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+      &bold(){&size(18){&color(orange){邪気を退け、真気が巡る和方鍼灸}}}
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 &color(green){和方鍼灸の基本}
 
 &bold(){&size(12){&color(green){指が動きやすい}}&size(24){&color(green){姿勢、出ているツボ、引き鍼}}}&bold(){&size(15){&color(green){}}}
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 #contents
 
 *はじめに
  和方鍼灸の基本の
 1.&bold(){指が動きやすい姿勢}
 2.&bold(){出ているツボ}
 3.&bold(){引き鍼}
 の3つについて、江戸時代からの鍼灸書を引用して解説します。
 
 *指が動きやすい姿勢
  &bold(){姿勢}は、指が動きやすいもの。
 何故なら、杉山和一検校の作とされる和歌に
 >「鍼刺すに 心で刺すな 手で引くな 
 >      引くも引かぬも 指に任せよ」
 とあるように、指が自由に動かないと、治療中も刻一刻と変化
 していく「患者さんの体」に対応するのが難しくなるからです。
 
  姿勢については、「礼と姿勢([[術伝流一本鍼no.61]])」で
 詳しく説明しています。
 
 *出ているツボ
  ツボは、患者さんの体にその時に&bold(){出ているツボ}を取ります。
 指を滑らして取るのが基本で、体の部位別に滑らし方がありま
 す。そういうことも含め、体で覚えていきます。
 
  阿是穴治療は、和方鍼灸の基本の一つです。
 >「成書の経穴部位は、方角を示すのみ」(深谷伊三郎先生)
 
 >「邪気ある時は何れの所にも鍼を用ゆ 
 >   病なきは何れの穴にも鍼を禁ず」『鍼道発秘』
 >                  (葦原検校)
  &bold(){出ているツボ}の出やすい場所や探し方は、先急,養生の運動
 器系内科系の各項目で、それぞれ詳しく説明しています。
 
  ツボが出ているというのは、現代の言葉で言えば、その部分
 の筋肉が一時的機能性病変を起こしているということだと思い
 ます。一時的機能性病変というのは「一時的に機能異常の状態」
 になっているということです。
 
  ツボの表面に近い方は「過弛緩型の一時的機能性病変」、
 そして、ツボの奥の痼りは「過緊張型の一時的機能性病変」と
 思います。
 
 **体はツボを感じている
  「&bold(){体は、出ているツボを感じている}」ことが多いです。
 
  経絡に沿って、指を動かしていくと、&bold(){出ているツボ}の上で、
 指が跳ねたりする現象が観察できます。
 
  詳しく言うと、ツボの出ている部分の10cm位上の空中を、
 皮膚に平行に指先をゆっくり動かすと、&bold(){出ているツボ}の真上
 で指を動かすスピードが変わったり、指が皮膚から離れる方向
 に跳ねたりする現象が観察できます。
 
 &ref(rtf-jaki-wo-jikkan.jpg)
 
  前腕だと実験実証しやすいからで、背中でも腹でも同じ現象
 は起きます。また、「私は邪気は分からない」と言う人の指も
 動くことが多いというか、殆どの人の指が動きます。試してみ
 てください。
 
  この観察から、私は、&bold(){出ているツボ}からは邪気が常に少し
 噴出しているのではないかと考えました。頭で意識できなくて
 も、心で思えなくても、指はイヤな感じを受けて避けるように
 動くようです。
 
  生物は、アメーバのような単細胞生物から進化しました。特
 別な感覚器官は無いけれど、イイ感じの物には近付き、イヤな
 物からは逃げられなければ、生物として生き延びることはでき
 なかったはずです。
 
  人間の細胞の一つ一つにも、そういう原始的能力が残ってい
 るのかもしれません。
 
 付記(2015.12.8):ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  ですから、初めのうちに邪気が感じられないからと言って落
 ち込む必要は有りません。指は感じていることが多いです。そ
 れまでの人生で勉強してきた学問知識常識などが邪魔して、意
 識に上って来にくいだけです。
 
  自分に刺鍼すること、同じ志を持った同士で刺鍼しあうこと
 の2つを続けていけば、やがて分かるようになります。
 
 1.指が動きやすい姿勢で刺鍼する
 2.出ているツボを取る
 3.自分や患者さん役の体の望みに合わせて刺鍼する
 
  この3つも大切です。
 
  そういう点を大切にしながら、自己刺鍼をしていくと、先ず
 自分の体の邪気の動きが感じられるようになります。それから、
 二人組稽古で6割以上の確率で結果が出せるようになってから、
 しばらくして、体が調子が変化して、その後に、患者さん役の
 邪気が感じられるようになることが多いです。
 
