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じゅけん! 目次 - (2009/08/30 (日) 17:49:51) の編集履歴(バックアップ)


819 :目次 ◆INDEX/woDo :2009/08/29(土) 01:43:47.68 ID:6Y4y7c0O0
じゅけん!
この物語は目次をオリジナルキャラとしてけいおん!の世界に組み込み『 受 験 に は 全 く 役 に 立 た な い 』SSです。
高校時代の実生活を元にしたフィクションであり、実在する団体、組織、個人とは一切関係ありません。
また、このSSを読んで実践した結果、例え『落選』しようが、『滑ろう』が、『内定取り消し』されようが一切の責任は負いません。
では、お楽しみください。

 -じゅけん!- 4月
 春。儂は惰性半分に高校3年になっていた。けいおん部に入り浸るものの、何もせず基本的には『バックアップ』として高校3年までやるつもりだ。そしてある日、パソコン部からゲーム製作の手伝いをして欲しいと申し出があり、
けいおん部に加え、パソコン部の手伝いもするようになっていた。
 そんなある日。
「目次君って、大学何処にするの?」
 話をかけてきたのは平沢唯。けいおん部のリードギター兼ボーカルで独特の感性を持った女の子だった。
「いや、決めてない。儂自身も大学なんてそもそも行く気自体が今もないしな」
「ふーん。でも大学行かないと就職とかって厳しいって聞くよ?」
「就職ねぇ……大学行くのはネームバリューとしてそのブランド欲しさに行くんだろ? だったら儂は資格とか免許とかそういうものを取って『何でも屋』にでもなった方がマシだな」
「そっか……」
 後輩たちにも自分は大学に行くつもりは更々ないと言い、それを担任や顧問にも明言してきた。勿論まだ春の時点では『何処の大学に行こうか』なんてものも考えておらず、進路調査票にも『未定』としか書かなかった。
が、そんなものも長続きはせず、ある日のこと担任から呼び出された。
「目次。お前いい加減に進路を考えたらどうだ?」
「だから言ってるじゃないですか『大学に行くつもりはない』と。儂は資格や免許を取るのに1年費やして、それで就職します」
「それなんだよ。今の時代、大学卒業しないと厳しいって言ってるんだよ」
「大学卒業しても就職難の今に? 大学卒業よりも資格重視の現代社会だと言うのにですか?」
 学校の本音がどういうものかは知っている。元より県内でも有名な公立進学校である以上、『難関大学に受からず、浪人』でもない限り無理にでも進学させたいのだ。それが見えていたからこそ儂は頑なにソレを拒んだ。
「話がそれだけなら、進路は未定じゃなくて『国公立大学希望』とでも書いておいてください。東大か埼大あたりでも」
 儂は言い終えるとそのまま踵を返し職員室を後にする。
「せめて、本音を言えば納得をするというに」
 職員室からけいおん部の部室に戻ると皆が練習していた。
「目次君どうだった?」
826 :目次 ◆INDEX/woDo :2009/08/29(土) 02:06:19.96 ID:6Y4y7c0O0
 心配そうに声をかけてくる唯。そんな心配を払拭できるように薄ら笑いを浮かべる。
「どうだったも何も。何時も通りの事だよ。何を言おうと儂は考えを変えるつもりはないっての」
「とはいえ目次、本気で1年フリーターでやるつもりなの?」
 今、声をかけてきたのは田井中律。元気に溢れた性格でこのけいおん部の部長だ。
「そうだよ。幾ら目次が良いって言ってもそこまで頑なに拒む必要もないだろ?」
「そうよ?」
 律の質問に重ねて来たのが秋山澪そして、琴吹紬だ。彼女たちも同じくけいおん部でベース、キーボードを担当している。
「正直な話、追加で4年間も勉強することに何の意味があるんだって話。高校まで朝から夕まで勉強漬けにされた挙句に更に4年間も。しかも穴だらけのカリキュラムだぞ? なんの意味があるよ?」
「わ、私思うんですけど。その空いた時間に好きなことすれば……良いと思うんです。そうすれば大学で仲間も新しく出来たり、それに先輩にも彼女だって……」
「彼女? 要らん」
 けいおん部の後輩で2ndギターの中野梓の意見を正面から否定する。
「なんでですか? 私が初めて目次先輩と会って告白したときだって断って……」
「「「「えぇ!?」」」」
 部室内が戦慄する。
「え? 梓、目次に告白したの? え、一目惚れ?」
「どういうことなの目次君! あずにゃんみたいな可愛い子フるなんて! しかもこんなに今も気楽に話してるなんて頭おかしいんじゃない?」
 梓が過去の事を言ってしまったがばかりに質問攻めを喰う羽目になってしまった。
「いや、儂の話も少しは聞いてく……」
「話を聞くも何もフっておきながら気安く話かけてるお前の頭が不思議でしかたないんだよ!?」
「だからだな……」
「先輩達! 落ち着いてください」
 梓の一言で静まり返る。
「だからな、今の儂には彼女なんて身分不相応なんだよ。だから梓には悪いがフらせて貰ったってだけの話だよ」
「……身分不相応ねぇ……」
832 :目次 ◆INDEX/woDo :2009/08/29(土) 02:20:59.18 ID:6Y4y7c0O0
「そ、身分不相応。大体、儂がどういう生活してるか知ってるだろう?」
「どういう生活って……」
「オタク」
 答えたのは律。
「万年徹夜」
 答えたのは澪。
「努力をしないことを努力する生活」
 答えたのは紬。
「能はあって爪を隠しても爪を磨かない」
 答えたのは梓。
「何より、色々と勿体ない生活」
 答えたのは唯。
 容赦のない回答に全くその通りとしか言い様ががない。
「……まぁ間違っちゃいないし、否定するつもりも更々ないんで構わないが、もう少しポジティブな捉え方は出来ないのかお前らは」
「だって、目次君普段から何もしないじゃん。音楽聞いたり、漫画読んだり、ゲームしたりで。もう少しクラスの為に動くとかすれば良いのに」
「そんなことしたら儂が全部取り仕切らなきゃいかんだろ。面倒事は全部お偉いさんに任せて、儂は自由に生活するんだよ」
 そんなことをいう儂だったが、高校1年の時にクラスの連中が前もって話を合わせていた様に男子から一同から推薦されてHR委員長にされたことがある。その時は半分仕方ないと思った反面で推薦したことを後悔させようとした。
まず基本的に委員長であるという事で君主政治のように基本的な方針や決め事は儂が決め、それに対して反論は基本させなかったり、またクラスの出し物についても女子と男子全員にメイドの格好をさせメイド喫茶を強行しようとしたが、
流石に担任が止めた為、学校初となるメイド喫茶は泡沫となった。
「流石にこればかりはどうしようもないって事かな」
「そゆこと」
 ソファに倒れ込み、リュックサックの中から持ってきた解説本を読む。
「さて、練習始めようか。目次、聞いて貰える……って、何その緑色の本は……」
「 毒 草 大 百 科 」
「……突っ込まないでおく。まぁ何時も通りお願いね」
「あいよ」
 ソファに寝転がりながらページを捲る儂を横に彼女達の演奏が始まる。

