目次
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Delta Green : The Role Playing Gameとは

クトゥルフ神話TRPGのサプリメント「Delta Green」シリーズを刊行していた「ペイガン・パブリッシング(Pagan Publishing)」の元社員らが立ち上げた出版社「アークドリーム・パブリッシング(Arc Dream Publishing)」から刊行予定の独立したTRPGゲームシステムのこと。 欠けていた現代の要素にフォーカスが向けられ、エージェントたちのより激しい戦いが描かれるようになった。 ラヴクラフトの世界は当然ながら、正気度や狂気など幾つかの点でBRPやクトゥルフ神話TRPGの要素を継承している。 2016年2月時点ではKickstarterによる資金調達が既に完了し事前予約を受け付けている状態。 コアルールブックのPDF版は$20(Backerkit)。

ちなみに支援者向けのハードカバー版はフルカラーとのこと(PDFは不明)。すごい。

beta 4

「Delta Green:RPG(以下DG:RPG)」は未発売の状態だが、Kickstarterプロジェクトの一環としてプレイテスト用のドラフト版が無料で公開されている。
このページではそのドラフト版の個人的な翻訳を元に、幾つかの興味深い点に関して覚書を残していく。
実際に刊行された版とは内容が異なることは勿論、部分的な翻訳あるいは誤訳を原因とする間違った解釈の記述がある可能性にも注意されたい。

Delta Green: Need to Know

2016年2月16日にデルタグリーンの公式サイト(http://www.delta-green.com/)にて、DG:RPGの簡易ルールブックがオープゲームライセンスv1.0aの下に公開された。
これは「Delta Green: Need to Know(以下DG:NK)」と呼ばれ、DG:RPGのクイックスタート・ルールブック及びハンドラースクリーンとして機能する。
あくまでもクイックスタートルールであるため、武器や装備品のデータは収録されておらず、当然各種ルールは簡略化した記載となっているのだが、beta4時点でのクイックスタートガイドよりルールブックに近い具体的な説明が行われており、単体でもキャラクターの作成からプレイまで全ての要素を体験することができる構成となっている。

おおまかに読んだ限りでは、少なくとも戦闘ルールに関してはbeta4から大きな変更はない。
内容が読みやすく整理された以外では以下の様な点が目についた。

  1. これまでは単体の攻撃しか回避することができなかったが、DG:NKでは反撃と同様に、集団に攻撃されても最初のロール結果が対抗に勝利すれば1ターンに何度でもダメージを避けられるようになった。
  2. 「キルダメージ(Kill Damage)」の名称が「致死率(Lethality Rating/Lethality)」へと変化した。
  3. 対抗ロール(Opposed Rolls)の内、戦闘に関連したロールをまとめて「防衛ロール(Defense Rolls)」と呼称するようになった。

このページでは出来る限りDG:NK側へと優先的に移行して記載を行っていきたい。

事前予約可能な関連書籍(抄訳)

Agent's Handbook

完全なゲームルールが収録された、いわゆるコアルールブック。
キャラクターの作成や捜査/戦闘のルールに加えて、装備品と車両のデータも収録される。

Case Officer's Handbook

エージェント・ハンドブックの内容に追加して、シナリオの作り方、キャンペーンの進め方から、
クトゥルフ神話の魔道書や呪文、モンスター、異世界のアーティファクト、カルト教団、組織、その他脅威の作成や設定の変更についてなどを取り扱うチャプターが盛り込まれる。

The Fall of Delta Green

ケネス・ハイト(Kenneth Hite)(Trail of Cthulhu、Night's Black Agentsなどを手掛ける)及びペルグレイン・プレス社(Pelgrane Press)による、
1960年代におけるデルタグリーンを取り扱ったGUMSHOEシステム*1RPG。

Control Group

グレッグ・シュトルツ(Greg Stolze)による入門用のキャンペーン。
(Control GroupのPDFは全ての後援者に無料で提供されます。キックスターターのプロジェクトを支援していない人はBackerkitのページからPDFを購入することができます。)

Falling Towers

キャンペーン及びデルタグリーンの作戦行動を詳細に記述したサプリメント。
今日のニューヨークにおける情報提供者と脅威について、そしてフェイト(The Fate)に抗う2000年代の闘争を描く。