  私は、鍼灸学校に入学する前から、ヨガ、野口整体、気功太
 極拳、操体などをしていたせいか、自分に初めて刺鍼した時か
 ら深さに応じて違った種類の変化が体に起こることを感じるこ
 とができました。
 
  自己刺鍼を続け、頭痛、発熱、モノモライなどの顔の炎症な
 どの時に手甲に刺鍼していたら、邪気が来るのを感じることが
 できるようになっていきました。
 
  それから、二人組での稽古の多い講座を探し、通い始め、2
 年位してから稽古相手の邪気を感じ始め、それからは、だんだ
 ん、邪気に合わせて指が動くようになっていきました。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
  ツボと経絡については、「[[ツボと経絡の観方]]」で詳しく
 説明しています。
 
 *引き鍼
  &bold(){引き鍼}は、
 先ずは「&bold(){手足に引く}」、
 次は「&bold(){陽に引く}」。
 この2つを確実にできるように体で覚えていきます。
 
 「手足に引く」「陽に引く」の「引く」とは、
 
 >「鍼刺すに 心で刺すな 手で引くな 
 >   引くも引かぬも 指にまかせよ」(杉山和一検校)
 
 >「鍼は万病一邪と心得べし」『鍼道発秘』(葦原検校)
 
 >「病さかんなれば まず遠き所より引く」『鍼道発秘』
 >                   (葦原検校)
 
 >「けだし鍼は邪気を退くるものなり 
 >  邪気さえ退く時は自ら正気は盛になる理なり」
 >                 (『鍼灸重宝記』)
 (手足背に引き、患部から邪気を退ければ、真気は自然に巡る)
 
 >「邪気の至るや緊にして疾く、
 >   穀気の至るや徐にして和す」
 >   (『杉山真伝流』皆伝之巻「鍼法撮要」〈気察〉)
 「病が盛んな時には、患部には邪気が沢山蠢(うごめ)いてい
 る。手足背など遠い所に引き、患部から邪気を退けると、患部
 には真気が巡る。刺鍼した場所には、先ず邪気が来て緊張した
 感じがするが、やがて真気が来て和(なご)んだ感じになる」
 ということかなと思います。
 
  ーーー 追記:20180526 ーーーーーーーーー 
   『専門医のための漢方医学テキスト - 漢方専門医研修 
  カリキュラム準拠 』日本東洋医学会学術教育委員会 (著) 
  にも出てきます。
 > Ⅶ鍼灸 1鍼灸医学総論 (p299〜p300) 
 > ③治療原則としての虚実,補寫 
 >  病的状態において「実」は邪気の充満した状態をいい、 
 > 邪気とは生命力の拡張を阻害するもの、病気の原因、誘 
 > 因である。健康体は発病せずに障害部位が発生するのは 
 > その部位が弱っている、虚している、そこに邪(実)が 
 > 侵入するからと考える…鍼灸治療の原則は補寫である… 
 > 補:闘病反応の低下、体力低下を補うことである 
 > 寫:充満した邪気を排除することである
 
   『専門医のための漢方医学テキスト』の感想はブログ 
  に書きました。 
  [[『専門医のための漢方医学テキスト』感想>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20101028/1288247718]] 
  ーーー 追記:20180526(終) ーーーーーー
 
 **邪気=生体内雑電気=体内静電気=体内に溜まった電磁波
  これら記述は、私が鍼灸している時に実感していることに近
 いですし、敏感な患者さんの話とも近いです。
 
 追記:2016.9.28ーーー
  例えば、筋痛症系の患者さんは、電気のような物が動いて指
 から出ていくと言う話をされる事が多いです。
 [[術伝流一本鍼no.57]]:応用(9)筋痛症
 ーーー
 
  邪気とは、今の言葉で言えば「生体内雑電気」かなと思いま
 す。明治鍼灸大学時代の伊藤和憲先生の研究で「過緊張した筋
 肉は活動電位を出し続けている」というのがありますが、その
 活動電位と関係が深そうに思います。
 
