262 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/10/02(金) 22:35:01.25 ID:fIoYTWVyO space guitar girl! 夢を見た。また、あの日の夢だ。あれからもう、3年もの月日が経つ。 憂……今あなたは、一体どこにいるの?どうして私から離れていったの?会いたいよ……憂……。 地球から何億光年も離れた、別銀河のとある惑星。ギターとアンプを抱え、バイクに跨る女性が1人。 女性は酒場の脇にバイクを停め、中に入る。 「マスター、何か景気のいい話ない?」 マスターはチラリと壁の貼紙を見る。女性はそれを見て、首を横に振る。 「あれじゃ、ちょっとね。飛びっきりのをお願い」 マスターは顔色ひとつ変えず、女性に酒を出す。女性も顔色ひとつ変えずに、その酒を一気に飲み干す。 それを見たマスターは、無言で一枚のカードを差し出す。女性はそれを受け取ると、酒場を後にする。 「やるな、あの嬢ちゃん」 酒場の隅のテーブルで飲んでいた男は、彼女の一部始終を見た感想を呟き、後を追うように酒場を出て行く。 282 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/10/02(金) 23:34:03.04 ID:fIoYTWVyO なんか動物化終わらせるとか言ってた気がするが、気にせず続き 「クラブ『BOARD』……ここみたいね」 女性は扉を開き、地下へと続く階段を降りる。 店内にはアップテンポのナンバーが繰り返され、それにノって踊り騒ぐ客達。 女性は店の奥へと進む。スタッフルームに入ろうとする女性を黒服の男が止める。女性がカードを見せると、男は道を譲る。 「やあ、待ってたよ。平沢唯さん」 女性-唯-がスタッフルームに入ってくるなり声をかける男。その両隣に、2人の女がいる。 男「俺はカズマ。ここの支配人をやってる者だ」 女A「久しぶりの『お客様』ですね。私はサクヤ。よろしくね」 女B「……ムツキです。よろしく」 「カズくんにサクちゃんにムッちゃんね。みんな、よろしくね」 早速ニックネームをつけて呼ぶ唯。 カズマ「カズマさんにしてくれると有り難いんだけどな。支配人だし」 サクヤ「あら、可愛らしくて良いじゃないですか」 ムツキ「ムッちゃん……」 286 :謎の小袋 ◆PzD3ftv2xo :2009/10/03(土) 00:00:22.45 ID:qCkPdfPYO カズマ「しかし……随分ゴツいもん持ってるな。重くないのか?」 カズマは唯の持つアンプを見て言う。普通アンプという物は、唯のように華奢な女性が片手で持てるような重さではない。 それを唯は片手で持っているのだから、驚くのも無理はない。 唯「この子はね、友達の会社で作って貰った特注品なんだ。こう見えて意外と軽いんだよ」 そういうと、アンプをサクヤに渡す唯。 サクヤ「あら本当。軽いわ」 嬉しそうにアンプを振り回すサクヤ。 唯「あう~アンピーいじめないで~」 ムツキ(アンピー!?名前!?) カズマ「あ~、そろそろ本題入っていいか?」 その声に、女性陣がカズマの方を向く。 咳払いをひとつして、カズマが話し始める。 カズマ「さて、唯ちゃん。君が追っているのは、そんじょそこらの犯罪者じゃない。そうだな?」 唯「うん。多分、だけどね」 唯は、3年前、突然記憶を失った憂を、見知らぬ女性が連れ去ったという出来事を話した。