Impossible Landscapes

デルタグリーンが黄衣の王とカルコサに立ち向かうキャンペーン及びサプリメント。

用語

戦闘

DG:RPGの戦闘は多くの点でクトゥルフ神話TRPGと基本を同じにしているが、より具体的な状況における行動ルールが制定されたことで激しい戦闘にも対応できるようになった。
例えば「手榴弾とアサルトライフルを握りしめて狂信者と銃撃戦を行う」、「巨大な神話生物を空爆する」といった展開でもダイスの処理を挟んで導入することができる。
そもそも戦闘の各項目に描かれた例でさえ 「複数名の狂信者を射殺し、瞑想中の残党を部屋ごと爆破」 してのけるのだから、むしろある程度そういうゲームだと思ったほうが良い。

CoCには連射武器や爆発物、ボディーアーマーなどルールが曖昧で、尚且つプレイヤー側に圧倒的な有利を与えてしまうため殆ど使用されない要素が幾つか合った。
前者で言えばダメージロールに大量のダイスを振らなくてはならないため、セッションの進行上でも厄介な存在に感じている人も少なくはないはずだ。
DG:RPGではそんな高火力武器と装甲に関する具体的な(そしてユニークな)ルールが用意されている。
これをハウスルールとして上手く組み込めば、CoCでもより特殊な状況における戦闘を劇的に演出できるだろう。

銃火器のダメージ

CoCではダメージが武器毎にバラバラに設定され、「Delta Green」では弾薬の種別に厳密なダメージが定められていた。
これらは武器の火力の判りやすい指標であり、ある意味でのリアリティを取り入れた要素であるが、やや煩雑でバランスの調整も難しいものだった。
そこでDG:RPGでは弾薬や火器のサイズを元に武器を幾つかにカテゴライズし、それに応じたダメージを設定することによってその問題をある程度解消することに成功している。
例えば拳銃は「小型」、「中型」、「大型」に分類され、たった3種類のダメージ種別から成り立つことになった。
同時に、カテゴリには「弾薬の口径(例:.45 ACP)」と「具体的な武器名(例:Glock 17)」が示されているので、より自由な武器を(バランスを崩すこと無く)導入しやすくもなっている

ここで注意すべきなのは、第6版のCoCと比較して、全体的に武器が引き起こしうる最大ダメージ(と最低ダメージ)が若干減少していることだ。
これは別に設定された「キルダメージ(Kill Damage)」と「装甲貫通率(Armor Piercing)」の2要素によって補われているが、大型の武器ほど使い勝手が変化したと考えて良い。
特にこの影響が著しいショットガンは散弾の最大ダメージが2D10となり、常に命中率に+20%の補正を受ける代わりに相手の装甲の影響を2倍強く受けるようになった。
二連式に関しても、2発の弾丸を撃ち出したので単純にダメージも2倍、とはならない点が異なる。

また特定のカテゴリの武器、そして攻撃には通常のダメージが設定されていない。
例えばアサルトライフルには単発のダメージが設定されているが、バースト射撃や連射を行う場合には別途設定された「キルダメージ率(詳細は以下を参照)」を代わりに使用する。
そして手榴弾のような致命的な武器や、10-20発程度の連射が前提的な軽機関銃などにはそもそも通常ダメージ値が存在しない。

キルダメージ(KILL DAMAGE)

200連射すればダメージロールも200回振らなくてはならないのか? 一発ずつ装甲を加味してダメージを与えるのか? 誰に何発ずつ命中したんだ?
ミニガンから降り注ぐ雨を浴びて立ってるアイツは何なんだ? 手榴弾の爆心地から元気そうに立ち上がったあの男は誰だ?