  また、邪気は、漢方的には、体の中の邪毒のうち、目に見え
 ず、形が分からないが、電気や空気のように機能は感じられる
 物と思われます。
 
  そして、邪気は、水毒や瘀血から湧き出すとされるので、腐っ
 た水からメタンガス(気体)が出てくる感じかなと思います。
 
  「症状が出ている所、古いツボ、傷跡、水毒、瘀血には、邪
 気が沢山有る(蠢いている)。そこから邪気を退けると、症状
 は改善し、ツボ、つまり、筋肉の一時的機能性病変も改善し、
 傷跡の改善も進み、水毒や瘀血の毒性も低下する」ということ
 のようです。
 
  体の中の電気生理学的研究が進むと解明できるかもしれない
 なと思っています。
 
  敏感な人は、ピリピリビリビリした感じを受けることが多い
 ですし、敏感な患者さんには「小さな雷(稲妻?)」という表
 現をされた人もいます。
 
 追記:2016.10.15ーーー
  堀泰典先生の『体内静電気を抜けば病気は怖くない!』を読
 んだら、堀先生の言う体内静電気こそ、邪気の正体のように思
 いました。体内静電気を鍼で抜く話も出てきましたので。
 「著書『体内静電気を抜けば病気は怖くない』の紹介」
 [[http://www.dr-hori.com/media/tainai/intro.php]]
 
 追記の追記:2017,02.09
  ただ、静電気は逃げやすいので、邪気の全てを静電気と考え
 にくいと思います。そういう意味で、邪気は、静電気を含む生
 体内の余剰な雑電気と考えるのが妥当と思います。
 ーーーーーーーーーーーー
  
 追記:2017.11.30ーーー
 [[電磁波を放電しよう!体にたまった電磁波の抜き方、知っていますか?>http://www.emf110.com/blog/?p=267]]
  上記で問題にしている体内に溜まった電磁波も、昔の言葉で
 言えば邪気でしょうね。
 
  体の表面に近い余剰電磁波(雑電気)は、アースなどで抜け
 ますね。
 
  けれど、筋肉内にも溜まっていることも多く、そういう場合
 には、筋肉まで刺鍼する深鍼の鍼治療が一番効果的と思います。
 もちろん、その前後に手足末端への引き鍼して、手足末端から
 体の外に出るように誘導することも大切ですが。
 ーーーーーーーーーーーー
 
 **手足に引く
  体幹部の邪気を経絡的に関係する手足の&bold(){出ているツボ}に
 引きます。体幹部とは、頭首胴のことです。
 
 (症状が出ている所には、邪気が蠢いています)
 
 ***手足陽経に引く
 
 &ref(ksf-tate-soukan.jpg)図1
 
  体幹部の表面に近い皮下や筋肉部分などで蠢いている邪気を
 引くには、手足陽経に&bold(){出ているツボ}を使います。
 
  体幹部の外寄りの筋肉部分などが、体の前側か、横側か、後
 側かによって引きやすい経絡が違います。
 
 前)&bold(){体の外寄り前側}で蠢いている邪気は、&bold(){手足陽明}の
 &bold(){出ているツボ}に引きやすいです。
 (体の外寄り前側は、前から見えやすい部分)
 
 横)&bold(){体の外寄り横側}で蠢いている邪気は、&bold(){手足少陽}の
 &bold(){出ているツボ}に引きやすいです。
 (体の外寄り横側は、横から見えやすい部分)
 
 後)&bold(){体の外寄り後側}で蠢いている邪気は、&bold(){手足太陽}の
 &bold(){出ているツボ}に引きやすいです。
 (体の外寄り後側は、後ろから見えやすい部分)
 
 ***手足陰経に引く
 
 &ref(keiraku-byoushou1110.jpg)図2
 
  体幹部の奥の方の内蔵部分などで蠢いている邪気を引くには、
 手足陰経に出ているツボを使います。
 
  体幹部の奥の内蔵部分などが、体の前側か、中央(横側)か、
 後側かによって出やすい経絡が違います。
 
 前)&bold(){体の奥の前側}で蠢いている邪気は、&bold(){手足太陰}の
 &bold(){出ているツボ}に引きやすいです。
 (体の奥の前側は、体の内側で前側にあり、手術の時に腹側か
 ら開始する胃腸系など)
 
 中)&bold(){体の奥の中央}で蠢いている邪気は、&bold(){手足厥陰}の
 &bold(){出ているツボ}に引きやすいです。
 (体の奥の中央は、体の内側で中央にある子宮や肝臓など)
 
