した人によって書かれたそうで すね。  どちらも「太陽病」である、「中風」という軽い病気と、 「傷寒」という重い病気を比べて書かれています。 「太陽之為病、脈浮、頭項強痛而悪寒」 (たいようのやまいたる、みゃくふ、ずこうきょうつうして、  おかんす) 「太陽病、発熱、汗出、悪風、脈緩者、名為中風」 (たいようびょう、はつねつ、あせいで、おふうし、みゃくか  んなるもの、なづけてちゅうふうとなす) 「太陽病、或巳発熱、或未発熱、必悪寒、体痛、嘔逆、脈陰陽 倶緊者、名曰傷寒」 (たいようびょう、あるいはすでにはつねつし、あるいはいま  だはつねつせず、かならずおかんし、からだいたく、おうぎゃ  くし、みゃくいんようともにきんなるもの、なづけてしょう  かんという)  中国南方のこの地域は、今でも新型インフルエンザやSAR Sなどの新らしいウイルスに因る上気道感染症の生まれる地域 として知られています。  ウイルスは、渡り鳥(鴨、雁など)によってシベリアから運 ばれ、アヒル(家鴨)や鶏や豚などの家畜類と人間の間を、蚊 を媒介に行き来しながら新型へと変異していくそうです。  この地域は昔から人間とそれらの家畜が一緒に住んでいたの で、新しい感染症の発生地になったようです。  私には、「傷寒論」は、現在の言葉で言えば、普通のカゼと、 新型インフルエンザやSARSなどの人類が初めて出会うウイ ルスに因る上気道感染症の治療法の違いを書いたもののように 思えます。 *7.横輪切り相関でツボが出る例  この横輪切り相関の例は、鍼灸の本以外にもあります。  操体の橋本敬三先生の本では『万病を治せる妙療法』のp66 に、 「腹痛には、背中の胸腰椎境界付近」 という例が、p210に 「マストから落ちて額を陥没骨折した人の後頭部の対称点に酷  い圧痛があり、痛くない程度に押したら気持ちよいというこ  とで、2,3ヶ月続けたら、額の陥没骨折の痕があまり目立た  ない程度になった。」 という話が載っています。  頭の後ろ側にツボが出る例では、網膜剥離で、目の真後ろの 後頭部の辺りにベコベコに凹んだツボが出ているの人に、私自 身は出会ったことがあります。  網膜剥離の人は、やはり適度な圧で後頭部のツボを押すと気 持ち良いということで、橋本先生のマストから落ちた人の例を 話し、押してみたらと助言しました。  また、その本には、足の内側横(中央、足厥陰経)の経絡が 眼に関係することも書かれていたので、それを伝えたら、下腿 の骨の上のツボ(中都、蠡溝)に灸すると気持ち良いと言って いました。(これは、次回の縦割りのツボです)  この人は、私の鍼灸学校時代の1年後輩で、網膜剥離の進行 が早く、このままでは失明する可能性が高いと言われ、その前 に技術を習得しようと鍼灸学校に入った人でした。  2つのことを続けたら、進行が止まり、視力も少し改善たそ うです。それで、元の仕事に戻り、時々は鍼灸の仕事もされて いるようです。  また、便秘に良く効く灸のツボとして知られる沢田流神門も、 この横輪切り原則が当てはまる例かもしれません。  沢田流神門は手首小指側の窪みにありますが、普通に立ち、 手を垂らした状態では、胴体のS状結腸・直腸がある部位と地 面から同じ位の高さで、前横後ろという分類では後ろ側になる からです。  ここまで横輪切りに含めるのは異論があるかもしれませんが。 *8.おわりに  ツボの出方の第一原則として、頭・首・胴の症状の出ている 部分を通る地面に平行な面と、体表面や筋肉の交わる付近、つ まり、立ち姿勢での横輪切りにツボが出やすいということを紹 介しました。  次回は、立ち姿勢で体の縦切りにもツボが出やすいという話 です。    >>>つぎへ>>>[[縦切りの原則:十四経]] -----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[体は自然、臨床は対話]]    >>>このページのトップヘ・・[[横輪切りの原則]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、術伝事務局までメールをください。 よろしくおねがいします。 術伝事務局メルアド :jutsuden-jmkkあまググどこ (この行は無視してください。akwba、laemfro、thgosewibe) (「あま」を「@」に、)(以下無視kuaniu、nteyu、lPpkiumo) (「ググ」を「googlegroups」に、)(以下無視mesiun、kiuen) (「どこ」を「.com」に変えて送信してください。) (面倒をおかけし申し訳ありません。迷惑メール対策です) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----