というような厄介な処理を簡略化し、大体解決してしまうのがこの「キルダメージ」の存在である。
言ってしまえばこれは、重機関銃のバースト射撃や砲弾といった、明らかに人間が生存できる可能性を超えたダメージを引き起こす攻撃に「即死判定」が追加されるルールだ。

例えばスコルピオンSMGで3点バースト射撃を行い、人間の対象に命中したとしよう。
3点バースト射撃には10%のキルダメージ率が設定されているため、ここではダメージロールの代わりにD100をロールしなくてはならない。
ロール結果がキルダメージ率より低ければ(そして遮蔽物に隠れていなければ)対象は即死するし、そうでなくても2D10のダメージを受ける。

キルダメージが発生すると殺せなくとも敵に重症を負わせる=戦闘から脱落させる可能性があるため、展開を早めるシステムとして機能するのだ。
問題があるとすれば、キルダメージ率と装甲貫通率を除けば引き起こすダメージが一律であることで、ルールをそのまま受け取ると遮蔽物があれば核の爆心地にいても即死を免れる可能性があることだ。
別途ハンドラーの判断によって問答無用で即死扱いとするルールも存在するものの、なんとも線引が難しい所である。

▼キルダメージの項に書かれた「例」の拙訳。
エージェント・ダリルは銃撃戦で3人の狂信者を射殺し、「ニューライトの預言者」の隠れ家の奥深くへと踏み込んだ。
彼は内部で6人の狂信者と遭遇したが、相手は瞑想中でこちらには気がついていない。
ダリルは彼らがどれほど狂信的に振る舞えるのかを知っていたので、拳銃で脅したり鎮圧したりしようなどとはしなかった。
代わりに彼は部屋に手榴弾を投げ込んだ。
ハンドラーは彼に、十分な時間があったので攻撃ロールを行う必要はないと言った。
手榴弾には10%のキルダメージ率がある。
ダリルは最初の犠牲者のためにパーセントダイスロールを行い、出目は81だった。
これはキルダメージの確率よりも高いので、手榴弾は狂信者を完全に殺してしまうことには失敗した。
代わりにダリルは耐久力ダメージのためにダイスを追加でロールした : 8 + 1 = 9。
狂信者は10 HPを持っていたので、彼は爆風で重症を負い意識不明に陥った。
残りの狂信者はそれほど良い目には合わなかった。

制圧半径/殺傷半径(KILL RADIUS)


制圧(SUPPRESSION)


▼制圧の項に書かれた「例」の拙訳。
「ニューライトの預言者」はエージェント・ダリルの放った弾丸と手榴弾の爆発によって攪乱を受けた。
警備員のひとりはサブマシンガンを手に曲がり角から身を乗り出し、ダリルに向かってバースト射撃を行った。
警備員の銃器技能は30%でありロール結果は35だった。 失敗だ。 しかしダリルを制圧した。
ダリルのターンになれば、彼は恐怖に1SANを失いながらもとにかく攻撃をするか、遮蔽物まで走るか選択をしなくてはならない。
彼は遮蔽物とするために戸口を走り抜けた。

戦闘における防護手段(PROTECTION IN COMBAT)


▼戦闘における防護手段の項に書かれた「例」の拙訳。
エージェント・ダリルは「ニューライトの預言者」の警備員と銃撃戦を展開している。
両者ともに神殿の壁を遮蔽物として利用しており、ハンドラーはその壁が5ポイントの装甲値を持っていると言った。
警備員はロールを行って13を出し、バースト射撃を命中させた。
警備員は10%のキルダメージのためにロールを行い、その結果は10だった。
幸いにもダリルは遮蔽物に身を隠していたのでキルダメージロールは自動的に失敗扱いとなった。
追加のダイスによって、彼は11ダメージを受ける。
ダメージは壁によって5ポイント減少し、更にボディーアーマーによって4ポイント減少したため、彼は2HPを失った。
ハンドラーは一発の弾丸がエージェント・ダリルの頬をかすめ、別の弾丸が壁を貫いてボディーアーマーに突き刺さったと描写した。
当然ながら制圧半径の対象にされたことでダリルは再び制圧状態に陥る。

巨大なターゲット(HUGE)


装甲貫通武器(ARMOR PIERCING WEAPONS)


▼装甲貫通武器の項に書かれた「例」の拙訳。
ニューライトの神殿へ更に深く踏み込んだエージェント・ダリルに、床の穴から何かが飛びかかってきた。
その何者かの攻撃は命中した。
ハンドラーはその攻撃が3ポイントのダメージを持つと言ったが、鋭く頑丈な鉤爪は装甲を貫通した。
攻撃はダリルの装甲値を5ポイント減少させたため、ボディーアーマーによる防護は0となる。
ケブラー繊維とその下にある肉を鉤爪で引き裂かれ、エージェント・ダリルは3ポイントのダメージを受けた。

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