…………
928 :目次 ◆INDEX/woDo :2009/08/29(土) 09:22:01.01 ID:6Y4y7c0O0
 ジャーン……
 彼女達の演奏が終わり、唯が感想を求める。
「どうだった?」
「『どうだった?』と聞かれば『良かった』と返せるかな」
「そっか。なら悪かった?」
「悪くはない。が、強いて言うなら律が相変わらず。で、澪と梓も音がほんの少しズレてる。唯は自由すぎる」
「え? 音ズレてた?」
「あぁ、本当にほんの少しな。チューナーでもっかい計ってみ」
 儂からの助言に彼女達はチューナーを取り付けて調音する。
「あ、3弦の音が若干高い……」
「こっちも6弦の音が若干低いです」
「な? 言った通りだろ?」
 そんな感じで1年の新入りが入ることはなく5月を迎えるのだった。

5月へ続く。

269 :目次@携帯 ◆index/9a7s :2009/08/30(日) 04:58:27.96 ID:u48bDgRnO
5月
 中間試験を中旬に構え、新入生の真新しい制服の糊も幾らか取れて、体に馴染み始める頃。とうとうというべきだろうか。親が呼び出された。
「……ねぇ、目次。貴方、何で進路書かないの?」
担任を待つ生徒指導室の中で母親が話し掛けて来る。
「書かないも何も書けないんだよ」
「その歳にもなってまだなりたい職業もないの?」
「言ったって反対しかしないんだから、言うだけ無駄でしょ? だから書きたくても書けない」
 そんな問答をしていると担任がやってくる。
「本日はお忙しい中、学校にお越しいただき有難うございます。今回は目次君の進路相談についてというこで、よろしくお願いします」