累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &size(24){&color(green){横輪切りの原則}} ---- 体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [2] 動作負荷の分担原則 (1) 横輪切りの原則 #contents *1.はじめに  今回は、具体的に、特定の動作を繰り返すことでどういう部 分にツボが出てくるかを見ていきます。言い換えれば、ある動 作をしたときに掛かる負荷を分担する仕組みを順に見ていきま す。 *2.咳をするときの姿勢と咳のツボ  腰痛や肩凝りでもよいのですが、咳(せき)から話を始めま す。  咳をする姿勢を思い出してください。咳をするときには、背 中側の「肩胛骨上半分位の位置」で背中を前に曲げ、腹側では 「鎖骨の少し下」を最も縮め、「腕と胸の間」は縮め、「背中 と腕の間」は伸ばした格好をしていませんか。そして、口元に 手を近付けるため、「肘の親指側」を曲げていませんか?  そういう所に、咳を治療するツボが出ます。  喘息は息が吐けなくなる病気なのだそうです。息を吸いきっ た姿勢を思い浮かべると、「胸の胸骨中央付近」や「腕と胸の 間」を伸ばし、反対側の「肩甲間部の上半分」や「腕と背中の 間」を縮めていますね。喘息のツボは、そういう所に出ます。  それは、咳の場合と場所が同じなのですが、姿勢は反対のよ うに思えます。何故かなぁと考えています。  ひょっとしたら、喘息の発作というのは、咳をし続けて歪ん だ体を元に戻そうとする自然発生的なものかもしれませんね。 つまり、寝返りやアクビやノビ、ちょっと歪みが酷くなったと きのカゼのような感じの、咳というか呼吸器系用の専用の後戻 りシステムの可能性ってないですかね〜。考え過ぎですかな〜。 *3.中府をクスグったら酸素ボンベが外れた  腕と胸の間にある呼吸器系に効くツボのことでは、忘れられ ない思い出があります。  私の次男は、626g、23週の超未熟児として生まれ、6 ヶ月入院した後に、酸素ボンベをつけて退院しました。肺に後 遺症が残ると言われていました。  その次男が、そのツボの辺りをクスグっていたら、2ヶ月ほ どで、肺の影が消え、酸素ボンベを外して良いことなりました。 実は、このときには、私は、腕と胸の間、正確には、腕に近い 胸の窪みが肺に効くことを知っていませんでした。  詳しくは、以下に書きました。 [[クスグっていたら、酸素ボンベが外れた]]  もちろん、時代によって、働くときの体の使い方などが違う ので、違う部分もあるとは思いますが、それも現在の体の使い 方などを含めて考えていけば良いと思っています。 *4.臓器の横輪切りにツボが出る  さて、腹が痛いときには、腹側では、鳩尾(みぞおち)から 臍の辺りを最も縮めますから、背中側は、その真裏が最も伸び ますね。丁度その辺りに腹側にも背中側にも腹痛に良く効くツ ボが出ます。  特に背中側は、灸の世界では「胃の六灸」と呼ばれ、有名で す。  同じ腹が痛いときでも女性の生理痛など下腹部が痛いときに は、下腹部を一番曲げますから、ウェストラインよりも下側の 背中側が伸びることになり、その辺りにツボが出ます。  つまり、だいたい、内科系の病気では、症状が出ている臓器 の横輪切り、つまり、立った姿勢での地面に水平な面と体表面 や筋肉の交わる辺りにツボが並びます。  これがツボの出方の第一原則です。鍼灸で、頭・首・胴の部 分のツボを探すときの目安になります。按摩指圧や操体でも同 じです。 &ref(ksf-yokowagiri.jpg)図1 *5.初めは太い所、古くなると横にズレる  この横輪切りの中で初めにツボが出るのは、背中では脊柱起 立筋の一番太い辺りで、腹側では腹直筋の一番太い辺りです。  特に、背中側は、一番初めに出るせいか「足太陽経1行線」 と呼ばれ、肺兪、心兪、肝兪、胃兪など、「臓を癒やす」と言 う意味のツボが並ぶラインです。  これは、先ずは、一番太い所でバランスの崩れを支えようと するからだと思います。  しかし、その状態が長く続くと、少しづつ横にズレて行くよ うです。つまり、歪んでから時間が経つに連れて、中心寄りと 外寄りに出ることが多くなります。  中心寄りでは、背中側は、背骨の間(棘突起間、督脈)や背 骨の直ぐ脇(横突起間、華陀経)に出ます。腹側は、正中線上 (任脈)とその直ぐ脇(腹の腎経)や臍の周りに出ます。  外寄りでは、背中側は、脊柱起立筋の一番外側の端(足太陽 経2行線?や痞根・腰徹腹)に出ます。腹側は、肋骨の下の外 寄り(章門)や骨盤(腸骨)の腹側(五枢~維道)に出ます。  詳しく書くと、この話は長くなりますので、後で、「古いツ ボ、古い病」という話題で、まとめて書きたいと思います。  とりあえず、ここでは、横輪切りの中で初めにツボが出るの は、背中側も腹側も筋肉の一番太い所だと思っていてください。 *6.病の初期状態を太陽位で分かる理由  ところで、漢方の世界では、肩胛骨から上の背中側を太陽位 と呼んで、病の初期状態を「そこの皮膚表面や筋肉の状態」で 判断することが多いです。  これは、カゼを始めとする病の多くが口・鼻・喉などの上気 道を経由する上気道感染症であるためだと思われます。つまり、 横輪切り原則に因って、その場合には、上気道の背中側にも変 化が現れたり、ツボが出たりするからだと思います。 **脱線:傷寒は、新型インフルエンザ?  さて、少し脱線します。漢方の基本的文献である『傷寒論』 という本は、当時の中国では最も南方で「傷寒」という新しい 病気が流行り、その治療に努力した人によって書かれたそうで すね。  どちらも「太陽病」である、「中風」という軽い病気と、 「傷寒」という重い病気を比べて書かれています。 「太陽之為病、脈浮、頭項強痛而悪寒」 (たいようのやまいたる、みゃくふ、ずこうきょうつうして、  おかんす) 「太陽病、発熱、汗出、悪風、脈緩者、名為中風」 (たいようびょう、はつねつ、あせいで、おふうし、みゃくか  んなるもの、なづけてちゅうふうとなす) 「太陽病、或巳発熱、或未発熱、必悪寒、体痛、嘔逆、脈陰陽 倶緊者、名曰傷寒」 (たいようびょう、あるいはすでにはつねつし、あるいはいま  だはつねつせず、かならずおかんし、からだいたく、おうぎゃ  くし、みゃくいんようともにきんなるもの、なづけてしょう  かんという)  中国南方のこの地域は、今でも新型インフルエンザやSAR Sなどの新らしいウイルスに因る上気道感染症の生まれる地域 として知られています。  ウイルスは、渡り鳥(鴨、雁など)によってシベリアから運 ばれ、アヒル(家鴨)や鶏や豚などの家畜類と人間の間を、蚊 を媒介に行き来しながら新型へと変異していくそうです。  この地域は昔から人間とそれらの家畜が一緒に住んでいたの で、新しい感染症の発生地になったようです。  私には、「傷寒論」は、現在の言葉で言えば、普通のカゼと、 新型インフルエンザやSARSなどの人類が初めて出会うウイ ルスに因る上気道感染症の治療法の違いを書いたもののように 思えます。 *7.横輪切り相関でツボが出る例  この横輪切り相関の例は、鍼灸の本以外にもあります。  操体の橋本敬三先生の本では『万病を治せる妙療法』のp66 に、 「腹痛には、背中の胸腰椎境界付近」 という例が、p210に 「マストから落ちて額を陥没骨折した人の後頭部の対称点に酷  い圧痛があり、痛くない程度に押したら気持ちよいというこ  とで、2,3ヶ月続けたら、額の陥没骨折の痕があまり目立た  ない程度になった。」 という話が載っています。  頭の後ろ側にツボが出る例では、網膜剥離で、目の真後ろの 後頭部の辺りにベコベコに凹んだツボが出ているの人に、私自 身は出会ったことがあります。  網膜剥離の人は、やはり適度な圧で後頭部のツボを押すと気 持ち良いということで、橋本先生のマストから落ちた人の例を 話し、押してみたらと助言しました。  また、その本には、足の内側横(中央、足厥陰経)の経絡が 眼に関係することも書かれていたので、それを伝えたら、下腿 の骨の上のツボ(中都、蠡溝)に灸すると気持ち良いと言って いました。(これは、次回の縦割りのツボです)  この人は、私の鍼灸学校時代の1年後輩で、網膜剥離の進行 が早く、このままでは失明する可能性が高いと言われ、その前 に技術を習得しようと鍼灸学校に入った人でした。  2つのことを続けたら、進行が止まり、視力も少し改善たそ うです。それで、元の仕事に戻り、時々は鍼灸の仕事もされて いるようです。  また、便秘に良く効く灸のツボとして知られる沢田流神門も、 この横輪切り原則が当てはまる例かもしれません。  沢田流神門は手首小指側の窪みにありますが、普通に立ち、 手を垂らした状態では、胴体のS状結腸・直腸がある部位と地 面から同じ位の高さで、前横後ろという分類では後ろ側になる からです。  ここまで横輪切りに含めるのは異論があるかもしれませんが。 *8.おわりに  ツボの出方の第一原則として、頭・首・胴の症状の出ている 部分を通る地面に平行な面と、体表面や筋肉の交わる付近、つ まり、立ち姿勢での横輪切りにツボが出やすいということを紹 介しました。  次回は、立ち姿勢で体の縦切りにもツボが出やすいという話 です。    >>>つぎへ>>>[[縦切りの原則:十四経]] -----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[体は自然、臨床は対話]]    >>>このページのトップヘ・・[[横輪切りの原則]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、術伝事務局までメールをください。 よろしくおねがいします。 術伝事務局メルアド :jutsuden-jmkkあまググどこ (この行は無視してください。akwba、laemfro、thgosewibe) (「あま」を「@」に、)(以下無視kuaniu、nteyu、lPpkiumo) (「ググ」を「googlegroups」に、)(以下無視mesiun、kiuen) (「どこ」を「.com」に変えて送信してください。) (面倒をおかけし申し訳ありません。迷惑メール対策です) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----

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