 後)&bold(){体の奥の後側}で蠢いている邪気は、&bold(){手足少陰}の
 &bold(){出ているツボ}に引きやすいです。
 (体の奥の後側は、体の内側で後側にある腹膜後器官や脊髄
 など、手術する時に背側から開始する臓器など)
 
 **陽に引く
  体幹部の内部で蠢いている邪気を引くための、もう1つ方法
 で、座位立位で同じ高さの背中側に&bold(){出ているツボ}を使います。
 背中側には、後頭部や後頚部も含みます。
 
  例えば、上焦で蠢いている邪気は、胸椎1〜7の華佗経など
 に出ているツボに引きます。
 
 &ref(dm-joushou.jpg)図3 
 
  そして、目や鼻の病を「陽に引く」時には、後頭部や後頸部
 も使います。
 
 **引き方
  邪気が来始めたら、押手を引き気味にしながら弾鍼などしま
 す。邪気が来始めたかどうかは、色々な兆候(きざし)がある
 ので、それを把握できるよう、体で覚えていきます。また、敏
 感な患者さん(役)なら教えてくれます。
 
  「邪気の引き方」については、「1回の刺鍼中に起こる兆し
 と合わせ方 [[術伝流一本鍼no.77]]」に詳しく書きました。
 
 *おわりに
  繰り返しになりますが、術伝流鍼灸講座では、和方鍼灸の基
 本を身に付け、それを応用し、先急や養生の型を身に付けます。
 
  和方鍼灸の基本は、以下です。
 1.&bold(){指が自由に動く姿勢}
 2.&bold(){出ているツボの見付け方}
 3.&bold(){手足に引く}、&bold(){陽に引く}
 
  上記に引用した『専門医のための漢方医学テキスト』の鍼灸
 の解説に書かれたように、鍼の技法は、「邪気を退ける」寫法
 と「真気を巡らす」補法の2つですが、「邪気を退ける」瀉法
 の方が簡単なので、先ずは、引鍼での「邪気の退け方」を習得
 した方が上達が早いです。
 
 >「けだし鍼は邪気を退くるものなり 
 >  邪気さえ退く時は自ら正気は盛になる理なり」
 >                 (『鍼灸重宝記』)
 (手足背に引き、患部から邪気を退ければ、真気は自然に巡る)
 
  「真気を巡らす」補法に関しては、以下に詳しく書きました。
 「真気を呼んで巡らすための鍼の動かし方 [[術伝流一本鍼no.78]]」
 
  言い換えれば、要するに、以下と思います。
 1.ツボは、筋肉の機能性病変
 2.鍼灸は、「筋肉の機能性病変を改善」することを手始めに、
   「体の歪み、血流、神経伝達などを改善」することに因り、
   痛み辛さ症状を改善している
 
  そう言う風に考えると、現代医学とも余り矛盾しないように
 思います。また、江戸時代の鍼灸書は、そういう点で、非常に
 鍼灸の本質を突いているように思います。
 
 追記2015.12.8.:ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  繰り返しになりますが、上記3点をしっかり身に付け、患者
 さん役の体に合わせて刺鍼することを心掛けて行けば、やがて、
 邪気は感じられるようになります。多くの場合は、結果が6割
 以上出せるようになった後です。
 
  6割以上になっても邪気が感じられないという人も居ますが、
 そういう人の指は、患者さん役の体の変化に応じて動いている
 ことが多いです。ですから、結果が出せるわけですね。
 
  そういうことも含めて、
 >「鍼刺すに 心で刺すな 手で引くな
 >      引くも引かぬも 指に任せよ」
 なのかなと思っています。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 追記:2017.01.28ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  この辺りを独習したい人は、術伝流一本鍼の体得篇を読むと
 良いかも知れないなと思います。私が鍼灸術を体得するために
 実践してきたことですし、講座で戸惑っている人に助言してき
 た内容ですから。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  
 追記:2018.08.10ーーーーーーーーーーーーーーーーー
  ここに書いたように、私は江戸期の和方鍼灸を基盤に
 しています。ですから、現代中医・ファシア説・DNなど
 は参考に勉強はしますが、基盤にはしていません。詳し
 くは、以下に書きました。
 
 [[現代中医・ファシア説・DNなどは基盤にしない理由>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20180522]]
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 **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
 いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
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  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。
 
  よろしくお願いします。
 
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 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。
 
  よろしくお願いします。
 
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